JP2003171240A - 白髪予防改善剤及び毛髪有効成分のスクリーニング方法 - Google Patents

白髪予防改善剤及び毛髪有効成分のスクリーニング方法

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JP2003171240A
JP2003171240A JP2002277531A JP2002277531A JP2003171240A JP 2003171240 A JP2003171240 A JP 2003171240A JP 2002277531 A JP2002277531 A JP 2002277531A JP 2002277531 A JP2002277531 A JP 2002277531A JP 2003171240 A JP2003171240 A JP 2003171240A
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Hiroshi Kurita
啓 栗田
Masanori Nishito
真紀 西戸
Hisao Shimogaki
久夫 霜垣
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Lion Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた白髪予防、抑制、改善効果を示す白髪
予防改善剤、及び白髪予防改善、或いはその他の毛髪の
有効成分としての信頼性が高く、優れた精度を示す毛髪
有効成分のスクリーニング方法を提供すること。 【解決手段】 本発明は、毛包を構成する細胞又は、毛
包に近接して存在する細胞に被験物質を接触させ、その
際に遺伝子発現量、又はタンパク質発現量の定量結果、
タンパク質や遺伝子と該被験物質又は、該被験物質とそ
の他の物質との相互作用を解析した結果、及び上記細胞
増殖に対する被験物質の作用を解析した結果、をデータ
ベースとして管理し、上記結果情報の少なくとも2つ以
上組み合わせることにより、毛髪有効成分を検出或いは
検定するスクリーニング方法、特に白髪予防改善物質に
関してはビチリゴマウス(C57BL/6 Mitfmi-vit )を用い
る方法及びその方法により得られる白髪予防改善物質を
使用した毛髪剤である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、白髪予防改善剤及
び白髪改善物質のスクリーニング方法に関するものであ
り、白髪の予防および改善をする効果に優れた新規有効
成分を用いた白髪予防改善剤、及び白髪予防改善効果を
発揮する有効成分を検出するスクリーニング方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、毛髪の毛球部に存在するメラノ
サイトは、通常、メラニンを活発に産生し、毛母ケラチ
ノサイトに輸送することで、毛髪の黒化に重要な役割を
果たしている。しかしながら、白髪においては、毛球部
に存在するメラノサイト、またはメラニン産生に関与す
る周辺細胞あるいはそこから放出される因子が、何らか
の原因で障害を受け、その機能を失うことにより、メラ
ニンを失った毛髪すなわち白髪ができると考えられてい
る(例えば、非特許文献1を参照。)。
【0003】また、美容上の観点から、白髪を改善する
手段として、従来、染毛剤が用いられてきているが、こ
のような染毛剤は効果が一過性のものであり、定期的な
使用に対する煩わしさや繰り返し使用することによる頭
皮の炎症、毛髪の損傷が課題となっている。更に、染毛
時の衣服、皮膚への色移り等使用上の課題があり、必ず
しも満足が得られるものではなかった。
【0004】白髪予防・改善に関する技術としては、植
物抽出物を有効成分とするものは従来までに数多く出さ
れている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献
3、特許文献4及び特許文献5を参照。)。しかしなが
ら、従来の白髪予防改善に関する技術では、その有効
性、有効成分の安定性及び安全性の面より、使用者が満
足するとは限らないのが現状である。例えば、メラニン
生成促進剤、チロシナーゼ賦活剤を与えても白髪改善効
果が低く、その原因としては、毛球部に存在するメラノ
サイトの数自体が減少している場合、メラニン産生を亢
進しても毛髪を黒化するのに十分な量のメラニンができ
ないことが原因であると推定されている。
【0005】一方、白髪の原因としては、毛髪内メラノ
サイトサイクルの異常によるものということが、本発明
者らの検討から明らかにされている(例えば、非特許文
献2を参照。)。このことから、従来の技術において効
果の高い物質が確保できなかった原因としては、精度の
高いスクリーニング系が十分に見出せていないと考えら
れる。従来、白髪予防、抑制、改善効果をもつ物質のス
クリーニング系としては、チロシナーゼの酵素活性を指
標にする方法(例えば、特許文献6を参照。)、メラノ
サイト、メラノーマを用いる方法(例えば、特許文献
7、特許文献1、及び特許文献8を参照。)、水浸スト
レスマウスを用いる方法(例えば、非特許文献3を参
照。)などがあるが、これまで効果的な白髪予防、抑
制、改善効果が得られる物質が見つかってこなかったこ
とから、その精度は低いと言わざるを得ない。
【0006】
【非特許文献1】「加齢と皮膚」、清至書院発行(著
者:高橋ら1986年6月)
【特許文献1】特開平9−263540号公報(第1
頁)
【特許文献2】特開平10−330218号公報(第1
頁)
【特許文献3】特開平11−228337号公報(第1
頁)
【特許文献4】特開平11−005720号公報(第1
頁)
【特許文献5】特開平10−095716号公報(第1
頁)
【非特許文献2】「日本皮膚科学会雑誌第100回日本
皮膚科学会雑誌抄録」(著者:栗田らの文献:P−29
2ヒト黒髪及び白髪メラノサイトの解析;第111巻pp
-511)
【特許文献6】特開平9−151130公報(第1頁)
【特許文献7】特開平9−143068公報(第1頁)
【特許文献8】特開2000−229889公報(第1
頁)
【非特許文献3】「香粧会誌」(著者:花田等;vol.21
pp.177-184 1997)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来技術の
課題などに鑑み、これを解決しようとするものであり、
優れた白髪予防、抑制、改善効果を示す白髪予防改善
剤、及び白髪予防改善、或いはその他の毛髪の有効成分
としての信頼性が高く、優れた精度を示す毛髪有効成分
のスクリーニング方法を提供することを目的としてい
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記目的を
達成するため鋭意研究した結果、毛髪有効成分をスクリ
ーニングするにあたって、毛包を構成する細胞及びその
近接細胞を被験物質に直接接触させて、該細胞における
遺伝子発現量、発現たんぱく質及びその量、またこれら
と被験物質との相互作用の解析、更には細胞増殖と被験
物質の作用解析等を多面的に捕らえてデータ解析する
と、例えば、白髪予防改善等の効果を示す毛髪有効成分
を信頼性、及び精度良くスクリーニングでき、特に、白
髪予防改善物質については、ビチリゴマウス(C57BL/6
Mitfmi-vit )を用いた新規なスクリーニング方法を併
用することにより、極めて信頼性、及び精度良くスクリ
ーニングできることを見出し、またこのようなスクリー
ニングにより新規な白髪予防改善物質が得られ、これを
用いて優れた白髪予防、抑制、改善効果を示す白髪予防
改善剤の本発明を完成するに至ったものである。
【0009】即ち、本発明に係る白髪予防改善剤及び毛
髪有効成分のスクリーニング方法は、下記(1)乃至
(5)に記載の構成或いは手段からなることを特徴とす
るものである。 (1) 下記の(a)乃至(e)物質の群のうちから1
つまたは2つ以上の物質を使用することを特徴とする白
髪予防改善剤。 {(a)テンマ(Gastrodia elata)、サンザシ(Crata
egus pinnatifida var.major N.E.Brown、Crataegus cu
neata Siebold et Zuccarini,C. pinnatifida Bunge、C
rataegus oxyacantha Linne)、クコシ(Lycium chinen
