JP2003171395A - ペプチド化合物の新規製造法 - Google Patents

ペプチド化合物の新規製造法

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JP2003171395A
JP2003171395A JP25974299A JP25974299A JP2003171395A JP 2003171395 A JP2003171395 A JP 2003171395A JP 25974299 A JP25974299 A JP 25974299A JP 25974299 A JP25974299 A JP 25974299A JP 2003171395 A JP2003171395 A JP 2003171395A
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Masaharu Ichihara
正治 市原
Koji Machitani
晃司 町谷
Yasuhiro Morinaga
泰浩 森永
Nobutaka Kawai
伸高 河合
Kazuo Ike
和夫 池
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Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Fujisawa Pharmaceutical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ペプチド化合物(I)の新規な工
業的製造法を提供するものである。 【解決手段】 式: 【化1】 [式中、R2は低級アルキル基、R3はアル(低級)アル
キル基を意味する]で示される化合物またはアミノ基に
おけるその反応性誘導体またはその塩を、式: 【化2】 [式中、R1は低級アルキル基を意味する]で示される化
合物またはカルボキシ基におけるその反応性誘導体また
はその塩と反応させて、式: 【化3】 [式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前と同じ意味)で
示されるペプチド化合物またはその塩類の製造法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明はタキキニン拮抗作
用、特にサブスタンスP拮抗作用、ニューロキニンA拮
抗作用、ニューロキニンB拮抗作用などの薬理活性を有
するペプチド化合物またはその塩を少ない工程数で効率
よく製造することのできる方法に関する。
【0002】この方法によって得られるペプチド化合物
またはその塩は、ヒトまたは動物におけるタキキニン介
在性疾患、例えば、喘息、気管支炎、鼻炎、咳、喀痰な
どの呼吸器疾患;結膜炎、春季カタルなどの眼疾患;接
触性皮膚炎、アトピー性皮膚炎、じんま疹、その他の湿
疹様皮膚炎などの皮膚疾患;慢性関節リウマチ、変形性
関節炎などの炎症性疾患;疼痛(例えば、片頭痛、頭
痛、歯痛、癌性疼痛、背痛等)などの治療または予防に
有用である。
【0003】
【従来の技術】本出願人は、タキキニン拮抗剤として有
用な化合物として、下記一般式(I)で示されるペプチ
ド化合物またはその塩を開示している(特開平4−21
0996号)。
【化5】
【0004】一般式(I)で示されるペプチド化合物ま
たはその塩を製造する方法として上記公開公報に開示さ
れている方法を以下に示す。
【0005】
【化6】
【0006】
【化7】
【0007】ところが上記の方法は、C末端から保護、
脱保護を繰り返しペプチド鎖を伸長する一般的なペプチ
ド化合物の製造法であるが、工程数が多い(3工程から
なる)ため製造が煩雑であるばかりでなく、最終工程に
おいて再結晶操作も必要となり、全工程を通すと目的物
質の収率は低くなり、製造コストを高める要因となって
いる。また、反応試剤として塩化メチレンを使用してお
り環境面で問題がある。そこで、式(I)のペプチド化合
物をより少ない工程数でしかも高収率で得られる新規の
製造法の提供が切望されていた。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この発明は上記事情に
