JP2003171407A - エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンの製造方法 - Google Patents
エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンの製造方法Info
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Abstract
ムアルデヒド、アセトアルデヒド等のアルデヒド化合物
をほとんどまたはまったく含有せず、さらに臭気もほと
んどない環境負荷の少ないエチレン−酢酸ビニル共重合
体系樹脂エマルジョンの製造方法を提供すること。 【解決手段】 けん化度70モル%以上のビニルアルコ
ール系重合体を分散剤として、エチレン−酢酸ビニル共
重合体を乳化重合する際に、過酸化水素と酒石酸、エリ
ソルビン酸、アスコルビン酸およびこれらの金属塩から
選ばれる少なくとも一種の化合物からなるレドックス系
重合開始剤を用い、鉄化合物を添加して乳化重合し、乳
化重合後、無機系還元剤を添加することを特徴とするエ
チレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンの製造
方法。
Description
ール性に優れ、しかもホルムアルデヒド、アセトアルデ
ヒド等のアルデヒド化合物をほとんどまたはまったく含
有しない環境負荷の少ないエチレン−酢酸ビニル共重合
体系樹脂エマルジョンの製造方法に関する。
VAと略記することがある)を保護コロイドとするポリ
酢酸ビニル系樹脂エマルジョンは紙用、木工用およびプ
ラスチック用などの各種接着剤、含浸紙用および不織製
品用などの各種バインダー、混和剤、打継ぎ材、塗料、
紙加工および繊維加工、壁紙などの分野で広く用いられ
ている。PVAを保護コロイドとするポリ酢酸ビニル系
樹脂エマルジョンの一種であるエチレン−酢酸ビニル共
重合体系樹脂エマルジョンの重合には、重合安定性、エ
マルジョンの耐水性などの観点から、過酸化水素が広く
用いられ、過酸化水素とのレドックス反応が鋭敏である
ことから、ソジウムホルムアルデヒドスルホキシレート
(通称ロンガリット、以下ロンガリットと記述する)が
頻用されてきた。しかし、ロンガリットは分解時にホル
ムアルデヒドを発生するため、得られるエマルジョン中
にホルムアルデヒドが含まれるという重大な問題点を有
しており、昨今の環境問題から、ロンガリットの使用が
忌避されている。このような状況下、未反応酢酸ビニル
モノマーを低減するためには、重合開始剤、および重合
条件を再構築することが不可欠となっている。特開20
01−163910公報ではエリソルビン酸類、アスコ
ルビン酸類を還元剤として用いることでノンホルムアル
デヒド化しうる旨が報告されているが、酢酸ビニルモノ
マーの加水分解に由来するアセトアルデヒドは依然とし
て系中に含まれているのが現状であった。
事情のもとで乳化重合コントロール性に優れ、しかも環
境負荷の少ないエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エ
マルジョンの製造方法を提供することを目的とするもの
である。
ましい性質を有するエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹
脂エマルジョンの製造方法を開発すべく鋭意研究を重ね
た結果、けん化度70モル%以上のビニルアルコール系
重合体を分散剤として、エチレンおよび酢酸ビニルを乳
化重合する際に、過酸化水素と酒石酸、エリソルビン
酸、L−アスコルビン酸およびこれらの金属塩から選ば
れる少なくとも一種の化合物とからなるレドックス系重
合開始剤を用い、鉄化合物を添加して乳化重合し、乳化
重合後に無機系還元剤を添加するエチレン−酢酸ビニル
共重合体系樹脂エマルジョンの製造方法を提供すること
によって、上記目的が達成されることを見出した。ま
た、上記レドックス系重合開始剤として、過酸化水素と
酒石酸および/または酒石酸ナトリウムとからなるレド
ックス系重合開始剤を使用することにより、上記目的が
より好適に達成されることを見出した。
重合体系樹脂エマルジョンの製造方法において、分散剤
として使用する、けん化度70モル%以上のビニルアル
コール系重合体(以下、PVA系重合体と略記する場合
がある)は、常法により、ビニルエステル系重合体をけ
ん化することにより得ることができる。
合体は、本発明の目的を損なわない範囲で共重合可能な
エチレン性不飽和単量体を共重合したものでも良い。こ
のようなエチレン性不飽和単量体としては、例えば、エ
チレン、プロピレン、イソブチレンなどのα−オレフィ
ン、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、(無水)マ
