JP2003171622A - 活性光線硬化型再剥離性粘着剤組成物 - Google Patents

活性光線硬化型再剥離性粘着剤組成物

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JP2003171622A
JP2003171622A JP2001372399A JP2001372399A JP2003171622A JP 2003171622 A JP2003171622 A JP 2003171622A JP 2001372399 A JP2001372399 A JP 2001372399A JP 2001372399 A JP2001372399 A JP 2001372399A JP 2003171622 A JP2003171622 A JP 2003171622A
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Katsuhiko Muraguchi
勝彦 村口
Haruo Yoshida
晴雄 吉田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ウェハなどの集積回路形成に有用な成膜性のあ
る活性光線硬化型粘着剤として、ダイシングテープに有
用な硬化前後における粘着膜の強度の低減が好ましい範
囲に存在し、硬化膜を剥離した際に、ウェハ表面に糊残
りのない硬化膜を与える活性光線硬化性アクリル樹脂エ
マルジョン系粘着剤組成物を提供する。 【解決手段】アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤、多官
能(メタ)アクリレート化合物および活性光線硬化型界
面活性剤を含有する活性光線硬化型再剥離性粘着剤組成
物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、半導体ウエハの集積回
路形成等のダイシング加工に際して、半導体ウェハの表
面を保護しつつ、素子小片に分離されるまで、該素子小
片を固定・維持するために使用される仮止め用粘着シー
トに用いられる活性光線硬化型再剥離性粘着剤組成物に
関する。
【0002】
【従来の技術】シリコン、ゲルマニウム、ガリウムヒ
素、ガリウムリンなどの半導体ウエハは、通常、回路を
形成後、粘着シートを貼合してから素子小片への切断
(ダイシング)、洗浄、乾燥、粘着シートの延伸(エキ
スパンディング)などの処理工程を経た後、ピックアッ
プ工程で粘着シートより素子小片が剥離され、次のマウ
ンテウィング工程に配される。この工程で使用される粘
着シートは、ダイシングテープと呼ばれており、ダイシ
ングから乾燥までは切断された素子小片に対して、充分
な粘着力を有しながら、ピックアップ時には糊残りのな
い程度に粘着力が減少していることが望まれている。
【0003】このような粘着シートとしては、特開昭6
0−196956号公報および特開昭60−22313
9号公報に、基材面に例えば紫外光または電子線等の活
性光線によって三次元網状化しうる、分子内に光重合性
不飽和二重結合を有する化合物(多官能性オリゴマー)
を含有してなる粘着剤を塗布した粘着シートが提案され
ている。また、特開平2−1878478号公報には分
子内に重合性不飽和結合を有するヨウ素価が0.5〜2
0であるアクリル酸アルキルエステル系および/または
メタクリル酸アルキルエステル系の重合性ポリマーと、
多官能アクリルオリゴマーとを主成分として含む活性光
線硬化型再剥離性粘着剤が開示されている。特開平5−
32946号公報および特開平5−214298号公報
にはポリマーの側鎖または主鎖あるいは添加物に活性光
線重合性のアクリル基またはビニルエーテル基を有する
多官能性モノマーまたはオリゴマーからなり、該光重合
性不飽和二重結合を分子内に2個以上有した活性光線硬
化型組成物が、硬化前後で感圧接着力あるいは体積収縮
率が大幅に変化する再剥離性粘着性ポリマーが開示され
ている。さらに特開平11−293201号公報には、
ヒドロキシル基を側鎖に有するアクリル粘着剤組成物
に、特定の官能基を持たせることにより、硬化後の残存
粘着剤いわゆる糊残りのない再剥離性粘着剤が開示され
ている。
【0004】以上のような再剥離型粘着剤を用いた粘着
シートは、活性光線照射後の粘着性の低下が大きく、エ
キスパンド時にチップが剥離脱落するという問題があ
る。また硬化後は粘着剤の伸びが小さくなり、素子小片
を分離しピックアップする際に粘着シートを引き伸ばし
たとき、粘着剤層にクラックが発生して、素子小片が飛
散するという不具合があった。また、溶剤型粘着剤であ
るために、粘着剤シートあるいはフィルムを調製する際
の有機溶剤揮散の問題があり、環境面からは好ましくな
い。
【0005】このような溶剤の揮散と環境への対応を図
るために、エマルジョン系粘着剤を利用する技術が開示
されている。すなわち、特開平4−186832号公報
に反応性界面活性剤を用いた水系エマルジョン系粘着
剤、また、特開平5−136260号公報にはカチオン
系界面活性剤使用のアクリル樹脂エマルジョン系粘着
剤、特開平5−198542号公報にはノニオン性界面
活性剤、エポキシ樹脂系架橋剤および/またはアジリジ
ン架橋剤使用のエマルジョン系粘着剤、特開平6−73
347号公報にはシリコン系界面活性剤使用のエマルジ
ョン系粘着剤、特開平6−77194号公報にはノニオ
ン性反応性活性剤/フッ素系界面活性剤併用のアクリル
樹脂エマルジョン系粘着剤を使用するウェハ加工用テー
プが開示されている。しかしながら、上記のようなエマ
ルジョン系粘着剤は、溶剤系粘着剤と成膜挙動が全く異
なるため、組成物調製時あるいは成膜時に、しばしば好
ましくないエマルジョンの凝集物、ハジキあるいはユズ
肌、クレーターなどが発生し易く、しばしば塗工不良を