鑑みてなされたものであり、その目的は、ペプチド化合
物またはその塩を、少ない工程で収率よく得ることので
きる新規な製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するこの
発明の製造方法は、式(II):
【化8】
【0010】[式中、R2は低級アルキル基、R3はアル
(低級)アルキル基を意味する]で示される化合物また
はアミノ基におけるその反応性誘導体またはその塩を、
式(III):
【化9】 [式中、R1は低級アルキル基を意味する]で示される化
合物またはカルボキシ基におけるその反応性誘導体また
はその塩と反応させて、式(I):
【0011】
【化10】 [式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前と同じ意味]
で示されるペプチド化合物またはその塩類を得るところ
に要旨を有するものである。原料化合物(III)は新
規であり、下記反応式で説明される製造法により製造す
ることができる。
【0012】
【化11】 [式中、R1は前と同じ意味]。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明者らは、上記目的を達成す
るため鋭意検討を進めた結果、1ステップで、しかも収
率良く上式(I)のペプチド化合物が得られる方法を見
出し、この発明を完成したのである。
【0014】本発明で用いられる原料化合物および目的
化合物の好適な塩類は常用の無毒性塩類であり、例えば
酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、マレイン酸塩、酒石酸
塩、メタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、ギ酸
塩、トルエンスルホン酸塩等の有機酸塩、例えば塩酸
塩、臭化水素酸塩、沃化水素酸塩、硫酸塩、硝酸塩、リ
ン酸塩等の無機酸塩のような酸付加塩、または例えばア
ルギニン、アスパラギン酸、グルタミン酸等のアミノ酸
との塩、または例えばナトリウム塩、カリウム塩等のア
ルカリ金属塩および例えばカルシウム塩、マグネシウム
塩等のアルカリ土類金属塩のような金属塩、アンモニウ
ム塩、例えばトリメチルアミン塩、トリエチルアミン
塩、ピリジン塩、ピコリン塩、ジシクロヘキシルアミン
塩、N,N′−ジベンジルエチレンジアミン塩等の有機
塩基塩等が挙げられる。
【0015】この明細書の以上および以下の記載におい
てこの発明の範囲内に包含される種々の定義の好適な例
および説明を以下詳細に述べる。「低級」とは、特に指
示がなければ、炭素原子1ないし6個、好ましくは1な
いし4個を意味するものとする。
【0016】好適な「低級アルキル基」としては、メチ
ル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブ
チル、第三級ブチル、ペンチル、ヘキシル等のような直
鎖または分枝鎖アルキル基が挙げられるが、最も好まし
いものはメチル基である。
【0017】好適な「アル(低級)アルキル基」として
は、例えばトリチル、ベンズヒドリル、ベンジル、フェ
ネチル等のアル(低級)アルキル基等のようなアミノ酸
およびペプチド化学の分野で使用される常用の基が挙げ
られる。好適な「アミノ保護基」としては、アミノ酸お
よびペプチド化学の分野で使用される常用の保護基、す
なわち、例えばホルミル、アセチル、プロピオニル、ブ
チリル、イソブチリル、バレリル、イソバレリル、ピバ
ロイル、ヘキサノイル等の低級アルカノイル基、例えば
メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシ
カルボニル、ブトキシカルボニル、第三級ブトキシカル
ボニル等の低級アルコキシカルボニル基等のようなアシ
ル基が挙げられる。
【0018】本発明の目的化合物(I)の製造法を以下
詳細に説明する。目的化合物(I)またはその塩は、化
合物(II)またはアミノ基におけるその反応性誘導体
またはその塩を、化合物(III)またはカルボキシ基
におけるその反応性誘導体またはその塩と反応させるこ
とにより製造することができる。