レイン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロ
ニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド、トリメ
チル−(3−アクリルアミド−3−ジメチルプロピル)
−アンモニウムクロリド、アクリルアミド−2−メチル
プロパンスルホン酸およびそのナトリウム塩、エチルビ
ニルエーテル、ブチルビニルエーテル、N−ビニルピロ
リドン、塩化ビニル、臭化ビニル、フッ化ビニル、塩化
ビニリデン、フッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレ
ン、ビニルスルホン酸ナトリウム、アリルスルホン酸ナ
トリウムなどが挙げられる。また、上記分散剤として
は、チオール酢酸、メルカプトプロピオン酸などのチオ
ール化合物の存在下で、酢酸ビニルを重合するか、また
は酢酸ビニルと上記エチレン性不飽和単量体とを共重合
し、それをけん化することによって得られる末端変性物
を用いることもできる。
使用するPVA系重合体は、けん化度が、70モル%以
上であることが必要であり、より好ましくは、80モル
%以上、さらに好ましくは85モル%以上である。けん
化度が70モル%未満の場合には、 PVA系重合体本
来の性質である水溶性が低下するため乳化重合コントロ
ール性が低下する場合がある。また本発明の目的を達成
するためには該PVA系重合体の重合度は、100〜8
000の範囲が好ましく、300〜3000がより好ま
しい。
用量については特に制限はないが、分散質(エチレン−
酢酸ビニル共重合体系樹脂)100重量部に対して好ま
しくは2〜15重量部、より好ましくは3〜10重量部
の範囲である。該使用量が2重量部未満および15重量
部を越える場合には、乳化重合コントロール性が低下す
ることがある。
してエチレンおよび酢酸ビニルを主に使用するが、本発
明の目的を損なわない範囲で、エチレン性不飽和単量体
および/またはジエン系単量体を共重合しても構わな
い。このような単量体としては、プロピレン、イソブチ
レンなどのα−オレフィン、塩化ビニル、フッ化ビニ
ル、ビニリデンクロリド、ビニリデンフルオリドなどの
ハロゲン化オレフィン、アクリル酸、アクリル酸メチ
ル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸
2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
2−ヒドロキシエチルなどのアクリル酸およびそのエス
テル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル
酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−
ヒドロキシエチルなどのメタクリル酸およびそのエステ
ル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジ
メチルアミノエチルおよびこれらの四級化物、さらに
は、アクリルアミド、メタクリルアミド、N−メチロー
ルアクリルアミド、N,N−ジメチルアクリルアミド、
アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸および
そのナトリウム塩などのアクリルアミド系単量体、スチ
レン、α−メチルスチレン、p−スチレンスルホン酸お
よびそのナトリウム、カリウム塩などのスチレン系単量
体、その他N−ビニルピロリドンなど、また、ブタジエ
ン、イソプレン、クロロプレンなどのジエン系単量体、
さらにはトリアリルシアヌレート、トリアリルイソシア
ヌレート、ジアリルフタレートなどの多官能性単量体が
挙げられる。分散質を構成する重合体におけるエチレン
の含有量は、5〜50重量%が好ましく、さらに好まし
くは7〜40重量%、最適には10〜30重量%であ
る。
過酸化水素と酒石酸、エリソルビン酸、アスコルビン酸
およびこれらの金属塩から選ばれる少なくとも一種の化
合物とからなるレドックス系重合開始剤を用いる。酒石
酸としては右旋性のL(+)酒石酸、左旋性のD(−)
酒石酸、これらの対掌体のラセミ化合物であるDL酒石
酸があり、特に制限されないが、これらの中でもL
(+)酒石酸を用いた場合、乳化重合コントロール性が
顕著に向上する。また、またこれらの金属塩を用いるこ
とも可能であり、金属の種類は特に制限されないが、酒
石酸ナトリウム、エリソルビン酸ナトリウム、アスコル
ビン酸ナトリウムが好適に用いられる。これらの中でも
L(+)酒石酸ナトリウムが好ましく用いられる。L
(+)酒石酸ナトリウムを用いた場合、上記利点に加え
て、乳化重合時にpH調整を行わない場合でも重合コン
トロール性に優れ、さらには乳化重合後通常行われるア
ンモニア、苛性ソーダ等のアルカリによるpH調整も不