招いたり、それに起因して粘着層とウェハの間に空気が
混入してその空間部に界面活性剤などが滲出し、ウェハ
を汚染したり、いわゆる糊残り等の問題がある。
【0006】エマルジョン系粘着剤における以上の問題
を解決するため、エマルジョンの塗工時に成膜助剤を用
いたり、反応性界面活性剤を共重合する方法も考案され
ているが、未だ不十分である。すなわち、反応性界面活
性剤の共重合は、分子鎖中に取り込まれた界面活性剤の
全てが成膜時に、ウェハ表面に配向するわけではないた
め、必ずしも効果的ではない。反応性界面活性剤を過剰
に使用すれば、粘着膜の機械強度の確保などに問題があ
る。これを解消するためにエマルジョンに、例えば3,
5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オールのような揮発
性の界面活性剤を所定量使用することにより、成膜時の
諸問題を解決すると共に、糊残りも解決しようとする技
術が提案されている(特開平5−171117号公
報)。これにより揮発性界面活性剤の添加による成膜時
の塗工性は改良されるものの、揮発性界面活性剤の経時
の濃度変化があり、品質管理面から必ずしも十分ではな
い。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、ウェ
ハなどの集積回路形成に有用な成膜性のある活性光線硬
化型粘着剤として、ダイシングテープに有用な硬化前後
における粘着膜の強度の低減が好ましい範囲に存在し、
硬化膜を剥離した際に、ウェハ表面に糊残りのない硬化
膜を与える活性光線硬化性アクリル樹脂エマルジョン系
粘着剤を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、かかる課
題を有する活性光線硬化型再剥離性粘着剤について鋭意
研究を重ねた結果、活性光線硬化型界面活性剤をアクリ
ル樹脂エマルジョン系粘着剤および多官能(メタ)アク
リレート化合物に添加し、更に必要に応じて光重合開始
剤を配合した活性光線硬化型組成物とすることにより、
放射線あるいは紫外線などの活性光線により重合収縮に
よる粘着力の低減はあっても、硬化後も粘着力をある程
度維持し、エキスパンド時にもシートの破れやチップの
剥離がなく、ピックアップ時にチップの安易な飛散もな
く、環境問題に対しても優れている再剥離性粘着剤組成
物が得られること、特に活性光線硬化型界面活性剤とし
て、アセチレンジオールおよび/またはアセチレンジオ
ールのエチレンオキサイド付加物1モルに対し、α,β
−不飽和重合性モノイソシアナートを0.5〜1.5モ
ル付加してなるα,β−不飽和ウレタンを用いた再剥離
性粘着剤組成物を基材フィルムに塗布してなる粘着剤フ
ィルムあるいはシートが、ダイシングテープとして有用
であることを見出し、本発明を完成した。
【0009】すなわち本発明は、以下の活性光線硬化型
再剥離性粘着剤組成物を提供するものである。 1.アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤、多官能(メ
タ)アクリレート化合物および活性光線硬化型界面活性
剤を含有することを特徴とする活性光線硬化型再剥離性
粘着剤組成物。 2.アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤100重量部に
対して、多官能(メタ)アクリレート化合物3〜100
重量部、活性光線硬化型界面活性剤0.5〜10重量部
を含有する上記1の活性光線硬化型再剥離性粘着剤組成
物。 3.活性光線硬化型界面活性剤が、アセチレンジオール
および/またはアセチレンジオールのエチレンオキサイ
ド付加物1モルに対し、α,β−不飽和重合性モノイソ
シアナートを0.5〜1.5モルを反応させて得られた
ものである上記1または2の活性光線硬化型再剥離性粘
着剤組成物。 4.アセチレンジオールへのエチレンオキサイドの付加
物が、アセチレンジオール1モルに対して10モル以下
のエチレンオキサイドが付加されたものである上記3の
活性光線硬化型再剥離性粘着剤組成物。 5.更に、光重合開始剤を含有する上記1〜4のいずれ
かの活性光線硬化型再剥離性粘着剤組成物。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明について具体的に説
明する。本発明の活性光線硬化型再剥離性粘着剤組成物
におけるアクリル樹脂エマルジョン系粘着剤とは、例え
ばメタクリル酸メチル、メタクリル酸2−エチルヘキシ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチルなどの(メ
タ)アクリル酸アルキルエステルを主モノマーとし、こ
れに乳化剤、脱イオン水、重合開始剤を添加して通常の
手法により、エマルジョン重合することにより得られ、
所望する粘着力に応じて適宜モノマー種を選定すること
ができる。なお、このアクリル樹脂エマルジョン系粘着
剤は、ガラス転移点(Tg)が0℃未満となるようなモ
ノマー組成で選定される。また、必要に応じてこれらの
モノマーと共重合し得る例えば2−ヒドロキシエチルア
クリレート、ヒドロキシプロピルメタクリレート、グリ
シジルメタクリレートなどの反応性(メタ)アクリレー
トモノマーも本発明の趣旨を妨げぬ範囲で使用される。
更に、これらの反応性(メタ)アクリレートモノマーの
他に、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、
無水マレイン酸、イタコン酸、フマール酸、桂皮酸、フ
マール酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエ
ステルなどのα,β−ジカルボン酸モノアルキルエステ
ル類、ヒドロキシメチルアクリルアミド、ヒドロキシエ
チルアクリルアミド、(メタ)アクリロニトリル等の不