se,L. barbarum)、トチュウ(Eucommia ulmoides)、
ジュクジオウ(Rehmannia glutinosa var. purpurea Ma
kino)、ホコツシ(Psoralea corylifolia L.)、オウ
レン(Coptis japonica Makino)、イラクサ(Urtica d
ioica L. 、Urtica thunbergiana Sieb. et Zucc.)、
ジョテイシ(Ligustrum lucidum Ait.)、ゴシツ(Achy
ranthes fauriei,A. bidentata)、オオアザミ(Silybu
m marianum)、カキドオシ(Glechoma hederacea L. su
bsp. Grandis Hara)、クマツヅラ(Verbena officinal
is L.,V. citronela)、コウカサイ(Astragalus sinic
us L.)、サントリソウ(Cnicus benedictus)、セイヨ
ウキンミズヒキ(Agrimonia eupatoria)、チェスナッ
ト(Castanea sativa Miller,C. vesca Gaertn.,C. vul
garis Lam.)、テンコズイ(Hydrocotyle sibthorpioid
es)、ドモッコウ(Inula helenium)、ハゴロモグサ
(Alchimilla vulgaris L.)、ヒメツルニチニチソウ
(Vinca minorL.,Catharantus minor)、ベルガモット
(Citrus bergamia)、レンゲソウ(Astragalus sinicu
s Linne)、ロートコン(別名:ハシリドコロ)(Scopo
lia japonica)、(b)エンドセリンレセプターのアゴ
ニスト、(c)エンドセリン(ET)、ステムセルファク
タ(SCF:Stem Cell Factor)、ナーヴグロースファク
タ(NGF:Nerve Growth Factor)、ベーシックフィブロ
ブラストグロースファクタ(bFGF:basic Fibroblast G
rowth Factor)、ヘパトサイトグロースファクタ(HG
F:Hepatocyte Growth Factor)、マイクロフタルミナ
アソシエテッドトラスクリプションファクタ(MITF:mi
crophtalmia-associated transcription factor)の中
から単独あるいは複数の因子を生体内で発現する事がで
きるタンパク質発現ベクター、(d)インディルビン−
3‘−オキシム(以下インディルビン)(Indirubin-3'
-oxime)、 ヴァルプロエイト(Valproate)、リチウム
( Lithium)、 マランチド(Malantide)、 ケンプチ
ド(Kemptide)、 Ro 32-0432、 Ro 31-8220、アニソマ
イシン( Anisomycin)、 LY294002、 ウォルトマニン
(Wortmannin)、GF109203X、LY333531、メリッチン(M
elittin)、プソイドヒペリシン(Pseudohypericin)、ロ
ッテルリン(Rottlerin)及び、(e)へパリン並びにへ
パリン類似物質}
【0010】(2) 上記請求項1に記載された(a)
乃至(e)物質群のうち1つまたは2つ以上の物質と、
ペンタデカン酸グリセリドおよびその誘導体を含む奇数
鎖脂肪酸化合物とを組み合わせて使用することを特徴と
する白髪予防改善剤。
【0011】(3) 毛髪有効成分をスクリーニングす
る方法において、毛包を構成する細胞、或いは毛包に近
接して存在する細胞に被験物質を接触させ、その際に遺
伝子発現量、又はタンパク質発現量の定量結果、タンパ
ク質や遺伝子と該被験物質もしくは、該被験物質とその
他の物質との相互作用を解析した結果、及び上記細胞増
殖に対する被験物質の作用を解析した結果、をデータベ
ースとして管理し、上記結果情報の少なくとも2つ以上
組み合わせることにより上記有効成分を検出或いは検定
するスクリーニング方法。
【0012】(4) 毛髪有効成分の内の白髪予防改善
物質(候補物質)を選定するために、生後2〜12ヶ月齢
望ましくは4〜6ヶ月齢のビチリゴマウス(C57BL/6 Mitf
mi-vit、別名C57BL/6 mivit/vit)を使用して、上記被
験物質投与部位を背部前側に限定した、投与前後の体毛
重量あたりのメラニン量を測定することを特徴とする白
髪予防改善物質のスクリーニング方法。
【0013】(5) 上記被験物資が上記(1)に記載
の上記(a)乃至(d)物資であることを特徴とする上
記(3)又は(4)記載の白髪防止改善物質のスクリー
ニング方法。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る白髪予防改善
剤及び白髪改善物質のスクリーニング方法の好ましい実
施の形態を、添付図面を参照しながら詳述する。尚、本
発明に係る白髪予防改善剤及び白髪改善物質のスクリー
ニング方法は以下の実施形態及び実施例に限るものでは
ない。図1は、黒髪での発現量を100%として、白髪にお
ける発現量の変化を相対値として示した棒グラフによる
図である。図2は、脱毛処理前のメラニン含量を100%と
したときの脱毛処理後のメラニン含量を相対値で表わし
た棒グラフによる図である。図3は、各部位における脱
毛前後の毛髪質量あたりのメラニン量値を示す棒グラフ
による図である。
【0015】本発明に係る白髪予防改善剤及び白髪改善
物質のスクリーニング方法を説明するに当たって、最
初、本発明に係る白髪改善物質のスクリーニング方法に
ついて述べる。即ち、白髪の予防および改善に効果のあ
る白髪予防改善物質の有効成分をスクリーニングする方
法において、毛包を構成する細胞、或いは毛包に近接し
て存在する細胞に被験物質を接触させ、その際に遺伝子
発現量、又はタンパク質発現量の定量結果、タンパク質
や遺伝子と該被験物質もしくは、該被験物質とその他の
物質との相互作用を解析した結果、及び上記細胞増殖に
対する被験物質の作用を解析した結果、をデータベース
として管理し、上記結果情報の少なくとも2つ以上組み
合わせることにより上記有効成分を検出するものであ
る。
【0016】従来は養育毛剤や白髪改善剤の有効成分の
スクリーニングのためには求める効果に応じてスクリー
ニング系を新たに構築して被験物質の評価を行う必要が
あり、多大な労力と時間を必要としていた。近年のハイ
スループットなスクリーニングを行うための技術の進歩
には目覚しいものがあるが、多量の被験物質の効果を短
期間で試験できる方法であっても、求められる効果・効
能が異なれば初めからスクリーニング系を立ち上げる必
要があり、被験物質や必要な材料や時間の無駄が多く、
より効率的で短期間で行えるようなスクリーニングが求
められていた。
【0017】一般に毛髪は毛乳頭細胞、毛母細胞、外毛
根鞘細胞、毛球部のメラノサイト、外毛根鞘部のメラノ
サイト等で構成されており、その周囲に線維芽細胞、表
皮角化細胞、脂腺細胞が近接している。ヘアサイクルは
これらの細胞が種々の因子をやり取りし、相互作用を及
ぼしあうことによって調節されており、養育毛剤や白髪
改善・予防剤の有効成分の開発にはこのような生体のメ
カニズムを考慮することが必須である。しかし、従来の
in vitroスクリーニングでは評価系が単純すぎて、数種
類の細胞といくつもの因子が互いに与え合う影響を考慮
した上で被験物質を評価選択することは困難であった。
また、生体のメカニズムを反映させた系として、動物に
よるin vivoスクリーニングを行うこともできるが、多
数の物質を評価するためには多くの労力を必要とするた
め、短期間で多数の物質を評価するには困難があった。
上記単純化された系でスクリーニングされた物質は生体
に投与した際に実際の効果を発揮するとは限らず、適合
率は必ずしも高くはない。
【0018】そこで、本発明に係る白髪改善物質のスク
リーニング方法では、毛包を構成する細胞および毛包に
近接する細胞に接触させる。このような被験物質の影響
を試験する細胞は、具体的に毛乳頭細胞、毛母細胞、外
毛根鞘細胞、線維芽細胞、表皮角化細胞、脂腺細胞を利
用し、これらの細胞を培養する培地に被験物質を添加す
る。培養方法としては細胞培養、組織片培養、器官培養
のいずれを行ってもよい。
【0019】上記各々の細胞あるいは組織や器官に被験
物質を作用させたのちに、細胞・組織・器官を用いて遺
