JP2003171488A - 表面処理方法および、該方法により処理された被処理材料 - Google Patents
表面処理方法および、該方法により処理された被処理材料Info
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Abstract
る表面処理のばらつきが生じることが無く、置換反応を
効率的に行うことができる表面処理の安定化手法を導き
出し表面特性とバルク特性の両立化によって応用領域を
拡大するとともに、高撥液性と生産性を両立することが
出来る表面処理方法を提供する。 【解決手段】 本発明の特徴は、単体では光照射により
実質的に相互作用しない媒介材料と、被処理材料とを接
触状態で光を照射し、被処理材料の置換基が励起誘導状
態になると同時に媒介材料の原子又は原子団が励起誘導
状態になる化学反応場を、被処理材料と媒介材料との接
触界面と光照射領域の論理積にて提供し、結合状態遷移
を誘起移行することで被処理材料の表面処理を行うこと
である。
Description
改質、デポジション、エッチング等処理する方法およ
び、該方法により処理された被処理材料に関するもので
あり、特に固体材料表面を撥液化処理する方法および、
該方法により処理された被処理材料に関するものを含ん
でいる。
鎖に有するポリマ−を含有する固体材料表面から水素原
子を脱離すると同時にフッ化炭素CnFm(n=1,
2,3・・・、m=2n,2n+1)基を置換させて固
体材料の表面のみを撥液化する方法および、該方法によ
り処理された被処理材料に関するものである。
有する物性を有効に活用するように開発されてきている
が、デバイス応用等にて要求物性は多岐にわたり、単一
のバルク材料のみでは要求性能または特性を十分に網羅
できうることが日々困難な状況に追い込まれている。特
にフッ素樹脂は、表面エネルギ−が低い特徴による不活
性性、撥水性、撥油性、耐擦傷性の特徴を生かして様々
な用途に用いられている。フッ素樹脂単体で成形加工を
行い様々な形状の部品や製品、またフィルム状形態での
使用や、フィルム状形態の片面に親水化処理を行って、
様々な形状の部品を覆って使用したり、溶剤に溶かした
状態でコ−ティングし膜の状態で使用したりと、応用が
多岐にわたっており非常に有用な材料のひとつとなって
いる。
てもある大きさのバルク領域が存在すると、その領域に
おいては、フッ素樹脂自体の物性が発現する。例えば、
硬度が低いため切削抵抗が低く、刃物によるキズがつき
やすい、型成形の場合ガラス転移点が高く流動性が低い
ため、精密成形が困難、ソルベントコ−トの場合溶剤に
溶けるフッ素ポリマ−に限定されるため、不活性性、撥
水性、撥油性、耐擦傷性がPTFEの特性まで達しな
い、またキュア温度が高温のため、コ−トする基材材料
が限定されてしまう。線膨張係数が大きいため、高温環
境で変形が生じる、帯電性が高いためチャ−ジキャリア
近傍においての使用に制限が生じる。といったフッ素樹
脂本来の物性からくる問題も一方では生じてしまう。
ではなく、逆に、本来の有機または有機無機複合材料か
らなる基材のバルク物性特性を活かしたまま、表面領域
にのみフッ素樹脂が有する特性を添加することができれ
ば、より広範囲な機能性を発現することが可能となる。
759号公報には、C−H結合を有するプラスチック材
料を励起光により改質する方法であって、水素原子との
結合エネルギ−が80.6kcal/mol以上の第1
の原子と、この第1の原子との結合エネルギ−が励起光
の光エネルギ−よりも小さな第2の原子または原子団と
を含む化合物または混合物の雰囲気中で、プラスチック
材料と化合物または混合物との界面に直接または間接的
に光子エネルギ−が80.6kcal以上の紫外光を照
射し、これによりプラスチック材料から第1の原子を介