【0019】化合物(II)のアミノ基における好適な
反応性誘導体としては、化合物(II)とアルデヒド、
ケトン等のようなカルボニル化合物との反応によって生
成するシッフの塩基型イミノまたはそのエナミン型互変
異性体;化合物(II)とビス(トリメチルシリル)ア
セトアミド、モノ(トリメチルシリル)アセトアミド、
ビス(トリメチルシリル)尿素等のようなシリル化合物
との反応によって生成するシリル誘導体;化合物(I
I)と三塩化リンまたはホスゲン等との反応によって生
成する誘導体が挙げられる。
【0020】化合物(III)のカルボキシ基における
好適な反応性誘導体としては、酸ハロゲン化物、酸無水
物、活性化アミド、活性化エステル等が挙げられる。反
応性誘導体の好適な例としては、酸塩化物;酸アジ化
物;例えばジアルキルリン酸、フェニルリン酸、ジフェ
ニルリン酸、ジベンジルリン酸、ハロゲン化リン酸等の
置換されたリン酸、ジアルキル亜リン酸、亜硫酸、チオ
硫酸、硫酸、例えばメタンスルホン酸等のスルホン酸、
例えば酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、ピバリン
酸、ペンタン酸、イソペンタン酸、2−エチル酪酸、ト
リクロロ酢酸等の脂肪族カルボン酸または例えば安息香
酸等の芳香族カルボン酸のような酸との混合酸無水物;
対称酸無水物;イミダゾール、4−置換イミダゾール、
ジメチルピラゾール、トリアゾールまたはテトラゾール
との活性化アミド;または例えばシアノメチルエステ
ル、メトキシメチルエステル、ジメチルイミノメチルエ
ステル、ビニルエステル、プロパルギルエステル、p−
ニトロフェニルエステル、2,4−ジニトロフェニルエ
ステル、トリクロロフェニルステル、ペンタクロロフェ
ニルエステル、メシルフェニルエステル、フェニルアゾ
フェニルエステル、フェニルチオエステル、p−ニトロ
フェニルチオエステル、p−クレジルチオエステル、カ
ルボキシメチルチオエステル、ピラニルエステル、ピリ
ジルエステル、ピペリジルエステル、8−キノリルチオ
エステル等の活性化エステル、または例えばN,N−ジ
メチルヒドロキシルアミン、1−ヒドロキシ−2−(1
H)−ピリドン、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−
ヒドロキシフタルイミド、1−ヒドロキシ−1H−ベン
ゾトリアゾール等のN−ヒドロキシ化合物とのエステル
等が挙げられる。これらの反応性誘導体は使用すべき化
合物(III)の種類に従ってそれらの中から任意に選
択することができる。
【0021】反応は通常、水、例えばメタノール、エタ
ノール等のアルコール、アセトン、ジオキサン、アセト
ニトリル、クロロホルム、塩化メチレン、塩化エチレ
ン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、N,N−ジメチ
ルホルムアミド、ピリジンのような常用の溶媒中で行わ
れるが、反応に悪影響を及ぼさない溶媒であれば、その
他のいかなる有機溶媒中でも反応を行うことができる。
これらの常用の溶媒は水との混合物として使用してもよ
い。
【0022】この反応において化合物(III)を遊離
酸の形またはその塩の形で使用する場合には、N,N′
−ジシクロヘキシルカルボジイミド;N−シクロヘキシ
ル−N′−モルホリノエチルカルボジイミド;N−シク
ロヘキシル−N′−(4−ジエチルアミノシクロヘキシ
ル)カルボジイミド;N,N’−ジエチルカルボジイミ
ドN,N′−ジイソプロピルカルボジイミド;N−エチ
ル−N′−(3−ジメチアミノプロピル)カルボジイミ
ド;N,N′−カルボニルビス(2−メチルイミダゾー
ル);ペンタメチレンケテン−N−シクロヘキシルイミ
ン;ジフェニルケテン−N−シクロヘキシルイミン;エ
トキシアセチレン、1−アルコキシ−1−クロロエチレ
ン;亜リン酸トリアルキル;ポリリン酸エチル;ポリリ
ン酸イソプロピル;オキシ塩化リン(塩化ホスホリ
ル);三塩化リン;ホスホリルアジ化ジフェニル;塩化
チオニル;塩化オキサリル;例えばクロロギ酸エチル、
クロロギ酸イソプロピル等のハロギ酸低級アルキル;ト
リフェニルホスフィン;2−エチル−7−ヒドロキシベ
