JP2003171638A - 2液型接着剤組成物 - Google Patents
2液型接着剤組成物Info
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- JP2003171638A JP2003171638A JP2001370801A JP2001370801A JP2003171638A JP 2003171638 A JP2003171638 A JP 2003171638A JP 2001370801 A JP2001370801 A JP 2001370801A JP 2001370801 A JP2001370801 A JP 2001370801A JP 2003171638 A JP2003171638 A JP 2003171638A
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Abstract
湿度下で放置した後の耐久接着力に優れる2液型接着剤
組成物を提供すること。 【解決手段】 分子内に一級アミノ基または二級アミノ
基を含有し、かつアミノ基の含有量が8〜15モル%で
アミド基の含有量が0.1〜1モル%のポリビニルアル
コール系樹脂(a)を含む水性液(A)とアセト酢酸エ
ステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(b)を含む
水性液(B)からなる。
Description
びアミド基を含有するポリビニルアルコール系樹脂とア
セト酢酸エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂と
からなる2液型接着剤組成物に関し、更に詳しくは、主
剤の低温安定性および耐久接着力、特に高湿度下での耐
久接着力に優れた2液型接着剤組成物に関する。
て、「ハネムーン接着剤」と呼ばれる接着剤が知られて
いる。かかる接着剤は、一方の被着材の被着面に主剤を
塗布し、もう一方の被着材の被着面に硬化剤を塗布し
て、これらの面を合わせて、一定時間圧締することによ
り、被着面で主剤と硬化剤が瞬時に反応して被着材同士
を接着せしめるというものであり、瞬時に被着材同士を
接着できるという特徴を有するものである。
リビニルアルコール系樹脂やアセト酢酸エステル基を含
有するポリビニルアルコール系樹脂を用いることが提案
されている。
ノ基および二級アミノ基から選ばれる少なくとも一種の
官能基を有するポリビニルアルコールを含む第1液と水
溶性アルデヒド化合物および多価イソシアネート化合物
から選ばれる少なくとも一種の化合物を含む第2液から
なる2液型接着剤組成物(特開平10−121016号
公報)、分子内に一級アミノ基および二級アミノ基を
有するビニルアルコール系重合体を含む水溶液よりなる
第1液とグルタルアルデヒドを含む第2液からなる2液
型接着剤組成物(特開2000−273427号公報)
が提案されており、後者の例としては、分子内にアセ
トアセチル基を有する高分子化合物の水溶液および/ま
たは水性エマルジョンからなる第1液とポリエチレンイ
ミンからなる第2液よりなる2液別塗布型の速硬化水性
接着剤(特公平1−60191号公報)が提案され、本
出願人も特開平9−180982号公報で、アセトア
セチル基含有ポリビニルアルコール系樹脂を含む水性液
からなるA液と分子内にアミノ基とアミド基を2個以上
有するポリアミノアミド樹脂からなるB液よりなる速硬
化水性接着剤を提案した。
者が上記接着剤について詳細に検討したところ、いずれ
の接着剤も、主剤の低温での安定性は考慮されておら
ず、また耐久接着力に改善の余地があることが判明し
た。特に高湿度下で長時間保存した後に、接着強度が低
下するということが判明し、主剤の低温での安定性に優
れ、かつ高湿度下でも安定した接着強度を長時間保持で
きる接着剤が望まれるところである。
らなる向上を目的として鋭意検討した結果、分子内にア
ミノ基を含有し、かつアミノ基の含有量が8モル%以上
でアミド基の含有量が0.1〜1モル%のポリビニルア
ルコール系樹脂(a)を含む水性液(A)とアセト酢酸
エステル基含有ポリビニルアルコール系樹脂(b)を含
む水性液(B)からなる2液型接着剤脂組成物が、上記
の目的に合致することを見出して本発明を完成するに至
った。
水性液(A)は、分子内にアミノ基を含有し、かつアミ
ノ基の含有量が8モル%以上でアミド基の含有量が0.
1〜1モル%のポリビニルアルコール系樹脂(以下、ア
ミン変性ポリビニルアルコール系樹脂と称することがあ
る)(a)を含むものである。
リビニルアルコール系樹脂とは、ポリビニルアルコール
系樹脂(PVAと略記することがある)内に下記一般式
(1)で示される構造単位を有するものである。
又はアリール基を表す)
メチル基が好ましく、特に水素原子が好ましい。また、
R’は水素原子が好ましい。
を製造するに当たっては、ア)ビニルエステル系モノマ
ーとN−ビニルカルボン酸アミドを共重合した後に、か
かる共重合体をケン化し、続いて加水分解することによ
って得る方法、イ)ビニルエステル系モノマーとN−ビ
ニルカルボン酸アミドを、特開2000−219706
号公報または特開平5−86115号公報に記載の方法
に準じて、脱塩水中あるいは有機溶媒中で懸濁重合した
後、得られた共重合体を懸濁状態で加水分解することに
よって得る方法等により得ることができる。かかるビニ
ルエステル系モノマーとしては、ギ酸ビニル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、バレリン酸ビニル、酪酸ビニ
ル、イソ酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプリン酸ビ
ニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香
酸ビニル、バーサチック酸ビニル等が挙げられ、また、
N−ビニルカルボン酸アミドとしては、N−ビニルホル
ムアミド、N−ビニルアセトアミド等を挙げることがで
きる。
阻害しない範囲において、更に他のモノマーも共重合に
利用することができ、かかる他のモノマーとしては、例
えばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテ
ン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン
類、ビニレンカーボネート類、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコ
ン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジ
アルキルエステル等、アクリロニトリル、メタクリロニ
トリル等のニトリル類、ジアセトンアクリルアミド、ア
クリルアミド、メタクリルアミド等のアミド類、エチレ
ンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリルスルホン
酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩、アルキル
ビニルエーテル類、N−アクリルアミドメチルトリメチ
ルアンモニウムクロライド、アリルトリメチルアンモニ
ウムクロライド、ジメチルアリルビニルケトン、N−ビ
ニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、ポリオ
キシエチレン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシプロ
ピレン(メタ)アリルエーテルなどのポリオキシアルキ
レン(メタ)アリルエーテル、ポリオキシエチレン(メ
タ)アクリレート、ポリオキシプロピレン(メタ)アク