要となる長所がある。過酸化水素の使用量は、全単量体
100重量部に対し0.01〜2重量部であることが好
適であり、さらに好適には0.02〜0.15重量部で
ある。
アスコルビン酸およびこれらの金属塩から選ばれる少な
くとも一種の化合物との使用割合は特に制限されない
が、通常過酸化水素100重量部に対して、上記化合物
を50〜200重量部、好ましくは70〜180重量
部、より好ましくは80〜170重量部である。上記化
合物をこの範囲で使用することにより、乳化重合コント
ロール性が良好となる。該レドックス系重合開始剤の量
は、未反応酢酸ビニルモノマーが5重量%になるまでに
用いる量を示す。
を3〜7に調整することが好適であり、さらに好ましく
は4〜6に調整する。pHをこの範囲に調整することに
より、乳化重合コントロール性が良好となる。乳化重合
系のpHの調整方法は特に制限されず、任意の緩衝剤を
用いることが可能であるが、通常、酢酸ナトリウム、酢
酸/酢酸ナトリウム系、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリ
ウムなどが好ましく用いられる。本発明において、乳化
重合系のpHとは、重合初期から重合終了までのpHを
言い、本発明においては重合系のどの時点においてもp
Hが3〜7にあることが好適である。
合物を添加することが必須である。鉄化合物としては特
に制限されないが、塩化第一鉄、硫酸第一鉄、塩化第二
鉄、硝酸第二鉄、硫酸第二鉄から選ばれる少なくとも1
種の鉄化合物が好ましく用いられ、中でも塩化第一鉄、
硫酸第一鉄が特に好ましく用いられる。
通常全単量体に対して1〜100ppm、より好ましく
は5〜50ppmである。鉄化合物をこの範囲で使用す
ることにより、着色が少なく、乳化重合コントロール性
も良好となる。
特に制限されない。過酸化水素は通常の乳化重合で行わ
れる方法、すなわち、重合開始初期にショットで添加す
る方法、重合中に逐次的に添加する方法などが挙げられ
る。酒石酸、エリソルビン酸、アスコルビン酸およびこ
れらの金属塩から選ばれる少なくとも一種の化合物は、
乳化重合初期に全量を添加して用いても良いし、乳化重
合中に逐次的に添加する方法でも構わないが、酒石酸お
よび/またはその金属塩(とくにナトリウム塩)は全量
を乳化重合初期に添加して用い、エリソルビン酸、アス
コルビン酸および/またはその金属塩(とくにナトリウ
ム塩)は逐次的に添加して用いるのが好適である。鉄化
合物の添加方法も特に制限されないが、通常、乳化重合
初期に全量を添加して用いる。
化重合後に添加することが必須である。ここで乳化重合
後とは、重合系において未反応の酢酸ビニルモノマー量
が5重量%以下、好ましくは4重量%以下になった時点
をいう。好適な無機系還元剤の添加時期は、乳化重合終
了後、脱エチレン操作を行う前あるいは後である。無機
系還元剤としては特に制限されないが、亜硫酸塩類が好
ましく用いられる。亜硫酸塩類としては、亜硫酸ナトリ
ウム、亜硫酸カリウム、亜硫酸アルミニウム、亜硫酸ア
ンモニウム、亜硫酸亜鉛、亜硫酸カルシウム、亜硫酸マ
グネシウム、亜硫酸クロム、亜硫酸水素ナトリウム、亜
硫酸水素アンモニウム、亜硫酸水素カルシウム、亜硫酸
水素カリウム、ピロ亜硫酸アンモニウム、ピロ亜硫酸ナ
トリウム、ピロ亜硫酸カリウムなどが挙げられる。これ
らの中でも亜硫酸水素ナトリウム、ピロ亜硫酸ナトリウ
ム、亜硫酸水素アンモニウムなどが好ましく用いられ
る。
が、通常、重合後のエマルジョン固形分100重量部に
対して、0.01〜10重量部、好ましくは0.02〜
5重量部、より好ましくは0.03〜3重量部である。
無機系還元剤をこの範囲で使用することにより、エマル
ジョン中のアルデヒド化合物の残存量を低減させること
ができ、また得られるエマルジョンの臭気を低減させる
ことができる。
合系中の未反応酢酸ビニルモノマー量を低減する目的で
ヒドロパーオキサイド類を添加しても構わない。ヒドロ
パーオキサイド類の添加時期は特に限定されないが、通
常、重合後半すなわち残存酢酸ビニルモノマーが10重
量%以下、好ましくは5重量%以下になってから添加さ
れる。この時点でヒドロパーオキサイド類を添加するこ
とにより、着色が少なく、乳化重合コントロール性も良
好となる。ヒドロパーオキサイド類としては、t−ブチ
ルヒドロパーオキサイド、キュメンヒドロパーオキサイ
ド、ジイソプロピルベンゼンヒドロパーオキサイド、p
−メンタンヒドロパーオキサイド、1,1,3,3−テ
トラメチルブチルヒドロパーオキサイド、過酸化水素な
どが挙げられ、中でもt−ブチルヒドロパーオキサイ
ド、キュメンヒドロパーオキサイドが好ましく用いられ
る。
0〜70kg/cm2の加圧下に行われるが、乳化重合
途中で、たとえば残存酢酸ビニル濃度が10重量%とな
った時点で、最初の重合圧力より5〜35kg/cm2
低い圧力下、好適には10〜30kg/cm2低い圧力