伝子発現量の定量、タンパク質の定量、細胞表面のタン
パク質発現状態の解析、酵素活性の測定を行う。また、
培養上清からは分泌されるタンパク質などの定量、分泌
された酵素の活性測定などを行う。その他には、細胞本
体や培養上清を用いて、タンパク質間の結合や、タンパ
ク質と遺伝子配列との結合などを解析しても良い。ま
た、被験物質の細胞増殖に対する影響を評価しても良
い。遺伝子発現の解析は発現のありなしや多少を比較す
るのでも良いし、DNAアレイのような手法を用いて発現
のパターンを比較するのでも良く、更には、リアルタイ
ムPCRのような定量的PCRや競合PCRなどによって発現量
の絶対量を定量するのが望ましい。タンパク質の解析も
また、プロテインチップなどを用いた解析を行うことも
できるが、ELISA法のように定量を行うことが望まし
い。細胞表面のタンパク質の解析法としては、フローサ
イトメトリーなどの手法を用いることもできる。測定・
解析の対象としては、増殖因子、転写因子、サイトカイ
ン、受容体とそのリガンド、酵素活性、細胞表面のタン
パク質などが挙げられる。そしてこれらの項目の試験を
行った際に得られるRNAやcDNA、培養上清、細胞そのも
のなどの試料は、全て保管しておくことが重要である。
これらの試料を管理・保管しておくことで、新たな因子
を測定する必要が生じた際には保管してある試料を用い
て迅速に追加の評価を行うことができる。
【0020】上記解析の結果得られた全てのデータは、
データベース上で管理・保存しておき、それらの情報を
2つ以上組み合わせることで、細胞や因子の相互作用を
考慮に入れた有効成分のスクリーニングをデータベース
上で行うことができる。例えば育毛剤で発毛効果や毛包
を大きくさせる効果、成長期を延長させる効果のある有
効成分のスクリーニングを行う際には、毛乳頭細胞と毛
母細胞と外毛根鞘細胞での遺伝子発現・タンパク質発現
や細胞増殖、アポトーシス関連因子のデータを用いて解
析を行うことが望ましい。他にも、白髪の予防・改善効
果のある有効成分をスクリーニングする際には、毛乳頭
細胞と外毛根鞘細胞と外毛根鞘部メラノサイトでの遺伝
子発現・タンパク質発現のデータと外毛根鞘部メラノサ
イトの増殖促進のデータを用いて解析を行い、必要に応
じて毛球部メラノサイトの色素産生に関わるデータをあ
わせて解析することが望ましい。
【0021】また、コンピュータ上でスクリーニングを
行う際には、有償、無償で提供される他のデータベース
の情報や、一般的に知られている情報を参考に解析を行
うこともできる。上述の方法によれば、目的とする効果
が異なる有効成分を新たにスクリーニングする必要が生
じた際にも、新たなスクリーニングのための実験を実施
することなく、すでに得られている情報を利用して迅速
に効率良くスクリーニングを行うことができる。しか
も、その結果選択される有効成分は、互いに因子のやり
取りを行いながら毛周期を調節している、複雑な毛包組
織の仕組みに従って作用を及ぼす物質である。単独の細
胞にたいしては弱い作用しか認められない物質でも、細
胞間の相互作用や細胞から分泌された因子が他の細胞に
対して作用することによって、実際には生体に大きな効
果を及ぼすことがあるが、従来のようなスクリーニング
法ではこういった物質はスクリーニングで発見すること
ができなかった。しかし、本方法を用いることによっ
て、そのような物質もスクリーニングで取りこぼすこと
なく精度良く検出することができる。また、細胞間や因
子間の相互作用も考慮に入れて選定することができるの
で、スクリーニングとしての適合率を従来よりも高くす
ることができる。
【0022】上記データベースは主にコンピュータ上に
作られるものであるが、スクリーニングのために必要と
される情報がそれほど多くなく、複雑な類縁関係・因果
関係の推測を必要としない場合には、例えば、一部のデ
ータを抽出して紙面に印刷された一覧表や相関図などを
用いて、本発明と同様の手法によって有効成分を選択す
ることもできる。上記実施態様ではこのスクリーニング
系は白髪予防改善物質であったが、本発明に係る毛髪有
効成分のスクリーニング方法では、白髪予防改善剤のみ
ならず、養育毛剤の有効成分の探索にも活用できること
は言うまでもない。
【0023】本発明に係る毛髪有効成分のスクリーニン
グ方法は、白髪予防改善物質としての毛髪有効成分(候
補物質)を選定するために、生後2〜12ヶ月齢望ましく
は4〜6ヶ月齢のビチリゴマウス(C57BL/6 Mitf
mi-vit 、別名C57BL/6 mivit/vit)を使用して、上記被
験物質投与部位を背部前側に限定した、投与前後の体毛
重量あたりのメラニン量を測定するものでもある。
【0024】以前より加齢に伴い徐々に白毛化するビチ
リゴマウス(Nordlund, J. et al.,The Pigmentary Sys
tem, pp251, Oxford University Press, 1998)が知ら
れていたが、ヒトの白髪においてMITFの発現について詳
細は知られていなかったため、モデル動物としての使用
は行われていなかった。MITFは正しくはmicrophtalmia-
associated transcription factorであり、約420残基の
タンパク質である(Nordlund, J. et al., The Pigment
ary System, pp251, Oxford University Press, 199
8)。ヒトにおいてはMITFは4種類存在し、それぞれ生
体内での発現部位が異なる。色素細胞に発現しているの
はMITF-Mと呼ばれるタイプであり、他の細胞には発現し
ていないことが明らかにされている。本明細書中のMITF
はMITF-Mを指すものとする。
【0025】上記MITFは転写因子であり、色素細胞にお
いてはチロシナーゼ(Tyrosinase)、チロシナーゼ関連
タンパク質(Tyrosonase-related protein:TRP)-1の
発現を制御していることが知られている。また、MITFの
1アミノ酸置換の変異マウスであるビチリゴマウス(正
式にはC57BL/6 Mitfmi-vit 、別名C57BL/6 mivit/vit
は、加齢と共に徐々に白毛化することが知られている
が、我々の研究結果から、遺伝子発現の減少はチロシナ
ーゼ、TRP1ばかりではなく、メラノサイトの増殖に関連
しているエンドセリン(ET)、ステムセルファクタ(SC
F:Stem Cell Factor)、ナーヴグロースファクタ(NG
F:Nerve Growth Factor)、ベーシックフィブロブラス
トグロースファクタ(bFGF:basic Fibroblast Growth
Factor)、ヘパトサイトグロースファクタ(HGF:Hepat
ocyte Growth Factor)なども減少していることが明ら
かにされている(Kurita K, et al 2001年Society of I
nvesgative Dermatorogy講演要旨)。
【0026】そこで我々はヒトの白髪においてMITFの遺
伝子発現をRT-PCR法を用いて検討したところ、黒髪と比
較して明らかに減少していることを発見するに至った
(後述する実施例2の結果の図1参照)。すなわち、MI
TFの活性低下を防ぐこと、さらには活性上昇させること
が、ヒト白髪予防および改善に結びつくことを発見する
に至った。このことはビチリゴマウスがヒト白髪のモデ
ル動物として適していることを示している。そこで我々
は評価法として確立するために詳細な白毛化促進検討を
行った。以下にその検討結果について示す。
【0027】まず、ビチリゴマウスの体毛に関しては、
自然に白毛化するものの、脱毛処理を施すことによりさ
らに白毛化が促進されることが知られている(Lerner,
A.B.et al., Journal of Investigative Dermatology,
87, pp.299-304, 1986)。しかし、その白毛化測定は毛
髪本数をはかることによるものであるので、スクリーニ
ングに用いるには手間の面から不適であった。
【0028】我々は検討の結果、ビチリゴマウスの背部
体毛の脱毛処理前後において、体毛重量あたりのメラニ
ン量を測定することで、白毛化度を正確に測定できるこ
とを見出した。毛髪の分解はエスペラーゼ、又はそれと
同様の効果を有するプロテアーゼを0.1から10ノボプロ
テアーゼユニット(N.U.)濃度、望ましくは0.5から1N.