リレート等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリレー
ト、ポリオキシエチレン(メタ)アクリルアミド、ポリ
オキシプロピレン(メタ)アクリルアミド等のポリオキ
シアルキレン(メタ)アクリルアミド、ポリオキシエチ
レン(1−(メタ)アクリルアミド−1,1−ジメチル
プロピル)エステル、ポリオキシエチレンビニルエーテ
ル、ポリオキシプロピレンビニルエーテル、ポリオキシ
エチレンアリルアミン、ポリオキシプロピレンアリルア
ミン、ポリオキシエチレンビニルアミン、ポリオキシプ
ロピレンビニルアミン等を挙げることができる。
説明する。ビニルエステル系モノマーとN−ビニルカル
ボン酸アミドを共重合するに当たっては、特に制限はな
く、例えば塊状重合や溶液重合の公知の方法を採用する
ことができるが、通常は溶液重合が行われ、かかる重合
方法について説明する。溶液重合を行うに当たっては、
溶媒中で、重合開始剤の共存下でビニルエステル系モノ
マーとN−ビニルカルボン酸アミドを共重合すればよ
い。
ール、i−プロパノール、n−プロパノール等のアルコ
ール類、アセトン、メチルエチルケトン等のケトン類を
挙げることができるが、好適にはメタノールが用いられ
る。溶媒の使用量は、目的とする共重合体の重合度に合
わせて、溶媒の連鎖移動定数を考慮して適宜選択すれば
良い。例えば、溶剤がメタノールの時は、S(溶剤)/
M(モノマー)=0.1〜1(重量比)程度の範囲から
選択される。
2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、ジメチル−2,2′−アゾビスイソブチレイト、
2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、2,2′−ア
ゾビス−(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニト
リル)等のアゾ化合物、t−ブチルパーオキシネオデカ
ノエート、t−ブチルパーオキシピバレ−ト、t−ヘキ
シルパーオキシピバレート等のパーオキシエステル類、
ビス−(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシ−
ジ−カーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
−ジ−カーボネート、ジ−イソプロピルパーオキシ−ジ
−カーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボ
ネート等のパーオキシ−ジ−カーボネート類、ラウロイ
ルパーオキサイド、アセチルパーオキサイド、ベンゾイ
ルパーオキサイド、イソブチラルパーオキサイド等のジ
アシルパーオキシド類などを挙げることができ、好適に
はアゾ化合物が用いられる。尚、必要に応じて、メルカ
プタン系化合物等の公知の連鎖移動剤を併用することも
可能である。
には35〜75℃、特には60〜70℃)の範囲から選
択することができる。
N−ビニルカルボン酸アミド共重合体がケン化されるの
であるが、かかるケン化も公知の方法で行うことができ
る。例えば、得られたビニルエステル−N−ビニルカル
ボン酸アミド共重合体のビニルエステル単位に対して2
〜20ミリモル%程度になるようにケン化触媒を添加し
て、ケン化処理を行えばよい。
ウム、水酸化カリウム、ナトリウムメチラート、ナトリ
ウムエチラート、カリウムメチラート等のアルカリ金属
の水酸化物やアルコラートの如きアルカリ触媒や硫酸、
p−トルエンスルホン酸、塩酸等の酸触媒を挙げること
ができ、好適には水酸化ナトリウムが用いられる。
0〜70℃(更には30〜50℃、特には35〜45
℃)の範囲から選ぶことが好ましい。ケン化反応は、通
常0.5〜3時間にわたって行なわれる。上記の如きケ
ン化を行うに当たっては、連続式でもバッチ式でも特に
限定されないが、粒子径の制御の意味から好ましくはバ
ッチ式が採用される。かかるバッチ式のケン化度装置と
しては、ニーダー、リボンブレンダー等を挙げることが
できる。
い範囲は80モル%以上で、さらには95モル%以上、
特には98〜99.9モル%で、かかるケン化度が80
モル%未満では、アセト酢酸エステル基含有ポリビニル
アルコール系樹脂(b)との相溶性が低下して、初期接
着性が充分に得られないことがあり好ましくない。
アルコール−N−ビニルカルボン酸アミド共重合体のス
ラリーが得られ、次いで、該共重合体は加水分解に供さ
れるのであるが、この時にかかる溶媒を除去した後に加
水分解に供しても良いが、工業的には、かかるスラリー
を溶剤(ケン化時に使用した溶媒)で洗浄して残留酢酸
エステルを溶剤と置換した後に加水分解に供することが
好ましい。
ルボン酸アミド共重合体は、加水分解されるのである
が、かかる加水分解は、アルコール系溶媒中で、かつ水
の存在下で酸又は塩基にて行われるもので、以下に説明
する。
ル系の溶媒が用いられ、具体的にはメタノール、エタノ
ール、i−プロパノール、n−プロパノール、炭素数2
〜6のジオール、炭素数2〜6のアルキルエステル等が
挙げられ、加水分解物が着色されにくい点からメタノー
ルが好適に用いられる。
ルアルコール−N−ビニルカルボン酸アミド共重合体の
含有量が10〜65重量%(更には10〜50重量%)
となるようにすることが好ましく、かかる含有量が10
重量%未満では、生産性が低下し、逆に65重量%を越
えると加水分解を行う系内の攪拌負荷が大きくなり攪拌
効率が低下する結果となって好ましくない。
量は、アルコール系溶媒100重量部に対して、1〜3
0重量部(更には1〜20重量部、特には5〜20重量
部)が好ましく、かかる共存量が1重量部未満では加水
分解速度が遅くなり、アミン転化率も低くなり、逆に3
0重量部を越えるとケン化物粒子が膨潤して反応中にマ
マコを形成する恐れがあり好ましくない。
とが必要で、酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リ
ン酸、硝酸、ハロゲン酸、トリフルオロ酢酸、メタンス
ルホン酸等が挙げられ、塩基としては、水酸化ナトリウ
ム、水酸化カリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属塩
を挙げることができ、好適には塩基が用いられる。
−N−ビニルカルボン酸アミド共重合体粒子中のアミド
基に1当量に対して、0.8〜5当量(更には1.0〜
2当量)の範囲で用いられる。加水分解反応の系の温度
は、通常50〜180℃(更には70〜150℃)が好
ましく、該反応時間は、反応温度や溶媒等により一概に
言えないが、通常は1〜24時間の範囲である。
で、反応終了後、得られた共重合体をそのまま濾別する
ことにより、溶媒と目的物とに分離することができる。
必要に応じて適当な溶媒で洗浄を行い、共重合体に残存
する塩等の量を低減させることもでき、更に乾燥工程を
経ることにより、溶媒の除去を行ってもよい。上記加水
分解反応時の温度、反応時間、触媒量、攪拌条件等の条
件を変更することにより、加水分解率をコントロールす
ることができ、その結果、アミド基をほぼ全量アミン基
に変換することもでき、また一部アミド基を残した形で
反応を終了させることもできる。以上、ア)の方法につ
いて説明したが、イ)の方法については、前述のよう
に、特開2000−219706号公報または特開平5
−86115号公報に開示のの方法に準じて製造すれば
よい。
転化率を調節して、変性ポリビニルアルコール系樹脂
(a)中に一部アミド基を残しておくことが必要で、か
かるアミド基の含有量は、0.1〜1.0モル%(さら
には0.1〜0.5モル%)で、かかる含有量が0.1
モル%未満では変性ポリビニルアルコール系樹脂(a)
の水溶液の低温での放置安定性が不良となり、逆に1.
