JP2003171582A - インクジェット記録システムおよびインクジェット記録媒体 - Google Patents

インクジェット記録システムおよびインクジェット記録媒体

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JP2003171582A JP2001369073A JP2001369073A JP2003171582A JP 2003171582 A JP2003171582 A JP 2003171582A JP 2001369073 A JP2001369073 A JP 2001369073A JP 2001369073 A JP2001369073 A JP 2001369073A JP 2003171582 A JP2003171582 A JP 2003171582A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 医療、特に、X線画像を診断目的にプリント
するに適したインクジェット記録システムおよびインク
ジェット記録媒体を提供することを目的とする。 【解決手段】 透明なシート状のインクジェット記録媒
体4に対してインクジェット記録液をノズルより噴出さ
せてインクジェット記録を行うインクジェット記録シス
テム100であって、前記インクジェット記録液は、請
求項に示すいずれかの一般式で表される色素の少なくと
も一つを含む黒色を呈するポリマー粒子の水分散体のイ
ンクジェット記録液である、ことを特徴とするインクジ
ェット記録システム。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医療におけるX線
画像診断の産業分野に関する。とくにX線画像を診断目
的にプリントするインクジェット記録システムおよびイ
ンクジェット記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】X線発見以来この百年間、蛍光増感紙と
X線フィルムとを組み合わせたスクリーン・フィルムシ
ステム(SFシステム)がX線画像形成に用いられてきて
いる。
【0003】すなわち、X線が蛍光増感紙に照射される
と、青色もしくは緑色の可視光をX線強度に比例して発
光し、その光でハロゲン化銀写真フィルムが感光し、現
像処理後に銀画像としてX線画像を得るものである。し
かしながらSFシステムの画質は極めて良好であるが、
画像を得るためには水を用いた現像処理が必要であっ
て、その現像液や定着液が廃液として生じる。これは環
境上好ましいものではない。また、水を扱う現像処理は
極めて煩雑で、厄介な仕事である。
【0004】近年X線画像撮影において、SFシステム
に代わってコンピューテッド・ラジオグラフィ(CR)
やフラットパネルX線ディテクタ(FPD)など、X線
画像のデジタル電気信号を取り出すシステムが登場して
いる。また、X線CTやMRIなどの新しいモダリティ
はデジタル画像として画像診断に供せられる(図4参
照)。
【0005】これらのデジタル医用画像システムでは、
画像の撮影のために従来のようなX線フィルムを用いな
いので、現像処理など煩雑はプロセスがなく、迅速に陰
極管(CRT)ディスプレイ上や液晶表示パネルなどの
モニター上にX線画像を得ることができる。
【0006】しかしCRTディスプレイ上では描出でき
る画像濃度領域に限界があり、そしてCRTディスプレ
イの発光輝度が1年足らずで大きく低下するなどの不都
合があるため、X線画像を精査したりカンファランスや
インフォームドコンセント等に使用する場合には、X線
画像のハードコピーを得る必要がある。また医用画像を
表示するには大型液晶表示パネルを必要とするが、これ
は大変高価である。
【0007】そこで、このハードコピーを得る方法には
従来のハロゲン化銀フィルム上に、CRやFPDから得
たX線画像の電気信号をレーザ光強度に置き換えて焼き
付け、現像処理を行って画像形成する方法がある。ま
た、近年は有機酸銀塩を使用して、従来のウエット処理
を必要としない銀塩ドライフィルムが使用されるように
なっている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これは従来の
SFシステム同様に高価な銀を用い、製造工程が煩雑で
かつ製造コストが高い。
【0009】一方、銀資源を必要とせずに染料で画像を
形成する方法としては、感熱転写方式や昇華型プリンタ
がある。しかしながら、上記感熱転写の場合は、記録さ
れた画像のインクがインクリボンからフィルム最表面に
転写されており、取り扱いによってはインクがはがれる
などの不具合がある。
【0010】また、昇華プリンタの場合は医用診断画像
として十分な濃度がのらないという不具合があり、ま
た、感熱転写同様に画像形成後にインクリボンなどの廃
棄物が生ずるという問題もある。
【0011】そこで、以上の感熱転写や昇華型プリンタ
の欠点を解消するものとして、インクジェットプリンタ
の存在が挙げられる。インクジェットプリンタでは入力
電気信号に従って、例えば結晶のピエゾ効果などを利用
して、微量の液状インクを連続的に噴出し、インクジェ
ット記録媒体に着弾することにより画像を形成するもの
である。従って感熱転写方式や昇華型プリンタのよう
に、使用後のインクリボンの廃棄する必要はない。さら
に銀塩写真のような階調性のよい画像得るためには複数
の濃度のインクを用い、さらに媒体のインク吸収量を増
すためにインク吸収層をもつインクジェット記録媒体が
使用される。とくに空隙型インク受容層をもつ媒体に記
録するとき、画像は空隙型インク受容層内部のインク吸
収層(受像層)で形成されるために、インクの転写など
の不都合は起こらない。
【0012】このインクジェットプリンタでは高価な銀
資源を使用しない。そして現像処理剤などを使用してい
ないために、ランニングコストがかからない。また画像
の使用目的に最適な画像を描くために、最適なインク及
び記録媒体を使用し、またインク受容層をもつ適切な記
録媒体を用いることによって、CRやFPDから得られ
るデジタル画像信号を用いて良好な画質のX線画像を描
くことができる。
【0013】ここで、インクジェット画像は水に染料を
溶かしたインクジェット記録液が用いられる。水を用い
ない非水溶媒のインクジェット記録液は、溶媒の臭いや
材料コストが高いなどの欠点がある。この水に染料を溶
解したインクジェット記録液は、インクジェットプリン
タのインクヘッドから所定量の液滴としてインク受容層
をもつ記録媒体に噴射して画像が描かれる。この画像形
成後もインクジェット記録液の溶媒である水などが存在
し、とくにこの溶媒が蒸発しづらい湿度の高い環境でこ
のインクジェット画像を保存すると、いわゆる“インク
滲み”が生じてしまう欠点がある。この欠点は染料を含
有するインクジェット記録液を用いるインクジェット記
録画像の最大の欠点である。
【0014】一方、診断に用いられる医用画像は、日本
では少なくとも5年間の保存義務が法令で定められてお
り、また症例によっては5年以上の長期保存が行なわれ
る。この保存期間にインク滲みによる画像劣化が生ずる
と、画像の鮮鋭性が劣化してボケた画像に変質してしま
い、プリント直後に診断した画像を再度読影することが
できず、画像保存の目的を達することができない。
【0015】本発明は以上の問題点に鑑みてなされたも
のであって、医療、特に、X線画像を診断目的にプリン
トするに適したインクジェット記録システムおよびイン
クジェット記録媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】すなわち、以下の(1)
〜(12)に述べるそれぞれの解決手段によって解決さ
れるものである。
【0017】(1)請求項1記載の発明は、透明なシー
ト状のインクジェット記録媒体に対してインクジェット
記録液をノズルより噴出させてインクジェット記録を行
うインクジェット記録システムであって、前記インクジ
ェット記録液は、一般式(1)、(2)、(3)で表さ
れる色素の少なくとも一つを含む黒色を呈するポリマー
粒子の水分散体のインクジェット記録液である、ことを
特徴とするインクジェット記録システムである。
【0018】
【化6】
【0019】〔一般式の式中X1はカプラー残基を表
し、Yは5員もしくは6員の芳香族炭素環または複素環
を形成する原子の集まりを表す。式中のR1,R2,R3
は水素原子、ハロゲン原子又は1価の置換基を表し、n
は0、1又は2を表す。〕 (2)請求項2記載の発明は、透明なシート状のインク
ジェット記録媒体に対してインクジェット記録液をノズ
ルより噴出させてインクジェット記録を行うインクジェ
ット記録システムであって、前記インクジェット記録液
は、一般式(4)で表される色素を含む黒色を呈するポ
リマー粒子の水分散体のインクジェット記録液である、
ことを特徴とするインクジェット記録システムである。
【0020】
【化7】
【0021】〔式中X2・X3は置換基を表すが、X2
及びX3の少なくとも一方は、上記一般式(5)〜(1
5)で表される基であり、X2及びX3は互いにに同じ
であっても異なっていてもよい。式中R10〜R24は
水素原子又は1価の置換基を表す。Zは5〜6員の各々
置換基を有してもよい含窒素複素環を形成する原子の集
まりを表し、該複素環は更に別の環と縮合環を形成して
も良い。mは0〜4、nは0〜2、qは0〜3を表
す。〕 (3)請求項3記載の発明は、透明なシート状のインク
ジェット記録媒体に対してインクジェット記録液をノズ
ルより噴出させてインクジェット記録を行うインクジェ
ット記録システムであって、前記インクジェット記録液