U.になるように反応液(5mM DTT, 50mM Tris-HCl(pH9.
3))中に加え、37℃で一晩反応させた。完全に分解され
たのを確認した後、波長400nmでメラニンの吸光度とし
て測定を行った。ただし、メラニンの吸光度が測定され
ているのであれば、波長は限定されるものではない。
【0029】さらに検討の結果、月齢に伴って脱毛によ
る白毛化度には違いがあることが明らかとなった(後述
の実施例3の結果の図2参照)。そこで月齢と脱毛によ
る白毛化度に関しての解析を行った結果、特に生後2〜1
2ヶ月齢、望ましくは4〜6ヶ月齢のビチリゴマウスを用
いることにより白毛化が安定して促進されることを見出
した。
【0030】また、測定に用いる部位についても検討を
行った結果、白毛化は背部前側(頭部側)から進行して
行くことを見出した。そこで、背部全体ではなく背部前
側に限定することにより、脱毛処理による白毛化の進行
度を上昇させることで、本評価法の精度、感度を上昇で
きることができた(後述の実施例4の結果の図3参
照)。これにより、ビチリゴマウスを用いた白髪予防改
善物質評価系を実用可能なレベルに到達させることがで
きた。
【0031】次に、本発明に係る毛髪有効成分のスクリ
ーニング方法、及び白髪防止改善物質のスクリーニング
方法を利用して、以下の新規物質による本発明に係る白
髪防止改善剤について詳述する。即ち、上記各スクリー
ニング系を利用して、被験物質の評価を行った結果、以
下の物質に白髪予防改善効果が期待されることが明らか
となるものである。
【0032】本発明の白髪予防改善剤のうち、その有効
成分としての(a)植物抽出物は、テンマ(和名:オニ
ノヤガラ、学名:Gastrodia elata)、サンザシ(Crata
eguspinnatifida var. major N.E.Brown、Crataegus cu
neata Siebold et Zuccarini,C. pinnatifida Bunge、C
rataegus oxyacantha Linne)、クコシ(Lycium chinen
se,L. barbarum)、トチュウ(Eucommia ulmoides)、
ジュクジオウ(Rehmannia glutinosa var. purpurea Ma
kino)、ホコツシ(Psoralea corylifolia L.)、オウ
レン(Coptis japonica Makino)、イラクサ(Urtica d
ioica L. 、Urtica thunbergiana Sieb. et Zucc.)、
ジョテイシ(Ligustrum lucidum Ait.)、ゴシツ(Achy
ranthes fauriei,A. bidentata)、オオアザミ(Silybu
m marianum)、カキドオシ(Glechoma hederacea L. su
bsp. Grandis Hara)、クマツヅラ(Verbena officinal
is L.,V. citronela)、コウカサイ(Astragalus sinic
us L.)、サントリソウ(Cnicus benedictus)、セイヨ
ウキンミズヒキ(Agrimonia eupatoria)、チェスナッ
ト(Castanea sativa Miller,C. vesca Gaertn.,C.vulg
aris Lam.)、テンコズイ(Hydrocotyle sibthorpioide
s)、ドモッコウ(Inula helenium)、ハゴロモグサ(A
lchimilla vulgaris L.)、ヒメツルニチニチソウ(Vin
ca minor L.,Catharantus minor)、ベルガモット(Cit
rus bergamia)、レンゲソウ(Astragalus sinicus Lin
ne)、ロートコン(別名:ハシリドコロ)(Scopolia j
aponica)を挙げることができる。
【0033】上記植物の使用部位は特には限定しないも
のの、テンマでは塊茎部、サンザシでは果実・花・葉の
部位、クコでは果実、トチュウでは樹皮、ジュクジオウ
では根部、ホコツシでは種子、オウレンでは根茎、イラ
クサでは葉と根部、ジョテイシでは果実、ゴシツでは根
部が望ましい。上記植物の抽出物としては、抽出エキス
でもよく、抽出液から分離精製したものでもよい。この
場合、植物抽出物は植物体を乾燥あるいはそのまま粉砕
したものを溶媒抽出することによって得ることができ、
抽出溶媒が使用上無毒性のものであれば抽出液をそのま
ま用いても、適宜な溶媒で希釈した希釈液として用いて
もよく、あるいは濃縮エキスとしたり、凍結乾燥などに
より乾燥粉末としたり、ペースト状に調整したものなど
が利用できる。
【0034】上記植物の抽出物を得るのに用いる溶媒と
しては、メタノール、エタノール、ブタノール、ヘキサ
ン、ヘプタン、シクロヘキサン、酢酸エチル、アセトン
などの一般に用いられる有機溶媒、及び水などを挙げる
ことができ、これらの1種を単独で又は2種以上を混合
して使用することができる。これらの溶媒の中では極性
溶媒が好ましく、特にエタノール、水がより好ましい。
なお、抽出処理は、通常3〜70℃程度の温度で常法に
よって行うことができる。また、溶媒抽出の他に、炭酸
ガスを超臨界状態にして行う超臨界抽出によって得たエ
キスも同様に利用できる。またこのときには、抽出助剤
としてヘキサン、エタノールなどを用いることもでき
る。抽出物からの有効成分の分離精製は、抽出物をカラ
ムクロマトグラフィー、液体クロマトグラフィーなどで
精製することによって行うことができる。
【0035】本発明に係る白髪予防改善剤中の上記植物
またはその抽出物の配合量は、剤型等によって適宜変更
可能であるが、通常、適用時における剤に対して0.0
0001〜20%(質量%、以下同じ)配合するのがよ
い。好ましくは0.0001〜10%配合するのがよ
い。配合量が0.00001%未満であると、本発明の
効果を発揮できず、また剤型によっては製造が困難にな
るものもあることから、20%を越えない方がよい。
【0036】次に、本発明の白髪予防改善剤のうち、そ
の有効成分としての(b)エンドセリンレセプターのア
ゴニストに関しては、活性ペプチドである[Ala1,3,11,1
5]エンドセリン(ET)-1 (別名:4AlaET-1)を初めとし
て、最低でもC末端側の10-21番目のアミノ酸を残したペ
プチド(Glu-Ala-Val-Tyr-Phe-Ala-His-Leu-Asp-Ile-Il
e-Trp)、あるいはBQ-3020、IRL-1620、SRTX-S6cを用い
ることができる。
【0037】また、本発明の白髪予防改善剤のうち、そ
の有効成分としての(c)タンパク質発現ベクターは、
上述したET、SCF、NGF、bFGF、HGFからなる各因子を生
体内で発現する事ができるタンパク質発現ベクターを用
いることができる。タンパク質発現ベクターは、哺乳類
でタンパク質を発現させることのできるプロモータを持
つものものであれば良く、プロモータとしては、例えば
サイトメガロウィルス(CMV)、センダイウィルス(SV4
0)のものを用いることができる。しかし、生体内でタ
ンパク質が恒常的にあるいは制御下において発現するこ
とができるのならば、そのベクターに関して制限はされ
ない。また、導入するタンパク質の遺伝子配列は既に知
られており(GenBank Accession No.Y00749(エンドセ
リン1)、J05081(エンドセリン3)、M59964(SC
F)、E05802(bFGF)、M27968(HGF)、M29145(bFG
F))、周知のPCR法、またはcDNAライブラリーからのハ
イブリダイゼーション法などにより得ることができる。
投与方法としては注射による投与、リポソーム製剤にし
て投与する方法が考えられるが、制限されるものではな
い。
【0038】またMITFに関しては、MITFタンパク質、お