0モル%を越えると高湿度下で保存した後の接着強度が
低下して本発明の目的を達成することが困難となる。か
かる酸アミド単位のアミン転化率は、加水分解時の水の
共存量、触媒量、温度、時間、ビニルアルコール−N−
ビニルカルボン酸アミド共重合体粒子の大きさ等により
調節することができる。
変性ポリビニルアルコール系樹脂中のアミノ基の含有量
を8モル%以上とすることが必要で、かかる含有量が8
モル%未満では、耐久接着力の向上、特に高湿度下で保
存した後の接着力の向上が望めず本発明の目的を達成す
ることが困難となる。また、かかる含有量の上限は特に
限定されないが、初期接着性を考慮すると、15モル%
を上限とすることが好ましい。なお、かかる含有量の好
ましい範囲は9〜14モル%で、さらには9.5〜14
モル%である。さらに、変性ポリビニルアルコール系樹
脂(a)の平均重合度は、200〜3500(さらには
200〜2500、特には500〜2000)が好まし
く、かかる平均重合度が200未満では全体的に接着強
度が低下する傾向にあり、逆に3500を越えると水性
液(A)の粘度が高くなりすぎて作業性が低下して好ま
しくない。
性液(A)に用いるアミン変性ポリビニルアルコール系
樹脂(a)が得られるのであるが、かかる水性液(A)
は、具体的には、アミン変性ポリビニルアルコール系樹
脂(a)の水溶液、あるいは分散液(エマルジョン)等
の形にするのである。
ポリビニルアルコール系樹脂(a)をそのまま水に溶解
させることにより可能であり、この時の水溶液の濃度と
しては、1〜30重量%(更には1〜25重量%、特に
1〜20重量%)とすることが好ましく、かかる濃度が
1重量%未満では、作用効果を充分に得ることが困難と
なる場合があり、逆に30重量%を越えると水溶液の粘
度が高くなり作業性が困難となる場合があり好ましくな
い。
ポリビニルアルコール系樹脂(a)を含有するエマルジ
ョンを調製すれば良く、かかる調製にあたっては、イ)
アミン変性ポリビニルアルコール系樹脂(a)を乳化剤
あるいは保護コロイドとして単量体を乳化重合する方
法、ロ)合成樹脂の溶液あるいは溶融液をアミン変性ポ
リビニルアルコール系樹脂(a)の存在下で後乳化する
方法、ハ)任意の方法で得られた合成樹脂エマルジョン
にアミン変性ポリビニルアルコール系樹脂(a)を添加
してより安定なエマルジョンを製造する方法等を挙げる
ことができ、これらについて具体的に説明するが、これ
らの方法に限定されるものではない。
重合触媒の存在下にエチレン性不飽和単量体及び/又は
ジエン系単量体を一時又は連続的に添加して、加熱、撹
拌する如き通常の乳化重合法や、水、アミン変性ポリビ
ニルアルコール系樹脂(a)及び重合触媒の存在下に、
エチレン性不飽和単量体及び/又はジエン系単量体をア
ミン変性ポリビニルアルコール系樹脂(a)の水溶液に
混合分散した分散液(プレエマルジョン)を一時又は連
続的に添加して、加熱、撹拌する如き乳化重合法が実施
し得る。
(a)の使用量としては、エマルジョンの樹脂分等によ
って多少異なるが、通常乳化重合反応系の全体に対して
下限を0.1重量%(更には1重量%、特には2重量
%)とすることが好ましく、上限を30重量%(更には
25重量%、特には20重量%)とすることが好まし
い。
マー粒子の安定な乳化状態で維持することが困難とな
り、逆に30重量%を越えるとエマルジョン粘度が上昇
しすぎて作業性が低下することとなり好ましくない。
ム、過硫酸アンモニウム、臭素酸カリウム等がそれぞれ
単独で又は酸性亜硫酸ナトリウムと併用して、更には過
酸化水素−酒石酸、過酸化水素−鉄塩、過酸化水素−ア
スコルビン酸−鉄塩、過酸化水素−ロンガリット、過酸
化水素−ロンガリット−鉄塩等の水溶性のレドックス系
の重合開始剤が用いられ、また、アゾビスイソブチロニ
トリル、ベンゾイルパーオキサイド等の油溶性の重合開
始剤も用いることができる。
はなく、初期に一括添加する方法や重合の経過に伴って
連続的に添加する方法等を採用することができる。上記
の乳化重合においては、乳化分散安定剤として、水溶性
高分子や非イオン正活性剤、アニオン性活性剤を併用す
ることもできる。
ニルアルコール系樹脂(a)以外の、未変性PVA、カ
ルボキシル基含有PVA、PVAのホルマール化物、ア
セタール化物、ブチラール化物、ウレタン化物、スルホ
ン酸、カルボン酸等のとのエステル化物等のPVA、ビ
ニルエステルとそれと共重合可能な単量体との共重合体
ケン化物等が挙げられる。ビニルエステルと共重合可能
な単量体としてはエチレン、ブチレン、イソブチレン、
α−オクテン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオ
レフィン類、ビニレンカーボネート類、アクリル酸、メ
タクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン
酸、イタコン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいは
モノ又はジアルキルエステル等、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、ジ
アセトンアクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド
類、エチレンスルホン酸、アリルスルホン酸、メタアリ
ルスルホン酸等のオレフィンスルホン酸あるいはその塩
類、アルキルビニルエーテル類、ビニルケトン、N−ビ
ニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビニリデン等が挙げ
られる。
して、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキ
シメチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロ
ース、ヒドロキシブチルメチルセルロース、ヒドロキシ
エチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アミ
ノメチルヒドロキシプロピルセルロース、アミノエチル
ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース誘導体
類、デンプン、トラガント、ペクチン、グルー、アルギ
ン酸又はその塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、ポ
リアクリル酸又はその塩ポリメタクリル酸又はその塩、
ポリアクリルアミド、ポリメタクリルアミド、酢酸ビニ
ルとマレイン酸、無水マレイン酸、アクリル酸、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン
酸等不飽和酸との共重合体、スチレンと上記不飽和酸と
の共重合体、ビニルエーテルと上記不飽和酸との共重合
体及び前記共重合体の塩類又はエステル類が挙げられ
る。
キシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチレ
ン−アルキルフェノール型、ポリオキシエチレン−多価
アルコールエステル型、多価アルコールと脂肪酸とのエ
ステル、オキシエチレン・オキシプロピレンブロックポ
リマー等が挙げられる。
ルコール硫酸塩、高級脂肪酸アルカリ塩、ポリオキシエ
チレンアルキルフェノールエーテル硫酸塩、アルキルベ
ンゼンスルホン酸塩、ナフタリンスルホン酸塩ホルマリ
ン縮合物、アルキルジフェニルエーテルスルホン酸塩、
ジアルキルスルホコハク酸塩、高級アルコールリン酸エ
ステル塩等が挙げられる。更に、フタル酸エステル、リ
ン酸エステル等の可塑剤、炭酸ナトリウム、酢酸ナトリ
ウム、リン酸ナトリウム等のpH調整剤等も併用され得
る。
は、アミン変性ポリビニルアルコール系樹脂(a)を水
に溶解し、これに溶液状のエチレン性不飽和単量体及び
/又はジエン系単量体の重合体を滴下し撹拌するか、溶
液状態の該重合体中に該アミン変性ポリビニルアルコー
ル系樹脂(a)水溶液を滴下し撹拌すればよい。エマル
ジョン化に当たり加熱等の必要は特にないが、必要であ
れば45〜85℃程度に加熱すればよい。乳化する物質
には特に限定はなく、エポキシ樹脂、ウレタン樹脂、尿
素−ホルマリン初期縮合物、フェノール−ホルムアルデ
ヒド初期縮合物、アルキッド樹脂、ケテンダイマー、ロ
ジン、シリコン樹脂、ワックス、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、アスファルト等が挙げられる。
(a)の使用量としては、要求されるエマルジョンの樹
脂分等によって多少異なるが、通常乳化対象物に対して
0.1〜30重量%、好ましくは1〜25重量%程度の
範囲から選択される。必要であれば、該樹脂と共にポリ
オキシエチレン−アルキルエーテル型、ポリオキシエチ
レン−アルキルフェノール型、多価アルコールエステル
型等の非イオン性活性剤、又は高級アルキルアミン塩等
のカチオン性活性剤を適宜併用することもできる。又こ
れらの活性剤は乳化対象物の方に混合しておくことも可
能である。
ルエーテル型、ポリオキシエチレン−アルキルフェノー
ル型、多価アルコールエステル型等の非イオン性活性
剤、又は高級アルキルアミン塩等のカチオン性活性剤を
始めとし、前記した乳化重合時に使用される各種界面活
性剤が何れも併用可能である。又これらの活性剤は乳化
対象物の方に混合しておくことも可能である。更にフタ
ル酸エステル、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等の
pH調整剤も併用され得る。
にアミン変性ポリビニルアルコール系樹脂(a)を添加
するもので、対象となるエマルジョンとしては、スチレ
ン/ブタジエン系エマルジョン、シス−1,4ポリイソ
プレンエマルジョン、クロロプレンエマルジョン、アク
リロニトリル/ブタジエンエマルジョン、ビニルピリジ
ンエマルジョン、メチルメタクレート/ブタジエンエマ
ルジョン、ポリウレタンエマルジョン、アクリルエステ
ル系エマルジョン、酢酸ビニル系エマルジョン、エチレ
ン/酢酸ビニル系エマルジョン、塩化ビニル系エマルジ
ョン、ポリスチレンエマルジョン、ポリエチレンエマル
ジョン、シリコーンエマルジョン、ポリブテンエマルジ
ョン、チオコールエマルジョンなどが挙げられる。
コール系樹脂(a)を添加する場合、該アミン変性ポリ
ビニルアルコール系樹脂(a)を水溶液としてから添加
する時にはエマルジョンを室温にて、撹拌しながらこれ
に該水溶液を添加するだけでよいが、該アミン変性ポリ
ビニルアルコール系樹脂(a)の粉末を添加する時に
は、エマルジョンを撹拌しながら該粉末を添加し、50
〜85℃に加温すれば短時間で均一な混合が終了するこ
とも可能である。
(a)の使用量は、エマルジョン固形分に対して1〜4
0重量%(さらには2〜30重量%、特には10〜30
重量%)程度の範囲が好ましい。
かる水性液(B)は、アセト酢酸エステル基含有ポリビ
ニルアルコール系樹脂(b)を含む水性液である。
ルアルコール系樹脂(以下、AA化PVAと略記するこ
とがある)(b)とは、後述するようにポリビニルアル
コールにジケテンを反応させたり、ポリビニルアルコー
ルとアセト酢酸エステルを反応させてエステル交換した
りして、ポリビニルアルコールにアセト酢酸エステル基
を導入させたもので、かかるポリビニルアルコールとし
ては、一般的にはポリ酢酸ビニルの低級アルコール溶液
をアルカリや酸などのケン化触媒によってケン化したケ
ン化物又はその誘導体が用いられ、更には酢酸ビニルと
共重合性を有する単量体と酢酸ビニルとの共重合体のケ
ン化物等を用いることもでき、該単量体としては、例え
ばエチレン、プロピレン、イソブチレン、α−オクテ
ン、α−ドデセン、α−オクタデセン等のオレフィン
類、ビニレンカーボネート類、アクリル酸、メタクリル