下に調整してエチレンの一部を放出することが好適であ
る。
−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンは、エマルジ
ョン中に含まれるホルムアルデヒド濃度が1ppm以
下、アセトアルデヒド濃度が1ppm以下である。ここ
でエマルジョン中のホルムアルデヒド濃度及びアセトア
ルデヒド濃度の測定は、ガス検知管を用いて行った数値
をいう。エマルジョン中に含まれるホルムアルデヒド濃
度あるいはアセトアルデヒド濃度が1ppmを超える場
合、いわゆるノンアルデヒドエマルジョンということは
出来ず、本発明の目的を達成することができない。
酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンは、そのままで各
種用途に用いることができるが、必要に応じ、本発明の
効果を損なわない範囲で、従来公知の各種エマルジョン
を添加して用いることができる。なお、本発明に用いる
分散剤としては、上記のPVA系重合体が用いられる
が、必要に応じて、従来公知のアニオン性、ノニオン性
あるいはカチオン性の界面活性剤や、ヒドロキシエチル
セルロースなどを併用することもできる。
−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンは、エマルジ
ョン中にホルムアルデヒド、アセトアルデヒドなどのア
ルデヒド化合物を含有せず、また臭気もほとんどないた
め、環境負荷の極めて少ないものであり、壁紙用ベース
エマルジョン、建材特に内装用接着剤、塗料などとして
好ましく用いられ、また紙管、製袋、合紙、段ボール用
等の紙、パルプなどの紙加工用接着剤、一般木工等の木
工用接着剤および各種プラスチック用の接着剤、含浸紙
用、不織製品用のバインダー、セメントモルタル用混和
剤、セメントモルタル用打継ぎ材、紙加工および繊維加
工などの分野でも好適に用いられる。
らに詳細に説明する。なお、以下の実施例および比較例
において「部」および「%」は、特に断らない限り重量
基準を意味する。また、得られたエマルジョン中のホル
ムアルデヒド濃度、アセトアルデヒド濃度などのエマル
ジョン物性、乳化重合のコントロール性などを下記の要
領で評価した。
し、40℃×1hr加温した後、ガス検知管(No.17
1SB:光明理化学工業製、100ml吸引)で測定。 (2)アセトアルデヒド含有量 10mlガラスバイアルにエマルジョンを0.1g採取
し、40℃×1hr加温した後、ガス検知管(No.13
3SB:光明理化学工業製、100ml吸引)で測定。 (3)乳化重合のコントロール性 過酸化水素の添加を停止した際、速やかに重合による発
熱が停止するか否か、あるいは過酸化水素の添加を開始
した際、速やかに重合が進行し発熱がおこるか否かを観
察し、下記の基準で評価した。すなわち、過酸化水素の
添加、添加停止により、重合温度を調整し、重合温度6
0℃を中心として温度の振れ幅がどの程度になるかによ
り評価した。 ◎ コントロール性非常に良好(温度の振れ幅が◎±1
℃以内) ○ コントロール性良好(温度の振れ幅が◎±3℃以
内) △ コントロール性やや不良(温度の振れ幅が◎±5℃
以内) × コントロール不可(温度の振れ幅が◎±5℃以上) (4)臭気 水性エマルジョンの臭気程度を官能試験により調べ下記
の基準で評価した。 ○:臭気がほとんど感じられない △:僅かに臭気が感じられる ×:臭気が激しく感じられる
トルオートクレーブにPVA−1{重合度1700、け
ん化度88モル%、(株)クラレ製PVA−217}を
1061g、イオン交換水19440g、L(+)酒石
酸8.3g、酢酸ナトリウム10g、塩化第一鉄0.4
gを仕込み、95℃で完全に溶解し、その後60℃に冷
却し、窒素置換を行った。水溶液のpHを確認したとこ
ろpH=5.5であった。次に酢酸ビニル22360g
を仕込んだ後、エチレンを45kg/cm2まで加圧し
て導入し、0.4%過酸化水素水溶液1000gを5時
間かけて圧入し、60℃で乳化重合を行った。残存酢酸
ビニル濃度が10%となったところで、エチレンを放出
し、エチレン圧力20kg/cm2とし、3%過酸化水
素水溶液50gを圧入し、重合を完結させた。冷却後、
pHを確認したところpH=4.1であった。10%水
酸化ナトリウム水溶液を230g添加しエマルジョンの
pHを5.5に調整し、60メッシュのステンレス製金
網を用いてろ過した。その後、エマルジョン100gに
対し、亜硫酸水素ナトリウムを1g配合し、固形分濃度
54.4%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸
ビニル共重合体系樹脂エマルジョンが得られた。評価を
前述の方法により行った。結果を表1に示す。
L(+)酒石酸ナトリウムを12.7g用いた他は、実
施例1と同様にして乳化重合を行い、固形分濃度54.