ンズイソオキサゾリウム塩;2−エチル−5−(m−ス
ルホフェニル)イソオキサゾリウムヒドロキシド分子内
塩;ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾール−1−イ
ル−オキシ−トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム;
1−(p−クロロベンゼンスルホニルオキシ)−6−ク
ロロ−1H−ベンゾトリアゾール;N,N−ジメチルホ
ルムアミドと塩化チオニル、ホスゲン、クロロギ酸トリ
クロロメチル、オキシ塩化リン等との反応によって調製
したいわゆるビルスマイヤー試薬等のような常用の縮合
剤の存在下に反応を行うのが望ましい。
【0023】反応はまた、アルカリ金属炭酸水素塩、ト
リ(低級)アルキルアミン、ピリジン、N−(低級)ア
ルキルモルホリン、N,N−ジ(低級)アルキルベンジ
ルアミン等のような無機塩基または有機塩基の存在下に
行ってもよい。反応温度は特に限定されないが、通常は
冷却下ないし加温下に反応が行われる。また原料化合物
(III)の製造法を以下詳細に説明する。化合物(I
II)またはその塩は、化合物(VII)またはカルボ
キシ基におけるその反応性誘導体またはその塩を、化合
物(VIII)またはイミノ基におけるその反応性誘導
体またはその塩と反応させることにより製造することが
できる。
【0024】化合物(VII)および化合物(VII
I)の好適な塩類については、化合物(I)について例
示したものを参照すればよい。この反応は前記化合物
(I)の製造法と実質的に同様にして行うことができ、
従ってこの反応の反応方式および例えば反応性誘導体、
溶媒、反応温度等の反応条件については前記製造法の説
明を参照すればよい。
【0025】上記製造法によって得られた化合物は、粉
砕、再結晶、カラムクロマトグラフィー、再沈殿等のよ
うな常法により単離、精製することができる。
【0026】尚、化合物(I)およびその他の化合物
は、不斉炭素による立体異性体を1個またはそれ以上含
有することがあるが、これらの異性体およびそれらの混
合物もすべてこの発明の範囲に含まれる。以下、製造例
および実施例に従ってこの発明をさらに詳細に説明す
る。
【0027】
【実施例】製造例1 乾燥した反応釜に窒素置換後、テトラヒドロフラン(4
2.5l)、(4R)−4−ヒドロキシ−L−プロリン
(7.00kg)、ヘキサメチルジシラザン(9.40
kg)、トリメチルシリルクロリド(6.33kg)を
順次仕込み、内温約50℃で約1時間シリル化反応を行
った。反応終了後、窒素気流下0−10℃まで冷却し
た。一方、別の反応釜にテトラヒドロフラン(42.5
l)、N−メチルインドール−3−カルボン酸(8.5
0kg)、ジメチルホルムアミド(0.71kg)を順
次仕込み、窒素気流下0−10℃まで冷却した。冷却
下、チオニルクロリド(6.93kg)を加え、内温2
0−30℃で約1時間酸クロ化反応を行った。酸クロ反
応液を減圧下濃縮乾固し、過剰の酸成分を除去した。析
出した結晶をテトラヒドロフラン(42.5l)に溶解
し、先に調製したシリル化反応液中へ内温0−20℃で
滴下した。滴下後、20−30℃で約1時間アミド化反
応を行い、次いで、冷却下トリエチルアミン(4.91
kg)を滴下し、内温20−30℃で約30分間反応を
行った。アミド化反応終了後、これに10%クエン酸水
溶液(85l)を内温10−30℃を加え、内温20−
30℃で12時間以上攪拌した。脱シリル化反応終了
後、反応液中のテトラヒドロフラン(約85l)を減圧
下濃縮し、内温20−30℃で1時間以上熟成した。析
出した結晶を遠心分離器で濾過し、得られた結晶を水
(42.5l)で洗浄し、乾燥して、(4R)−4−ヒ
ドロキシ−1−(1−メチルー1H−インドール−3イ
ル)カルボニル−L−プロリン(13.5kg)を得
た。(収率96.5%)
【0028】IR(paste): 3320,173
0,1590,1580,1210,1190cm-1 NMR(DMSO−d6): 1.8−2.3(2H,
m),3.65(1H,d,J=10.8Hz),3.
7−4.0(1H,m),3.85(3H,s),4.