酸、クロトン酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコ
ン酸等の不飽和酸類あるいはその塩あるいはモノ又はジ
アルキルエステル等、アクリロニトリル、メタアクリロ
ニトリル等のニトリル類、アクリルアミド、メタクリル
アミド等のアミド類、エチレンスルホン酸、アリルスル
ホン酸、メタアリルスルホン酸等のオレフィンスルホン
酸あるいはその塩、アルキルビニルエーテル類、N−ア
クリルアミドメチルトリメチルアンモニウムクロライ
ド、アリルトリメチルアンモニウムクロライド、ジメチ
ルジアリルアンモニウムクロリド、ジメチルアリルビニ
ルケトン、N−ビニルピロリドン、塩化ビニル、塩化ビ
ニリデン、ポリオキシエチレン(メタ)アリルエーテ
ル、ポリオキシプロピレン(メタ)アリルエーテルなど
のポリオキシアルキレン(メタ)アリルエーテル、ポリ
オキシエチレン(メタ)アクリレート、ポリオキシプロ
ピレン(メタ)アクリレート等のポリオキシアルキレン
(メタ)アクリレート、ポリオキシエチレン(メタ)ア
クリルアミド、ポリオキシプロピレン(メタ)アクリル
アミド等のポリオキシアルキレン(メタ)アクリルアミ
ド、ポリオキシエチレン(1−(メタ)アクリルアミド
−1,1−ジメチルプロピル)エステル、ポリオキシエ
チレンビニルエーテル、ポリオキシプロピレンビニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンアリルアミン、ポリオキシ
プロピレンアリルアミン、ポリオキシエチレンビニルア
ミン、ポリオキシプロピレンビニルアミン等が挙げられ
る。
リビニルアルコールは、特に限定されないが、ケン化度
は68モル%以上(さらには80〜99.9モル%、特
には87〜99モル%)が好ましく、かかるケン化度が
68モル%未満では、AA化PVA(b)の水溶解性が
低下して好ましくない。
度は、200〜5000(更には200〜2500、特
には300〜2000)が好ましく、かかる平均重合度
が200未満では接着後の保持力が低下する傾向にあ
り、逆に3500を越えると水性液(A)の粘度が高く
なりすぎて作業性が低下して好ましくない。
きポリビニルアルコールとジケテンを反応させる方法、
ポリビニルアルコールとアセト酢酸エステルを反応させ
エステル交換する方法、酢酸ビニルとアセト酢酸ビニル
を共重合させる方法等を挙げることができるが、製造工
程が簡略で、品質の良いAA化PVAが得られる点か
ら、ポリビニルアルコール(粉末)とジケテンを反応さ
せる方法で製造するのが好ましい。ポリビニルアルコー
ルとジケテンをを反応させる方法としては、ポリビニル
アルコールとガス状或いは液状のジケテンを直接反応さ
せても良いし、有機酸をポリビニルアルコールに予め吸
着吸蔵せしめた後、不活性ガス雰囲気下で液状またはガ
ス状のジケテンを噴霧、反応するか、またはポリビニル
アルコールに有機酸と液状ジケテンの混合物を噴霧、反
応する等の方法が用いられる。上記の反応を実施する際
の反応装置としては、加温可能で撹拌機の付いた装置で
あれば十分である。例えば、ニーダー、ヘンシェルミキ
サー、リボンブレンダー、その他各種ブレンダー、撹拌
乾燥装置を用いることができる。
アセト酢酸エステル基の含有量は、0.1〜10モル%
(さらには0.5〜8モル%、特には2〜8モル%)が
好ましく、かかる含有量が0.1モル%未満では、充分
な接着力が得られないことがあり、逆に10モル%を越
えるとAA化PVA(b)を含む水溶液の粘度が不安定
となったり、架橋速度が速くなりすぎて被着体への浸透
が不充分となって接着力が充分に発揮できなくなったり
して好ましくない。
性液(B)に用いるAA化PVA(b)が得られるので
あるが、かかる水性液(B)も上述の水性液(A)と同
様な方法によって、AA化PVA(b)の水溶液、ある
いは分散液(エマルジョン)等の形にすることができ
る。なお、変性ポリビニルアルコール系樹脂(a)の水
性液(A)を有機酸や鉱酸等の酸性物質でpH2〜6に
調整することによって、AA化PVA(b)の水溶液と
混合したときのポットライフを0.5〜3時間の範囲で
制御することができ、また、接着後の加熱養生で架橋反
応が進んで接着力を向上させることもできる。特に後者
を目的とするときには、pKa(25℃での酸度指数)
3.5以上で常圧下の沸点が120℃以下の酸性物質を
用いることが効果的で、かかる酸性物質としては、アセ
ト酢酸、ギ酸、酢酸等を挙げることができ、好適には酢
酸が用いられる。
なる本発明の2液型接着剤組成物が得られるのである
が、本発明においては、かかる水性液(A)および
(B)のいずれかに架橋剤(c)を含有させることが好
ましい。
ポリビニルアルコール系樹脂(a)またはAA化PVA
(b)と架橋反応をするものであればよく、例えばホル
ムアルデヒド,アセトアルデヒド等のモノアルデヒド化
合物、グリオキザール,グルタルアルデヒド,ジアルデ
ヒド澱粉等の多価アルデヒド化合物、メチロールメラミ
ン,ジメチロール尿素等のメチロール化合物、ヘキサメ
チレンテトラミン等のアンモニアとホルムアルデヒドと
の反応物等のアルデヒド化合物、アルミニウム,鉄,
銅,亜鉛,チタン,マグネシウム,クロム,ジルコニウ
ム等の金属の水溶性塩、エチレングリコールジグリシジ
ルエーテル,ポリエチレングリコールジグリシジルエー
テル,グリセリンジグリシジルエーテル,グリセリント
リグリシジルエーテル,ヘキサンジオールジグリシジル
エーテル,トリメチロールプロパントリグリシジルエー
テル等の多価エポキシ化合物などを挙げることができ、
中でもアルデヒド化合物が好ましく、さらにはジアルデ
ヒド化合物が好適に用いられる。なお、上記の架橋剤の
種類によっては、含有させる水性液を選択する必要があ
り、例えば、ポリエチレンイミン、ヒドラジド化合物、
金属の水溶性塩、イソシアネート化合物、メチロール化
メラミン、メチロール化合物、ポリアミドアミン、ポリ