して脱水素すると同時に、第2の原子または原子団で置
換する構成が記載されており、上記の化合物または混合
物として実施例11、27、31ではフッ素化合物の例
が挙げられている。
報の構成では、置換メカニズム上、製造条件のばらつき
によって接触角の性能に大きなばらつきが生じるため、
製造条件の管理をシビアに行わなくてはならず、高安定
に表面処理された試料を歩留まりよく作成することは困
難であった。
59号公報の(実施例2)に記載されている方法にて実
験を行ったところ、50ccの水に2gのホウ酸(H3
BO3 )が溶解された水溶液を資料に密着させてA
rFレ−ザ−照射しただけではホウ酸水溶液がArFレ
−ザ−照射で光吸収することにより、置換反応の効率が
悪く、また、ホウ酸水溶液の厚みにより置換反応にばら
つきが生じることがあった。
みによるばらつきが生じることが無く、置換反応を効率
的に行う為の置換メカニズムを検討し、新たな置換メカ
ニズムを見出すことにより、表面処理の安定化手法を導
き出したものである。特にC−H結合を表層に有するプ
ラスティック材料表面に高撥液性を付加する方法におい
ては物性の非可逆プロセスが論理的に成り立つ方法を見
出すにいたったものである。
化によって応用領域を拡大するとともに、高撥液性と生
産性を両立することが出来る表面処理方法を提供するこ
とを目的とするものである。
の本願発明は、被処理材料と媒介材料とを接触状態にて
光を照射することで被処理材料の表面処理を行う表面処
理方法であって、前記媒介材料は単体では光照射により
実質的に相互作用しない材料であり、前記被処理材料と
該媒介材料とに光を照射することで、前記被処理材料の
置換基が励起誘導状態になると同時に前記媒介材料の原
子又は原子団が励起誘導状態になる化学反応場を、前記
被処理材料と該媒介材料との接触界面と光照射領域の論
理積にて提供し、結合状態遷移を誘起移行することで被
処理材料の表面処理を行うことを特徴とするものであ
る。
材料から励起誘導された置換基が前記媒介材料から励起
誘導された原子又は原子団によって捕獲遷移結合される
結合エネルギ−は、前記被処理材料の置換基と母材原子
の結合エネルギ−と、前記媒介材料の原子又は原子団と
母材原子の結合エネルギ−と、のうち大きい方の結合エ
ネルギ−よりも大きいことを特徴とするものである。
に照射される光は、前記被処理材料の置換基と母材原子
の結合エネルギ−と前記媒介材料の原子又は原子団と母
材原子の結合エネルギ−のうち大きい方の結合エネルギ
−よりも大きいフォトンエネルギ−を有する波長の光で
あることを特徴とするものである。
は、単体では光照射により実質的に相互作用しない媒介
材料としてエ−テル結合基およびフッ化炭素CnFm
(n=1,2,3・・・、m=2nまたは2n+1)基
を主鎖部分に有するポリマ−の集合体からなる液体の媒
介材料、被処理材料として炭素原子と水素原子の一重結
合基を表面に有する被処理材料を用い、これらを接触さ
せた状態で、光として被処理材料と該媒介材料との接触
界面に波長が221.4nmから351.6nmの範囲
内にある紫外線を照射することで前記被処理材料表面の
前記炭素原子と水素原子の一重結合基における水素原子
を前記媒介材料のフッ化炭素基と置換し、被処理材料表
面を改質することを特徴とするものである。
する。
質的に相互作用しない媒介材料と、被処理材料とを接触
状態で光を照射し、被処理材料の置換基が励起誘導状態
になると同時に前記媒介材料の原子又は原子団が励起誘
導状態になる化学反応場を、前記被処理材料と該媒介材
料との接触界面と光照射領域の論理積にて提供し、結合
状態遷移を誘起移行することで表面処理を行うことであ
る。
光照射により実質的に相互作用しない材料を用いている
為、光の照射によりもたらされるエネルギ−が媒介材料
の励起遷移に用いられることがない。