飽和化合物が適宜用いられる。本発明におけるアクリル
樹脂エマルジョン系粘着剤の製造方法としては、重合開
始剤の選定、濃度、反応環境なども含め、特に制限はな
く公知の製造方法・条件で製造されるが、通常固形分が
30〜60重量%となるように重合させる方法が好まし
く用いられる。
【0011】本発明においては、粘着剤組成物に活性光
線硬化性を付与し、硬化前のみならず、硬化後において
も適当な粘着強度を維持するために、活性光線硬化性の
多官能(メタ)アクリレート化合物を必須成分として含
有する。該多官能(メタ)アクリレート化合物の分子量
は、通常10,000未満、より好ましくは5,000
以下でかつ分子内の不飽和結合の数が2〜6個のものを
用いるのがよい。本発明における多官能(メタ)アクリ
レート化合物は、アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤の
組成、使用する多官能(メタ)アクリレートの構造によ
っても異なるため、一概に規定はできないが、多官能
(メタ)アクリレートの分子量が10,000を超える
場合には、しばしばエマルジョンの凝集が起こり易くな
ることから好ましくない。
【0012】多官能(メタ)アクリレート化合物として
特に好適な多官能オリゴマーとしては、エチレングリコ
ールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、テトラメチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)
アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)クリ
レート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシビバリン酸ネオペンチルグリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)
アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)
アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アク
リレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリ
レート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリ
レート、ポリオールのポリグリシジルエーテルの(メ
タ)アクリル酸付加物、オリゴエステル(メタ)アクリ
レートなども使用することができる。これらの多官能
(メタ)アクリレート化合物は、単独で使用しても2種
以上を混合使用しても良い。
【0013】多官能(メタ)アクリレート化合物の使用
量は、通常ベースポリマーであるアクリル樹脂エマルジ
ョン系粘着剤100重量部に対して3〜100重量部、
好ましくは5〜50重量部の範囲とするのがよい。多官
能(メタ)アクリレート化合物の種類にもよるが、多官
能(メタ)アクリレートの使用量が3重量部未満では、
粘着剤層の活性光線照射による三次元網状化が不充分で
あり、チップに対する接着力の低下の程度が小さすぎて
好ましくない。一方、100重量部を超える使用量で
は、粘着剤層の可塑化が著しく半導体ウエハ切断時に必
要な接着力が得られず好ましくない。
【0014】本発明の活性光線硬化型再剥離性粘着剤組
成物では、活性光線硬化性界面活性剤を使用することが
必須であり、使用する活性光線硬化性界面活性剤として
は、アセチレンジオールおよび/またはアセチレンジオ
ールのエチレンオキサイド付加物に、α,β−不飽和重
合性モノイソシアナートを付加させてなるα、β−不飽
和ウレタンが好適に用いられる。活性光線硬化性界面活
性剤の使用量はアクリル樹脂エマルジョン系粘着剤10
0重量部に対して0.5〜10重量部、好ましくは1〜
5重量部である。0.5重量部より少ないと基材に塗工
した際にハジキが発生してしまい、10重量部より多い
場合には糊残りの原因となり糊残りが多くなる。
【0015】本発明で使用されるアセチレンジオールお
よび/またはアセチレンジオールのエチレンオキサイド
付加物としては、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−
2,5−ジオール、2,4,7,9−テトラメチル−5
−デシン−4,7−ジオール、3,6−ジメチル−4−
オクチン−3,6−ジオ−ルおよびそれらのエチレンオ
キサイド付加物が挙げられる。殊に2,4,7,9−テ
トラメチル−5−デシン−4,7−ジオールおよびその
エチレンオキサイド付加物(例えばエアープロダクツ社
製、日信化学社販売、商品名サーフィノール104、オ
ルフィン1004、サーフィノール1010)は、工業
的に入手が可能であり、好ましく用いられる。アセチレ
ンジオールのエチレンオキサイド付加量としては、アセ
チレンジオール1モルに対して0〜10モルの付加物の
入手が可能であり、またその範囲の付加量で十分であ
る。
【0016】アセチレンジオールおよび/またはアセチ
レンジオールのエチレンオキサイド付加物と反応させる
α,β−不飽和重合性モノイソシアナートとしては、例
えば2−メタクリロイルオキシエチルイソシアナート
(昭和電工社製、商品名カレンズMOI)、メタクリロ
イルイソシアナートが挙げられる。アセチレンジオール
および/またはアセチレンジオールのエチレンオキサイ
ド付加物と反応させるα,β−不飽和重合性モノイソシ
アナートの比率は、アセチレンジオールおよび/または
アセチレンジオールのエチレンオキサイド付加物1モル
に対してα,β−不飽和重合性モノイソシアナート0.
5〜1.5モル、好ましくは0.7〜1.3モルが望ま
しい。α,β−不飽和重合性モノイソシアナートが1.