アミンなどは、水性液(A)に含有させることが好まし
く、また、例えばモノアルデヒド化合物、多価アルデヒ
ド化合物、多価エポキシ化合物などは水性液(B)に含
有させることが好ましい。また、上記の架橋剤(c)の
助剤としてエチレンジアミン,トリメチレンジアミン,
テトラメチレンジアミン,ジエチレントリアミン,2、
2'-ジアミノジエチルアミン,ビス(2-アミノエチ
ル)アミン,等の脂肪族アミン,オルト−フェニレンジ
アミン,メターフェニレンジアミン,パラーフェニレン
ジアミン,トリアミノベンゼン,テトラアミノベンゼ
ン,ペンタアミノベンゼン,ジアミノジフェニルメタン
等の変性芳香族アミン,1,2,3-トリアミノシクロプロパ
ン等の変性脂環式ポリアミン,3,3'-ジメチル−4,4'-ジ
アミノ-ジシクロヘキシルメタン,N−アミノエチルピ
ペラジン等の3級アミン等を水性液(A)に含有させて
もよい。
が、水性液(A)に含有される時は変性ポリビニルアル
コール系樹脂(a)100重量部に対して、0.5〜6
0重量部(さらには2〜30重量部)が好ましく、かか
る含有量が0.5重量部未満では架橋効果に乏しく、逆
に60重量部を越えても含有量の割には架橋効果が向上
せず好ましくない。
化PVA(b)100重量部に対して、0.5〜60重
量部(さらには2〜30重量部)が好ましく、かかる含
有量が0.5重量部未満では架橋効果に乏しく、逆に6
0重量部を越えても含有量の割には架橋効果が向上せず
好ましくない。
き水性液(A)および水性液(B)からなるものである
が、本発明の目的を阻害しない範囲において、無機充填
剤(合成シリカ、コロイダルシリカ、アルミナ等)、消
泡剤、離型剤、界面活性剤(シリコン系、フッ素系、ポ
リエチレングリコール系等)、防腐剤、防虫剤、防錆
剤、増粘剤等の公知の添加剤を添加することもでき、ま
た、他の紙加工剤、例えば、従来公知の他のポリビニル
アルコール、澱粉、カルボキシメチルセルロース、アク
リル系ラテックス、SBRラテックス等の樹脂を水性液
(A)または水性液(B)の少なくとも一方に添加する
ことも可能である。
て使用するにあたっては、通常水性液(A)と水性液
(B)を別々に被着体に塗布して使用される。
基材の被着面、例えば木材等の表面に塗布し、水性液
(B)を接着せんとするもう一方の基材の被着面に塗布
し、直ちにこの両面を合わせて接触させ、圧締すると室
温で数秒〜10分以内にかなりの強度にまで接着するの
で解圧することができ、作業時間の短縮、作業工程の簡
略化、エネルギーコストの削減等が可能となる。水性液
(A)および水性液(B)のそれぞれの塗布量としては
特に制限はなく、被接着材の種類や状態、接着剤組成物
の成分に応じて適宜調整すればよいが、通常は10〜5
00g/cm2の塗布量から選択することが、初期接着
力を確保する点で好ましい。
力に非常に優れており、木材、合板、パーテイクルボー
ド、ハードボード等の繊維質材料、スレート板、珪カル
板、モルタル、タイル等の無機質材料、メラミン化粧
板、ベークライト、発泡スチロール等のプラスチック材
料、段ボール、板紙、クラフト紙等の紙質材料等の速硬
化性の接着剤として有用である。さらに、自動車、鉄道
車両、航空機等の輸送機器用の接着剤、グラフト剤、セ
メント混和剤、シール剤等として土木・建築用接着剤と
して有用である。また、繊維類の処理剤、不織布等のバ
インダー、塗料としても使用可能である。
する。尚、実施例中、「部」、「%」とあるのは、特に
ことわりのない限り重量基準を示す。
(a)の製造〕 製造例1 3リットルのジャケット付反応缶(パドル翼)に、酢酸
ビニル(VAc)1000g、N−ビニルホルムアミド
(NVF)12.9g及びメタノール150gを仕込ん
で、還流(内温60〜63℃)するまでジャケットを加
熱した。別途、重合触媒として、アゾビスイソブチロニ
トリル(AIBN)3.81gをメタノール50gに溶
解したものを用意して、上記の反応缶に仕込み(VAc
に対して、AIBNは0.2モル%)、重合を開始した
と同時に、NVF50%メタノール溶液の仕込みを開始
した。尚、NVFは、VAcと均一に重合するように、
HANNAの式[NVFの反応性比(r1)=9.54
3、VAcの反応性比(r1)=0.094]から求め
た量を重合速度に合わせて仕込んだ。VAcの重合率が
84%のとき、追加するNVF量は100.2g(50
%メタノール溶液として200.4g)となる。VAc
重合率が84%に到達したとき、禁止剤としてm−ジニ
トロベンゼン0.03gをメタノール500gに溶解し
たものを反応缶に仕込みジャケットを冷却し、内温を3
0℃以下にして、重合を停止して、酢酸ビニル−N−ビ
ニルホルムアミド共重合体のペーストを得て、得られた
酢酸ビニル−N−ビニルホルムアミド共重合体のペース
トを蒸留塔の上部より300g/hrで仕込み、蒸留塔
の下部よりメタノール蒸気120g/hrを仕込み、蒸
留塔の頂部より未反応のVAcをメタノールと共沸させ
て、回収した。蒸留塔の底部からは、未反応のVAcの
無い、酢酸ビニル−N−ビニルホルムアミド共重合体の
ペーストが得られた。
記で得られた酢酸ビニル−N−ビニルホルムアミド共重
合体のペースト(樹脂分30%)400gを仕込み、ジ
ャケット温調により、ペースト温度を35℃とし、ケン
化触媒として、水酸化ナトリウムの4%メタノール溶液
2.45g(VAc単位に対して2ミリモル%)を仕込
み、ケン化を開始した。ケン化触媒添加後30分で、ケ
ン化物が析出し始めてペーストが増粘し、ケン化母液が
発生し、スラリー状態となった。ペーストが増粘して
1.5時間後、酢酸の10%メタノール溶液1.27g
を添加し(ケン化触媒に対し、0.8倍モル)、スラリ
ーを中和して、ビニルアルコール−N−ビニルホルムア
ミド共重合体のスラリーを得た。得られたビニルアルコ
ール−N−ビニルホルムアミド共重合体を、1H−NM
R(400MHz;5%D2O溶液を使用し、溶媒飽和