4%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル
共重合体系樹脂エマルジョンを得た。得られたエマルジ
ョンの評価を実施例1と同様に行った結果を表1に併せ
て示す。
アスコルビン酸ナトリウムを12.7g用いた他は、実
施例1と同様にして乳化重合を行い、固形分濃度54.
4%、エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル
共重合体系樹脂エマルジョンを得た。得られたエマルジ
ョンの評価を実施例1と同様に行った結果を表1に併せ
て示す。
トを用いた他は、実施例1と同様にして乳化重合を行
い、固形分濃度54.4%、エチレン含量18重量%の
エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンを得
た。得られたエマルジョンの評価を実施例1と同様に行
った結果を表1に併せて示す。
亜硫酸ナトリウムを用いた他は、実施例1と同様にし
て、固形分濃度54.4%、エチレン含量18重量%の
エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンを得
た。得られたエマルジョンの評価を実施例1と同様に行
った結果を表1に併せて示す。
酸水素アンモニウムを用いた他は、実施例1と同様にし
て、固形分濃度54.4%、エチレン含量18重量%の
エチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンを得
た。得られたエマルジョンの評価を実施例1と同様に行
った結果を表1に併せて示す。
例1と同様にして乳化重合を試みたが、重合のコントロ
ール性が乏しく危険であったため途中で中止した。
他は、実施例1と同様にして、固形分濃度54.4%、
エチレン含量18重量%のエチレン−酢酸ビニル共重合
体系樹脂エマルジョンを得た。得られたエマルジョンの
評価を実施例1と同様に行った結果を表1に併せて示
す。なお、表1中のEmはエマルジョンを示す。
ール性に優れ、また得られるエチレン−酢酸ビニル共重
合体系樹脂エマルジョンは、エマルジョン中にホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒドなどのアルデヒド化合物を
ほとんどまたはまったく含有せず、また臭気もほとんど
ないため、環境負荷が少ない。
Claims (4)
- 【請求項1】 けん化度70モル%以上のビニルアルコ
ール系重合体を分散剤として、エチレンおよび酢酸ビニ
ルを乳化重合する際に、過酸化水素と酒石酸、エリソル
ビン酸、アスコルビン酸およびこれらの金属塩から選ば
れる少なくとも一種の化合物とからなるレドックス系重
合開始剤を用い、鉄化合物を添加して乳化重合し、乳化
重合後に無機系還元剤を添加することを特徴とするエチ
レン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンの製造方
法。 - 【請求項2】 無機系還元剤が、亜硫酸塩類である請求
項1記載のエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマル
ジョンの製造方法。 - 【請求項3】 レドックス系重合開始剤が、過酸化水素
と酒石酸および/または酒石酸ナトリウムとからなるレ
ドックス系重合開始剤である請求項1または2記載のエ
チレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョンの製造
方法。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかに記載の方法に
より得られたエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマ
ルジョンであり、ホルムアルデヒド濃度が1ppm以下
であり、かつアセトアルデヒド濃度が1ppm以下であ
るエチレン−酢酸ビニル共重合体系樹脂エマルジョン。
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