よびその発現ベクター、MITFの発現活性上昇物質を用い
ることができる。MITFは、チロシナーゼおよびチロシナ
ーゼ関連タンパク質(Tyrosinase -related protein)-
1の発現に関与することが知られている転写因子であ
り、この因子に変異が入ったビチリゴマウス(正しくは
C57BL/6 mivit/vitやMitfmi-vit)は白毛化が起こること
が知られている。上記発現ベクターに関しては前述の増
殖因子群と同様に、pCI Mammalian Expression Vector
(Promega社)を発現ベクターとして、それぞれのタンパ
ク質のコード領域を導入したものを使用することができ
るが、生体内でタンパク質が恒常的に、あるいは制御下
において発現することができるのならば、そのベクター
に関して制限はされない。また、これらのcDNA遺伝子
配列は既に知られており(GenBank Accession No.NM_0
00248)、周知のPCR法、またはcDNAライブラリーから
のハイブリダイゼーション法などにより得ることができ
る。また、投与方法としては注射による投与、リポソー
ム製剤にして投与する方法が考えられるが、これらに制
限されるものではない。
【0039】また、MITFの発現活性上昇物質としては、
(d)インディルビン、 ヴァルプロエイト、リチウ
ム、 マランチド、 ケンプチド、 Ro 32-0432、 Ro 31-
8220、アニソマイシン、 LY294002、 ウォルトマニン、
GF109203X、LY333531、メリッチン、プソイドヒペリシ
ン、ロッテルリンなどが挙げられる。
【0040】また、上記(e)ヘパリン並びにヘパリン
類似物質(ヘパリノイド)に関しては、ヘパリンを始め
として、ヘパリノイドとして、ヘパラン硫酸、ヘパリン
誘導体やヘパリン様物質を用いることができる。ヘパリ
ンはD−グルコサミン、D−グルクロン酸、L−イズロ
ン酸からなるN−硫酸、N−アセチル及びo−硫酸置換
体であり、ムコ多糖のうちでは硫酸基を最も多く含むこ
とが知られている。投与に関しては、分子量7乃至25
×103のものが使用されうるが、特に分子量に関して
制限されるものではない。
【0041】本発明の白髪防止改善剤における上記
(b)、乃至(e)の配合量は剤型等によって適宜変更
可能であるが、通常、適用時における剤に対して0.0
0001〜20重量%配合するのがよい。好ましくは
0.0001〜10重量%配合するのがよい。配合量が
0.00001重量%未満であると、本発明の効果を発
揮できず、また剤型によっては製造が困難になるものも
あることから、20重量%を超えないほうがよい。ま
た、ヘパリンおよびヘパリン誘導体は(a)、(b)、
及び(d)に示される物質と同時に使用することによ
り、その効果は増強される。
【0042】本発明の白髪予防改善剤は医薬品、医薬部
外品、化粧品を含み、その剤型としては、外用剤として
許容され得るものであればいずれでもよく、例えば、ク
リーム、ローション、乳剤、軟膏、ゲル、リニメント、
ヘアトニック、ヘアリキッド、ヘアーリンス、ヘアーシ
ャンプー、ヘアートリートメント、ヘアコンディショナ
ー、エアゾール、エアフォームなどの種々の形態に製剤
化して用いることができる。更に液状形態のものは通常
の噴射剤、炭酸ガス、酸素ガス、LPGなどと併用し、耐
圧容器に充填することもできる。
【0043】本発明の白髪予防改善剤には、上記の必須
成分に加えて上記剤型などに応じて種々の成分を配合す
ることができる。すなわち、本発明においては、上記植
物またはその抽出物に他の薬効成分、例えば白髪予防効
果があるとされているcAMPおよびその誘導体、フォルス
コリン、塩化カルプロニウム、ミノキシジル、bFGFな
どの公知の薬剤と共に併用することによって、その効果
を増強することができ、その他にも、例えば、ビタミン
E、ビタミンEニコチネート、セファランチン、ニコチン
酸、ニコチン酸アミド、ニコチン酸ベンジル、ショウキ
ョウチンキ、トウガラシチンキ、センブリエキスなどの
末梢血管拡張剤、コエンザイムQ、フラボノイド、タン
ニン、ポリフェノール類などの抗酸化剤、カンフル、l
-メントールなどの清涼剤、塩化リゾチーム、グリチル
リチン、アラントインなどの消炎剤、ニンニクエキス、
ニンジンエキス、オウゴンエキス、ローズマリーエキ
ス、アロエエキス、胎盤抽出物などの細胞賦活剤、6-
ベンジルアミノプリン等のDNA合成促進剤、ビタミン
A、ビタミンB6、パントテン酸、ビオチン等のビタミ
ン類、メチオニン、システイン、シスチン、チロシンな
どのアミノ酸類、サリチル酸、ヒノキチオール、レゾル
シン、トリクロロカルバニルド、イソプロピルメチルフ
ェノールなどの殺菌剤、エチニルエストラジオール、プ
ロゲステロンなどのホルモン類、海藻、アロエ、ナツメ
果実、胡麻などからの抽出物などを配合することができ
る。
【0044】本発明に係る白髪予防改善剤にあっては、
ペンタデカン酸グリセリド及びその誘導体を含む奇数鎖
脂肪酸化合物を更に配合することが好ましい。このよう
な育毛効果のある物質と組み合わせることで、毛周期に
おける成長期初期毛に作用させられることより、その白
髪予防改善効果を高めることができる。このようなペン
タデカン酸系化合物は白髪防止改善剤の適用時における
剤中0.01乃至20質量%、好ましくは0.1乃至1
0質量%の範囲で含有されていることが好ましい。
【0045】さらに、油分、界面活性剤、保湿剤、低級
アルコール、増粘剤、酸化防止剤、キレート剤、使用感
付与剤、pH調製剤、防腐剤、香料、色素など、通常毛
髪化粧料に用いられる原料が配合可能である。具体的に
は、油分としてはオリーブ油、ホホバ油、硬化油などの
油脂類、鯨ロウ、蜜ロウ、ラノリンなどのロウ類、流動
パラフィン、セレシン、スクワランなどの炭化水素類、
ステアリン酸、オレイン酸などの脂肪酸類、セタノー
ル、ステアリルアルコール、ラノリンアルコール、ヘキ
シルデカノールなどのアルコール類、ミスチリル酸イソ
プロピル、ステアリン酸ブチルなどのエステル類などで
ある。油分を適用時における剤中0.5〜85%含有さ
せるのがよい。
【0046】また、界面活性剤としては、ステアリン酸
ナトリウム、セチル流酸ナトリウム、ポリオキシエチレ
ンラウリルエーテルリン酸、N−アシルグルタミン酸ナ
トリウムなどのアニオン界面活性剤、モノステアリン酸
グリセリン、モノステアリン酸ソルビタン、セスキオレ
イン酸ソルビタン、ショ糖脂肪酸エステル、モノステア
リン酸プロピレングリコール、ポリオキシエチレンオレ
イルエーテル、ポリオキシラウリルエーテル、ポリオキ
シエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオ
クチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフ
ェニルエーテル、モノステアリン酸ポリエチレングリコ
ール、モノパルミチン酸ポリオキシエチレンソルビタ
ン、ポリオキシエチレンヤシ脂肪酸モノエタノールアミ
ド、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコー
ル、ポリオキシエチレンヒマシ油、ポリオキシエチレン
硬化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬
化ヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチレン硬化
ヒマシ油、ピログルタミン酸イソステアリン酸ポリオキ
シエチレンヒマシ油、イソステアリン酸ポリオキシエチ
レングリセリル、トリイソステアリン酸ポリオキエチレ
ングリセリル、テトラオレイン酸ポリオキシエチレンソ
ルビット、ポリオキシエチレンラノリン酸などの非イオ
ン界面活性剤などを例示することができる。界面活性剤
を適用時における剤中0.1〜15%含有させるのがよ