は、一般式(16)で表される色素を含む黒色を呈する
ポリマー粒子の水分散体のインクジェット記録液であ
る、ことを特徴とするインクジェット記録システムであ
る。
【0022】
【化8】
【0023】〔式中X1はカプラー残基を表し、Dは窒
素原子または=CR5−を表す。R5は水素原子、ハロ
ゲン原子又は一価の置換基を表し、Bは上記一般式(1
7)〜(26)で表される基である。式中R25は各々
水素原子、ハロゲン原子、各々置換基を有しても良いア
ルキル基、アリール基、−OR6、−SR6、−NR7
R8(R6は水素原子、各々置換基を有しても良いアル
キル基、またはアリール基を表し、R7は各々置換基を
有しても良いアルキル基、アルケニル基、アリール基、
アラルキル基、シクロアルキル基をあらわし、R8はR
7と同義である。R7はR8と互いに結合して窒素原子
とともに環を形成してもよく、R7、R8は互いに同じ
であっても異なっていても良い)又は水酸基の塩を表
し、mは0〜4、nは0〜2、qは0〜3を表す。m、
n、qがそれぞれ2以上の時複数あるR25はそれぞれ
同じでも異なっていても良く、また環を形成しても良
い。〕 (4)請求項4記載の発明は、透明なシート状のインク
ジェット記録媒体に対してインクジェット記録液をノズ
ルより噴出させてインクジェット記録を行うインクジェ
ット記録システムであって、前記インクジェット記録液
は、一般式(27)で表される色素を含む黒色を呈する
ポリマー粒子の水分散体のインクジェット記録液であ
る、ことを特徴とするインクジェット記録システムであ
る。
【0024】
【化9】
【0025】〔式中X1はカプラー残基を表し、Dは窒
素原子又は=CR5−を表す。Y1、Y2は各々CR4
又は窒素原子を表し、且つYl、Y2の少なくとも一つ
は窒素原子である。R4、R5は各々は水素原子ハロゲ
ン原子又は各々置換基を有しても良いアルキル基、シク
ロアルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アリール基、
アリールオキシ甚、アラルキル基、アルキルスルフィニ
ル基、アシルアミノ基、スルフォニルアミノ基、ウレイ
ド基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、カル
バモイル基、アシル基、アミノ基、アルキルスルフォニ
ル基、スルファモイル基、アルキルカルボニル基を表
す。AはNR7R8基(R7、R8は同じであっても異
なっていても良い。R7は各々置換されていても良いア
ルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル基、
シクロアルキル基をあらわし、R8はR7と同義であ
る。R7はR8と互いに結合して窒素原子とともに環を
形成してもよく、またR4と結合して環を形成しても良
い)、OH基または水酸基の塩をあらわす。qは0〜3
を表す。qが2又は3の時、R4は同じであっても異な
っていても良い。〕 (5)請求項5記載の発明は、透明なシート状のインク
ジェット記録媒体に対してインクジェット記録液をノズ
ルより噴出させてインクジェット記録を行うインクジェ
ット記録システムであって、前記インクジェット記録液
は、一般式(28)で表される色素を含む黒色を呈する
ポリマー粒子の水分散体のインクジェット記録液であ
る、ことを特徴とするインクジェット記録システムであ
る。
【0026】
【化10】
【0027】〔式中AはNR7R8基(R7、R8は同
じであっても異なっていても良い。R7は各々置換され
ていても良いアルキル基、アルケニル基、アリール基、
アラルキル基、シクロアルキル基をあらわし、R8はR
7と同義である。R7はR8と互いに結合して窒素原子
とともに環を形成してもよく、またR6と結合して環を
形成しても良い)、OH基または水酸基の塩をあらわ
す。Y1、Y2は各々CR6または窒素原子を表し、か
つY1、Y2の少なくとも1つは窒素原子である。Zは
5,6員の各々置換基を有しても良い含窒素複素環を形
成する原子群を表し、該複素環は更に別の環と縮合環を
形成しても良い。R6は水素原子、ハロゲン原子、また
は各々置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキ
ル基、シアノ基、アルコキシ基、アリール基、アリール
オキシ基、アラルキル基、アルキルスルフィニル基、ア
シルアミノ基、スルフォニルアミノ基、ウレイド基、ア
ルキルチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
基、アシル基、アミノ基、アルキルスルフォニル基、ス
ルファモイル基を表し、R5は各々置換基を有しても良
いアルキル基、シクロアルキル基、シアノ基、アルコキ
シ基、アリール基、アリールオキシ基、アラルキル基、
アルキルスルフィニル基、アシルアミノ基、スルフォニ
ルアミノ基、ウレイド基、アルキルチオ基、アルコキシ
カルボニル基、カルバモイル基、アシル基、アミノ基、
アルキルスルフォニル基、スルファモニル基を表す。q
は0〜3を表す。qが2又は3の時、R6は同じであっ
ても異なっていても良い。〕 (6)請求項6記載の発明は、前記インクジェット記録
液は、ポリマー粒子の平均粒径が20〜200nmであるイン
クジェット記録用水系インクである、ことを特徴とする
請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のインクジェッ
ト記録システムである。
【0028】(7)請求項7記載の発明は、透過画像最
高濃度が2.60以上4.00以下のモノクロ画像を記
録する、ことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいず
れかに記載のインクジェット記録システムである。
【0029】(8)請求項8記載の発明は、使用するイ
ンクジェット記録液の濃度の種類が、3種類以上6種類
以下である、ことを特徴とする請求項1乃至請求項7の
いずれかに記載のインクジェット記録システムである。
【0030】(9)請求項7記載の発明は、X線画像の
形成に用いられる、ことを特徴とする請求項1乃至請求
項8のいずれかに記載のインクジェット記録システムで
ある。
【0031】(10)請求項10記載の発明は、請求項
1乃至請求項9に記載のインクジェット記録システムに
使用されるインクジェット記録媒体であって、前記イン
クジェット記録媒体は、透明な樹脂で構成された支持体
を有し、前記支持体の非記録面には微粒子を分散させた
バッキング層が形成され、前記支持体の記録面には空隙
を有するインク受容層が形成されている、ことを特徴と
するインクジェット記録媒体である。
【0032】(11)請求項11記載の発明は、前記イ
ンク受容層は、像を担持するための受像層と、インクジ
ェット記録液の溶媒を吸収するための溶媒吸収層と、で
構成される、ことを特徴とする請求項10記載のインク
ジェット記録媒体である。
【0033】(12)請求項12記載の発明は、角丸を
4つの角にもち、75μm以上250μm以下の厚さを
有する無色もしくは青く着色した樹脂よりなり、少なく
とも1面に空隙型インク受容層を少なくとも1層有す
る、ことを特徴とする請求項10乃至請求項11のいず
れかに記載のインクジェット記録媒体である。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、インクジ
ェット記録システムおよびインクジェット記録媒体に関
する本発明の実施の形態について詳細に説明する。な
お、本発明は、実施の形態の説明文に示した具体例に限
定されるものではない。
【0035】〈インクジェット記録システム〉本発明の
実施の形態例におけるインクジェット記録システムにつ
いて、図2にその基本構成を示す。すなわち、本実施の
形態例の「インクジェット記録システム」は、「インク
ジェット記録液」、「インクジェット記録装置」そして
「インクジェット記録媒体」の三者で構成される。
【0036】〈インクジェット記録装置〉図1は医用イ
ンクジェット記録装置の画像記録に関する機能ブロック
を説明するブロック図である。このインクジェット記録
装置は、入力画像信号を受けて、必要あれば画像処理を
行なう。すなわち入力画像の画素サイズと出力画像の画
素サイズがずれたときの画像補間や、画像を任意の大き
さにプリントするための処理などである。画像処理後に
そのデータ信号にもとづき、インク供給、記録ヘッドか
らのインクの吐出、そしてインクジェット記録媒体の搬
送等のコントロールが行なわれる。
【0037】具体的には、この実施の形態例の医用イン
クジェット記録装置100は、インクの吐出により画像
記録を行う記録手段として、記録ヘッドユニット120
を有している。
【0038】制御手段101は本実施の形態例の医用イ
ンクジェット記録装置100の各部を制御する。また、
制御手段101は、本実施の形態例の特徴である制御と
して、インクジェット記録媒体へのインク付着量の制御
も行う。
【0039】110は外部の医用撮影装置やストレージ
装置からの画像信号が入力され、必要な画像処理を実行
する画像処理手段である。なお、外部からの画像信号の
入力は、各種ネットワークを介したものであってもよ
い。この画像処理手段110で処理された画像信号が制
御手段101に送られる。
【0040】記録ヘッドユニット120には、濃度の異
なる複数種類(この図1では、一例として4種類)の黒
インクK1〜K4の記録ヘッド120a〜120dが一
列に設けられており、制御手段101がら画像信号に応
じた記録ヘッド制御信号が供給されている。これらの記
