JP2003170175A - 廃水の浄化法 - Google Patents

廃水の浄化法

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JP2003170175A JP2001376020A JP2001376020A JP2003170175A JP 2003170175 A JP2003170175 A JP 2003170175A JP 2001376020 A JP2001376020 A JP 2001376020A JP 2001376020 A JP2001376020 A JP 2001376020A JP 2003170175 A JP2003170175 A JP 2003170175A
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ammonia
decomposition
tower
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Atsushi Okamura
淳志 岡村
Masaji Kitaura
正次 北浦
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 過酸化水素とアンモニアとを含有する廃水を
低ランニングコストで、かつ効率よく浄化する方法を提
供する。 【解決手段】 過酸化水素とアンモニアとを含有する廃
水を過酸化水素分解触媒に接触させて廃水中の過酸化水
素を分解し、次いで処理水のpHを10〜13に調整し
た後、アンモニアの放散を行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は廃水の浄化法に関
し、詳しくは半導体装置製造工場などから排出される過
酸化水素とアンモニアとを含有する廃水を低ランニング
コストで効率よく浄化する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置製造工場では半導体チップの
洗浄に際してアンモニア(数百ppm〜数万ppm)お
よび過酸化水素(数百ppm〜数万ppm)を含有する
廃水が排出される。また、各種化学工場などからもアン
モニアおよび過酸化水素を含有する廃水が排出される場
合がある。アンモニアは河川、湖沼、海洋の富栄養化の
原因となり、また過酸化水素はCOD(化学的酸素要求
量)を高くすることから、これら成分は分解除去する必
要があり、従来、種々の方法が提案されている。
【0003】過酸化水素を含有する廃水中の過酸化水素
を除去する方法としては、例えば、特公平6−6154
1号公報には、過酸化水素を含有する廃水のpHを10
以上に調整した後、粒状活性炭充填層に通液して過酸化
水素を除去する方法、およびそれに用いる装置が提案さ
れている(従来法)。
【0004】アンモニアと過酸化水素とを含有する廃水
の浄化については、例えば、特開平2000−5187
1号公報には、アンモニアと過酸化水素とを含有する廃
水を過酸化水素分解触媒を充填した固定床式反応塔から
なる過酸化水素分解装置に導入して廃水中の過酸化水素
を分解した後、ガラスビーズなどの蒸留充填物を充填し
たアンモニア揮散塔でアンモニアをストリッピングする
ことにより、アンモニアと過酸化水素とを含有する廃水
を浄化する方法が提案されている(従来法)。
【0005】上記従来法においては、過酸化水素分解
塔ではアンモニアを分解せずに過酸化水素のみを分解さ
せるため、比較的低温、低圧の条件下で、かつ廃水のp
Hが7未満の酸性であると過酸化水素の分解速度が小さ
くなるので、pH7以上、特にpH7〜13の条件下で
過酸化水素の分解を行うのがよいと記載されている。こ
こにはpH調整についての具体的方法は記載されていな
いが、アンモニアおよび過酸化水素を含有する廃水のp
Hが7より低い場合には、従来法に記載のように、廃
水にアルカリ性物質(例えば、水酸化ナトリウム)を添
加してpHを7〜13に調整しているものと考えられ
る。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、過酸化水素と
アンモニアとを含有する廃水の場合、過酸化水素の分解
効率を高めるために、アルカリ性物質を添加して廃水の
pHを7以上に調整しようとすると、過酸化水素が酸性
