JP2003171955A - 水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システム、水中モータポンプ使用陸上設置型海洋表層水又は深層水取水施設及びメンテナンス方法並びにその工法 - Google Patents

水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システム、水中モータポンプ使用陸上設置型海洋表層水又は深層水取水施設及びメンテナンス方法並びにその工法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、敷設工事が容易で、取水装
置のメンテナンスが容易な水中モータポンプ使用小口径
管大容量海洋表層水又は深層水取水システム、陸上設置
型深層水取水施設及びメンテナンス方法並びにその工法
を提供する。 【解決手段】 本発明に係る水中モータポンプ使用小口
径管大容量海洋表層水又は深層水取水システムは、陸上
と表層水又は深層水取水位置との間に敷設された小口径
のパイプ又はホース11及び電源ケーブル12と、この
パイプ又はホース11の先端に配設された取水装置41
と、を備え、取水装置41には、取水ポンプが配設され
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は水中モータポンプ使
用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システム、
水中モータポンプ使用陸上設置型深層水取水施設及びメ
ンテナンス方法並びにその工法に係り、特に小口径管に
よって大容量の海洋表層水又は深層水を取水するシステ
ム、取水施設及びメンテナンス方法並びにその工法に関
する。
【0002】
【従来の技術】従来、海洋表層水又は深層水を取水する
システムとしては各種の提案がなされている。例えば船
体を洋上に係留して、表層水又は深層水をポンプ等で汲
み上げる技術、大口径の管体を海底の所定深水位置に敷
設して、この大口径の管体から表層水又は深層水を汲み
取る技術等が知られている。
【0003】船体を洋上に係留して、表層水又は深層水
をポンプ等で汲み上げる技術としては、「移動式取水
船」方式があり、陸上設置型に比べ、各種施工が不要で
あり、施工費用等を大幅に節減できる。つまり、大・中
都市から離れた場所に施工する陸上設置型に比べ、表層
水又は深層水の搬入時Mm単価も約1/5から1/1
0となる。
【0004】上記船体で取水するシステムの場合、洋上
へ船体を移動して行う必要があり、表層水又は深層水を
移動するための温度管理や移動量、船体と接続して表層
水又は深層水を陸上に移動する等が必要であった。例え
ば、取水船方式は毎日(約20〜25日/月)海上での
オペレーションが必要であり、安定供給、低水温保持等
に不都合がある。
【0005】また、大口径の管体を用いる技術では、陸
上設置型として内径200mm−300mmの高密度ポ
リエチレン管を水深300m−700mの海域まで敷設
し、海岸に設置されたポンプで1000−3000m
/24時間取水しているのが現状である。
【0006】しかしこの技術は、高密度ポリエチレン管
の購入コスト、海底掘削・埋め戻しコスト、パイプ敷設
コストならびに漁業補償費等により、総事業費が相当高
価なものになり、また漁業関係者との交渉にも相当な時
間が必要である。従って、この技術は公共事業として採
用されることが多く、民間事業用としては馴染まない。
【0007】また、大口径の管体を用いて表層水又は深
層水を汲み上げるためには、先ず大口径の管体を敷設す
る必要があった。このため、大型の敷設台船に大口径の
管体を載置して敷設する必要があったり、陸岸近くは波
風の影響を受けやすいため、敷設管を保護する目的で、
管体を埋設したり、固定したりする必要があるが、大口
径であるために、大がかりの前工事が必要となってい
た。
【0008】例えば、海洋表層水又は深層水取水用パイ
プを海岸浅水域に敷設する場合、従来パイプを保護する
ために−60mまでトレンチを掘り、パイプを入れて埋
設している。海岸が岩盤であったり、防波堤があったり
すると工事費は高く、工期は長く、大きなネックになっ
ている。
【0009】また海岸近くの陸上に陸上モータポンプを
設置し、取水することも考えられる。これは陸地に近い
場所にモータポンプを設置し、海洋深層水または表層水
を取水する方法であるが、このためには陸の近くに大き
なポンプピットを構築して、陸上モータポンプを設置す
る必要があった。このように陸上モータポンプによる取
水方法は、ポンプピットの構築に費用がかかり、大がか
りとなるだけでなく、陸上から海洋深層水または表層水
を吸い上げることは、水圧等の関係から所定深さに至る
距離に限度があった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記各不
都合は、取水するためのパイプが大口径である点に着目
して、本発明をなしたものである。すなわち、本発明の
目的は、敷設工事が容易で、取水装置のメンテナンスが
容易な水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表層水
又は深層水取水システム、水中モータポンプ使用陸上設
置型深層水取水施設及びメンテナンス方法並びにその工
法を提供することにある。
【0011】また本発明の他の目的は、海底に沈殿して
いる、又は将来沈殿するかもしれない有害物質の吸引を
防止することのできる水中モータポンプ使用小口径管大
容量海洋表層水又は深層水取水システム、水中モータポ
ンプ使用陸上設置型深層水取水施設及びメンテナンス方
法並びにその工法を提供することにある。
【0012】さらに本発明の目的は小口径のパイプ又は
ホースを使用することにより、容易に取水装置を海面に
上げてメンテナンスを可能とする水中モータポンプ使用
小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システム、水
中モータポンプ使用陸上設置型深層水取水施設及びメン
テナンス方法並びにその工法を提供することにある。
【0013】さらにまた、本発明の目的は取水装置のメ
ンテナンス作業をしながらも同時に取水処理を継続して
行うことを可能とし、また複数の取水装置を低コストで
設置することが可能な水中モータポンプ使用小口径管大
容量海洋表層水又は深層水取水システム、水中モータポ
ンプ使用陸上設置型深層水取水施設及びメンテナンス方
法並びにその工法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】前記課題は、本発明に係
る水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表層水又は
深層水取水システムによれば、陸上と表層水又は深層水
取水位置との間に敷設された小口径のパイプ又はホース
及び電源ケーブルと、前記パイプ又はホースの先端に配
設された取水装置と、を備えた水中モータポンプ使用小
口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システムであっ
て、前記取水装置には、取水ポンプが配設されているこ
とにより解決される。
【0015】このとき、前記取水装置にはシンカーと少
なくとも一つの浮体に接続されて、取水口が海底面より
所定距離はなれ海底に沈殿している物質を吸い込まない
ように配置すると好適である。このようにすると、海底
に沈殿し又は将来沈殿するかもしれない有害物質の吸引
を避けることが可能となる。また前記電源ケーブルは制
御・信号用光ファイバーケーブルと一体に形成すると好
適である。さらに、前記取水装置は、ケージ内にモータ
及びポンプ、トランスが配設され、浮力体が付設されて
いるように構成する。そして、取水装置に接続された浮
体は、離脱可能となっており、前記ケージにはケージ引
き上げ用の着脱装置が配設されている。
【0016】またさらに、水中モータポンプ使用小口径
管大容量海洋表層水又は深層水取水システムによれば、
前記小口径のパイプ又はホースは分岐部を有しており、
該分岐部によって分かれた各先端に前記取水装置がそれ
ぞれ配設された構成とすることにより、例えば、取水装
置のメンテナンスを行う場合、一方のパイプまたはホー
スのメンテナンス作業をしながら同時に他方のパイプ又
はホースにおいて取水を行うことが可能となる。
【0017】前記課題は、水中モータポンプ使用陸上設
置型深層水取水施設によれば、陸上側に配設された水中
モータポンプと、該水中モータポンプと表層水又は深層
水取水位置との間に敷設された小口径のパイプ又はホー
スと、前記パイプ又はホースの先端に配設された吸込口
と、を備えた小口径管海洋表層水又は深層水の水中モー