法にて測定)により、共重合組成を測定したところ、N
−ビニルホルムアミド単位が14モル%、残存酢酸基量
が0.9モル%であった。
ルムアミド共重合体のスラリーを遠心分離機にて固液分
離して、得られた該共重合体のケーキをメタノールで洗
浄して、ケーキ中の酢酸メチルをメタノールと置換し
て、遠心分離機にて固液分離して、ケーキ状とし、かか
るケーキ87.9g(樹脂分68.8g)を、リフラッ
クスコンデンサー及びジャケット付きの1リットルの反
応缶に仕込んだ。ついで、撹拌しながら、イソプロピル
アルコール442.7g、イオン交換水29.0gを仕
込み、ジャケットを加熱して、還流させた(内温は68
℃)。還流開始30分後に、加水分解用の触媒として、
水酸化カリウムの7.5%イソプロピルアルコール溶液
179.8g(NVF単位に対して1.2倍モル)を仕
込み、加水分解を開始した。触媒仕込み後の樹脂分濃度
は10重量%で、溶媒中に含まれる水は5重量%とな
る。触媒添加5hr後にジャケットを冷却し、内温を3
0℃以下にして、加水分解を停止し、ビニルアルコール
−N−ビニルアミン共重合体のスラリーを得て、該スラ
リーを遠心分離機にて固液分離し、得られたビニルアル
コール−N−ビニルアミン共重合体のケーキをメタノー
ルで洗浄し、その後、N 2乾燥機にて、60℃で24h
r乾燥し、ビニルアルコール−N−ビニルアミン共重合
体[アミノ基含有ポリビニルアルコール系樹脂(a−
1)]粒子(揮発分5%)を得た。
ル系樹脂(a−1)を1H−NMR(400MHz;5
%D2O溶液を使用し、溶媒飽和法にて測定)により測
定したところ、アミノ基含有量は13.9モル%で、残
アミド基含有量は0.1モル%であった。また、該ポリ
ビニルアルコール系樹脂(a−1)の平均重合度は13
00で、ケン化度は99.8モル%であった。
量をそれぞれ8.7g及び200gとし、VAcの重合
率84%の時のNVFの追加量を63.9g(50%メ
タノール溶液として127.8g)とした以外は同様に
行って、未反応のVAcの無い、酢酸ビニル−N−ビニ
ルホルムアミド共重合体のペーストを得た。
仕込みペースト(400g)の樹脂分濃度を45%と
し、かつケン化触媒として、水酸化ナトリウムの4%メ
タノール溶液2.20g(VAc単位に対して2ミリモ
ル%)を仕込んだ以外は同様に行って、ビニルアルコー
ル−N−ビニルホルムアミド共重合体のスラリーを得
た。得られたビニルアルコール−N−ビニルホルムアミ
ド共重合体を、1H−NMR(400MHz;5%D2
O溶液を使用し、溶媒飽和法にて測定)により、共重合
組成を測定したところ、N−ビニルホルムアミド単位が
10.0モル%、残存酢酸基量が0.5モル%であっ
た。
−ビニルホルムアミド共重合体のスラリーを製造例1と
同様に加水分解を行い、触媒添加9.5hr後に加水分
解を停止し、その後製造例1と同様に乾燥を行って、ビ
ニルアルコール−N−ビニルアミン共重合体[アミノ基
含有ポリビニルアルコール系樹脂(a−2)]粒子(揮
発分5%)を得た。
ル系樹脂(a−2)を1H−NMR(400MHz;5
%D2O溶液を使用し、溶媒飽和法にて測定)により測
定したところ、アミノ基含有量は9.5モル%で、残ア
ミド基含有量は0.5モル%であった。また、該ポリビ
ニルアルコール系樹脂(a−2)の平均重合度は130
0で、ケン化度は99.8モル%であった。
量をそれぞれ2.4g及び600gとし、VAcの重合
率84%の時のNVFの追加量を19.4g(50%メ
タノール溶液として38.8g)とした以外は同様に行
って、未反応のVAcの無い、酢酸ビニル−N−ビニル
ホルムアミド共重合体のペーストを得た。
して、水酸化ナトリウムの4%メタノール溶液1.56
g(VAc単位に対して2ミリモル%)を仕込んだ以外
は同様に行って、ビニルアルコール−N−ビニルホルム
アミド共重合体のスラリーを得た。得られたビニルアル
コール−N−ビニルホルムアミド共重合体を、1H−N
MR(400MHz;5%D2O溶液を使用し、溶媒飽
和法にて測定)により、共重合組成を測定したところ、
N−ビニルホルムアミド単位が3.0モル%、残存酢酸
基量が1.1モル%であった。
ニルホルムアミド共重合体のスラリーを製造例1と同様
に加水分解を行い、触媒添加6.0hr後に加水分解を
停止し、その後製造例1と同様に乾燥を行って、ビニル
アルコール−N−ビニルアミン共重合体[アミノ基含有
ポリビニルアルコール系樹脂(a−)]粒子(揮発分
5%)を得た。
ル系樹脂(a−)を1H−NMR(400MHz;5
%D2O溶液を使用し、溶媒飽和法にて測定)により測
定したところ、アミノ基含有量は2.7モル%で、残ア
ミド基含有量は0.3モル%であった。また、該ポリビ
ニルアルコール系樹脂(a−)の平均重合度は800
で、ケン化度は99.8モル%であった。
ムアミド共重合体のスラリーを、加水分解の触媒をN−
ビニルホルムアミド単位に対して0.8倍モルに変更し
た以外は、製造例1と同様に加水分解を行い、触媒添加
5.5hr後に加水分解を停止し、その後製造例1と同
様に乾燥を行って、ビニルアルコール−N−ビニルアミ
ン共重合体[アミノ基含有ポリビニルアルコール系樹脂
(a−)]粒子(揮発分5%)を得た。
ル系樹脂(a−)を1H−NMR(400MHz;5
%D2O溶液を使用し、溶媒飽和法にて測定)により測
定したところ、アミノ基含有量は8.2モル%で、残ア
ミド基含有量は1.8モル%であった。また、該ポリビ
ニルアルコール系樹脂(a−)の平均重合度は130
0で、ケン化度は99.2モル%であった。
ムアミド共重合体のスラリーを、加水分解の触媒をN−
ビニルホルムアミド単位に対して0.8倍モルに変更し
た以外は、製造例1と同様に加水分解を行い、ケン化触
媒添加9.0hr後に加水分解を停止し、その後製造例
1と同様に乾燥を行って、ビニルアルコール−N−ビニ
ルアミン共重合体[アミノ基含有ポリビニルアルコール