5モルを超えると、界面活性能の低下によるハジキの発
生が見られる一方、0.5モル未満では、被着体から粘
着フィルムを剥離した後の糊残りが顕著となる。
【0017】アセチレンジオールおよび/またはアセチ
レンジオールのエチレンオキサイド付加物のα,β−不
飽和重合性モノイソシアナートとの付加反応は、通常の
ウレタン化反応の条件を用いれば良く、必要に応じてジ
ブチル錫ジラウレート、ジアザビシクロオクタン(DA
BCO)などのいわゆるウレタン化触媒を使用して溶媒
の存在下または不在下で反応させれば良い。
【0018】本発明の活性光線硬化型再剥離性粘着剤組
成物では、必要に応じて光重合開始剤を含有させること
ができ、光重合開始剤の共存下、活性光線を使用するこ
とが可能である。使用される光重合開始剤としては、ベ
ンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチル
エーテル、ベンゾフェノン、ミヒラーズケトン、クロロ
チオキサントン、ドデシルチオキサントン、ジメチルチ
オキサントン、ジエチルチオキサントン、アセトフェノ
ンジエチルケタール、ベンジルジメチルケタール、1−
ヒドロキシーシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
などが挙げられる。殊にベンジルジメチルケタール、1
−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒド
ロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン
が表面硬化性に優れることから好ましい。
【0019】光重合開始剤の使用量としては、通常上記
の多官能(メタ)アクリレート化合物100重量部に対
して0.1〜5重量部の範囲が好ましい。光重合開始剤
の使用量が0.1重量部未満では、粘着剤組成物の活性
光線照射による硬化速度が遅く、また粘着力の低減の程
度が小さすぎる。逆に使用量が5重量部を超える量を使
用しても、それに見合う効果が見られないのみならず、
ウェハの表面に光重合開始剤が残留し易い。
【0020】また使用する光重合開始剤によっては、ア
ミンを併用することにより、感光領域の幅を広げること
により、相対的に感度を高められることができる。使用
されるアミンとしては例えばN,N−ジメチルエタノー
ルアミン、N−メチルジエタノールアミンなどが好まし
く用いられる。アミンを併用する場合には、光重合開始
剤と同量以下である。
【0021】さらに本発明の再剥離性粘着剤組成物に
は、上記の成分のほか、粘着剤としての凝集力の調節を
図る目的で、所望によりイソシアネート化合物、メラミ
ン化合物、エポキシ化合物などの一般の粘着剤に配合さ
れる各種の多官能性化合物を適宜配合してもよい。ま
た、可塑剤、樹脂、界面活性剤、ワックス、微粒子充填
剤などの公知の添加剤を加えることもできる。
【0022】このように構成される再剥離性粘着剤組成
物を用いて粘着シートを作製するには、この粘着剤組成
物を公知の方法で基材上に塗布した後、必要に応じて乾
燥して、通常10〜100μm、好ましくは10〜50
μm程度の厚みを有する粘着剤層を形成すればよい。基
材としては、活性光線が透過する透明フィルムで、エキ
スパンド時に延伸性のよい材質であれば特に制限はな
く、具体的には、ポリ塩化ビニル、ポリブテン、ポリブ
タジエン、ポリウレタン、エチレン−酢酸ビニル共重合
体、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピ
レン共重合体、ポリメチルペンテン−1、ポリウレタ
ン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフ
タレートなどのフィルムが用いられる。
【0023】本発明の再剥離性粘着剤組成物は、ウエハ
ダイシング工程用の粘着シートとして好適に用いられる
が、該用途では粘着シートに半導体ウエハを貼付固定し
た後、回転丸刃で半導体ウエハをチップに切断する。そ
の後、粘着シートの基材側から紫外線あるいは電子線の
ような活性光線を照射して硬化する。
【0024】紫外線照射を行う時の光源としては、高圧
水銀灯、超高圧水銀灯カーボンアーク灯、キセノン灯、
メタルハライドランプ、ケミカルランプ、ブラックライ
トなどが用いられる。高圧水銀ランプの場合は紫外線照
射量は、50〜3000mJ/cm2 、好ましくは200〜
1000mJ/cm2 の条件で行われる。電子線照射の場合
には、例えば、50〜1000KeVの範囲のエネルギ
ーを持つ電子線を用い、2〜50Mradの照射線量と
するのがよい。紫外線照射量または電子線照射線量が過
不足の時には、何れも光重合開始剤量が過不足の時と同
様な状況を生ずることから好ましくない。
【0025】硬化前後の粘着力は、基材の種類、ウエハ
の種類によっても変わるが、硬化前はJIS Z 23
07による180°剥離粘着力が150〜600g/2
5mm、照射後の粘着力が5〜50g/25mm程度が好ま
しい。次いで、ウエハ拡張装置を用いて粘着シートをエ
キスパンド(延伸)し、チップ間隔を一定間隔に広げた
後、チップをニードル等で突き上げると共に、エアピン
セット等で吸着する方法等によりピックアップし、チッ
プを基盤に接着し、金線で電極を接続し製品となる半導
体チップとなる。
【0026】
【実施例】次に、実施例および比較例により本発明につ
いて具体的に説明する。但し本発明は以下の実施例によ
り制限されるものではない。なお、以下の記述で