タポンプ取水システムであって、前記吸込口は、ブイと
シンカーに連結され、所定位置高さで係留されているこ
と、により解決される。
【0018】このように構成することにより、陸上側に
水中モータポンプを設置しているために、海洋の気象状
況に拘わらず取水が可能であると共に、陸上側に水中モ
ータポンプがあるためメンテナンスが容易であり、設置
コストも低減させることが可能となる。
【0019】また、陸上側に配設された水中モータポン
プは、単数又は切り替え手段を介して複数配設され、前
記水中モータポンプのうち少なくとも一つは、逆洗用の
ものであって、前記吸込口側へ向けて流体を送出するよ
うに構成すると好適である。このように構成することに
より、深層水や表層水を取水するための吸込口が、取水
に伴って塞がれるような事態になっても、吸込口側へ向
けて流体を送出することによって、吸込口を洗浄するこ
とが可能となり、吸込口の目詰まり等を防止することが
可能となる。
【0020】また陸上側に配設された水中モータポンプ
は、単数又は切り替え手段を介して複数配設され、少な
くとも一つの水中モータポンプが稼動するように構成す
ると好適である。このように構成すると、水中モータポ
ンプのメンテナンス中においても、常に一つの水中モー
タポンプが稼動することになり、取水を中断させること
がない。
【0021】前記課題は、本発明の水中モータポンプ使
用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システムに
よれば、陸上側に配設された水中モータポンプと、該水
中モータポンプと表層水又は深層水取水位置との間に敷
設された小口径のパイプ又はホース及び電源ケーブル
と、前記パイプ又はホースの先端に配設された取水装置
と、を備えた水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋
表層水又は深層水取水システムであって、前記取水装置
には、取水ポンプが配設されていること、により解決さ
れる。
【0022】このような構成によれば、パイプ又はホー
スの先端に配設された取水装置に支障が生じた場合(例
えばモータポンプの故障など)、陸上側に配設された水
中モータポンプをバックアップとして稼動させること
で、取水作業が中断することのないように構成すること
が可能となる。
【0023】前記課題は、本発明に係る水中モータポン
プ使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水システムの
工法によれば、小口径のパイプ又はホースを敷設する工
程と、パイプ又はホースの先端に取水装置を配設する工
程と、を有する水中モータポンプ使用小口径管大容量海
洋表層水又は深層水取水システムの工法であって、敷設
船に配設されたリールに巻回された小口径のパイプ又は
ホースを埋設用トレンチの中又は弧状推進工法によって
掘られた地中の穴に引き込み、陸上からウインチで引っ
張るか、又は弧状推進工法で使用したビットに接続して
陸側に引き出すことにより解決される。
【0024】前記課題は、本発明に係る水中モータポン
プ使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水システムの
工法によれば、小口径のパイプ又はホースを敷設する工
程と、パイプ又はホースの先端に取水装置を配設する工
程と、を有する水中モータポンプ使用小口径管大容量海
洋表層水又は深層水取水システムの工法であって、前記
小口径のパイプ又はホースを敷設する工程は、小口径の
パイプ又はホースを陸地から所定距離埋設した後、小口
径のパイプ又はホースの先端を海底面上に露出させ、敷
設船に配設されたリールに巻回された小口径のパイプ又
はホースと前記海底面上に露見させた小口径のパイプ又
はホースの先端と接続し、リールから小口径のパイプ又
はホースを繰り出して所定距離間敷設することにより解
決される。
【0025】このとき前記小口径のパイプ又はホースに
は電源ケーブルを付設し、海底曝露部のみ所定間隔で小
口径のパイプ又はホースと電源ケーブルとを固定する。
また、小口径のパイプ又はホースを陸地から所定水深ま
で配設する手段は、弧状推進工法又はトレンチを掘り埋
設する工法を含むものである。
【0026】なお、ここで「弧状推進工法」とは、計画
軌跡上を高精度制御技術により掘進する高指向性、高速
の超小径(約120mmφ〜150mmφ)の削孔法
で、ほとんどすべての土質、岩質に対応できる。土質、
パイプ径により1000m〜1500mの距離を連続に
掘進し、パイプ又はホースを引き込むことが可能であ
り、海底の自然破壊を行わず、汚泥が発生せず、削進距
離が長くなれば掘削、埋め戻しよりも安価であり、防波
堤などの障害物は問題としない。特に漁協の賛同を得や
すく、又、海の状況に左右されないので工期が早く、波
による先掘の心配がなく、メンテナンスは不要等の利点
がある。「弧状推進工法」の詳細は後述する。
【0027】以上のように、パイプ又はホースが小口径
であるため「弧状推進工法」で海岸から海面上を掘削の
ため荒らすことなく地中ボーリングで孔を掘り、パイプ
又はホースを引き込むことが可能となる。
【0028】前記課題は、本発明に係る水中モータポン
プ使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水装置の
メンテナンス方法によれば、陸上と表層水又は深層水取
水位置との間に敷設された小口径のパイプ又はホース及
び電源ケーブルと、前記パイプ又はホースの先端に配設
された取水装置と、を備えた水中モータポンプ使用小口
径管大容量海洋表層水又は深層水取水システムのメンテ
ナンス方法において、取水装置に形成された引き揚げ用
着脱部材にメンテナンスを行う船体と連結された索条と
を連結し、この索条を引き揚げるものであって、前記取
水装置の引き揚げをダイナミック・ポジショニング推進
装置を装備する作業船により、パイプ又はホースに許容
以上の曲げ、捻れを生じさせないためのコンピュータプ
ログラムに従った操船によって行い、海底の取水装置を
引き揚げてからメンテナンス処理を行うことにより解決
される。
【0029】パイプ又はホースが小口径であるために、
巻取りリールのサイズ(直径)が極めて小さく、その製
作・敷設工事が従来工法に比べて極めて容易に成る。ま
たポンプ・モータのメンテナンスのために作業船を使っ
て海面に容易に引き上げることが可能となる。メンテナ
ンス終了後、海底に戻すのも容易である。
【0030】上記課題は、本発明に係る水中モータポン
プ使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水装置の
メンテナンス方法によれば、陸上と表層水又は深層水取
水位置との間に敷設された小口径のパイプ又はホース及
び電源ケーブルと、前記小口径のパイプ又はホースは分
岐部を有しており、該分岐部先端にそれぞれ配設された
取水装置と、を備えた水中モータポンプ使用小口径管大
容量海洋表層水又は深層水取水システムのメンテナンス
方法において、前記取水装置のいずれか一方が取水処理
をしている間に他方がメンテナンス処理を行うことによ
って解決される。
【0031】さらに、上記水中モータポンプ使用小口径
管大容量海洋表層水又は深層水取水装置のメンテナンス
方法において、メンテナンス処理は、取水装置に形成さ
れた引き揚げ用着脱部材にメンテナンスを行う船体と連
結された索条を連結し、この索条を引き揚げるものであ
って、前記取水装置の引き揚げをダイナミック・ポジシ
ョニング推進装置を装備する作業船により、パイプ又は
ホースに許容以上の曲げ、捻れを生じさせないためのコ
ンピュータプログラムに従った操船によって行い、海底
の取水装置を引き揚げてからメンテナンス処理を行うも
のである。
【0032】上記のように、2本に分岐したパイプ又は
ホースを備えた水中モータポンプ使用小口径管大容量海
洋表層水又は深層水取水システムを用いることにより、
一方のパイプまたはホースのメンテナンス作業をしなが
ら同時に他方のパイプ又はホースにおいて取水を行うこ
とができるので、メンテナンス作業を行っているときも
取水作業を中断することなく継続して常に一定の取水量
を確保することが可能となる。また、小口径のパイプ又
はホースを用いることにより、取水装置の設置や敷設工
事が従来の工法に比べて容易に成るため、低コストで取
水装置を増やすことが可能となる。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施の形態を図
面に基づいて説明する。なお、以下に説明する部材,配
置等は本発明を限定するものでなく、本発明の趣旨の範
囲内で種々改変することができるものである。