の厚みにより置換反応にばらつきが生じることが無く、
より効率的に置換反応を行うことが出来る。
になると同時に前記媒介材料の原子又は原子団が励起誘
導状態になる化学反応場を、前記被処理材料と該媒介材
料との接触界面にて提供するために、結合状態遷移する
効率が向上し、効率的に置換反応を行うことが出来る。
するメカニズムについて、図4、図5により詳述する。
り実質的に相互作用しない媒介材料としてエ−テル結合
基およびフッ化炭素CnFm(n=1,2,3・・・、
m=2n,2n+1)基を主鎖部分に有するポリマ−の
集合体からなる液体の媒介材料、被処理材料として炭素
原子と水素原子の一重結合基を表面に有する被処理材料
を用いた例を示す。
ニズムを示すための図であって、図中は媒介液体材料
領域、は媒介液体材料とC−H基を側鎖に有する被処
理材料の境界領域、は被処理材料の領域を示すもので
あり、−(a)〜(c)、−(a)〜(e)、−
(a)〜(c)は、紫外線照射されたときのそれぞれの
領域における光化学反応について模式的に表している。
シ樹脂を主成分とする露光、現像後のネガ型感光性樹脂
を用い、媒介液体材料にパ−フルオロポリエ−テル(化
学名:パ−フルオロポリオキセタン、商品名:デムナム
(ダイキン工業社製))を用いたもので説明している。
長が248.4nmのクリプトンフッ素のエキシマレ−
ザ光(114kcal/mol)は、下記構造式で表さ
れる媒介材料のパ−フルオロポリエ−テルに照射され
る。
数)照射された紫外線(エキシマレ−ザ光)は、パ−フ
ルオロポリエ−テルにおいては光吸収が無くそのまま透
過し、被処理固体材料7の表面に達する。しかし、厳密
に紫外線フォトンの通過の意味するところは、量子光学
的な表現をすれば、フォトンのエネルギ−吸収が起こら
なかったということだけであって、フォトンを吸収して
遷移するエネルギ−準位が存在すればフォトンの吸収が
起こって作用を生ずるということでも有る。すなわち、
エネルギ−的に安定な準位を提供することによって、光
化学反応を局所的に発生させることができるものであ
る。
すように炭素原子と酸素原子の一重結合エネルギ−のポ
テンシャルの壁を超えるエネルギ−は約76kcal/
molであり、紫外線波長が約357nm以下の場合、
フォトンエネルギ−は約76kcal/mol以上とな
り、エ−テル基である炭素原子と酸素原子の一重結合エ
ネルギ−のポテンシャルの壁を超えるエネルギ−を有し
ている。したがって、−(b)に示すように酸素原子
は炭素原子からイオン解離できる状態が得られる。しか
しながら、酸素原子単独では安定な状態ではないため、
酸素原子が単独で存在する寿命は短命であり、イオン解
離したとしても、すぐにまた同エネルギ−のフォトンを
放射し、元の準位に戻ってしまう(−(c))。つま
り、外界から観察しても、誘導放射が起こったことと同
様で、同位相、同偏光、同波長、同進行方向のフォトン
が放射されることとなり、何の変化も起こらなかったこ
とと同等に観測されることとなる。すなわち、何も起こ
らないと同等ということである。
に示すように炭素原子と水素原子の一重結合エネルギ−
のポテンシャルの壁を超えるエネルギ−は80.6kc
al/molであり、紫外線波長が351.6nm以下
の場合、フォトンエネルギ−は80.6kcal/mo
l以上となり、炭素原子と水素原子の一重結合エネルギ
−のポテンシャルの壁を超えるエネルギ−を有してい
る。したがって、−(b)に示すように水素原子は炭
素原子からイオン解離できる状態が得られる。しかしな
がら、水素原子単独では安定な状態ではないため、水素
原子が単独で存在する寿命は短命であり、イオン解離し
たとしても、すぐにまた同エネルギ−のフォトンを放射
し、元の準位に戻ってしまう(−(c))。つまり、
先ほどと同様に外界から観察しても、何の変化も起こら