物質として作用するため、過酸化水素に対し化学量論以
上の多量のアルカリ性物質を添加することが必要とな
り、廃水の浄化に係わるランニングコストが高くなると
いう問題がある。
【0007】本発明はかかる現状に鑑みてなされたもの
であり、その目的は、半導体製造装置工場などから排出
される過酸化水素とアンモニアとを含有する廃水を、過
酸化水素分解工程およびそれに続くアンモニア放散工程
を経て浄化するに際して、廃水の処理効率を高く維持し
たまま、アルカリ性物質やその中和に必要な中和剤など
の薬剤(アルカリ性物質を含む処理水をそのまま排出す
ることは環境上好ましくなく、中和剤で中和してから排
出することが必要となる。)の使用量を少なくし、その
薬剤にかかるランニングコストを低減した廃水の浄化法
を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者らは鋭
意検討したところ次の知見を得た。 (1)過酸化水素分解工程において過酸化水素の分解を
行った後の処理水中に過酸化水素が残存していても、過
酸化水素分解工程に続くアンモニア放散工程において、
過酸化水素分解工程からの処理水をpH10〜13に調
整してアンモニア放散処理を行うとアンモニアの放散と
ともに残存過酸化水素の分解も十分満足のいく程度まで
達成できる。特に、金属製充填物を充填したアンモニア
放散塔を用いてアンモニア放散処理を行うとより効果的
に残存過酸化水素を分解できる。 (2)過酸化水素分解工程からの処理水のpHを10〜
13に調整するには、アンモニア放散工程の前で必要量
のアルカリ性物質を添加すればよく、この処理水中の過
酸化水素残存量は少なく、残存過酸化水素によるアルカ
リ性物質の消費は少ないので、アンモニア放散工程の前
で添加するアルカリ性物質の量は必要最小限に抑えられ
る。その結果、アルカリ性物質やその中和剤などの薬剤
の使用量、ひいては浄化にかかるランニングコストを著
しく低減できる。
【0009】本発明はこのような知見に基づいて完成さ
れたものである。
【0010】すなわち、本発明は、過酸化水素とアンモ
ニアとを含有する廃水を過酸化水素分解触媒に接触させ
て廃水中の過酸化水素を分解し、次いで処理水のpHを
10〜13に調整した後、アンモニアの放散を行うこと
を特徴とする過酸化水素とアンモニアとを含有する廃水
の浄化法である。
【0011】また、本発明は、上記放散されたアンモニ
アをアンモニア分解装置に導入して分解する廃水の浄化
法である。
【0012】また、本発明は、上記放散されたアンモニ
アをアンモニア回収装置に導入して回収する廃水の浄化
法である。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明によれば、過酸化水素分解
工程からの処理水をpH10〜13に調整した後、アン
モニア放散工程に供給して、アンモニア放散処理を行う
ことにより、処理水中の残存過酸化水素の分解とアンモ
ニアの放散とを効率よく行うことができる。すなわち、
アンモニア放散工程から排出される最終処理水中の過酸
化水素およびアンモニアの含有量はそのまま排出しても
環境に悪影響を与えない程度まで低減されたものとな
る。
【0014】上記処理水のpHが10より低いと、アン
モニアの放散および残存過酸化水素の分解が不十分とな
り、一方pHが13を超えるとアルカリ性物質の添加量
を増加させることが必要となり、かえってランニングコ
ストが増加して好ましくない。なお、アルカリ性物質は
特に限定されないが、通常、水酸化ナトリウムを用いる
のがよい。
【0015】アンモニアの放散処理は、通常、充填物を
充填したアンモニア放散塔に処理水を供給して行うが、
アンモニア放散工程における過酸化水素の分解の程度
は、アンモニア放散を一般に用いられている一定の条件
下で行うという前提をおけば、使用する充填物の過酸化
水素分解活性に依存し、高活性の充填物を使用すれば過
酸化水素残存量が多くても環境に悪影響を与えない程度
まで分解可能であり、一方低活性の充填物を使用する場
合には処理水中の過酸化水素残存量が多くなると十分に
分解できなくなる。
【0016】したがって、アンモニア放散工程で過酸化
水素分解活性の高い充填物を使用する場合には、過酸化
水素分解工程での過酸化水素分解の程度は低くてもよい
が、過酸化水素分解活性の低い充填物を使用する場合に
は、過酸化水素分解触媒の種類、過酸化水素分解条件な