録ヘッド120a〜120dは、一体化されていてもよ
いし、個別に設けられていてもよい。このように、複数
種類の異なる黒インクを用いて画像を形成することで、
医療用診断を目的とする画像として、高画質、多階調の
画像を得ることができる。インクジェット記録ヘッドの
インク吐出機構はピエゾ効果を用いたものでも、瞬時に
インクを加熱したとき生ずる気泡(バブル)形成の力を
用いたインクジェット方式でもよい。なお、好ましいイ
ンクの種類については、後述する。
【0041】また、後述するように、インクジェット記
録液として、金属イオンと2座以上で配位結合可能な水
溶性染料を含有する第1のインクジェット記録液と、染
料と反応して黒色を呈する錯体形成可能な金属イオンを
含有化合物を含有する第2のインクジェット記録液と、
を用いる場合には、この2種類のインクジェット記録液
を噴出可能な記録ヘッドであるとする。
【0042】131はインクジェット記録媒体4を主走
査方向に搬送する搬送ローラである。140は、記録ヘ
ッドを副走査方向に搬送する記録ヘッド搬送手段であ
る。ここで、搬送ローラ131は、インクジェット記録
媒体搬送信号に基づき、インクジェット記録媒体4を矢
印A方向へ搬送する。また、このインクジェット記録媒
体4の搬送方向に対して直行する方向Bに移動可能に、
記録ヘッドユニット120を移動させる記録ヘッド搬送
手段140が配置されている。
【0043】ここで、記録ヘッド搬送手段140は記録
ヘッド搬送信号に基づき記録ヘッドユニット120を有
を矢印B方向へ移動させ、各記録ヘッド120a〜12
0dは記録ヘッド制御信号に基づきインクジェット記録
媒体4上に画像を形成する。制御手段101には、画像
処理手段110から画像信号が送られ、この画像処理手
段110には、外部の撮影装置やストレージ装置からの
画像信号が入力される。なお、画像処理の入力はネット
ワークを介したものであってもよい。
【0044】〈インクジェット記録液〉なお、本実施の
形態例のインクジェット記録システムでは、以下の
(a)〜(i)のような特徴を有している。
【0045】(a)透明なシート状のインクジェット記
録媒体に対してインクジェット記録液をノズルより噴出
させてインクジェット記録を行うインクジェット記録シ
ステムであって、前記インクジェット記録液は、前述し
た、一般式(1)、(2)、(3)で表される色素の少
なくとも一つを含む黒色を呈するポリマー粒子の水分散
体のインクジェット記録液である、ことを特徴とするイ
ンクジェット記録システムである。
【0046】(b)透明なシート状のインクジェット記
録媒体に対してインクジェット記録液をノズルより噴出
させてインクジェット記録を行うインクジェット記録シ
ステムであって、前記インクジェット記録液は、前述し
た、一般式(4)で表される色素を含む黒色を呈するポ
リマー粒子の水分散体のインクジェット記録液である、
ことを特徴とするインクジェット記録システムである。
【0047】(c)透明なシート状のインクジェット記
録媒体に対してインクジェット記録液をノズルより噴出
させてインクジェット記録を行うインクジェット記録シ
ステムであって、前記インクジェット記録液は、前述し
た、一般式(16)で表される色素を含む黒色を呈する
ポリマー粒子の水分散体のインクジェット記録液であ
る、ことを特徴とするインクジェット記録システムであ
る。
【0048】(d)透明なシート状のインクジェット記
録媒体に対してインクジェット記録液をノズルより噴出
させてインクジェット記録を行うインクジェット記録シ
ステムであって、前記インクジェット記録液は、前述し
た、一般式(27)で表される色素を含む黒色を呈する
ポリマー粒子の水分散体のインクジェット記録液であ
る、ことを特徴とするインクジェット記録システムであ
る。
【0049】(e)透明なシート状のインクジェット記
録媒体に対してインクジェット記録液をノズルより噴出
させてインクジェット記録を行うインクジェット記録シ
ステムであって、前記インクジェット記録液は、前述し
た、一般式(28)で表される色素を含む黒色を呈する
ポリマー粒子の水分散体のインクジェット記録液であ
る、ことを特徴とするインクジェット記録システムであ
る。
【0050】(f)上記(a)〜(e)において、前記
インクジェット記録液は、ポリマー粒子の平均粒径が20
〜200nmであるインクジェット記録用水系インクであ
る。 (g)上記(a)〜(f)において、透過画像最高濃度
が2.60以上4.00以下のモノクロ画像を記録す
る、ことを特徴とする。
【0051】(h)上記(a)〜(g)において、使用
するインクジェット記録液の濃度の種類が、3種類以上
6種類以下である、ことを特徴とする。 (i)上記(a)〜(h)において、X線画像の形成に
用いられる、ことを特徴とする。
【0052】また、本発明の実施の形態例で使用される
インクジェット記録液については、以下のようになって
いる。本発明の実施の形態例の一般式(1)、一般式
(2)、一般式(3)、一般式(16)及び一般式(2
7)において、X1は、カプラー残基を表し、具体的に
は、5−ピラゾロオン、イミダゾール、ピラゾロビロー
ル、ピラゾロイミダゾール、ピラゾロトリアゾール、ピ
ラゾロテトラゾール、ピラゾロピリミジン−7−オン、
バルビツール酸、チオバルビツール酸、ローダニン、ヒ
ダントイン、チオヒダントイン、オキサゾロン、イソオ
キサゾロン、インダンジオン、ピラゾリジンジオン、オ
キサゾリジンジオン、ヒドロキシピリドン、ピラゾロピ
リドン、シクロヘキサジエノンなどの各残基が挙げられ
る。
【0053】好ましい例としては、下記の一般式(2
9)〜(39)が挙げられる。
【0054】
【化11】
【0055】式中R10〜R24は水素原子又は1価の
置換基を表す。Zは5〜6員の各々置換基を有してもよ
い含窒素複素環を形成する原子の集まりを表し、該複素
環は更に別の環と縮合環を形成しても良い。mは0〜
4、nは0〜2、qは0〜3を表す。
【0056】1価の置換基とは、アルキル基(炭素数1
〜12のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、ブチ
ル基、イソプロピル基、t−ブチル基、ヒドロキシエチ
ル基、メトキシエチル基、シアノエチル基、トリフルオ
ロメチル基、3−スルホプロピル基、4−スルホブチル
基等)、シクロアルキル基(例えばシクロヘキシル基、
シクロペンチル基等)、アラルキル基(例えばベンジル
基、2−フェネチル基等)、アリール基(例えばフェニ
ル基、P−トリル基、P−メトキシフェニル基、o−ク
ロロフェニル基、m−(3−スルホプロピルアミノ)フ
ェニル基等)、ヘテロ環式基(例えば2−ピリジル基、
2−チエニル基、2−フリル基等)、アルコキシ基(炭
素数1〜12のアルコキシ基、例えばメトキシ基、エト
キシ基、イソプロポキシ基、メトキシエトキシ基、ヒド
ロキシエトキシ基、3−カルボキシプロポキシ基等)、
アリールオキシ基(例えばフェノキシ基、p−メトキシ
フェニル基、o−メトキシフェノキシ基等)、アシルア
ミノ基(例えばアセチルアミノ基、プロピオニルアミノ
基、ベンゾイルアミノ基、3.5−ジスルホベンゾイル
アミノ基等)、スルホニルアミノ基(例えばメタンスル
ホニルアミノ基、ベンゼンスルホニルアミノ基、3−カ
ルボキシベンゼンスルホニルアミノ基等)、ウレイド基
(例えば3−メチルウレイド基、3.3−ジメチルウレ
イド基、3−フェニルウレイド基等)、アルコキシカル
ボニルアミノ基(例えばエトキシカルボニルアミノ基
等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチ
オ基等)、アリールチオ基(例えばフェニルチオ基、p
−トリルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば
メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基等)、カ
ルバモイル基(例えばメチルカルバモイル基、ジメチル
カルバモイル基等)、スルファモイル基(例えばジメチ
ルスルファモイル基、ジ−(2−ヒドロキシエチル)ス
ルファモイル基等)、スルホニル基(例えばメタンスル
ホニル基、フェニルスルファモイル基等)、アシル基
(アセチル基、ベンゾイル基等)およぴアミノ基(例え
ばメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等)が挙げられ
る。
【0057】一般式(1)、一般式(2)、一般式
(3)において、Yで表される5員もしくは6員の芳香
族炭素環又は複素環を形成する原子の集まりとして、好
ましい具体例としては、ベンゼン環、フラン環、ピロー
ル環、チオフェン環、ピラゾール環、イミダゾール環、
トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサゾール環、
チアゾール環、ピラン環、ピリジン環、ピリダジン環、
ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ナフタレン
環、ベンゾフラン環、インドール環、ベンゾチオフェン
環、ベンズイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベン
ズオキサゾール環、プリン環、キノリン環、イソキノリ
ン環、クマリン環、クロモン環、3H−ピロール環、3
H−ピロリジン環、オキサゾリジン環、イミダゾリジン
環、チアゾリジン環、3H−インドール環、インダンジ
オン環等を挙げることができる。
【0058】これらの環は更に他の炭素環(例えばベン