なかったことと同等に観測されることとなる。
れる新たな準位(いわゆるドナ−、アクセプタ−レベ
ル)を提供することによって、紫外線フォトンの吸収が
起こり、光化学反応を起こすことができる。本発明の場
合、この捕獲準位は、被処理固体材料の表面、すなわ
ち、媒介液体材料とC−H基を側鎖に有する被処理材料
との接触界面で提供されることとなる。このことを説明
すると、被処理固体材料の表面には、有機材料が配設さ
れており、有機材料ポリマ−の側鎖には炭素原子と水素
原子の一重結合状態が存在している(図6(a)参
照)。一方、被処理固体材料に接する媒介液体材料には
酸素原子と炭素原子の一重結合状態が存在している。
−(a)に示すように炭素原子と酸素原子の一重結合エ
ネルギ−のポテンシャルの壁を超えるエネルギ−は約7
6kcal/molであり、また、有機ポリマ−側鎖の
炭素原子と水素原子の一重結合のポテンシャル障壁エネ
ルギ−80.6kcal/molである。紫外線波長が
351.6nm以下の場合、フォトンエネルギ−は8
0.6kcal/mol以上となり、炭素原子と酸素原
子の一重結合エネルギ−のポテンシャルの壁を超えるエ
ネルギ−および炭素原子と水素原子の一重結合エネルギ
−のポテンシャルの壁を超えるエネルギ−を有している
もので、すなわち水素原子と酸素原子の解離する状態を
誘発するエネルギ−を有しているものである。したがっ
て、−(b)に示すように酸素原子および水素原子は
それぞれ炭素原子からイオン解離する。
ネルギ−は約109kcal/molであって、エ−テ
ル基である炭素原子と酸素原子の一重結合のポテンシャ
ル障壁エネルギ−約76kcal/mol、有機ポリマ
−側鎖の炭素原子と水素原子の一重結合のポテンシャル
障壁エネルギ−80.6kcal/mol、よりも、結
合エネルギ−が大きい、したがって酸素原子と炭素原子
が一重結合するとエネルギー準位ポテンシャルがより深
い安定準位に落ち込むこととなる。つまり、解離酸素原
子と解離水素原子に対して、遷移安定な準位が、被処理
固体材料表面と媒介液体材料であるパ−フルオロポリエ
−テルの接触界面において提供されることとなる。
子および水素原子は約109kc・BR>l/molエ
ネルギ−のフォトンを放射し、酸素原子と水素原子との
一重結合が生成される。
水H2Oであるため、351.6nm以下の紫外線フォ
トンを4個消費して、上記してきた光化学反応が生じる
こととなる。
酸素原子と水素原子の一重結合エネルギ−約109kc
al/mol以上である場合には、−(d)に示すよ
うに酸素原子と水素原子とはそれぞれイオン解離できる
状態が得られる。しかしながら、酸素原子および水素原
子単独では安定な状態ではないため、酸素原子が単独で
存在する寿命は短命であり、イオン解離したとしても、
すぐにまた同エネルギ−のフォトンを放射し、元の準位
に戻ってしまう(−(e))。つまり外界観察によっ
ては何の変化も起こらなかったと観測されることとな
る。また、厳密に表現するならば、ハイゼンベルグの不
確定性原理によって、極短時間のイオン解離過程が起こ
っているか否かは観測する事ができないことであって、
つまり量子論的にはわからないと表現することが適切な
説明となるものである。
ルオロポリエ−テルは主鎖のエ−テル基を失うため、フ
ッ化炭素基(C3F6,C3F7)が残留され、一方、
被処理固体材料表面においては炭素の活性基が残されて
いるため、フッ化炭素基は被処理固体材料表面の炭素活
性基に化学結合せざるをえない環境が形成され、被処理
固体材料表面はフッ素化され撥水特性が発現することと
なる(図6(b)参照)。
一重結合エネルギ−は約84kcal/molであるた
め、照射紫外線に約336nm以下の波長を用いた場合
には、炭素原子どうしは解離、結合を不安定に遷移し、
フッ化炭素はCnFm(n=1,2,3・・・、m=2