3−4.4(1H,m),4.53(1H,t,J=
8.5Hz),5.09(1H,d,J=2.0H
z),7.0−7.2(2H,m),7.48(1H,
d,J=7.8Hz),7.91(1H,s),8.0
5(1H,d,J=7.8Hz),12.4(1H,b
r.s)
【0029】実施例1 反応釜を窒素置換後、ジメチルホルムアミド(80
l)、N−ベンジル−N−メチル−3−(2−ナフチ
ル)−L−アラニンアミド塩酸塩(16.0kg)、
(4R)−4−ヒドロキシ−1−(1−メチルー1H−
インドール−3イル)カルボニル−L−プロリン(1
3.0kg)、ヒドロキシベンゾトリアゾール(8.5
3kg)を順次仕込み、窒素気流下冷却下、N−エチル
−N′−(3−ジメチアミノプロピル)カルボジイミド
塩酸塩(10.4kg)、トリエチルアミン(5.02
kg)を順次仕込み、内温20−30℃で約2時間反応
を行った。反応終了後、反応液に酢酸エチル(320
l)及び水(320l)を加え、内温20−30℃で攪
拌、静置後、有機層を分取した。得られた有機層に洗浄
の都度メタノール(16l)を加えながら、5%重曹水
(80l)で2回、1N−塩酸(80l)、水(80
l)で各々洗浄した。得られた有機層を減圧下、濃縮乾
固し、再度、酢酸エチル(240l)で溶解し、減圧
下、濃縮乾固した。濃縮残渣に酢酸エチル(240l)
を加え、内温75−80℃で溶解後、内温20−30℃
まで冷却し、結晶を析出させた。同温度下で1時間以上
熟成後、析出結晶を遠心分離機で濾過した。濾過した結
晶を酢酸エチル(80l)にて洗浄し、乾燥後、N2−
[(4R)−4−ヒドロキシ−1−(1−メチル−1H
−インドール−3イル)カルボニル−L−プロリル]−
N−ベンジル−N−メチル−3−(2−ナフチル)−L
−アラニンアミド(26.5kg)を粗結晶として得
た。反応釜にエタノール(69l)を仕込み、内温20
−30℃まで昇温し、上記粗結晶(23.0kg)を仕
込み懸濁後、さらに内温55−65℃まで昇温し溶解
後、内温20−35℃まで冷却し、さらにUF水を仕込
み冷却し、滴下し晶析した。濾過した結晶をUF水にて
洗浄後、乾燥して精N2−[(4R)−4−ヒドロキシ
−1−(1−メチル−1H−インドール−3イル)カル
ボニル−L−プロリル]−N−ベンジル−N−メチル−
3−(2−ナフチル)−L−アラニンアミドの無晶形粉
末(22.5kg)を得た。(収率88.2%)
【0030】IR(paste): 3310,305
0,1639,1597,1531,1246,112
4,1080,821,748,700cm-1 NMR(DMSO−d6): 1.6−2.2(2H,
m),2.81(3H,s),2.9−3.4(2H,
m),3.69(1H,d),3.71−4.1(1
H,m),3.85(3H,s),4.1−4.4(2
H,m),4.49(1H,m),4.6−4.9(1
H,m),5.05(1H,d),5.0−5.2(1
H,m),6.88(2H,d),6.9−7.3(6
H,m),7.4−7.6(3H,m),7.6−8.