ゼン環)や複素環(例えばピリジン環)と宿合環を形成
してもよい。環上の置換基としてはアルキル基、アリー
ル基、ヘテロ環基、アシル基、アミノ基、ニトロ基、シ
アノ基、アシルアミノ基、アルコキシ基、ヒドロキシ
基、アルコキシカルボニル基、ハロゲン原子等であり、
それらの基は更に置換されていても良い。
【0059】水酸基の塩とは、好ましくは、以下の一般
式(29)で表される。 一般式(29) −O-+ 式中M+は、1価の有機又は無機のカチオンを表し、無
機のカチオンとして好ましくはナトリウム、カリウムの
カチオンが挙げられる。有機のカチオンとしては有機塩
基のプロトン付加体もしくは4級アンモニウムカチオン
が好ましく、有機塩基として好ましくはアルキルアミン
(例えば、メチルアミン、ジエチルアミン、トリエチル
アミンなど)、アリールアミン(例えば、アニリン、ジ
フェニルアミン、N,N−ジメチルアニリンなど)、ア
ミジン類(ベンズアミジン、アセトアミジン、1,5−
ジアゾビシクロ(4,3,0)−5−ノネン、1,8−
ジアザビシクロ(5,4,0)−7−ウンデセンな
ど)、グアニジン類(例えばテトラメチルグアニジン、
ジフェニルグアニジンジメチルジフェニルグアニジン、
ジピペリドグアニジン、ビスグアニジンなど)、含窒素
複素環化合物(例えば、ピリジン、キノリン、イミダゾ
ール、ピロリジン、モルホリン、4−N,N−ジメチル
アミノピリジンなど)が挙げられる。4級アンモニウム
カチオンとしては例えばテトラメチルアンモニウム、テ
トラエチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニ
ウム、テトラブチルアンモニウムなどのカチオンが挙げ
られる。
【0060】本発明の実施の形態例のインクジェット記
録用水系インクに含有される色素は、実質的に水不溶
性、且つ有機溶剤に可溶性であることが好ましい。本発
明の実施の形態例において実質的に水不溶性とは、水に
対する溶解度が0.1w%以下を表し、0.01w%以
下であることがより好ましい。実質的に有機溶剤可溶性
とは、有機溶剤に対する溶解度が1.0w%以上である
ことを表す。有機溶剤としては具体的に、トルエン、酢
酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン、ジクロロメ
タン、ジクロロエタン、テトラヒドロフランなどが挙げ
られ、好ましくは酢酸エチルが挙げられる。
【0061】本発明の実施の形態例に係わるポリマーと
しては、その数平均分子旦が500〜100000であ
ることが、印刷後のインクの耐久性及びサスペンション
の形成性の点から好ましい。該ポリマーのガラス転移点
(Tg)は、各種用いることが可能であるが、用いるポ
リマーのうち、少なくとも1種はTgが10℃以上であ
ることが好ましい。
【0062】本発明の実施の形態例に係わるポリマーに
ついては、その種類、物性などが例えば、POLYME
R HANDBOOK第4版(JOHN WILEY&S
ONS,INC.)に記載されている。
【0063】具体的には、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン、ポリステレン、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、
ポリアクリル酸(メタクリル酸)エステル、ポリアクリ
ロニトリル、ポリビニルプチラール、ポリビニルアルコ
ール、ポリエチレンテレフタレート、アルキド樹脂、マ
レイン酸樹脂、ウレタンゴム、ポリカーボネート、ナイ
ロン、ポリウレタン、ポリエチレンオキシド、ポリプロ
ピレンオキシド、ポリホルムアルデヒド、エポキシ樹脂
などが挙げられる。
【0064】これらのポリマーは置換基を有していても
よく、その置換基は直鎖状、分岐、或いは環状構造をと
っていてもよい。上記特定の官能基を有するポリマー
は、各種のものが市販されているが、常法によって合成
することもできる。又、これらの共重合体は、例えば1
つのポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に
他のポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグ
ラフト重合を行っても得られる.本発明の実施の形態例
に係るインクジェット記録用水系インクにおいては、吐
出安定性、プリントヘッドやインクカートリッジ適合
性、保存安定性、画像保存性、その他の諸性能向上の目
的に応じて、従来公知の各種添加剤、例えば多価アルコ
ール類の様な湿潤剤、シリコーン系等の消泡剤、粘度調
製剤、表面張力調製剤、比抵抗調製剤、皮膜形成剤、分
散剤、界面活性剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、退色防
止剤、クロロメチルフェノール系等の防黴剤及び/又は
EDTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩等の酸素吸収剤
等、防錆剤等を添加することもできる。
【0065】湿潤剤としては、例えばエチレングリコー
ル、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポ
リエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコ
ールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノ−n
−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエー
テル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレ
ングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトー
ル、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチル
カルビトールアセテート、ジエチルカルビトール、トリ
エチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレン
グリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコール
モノメチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテ
ル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリドン、1,
3−ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノールアミ
ン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素化
合物類、ジメチルサルフォキサイドの一種又は二種以上
を使用することができる。これらの湿潤剤の配合量に特
に制限はないが、上記インク中に好ましくは0.1〜5
0質量%配合することができ、更に好ましくは0.1〜
30質量%配合することができる。
【0066】分散剤としては、特に制限されるものでは
ないが、そのHLB値が8〜18であることが、分敢剤
としての効果が発現し、サスペンションの粒子径の増大
抑制効果がある点から好ましい。分敢剤として市販品も
使用することができ、例えば花王株式会社製の分敢剤デ
モールSNB,MS,N,SSL,ST,P(商品名)
が挙げられる。
【0067】分散剤の配合主に特に制限はないが、本発
明の実施の形態例のインクジェット記録用水系インク中
に、0.01〜10質量%配合されることが好ましい。
該化合物の配合量が0.01質量%に満たないとサスペ
ンションの小粒径化が困難であり、10質量%を超える
とサスペンションの粒径が増大したりサスペンション安
定性が低下し、ゲル化するおそれがあるので、上記範囲
内とすることが好ましい。
【0068】消泡剤としては、特に制限なく、市販品を
使用することができ、例えば信越シリコーン株式会社製
のKF96、66、69、KS68、604、607
A、602、603、KM73、73A、73E、7
2、72A、72C、72F、82F、70、71、7
5、80、83A、85、89、90、68−1F、6
8−2F(それぞれ商品名)等が挙げられる.これら化
合物の配合量に特に制限はないが、本発明の実施の形態
例に係る水系インク中に、0.001〜2質量%配合さ
れることが好ましい。該化合物の配合量が0.001質
量%に満たないとインク調製時に泡が発生し易く、又、
インク内での小泡の除去が難しく、2質量%を超えると
泡の発生は抑えられるものの、印字の際、インク内でハ
ジキが発生し印字品質の低下が起こる場合があるので、
上記範囲内とすることが好ましい。
【0069】本発明の実施の形態例に係わるポリマー粒
子の水分散体は、上記色素を含有するポリマーのサスペ
ンションからなり、該サスペンションは各種の乳化法で
製造することができる。
【0070】乳化法としては、各種の方法を用いること
ができる。それらの例は、例えば「機能性乳化剤・乳化
技術の進歩と応用展開シーエムシー」の86ページの記
載にまとめられている。本発明の実施の形態例において
は、特に、超音波、高速回転せん断、高圧による乳化分
散装置を使用することが好ましい。
【0071】超音波による乳化分散では、いわゆるバッ
チ式と連続式の2通りが使用可能である.バッチ式は比
較的少量の作製に適し、連続式は大量の作製に適する。
連続式では、たとえば、UH−600SR(株式会社エ