「%」、「部」とあるのは特に断りのない限り重量基準
である。
【0027】以下の実施例および比較例における再剥離
型粘着シートの評価は次のように行なった。すなわち、
得られた粘着シートを4インチのシリコンウェハの表面
に荷重1kgの加圧ロールを用いて貼着し、23℃、6
5%RHに調整された室内に1時間放置した後、コンベ
ヤー型紫外線照射装置(アイグラフィックス社製、2K
Wランプ、80W/cm)で500mJ/cm2 の紫外
線照射を行い、照射前後での粘着力、ループタック力、
保持力の変化をJIS 0237に準じて以下の方法で
測定した。
【0028】(イ)粘着力:粘着テープ又は粘着シート
を試験板又は背面に貼り付け、圧着後、UV照射前後で粘
着テープ又は粘着シートを180°の角度で引き剥がす
のに要する力を測定した。 (ロ)ループタック力:試験片(幅25mm、長さ約280mm)
の粘着面を外側にしてループ状とし、試験片の端を上部
つかみに挟む。下部つかみには試験板を水平に保持す
る。毎分300mmの速さで、試験片の粘着面の端を試験板
に25×50mmの面積に接触させた後、直ちに同じ速さで試
験板から引き剥がすのに要する力を測定した。 (ハ)保持力:試験板の一端に、試験片の25×25mmの面
積が接するように貼り付け、貼り付いていない部分は、
粘着面を内側にして折り重ねた。試験片の上から、ロー
ラを、1往復させて圧着した。20分以上経過した後、試
験板の一端を止め金で止め、試験板及び試験片が鉛直に
垂れ下がるようにし、折り重ねた部分の端に、1kgの重
りを取り付けた。テープが試験板から落下するまでの時
間を計った。 (ニ)外観:基材に粘着剤を塗工して乾燥させた後に、
粘着層にハジキや気泡、異物等によるブツブツがなくき
れいな状態となっているかを目視で確認した。 ○:きれいな状態の粘着層。 △:ハジキやブツブツが少し見られる。 ×:ハジキやブツブツがはっきりと見られる。 (ホ)糊残り:被着体に粘着フィルムを貼り付け、UV
照射(500mJ/cm2 )を行なった後に、粘着フィルムを剥
し、被着体に粘着剤が残っているかどうかを目視で確認
した。 ○:被着体に粘着剤が残らない。 △:被着体に粘着剤が僅かに残る。 ×:被着体に粘着剤がはっきりと残る。
【0029】製造例1(活性光線硬化型界面活性剤
(I)の合成) 攪拌機、温度調節器、還流冷却器、滴下ロートを付した
300mlの反応装置に、モレキュラーシーブ4Aで脱
水した2,4,7,9−テトラメチル−5−デシンー
4,7−ジオールのエチレンオキサイド10モル付加物
(エアープロダクツ社製、輸入元=日信化学社、商品名
オルフィンE−1010)48g(72.2ミリモル)
および脱水したメチルエチルケトン138.2gを装填
し、50℃に加熱する。この混合物に滴下ロートを通じ
てイソシアナートエチルメタクリレート(昭和電工社
製、商品名カレンズMOI)11.2g(72.3ミリ
モル)とジブチル錫ジラウレート0.11gの混合液を
滴下し、滴下終了後、さらに70℃で4時間保持するこ
とにより、イソシアナート基の消失したα,β−重合性
不飽和ウレタン変性のアセチレンジオールのエチレンオ
キサイド付加物(これを活性光線硬化型界面活性剤
(I)とする)を得た。生成物の 1H−NMRスペクト
ルのメタクリロイル基のメチレンプロトンとアセチレン
基に隣接のメチルプロトンの比から反応率は93.0%
であり、不飽和基当量は872であった。
【0030】製造例2(活性光線硬化型界面活性剤(I
I)の合成) 製造例1で使用した反応装置に、モレキュラーシーブ4
Aで脱水した2,4,7,9−テトラメチル−5−デシ
ンー4,7−ジオールのエチレンオキサイド3.5モル
付加物(エアープロダクツ社製、輸入元=日信化学社、
商品名オルフィンE−1004、)50g(131.4
ミリモル)および脱水したメチルエチルケトン164.
3gを装填し、50℃に加熱する。この系に滴下ロート
を通じてイソシアナートエチルメタクリレート(昭和電
工社製、商品名カレンズMOI)20.4g(131.
5ミリモル)とジブチル錫ジラウレート0.20gの混
合液を滴下し、滴下終了後反応系を70℃で4時間保持
することにより、イソシアナート基の消失したα,β−
重合性不飽和ウレタン変性のアセチレンジオールのエチ
レンオキサイド付加物を得た(これを活性光線硬化型界
面活性剤(II)とする)を得た。生成物の 1H−NMR
スペクトルのメタクリロイル基のメチレンプロトンとア
セチレン基に隣接のメチルプロトンの比から反応率は9
9.8%であり、不飽和基当量は536であった。
【0031】製造例3(活性光線硬化型界面活性剤(II
I) の合成) 製造例1で使用した反応装置に、モレキュラーシーブ4
Aで脱水した2,4,7,9−テトラメチル−5−デシ
ンー4,7−ジオール(エアープロダクツ社製、輸入元
=日信化学社、商品名サーフィノール104)40g
(純度96.4%、170.3ミリモル)および脱水し
たメチルエチルケトン155.0gを装填し、50℃に
加熱する。この系に滴下ロートを通じてイソシアナート
エチルメタクリレート(昭和電工社製、商品名カレンズ
MOI)26.4g(170.2ミリモル)とジブチル
錫ジラウレート0.26gの混合液を滴下し、滴下終了
後反応系を70℃で4時間保持することにより、イソシ
アナート基の消失したα,β−重合性不飽和ウレタン変
性のアセチレンジオール(これを活性光線硬化型界面活
性剤(III) とする)を得た。生成物の 1H−NMRスペ
クトルのメタクリロイル基のメチレンプロトンとアセチ
レン基に隣接のメチルプロトンの比から反応率は93.