n,2n+1)基の内のどれか分解また結合された最も
安定な状態で被処理固体材料表面に化学結合することと
なる。
一重結合エネルギーは約84kcal/molであるた
め、照射紫外線に約336nm以下の波長を用いた場合
には、炭素原子どうしは解離、結合をエントロピーの増
大する方向に不安定に遷移し、フッ化炭素はCnFm
(n=1,2,3・・・、m=2nまたは2n+1)基
の内のどれかの状態に分解また再結合されてギプスの自
由エネルギーが最小になるように最も安定な状態でネッ
トワークを形成し被処理固体材料表面に化学結合するこ
ととなる。
面処理メカニズムを示すための図であって、は媒介液
体材料領域、は媒介液体材料とC−H基を側鎖に有す
る被処理材料の境界領域、は被処理材料の領域であ
り、紫外線照射されたときのそれぞれの領域における光
化学反応について模式的に表している。
された光波長が193nmのアルゴンフッ素のエキシマ
レ−ザ光(147kcal/mol)であること以外
は、実施例と同じである。
ある。
こり、光化学反応を起こすイオン解離した水素原子が酸
素原子に捕獲される準位は、実施例と同じく被処理固体
材料の表面で提供されることとなる。
長が221.4nm以下の波長、つまりフォトンエネル
ギ−が約128kcal/mol以上である光を用いる
ことは、光化学反応の不安定性を逆に招くこととなる。
光波長193nmのアルゴンフッ素のエキシマレ−ザ光
のフォトンエネルギーは147kcal/molである
ため、前記128kcal/mol以上のフォトンエネ
ルギーを有する光である。
素原子の一重結合エネルギ−約128kcal/mol
以上となり、かつ、水素原子とフッ素原子の一重結合エ
ネルギ−約136kcal/molは、酸素原子と水素
原子の一重結合エネルギ−約109kcal/molよ
りも大きく、より深いポテンシャル準位に落ち込みより
安定となるため、図5のに示されるようにフッ素原子
が水素原子を捕獲してしまう。このため、エ−テル基は
捕獲される遷移状態を失い、エ−テル基が被処理固体材
料表面に化学結合を起こして逆に親水性方向に特性変化
を起こしてしまうこととなる。
和せずにピ−ク値を示すのは、エ−テル基の炭素と酸素
の一重結合の解離エネルギ−より炭素とフッ素の一重結
合の解離エネルギ−の方がポテンシャル障壁が高いこと
に起因して特性発現プロセスの遅延を生じているものと
考えられる。
と、本実施例のポイントは、被処理固体材料表面を確実
に撥液処理するためには、被処理材料の置換基である水
素原子の炭素からの解離エネルギ−80.6kcal/
molと、媒介材料の原子又は原子団である酸素原子の
炭素からの解離エネルギ−約76kcal/molより
も高いフォトンエネルギ−を与える波長の光(フォトン
エネルギ−が約80.6kcal/mol以上である
光)を与えることにより確実に被処理材料から水素原子
を、媒介材料からは酸素原子の解離を行い、且つ、炭素
原子とフッ素原子の解離エネルギ−よりも低いフォトン
エネルギ−の光(フォトンエネルギ−が約128kca
l/mol以下である光)を与え、フッ素原子が水素原
子を捕獲するのを防ぐことである。
線は波長が221.4nmから351.6nmの範囲内
とし、比較例のプロセスを生じさせないことにある。
エ−テル結合基およびフッ化炭素CnFm(n=1,
2,3・・・、m=2nまたは2n+1)基を主鎖部分
に有するポリマ−の集合体からなる液体の媒介材料、被
処理材料として炭素原子と水素原子の一重結合基を表面
に有する被処理材料を用いた例を示したが、被処理材料
としては、炭素原子と水素原子の一重結合基を側鎖に有
するポリマ−を含有する有機材料の集合体や、炭素原子
と水素原子の一重結合基を側鎖に有するポリマ−を含有
する有機材料と無機材料の混合体を用いることが出来