【0034】小口径管大容量海洋表層表層水又は取水シ
ステムは、陸上と表層水又は取水位置との間に小口径の
パイプ又はホース及び電源ケーブルを敷設し、さらにパ
イプ又はホースの先端に取水装置を配設し、取水装置
に、取水ポンプを配設して構成したものである。
【0035】ここで、小口径のパイプ又はホースとは、
小口径(115mmφ−80mmφ)の高密度ポリエチ
レン管約115mmφ、コイルド・チュービング約80
−115mmφなどである。ここで、コイルド・チュー
ビングの化学成分は、C:.10−016、Mn:.7
0−.90、P:.025 Max、S:.005〜
0.06 Max、Si:.30−.50、Cr:.5
0−.70、Cu.25 Max、Ni:.20 Ma
x、Mo:21 Maxである。このときの物理特性
は、最小耐力(Minimum Yield Stre
ngth)は、70,000〜80.000psi、最
小引張強さ(Minimum Tensile Str
ength)は、80,000〜90,000psi、
最小伸び(Minimum Elongation)
は、28〜30%、最大硬度(Maximum Har
dness)は、Rockwell C22、であり、
コイルド・チュービングには窒素などの気体を封入して
ある。なお、本例では約150mmφケーシングパイ
プ、80〜115mmφホース又はパイプ、約50mm
φ電源ケーブル、削孔 80〜115mmφホース又は
パイプを用いている。
【0036】陸上と深層水取水位置との間に小口径のパ
イプ又はホース及び電源ケーブルを敷設する手段とし
て、陸地と、この陸地から所定距離の間に配設する手段
と、所定距離配設した後にさらに所定距離を敷設する手
段とに分けて説明する。
【0037】なお本明細書において「電源ケーブル」に
は、文字通りの電源と接続され電力を供給するためのケ
ーブルと、このケーブルを利用して制御等を行うための
双方向制御情報・信号を利用する場合と、電源ケーブル
とは別に、後述する制御・信号用光ファイバーケーブル
等を利用するものを含むものとする。「電源ケーブル」
を情報通信制御用として使用する技術は、信号線及び電
力線を重畳させるもので公知であり、例えば特開200
0−341181号公報、特開2000−165304
号公報、特開2000−32686号公報などで示され
る技術を利用することが可能である。
【0038】小口径のパイプ又はホース11及び電源ケ
ーブル12を陸地から所定距離の間に配設する手段とし
ては、次の二つの例を示す。先ず第1の例としては、図
1で示すように、従来と同様に、前工事により敷設管1
3を埋設したり、直接、小口径のパイプ又はホース11
及び電源ケーブル12を埋設する場合である。この場合
には、従来技術と同様に、不図示の陸上クレーン、クレ
ーン台船により所定位置まで海底を掘削する。当然のこ
とながら、クレーン台船による場合には係留ワイヤー等
により台船を固定し、掘削後、小口径のパイプ又はホー
ス11及び電源ケーブル12或いはこれらを収容する保
護管体を埋設し、養生作業を行う。この場合にも、小口
径のパイプ又はホース11及び電源ケーブル12である
ので、従来のような大口径の管体の埋設作業と異なり、
大幅に少ない掘削作業となる。
【0039】第2の例としては、弧状推進工法による掘
進方法を採用する場合である。すなわち、図2乃至図5
で示すような工法を行うものであり、陸側に掘進装置2
1を配置し、掘進を行い、所定量の掘進に続いて、敷設
船31に搭載されたリール32に、巻回された小口径の
パイプ又はホース11及び電源ケーブ12を、陸側へ引
き込むものである。なお、陸上側から小口径のパイプ又
はホース11及び電源ケーブル12を配設するように構
成してもよいが、この場合には、陸上側から敷設した小
口径のパイプ又はホース11及び電源ケーブル12の先
端と、深層水の取水位置まで敷設する小口径のパイプ又
はホース11及び電源ケーブル12と、を接続する作業
を行う。
【0040】この掘進装置21には、ドリルパイプを回
転させたり、押し込んだり、引き込む機能を備えたドリ
ル装置22を備えている。ドリル装置22は、ドリルパ
イプ23、非磁性カラー24、測定器25、ベントサブ
26、マッドモータ27、ビット28が接続されてい
る。またドリル装置22にはポンプユニット(不図示)
が設けられており、掘削液をドリルパイプ23内に送っ
てマッドモータ27を回転させて、ビット28のノズル
からジェットを噴出させる。このようにビット28の回
転とジェット噴射により掘進させて穴を掘る。なお、測
定器25によってモニターされた穴の方向・傾斜・位置
に応じてジェット噴射の傾向あるいはベントサブ26の
作用によって穴の軌跡をコントロールするものである。
なお、穴は適正な掘削流体で常に満たして安定させる。
【0041】このようにして最初の穴の到達側からリー
マー29をドリルパイプ23に接続し、回転させながら
引き込み穴を広げる。そして、海底側に突き出たリーマ
ー29と、敷設船31のリール32に巻回されたから小
口径のパイプ又はホース11及び電源ケーブル12の端
部とを連結し、陸側へ引き込むものである。なお、陸側
から小口径のパイプ又はホース11及び電源ケーブル1
2を押し込むようにして敷設することもできることは、
前述のとおりである。また小口径のパイプ又はホース1
1と、電源ケーブル12は一つのリールに巻回させて
も、それぞれ別のリールへ巻回させておいてもよい。ま
た、電源ケーブル12には陸上側にトランス45を配置
しているが、後述するように取水装置41側にトランス
45を配置するように構成してもよい。
【0042】このようにして、概略−60m地点で地中
から海底面に先端を出し、そのパイプ又はホース11を
取水管の一部として利用するか、他管を挿入するケーシ
ング13に利用する。市販のコイルドチュービングを使
用する場合の最大内径は31/2”(88.9mmφ)
であり、(41/2”114mmφまで製作可)、陸上
にポンプを設置して取水する場合、管内流速をキャビテ
ーション限界の約1m/秒とすると20m/時、48
0m/日となる。この数字はパイプ長に反比例して減
少し、数km長になると取水量は大幅に減少する。な
お、いずれの手段を利用するかは、その時々の各種状況
に合わせて任意に設定することが可能である。
【0043】次に、所定距離埋設した小口径のパイプ又
はホース11及び電源ケーブル12を、深層水取水位置
へ敷設する手段について説明する。上記小口径のパイプ
又はホース11及び電源ケーブル12は、予め敷設船3
1にリール32に巻回されているが、パイプ又はホース
11の先端部が、スイベル29aを介してリーマー29
と接続されて、陸上側へ引き込む。そして、引き込みが
終了すると、敷設船31を運行して深層水取水場所ま
で、小口径のパイプ又はホース11及び電源ケーブル1
2の海底に敷設を行う。小口径のパイプ又はホース11
及び電源ケーブル12を海底へ敷設するには、小口径の
パイプ又はホース11であるので、敷設船31にリール
32を搭載し、このリール32に小口径のパイプ又はホ
ース11及び電源ケーブル12を巻回しておくことが可
能であり、従来のような大口径の管体と異なり、巻取り
リール32のサイズ(直径)が極めて小さく、その製作
・敷設工事が従来工法に比べて極めて安く、且つ容易に
敷設をすることが可能となる。
【0044】電源ケーブル12(6600BOLT3
相)とコントロールケーブル(光ファイバーケーブル)
は同じコンダクターの中に入れ、直径 約55mφ の
一本のケーブルとして、パイプ又はホースを沿わせて敷
設。「弧状推進工法」によるボーリング孔に80mmφ
〜115mmφのパイプ又はホース11と、約55mm
φのケーブルを同時に2本挿入することは可能であり、
−60mまでのケーブルの保護は万全である。それより
以深はパイプ又はホース11にケーブルをクランプで適
当なピッチで固縛することにより海底での潮流により別
々の動きをしないようにする。
【0045】次に、電源ケーブル12について説明する
と、本例ではパイプ又はホース11の先端の取水ポンプ
までの電圧降下を小さくするために6600Voltを
使用している。例えば、図8は、陸側にある電源と、取
水装置41との間を電源ケーブル12を介して、660
0Voltで対応の取水ポンプと接続している。また、
6600V/440Vトランス(防水型)を用いること
により、440Volt対応の取水ポンプと接続してい
る。
【0046】本例の制御・信号用光ファイバーケーブル
は、電源ケーブル12の3心ストランドの内部に光ファ
イバーケーブルを内蔵させ、ポンプ駆動用モータ内の
1.防水OILの圧力、2.防水オイルの温度、3.海
水の侵入の検知、4.ポンプ及びモータの位置を海上の
作業船に知らせるためのマーカーブイの着脱信号、5.