5%であり、不飽和基当量は397であった。
【0032】実施例1 <アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤(A)の製造>還
流冷却器、攪拌機、滴下ロートおよび温度計を付した4
ツ口フラスコに、反応性界面活性剤ポリオキシエチレン
アリルグリシジルノニルフェニルエーテルの硫酸エステ
ル(旭電化社製、商品名アデカソープSE−11)0.
6部、イオン交換水83.3部、過硫酸カリウム0.2
5部を仕込み、内温を70℃まで上げ、この温度に達し
たところでアクリル酸nーブチル74部、メタクリル酸
メチル10部、メタクリル酸1部、アクリル酸2−ヒド
ロキシエチル15部、ポリオキシエチレンアリルグリシ
ジルノニルフェニルエーテル1.4部、イオン交換水6
6.7部からなる混合物の10%を加えて加熱し、内温
を80℃に保ちながら20分間重合を行った。次にその
温度で残りの90%の混合物を約180分間にわたって
滴下し、滴下終了後さらに30分間、保温して固形分約
40%、ガラス転移温度(Tg)−39℃のアクリル樹
脂エマルジョンを得た。冷却したエマルジョンにアンモ
ニア水を添加して、pH8に調節した。これをアクリル
樹脂エマルジョン系粘着剤(A)とする。
【0033】<再剥離性粘着剤および再剥離型粘着シー
トの製造>紫外線の遮断された室内にて、プラスチック
製容器に、アクリル樹脂エマルジョン(A)系粘着剤8
6.2部、ポリエチレングリコールのエポキシメタクリ
レート(ナガセ化成工業社製、商品名デナコールアクリ
レートDM−832)10.3部、ペンタエリスリトー
ルトリアクリレート3.5部、1−ヒドロキシシクロヘ
キシルフェニルケトンとベンゾフェノンの混合物(チバ
・スペシャルティ・ケミカルズ社製、商品名イルガキュ
ア500)1部、活性光線硬化型界面活性剤(I)0.
9部を加えて攪拌し、再剥離性粘着剤とし、さらにこれ
を38μmのポリエチレンテレフタレートフィルムに乾
燥後の膜厚が20μmになるように塗工し、110℃で
3分間、加熱乾燥させて再剥離型粘着シートを作製し
た。次に、前述の方法で紫外線硬化前後の性能変化を評
価した。測定結果を第1表に示す。
【0034】実施例2 実施例1の再剥離型粘着シートの製造において、活性光
線硬化型界面活性剤(I)0.9部を活性光線硬化型界
面活性剤(II)0.9部に変更した他は実施例1と同様
の方法で再剥離型粘着シートを製造し、紫外線硬化前後
の性能変化を評価した。測定結果を第1表に示す。
【0035】実施例3 実施例1の再剥離型粘着シートの製造において、活性光
線硬化型界面活性剤(I)0.9部を活性光線硬化型界
面活性剤(III) 0.9部に変更した他は実施例1と同様
の方法で再剥離型粘着シートを製造し、紫外線硬化前後
の性能変化を評価した。測定結果を第1表に示す。
【0036】実施例4 実施例1に記載の再剥離性粘着剤および再剥離型粘着シ
ートの製造において、アクリル樹脂エマルジョン系粘着
剤(A)83.3部、ポリエチレングリコールのエポキ
シメタクリレート(商品名デナコールDM−832、ナ
ガセ化成工業社製)10部、ペンタエリスリトールトリ
アクリレート6.7部、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトンとベンゾフェノンの混合物(商品名イル
ガキュア500、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社
製)1部、活性光線硬化型界面活性剤(I)0.83部
に変更した以外は実施例1と同様にして粘着シートを製
造し、紫外線硬化前後の性能変化を評価した。測定結果
を第1表に示す。
【0037】実施例5 実施例4の粘着シート製造において、活性光線硬化型界
面活性剤(I)0.83部を活性光線硬化型界面活性剤
(II)0.83部とした他は、実施例4と同様の方法で
再剥離型粘着シートを製造し、紫外線硬化前後の性能変
化を評価した。測定結果を第1表に示す。
【0038】実施例6 実施例4に記載の粘着シート製造において、活性光線硬
化型界面活性剤(I)0.83部を活性光線硬化型界面
活性剤(III) 0.83部とした他は、実施例1と同様の
方法で再剥離型粘着シートを製造し、紫外線硬化前後の
性能変化を評価した。測定結果を第1表に示す。
【0039】実施例7 アクリル樹脂エマルジョンの組成をアクリル酸n−ブチ
ル85部、メタクリル酸メチル10部、メタクリル酸2
部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3部とした他は、
実施例1に記載のアクリル樹脂エマルジョンの製造方法
により、ガラス転移温度(Tg)が−43℃のアクリル
樹脂エマルジョンを得た。冷却したアクリル樹脂エマル
ジョンにアンモニア水を添加してpH8に調節してアク
リル樹脂エマルジョン系粘着剤(B)を得た。このアク
リル樹脂エマルジョン系粘着剤(B)を用いた他は、実
施例1と同様に粘着シートを製造し、紫外線照射前後の
性能変化を評価した。測定結果を第1表に示す。
【0040】実施例8 アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤(B)を用いた他は
実施例2と同様にして粘着シートを製造し、紫外線硬化
前後の性能変化を評価した。測定結果を第1表に示す。
【0041】実施例9 アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤(B)を用いた他は
実施例3と同様にして粘着シートを製造し、紫外線硬化
前後の性能変化を評価した。測定結果を第1表に示す。
【0042】実施例10 <アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤(C)、再剥離性
粘着剤および再剥離型粘着シートの製造>実施例1に記
載の反応装置に、反応性界面活性剤ポリオキシエチレン
アリルグリシジルノニルフェニルエーテルの硫酸エステ
ル(旭電化社製、商品名アデカソープSE−11)0.