る。
O−からなる重合体ポリマ−が好ましいものとして挙げ
ることが出来る。
紫外線光源としては、KrF,XeCl,XeF,Xe
Br,XeI等のエキシマ光源を用いることが出来る。
液体の媒介材料と接触させた状態で光を照射処理してい
るが、分子量が低い媒介材料であれば、図7に示される
ようにチャンバ−内で気体状態の媒介材料と被処理材料
とを接触させた状態で光を照射し、表面処理を行うこと
も可能である。
フッ素化による撥液化処理を行う一手段の概略図であ
る。
理するための手段であって、被処理固体材料7はスペ−
サ6を介して、ウインドウ3の表面から約20μmから
約100μmのギャップにて配設されており、移動しな
いように、加圧体8である分銅100gで押えられてい
る。
い、脂環式エポキシ樹脂を主成分とする露光、現像後の
ネガ型感光性樹脂(主成分は第1表に記載)を被処理材
料7に用い、媒介液体材料5にパ−フルオロポリエ−テ
ル(デムナム(商品名:ダイキン工業社製))を用い、
照射紫外線に光波長が248.4nmのクリプトンフッ
素のエキシマレ−ザ光を用いた場合の撥水化特性を図2
に示している。
して、KrFレ−ザ−装置Lambda physic
s社製NOVALineを用いた。
ルエンス20mJ/cm2/pulseから120mJ
/cm2/pulseにおいて、照射露光量に応じて、
純水の接触角は撥水側に増大し、約120度の純水接触
角において飽和し、以降露光量を増加させても、接触角
に増減変動は起こらない結果が得られた。表示グラフ図
上にてプロットしていないが、フルエンス40mJ/c
m2/pulseにおいては、レ−ザ照射パルス数約8
000パルスにて、純水接触角約120度が得られ、フ
ルエンス20mJ/cm2/pulseにおいては、レ
−ザ照射パルス数約50000パルスにて、純水接触角
約120度が得られた。
明した手段を用い、ポリスチレンを被処理材料7として
実施例1と同じ条件で表面処理を行った結果、純水の接
触角は撥水側に増大し、約120度の純水接触角におい
て飽和し、以降露光量を増加させても、接触角に増減変
動は起こらない結果が得られた。
明した手段を用い、ポリイミドを被処理材料7として実
施例1と同じ条件で表面処理を行った結果、純水の接触
角は撥水側に増大し、約120度の純水接触角において
飽和し、以降露光量を増加させても、接触角に増減変動
は起こらない結果が得られた。
明した手段を用い、ポリサルフォンを被処理材料7とし
て実施例1と同じ条件で表面処理を行った結果、純水の
接触角は撥水側に増大し、約120度の純水接触角にお
いて飽和し、以降露光量を増加させても、接触角に増減
変動は起こらない結果が得られた。
明した手段を用い、炭素原子と水素原子の一重結合基を
側鎖に有するポリマーを含有する有機材料と無機材料の
混合体として、ガラスのフィラーを含む脂環式エポキシ
樹脂を主成分とする露光、現像後のネガ型感光性樹脂
(主成分は第1表に記載)を被処理材料7として実施例
1と同じ条件で表面処理を行った結果、純水の接触角は
撥水側に増大し、約120度の純水接触角において飽和
し、以降露光量を増加させても、接触角に増減変動は起
こらない結果が得られた。
明した手段を用い、炭素原子と水素原子の一重結合基を
側鎖に有するポリマーを含有する有機材料と無機材料の
混合体として、ガラスのフィラーを含むポリスチレンを
被処理材料7として実施例1と同じ条件で表面処理を行
った結果、純水の接触角は撥水側に増大し、約120度
の純水接触角において飽和し、以降露光量を増加させて
も、接触角に増減変動は起こらない結果が得られた。
明した手段を用い、ガラスのフィラーを含むポリイミド
を被処理材料7として実施例1と同じ条件で表面処理を
行った結果、純水の接触角は撥水側に増大し、約120
度の純水接触角において飽和し、以降露光量を増加させ