どを適宜選択することにより過酸化水素を必要程度まで
分解しておく必要がある。アルカリ性物質を添加するこ
となく、すなわちアルカリ性物質を添加して廃水のpH
を調整することにより過酸化水素分解効率を高めるとい
う従来方法に替えて、過酸化水素を必要程度まで分解す
る手段の一つとしては、過酸化水素分解触媒の種類、過
酸化水素分解条件などを選択するとともに同伴ガスを供
給する方法を採用するのが有効である。この同伴ガス供
給方法については後で詳しく説明する。
【0017】なお、上記過酸化水素分解工程での過酸化
水素の分解の程度、換言すれば処理水中に残存していて
もよい過酸化水素の量は、アンモニア放散工程で過酸化
水素を環境に悪影響を与えない程度まで分解できる量、
すなわち過酸化水素分解能力に基づいて決定することが
できる。このアンモニア放散工程における過酸化水素分
解能力は、予めアンモニア放散塔の入口および出口にお
ける処理水中の過酸化水素濃度を測定することにより容
易に測定することができる。本発明は、具体的には、次
のようにして実施することができる。すなわち、過酸化
水素とアンモニアとを含有する廃水を過酸化水素分解塔
に供給し、ここで過酸化水素分解触媒に接触させて廃水
中の過酸化水素を分解し、次いで過酸化水素分解塔から
の処理水を、アルカリ性物質を添加してpH10〜13
に調整した後、アンモニア放散塔に供給して、ここでア
ンモニアの放散と残存過酸化水素の分解とを行う。
【0018】本発明の浄化の対象となる過酸化水素とア
ンモニアとを含有する廃水には特に制限はなく、過酸化
水素とアンモニアとを含有する廃水であればいずれでも
よく、そのほか、アンモニア放散の際にアンモニアとと
もに放散可能な含窒素有機化合物、例えば、ジメチルア
ミン、トリメチルアミンなどを含有していてもよい。
【0019】廃水中の過酸化水素濃度には特に制限はな
いが、本発明の方法は、過酸化水素濃度が500mg/
L(リットル、以下同じ。)以上、さらには1,000
〜100,000mg/Lのような過酸化水素濃度が高
い廃水の浄化に好適に用いられる。廃水中のアンモニア
濃度にも特に制限はないが、本発明の方法は、アンモニ
ア濃度が200mg/L以上、さらには500〜10
0,000mg/Lのようなアンモニア濃度の高い廃水
の浄化に好適に用いられる。なお、本発明にいうアンモ
ニアとは、廃水中に溶存している分子状アンモニア(N
)のほかに、アンモニアイオンとして存在する、例
えば、NHOH、(NHSO、NH Clな
どをも意味するものである。
【0020】過酸化水素とアンモニアとを含有する廃水
のpHは、通常、12より低いものであるが、本発明の
方法は、pH11以下、あるいはpH9以下、特に7以
下の廃水の浄化に好適に用いられる。
【0021】過酸化水素分解塔に充填して使用する過酸
化水素分解触媒としては、過酸化水素の分解に一般に知
られている触媒を用いることができる。例えば、活性
炭、あるいは触媒活性成分として白金、パラジウム、ロ
ジウム、イリジウム、ルテニウム、コバルト、マンガ
ン、銅、ニッケルなどをアルミナ、チタニア、ジルコニ
ア、酸化鉄、シリカ、シリカ−アルミナなどの金属酸化
物に担持してなる担持触媒を挙げることができる。なか
でも、活性炭、あるいは第1の成分としてチタン、ジル
コニウム、鉄およびセリウムよりなる群から選ばれる少
なくとも1種の金属の酸化物と、第2の成分として白
金、パラジウム、イリジウム、ルテニウムおよびマンガ
ンよりなる群から選ばれる少なくとも1種の金属および
/または金属酸化物とを含有している触媒が好適に用い
られる。さらに、ステンレス鋼などの金属、プラスチッ
ク、あるいはセラミックス製のメッシュ状、粒状物、リ
ング状、あるいはハニカム状などの構造体に触媒活性を
付与したものも使用できる。上記構造体にはその構造体
単独で過酸化水素分解活性を有するものもあるが、一般
的には、触媒活性の付与は構造体に触媒活性成分を担持
する方法、あるいは構造体に薬液処理、焼成などを施す
ことによって達成される。上記構造体としては、例え
ば、ラシヒリング、ボールリング、インタロックサド
ル、IMTP、カスケード・ミニリング、メタレット、
テラレットなどの不規則充填物、スルザーパッキンなど
の規則充填物が挙げられる。
【0022】上記過酸化水素分解触媒の存在下での過酸