系樹脂(a−)]粒子(揮発分5%)を得た。
ル系樹脂(a−)を1H−NMR(400MHz;5
%D2O溶液を使用し、溶媒飽和法にて測定)により測
定したところ、アミノ基含有量は10.0モル%で、残
アミド基含有量は0モル%であった。また、該ポリビニ
ルアルコール系樹脂(a−)の平均重合度は1300
で、ケン化度は99.9モル%であった。
A(b)を用意した。 (b−1);アセト酢酸エステル基含有量8モル%、ケ
ン化度95モル%、平均重合度1400のAA化PVA
意した。 (c−1);グリオキザール
び(B)を調製した。 ・水性液(A):アミン変性PVA(a−1)の10%水溶液 100部 炭酸カルシウム 50部 ・水性液(B):AA化PVA(b−1)の10%水溶液 100部 架橋剤(c−1)の15%水溶液 10部
て、以下の評価を行った。 (水性液(A)の低温安定性)水性液(A)を5℃で2
4時間放置した後の粘度を測定して、放置処理前の粘度
の何倍になったかを調べて、以下のように評価した。 ○・・・1.5倍未満 △・・・1.5〜2倍未満 ×・・・2倍以上
10mmの2片の樺材の一方の被着面に水性液(A)を
200g/m2となるように塗布し、他方の被着面に水
性液(B)を200g/m2となるように塗布し、両面
を接着させて直ちに10kg/cm2で圧締して、それ
ぞれ1分、2分、5分、10分後に解圧して、25℃、
50%RHの雰囲気下で24時間養生後、JIS K
6852に準拠してそれぞれの接着強度を測定した。な
お、測定は、5個のサンプルについて行い、その平均値
を接着力(kg/cm2)とした。
10mmの2片の樺材の一方の被着面に水性液(A)を
200g/m2となるように塗布し、他方の被着面に水
性液(B)を200g/m2となるように塗布し、両面
を接着させて直ちに10kg/cm2で圧締して、それ
ぞれ1分、2分、5分、10分後に解圧して、25℃、
80%RHの雰囲気下で10日間養生後、JIS K
6852に準拠してそれぞれの接着強度を測定した。な
お、測定は、5個のサンプルについて行い、その平均値
を接着力(kg/cm2)とした。
=5に調整した以外は同様に2液型接着剤組成物を調製
して、同様に評価を行った。なお、実施例3において
は、以下の耐久接着強度IIIの評価も行った。
×10mmの2片の樺材の一方の被着面に水性液(A)
を200g/m2となるように塗布し、他方の被着面に
水性液(B)を200g/m2となるように塗布し、両
面を接着させて直ちに120℃雰囲気中で10kg/c
m2で圧締して、それぞれ1分、2分、5分、10分後
に解圧して、25℃、50%RHの雰囲気下で30日間
養生後、JIS K 6852に準拠してそれぞれの接
着強度を測定した。なお、測定は、5個のサンプルにつ
いて行い、その平均値を接着力(kg/cm2)とし
た。
ミン変性PVA(a−)を用いた以外は同様に2液型
接着剤組成物を調製して、同様に評価を行った。
ミン変性PVA(a−)を用いた以外は同様に2液型
接着剤組成物を調製して、同様に評価を行った。
ミン変性PVA(a−)を用いた以外は同様に2液型
接着剤組成物を調製して、同様に評価を行った。
架橋剤(c−1)の15%水溶液100部を用いた以外
は同様に2液型接着剤組成物を調製して、同様に評価を
行った。
に示す。
のアミノ基およびアミド基を含有するポリビニルアルコ
ール系樹脂とAA化PVAを用いているため、主剤の低
温安定性および耐久接着力、特に高湿度下で放置した後
の耐久接着力に優れており、木材、合板、パーテイクル
ボード、ハードボード等の繊維質材料、スレート板、珪
カル板、モルタル、タイル等の無機質材料、メラミン化
粧板、ベークライト、発泡スチロール等のプラスチック
材料、段ボール、板紙、クラフト紙等の紙質材料等の速
硬化性の接着剤として有用である。
Claims (8)
- 【請求項1】 分子内にアミノ基を含有し、かつアミノ
基の含有量が8モル%以上でアミド基の含有量が0.1
〜1モル%のポリビニルアルコール系樹脂(a)を含む
水性液(A)とアセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
ルコール系樹脂(b)を含む水性液(B)からなること
を特徴とする2液型接着剤脂組成物。 - 【請求項2】 分子内にアミノ基を含有し、かつアミノ
基の含有量が8〜15モル%でアミド基の含有量が0.
1〜1モル%のポリビニルアルコール系樹脂(a)の平
均重合度が200〜3500であることを特徴とする請
求項1記載の2液型接着剤脂組成物。 - 【請求項3】 分子内にアミノ基を含有し、かつアミノ
基の含有量が8〜15モル%でアミド基の含有量が0.
1〜1モル%のポリビニルアルコール系樹脂(a)の酢
酸ビニル成分のケン化度が80モル%以上であることを
特徴とする請求項1または2記載の2液型接着剤脂組成
物。 - 【請求項4】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
ルコール系樹脂(b)の平均重合度が200〜5000
であることを特徴とする請求項1〜3いずれか記載の2
液型接着剤組成物。 - 【請求項5】 アセト酢酸エステル基含有ポリビニルア
ルコールのアセト酢酸エステル基含有量が0.1〜10
モル%であることを特徴とする請求項1〜4いずれか記
載の2液型接着剤組成物。 - 【請求項6】 さらに架橋剤(c)を含有してなること
を特徴とする請求項1〜5いずれか記載の2液型接着剤
組成物。 - 【請求項7】 架橋剤(c)が、アルデヒド化合物であ
ることを特徴とする請求項6記載の2液型接着剤組成
物。 - 【請求項8】 水性液(A)がpKa(25℃での酸度
指数)3.5以上で常圧下の沸点が120℃以下の酸性
物質でpH2〜6に調整されてなることを特徴とする請
求項1〜7いずれか記載の2液型接着剤脂組成物。
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