ポンプ地点の海水圧を検知して水深の確認等に使用して
いるものである。
【0047】そして、深層水を採取可能な水深位置(こ
の位置は予め測定等で検知しておく)で、小口径のパイ
プ又はホース11及び電源ケーブル12と取水装置41
とを接続する。
【0048】図10で示す取水装置41は、鋼製ケージ
42内に水中ポンプ駆動用モータ43及び取水ポンプ4
4、トランス45が配設され、浮力体46、鋼製ケージ
42の引き揚げ用着脱装置47、コイルドチューブ4
8、シンカー51、1〜2個の水中フローター(浮体、
マーカーブイなど)52、電触型の離脱装置53などが
付設されている。これらのうちポンプ44,モータ4
3,トランス45等は、上記鋼製ケージ42の中に取付
けて保護されている。より詳しくは、取水装置41は、
全体の水中重量は約2トン,空中重量は約4トン,潮流
対策として水中重量約3トン(潮流推抗により決定)の
シンカー51を海底に置き上向きの張力約2トンを与え
るように浮力体52の浮力を決定しケージに取付ける。
【0049】本例の取水ポンプ44は、120m/H
〜140m/H容量のものであり、この取水ポンプ4
4を深海側に設置することによりキャビテーションをな
くし、小口径のパイプ又はホース11内の流速を6〜7
m/秒にすることにより、取水量は、従来の120m
/時、140m/時から、2880m/日、336
0m/日へと大幅に増加することが可能となる。これ
は従来工法による内径250mmφ〜300mmφの高
密度ポリエチレン管を使用した場合と同じ能力であり、
1m当たりの工事費は数分の1となる。
【0050】取水装置41には水中ポンプ駆動用モータ
43が配設されるが、この水中ポンプ駆動用モータ43
は、30kg/cm〜70kg/cmの水圧に耐え
るものであり、この水中ポンプ駆動用モータ43には油
を充填し、ゴム風船とスプリングで構成されたパッシブ
圧力コンペンセーターシステム(ダイヤフラム)により
常に内外の水圧差が一定になるように構成され、モータ
内への水の侵入を防ぐことが可能である。このため、後
述する海底から海面への水深変化にも充分に対応可能と
なっている。
【0051】ここで、パッシブ圧力コンペンセーターに
ついて説明すると、パッシブ圧力コンペンセーターは、
水中用浚渫機(ドレッジ)ポンプ・ユニットの補助的部
分であり、電動モータに接続されている。パッシブ圧力
コンペンセーターは、どんな深さでも使用可能であり、
電動モータ内への水の浸入を防ぐため、電動モータ内の
圧力を、周囲を支配している海水圧よりも多少高くなる
ようにすること。コンペンセーターは、様々な深さに応
じて周囲の水圧を検知できるように構成されている。
【0052】パッシブ圧力コンペンセーターは、主たる
要素である円錐ドラムカバーと土台と、ゴム薄膜・レベ
ル指示器・ネジばね等から成っている。これら2つの主
要部分は、特別なゴム薄膜によってお互いに接続されて
いる。コンペンセーターの内部は、油圧オイルで完全に
満たされている。2つの主要部分は、5セットの予め張
られたネジばねによってお互いに引っ張られており、電
動モータ内の過圧力を決定している。支配的な加圧力値
は、システム内オイルの量と、温度によって左右され
る。電動モータの充満手順中、外部温度指示器によっ
て、パッシブ圧力コンペンセーターを望ましい圧力へ調
節することが可能となる。作動中のパッシブ圧力コンペ
ンセーターを鋭利な物体から保護するために、特別な保
護キャップが備えられている。保護キャップは、パッシ
ブ圧力コンペンセーターの上方に位置する、分離したパ
ーツである。
【0053】また本例の水中ポンプ駆動用モータ43に
は油温、油圧、海水侵入を検知できるセンサーを内蔵
し、リード線をモータ駆動用ケーブルに内蔵させて陸上
まで配線し、陸上の監視板に接続されている。
【0054】深海での取水装置41(水中ポンプ、駆動
モータを含む)の設置は、コイルドチューブ48又は小
口径の高密度ポリエチレン管の柔軟性を利用し、海底よ
り約10m上のポイントで保持するために、シンカー5
1と1〜2個の水中フローター(浮体)52で構成した
保持装置を設置している。海底より10m程度上方の位
置で、かつポンプ44の吸込口(不図示)を上に向けて
配設する。このように構成することにより、海底に蓄積
している、又は将来蓄積する可能性のある有害物質の吸
引を防ぐことが可能となる。
【0055】また、本例では、電触型の離脱装置53を
作動させて、マーカーブイ52を水中から離脱させて海
面に浮かせ、位置を知らせる。この海面上のマーカーブ
イ52によって、取水装置41の海底の位置に向けて、
小型水中探査船(R.O.V)を作業船から降ろして、
ケージ引き揚げのための着脱装置と、作業船のウインチ
先端に配設された係合手段とを連結し、ウインチ等によ
り取水装置を引き揚げる。
【0056】なお、図11で示す例では、1段マーカー
ブイ52bを海面から−20m程度の位置、二段マーカ
ーブイ52aを取水装置41から海面方向に100m程
度の位置に配設した例を示すものである。また、二段マ
ーカーブイ52a、つまり下部水中フローターには位置
を知らせるためのトランスポンダ(不図示)を配設し、
メンテナンスの際、作業船が海面上のフローターの流出
事故により位置確認ができない場合のバックアップとし
ている。
【0057】また、電触型の離脱装置53により、フロ
ーター52を海面に浮上させ、ポンプ、モータは鋼製ケ
ージ42の中に収納し、シンカー51の引張荷重、作業
船よりの引き上げ、下げ荷重をケージ及びケージにつく
パットプレートで支持し、ポンプ、モータにはできるだ
け荷重をかけないように構成している。なお、シンカー
51は、水中重量約3トンのものを用いている。
【0058】取水装置41(ポンプ、モータを含む)の
メンテナンスのために、取水装置41自体を作業船上に
引き上げる。小口径のパイプ又はホース11及び電源ケ
ーブル12であるコイルドチュービング又は高密度ポリ
エチレン管は極めて小さい曲率半径で曲げることが可能
であり、また引張強度が90,000PSI(63kg
/mm)と強靱であるため、作業船上のウインチで巻
き上げても破損することはない。しかし潮流により作業
船がコイルドチュービング又は高密度ポリエチレン管の
髷を助長するような方向に流されることを避け、常に一
定にカテナリーで巻き上げ、巻き下げをできるように、
あらかじめ組み込まれたソフトプログラム通りに船を移
動できるようDPS(Dynamic Positio
ningSystem 自動船位保持装置)を装備し、
また船上に収納した後のチューブ又は管の捻れ、よりを
避けるため船の方向をパイプ又はホース11及び電源ケ
ーブル12の船上に軸を合わせる自動方位保持装置も装
備する。このようにして、緊急点検、定期点検ともに安
全に行うことができる。
【0059】なお、万が一メンテナンスが遅れたときの
ために陸上に20m/H〜36m /Hクラスのポン
プを設置し、最小限の取水を確保するバックアップも有
効である。
【0060】また、海底のポンプ、モータの引き上げ、
引き下げのためのワイヤーロープ又はナイロンロープを
本体のより着脱する装置をR.O.V(Remote
Obsenetion Vehicle)を使って作業
させることも可能である。
【0061】またケーブルの保守のために、ケーブルト
ラッキング手法を用いることも可能である。つまり、ケ
ーブルの位置を測定するために、ケーブル内部の給電線
に低周波数の交流電流を流し、その交流電流によって発
生する交流磁界を、探索ロボットを用いて、探索ロボッ
ト(飛行機タイプのものであれば前翼の内部)に配置し
た2台の3軸直交型磁気センサで探知する。実際に海底
ケーブルに流す電流は数十mAと微小なので、ケーブル
を効率よく探知して、埋設深度を正確に測定するために
は、ロボット自身から発生する磁気雑音を低減し、検知
信号のS/Nを高めることが重要である。そして雑音源
である電気モータに磁気シールドを施すことにより、磁
気雑音レベルを1/10程度に減衰させることができ
る。さらに、帯域幅±1Hzの狭帯域バンドパスフィルタ
を用いることにより、等価的雑音レベルを0.05nt
(nano Tesla)以下に押さえ、これにより、
ケーブルに50mAの交流電流が流れている場合、60
mの距離から10dBのS/Nでケーブルを探知するこ
とができる。
【0062】次に、取水装置41(ポンプ及びモータを
含む)のメンテナンス方法について説明する。前記のよ
うに配設された取水装置41を定期的にメンテナンスす