0(5H,m),8.11(1H,d),8.54(1
H,d)
【0031】参考例1−(1) N−ベンジル−N−メチル−3−(2−ナフチル)−L
−アラニンアミド塩酸塩(1.5g)、1−第3級ブト
キシカルボニル−(4R)−4−ヒドロキシ−L−プロ
リン(0.98g)およびヒドロキシベンゾトリアゾー
ル(0.57g)の塩化メチレン(40ml)およびジ
メチルホルムアミド(5ml)の混合溶媒中氷冷溶液に
N−エチル−N′−(3−ジメチアミノプロピル)カル
ボジイミド(0.77ml)を加えた。溶液を同温で1
時間、室温で一夜攪拌した。溶媒を留去した後、反応混
合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を順次炭酸水素ナト
リウム水溶液、水、0.5N塩酸、水および塩化ナトリ
ウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。溶
媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラム(75g)で
精製し、クロロホルムとメタノールとの混合溶媒(5
0:1)で溶出して、N2−[1−第3級ブトキシカル
ボニル−(4R)−4−ヒドロキシ−L−プロリル]−
N−ベンジル−N−メチル−3−(2−ナフチル)−L
−アラニンアミド(1.74g)を無定形固体として得
た。(収率77.3%)
【0032】参考例1−(2) N2−[1−第3級ブトキシカルボニル−(4R)−4
−ヒドロキシ−L−プロリル]−N−ベンジル−N−メ
チル−3−(2−ナフチル)−L−アラニンアミド
(1.07g)の塩化メチレン(11ml)氷冷溶液に
1,4−ジオキサン中4N塩化水素(8.2ml)を加
える。溶液を同温で5分間、室温で55分間攪拌する。
溶媒を留去後、残渣をジイソプロピルエーテルで粉砕
し、濾取、乾燥して、N2−[(4R)−4−ヒドロキ
シ−L−プロリル]−N−ベンジル−N−メチル−3−
(2−ナフチル)−L−アラニンアミド塩酸塩(0.9
0g)を得た。(収率95.6%)
【0033】参考例1−(3) 1−メチルインドール−3−カルボン酸(0.33
g)、N2−[(4R)−4−ヒドロキシ−L−プロリ
ル]−N−ベンジル−N−メチル−3−(2−ナフチ
ル)−L−アラニンアミド塩酸塩(0.88g)および
ヒドロキシベンゾトリアゾール(0.25g)の氷冷溶
液にN−エチル−N′−(3−ジメチアミノプロピル)
カルボジイミド(0.34ml)を加えた。溶液を同温
で1時間、室温で一夜攪拌した。溶媒を留去した後、反
応混合物を酢酸エチルで抽出し、有機層を順次炭酸水素
ナトリウム水溶液、水、0.5N塩酸、水および塩化ナ
トリウム水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥し
た。溶媒を留去した後、残渣をシリカゲルカラム(50
g)で精製し、クロロホルムとメタノールとの混合溶媒
(50:1)で溶出する。所望の化合物を含む画分を集
めて溶媒を留去した。次いで残渣を酢酸エチルから結晶
化させ、濾取、乾燥して、N2−[(4R)−4−ヒド
ロキシ−1−(1−メチル−1H−インドール−3イ
ル)カルボニル−L−プロリル]−N−ベンジル−N−
メチル−3−(2−ナフチル)−L−アラニンアミド
(0.66g)を得た。(収率59.5%)
【0034】
【発明の効果】この発明の製造方法は、上記のように構
成されており、タキキニン拮抗作用などの薬理活性を有
するペプチド化合物またはその塩を、従来法に比べて少
ない工程数で収率よく製造することができた。また、反
応試剤として塩化メチレンを使用しなくてすみ環境面で
の問題もないという効果も奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池 和夫 箕面市瀬川2丁目4番16−103号 Fターム(参考) 4C063 AA01 BB04 CC06 DD03 EE01 4H045 AA10 AA20 BA11 BA51 EA20 EA22 FA44 GA40

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 式: 【化1】 [式中、R2は低級アルキル基、R3はアル(低級)アル
    キル基を意味する]で示される化合物またはアミノ基に
    おけるその反応性誘導体またはその塩を、式: 【化2】 [式中、R1は低級アルキル基を意味する]で示される化
    合物またはカルボキシ基におけるその反応性誘導体また
    はその塩と反応させて、式: 【化3】 [式中、R1、R2およびR3はそれぞれ前と同じ意味)で
    示されるペプチド化合物またはその塩類の製造法。
  2. 【請求項2】 R1がメチル基、R2がメチル基、R3
    ベンジル基である請求項1記載の化合物の製造法。
  3. 【請求項3】 式: 【化4】 [式中、R1は低級アルキル基を意味する]で示される化
    合物またはその塩。
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