い。
【0047】さらに保湿剤としては、グリセリン、1、
3‐ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、エチレングリコールなどを、低級
アルコールとしては、エタノール、イソプロパノール等
を、使用感付与剤としては、l‐メントール、ニコチン
酸ベンジルなどを、増粘剤としては、ポリエチレングリ
コール、カルボキシメチルセルロースナトリウム等を、
酸化防止剤としては、ジブチルヒドロキシトルエン、ブ
チルヒドロキシアニソール、没食子酸プロピルなどを、
キレート剤としては、エデト酸二ナトリウム、エタンヒ
ドロキシジホスフェートなどを、pH調製剤としては、
クエン酸、クエン酸ナトリウム、ホウ酸、リン酸−水素
ナトリウムなどを、防腐剤としては、パラオキシ安息香
酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、デヒドロ酢酸、
サリチル酸、安息香酸などをそれぞれ例示することがで
きる。なお任意成分はこれらに限定されるものではな
い。
【0048】
【実施例】以下、調製例、実施例、処方例を挙げて本発
明を具体的に説明するが、本発明は下記の例に制限され
るものではない。
【0049】(調製例1:被験物質の調製)テンマ塊茎
部の裁断物100gを1Lの70%EtOHで常温で48時間抽出を行
ったのち、抽出液をろ過し、減圧濃縮を行った。その後
真空ポンプにて乾固させ、12.15gのエキスを得た。同様
にして、70%EtOHを用いて抽出を行い、サンザシ(Crat
aegus pinnatifida var. major N.E.Brown、Crataegus
cuneata Siebold et Zuccarini,C. pinnatifida Bung
e、Crataegus oxyacantha Linne)、クコシ(Lycium ch
inense,L. barbarum)、トチュウ(Eucommia ulmoide
s)、ジュクジオウ(Rehmannia glutinosa var. purpur
ea Makino)、ホコツシ(Psoralea corylifolia L.)、
オウレン(Coptis japonica Makino)、イラクサ(Urti
ca dioica L. 、Urtica thunbergiana Sieb. et Zuc
c.)、ジョテイシ(Ligustrum lucidum Ait.)、ゴシツ
(Achyranthes fauriei,A. bidentata)、オオアザミ
(Silybum marianum)、カキドオシ(Glechoma hederac
ea L. subsp. Grandis Hara)、クマツヅラ(Verbena o
fficinalis L.,V. citronela)、コウカサイ(Astragal
us sinicus L.)、サントリソウ(Cnicus benedictu
s)、セイヨウキンミズヒキ(Agrimonia eupatoria)、
チェスナット(Castanea sativa Miller,C. vesca Gaer
tn.,C.vulgaris Lam.)、テンコズイ(Hydrocotyle sib
thorpioides)、ドモッコウ(Inula helenium)、ハゴ
ロモグサ(Alchimilla vulgaris L.)、ヒメツルニチニ
チソウ(Vinca minor L.,Catharantus minor)、ベルガ
モット(Citrus bergamia)、レンゲソウ(Astragalus
sinicus Linne)、ロートコン(別名:ハシリドコロ)
(Scopolia japonica)のエキスを得た。以下の実施
例、処方例に記載の各植物エキスは本調製例に従って得
られたものである。
【0050】(実施例1) 毛乳頭細胞の増殖因子発現量に対する作用 ヒト頭髪毛乳頭細胞(東洋紡(株))を常法にしたがっ
て前培養した。上記各被験物質を各100μg/ml含
む培地で24時間培養し、その後、細胞からmRNAを抽出
してcDNAを合成し、cDNAの一部を用いてリアルタイムP
CR(GeneAmp5700/PEバイオシステム社)により各種の増
殖因子、転写因子、サイトカイン、受容体とそのリガン
ドの遺伝子発現量を定量し、それらの結果をあらかじめ
データベース上に登録した。
【0051】ヘアサイクルの調節には毛母・毛乳頭相互
作用が重要な働きをしていることが知られているが、ヘ
アサイクルに連動したメラノサイトも毛乳頭の影響を受
けていることは十分予想される。そこで、毛包内で発現
していることが知られている増殖因子を1種または2種
以上、毛乳頭細胞で発現を増加させ、それによって最終
的に外毛根鞘メラノサイトの増殖や毛球部のメラノサイ
トの分化を促進することが予想される被験物質を選択し
た。すなわち、毛包内で発現が知られている増殖因子の
うち、メラノサイトの増殖および/もしくは色素産生に
対して単独あるいは2つ以上組み合わせることで促進的
な効果を与えたものとして、SCF、エンドセリン、bFG
F、NGF、HGFが選ばれた。さらにこれらの増殖因子のう
ち1種以上望ましくは2種以上の発現量を2倍以上に増加
させた物質として、テンマ、サンザシ、クコシ、トチュ
ウ、ジュクジオウ、ホコツシ、オウレン、イラクサ、ジ
ョテイシ、ゴシツ、オオアザミ、カキドオシ、クマツヅ
ラ、コウカサイ、サントリソウ、セイヨウキンミズヒ
キ、チェスナット、テンコズイ、ドモッコウ、ハゴロモ
グサ、ヒメツルニチニチソウ、ベルガモット、レンゲソ
ウ、ロートコンを見出した(下記表1に示す)。
【0052】
【表1】
【0053】上記表1において、増殖因子の発現誘導効
果をもち外毛根鞘メラノサイトの増殖促進効果が期待さ
れる植物抽出物(各増殖因子の発現量を少なくとも2倍
以上に高めた場合を○印で表した)を挙げた。前述した
増殖因子はメラノサイトの増殖や分化に促進的影響を及
ぼし、また、これらの物質は毛乳頭細胞での該増殖因子
の発現を高めることから、生体内においては最終的に白
髪の予防改善に効果をもつことが予想される。なお、養
毛や育毛の効果などの白髪予防改善以外の効果を期待し
て、これらの物質を増殖因子の発現増加剤として頭皮頭
髪用の外用剤に配合することも可能である。
【0054】(実施例2) ヒト白髪における減少因子 ヒト頭皮より、外科的に黒髪と白髪を選り分け、それぞ
れから常法に従いRNAを調製した。それらからcDNAを合
成し、リアルタイムPCR(使用機器:GeneAmp5700/PEバ
イオシステム社)により、エンドセリン(ET)、SCF、b
FGF、NGF、MITFの各因子について、定量的解析を行っ
た。図1は、黒髪での発現量を100%として、白髪におけ
る発現量の変化を相対値として示した棒グラフによる図
である。この結果より、MITFを含めたいくつかの因子
(ET、bFGF)に減少が見られた。
【0055】(実施例3) 月齢による白毛化進行度 月齢と脱毛による白毛化の関係を調べるために、3ヶ月
齢、4ヶ月齢、6ヶ月齢のマウスについて、脱毛処理前後
の毛髪重量当たりのメラニン含量について解析を行っ
た。図2は、脱毛処理前のメラニン含量を100%としたと
きの脱毛処理後のメラニン含量を相対値で表わした棒グ
ラフによる図である。その結果、4ヶ月齢において最も
安定して白毛化が起こることが示された。
【0056】(実施例4) 部位別検討 4ヶ月齢のビチリゴマウスの背部を、前後左右に4等分
し、それぞれ約1×1cmの大きさを脱毛処理を行っ
た。それぞれの部位の脱毛前後の毛髪重量当たりのメラ
ニン量を、酵素分解を行ったのち、吸光度により比較を
した。図3は、各部位における脱毛前後の毛髪質量あた
りのメラニン量値を示す棒グラフによる図である。図3
に示すようにグラフ中の部位は、背部前・左側(前・
左)、背部前・右側(前・右)、背部後・左側(後・