6部、イオン交換水83.3部、過硫酸カリウム0.2
5部を仕込み、内温を70℃まで上げ、この温度に達し
たところでアクリル酸nーブチル80部、アクリル酸2
−エチルヘキシル16部、メタクリル酸2−ヒドロキシ
エチル2部、アクリル酸2−ヒドロキシエチル3部、ポ
リオキシエチレンアリルグリシジルノニルフェニルエー
テル1.4部、イオン交換水66.7部からなる混合物
の10%を加えて加熱し、内温を80℃に保ちながら2
0分間重合を行った。次にその温度で残りの90%の混
合物を約180分間にわたって滴下し、滴下終了後さら
に30分間、保温して固形分約40%、ガラス転移温度
(Tg)−53℃のアクリル樹脂エマルジョンを得た。
冷却したエマルジョンにアンモニア水を添加して、pH
8に調節した。これをアクリル樹脂エマルジョン系粘着
剤(C)とする。このアクリル樹脂エマルジョン系粘着
剤(C)を用いた他は、実施例1と同様にして再剥離型
粘着シートを製造し、紫外線照射前後の性能変化を評価
した。測定結果を第1表に示す。
【0043】実施例11 実施例10の粘着シート製造において、活性光線硬化型
界面活性剤(I)0.9部を活性光線硬化型界面活性剤
(II)0.9部とした他は、実施例4と同様にして再剥
離型粘着シートを製造し、紫外線硬化前後の性能変化を
評価した。測定結果を第1表に示す。
【0044】実施例12 実施例10の粘着シート製造において、活性光線硬化型
界面活性剤(I)0.9部を活性光線硬化型界面活性剤
(III) 0.9部とした他は、実施例4と同様にして再剥
離型粘着シートを製造し、紫外線硬化前後の性能変化を
評価した。測定結果を第1表に示す。
【0045】実施例13 <アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤(D)、再剥離性
粘着剤および再剥離型粘着シートの製造>実施例1に記
載の反応装置に、ドデシル酸ソーダ0.75部、ノニオ
ン性界面活性剤(花王製、商品名エマルゲン950)
1.13部、蒸留水94部を仕込み、温度を70℃まで
上げ、この温度に達したところでエチルアクリレート
4.6部、メタクリル酸0.38部を入れる。溶液が青
色になり、内温が75℃になったところでさらにエチル
アクリレート87.9部、メタクリル酸7.14部、過
硫酸カリウム(以下KPSと略)0.23部、水酸化リ
チウム0.78部、ドデシル酸ソーダ0.75部、蒸留
水28部を3時間かけて滴下した。その後75℃で30
分反応させることにより、固形分約40%のアクリル樹
脂エマルジョン系粘着剤(D)を得た。紫外線の遮断さ
れた室内にて、プラスチック容器にアクリル樹脂エマル
ジョン系粘着剤(D)92.6部、1,6−ヘキサンジ
アクリレート7.4部、1−ヒドロキシシクロヘキシル
フェニルケトン(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社
製、イルガキュア184)0.074部、活性光線硬化
型界面活性剤(I)0.9部を用い、実施例1と同様に
して再剥離型粘着シートを製造し、紫外線照射前後の性
能変化を評価した。測定結果を第2表に示す。
【0046】実施例14 実施例13の粘着シート製造において、活性光線硬化型
界面活性剤(I)0.9部を活性光線硬化型界面活性剤
(II)0.9部とした他は、実施例13と同様にして再
剥離型粘着シートを製造し、紫外線硬化前後の性能変化
を評価した。測定結果を第2表に示す。
【0047】実施例15 実施例13の粘着シート製造において、活性光線硬化型
界面活性剤(I)0.9部を活性光線硬化型界面活性剤
(III) 0.9部とした他は、実施例13と同様にして再
剥離型粘着シートを製造し、紫外線硬化前後の性能変化
を評価した。測定結果を第2表に示す。
【0048】実施例16 <アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤(E)、再剥離性
粘着剤および再剥離型粘着シートの製造>実施例1に記
載の反応装置に、ドデシル酸ソーダ1.67部、蒸留水
145.8部を仕込み、75℃になったところで2−エ
チルヘキシルメタアクリレート91.7部、メタクリル
酸8.3部、カルボキシル基末端アゾ系重合開始剤(和
光純薬社製、商品名V−501)0.42部、Ca(O
H)2 0.18部を3時間かけて滴下する。その後75
℃で30分反応させる。固形分約40%のアクリル樹脂
エマルジョン(E)を得た。これをアクリル樹脂エマル
ジョン系粘着剤(E)とする。このアクリル樹脂エマル
ジョン系粘着剤(E)を用いた他は、実施例1と同様に
して再剥離型粘着シートを製造し、紫外線照射前後の性
能変化を評価した。測定結果を第2表に示す。
【0049】実施例17 実施例16の再剥離型粘着シート製造において、活性光
線硬化型界面活性剤(I)0.9部を活性光線硬化型界
面活性剤(II)0.9部とした他は、実施例16と同様
にして再剥離型粘着シートを製造して紫外線硬化前後の
性能変化を評価した。測定結果を第2表に示す。
【0050】実施例18 実施例16の再剥離型粘着シート製造において、活性光