スエムテー製)のような装置を用いることが可能であ
る。このような連続式の場合、超音波の照射時間は、
(分散室容積/流速×循環回数)で求められることがで
きる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞれの照
射時間の合計として求められる。超音波の照射時間は実
際上3秒以上必要であり、それ以内で乳化が完了するの
であれば、超音波乳化分散装置を必要としない。また、
10000秒以上必要であると、工程の負荷が大きく、
実際上は乳化剤の再選択などにより乳化分散時間を短く
する必要がある。そのため10000秒以上は必要でな
い。更に好ましくは、10秒以上2000秒以内であ
る。
【0072】高速回転せん断による乳化分散装置として
は、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開シーエ
ムシー」の255〜256ページに記載されているよう
なディスパーミキサーや、251ページに記載されてい
るようなホモミキサー、256ページに記載されている
ようなウルトラミキサーなどが使用できる。これらの型
式は、乳化分散時の液粘度によって使いわけることがで
きる。これらの高速回転せん断による乳化分散機では、
撹拌翼の回転数が重要である。ステーターとのクリアラ
ンスは通常0.5mm程度で、極端に狭くはできないの
で、せん断力は主として撹拌翼の周速に依存する。周速
が5m/s〜150m/sであれば本発明の実施の形態
例の乳化・分散に使用できる。周速が遅い場合、乳化時
間を延ばしても小粒径化が達成できない場合が多く、1
50m/sにするにはモーターの性能を極端に上げる必
要がある。更に好ましくは20〜100m/sである。
【0073】高圧による乳化分敢では、LAB2000
(株式会社エスエムテー製)などが使用できるが、その
乳化・分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。
圧力は100kg/cm〜5000kg/cm以下
が好ましい。また必要に応じて数回乳化・分散を行い、
目的の粒径を得ることができる。圧力が低すぎる場合、
何度乳化分散を行っても目的の粒径は達成できない場合
が多く、一方圧力を5000kg/cmにするために
は、装置に大きな負荷がかかり実用的ではない。更に好
ましくは500kg/cm〜2000kg/cm
ある。これらの乳化・分散装置は単独で用いてもよい
が、必要に応じて組合せて使用することも可能である。
【0074】コロイドミルや、フォロージェットミキサ
なども単独では本発明の実施の形態例の目的を達成でき
ないが、本発明の実施の形態例の装置との組合せによ
り、短時間で乳化・分敢を可能にするなど本発明の実施
の形態例の効果を高めることが可能である。
【0075】また、本発明の実施の形態例のインクジェ
ット記録用水系インクは、上記の装置を用いるほか、い
わゆる転相乳化によって製造することが可能でる。ここ
で、転相乳化、上記ポリマーを、上記染料と共にエステ
ル、ケトンなどの有機溶剤に溶解させ、必要に応じて中
和剤を加えて該ポリマー中のカルボキシル基をイオン化
し、次いで水相を加えた後、上記有機溶剤を留去して水
系に転相することからなる。転相が完了した後、系を減
圧下に加熱することにより、上記エステル、ケトン系溶
剤を除去すると共に、所定量の水を除去して、所望の濃
度を有する本発明の実施の形態例に係わる水系インクが
得られる。本発明の実施の形態例に係わる水系インク
は、インクジェット記録用のインクとして以外に、例え
ば、一般の万年筆、ボールペン、サインペン等の筆記具
用のインクとしても使用可能である。本発明の実施の形
態例のサスペンションを乾燥し、微粒の粉体を得ること
もできる。
【0076】なお、本実施の形態例で使用可能な色素
(染料)としてのD1〜D40の構成は以下のようにな
っている。
【0077】
【化12】
【0078】
【化13】
【0079】
【化14】
【0080】
【化15】
【0081】
【化16】
【0082】本実施の形態例のインクジェット記録液の
飛翔時の粘度は40cps以下が好ましく、30cps以下である
ことがより好ましい。また飛翔時の表面張力としては20
dyn/cm以上が好ましく、25〜80dyn/cmであることがよ
り好ましい。
【0083】〈インクジェット記録媒体〉ここで、イン
クジェット記録媒体の説明を行う。本実施の形態例のイ
ンクジェット記録システムで使用されるインクジェット
記録媒体は、以下の(j)〜(l)のような特徴を有し
ている。
【0084】(j)上記(a)〜(i)のインクジェッ
ト記録システムに使用されるインクジェット記録媒体で
あって、前記インクジェット記録媒体は、透明な樹脂で
構成された支持体を有し、前記支持体の非記録面には微
粒子を分散させたバッキング層が形成され、前記支持体
の記録面には空隙を有するインク受容層が形成されてい
る。
【0085】(k)上記(j)のインクジェット記録シ
ステムにおいて、前記インク受容層は、像を担持するた
めの受像層と、インクジェット記録液の溶媒を吸収する
ための溶媒吸収層と、で構成される。
【0086】(l)上記(j)〜(k)のインクジェッ
ト記録システムにおいて、角丸を4つの角にもち、75
μm以上250μm以下の厚さを有する無色もしくは青
く着色した樹脂よりなり、少なくとも1面に空隙型イン
ク受容層を少なくとも1層有する。
【0087】以下、記録シートについて、図3を参照し
て記述する。本実施の形態例で使用するインクジェット
記録媒体は、インクジェット記録液を用いて実質的に黒
色画像を描くことを特徴とする、角丸を4つの角にも
ち、75μm以上250μm以下の厚さを有する無色もしく
は青く着色した樹脂(透明支持体401)よりなる、少
なくとも1面に空隙型インク受容層402を少なくとも
1層有するインクジェット記録媒体である(図3(a)
参照)。
【0088】本実施の形態例に用いられるインクジェッ
ト記録媒体は15cm×10cm以上の面積をもつシート状であ
り、シートの角がとがっていると安全性に若干の問題を
有する可能性があるので、角丸を4つの角に持たせてい
る。また厚さが75μmより薄いとシートが垂れ曲がり取
り扱いが難しく、逆に250μmより厚くなると、重ねて
持ち歩く時など、かなりの重量となってしまう。従来用
いられているX線フィルムは無色透明もしくは青色着色
フィルムであるので、使用者が違和感をもたないように
無色もしくは青く着色した樹脂よりなるものが好まし
い。
【0089】またこのインクジェット記録媒体には少な
くとも1面に空隙型インク受容層を少なくとも1層有
し、そしてインク受容層を塗布していない面は、プリン
タでの機械搬送性や重ねて置いたときにフィルム同士が
互いにくっつかないようにするために、マット加工を施
す面としてのバッキング層403をもつことは好ましい
態様である。
【0090】本実施の形態例で用いるインクジェット記
録媒体は、インク受容層402の空隙率をできるだけ大
きくし、また表面をマット加工などして凹凸を生じせし
めることにより達成できる。また酸化チタンや酸化鉛の
ような白色の金属酸化物をインク受容層内あるいはその
下部の層に添加することができる。またインク受容層の
ない裏側に層を設け、そこに酸化チタンや酸化鉛のよう
な金属酸化物を分散させること、またインク受容層40
2を支持体401の両面に設けることもできる。
【0091】このインクジェット記録媒体の支持体40
1の材質はポリエチレンフタレート等のポリエステル
類、ニトロセルロース、セルロースアセテート等のセル
ロースエステル類、さらにポリスルホン、ポリイミド、
ポリカーボネイド等を用いることができる。
【0092】また、このシート状インクジェット記録媒
体は青色に着色されていることが好ましい。この青い着
色は、画像を透過光で観察するときに画像のない部分か
らの過剰な透過光で目を眩惑させないようにするため
や、黒い画像をより好ましくみえる効果も得られる。そ
してこのシート状インクジェット記録媒体の少なくとも
1面にインク受容層402を設ける必要がある。
【0093】このために、インクジェット記録媒体の支
持体401はコロナ放電処理、火炎処理、紫外線照射処
理などを施して、インク受容層402の接着性を向上さ
せておく必要がある。
【0094】インク受容層402は空隙率40〜90%を有
する三次元網目構造の層である。その三次元網目構造
が、平均粒径が20nm以下のシリカ微粒子あるいは有機物
微粒子と水溶性樹脂とから形成されており、且つシリカ
微粒子あるいは有機物微粒子と水溶性樹脂との重量比が
1.2:1〜12:1の範囲であることがこのましい。三次元網
目構造の空隙を形成する細孔が5〜40nmの平均直径であ
り、空隙を形成する細孔が0.3〜1ml/gの細孔容量を有
する。シリカ微粒子が無機珪酸であり、その表面1nm
あたり2〜3個のシラロール基を有し、三次元網目構造
がシリカ微粒子が凝集した10〜100nmの粒径を有する二
次粒子の連結により形成される鎖からなることが好まし
い。ここでの微粒子は例えばコロイダルシリカ、珪酸カ
ルシウム、ゼオライト、カオリナイト、ハロサイト、白
雲母、タルク、炭酸カルシウム、硫酸カルシウム、酸化
アルミニウム等をあげることができる。水溶性樹脂がポ
リビニルアルコールであることが好ましい。好ましい水
溶性樹脂の例としては、ゼラチンほか特開平7−276
789号公報などに開示されている。インク受容層が50
〜500m/gの比表面積を有することがこのましい。イ
ンク吸収量は20cc/m 〜50cc/mが好ましい。また
シートを重ねた時にシートどうしがくっつかないように