左)、背部後・右側(後・右)として示している。その
結果、背部前側(前・左および前・右)のみに脱毛によ
る白毛化の進行が見られた(図中、処理前後の差 *
*:P<0.01対応のあるt検定)。また、同時に左
右差を検討したが、左右の間には差はないと判断され
た。この結果より、評価には4ヶ月齢の背前部を用いる
ことが望ましく、評価方法としては毛髪重量当たりのメ
ラニン含量での比較が望ましいことが明らかとなった。
【0057】(調製例2) タンパク質発現ベクターの調製法 以下にSCF発現用ベクターについての調製例を示す。ベ
クターにより発現させる遺伝子配列は、NCBI(National
Center for Biotechnology Information)のサイト、E
ntrez (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/Entrez/)より
検索した。SCFの遺伝子配列中のタンパク質をコードす
る領域が増幅されるPCR用オリゴプライマーのセットと
して、ATGAAGAAGACACAAACTTGGおよびTTACACTTCTTGAAACT
CTCを用いることとした。次に正確性の高いPCR用酵素
(KODplus /東洋紡)を用いてPCRを行った。遺伝子発現
用ベクターとしてはpCI Vector(プロメガ)を用いた。
マルチクローニングサイトにある制限酵素SmaIにより、
ベクターを切断し、その部位にTaKaRa BKL KIT(宝酒造)
を用いて導入した。その後、ライゲーションされた発現
用ベクターを用いて、大腸菌JM109の形質転換を行っ
た。これら形質転換された大腸菌からエンドフリープラ
スミドキット(キアゲン)を用いて、添付プロトコール
に従い、タンパク質発現用ベクターを調製した。また他
のベクターについても、上記の方法に準拠し作製した。
以下に記載の各発現ベクターは本調製例にしたがって得
られたものである。
【0058】(実施例6) ビチリゴマウスを用いた白髪予防改善物質評価法 4ヶ月齢のビチリゴマウスの背部前側体毛を約1×1c
mの面積で、左右2ヶ所について、抜毛処理を行った。
脱毛処理後、2日後、5日後、8日後において、左右のそ
れぞれに被験物質および対照物質の投与を行った。植物
抽出物については調製例1の方法で得られる植物エキス
を全て3%になるように70%EtOHに溶解した製剤を50μ
l塗布を行った。化合物については各々10μM溶液を塗
布を行なった。タンパク質発現用ベクターについては各
々100μgを生理食塩水に溶解して皮内注射により投与を
行った。試験部位の明確化の為に、脱毛処理10日後にお
いて、背部全体の体毛をバリカンで刈り、脱毛処理25日
後に、試験部位だけ採毛した。その後、それぞれの部位
から採取した体毛を1mgずつ秤量し、0.6ノボプロテアー
ゼユニット(N.U.)のエスペラーゼで、37℃、一晩反応
させることで体毛を分解した。対照部位における吸光度
の減少(=白毛化度と定義)と比較し20%以上の白毛化
抑制効果を示したものを◎、10〜20%未満の差を○、そ
れ以下を×として、各被験物質の効果を調べた。さら
に、ペンタデカン酸グリセリド(PDG)との併用効果を
確認するために、3%PDG/100%EtOH製剤の50μlの同
時塗布による効果についても検討を行った。その結果を
下記表2乃至表4に示した。このように、いくつかの物
質について、単独で白毛化抑制効果が見られ、またPDG
との併用により効果が増強されたものが見られた。
【0059】
【表2】
【0060】
【表3】
【0061】
【表4】
【0062】そこで、次にこれらの因子の中から、いく
つかの物質についてヒトへの投与を行った。方法につい
ては、後述の処方例1のうち、テンマ3%濃度配合の白
髪予防改善剤を、白髪を有する10名の男性(26歳から
49歳)に1日2回(朝、夜)、連続6ヶ月間、コントロー
ルと処方例1を左右の観察部頭皮に別々に使用させ、塗
布部位の状態を、試験前後で比較し、白髪改善効果を調
べた。測定は左右の耳の上部に2×2cmの測定部位を設定
し、白髪の本数を数えた。その結果を表5に示した。
【0063】
【表5】
【0064】このように、本実施例に係る白髪改善物質
(毛髪有効成分)のスクリーニング方法で白髪予防改善
効果をもつことが期待される物質として選ばれた物質
は、ビチリゴマウスを用いた評価系においても高い確率
で効果を示すこと、また、ビチリゴマウスを用いた評価
系で選定された物質は、ヒトの白髪予防改善に対しても
高い効果を示すことが明らかにされた。
【0065】次に、処方例について示す。尚、表中の数
値は各配合成分の配合量%を示すものである。下記表6
乃至表10に本実施例の白髪防止改善剤についての処方
例1乃至38(白髪改善育毛剤)の処方例を示した。
【0066】
【表6】
【0067】
【表7】
【0068】
【表8】
【0069】
【表9】
【0070】
【表10】
【0071】次に、下記表11に本実施例の白髪防止改
善剤についての処方例39乃至42(白髪改善育毛スプ
レー)の処方例を示した。尚、表11中の*1及び*2
は以下の成分である。 *1:N-メタクリロイルエチル-N,N-シ゛メチルアンモニウム・α-N-メチルカルホ゛キシヘ゛タイ
ン・メタクリル酸アルキル共重合体 *2:LPG(Liquefied petroleum gas)
【0072】
【表11】
【0073】次に、下記表12に本実施例の白髪防止改
善剤についての処方例43(白髪改善育毛シャンプー)
の処方例を示した。
【0074】
【表12】
【0075】次に、下記表13に本実施例の白髪防止改
善剤についての処方例44(白髪改善育毛リンス)の処
方例を示した。
【0076】
【表13】
【0077】次に、下記表14に本実施例の白髪防止改
善剤についての処方例45(白髪改善養毛ヘアークリー
ム)の処方例を示した。尚、上記処方物A,Bを70℃
でそれぞれ溶解し、BにAを加えて均一に乳化した。更
に冷却しながらCを加えて育毛クリームを調整した。
【0078】
【表14】
【0079】次に、下記表15に本実施例の白髪防止改
善剤についての処方例46(白髪改善育毛貼着剤)の処
方例を示した。尚、ペースト状になるまでニーダで混合
し、貼付剤組成物とした。貼付組成物を不織布上に150g
/cm2になるまで均一塗布し、ポリエチレンフィルムを施
し、貼付剤を調整した。また、尚、表15中の*1乃至
6は以下の成分である。 *1 日本純薬(株)社製 ジュリマーSH-8α *2 日本純薬(株)社製 ジュリマーAC-10Hα *3 日本化薬(株)社製 パナカヤク *4 ダイセル化学工業(株)社製 CMC1380 *5 日本合成化学(株)社製 マルタイト33 *6 東レダウコーニングシリコーン社製 SH200C 30c
s
【0080】
【表15】
【0081】次に、処方例47にリポソーム製剤につい
て示す。エンドセリンレセプターに対するアゴニスト活
性を持つペプチド、およびエンドセリン、SCF、bFGF、N
GF、HGF、MITFの各タンパク質を発現するベクターにつ
いては、リポソーム製剤を作製した。各100μgのペプチ
ドまたは発現ベクターを2gの液状大豆レシチンを加え
た30mlの塩化メチルに溶解する。得られた溶液は、ロー
タリーエバポレータにより蒸発させることで、脂肪層を
蓄積させ、その後、リン酸緩衝液(pH7.5)中に拡散さ
せた。その後、超音波処理することにより、均質化を行
い、リポソーム製剤を得た。
【0082】
【発明の効果】本発明により提供される白髪予防改善剤
は、頭皮に外用する事により、優れた白髪防止改善効果
を発揮する。また、本発明により提供される白髪防止改
善剤を含む頭皮等の毛髪用外用剤有効成分のスクリーニ
ング方法によれば、毛包組織を構成する細胞や毛包に近
接する細胞の相互作用に基づいて、目的とする効果をも
つ有効成分を効率良くスクリーニングすることができ