化水素の分解条件については特に制限はなく、一般に用
いられている条件下において実施することができる。具
体的には、例えば、20〜95℃、好ましくは30〜8
5℃の温度、20KPa(ゲージ圧)以下の圧力で過酸
化水素の分解を行うことができる。
【0023】なお、過酸化水素分解触媒による過酸化水
素の分解処理の際に、過酸化水素分解触媒層の下方部か
ら、具体的には、例えば、過酸化水素分解塔の底部か
ら、過酸化水素分解触媒に対し実質的に無害であって、
しかも過酸化水素の分解によって生成する酸素ガスを過
酸化水素分解塔の外に除去ないしは同伴除去し得るも
の、具体的には、例えば、生成酸素ガスの気泡を過酸化
水素分解触媒層から除去ないしは同伴除去し得るガス
(本発明では、このガスを同伴ガスという。)を供給す
ると、過酸化水素の分解によって発生する酸素ガスは、
微小な気泡を形成することなく、直ちに系外に排出され
るので、触媒層内に閉じ込められ、触媒と過酸化水素と
の接触を阻害することもなくなり、処理効率が向上す
る。このため、過酸化水素の分解に必要とされる触媒量
が低減し、高SVでの通水が可能となる。あるいは、よ
り低い処理温度での浄化が可能となる。また、分解性能
の低い安価な触媒を用いたりなどすることができ廃水の
浄化コストを更に低下させることができる。さらには、
アルカリ性物質を添加することなく、過酸化水素分解効
率を高めることができる。
【0024】上記同伴ガスとしては、空気や窒素ガスな
どの不活性ガスなどを挙げることができる。この同伴ガ
スの供給は連続的でも、あるいは間歇的でもよいが、生
成酸素ガスの除去効率を高めるという点から連続的に供
給するのがよい。
【0025】同伴ガスの供給量は廃水量に対して、0.
01〜100倍、好ましくは0.1〜10倍(容量)で
あり、廃水中の過酸化水素濃度、過酸化水素分解塔に充
填される過酸化水素分解触媒の性能、形状、空隙率など
を加味して適宜決定すればよい。なお、廃水は、通常、
液空間速度1〜100h−1で過酸化水素分解塔に通水
する。
【0026】アンモニア放散塔におけるアンモニア放散
処理については、アンモニアの放散に一般に用いられて
いる、放散用ガスを用いたストリッピング法、蒸留法、
蒸発法などを採用することができる。なかでも、ステン
レス鋼などの金属、プラスチックまたはセラミック製の
メッシュ状、粒状、リング状、あるいはハニカム状など
の構造体を充填したアンモニア放散塔に空気、窒素ガス
などの不活性ガス、水蒸気などの放散用ガスをアンモニ
ア放散塔の下部より供給して廃水中のアンモニアを除去
する方法が効率よくアンモニアの放散と残存過酸化水素
の分解とを行える点において好適に用いられる。
【0027】上記充填物としては、ラシヒリング、ボー
ルリング、インタロックサドル、IMTP、カスケード
・ミニリング、メタレット、テラレットなどの不規則充
填物、スルザーパッキンなどの規則充填物を使用するこ
とができる。
【0028】上記充填物のなかでも、ステンレス鋼製充
填物などが過酸化水素分解活性が高いという点において
好適に用いられる。そのほか、メッシュ状、粒状、リン
グ状、あるいはハニカム状などのアルミナ、シリカ、シ
リカ−アルミナなどの担体に白金、パラジウム、ロジウ
ム、コバルト、鉄、銅、ニッケルなどを担持した担持触
媒も好適に用いられる。
【0029】アンモニア放散処理の具体的条件について
は、上記好適な態様としてのストリッピング法について
説明すると、温度120℃以下、圧力20KPa(ゲー
ジ圧)以下とするのがよい。具体的には、放散用ガスと
して空気や窒素ガスなどを用いる場合には、温度5〜5
0℃、圧力20KPa(ゲージ圧)とし、放散用ガスと
して水蒸気を用いる場合には、温度80〜120℃、圧
力20KPa(ゲージ圧)以下とするのがよい。放散塔
内の温度および圧力を上記範囲に調整することにより、
アンモニアの放散および残存過酸化水素の分解をより効
率よく行うことができる。
【0030】放散用ガスの使用量については、放散用ガ
スとして空気や窒素ガスなどを用いる場合には、放散塔
に導入する廃水に対し100〜10,000倍(容
量)、好ましくは1,000〜5,000倍(容量)と
するのがよい。水蒸気を用いて放散を行う場合には、放
散塔に導入する廃水に対し0.05〜10倍(質量)、
好ましくは0.1〜1倍(質量)とするのがよい。空
気、窒素ガス、あるいは水蒸気の供給量を上記範囲に調