るには、取水装置41に形成された引き揚げ用着脱部材
にメンテナンスを行う船体と連結された索条とを連結す
る。そして、この索条を引き揚げる。このとき、取水装
置41の引き揚げをダイナミック・ポジショニング推進
装置を装備する作業船により、パイプ又はホース11に
許容以上の曲げ、捻れを生じさせないためのコンピュー
タプログラムに従った操船によって行う。そして、海底
の取水装置41を引き揚げてからメンテナンス処理を行
う。メンテナンス処理の内容は、通常行う公知のもので
あるので、ここでは省略する。
【0063】上記取水装置41を引き揚げるときに、そ
の位置を確認することが可能なように、各種の手段を用
いる。本例では前述した電触型着脱装置53を作動させ
マーカーブイを海面に浮かせ位置を知らせる技術を用い
ている。
【0064】また、取水装置41の引き揚げは、ケージ
(取水装置41)引き揚げ用着脱装置47、R.O.
V.(Remote Obsenetion Vehi
cle)により作業を行う。これは、予め潮流と、作業
船の位置と、取水装置41の位置とを確認し、かつ常時
流動する潮流、風向き等の作業船への影響を計算し、常
にパイプ又はホース11に負担がかからないようにし
て、取水装置41を引き揚げるものである。R.O.
V.自体は公知技術であるので、その内容は省略する。
【0065】次に引き揚げ作業自体について、より詳し
く説明すると、マーカーブイ等により取水装置41の位
置を確認したあと、図12で示すように、作業船61か
ら水中探査装置62を降ろし、ケージ42に配設された
着脱装置47と、引き揚げのために作業船61に配設さ
れた引き揚げワイヤ63を降ろし、ワイヤ63の係合部
64と、ケージ42の着脱装置47とを連結する。そし
て、引き揚げワイヤ63により取水装置41を引き揚げ
る。このとき、潮流により作業船61が、パイプ又はホ
ース11又は電源ケーブル12であるコイルドチュービ
ング又は高密度ポリエチレン管の髷を助長するような方
向に流されることを避け、常に一定にカテナリーで巻き
上げ、巻き下げをできるように、あらかじめ組み込まれ
たソフトプログラム通りに船を移動できるようDPS
(Dynamic Positioning Syst
em 自動船位保持装置)で操作される。また船上に収
納した後の、パイプ又はホース11及び電源ケーブル1
2の捻れ、よりを避けるため、自動方位保持装置によ
り、作業船61の方向がパイプ又はホース11及び電源
ケーブル12と作業船61上の軸が一致するように制御
される。なお、海面の所定位置にシンカー51が上昇し
たときに、別のウインチ等により、シンカー51を引き
揚げるようにすることも可能である。
【0066】なお図13に示すように、前記水中モータ
ポンプ使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水シ
ステムにおいて、前記取水装置を2本に分岐したパイプ
又はホース11にそれぞれ設けた構成としても良い。す
なわち、本例のパイプ又はホース11は、陸上に通じる
1本の小口径のパイプ又はホース11の先端に、二股に
分かれた分岐マニホールド14を付設し、この分岐マニ
ホールド14の分岐部に、それぞれ、パイプ又はホース
11が取着された構成となっている。
【0067】そのとき、分岐マニホールド13は取水装
置の設置された箇所の水深(図示せず)の約3倍程度の
距離(L)陸地側に向かった位置に付設するのが好適で
ある。前記分岐マニホールド13の付設位置を、取水装
置の設置された箇所の水深の約3倍程度の距離とするこ
とにより、メンテナンス作業のための取水装置の引き揚
げ時に、常時流動する潮流、風向き等で多少パイプ又は
ホース11が流されても、長さに余裕があるため負担が
かかることが軽減される。また適度な長さを有するため
捻じれを生ずることもなく、作業をする際に邪魔にはな
らない丁度良い長さを得ることができる。
【0068】そして、2本に分岐したパイプ又はホース
11の先端に、それぞれ取水装置が設けられている。な
お、分岐マニホールド14の分岐部に接続されるパイプ
又はホース11は、陸上に通じる1本のパイプ又はホー
ス11と同じサイズのものを用いる。さらに前記実施例
と同様に、電源ケーブル12が、陸上に通じる1本のパ
イプ又はホース11、及び分岐したそれぞれのパイプ又
はホース11とともに配設される。
【0069】このように2本に分岐したパイプ又はホー
ス11に、取水装置が設けられた構成とすることによ
り、一方のパイプ又はホース11のメンテナンスを行い
ながら、同時に他方から取水することができるので、メ
ンテナンス作業を行っているときにおいても取水処理を
中断することなく継続して行うことが可能となり、常に
一定の取水量を確保することができる。
【0070】また、2本に分岐したパイプ又はホース1
1に、取水装置が設けられた構成とすることにより、分
岐した2本のうちそれぞれを切替えて、隔日に交互に取
水作業を行うことができるため、1本で取水を行うより
も取水装置にかかる負担を軽減することができる。
【0071】また、小口径のパイプ又はホース11を用
いているため、取水装置の設置作業や敷設作業が従来工
法よりも容易となるため、複数の取水装置を低コストで
設置することが可能である。
【0072】なお、本例の水中モータポンプ使用小口径
管大容量海洋表層水又は深層水取水システムにおいて、
取水装置を、2本に分岐したパイプ又はホース11にそ
れぞれ設けた構成として使用する場合、2本に分岐させ
るポイントは、海底が緩傾斜で比較的浅い場所とすると
好適である。これは、作業時において、ダイバーによる
飽和潜水が容易になるためである。
【0073】なお、本実施例では、小口径パイプ又はホ
ース11に二股に分かれた分岐マニホールド14を取着
し、その分岐マニホールド14に小口径パイプ又はホー
ス11をそれぞれ接続するという構成を有しているが、
あらかじめ先端が二股に分岐した小口径のパイプ又はホ
ース11を用いても良い。また、本実施例おいて取水す
るものを深層水に限って説明したが、取水するものは表
層水であっても良い。
【0074】図14及び図15は取水装置の他の例を示
すものであり、図14は取水装置の例を示す概略構成説
明図、図15は図14で使用する水中モータポンプの一
例を示す説明図である。本例の取水装置は、格子状の筐
体Kに水中モータポンプMP1を配設したものであり、
格子状の筐体Kは、下部に土台K1が形成され、この土
台K1には海底に没入しないように、脚部(3本或いは
それ以上)が形成されている。脚部の先端は海底に突き
刺されるように鋭角になっている。また筐体Kには、上
部に引き揚げ用の係合部K2が形成され、この係合部K
2にフック等(図示せず)を引っ掛けて、取水装置の引
き揚げが可能になっている。水中モータポンプMP1の
一端側が小口径のパイプ又はホース11(12)と接続
されており、他端側がモータと、吸込口102となって
いるものである。また格子状の筐体Kには、傾斜した水
中モータポンプ配置部K3が形成されており、この水中
モータポンプ配置部K3に、水中モータポンプMP1を
吸込口102が海面側に位置するように配置している。
【0075】なお水中モータポンプMP1は、ストレー
ナー109付のケーシング内に水中モータポンプを配置
したものであり、図15で示すように、スプラインプロ
テクター71、ワッシャー72、スリンガー73、上部
ブラケット74、フィルター75、オーリング76、ス
テーター77、ローター78、下部ブラケット79、ピ
ン80、スラストベアリング81、スラスト受座82、
ピン/受座83、ロック84、スラストサポート85、
調整スクリュー86、ダイアフラム87、スクリュー8
8、カップ/スプリング89、スプリング/ダイアフラ
ム90、カバー91、スラストハウジング92、キー9
3、ボルト94、オーリング95、ベアリング96,9
7、スタッド98、シャフト99などから構成されてい
る。他の構成や動作等は前記した各実施例と同様であ
る。
【0076】図16乃至図19は陸上設置型深層水取水
施設を示すものであり、図16は陸上設置型深層水取水
施設の説明図、図17は陸上側に配設された水中モータ
ポンプの構成例を示す説明図、図18は図17のX−X
及びY−Yによる矢視説明図、図19は水中モータポン
プの一例を示す説明図である。
【0077】本例では、陸のすぐ近くにケーシング10
1を設置し、ケーシング101の中にスリーブで覆われ
た水中モータポンプMP2を据え付ける。スリーブの下
側からはチューブ11が延びており、その先端には吸込