ても、接触角に増減変動は起こらない結果が得られた。
明した手段を用い、ガラスのフィラーを含むポリサルフ
ォンを被処理材料7として実施例1と同じ条件で表面処
理を行った結果、純水の接触角は撥水側に増大し、約1
20度の純水接触角において飽和し、以降露光量を増加
させても、接触角に増減変動は起こらない結果が得られ
た。
た手段を用い、脂環式エポキシ樹脂を主成分とする露
光、現像後のネガ型感光性樹脂(主成分は第1表に記
載)を被処理材料7に用い、媒介液体材料5にパ−フル
オロポリエ−テル(デムナム(商品名:ダイキン工業社
製))を用い、照射紫外線に光波長が193nm(フォ
トンエネルギ−約147kcal/mol)のアルゴン
フッ素のエキシマレ−ザ光を用いた場合の撥水化特性を
図3に示している。
ルエンス20mJ/cm2/pulseから120mJ
/cm2/pulseにおいて、照射露光量に応じて、
純水の接触角は撥水側に一旦増大し、約120度の純水
接触角に達するが、以降露光量を増加させてゆくと、接
触角が減少する結果となった。表示グラフ図上にてプロ
ットしていないが、フルエンス20mJ/cm2におい
ても、レ−ザ照射パルス数約10000パルスにて、純
水接触角約120度のピ−クに達し、レ−ザ照射パルス
数約20000パルスにおいて接触角の低下が見られ
た。
個作成したときの各試料の接触角を調べたところ、実施
例では接触角が120°以上のものが98%であったの
に対して、比較例では75%であった。
振器のガス劣化で紫外線照射量が低下したためと思われ
るが、本願実施例では照射量の変化によらず安定した性
能の表面処理が行なえる領域があることがわかる。
分析したところ、本実施例では、その表面が図6(b)
のようになっていたのに対して、比較例のものは図6
(c)のようになっているものが見受けられた。この表
面状態からも明らかなように比較例の表面の一部にはフ
ッ素原子が存在しない部分を有しており、この分だけ実
施例のものよりも撥水性の点で性能が低下している。な
お、図6(a)は置換される前の被処理材料の表面状態
を示す模式図である。
誘電体干渉反射膜にてパタ−ンを施したフォトマスクを
用いれば、被処理固体材料表面7の所定の部分のみに、
撥液化を施すことができるものである。
カニズムを検討し、新たな置換メカニズムを見出した結
果、上記構成によれば、被処理材料に接触状態の媒介材
料の厚みによる表面処理のばらつきが生じることが無
く、置換反応を効率的に行うことができる表面処理の安
定化手法を導き出し、特にC−H結合を表層に有するプ
ラスティック材料表面に高撥液性を付加する方法におい
ては物性の非可逆反応プロセスが論理的に成り立つ方法
を見出すにいたったものである。さらに表面特性とバル
ク特性の両立化によって応用領域を拡大するものであ
る。
概略図である。
示すための図である。
すための図である。
示す模式図である。
の概略図である。
Claims (15)
- 【請求項1】 被処理材料と媒介材料とを接触状態にて
光を照射することで被処理材料の表面処理を行う表面処
理方法であって、 前記媒介材料は単体では光照射により実質的に相互作用
しない材料であり、前記被処理材料と該媒介材料とに光
を照射することで、前記被処理材料の置換基が励起誘導
状態になると同時に前記媒介材料の原子又は原子団が励
起誘導状態になる化学反応場を、前記被処理材料と該媒
介材料との接触界面と光照射領域の論理積にて提供し、
結合状態遷移を誘起移行することで被処理材料の表面処
理を行うことを特徴とする被処理材料の表面処理方法。 - 【請求項2】 前記媒介材料は液体であることを特徴と
する請求項1に記載の被処理材料の表面処理方法。 - 【請求項3】 前記媒介材料は気体であることを特徴と
する請求項1に記載の被処理材料の表面処理方法。 - 【請求項4】 前記化学反応場において前記被処理材料