整することにより、廃水中のアンモニアをより効率よく
放散させることができる。
【0031】以上述べたように、本発明の好適な態様に
より、過酸化水素とアンモニアとを含有する廃水をその
まま過酸化水素分解塔に供給し、ここで、好ましくは同
伴ガスを供給しながら、過酸化水素分解触媒に接触させ
て廃水中の過酸化水素を分解し、次いで過酸化水素分解
塔からの処理水を、アルカリ性物質を添加してpH10
〜13に調整した後、アンモニア放散塔に供給して、こ
こでアンモニアの放散と残存過酸化水素の分解とを行う
ことにより、過酸化水素とアンモニアとを含有する廃水
の浄化を低ランニングコストで、かつ効率よく浄化する
ことができる。
【0032】アンモニア放散塔から排出されるアンモニ
ア含有ガスはアンモニア分解装置、特にアンモニア接触
分解塔に導入して分解しても、あるいはアンモニア回収
装置に導入してアンモニアを回収してもよい。なお、ア
ンモニアの接触分解およびアンモニアの回収には一般に
用いられている方法を採用し、また公知の条件下に行う
ことができる。
【0033】アンモニア分解装置では以下の式にしたが
ってアンモニアが窒素と水に酸化分解される。 NH+(3/4)・O →(1/2)・N+(3
/2)・HO 窒素あるいは水蒸気を放散用ガスとして用いる場合は、
放散塔より排出されるアンモニア含有ガスに酸素含有ガ
ス(例えば、空気)を必要量追加してアンモニア分解装
置に導入すればよい。
【0034】上記アンモニア分解触媒としては、アンモ
ニアの分解に一般的に知られている触媒を用いることが
できる。チタニア、シリカ、ジルコニア、アルミナ、バ
ナジウム、タングステン、モリブデン、セリウム、鉄、
白金、パラジウム、イリジウム、ロジウム、ルテニウ
ム、マンガン、クロムおよび銅よりなる群より選ばれる
少なくとも一種の金属またはその酸化物を用いることが
でき、好ましくはチタニア、シリカ、ジルコニウムおよ
びアルミナからなる群より選ばれる少なくとも一種の金
属酸化物または金属複合酸化物であるA成分と、バナジ
ウム、タングステン、モリブデン、セリウムおよび鉄よ
りなる群より選ばれる少なくとも一種の金属酸化物であ
るB成分と、白金、パラジウム、イリジウム、ロジウ
ム、ルテニウム、マンガン、クロムおよび銅よりなる群
より選ばれる少なくとも一種の金属またはその酸化物で
あるC成分とを含有している触媒が好ましい。
【0035】
【発明の効果】過酸化水素とアンモニアとを含有する廃
水を低ランニングコストで効率よく浄化することができ
る。
【0036】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明する。 実施例1 アンモニア性窒素5000mg/L、過酸化水素500
0mg/Lを含む合成廃水をpH=8.0に調整し、図
1に示す系統図にしたがって浄化を行なった。過酸化水
素分解塔1には0.3質量%白金担持チタニア触媒(平
均粒径3mm)100mLを充填固定し、アンモニア放
散塔9にはSUS製金網リング(Dixon Pack
ing;3mm)800mLを充填しておいた。またア
ンモニア分解塔(図示してない。)にはパラジウム−バ
ナジウム−チタニア触媒(パラジウム0.5質量%、バ
ナジウム5質量%;平均粒径5mm)520mlを充填
しておいた。
【0037】上記合成廃水を40℃に昇温した後、ポン
プにより1L/hの速度で過酸化水素分解塔1にライン
2から導入した。また、空気をライン3から0.51L
/h(STP)の速度で供給した。この時、過酸化水素
分解塔1からライン5を経て排出された処理水中の過酸
化水素濃度は8mg/Lであった。なお、過酸化水素の
分解により生成した酸素ガスや供給空気や廃水より揮散
したアンモニアガスを含むガスはライン4から排出させ
た。
【0038】上記処理水をpH調整槽7に入れ、pHを
12にした後に、70℃に昇温してアンモニア放散塔9
にライン8からポンプにより1L/hの速度で導入し
た。pH調整は25質量%NaOH水溶液をポンプによ
りライン6からpH調整槽7へ40g/hの速度で導入
した。一方、ライン10から0.3MPa(絶対圧、飽
和)水蒸気を0.3kg/hで供給してアンモニアを放
散させた。アンモニア放散塔9からライン11を経て抜
き出された処理水中のアンモニア性窒素は2mg/L、
過酸化水素濃度は3mg/Lであった。