するために、平均粒径が5〜100μmのマット粒子を表
面に分散することができる。そして帯電防止のために界
面活性剤を添加することもできる。
【0095】インク受容層402のない面においては、
カールを防止するためにゼラチンほか水溶性樹脂を塗布
することができる。この層には帯電防止加工、くっつき
を防止するマット加工、青色に着色すること、また酸化
チタン粒子、酸化亜鉛粒子など酸化金属粒子を添加する
ことができる。
【0096】本実施の形態例のインクジェット記録用フ
ィルムの空隙層中には、画像の耐水性、耐滲み性を改良
する目的で、カチオン性ポリマーを含有させることが好
ましい。本実施の形態例に用いられるカチオン性ポリマ
ーとしては、例えば1級〜3級アミノ基及び4級アンモ
ニウム塩基を有するカチオン性ポリマーを用いることが
出来るが、画像保存中での変色や耐光性の劣化が少ない
こと、染料の定着性が高いこと等から、4級アンモニウ
ム塩基を有するカチオン性ポリマーが好ましい。
【0097】さらに必要に応じて、特開昭57−366
92号公報の塩基性ラテックスポリマー、特公平4−1
5744号、特開昭61−58788号、同62−17
4184号等各公報記載のポリアリルアミン、特開昭6
1−47290号公報記載のアルカリ金属弱酸塩等を併
用することができる。
【0098】本実施の形態例に好ましく用いられるカチ
オン性ポリマーは、以下のような4級アンモニウム塩基
を有するモノマーの単独重合体やその他のモノマーとの
共重合体として得られる。次に好ましく用いられる4級
アンモニウム塩基を有するモノマーの具体例を挙げる。
【0099】
【化17】
【0100】
【化18】
【0101】次に上記モノマーと共重合しうるモノマー
の具体例を挙げるが、本実施の形態例はこれらに限定さ
れるものではない。
【0102】
【化19】
【0103】
【化20】
【0104】以下に好ましく用いられる4級アンモニウ
ム塩基を有するカチオン性ポリマーの具体例を挙げる
が、本実施の形態例はこれらに限定されるものではな
い。数字はモノマーのモル百分率を示す。
【0105】
【化21】
【0106】
【化22】
【0107】
【化23】
【0108】カチオン性ポリマーは水溶性でも乳化重合
によるラテックス粒子でもよいが、本実施の形態例で
は、水溶性のカチオン性ポリマーを用いる方が好まし
い。また、水溶性カチオン性ポリマーの中でも、平均分
子量が5万以下であるカチオン性ポリマーが、無機微粒
子との凝集が少なく、光沢性が劣化しにくいため好まし
い。より好ましくは平均分子量が3万以下である。平均
分子量の下限は特に制約はないが、耐水性、耐湿性から
おおよそ2000以上である。
【0109】ここでの平均分子量とは、数平均分子量で
あり、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーから求
めたポリスチレン換算値をいう。上記カチオンポリマー
は記録層中に使用する親水性バインダーに対し質量比で
0.5倍以上であることが十分な耐水性、耐湿性を得る
ことができる点で好ましい。また、空隙層の造膜性等の
ために、2倍以下が好ましい。使用量の上限は特に限定
されないが、インクの吸収性や、記録用フィルムのカー
ル等の点から3g/m以下が好ましい。
【0110】透過X線画像を読影するとき、短時間に多
数のフィルムを扱うことが多い。この時、画像の表裏が
一目でわかれば、煩雑さから開放される。このためには
例えばシート上右肩にノッチをいれて、表裏を簡単に識
別することができる。
【0111】本実施の形態例におけるインクジェット記
録媒体のインク受容層は、図3(b)に示す如く、受像
層402aと、溶媒吸収層402bとで構成することは
好ましい態様である。
【0112】受像層402aとは画像形成をする染料ポ
リマー粒子が多く染着される層(インク吸収層、あるい
は、染料吸収層とも言う)であり、溶媒吸収層402b
とは着弾したインクの溶媒が選択的に吸蔵される層であ
って、この二つの層が隣接して存在することによって、
プリント記録直後にインクジェット記録媒体内で染料ポ
リマー粒子とその溶媒を分離するものである。この二つ
の層の構成は、使用する微粒子の種類やその粒径、そし
てカチオンポリマーなどの媒染剤などの含有料をそれぞ
れ変えることにより実現することができる。
【0113】本実施の形態例で用いられるインクジェッ
ト記録液のポリマー粒子に含有する染料は、数種類の組
み合わせもしくは単独種で黒色に発色するインクジェッ
ト記録液を調合することができる。
【0114】さらに、特開平7−132680号公報に
開示されている黒色染料を更に混合することもでき、ま
た、単独でも差し支えない。本実施の形態例での黒色と
は、従来の銀塩写真のX線写真で通常見られる銀塩画像
の黒色もしくは、それに近い黒色である。すなわち、青
色がかった冷黒調色から、やや黄色がかった温黒調色な
どをふくみ、かならずしも色味のない黒色である必要は
ない。少なくとも濃度変化に対して、色調が変化しない
黒色を呈する単色画像が本実施の形態例で好ましい態様
である。
【0115】本実施の形態例で使用するインクジェット
記録液の濃度の種類は、滑らかな画像の階調を得るため
に、3種類以上6種以下であることが好ましい。3種類
より少ないと、充分になめらかな濃度階調を得ることが
難しい。6種類を越えると、濃度階調の滑らかの向上は
少なくて却って装置が肥大化するなどの不具合が生じ
る。ここで画像部分で滑らかな階調を持たすために、た
とえばこの部分で4種濃度のインクを用いるとき、最低
濃度の染料濃度で得られる画像濃度を1とすると1:
2:4:8あるいは1:1.5:3:9などの比率の画
像濃度が得られる染料濃度のインクジェット記録液を用
いることが好ましい。これらのインクを用いて画像階調
部では誤差拡散などの方法により、より滑らかな画像の
階調を得ることができる。
【0116】本実施の形態例におけるインクジェット記
録システムで得られる画像最高濃度は2.60以上で4.00以
下である。これは通常の拡散濃度計で測定することがで
きる。医用診断画像で充分に広い階調を得るには、画像
の最高濃度は2.60を必要とする。診断すべき対象が1mm
以下の小さいものを識別するには、より広い階調が必要
となる。しかしながら、画像最高濃度を4.00より高くし
ても、いかに強い光の透過光で観察しても、その識別能
には限界があり、インクジェット記録システムに不必要
な負荷を与えるのみである。
【0117】本実施の形態例におけるインクジェット記
録方式としてはオンデマンド方式でもコンティニュアス
方式でも構わないが、オンデマンド方式のインクジェッ
ト記録方法をより好ましく用いることができる。
【0118】インクの吐出方式としては、電気−機械変
換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャ
ビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード
型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例
えば、サーマルインクジェット型、バブル(気泡)形成
の力を利用するインクジェット方式等)、静電吸引方式
(例えば、電界制御型、スリットジェット型等)及び放
電方式(例えば、スパークジェット型等)などを具体的
な例として挙げることができる。ノズル数は64個以上51
2個程度が医療用インクジェットとして適切である。イ
ンク滴速度は2m/sより大きく20m/sが好ましい。射
出1滴のインク量は1ピコリットル〜50ピコリットルが
適切である。
【0119】本実施の形態例におけるX線画像とは、通
常医療施設の放射線科でX線管を用いて撮影される胸
部、腹部、四肢骨などの、いわゆる単純撮影画像、そし
て拡大撮影、造影撮影、さらには立体撮影などである。
【0120】これらのX線画像は一旦スクリーン・フィ
ルムシステムで撮影した画像を、いわゆるフィルムデジ
タイザでデジタル画像信号として取りだし、本実施の形
態例のインクジェット記録システムで画像を記録しなお
すことができる。またコンピューテッドラジオグラフィ
やフラットパネルX線ディテクターからの画像信号を記
録することで、得ることができる。
【0121】またインターネットなどを利用して、離れ
た場所からデジタルX線画像信号を受けて、その画像を
得ることもできる。さらに、本システムで、X線を用い
ない、マグネティック・レゾナンス・イメージング(MR
I)画像もX線画像と並べてプリントすることができ
る。これら、プリントされた医用画像は、画像診断、コ
ンファランス、教育、そしてインフォームドコンセント
等に使用される。
【0122】
【実施例】以下、上述した実施の形態例についての具体
的な実施例について説明する。 〈1.インクジェット記録媒体の作成〉可視光濃度0.18
の青色に着色した厚さ175μmのポリエステルベースを
透明支持体401として、その両面にコロナ放電処理を
おこなった。まず、カーリング防止及び帯電防止のため
に、ゼラチン膜に界面活性剤を含有するバッキング層4
03を塗設した。そして以下に示す組成の液を用いて、
もう一方の支持体の面にインク受容層402を形成し
た。
【0123】ここで、インク受容層の塗布液組成を以下
に示す。 〈1.1:媒体試料〉 ・乾式シリカ微粒子(平均粒径:7nm、シラロール基2〜3
/nm:エアロジルA300)を1kg、 ・ポリビニルアルコール(鹸化度88%,重合度3500:PVA23
5 クラレ製)を0.5kg、用意する。上記組成を水15kg
中に添加して分散したあと、pHを4.0に調整して塗布液