口102が取り付けられ、吸込口102はシンカー10
3と索条104で係留され、ブイ105と連結されて、
海底から所定位置で固定されている。なお符号106は
バルブである。
【0078】図19は、取水用の水中モータポンプの概
略構成説明図であり、本例の水中モータポンプMP2
は、チェッキケーシング111、弁座112、弁体11
3、バネ114、上部ケーシング115、上部軸受11
6、ライナーリング117、中間ケーシング118、中
間軸受119、羽根車120、吸込ケーシング121、
吸込軸受122、ポンプ軸123、羽根車キィー12
4、スナップリング125、軸継手126、ケーブルカ
バー128、などから構成されている。
【0079】本例において、深層水や表層水を吸い上げ
る水中モータポンプMP2を2台設置し、交互運転する
ように構成している。もし、1台の水中モータポンプM
P2が故障などした場合、他の1台の水中モータポンプ
MP2を単独運転とし、その間に故障した水中モータポ
ンプMP2を修理する。水中モータポンプMP2の着脱
は、なるべく簡単にできるように構成されている。
【0080】また本例では、上記のように、深層水や表
層水を吸い上げる水中モータポンプMP2とは別に、ス
トレーナー109付のケーシング内に水中モータポンプ
MP1を設置し、この水中モータポンプMP1によって
ストレーナー109を介して吸水し、定期的にチューブ
107、切替弁108を介して、海水を逆に送り込み、
海中側に配設した深層水などの吸水する吸込口102に
吸いついた異物を取り除くように構成されている。つま
り、水中モータポンプMP2のバルブ106を閉じ、水
中モータポンプMP1のバルブ106を解放し、切替弁
108でチューブ107からの海水のみを送り出すよう
に構成する。本例のような構成によれば設備費が安価
で、また維持管理が容易となる。逆洗用の水中モータポ
ンプMP1は、前記した図15と同じストレーナー付の
ケーシング内に水中モータポンプを配置したものを使用
することが可能である。
【0081】図20は水中モータポンプ使用小口径管大
容量海洋表層水又は深層水取水システムの他の例を示す
説明図、図21はさらに他の例を示す水中モータポンプ
使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システム
の説明図である。これらの例においては、前記した各実
施例と同様部材、配置等には同一符号を付して、その説
明を省略する。
【0082】図20の例では、図10で示す取水装置な
どと、図16〜図19で示す装置などとを組み合わせた
ものであり、図16で示す吸込口102、シンカー10
3、索条104、ブイ105の代わりに、図10で示す
装置を連結したものである。つまり、陸上側と海洋水を
取水する装置の両方に水中モータポンプを設けた構成と
している。同様に、図21の例では、図14で示す取水
装置などと、図16〜図19で示す装置などとを組み合
わせたものである。なお、図11で示す取水装置などと
図16〜図19で示す装置などとを組み合わせることも
可能であり、既に説明した各種変形例を適用できること
はもちろんである。このように陸上側に水中モータポン
プを設置しているために、海洋の気象状況に拘わらず取
水が可能であると共に、陸上側に水中モータポンプがあ
るためメンテナンスが容易であり、設置コストも低減さ
せることが可能となる。
【0083】
【発明の効果】本発明によれば、パイプ又はホースが小
口径であるために、巻取りリールのサイズ(直径)を極
めて小さく、その製作・敷設工事が従来工法に比べて極
めて容易で、安価なものとなる。また取水装置(ポンプ
・モータを含めて)のメンテナンスのために作業船を使
って海面に容易に引き上げ、メンテナンス終了後、海底
に戻すのも容易となる。
【0084】また海底に沈殿し、又は将来沈殿するかも
しれない有害物質の吸引を避けることが可能である。そ
して、パイプ又はホースが小口径であるため、従来に比
して大がかりな掘削が不要であり、また「弧状推進工
法」により陸側から掘削を行うことが可能であるので、
海面上を掘削のため荒らすことが少なくなる。
【0085】また、二股に分かれた分岐マニホールドを
用いて、前記取水装置を設置した小口径のパイプ又はホ
ース及び電源ケーブルを、陸上に通じる1本のパイプ又
はホースから分岐させた2本のパイプ又はホースに設置
することにより、一方のパイプ又はホースのメンテナン
スをしながら同時に他方から取水することができる。海
底の取水装置を引き揚げてメンテナンス作業を行っても
取水作業を中断することなく継続して取水処理を行うこ
とができるため、常に一定の取水量を得ることが可能と
なる。
【0086】陸上側に水中モータポンプを設置している
ために、海洋の気象状況に拘わらず取水が可能であると
共に、陸上側に水中モータポンプがあるためメンテナン
スが容易であり、設置コストも低減させることが可能と
なる。また、逆洗用の水中モータポンプを配設し、吸込
口側へ向けて流体を送出することが可能なように構成す
ると好適である。このように構成することにより、深層
水や表層水を取水するための吸込口が、取水に伴って塞
がれるような事態になっても、吸込口側へ向けて流体を
送出することによって、吸込口を洗浄することが可能と
なり、吸込口の目詰まり等を防止することが可能とな
る。
【0087】また、陸上側に水中モータポンプを配設
し、パイプ又はホースの先端に配設された取水装置に取
水ポンプを設ける構成にすると、パイプ又はホースの先
端に配設された取水装置に支障が生じた場合(例えばモ
ータポンプの故障など)、陸上側に配設された水中モー
タポンプをバックアップとして稼動させることで、取水
作業が中断することのないように構成することが可能と
なる。
【0088】さらにまた、前記構成において、本発明で
は小口径のパイプ又はホースを使用している為、前記分
岐マニホールドの付設作業、前記分岐マニホールドに接
続される2本の小口径のパイプ又はホースの敷設作業も
容易に行うことができ、工事費の増加を最小限におさえ
ながら、複数の取水装置の設置を行うことができる。
【0089】以上のように本発明によれば、敷設工事が
容易で、取水装置のメンテナンスが容易で、海底に沈殿
し、又は将来沈殿するかもしれない有害物質の吸引を防
止することのでき、小口径のパイプ又はホースを使用す
ることにより、容易に取水装置を海面に上げてメンテナ
ンスを可能とする水中モータポンプ使用小口径管大容量
海洋表層水又は深層水取水システム及びメンテナンス方
法並びにその工法を得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】ケーブル及びホース又はチューブの埋設状態を
示す説明図である。
【図2】弧状推進工法によるホース又はチューブの配設
状態を示す説明図である。
【図3】弧状推進工法の説明図である。
【図4】弧状推進工法の説明図である。
【図5】弧状推進工法の説明図である。
【図6】配設管体の説明断面図である。
【図7】配設管体の説明断面図である。
【図8】電源ケーブルの説明図である。
【図9】電源ケーブルの説明図である。
【図10】取水装置の説明図である。
【図11】取水装置の説明図である。
【図12】ダイナミックポジショニングプログラムによ
る取水装置の引き上げ説明図である。
【図13】海面側上方から見た小口径のパイプ又はホー
スに分岐マニホールドを用いた説明図である。
【図14】他の取水装置の例を示す概略構成説明図であ
る。
【図15】図14で使用する水中モータポンプの一例を
示す説明図である。
【図16】陸上設置型深層水取水施設の説明図である。
【図17】陸上側に配設された水中モータポンプの構成
例を示す説明図である。
【図18】図17のX−X及びY−Yによる矢視説明図
である。
【図19】水中モータポンプの一例を示す説明図であ
る。
【図20】水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表
層水又は深層水取水システムの他の例を示す説明図であ
る。
【図21】さらに他の例を示す水中モータポンプ使用小
口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システムの説明
図である。
【符号の説明】
11 パイプ又はホース 12 電源ケーブル 13 管体 14 分岐マニホールド 29a スイベル 29 リーマー 31 敷設船 32 リール 41 取水装置 42 ケージ 43 水中ポンプ駆動用モータ 44 取水ポンプ 45 トランス 46 浮力体 47 引き揚げ用着脱装置47 48 コイルドチューブ 51 シンカー51 52,52a,52b 水中フローター(浮体、マーカ