【0039】アンモニア放散塔9のライン12から排出
されたアンモニア含有ガスにライン4から排出されたガ
スを合流させ、さらに空気を2.3m/h(STP)
の速度で追加し、360℃に昇温した後、アンモニア分
解塔に導入してアンモニアの分解を行なった。アンモニ
ア分解塔から排出されるガス中のアンモニア性窒素濃度
は1ppm(容量)以下であり、窒素酸化物(NOx)
は10ppmであった。比較例1 アンモニア性窒素5000mg/L、過酸化水素500
0mg/Lを含む合成廃水をpH=8.0に調整し、図
2に示す系統図にしたがって浄化を行なった。過酸化水
素分解塔24には0.3質量%白金担持チタニア触媒
(平均粒径3mm)100mLを充填固定し、アンモニ
ア放散塔29にはSUS製金網リング(Dixon P
acking;3mm)800mlを充填しておいた。
またアンモニア分解塔(図示してない。)にはパラジウ
ム−バナジウム−チタニア触媒(パラジウム0.5質量
%、バナジウム5質量%;平均粒径5mm)520mL
を充填しておいた。
【0040】上記合成廃水を40℃に昇温した後、ポン
プにより1L/hの速度でライン21よりpH調整槽2
3に入れ、pHを12にした後に、過酸化水素分解塔2
4にライン25から導入した。pH調整は25質量%N
aOH水溶液をポンプによりライン22からpH調整槽
へ50g/hの速度で導入した。また、空気をライン2
6から0.51L/h(STP)の速度で供給した。こ
の時、過酸化水素分解塔24からライン28を経て排出
された処理水中の過酸化水素濃度は7mg/Lであっ
た。なお、過酸化水素の分解により生成した酸素ガスや
供給空気や廃水より揮散したアンモニアガスを含むガス
はライン27から排出させた。
【0041】上記処理水を70℃に昇温してアンモニア
放散塔29にライン28から導入した。一方、ライン3
0から0.3MPa(絶対圧、飽和)水蒸気を0.3k
g/hで供給してアンモニアを放散させた。アンモニア
放散塔29からライン31を経て抜き出された処理水中
のアンモニア性窒素は2mg/L、過酸化水素濃度は2
mg/Lであった。
【0042】アンモニア放散塔29のライン32から排
出されたアンモニア含有ガスにライン27から排出され
たガスを合流させ、さらに空気を2.3m3/h(ST
P)の速度で追加し、360℃に昇温した後、アンモニ
ア分解塔に導入してアンモニアの分解を行なった。アン
モニア分解塔から排出されるガス中のアンモニア濃度は
1ppm(容量)以下であり、窒素酸化物(NOx)は
10ppmであった。
【0043】実施例1および比較例1におけるNaOH
水溶液使用量がそれぞれ40g/hおよび50g/Lで
あることから、過酸化水素分解前にNaOH水溶液を添
加してpH調整するとその使用量が増加することがわか
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施態様を示す系統図である。
【図2】 従来方法の系統図である。
【符号の説明】
1、24 過酸化水素分解塔、7、23 pH調整槽、
9、29 アンモニア放散塔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4D011 AA13 AA15 AB03 AD01 AD03 AD06 4D037 AA11 AB11 AB12 BA23 BB05 BB06 CA09 CA14 4D038 AA08 AB26 AB29 BA02 BA04 BB03 BB13 BB20

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 過酸化水素とアンモニアとを含有する廃
    水を過酸化水素分解触媒に接触させて廃水中の過酸化水
    素を分解し、次いで処理水のpHを10〜13に調整し
    た後、アンモニアの放散を行うことを特徴とする過酸化
    水素とアンモニアとを含有する廃水の浄化法。
  2. 【請求項2】 放散されたアンモニアをアンモニア分解
    装置に導入して分解する請求項1に記載の廃水の浄化
    法。
  3. 【請求項3】 放散されたアンモニアをアンモニア回収
    装置に導入して回収する請求項1に記載の廃水の浄化
    法。
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