から励起誘導された置換基が前記媒介材料から励起誘導
された原子又は原子団によって捕獲遷移結合される結合
エネルギ−は、前記被処理材料の置換基と母材原子の結
合エネルギ−と、前記媒介材料の原子又は原子団と母材
原子の結合エネルギ−と、のうち大きい方の結合エネル
ギ−よりも大きいことを特徴とする請求項1乃至3に記
載の被処理材料の表面処理方法。 - 【請求項5】 前記被処理材料と該媒介材料とに照射さ
れる光は、前記被処理材料の置換基と母材原子の結合エ
ネルギ−と前記媒介材料の原子又は原子団と母材原子の
結合エネルギ−のうち大きい方の結合エネルギ−よりも
大きいフォトンエネルギ−を有する波長の光であること
を特徴とする請求項1乃至4に記載の被処理材料の表面
処理方法。 - 【請求項6】 炭素原子と水素原子の一重結合基を表面
に有する被処理材料の表面処理方法であって、 エーテル結合基およびフッ化炭素CnFm(n=1,
2,3・・・、m=2nまたは2n+1)基を主鎖部分
に有するポリマ−の集合体からなる液体の媒介材料を該
被処理材料に接触させた状態で、前記被処理材料と該媒
介材料との接触界面に波長が221.4nmから35
1.6nmの範囲内にある紫外線を照射することで前記
被処理材料表面の前記炭素原子と水素原子の一重結合基
における水素原子を前記媒介材料のフッ化炭素基と置換
し、被処理材料表面を改質することを特徴とする被処理
材料の表面処理方法。 - 【請求項7】 前記被処理材料は、炭素原子と水素原子
の一重結合基を側鎖に有するポリマ−を含有する有機材
料の集合体であることを特徴とする請求項1乃至6に記
載の常温で固体の被処理材料の表面処理方法。 - 【請求項8】 前記被処理材料は、炭素原子と水素原子
の一重結合基を側鎖に有するポリマ−を含有する有機材
料と無機材料の混合体からなることを特徴とする請求項
1乃至6に記載の被処理材料の表面処理方法。 - 【請求項9】 前記媒介材料は−CnF2n−O−から
なる重合体ポリマ−であることを特徴とする請求項1乃
至8のいずれか1項に記載の被処理材料の表面処理方
法。 - 【請求項10】 前記媒介材料はF−(CF2CF2C
F2O)nCF2CF3(n:整数)であることを特徴
とする請求項9に記載の被処理材料の表面処理方法。 - 【請求項11】 前記紫外線照射のための紫外線光源は
KrF,XeCl,XeF,XeBr,XeI等のエキ
シマ光源であることを特徴とする請求項1乃至10のい
ずれか1項に記載の被処理材料の表面処理方法。 - 【請求項12】 前記紫外線照射のための紫外線照射量
は、被処理材料が炭素原子と炭素原子の一重結合を主鎖
とするポリマ−が主成分で構成される材料の場合、紫外
線波長が221.4nmでの処理においては、16mJ
/cm2以上、紫外線波長が351.6nmでの処理に
おいては、10mJ/cm2以上のフルエンスにて照射
することを特徴とする請求項1乃至11のいずれか1項
に記載の被処理材料の表面処理方法。 - 【請求項13】 前記紫外線の照射は該紫外線波長に対
して透明な基材に所定パタ−ンを金属膜によりパタ−ニ
ングしたフォトマスクを介して媒介材料側から被処理材
料表面に照射することを特徴とする請求項1乃至12の
いずれか1項に記載の被処理材料の表面処理方法。 - 【請求項14】 前記フォトマスクの基材は合成石英、
水晶、フッ化カルシウム、フッ化マグネシウム、サファ
イア、ダイアモンドであることを特徴とする請求項1乃
至13のいずれか1項に記載の被処理材料の表面処理方
法。 - 【請求項15】 前記被処理材料の表面処理方法により
表面処理された請求項1乃至14のいずれか1項に記載
の被処理材料。
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