を得た。そして上記フィルムに,湿潤膜厚350μで塗布し
て乾燥後に媒体試料得た。
【0124】〈1.2:媒体試料〉 ・塩化ニッケルを0.5kg、 ・アルミナ微粒子(平均粒径:13nm, Aluminum Oxide
C)を1kg、 ・ポリビニルアルコール(鹸化度88%,重合度3500:PVA23
5 クラレ製)を0.5kg、用意する。上記組成を水14kg
中に添加し、分散したあとpHを4.0に調整して塗布液を
得た。そして、上記塗布液を、上記の青色透明ベースの
フィルムに、湿潤膜厚350μm の塗布を行ない、乾燥後
に媒体試料を得た。
【0125】〈1.3:媒体試料〉 ・乾式シリカ微粒子(平均粒径:7nm、シラロール基2〜3
/nm:エアロジルA300)を1kg、 ・ポリビニルアルコール(鹸化度88%,重合度3500:PVA23
5 クラレ製)を0.5kg、用意する。上記の組成を水15kg
中に添加して分散したあと、pHを4.0に調整して塗布液A
を得た。 ・乾式シリカ微粒子(平均粒径:7nm、シラロール基2〜3
/nm:エアロジルA300)を1kg、 ・ポリビニルアルコール(鹸化度88%,重合度3500:PVA23
5 クラレ製)を0.5kg、 ・Mor-1(東京化成製)を0.2kg、用意する。上記組成を水
15kg中に添加して分散したあと、pHを4.0に調整して塗
布液Bを得た。
【0126】塗布液Aをバッキング層塗布済みの青色ベ
ース支持体に湿潤膜厚200μ塗布・乾燥を行ない、さら
にその上に塗布液Bを湿潤膜厚150μ塗布し乾燥させ、イ
ンク受容層と溶媒吸収層の2層構造の媒体試料を得
た。
【0127】上記のインクジェット記録媒体の吸水量は
35g/mであった。これはバッキング層を剥ぎ取った
インク受容層のみの媒体を約15℃の水に浸漬し、1分後
に引き上げ、その浸漬前後の重さから、吸水量を求め
た。
【0128】〈2.インクジェット記録液の作製〉 〈2.1:インクジェット記録液〉 ・色素D−23を10g、 ・色素D−27を15g、 ・色素D−15を15g、 ・グリセリンを250g、 ・エマルゲン911(花王株式会社製)を3g、 をイオン交換水で1000g仕上げする。
【0129】上記インク組成の染料を添加しない液で希
釈して5%の濃度の黒色インクを濃度比1の基準とし
た。この濃度を基準として各種濃度のインクを作製し、
インクジェット記録液を得た。
【0130】〈2.2:インクジェット記録液〉 ・色素D−4を10g、 ・色素D−18を15g、 ・色素D−15を15g、 ・グリセリンを250g、 ・エマルゲン911(花王株式会社製)を3g、 をイオン交換水で1000g仕上げする。
【0131】上記インク組成の染料を添加しない液で希
釈して5%の濃度の黒色インクを濃度比1の基準とし
た。この濃度を基準として各種濃度のインクを作製し、
インクジェット記録液を得た。
【0132】〈2.3:インクジェット記録液〉 ・色素D−17を10g、 ・色素D−12を15g、 ・色素D−20を15g、 ・グリセリンを250g、 ・エマルゲン911(花王株式会社製)を3g、 をイオン交換水で1000g仕上げする。
【0133】上記インク組成の染料を添加しない液で希
釈して5%の濃度の黒色インクを濃度比1の基準とし
た。この濃度を基準として各種濃度のインクを作製し、
インクジェット記録液を得た。
【0134】〈2.4:インクジェット記録液〉 ・色素D−36を10g、 ・色素D−13を15g、 ・色素D−3を15g、 ・グリセリンを250g、 ・エマルゲン911(花王株式会社製)を3g、 をイオン交換水で1000g仕上げする。
【0135】上記インク組成の染料を添加しない液で希
釈して5%の濃度の黒色インクを濃度比1の基準とし
た。この濃度を基準として各種濃度のインクを作製し、
インクジェット記録液を得た。
【0136】〈2.5:インクジェット記録液〉 ・ポリマーとして、ポリビニルブチラール(積水化学製
BL-S、平均重合度350)15g、 ・色素D−23を2g、 ・色素D−27を3g、 ・色素D−3を3g、 ・酢酸エチルを150g、 をセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換
後、攪拌して上記ポリマー及び色素を完全に溶解させ
た。引き続き更に分散剤として、ラウリル硫酸ナトリウ
ム6g、水溶性ポリマーMP-203(クラレ製)2gを含む水
溶液150gを滴下して攪拌した後、超音波(UH−150
型、株式会社エスエムテー製)を用いて300秒乳化し
た。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、色素を含浸
するポリマー粒子の水分散体を得た。得られたポリマー
分散液750gにグリセリン250gとエマルゲン31
を3g添加して、インクジェット記録液の原液を得た。
グリセリン250、エマルゲン31を3gを1000g
のイオン交換水に溶解した希釈液で原液5%の濃度を1
として、各種の濃度のインクジェット記録液を得た。
【0137】〈2.6:インクジェット記録液〉 ・ポリマーとして、ポリカーボネイト樹脂(ユーピロン
S-3000,三菱エンジニアリングプラスチック製)5gとB
SLを15gの混合物、 ・色素D−4を2g、 ・色素D−18を3g、 ・色素D−15を3g、 ・酢酸エチルを150g、 をセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換
後、攪拌して上記ポリマー及び色素を完全に溶解させ
た。引き続き更に分散剤として、ラウリル硫酸ナトリウ
ム6g、水溶性ポリマーMP-203(クラレ製)2gを含む水
溶液150gを滴下して攪拌した後、超音波(UH−150
型、株式会社エスエムテー製)を用いて300秒乳化し
た。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、色素を含浸
するポリマー粒子の水分散体を得た。得られたポリマー
分散液750gにグリセリン250gとエマルゲン31
を3g添加して、インクジェット記録液の原液を得た。
グリセリン250、エマルゲン31を3gを1000g
のイオン交換水に溶解した希釈液で原液5%の濃度を1
として、各種の濃度のインクジェット記録液を得た。
【0138】〈2.7:インクジェット記録液〉 ・ポリマーとして、ポリビニルアルコール(MP-203,ク
ラレ製)1gとBSLを14gの混合物、 ・色素D−17を2g、 ・色素D−12を3g、 ・色素D−20を3g、 ・酢酸エチルを150g、 をセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換
後、攪拌して上記ポリマー及び色素を完全に溶解させ
た。引き続き更に分散剤として、ラウリル硫酸ナトリウ
ム6g、水溶性ポリマーMP-203(クラレ製)2gを含む水
溶液150gを滴下して攪拌した後、超音波(UH−150
型、株式会社エスエムテー製)を用いて300秒乳化し
た。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、色素を含浸
するポリマー粒子の水分散体を得た。得られたポリマー
分散液750gにグリセリン250gとエマルゲン31
を3g添加して、インクジェット記録液の原液を得た。
グリセリン250、エマルゲン31を3gを1000g
のイオン交換水に溶解した希釈液で原液5%の濃度を1
として、各種の濃度のインクジェット記録液を得た。
【0139】〈2.8:インクジェット記録液〉 ・ポリマーとして、PMMA樹脂(デルペット560F,旭化成
製)1gとBSLを14gの混合物、 ・色素D−36を2g、 ・色素D−13を3g、 ・色素D−3を3g、 ・酢酸エチルを150g、 をセパラブルフラスコに入れ、フラスコ内を窒素置換
後、攪拌して上記ポリマー及び色素を完全に溶解させ
た。引き続き更に分散剤として、ラウリル硫酸ナトリウ
ム6g、水溶性ポリマーMP-203(クラレ製)2gを含む水
溶液150gを滴下して攪拌した後、超音波(UH−150
型、株式会社エスエムテー製)を用いて300秒乳化し
た。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、色素を含浸
するポリマー粒子の水分散体を得た。得られたポリマー
分散液750gにグリセリン250gとエマルゲン31
を3g添加して、インクジェット記録液の原液を得た。
グリセリン250、エマルゲン31を3gを1000g
のイオン交換水に溶解した希釈液で原液5%の濃度を1
として、各種の濃度のインクジェット記録液を得た。
【0140】〈3.インクジェット記録装置(プリン
タ)〉ノズル孔径が24μmで256個ノズルヘッドを用
い、駆動周波数12kHzでインク射出速度6m/sec、7ピ
コリットル液滴、360ドット/25.4mmのオンデマンド型
インクジェットプリンタを使用した。画像階調部分につ
いては誤差拡散法を用いた。
【0141】〈4.テスト画像の撮影〉回転アノードが
タングステンである株式会社東芝製X線管球DRX-29031H
Dを用いて、焦点サイズ2mm、X管電圧125kV設定で、京
都科学製胸部ファントムを用いて撮影を行った。コニカ
株式会社製Regius150を用いて撮影後に、読取サイズ175
μmで画像信号を読み取った。画像に適した階調補正を
おこなった後、この12ビット階調の画像信号を得た。
【0142】〈5.医用画像のプリント〉上記プリン
タ、インクジェット記録液(インク)〜、そしてイ
ンクジェット記録媒体として媒体試料〜を用いて、
上記画像信号をプリンタに入力してテスト画像No.1〜
24の胸部モノクロ画像を得た。肺野部の画像濃度は1.