線硬化型界面活性剤(I)0.9部を活性光線硬化型界
面活性剤(III) 0.9部とした他は、実施例16と同様
にして再剥離型粘着シートを製造して紫外線硬化前後の
性能変化を評価した。測定結果を第2表に示す。
【0051】実施例19 <アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤(F)、再剥離性
粘着剤および再剥離型粘着シートの製造>実施例16の
アクリルエマルジョン系粘着剤の製造においてCa(O
H)2 0.18部をNaOH0.51部に変えた他は、
実施例16と同様にして再剥離型粘着シートを製造し、
紫外線照射前後の性能変化を評価した。測定結果を第2
表に示す。
【0052】実施例20 実施例16の再剥離型粘着シート製造において、活性光
線硬化型界面活性剤(I)0.9部を活性光線硬化型界
面活性剤(II)0.9部とした他は、実施例16と同様
にして再剥離型粘着シートを製造し、紫外線硬化前後の
性能変化を評価した。測定結果を第2表に示す。
【0053】実施例21 実施例16の再剥離型粘着シート製造において、活性光
線硬化型界面活性剤(I)0.9部を活性光線硬化型界
面活性剤(III) 0.9部とした他は、実施例16と同様
にして再剥離型粘着シートを製造し、紫外線硬化前後の
性能変化を評価した。測定結果を第2表に示す。
【0054】比較例1 実施例1において、再剥離性粘着剤の製造において活性
光線硬化型界面活性剤(I)0.9重量部を添加せず
に、混合攪拌した以外は実施例1と同様にして再剥離性
粘着剤を製造して更に再剥離型粘着シートを製造し、実
施例1と同様に評価した。結果を第2表に示す。粘着剤
を基材に塗工するとはじきが発生する。
【0055】比較例2 実施例1において、再剥離性粘着剤の製造において活性
光線硬化型界面活性剤(I)0.9重量量部を揮発性界
面活性剤3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール
(商品名サーフィノール61、エアープロダクツ社製、
輸入元=日信化学社)0.9重量部に変更した以外は実
施例1と同様にして再剥離性粘着剤を製造して更に再剥
離型粘着シートを製造し、実施例1と同様に評価した。
結果を第2表に示す。粘着剤を基材に塗工するとはじき
が発生した。
【0056】比較例3 実施例1において、再剥離性粘着剤の製造において活性
光線硬化型界面活性剤(I)0.9重量部を2,4,
7,9−テトラメチル−5−デシン−4,7−ジオール
のエチレンオキサイド10モル付加物(商品名オルフィ
ンE−1010、エアープロダクツ社製、輸入元=日信
化学社)0.9重量部に変更した以外は実施例1と同様
にして再剥離性粘着剤を製造して更に再剥離型粘着シー
トを製造し、実施例1と同様に評価した。結果を第2表
に示す。被着体から粘着フィルムを剥離した後に糊残り
が認められた。
【0057】
【表1】
【0058】
【表2】
【0059】
【発明の効果】本発明にかかる再剥離性粘着剤組成物
は、アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤、多官能(メ
タ)アクリレート化合物および活性光線硬化型界面活性
剤を配することにより塗工性が改善され、紫外線あるい
は放射線による硬化後も粘着力をある程度維持しつつ残
存粘着剤いわゆる糊残りがなく、エキスパンド時にもシ
ートの破れやチップの剥離がなく、ピックアップ時にチ
ップの飛散がなくなる。また有機溶剤を使用しないため
に環境問題に対しても優れている。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤、多
    官能(メタ)アクリレート化合物および活性光線硬化型
    界面活性剤を含有することを特徴とする活性光線硬化型
    再剥離性粘着剤組成物。
  2. 【請求項2】 アクリル樹脂エマルジョン系粘着剤10
    0重量部に対して、多官能(メタ)アクリレート化合物
    3〜100重量部、活性光線硬化型界面活性剤0.5〜
    10重量部を含有する請求項1に記載の活性光線硬化型
    再剥離性粘着剤組成物。
  3. 【請求項3】 活性光線硬化型界面活性剤が、アセチレ
    ンジオールおよび/またはアセチレンジオールのエチレ
    ンオキサイド付加物1モルに対し、α,β―不飽和重合
    性モノイソシアナートを0.5〜1.5モルを反応させ
    てなるものである請求項1または請求項2に記載の活性
    光線硬化型再剥離性粘着剤組成物。
  4. 【請求項4】 アセチレンジオールへのエチレンオキサ
    イドの付加物が、アセチレンジオール1モルに対して1
    0モル以下のエチレンオキサイドが付加されたものであ
    る請求項3に記載の活性光線硬化型再剥離性粘着剤組成
    物。
  5. 【請求項5】 更に光重合開始剤を含有する請求項1〜
    4のいずれかに記載の活性光線硬化型再剥離性粘着剤組
    成物。
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