る。さらに本発明によるビチリゴマウスを利用したスク
リーニング方法は、従来の方法より精度高く物質をスク
リーニングすることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、黒髪での発現量を100%として、白髪に
おける発現量の変化を相対値として示した棒グラフによ
る図である。
【図2】図2は、脱毛処理前のメラニン含量を100%とし
たときの脱毛処理後のメラニン含量を相対値で表わした
棒グラフによる図である。
【図3】図3は、各部位における脱毛前後の毛髪質量あ
たりのメラニン量値を示す棒グラフによる図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 霜垣 久夫 東京都墨田区本所一丁目3番7号 ライオ ン株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA40 CB16 DA80 4C083 AA072 AA111 AA112 AA122 AB052 AB242 AB432 AB442 AC022 AC072 AC102 AC132 AC182 AC241 AC242 AC302 AC311 AC312 AC392 AC421 AC422 AC432 AC442 AC482 AC582 AC642 AC692 AC712 AC782 AC792 AC841 AC842 AC851 AC852 AC862 AD092 AD112 AD132 AD152 AD172 AD222 AD272 AD311 AD411 AD412 AD532 AD552 AD662 BB41 CC33 CC37 CC38 CC39 DD08 DD12 DD23 DD31 EE06 EE07 EE22 EE24

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(a)乃至(e)物質の群のうち
    から1つまたは2つ以上の物質を使用することを特徴と
    する白髪予防改善剤。 {(a)テンマ(Gastrodia elata)、サンザシ(Crata
    egus pinnatifida var.major N.E.Brown、Crataegus cu
    neata Siebold et Zuccarini,C. pinnatifida Bunge、C
    rataegus oxyacantha Linne)、クコシ(Lycium chinen
    se,L. barbarum)、トチュウ(Eucommia ulmoides)、
    ジュクジオウ(Rehmannia glutinosa var. purpurea Ma
    kino)、ホコツシ(Psoralea corylifolia L.)、オウ
    レン(Coptis japonica Makino)、イラクサ(Urtica d
    ioica L. 、Urtica thunbergiana Sieb. et Zucc.)、
    ジョテイシ(Ligustrum lucidum Ait.)、ゴシツ(Achy
    ranthes fauriei,A. bidentata)、オオアザミ(Silybu
    m marianum)、カキドオシ(Glechoma hederacea L. su
    bsp. Grandis Hara)、クマツヅラ(Verbena officinal
    is L.,V. citronela)、コウカサイ(Astragalus sinic
    us L.)、サントリソウ(Cnicus benedictus)、セイヨ
    ウキンミズヒキ(Agrimonia eupatoria)、チェスナッ
    ト(Castanea sativa Miller,C. vesca Gaertn.,C. vul
    garis Lam.)、テンコズイ(Hydrocotyle sibthorpioid
    es)、ドモッコウ(Inula helenium)、ハゴロモグサ
    (Alchimilla vulgaris L.)、ヒメツルニチニチソウ
    (Vinca minorL.,Catharantus minor)、ベルガモット
    (Citrus bergamia)、レンゲソウ(Astragalus sinicu
    s Linne)、ロートコン(別名:ハシリドコロ)(Scopo
    lia japonica)、(b)エンドセリンレセプターのアゴ
    ニスト、(c)エンドセリン(ET)、ステムセルファク
    タ(SCF:Stem Cell Factor)、ナーヴグロースファク
    タ(NGF:Nerve Growth Factor)、ベーシックフィブロ
    ブラストグロースファクタ(bFGF:basic Fibroblast G
    rowth Factor)、ヘパトサイトグロースファクタ(HG
    F:Hepatocyte Growth Factor)、マイクロフタルミナ
    アソシエテッドトラスクリプションファクタ(MITF:mi
    crophtalmia-associated transcription factor)の中
    から単独あるいは複数の因子を生体内で発現する事がで
    きるタンパク質発現ベクター、(d)インディルビン−
    3’−オキシム(以下インディルビン)(Indirubin-
    3'-oxime)、 ヴァルプロエイト(Valproate)、リチ
    ウム( Lithium)、 マランチド(Malantide)、 ケン
    プチド(Kemptide)、 Ro 32-0432、 Ro 31-8220、アニ
    ソマイシン( Anisomycin)、 LY294002、 ウォルトマ
    ニン(Wortmannin)、GF109203X、LY333531、メリッチ
    ン(Melittin)、プソイドヒペリシン(Pseudohyperici
    n)、ロッテルリン(Rottlerin)及び、(e)へパリン並
    びにへパリン類似物質}
  2. 【請求項2】 上記請求項1に記載された(a)乃至
    (e)物質群のうち1つまたは2つ以上の物質と、ペン
    タデカン酸グリセリドおよびその誘導体を含む奇数鎖脂
    肪酸化合物とを組み合わせて使用することを特徴とする
    白髪予防改善剤。
  3. 【請求項3】 毛髪有効成分をスクリーニングする方法
    において、毛包を構成する細胞、或いは毛包に近接して
    存在する細胞に被験物質を接触させ、その際に遺伝子発
    現量、又はタンパク質発現量の定量結果、タンパク質や
    遺伝子と該被験物質もしくは、該被験物質とその他の物
    質との相互作用を解析した結果、及び上記細胞増殖に対
    する被験物質の作用を解析した結果、をデータベースと
    して管理し、上記結果情報の少なくとも2つ以上組み合
    わせることにより上記有効成分を検出或いは検定するス
    クリーニング方法。
  4. 【請求項4】 毛髪有効成分の内の白髪予防改善物質
    (候補物質)を選定するために、生後2〜12ヶ月齢望ま
    しくは4〜6ヶ月齢のビチリゴマウス(C57BL/6 Mitf
    mi-vit 、別名C57BL/6 mivit/vit)を使用して、上記被
    験物質投与部位を背部前側に限定した、投与前後の体毛
    重量あたりのメラニン量を測定することを特徴とする毛
    髪有効成分のスクリーニング方法。
  5. 【請求項5】 上記被験物資が上記請求項1に記載の上
    記(a)乃至(d)物資であることを特徴とする請求項
    3又は4記載の毛髪有効成分のスクリーニング方法。
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