ーブイなど) 53 電触型の離脱装置 61 作業船 62 水中探査装置 63 ワイヤ 64 係合部 101 ケーシング 102 吸込口 103 シンカー 104 索条 105 ブイ 106 バルブ 107 チューブ 108 切替弁 109 ストレーナー K 格子状の筐体 K1 土台 K2 引き揚げ用の係合部 K3 水中モータポンプ配置部 MP1,MP2 水中モータポンプ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年5月21日(2002.5.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】水中モータポンプ使用小口径管大容量
洋表層水又は深層水取水システム、水中モータポンプ使
用陸上設置型海洋表層水又は深層水取水施設及びメンテ
ナンス方法並びにその工法
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項7
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項8
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】請求項9
【補正方法】変更
【補正内容】
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は水中モータポンプ使
用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システム、
水中モータポンプ使用陸上設置型海洋表層水又は深層水
取水施設及びメンテナンス方法並びにその工法に係り、
特に小口径管によって大容量の海洋表層水又は深層水を
取水するシステム、取水施設及びメンテナンス方法並び
にその工法に関する。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明者は、前記各不
都合は、取水するためのパイプが大口径である点に着目
して、本発明をなしたものである。すなわち、本発明の
目的は、敷設工事が容易で、取水装置のメンテナンスが
容易な水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表層水
又は深層水取水システム、水中モータポンプ使用陸上設
置型海洋表層水又は深層水取水施設及びメンテナンス方
法並びにその工法を提供することにある。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】また本発明の他の目的は、海底に沈殿して
いる、又は将来沈殿するかもしれない有害物質の吸引を
防止することのできる水中モータポンプ使用小口径管大
容量海洋表層水又は深層水取水システム、水中モータポ
ンプ使用陸上設置型海洋表層水又は深層水取水施設及び
メンテナンス方法並びにその工法を提供することにあ
る。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】さらに本発明の目的は小口径のパイプ又は
ホースを使用することにより、容易に取水装置を海面に
上げてメンテナンスを可能とする水中モータポンプ使用
小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システム、水
中モータポンプ使用陸上設置型海洋表層水又は深層水取
水施設及びメンテナンス方法並びにその工法を提供する
ことにある。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】さらにまた、本発明の目的は取水装置のメ
ンテナンス作業をしながらも同時に取水処理を継続して
行うことを可能とし、また複数の取水装置を低コストで
設置することが可能な水中モータポンプ使用小口径管大
容量海洋表層水又は深層水取水システム、水中モータポ
ンプ使用陸上設置型海洋表層水又は深層水取水施設及び
メンテナンス方法並びにその工法を提供することにあ
る。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】前記課題は、水中モータポンプ使用陸上設
置型海洋表層水又は深層水取水施設によれば、陸上側に
配設された水中モータポンプと、該水中モータポンプと
表層水又は深層水取水位置との間に敷設された小口径の
パイプ又はホースと、前記パイプ又はホースの先端に配
設された吸込口と、を備えた小口径管海洋表層水又は深
層水の水中モータポンプ取水システムであって、前記吸
込口は、ブイとシンカーに連結され、所定位置高さで係
留されていること、により解決される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0076
【補正方法】変更
【補正内容】
【0076】図16乃至図19は陸上設置型海洋表層水
又は深層水取水施設を示すものであり、図16は陸上設
置型海洋表層水又は深層水取水施設の説明図、図17は
陸上側に配設された水中モータポンプの構成例を示す説
明図、図18は図17のX−X及びY−Yによる矢視説
明図、図19は水中モータポンプの一例を示す説明図で
ある。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】図面の簡単な説明
【補正方法】変更
【補正内容】
【図面の簡単な説明】
【図1】ケーブル及びホース又はチューブの埋設状態を
示す説明図である。
【図2】弧状推進工法によるホース又はチューブの配設
状態を示す説明図である。
【図3】弧状推進工法の説明図である。
【図4】弧状推進工法の説明図である。
【図5】弧状推進工法の説明図である。
【図6】配設管体の説明断面図である。
【図7】配設管体の説明断面図である。
【図8】電源ケーブルの説明図である。
【図9】電源ケーブルの説明図である。
【図10】取水装置の説明図である。
【図11】取水装置の説明図である。
【図12】ダイナミックポジショニングプログラムによ
る取水装置の引き上げ説明図である。
【図13】海面側上方から見た小口径のパイプ又はホー
スに分岐マニホールドを用いた説明図である。
【図14】他の取水装置の例を示す概略構成説明図であ
る。
【図15】図14で使用する水中モータポンプの一例を
示す説明図である。
【図16】陸上設置型海洋表層水又は深層水取水施設の
説明図である。
【図17】陸上側に配設された水中モータポンプの構成
例を示す説明図である。
【図18】図17のX−X及びY−Yによる矢視説明図
である。
【図19】水中モータポンプの一例を示す説明図であ
る。
【図20】水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表
層水又は深層水取水システムの他の例を示す説明図であ
る。
【図21】さらに他の例を示す水中モータポンプ使用小
口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システムの説明
図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H072 AA17 BB06 BB07 CC42 CC71 CC91

Claims (17)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 陸上と表層水又は深層水取水位置との間
    に敷設された小口径のパイプ又はホース及び電源ケーブ
    ルと、前記パイプ又はホースの先端に配設された取水装
    置と、を備えた水中モータポンプ使用小口径管大容量海
    洋表層水又は深層水取水システムであって、前記取水装
    置には、取水ポンプが配設されていることを特徴とする
    水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表層水又は深
    層水取水システム。
  2. 【請求項2】 前記取水装置にはシンカーと少なくとも
    一つの浮体に接続されて、取水口が海底面より所定距離
    はなれ海底に沈殿している物質を吸い込まないように配
    置してなることを特徴とする請求項1記載の水中モータ
    ポンプ使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水シ
    ステム。