5であり、非画像部での最高濃度は2.8が得られた。
【0143】〈6.テスト画像プリント試料の画像保存
性の評価〉上記プリント画像2組を作製した。一組は21
±2℃で30±5%RHの環境で保存した。この環境は2、3
ヶ月では一般に画像に滲みが殆ど発生しない条件であ
る。もう一組については、80±2℃で70±5%RHで7日間
保存し、画像の滲み発生をテストした。通常では、こうし
た画像保存条件は殆どない。この条件が実際の時間経過
との対応は科学的に明確にはなってないが、滲み発生の
加速テストとして用いられる条件である。
【0144】7日間の上記2つの条件下で保存した試料
の左肺野上部の模擬血管像を中心に画像滲みに起因する
画像のボケを観察した。21℃保存のものを基準として80
℃保存の画像の比較で、画像のボケ(画像の滲み)が全
くなく2者同等のものを◎、ややボケが生じている感じ
ではあるが、すぐには気付かないものを〇、少しボケが
始まるが、画像の劣化とは感じさせないものを△、画像
の劣化のボケが明瞭なものを×とした。観察は8000lx
のライトボックス上で行なわれた。
【0145】
【表1】
【0146】この表1に示したように、比較例に比べ
て、本発明の実施例により良好な結果を得ることができ
た。
【0147】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、医用画像診
断に供せられる透明記録シートに形成した黒色を呈する
画像の保存性は極めて良好となり、医療、特に、X線画
像を診断目的にプリントするに適したインクジェット記
録システムおよびインクジェット記録媒体を実現でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態のインクジェット記録シス
テムを構成するインクジェット記録装置の電気的構成を
示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態例のインクジェット記録シ
ステムの一例を示すシステム説明図である。
【図3】本発明の実施の形態例のインクジェット記録シ
ステムを構成するインクジェット記録媒体の構成を示す
構成図である。
【図4】医用デジタル画像診断システムのシステム構成
を示す構成図である。
【符号の説明】
4 インクジェット記録媒体 100 医用インクジェット記録装置 101 制御手段 110 画像処理手段 120 記録ヘッドユニット 131 搬送ローラ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) B41M 5/00 B41M 5/00 E 4J039 C09B 23/00 L M G01R 33/32 53/00 Z // C09B 23/00 55/00 A 57/00 Z 53/00 B41J 3/04 101Y 55/00 A61B 5/05 380 57/00 G01N 24/02 520Y Fターム(参考) 2C056 ED07 FB01 FC01 FC06 2H086 BA01 BA15 BA16 BA19 BA24 BA33 BA53 BA55 BA60 4C093 AA16 AA22 CA32 CA41 EE09 4C096 AB42 AB44 AD19 FC13 4H056 CA01 CA02 CC02 CC08 CE02 CE03 CE06 CE07 DD03 DD06 DD07 DD09 DD12 DD15 DD19 DD23 DD29 EA15 FA01 4J039 BC07 BC16 BC44 BC50 BC51 BC53 BC54 BC64 CA06 EA19 GA24

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明なシート状のインクジェット記録媒
    体に対してインクジェット記録液をノズルより噴出させ
    てインクジェット記録を行うインクジェット記録システ
    ムであって、 前記インクジェット記録液は、一般式(1)、(2)、
    (3)で表される色素の少なくとも一つを含む黒色を呈
    するポリマー粒子の水分散体のインクジェット記録液で
    ある、ことを特徴とするインクジェット記録システム。 【化1】 〔一般式の式中X1はカプラー残基を表し、Yは5員も
    しくは6員の芳香族炭素環または複素環を形成する原子
    の集まりを表す。式中のR1,R2,R3は水素原子、ハ
    ロゲン原子又は1価の置換基を表し、nは0、1又は2
    を表す。〕
  2. 【請求項2】 透明なシート状のインクジェット記録媒
    体に対してインクジェット記録液をノズルより噴出させ
    てインクジェット記録を行うインクジェット記録システ
    ムであって、 前記インクジェット記録液は、一般式(4)で表される
    色素を含む黒色を呈するポリマー粒子の水分散体のイン
    クジェット記録液である、ことを特徴とするインクジェ
    ット記録システム。 【化2】 〔式中X2・X3は置換基を表すが、X2及びX3の少
    なくとも一方は、上記一般式(5)〜(15)で表され
    る基であり、X2及びX3は互いにに同じであっても異
    なっていてもよい。式中R10〜R24は水素原子又は
    1価の置換基を表す。Zは5〜6員の各々置換基を有し
    てもよい含窒素複素環を形成する原子の集まりを表し、
    該複素環は更に別の環と縮合環を形成しても良い。mは
    0〜4、nは0〜2、qは0〜3を表す。〕
  3. 【請求項3】 透明なシート状のインクジェット記録媒
    体に対してインクジェット記録液をノズルより噴出させ
    てインクジェット記録を行うインクジェット記録システ
    ムであって、 前記インクジェット記録液は、一般式(16)で表され
    る色素を含む黒色を呈するポリマー粒子の水分散体のイ
    ンクジェット記録液である、ことを特徴とするインクジ
    ェット記録システム。 【化3】 〔式中X1はカプラー残基を表し、Dは窒素原子または
    =CR5−を表す。R5は水素原子、ハロゲン原子又は
    一価の置換基を表し、Bは上記一般式(17)〜(2
    6)で表される基である。式中R25は各々水素原子、
    ハロゲン原子、各々置換基を有しても良いアルキル基、
    アリール基、−OR6、−SR6、−NR7R8(R6
    は水素原子、各々置換基を有しても良いアルキル基、ま
    たはアリール基を表し、R7は各々置換基を有しても良
    いアルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル
    基、シクロアルキル基をあらわし、R8はR7と同義で
    ある。R7はR8と互いに結合して窒素原子とともに環
    を形成してもよく、R7、R8は互いに同じであっても
    異なっていても良い)又は水酸基の塩を表し、mは0〜
    4、nは0〜2、qは0〜3を表す。m、n、qがそれ
    ぞれ2以上の時複数あるR25はそれぞれ同じでも異な
    っていても良く、また環を形成しても良い。〕
  4. 【請求項4】 透明なシート状のインクジェット記録媒
    体に対してインクジェット記録液をノズルより噴出させ
    てインクジェット記録を行うインクジェット記録システ
    ムであって、 前記インクジェット記録液は、一般式(27)で表され
    る色素を含む黒色を呈するポリマー粒子の水分散体のイ
    ンクジェット記録液である、ことを特徴とするインクジ
    ェット記録システム。 【化4】 〔式中X1はカプラー残基を表し、Dは窒素原子又は=
    CR5−を表す。Y1、Y2は各々CR4又は窒素原子
    を表し、且つYl、Y2の少なくとも一つは窒素原子で
    ある。R4、R5は各々は水素原子ハロゲン原子又は各
    々置換基を有しても良いアルキル基、シクロアルキル
    基、シアノ基、アルコキシ基、アリール基、アリールオ
    キシ甚、アラルキル基、アルキルスルフィニル基、アシ
    ルアミノ基、スルフォニルアミノ基、ウレイド基、アル
    キルチオ基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル
    基、アシル基、アミノ基、アルキルスルフォニル基、ス
    ルファモイル基、アルキルカルボニル基を表す。AはN
    R7R8基(R7、R8は同じであっても異なっていて
    も良い。R7は各々置換されていても良いアルキル基、
    アルケニル基、アリール基、アラルキル基、シクロアル
    キル基をあらわし、R8はR7と同義である。R7はR
    8と互いに結合して窒素原子とともに環を形成してもよ
    く、またR4と結合して環を形成しても良い)、OH基
    または水酸基の塩をあらわす。qは0〜3を表す。qが
    2又は3の時、R4は同じであっても異なっていても良
    い。〕
  5. 【請求項5】 透明なシート状のインクジェット記録媒
    体に対してインクジェット記録液をノズルより噴出させ
    てインクジェット記録を行うインクジェット記録システ
    ムであって、 前記インクジェット記録液は、一般式(28)で表され
    る色素を含む黒色を呈するポリマー粒子の水分散体のイ
    ンクジェット記録液である、ことを特徴とするインクジ
    ェット記録システム。 【化5】 〔式中AはNR7R8基(R7、R8は同じであっても
    異なっていても良い。R7は各々置換されていても良い
    アルキル基、アルケニル基、アリール基、アラルキル
    基、シクロアルキル基をあらわし、R8はR7と同義で
    ある。R7はR8と互いに結合して窒素原子とともに環
    を形成してもよく、またR6と結合して環を形成しても
    良い)、OH基または水酸基の塩をあらわす。Y1、Y
    2は各々CR6または窒素原子を表し、かつY1、Y2
    の少なくとも1つは窒素原子である。Zは5,6員の各
    々置換基を有しても良い含窒素複素環を形成する原子群
    を表し、該複素環は更に別の環と縮合環を形成しても良
    い。R6は水素原子、ハロゲン原子、または各々置換基
    を有しても良いアルキル基、シクロアルキル基、シアノ
    基、アルコキシ基、アリール基、アリールオキシ基、ア
    ラルキル基、アルキルスルフィニル基、アシルアミノ
    基、スルフォニルアミノ基、ウレイド基、アルキルチオ
    基、アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、アシル
    基、アミノ基、アルキルスルフォニル基、スルファモイ
    ル基を表し、R5は各々置換基を有しても良いアルキル
    基、シクロアルキル基、シアノ基、アルコキシ基、アリ
    ール基、アリールオキシ基、アラルキル基、アルキルス
    ルフィニル基、アシルアミノ基、スルフォニルアミノ
    基、ウレイド基、アルキルチオ基、アルコキシカルボニ
    ル基、カルバモイル基、アシル基、アミノ基、アルキル
    スルフォニル基、スルファモニル基を表す。qは0〜3
    を表す。qが2又は3の時、R6は同じであっても異な
    っていても良い。〕
  6. 【請求項6】 前記インクジェット記録液は、ポリマー
    粒子の平均粒径が20〜200nmであるインクジェット記録
    用水系インクである、ことを特徴とする請求項1乃至請
    求項5のいずれかに記載のインクジェット記録システ
    ム。
  7. 【請求項7】 透過画像最高濃度が2.60以上4.0
    0以下のモノクロ画像を記録する、ことを特徴とする請
    求項1乃至請求項6のいずれかに記載のインクジェット
    記録システム。
  8. 【請求項8】 使用するインクジェット記録液の濃度の
    種類が、3種類以上6種類以下である、ことを特徴とす
    る請求項1乃至請求項7のいずれかに記載のインクジェ
    ット記録システム。
  9. 【請求項9】 X線画像の形成に用いられる、ことを特
    徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載のイン
    クジェット記録システム。
  10. 【請求項10】 請求項1乃至請求項9に記載のインク
    ジェット記録システムに使用されるインクジェット記録
    媒体であって、 前記インクジェット記録媒体は、透明な樹脂で構成され
    た支持体を有し、前記支持体の非記録面には微粒子を分
    散させたバッキング層が形成され、前記支持体の記録面
    には空隙を有するインク受容層が形成されている、こと
    を特徴とするインクジェット記録媒体。
  11. 【請求項11】 前記インク受容層は、像を担持するた
    めの受像層と、インクジェット記録液の溶媒を吸収する
    ための溶媒吸収層と、で構成される、ことを特徴とする
    請求項10記載のインクジェット記録媒体。
  12. 【請求項12】 角丸を4つの角にもち、75μm以上
    250μm以下の厚さを有する無色もしくは青く着色し
    た樹脂よりなり、少なくとも1面に空隙型インク受容層
    を少なくとも1層有する、ことを特徴とする請求項10
    乃至請求項11のいずれかに記載のインクジェット記録
    媒体。
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