  3. 【請求項3】 前記電源ケーブルは制御・信号用光ファ
    イバーケーブルと一体に形成されてなることを特徴とす
    る請求項1記載の水中モータポンプ使用小口径管大容量
    海洋表層水又は深層水取水システム。
  4. 【請求項4】 前記取水装置は、ケージ内にモータ及び
    ポンプ、トランスが配設され、浮力体が付設されている
    ことを特徴とする請求項1記載の水中モータポンプ使用
    小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水システム。
  5. 【請求項5】 前記取水装置に接続された浮体は、離脱
    可能となっており、前記ケージにはケージ引き上げ用の
    着脱装置が配設されていることを特徴とする請求項1記
    載の水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表層水又
    は深層水取水システム。
  6. 【請求項6】 前記小口径のパイプ又はホースは分岐部
    を有しており、該分岐部によって分かれた各先端は、前
    記取水装置がそれぞれ配設されていることを特徴とする
    請求項1記載の水中モータポンプ使用小口径管大容量海
    洋表層水又は深層水取水システム。
  7. 【請求項7】 陸上側に配設された水中モータポンプ
    と、該水中モータポンプと表層水又は深層水取水位置と
    の間に敷設された小口径のパイプ又はホースと、前記パ
    イプ又はホースの先端に配設された吸込口と、を備えた
    小口径管海洋表層水又は深層水の水中モータポンプ取水
    システムであって、前記吸込口は、ブイとシンカーに連
    結され、所定位置高さで係留されていることを特徴とす
    る水中モータポンプ使用陸上設置型深層水取水施設。
  8. 【請求項8】 前記陸上側に配設された水中モータポン
    プは、単数又は切り替え手段を介して複数配設され、前
    記水中モータポンプのうち少なくとも一つは、逆洗用の
    ものであって、前記吸込口側へ向けて流体を送出するこ
    とを特徴とする請求項7記載の水中モータポンプ使用陸
    上設置型深層水取水施設。
  9. 【請求項9】 前記陸上側に配設された水中モータポン
    プは、単数又は切り替え手段を介して複数配設され、少
    なくとも一つの水中モータポンプが稼動してなることを
    特徴とする請求項7または8記載の水中モータポンプ使
    用陸上設置型深層水取水施設。
  10. 【請求項10】 陸上側に配設された水中モータポンプ
    と、該水中モータポンプと表層水又は深層水取水位置と
    の間に敷設された小口径のパイプ又はホース及び電源ケ
    ーブルと、前記パイプ又はホースの先端に配設された取
    水装置と、を備えた水中モータポンプ使用小口径管大容
    量海洋表層水又は深層水取水システムであって、 前記取水装置には、取水ポンプが配設されていることを
    特徴とする水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表
    層水又は深層水取水システム。
  11. 【請求項11】 小口径のパイプ又はホースを敷設する
    工程と、パイプ又はホースの先端に取水装置を配設する
    工程と、を有する水中モータポンプ使用小口径管大容量
    海洋表層水又は深層水取水システムの工法であって、前
    記小口径のパイプ又はホースを敷設する工程は、敷設船
    に配設されたリールに巻回された小口径のパイプ又はホ
    ースを埋設用トレンチの中又は弧状推進工法によって掘
    られた地中の穴に引き込み、陸上からウインチで引っ張
    るか、又は弧状推進工法で使用したビットに接続して陸
    側に引き出すことを特徴とする水中モータポンプ使用小
    口径管大容量海洋表層水又は深層水システムの工法。
  12. 【請求項12】 小口径のパイプ又はホースを敷設する
    工程と、パイプ又はホースの先端に取水装置を配設する
    工程と、を有する水中モータポンプ使用小口径管大容量
    海洋表層水又は深層水取水システムの工法であって、前
    記小口径のパイプ又はホースを敷設する工程は、小口径
    のパイプ又はホースを陸地から所定距離埋設した後、小
    口径のパイプ又はホースの先端を海底面上に露出させ、
    敷設船に配設されたリールに巻回された小口径のパイプ
    又はホースと前記海底面上に露見させた小口径のパイプ
    又はホースの先端と接続し、リールから小口径のパイプ
    又はホースを繰り出して所定距離間敷設することを特徴
    とする水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表層水
    又は深層水システムの工法。
  13. 【請求項13】 前記小口径のパイプ又はホースには電
    源ケーブルを付設し、海底曝露部のみを所定間隔で小口
    径のパイプ又はホースと電源ケーブルとを固定してなる
    ことを特徴とする請求項11又は12記載の水中モータ
    ポンプ使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水システ
    ムの工法。
  14. 【請求項14】 小口径のパイプ又はホースを敷設する
    工程において、小口径のパイプ又はホースを陸地から所
    定水深まで配設するときに、弧状推進工法又はトレンチ
    を掘り埋設する工法を含むこと特徴とする請求項11又
    は12記載の小口径管大容量海洋表層水又は深層水シス
    テムの工法。
  15. 【請求項15】 陸上と表層水又は深層水取水位置との
    間に敷設された小口径のパイプ又はホース及び電源ケー
    ブルと、前記パイプ又はホースの先端に配設された取水
    装置と、を備えた水中モータポンプ使用小口径管大容量
    海洋表層水又は深層水取水システムのメンテナンス方法
    において、取水装置に形成された引き揚げ用着脱部材に
    メンテナンスを行う船体と連結された索条とを連結し、
    この索条を引き揚げるものであって、前記取水装置の引
    き揚げをダイナミック・ポジショニング推進装置を装備
    する作業船により、パイプ又はホースに許容以上の曲
    げ、捻れを生じさせないためのコンピュータプログラム
    に従った操船によって行い、海底の取水装置を引き揚げ
    てからメンテナンス処理を行うことを特徴とする水中モ
    ータポンプ使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取
    水装置のメンテナンス方法。
  16. 【請求項16】 陸上と表層水又は深層水取水位置との
    間に敷設された小口径のパイプ又はホース及び電源ケー
    ブルと、前記小口径のパイプ又はホースは分岐部を有し
    ており、該分岐部先端にそれぞれ配設された取水装置
    と、を備えた水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋
    表層水又は深層水取水システムのメンテナンス方法にお
    いて、前記取水装置のいずれか一方が取水処理をしてい
    る間に他方がメンテナンス処理されることを特徴とする
    水中モータポンプ使用小口径管大容量海洋表層水又は深
    層水取水装置のメンテナンス方法。
  17. 【請求項17】 前記メンテナンス処理は、取水装置に
    形成された引き揚げ用着脱部材にメンテナンスを行う船
    体と連結された索条を連結し、この索条を引き揚げるも
    のであって、前記取水装置の引き揚げをダイナミック・
    ポジショニング推進装置を装備する作業船により、パイ
    プ又はホースに許容以上の曲げ、捻じれを生じさせない
    ためのコンピュータプログラムに従った操船によって行
    い、海底の取水装置を引き揚げてからメンテナンス処理
    を行うことを特徴とする請求項16記載の水中モータポ
    ンプ使用小口径管大容量海洋表層水又は深層水取水装置
    のメンテナンス方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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