JP2003170059A - カルボン酸エステル類製造用触媒、その製造方法および該触媒を用いたカルボン酸エステル類の製造方法。 - Google Patents

カルボン酸エステル類製造用触媒、その製造方法および該触媒を用いたカルボン酸エステル類の製造方法。

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Nobuyuki Kondo
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ティシェンコ反応に代表されるよ
うなアルデヒド化合物からカルボン酸エステル類を合成
する系において、寿命が長く、経済的な触媒になりうる
触媒を提供することを課題とする。また、本発明は、該
触媒を用いたカルボン酸エステル類の製造方法を提供す
ることを課題とする。 【解決手段】 シリカとアルミニウムアルコキサイドを
接触させることによって得られた固体が、アルデヒド化
合物の二量化反応によってカルボン酸エステル類を製造
する際の触媒として有用に用いることができることを見
出し、上記課題の解決手段を提供できた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、アルデヒド化合物
を原料としてカルボン酸エステル類を製造する際に使用
される新規な触媒とその製造方法に関する。更に、この
触媒を用い、アルデヒド化合物を原料としたカルボン酸
エステル類の製造方法に関する。本発明は、種々のアル
デヒドを原料とした反応に使用することができるが、特
にアセトアルデヒドを二量化して酢酸エチルを製造する
際に効力を発揮する。
【0002】
【従来の技術】アルデヒド化合物を原料として、カルボ
ン酸エステル類を合成する方法は、多く知られている。
機構が明確になっている反応の例として、アルデヒド2
分子を反応させてカルボン酸エステル類を合成するティ
シェンコ(Tishchenko)反応が知られている。
ティシェンコ反応は、アルミニウムアルコキサイドを触
媒として進行する(J.Russ.Phys.Che
m.Soc.、38,355(1906)、有機合成化
学,第23巻,第2号,144〜150頁(1965)な
ど参照)。ティシェンコ反応は、アルミニウムアルコキ
サイドのみを触媒とした場合は反応速度が遅く、塩化亜
鉛や塩化第二鉄を助触媒として添加し反応速度を向上さ
せる必要がある。これらの触媒系は、原料アルデヒドと
共に反応槽に送られ、そこで反応した後に、再利用され
ることなく、水の添加によって触媒を失活させ、固液分
離によって廃触媒を生成物と分離している。このような
方法では、触媒の利用効率が悪い。また、水添加によっ
て失活させた触媒は微粉となるため、固液分離工程が煩
雑である。
【0003】近年、より高効率な製造法を目指した触媒
系が提案されている。例えば、特公平3−64494で
は、アルミニウムアルコキシド・フェノキシドを触媒と
するエステルの製造方法が提案されている。しかしなが
ら、この触媒系は寿命がそれほど長くなく、経済的であ
るとは言えない。丸岡らは、(2,7−ジメチル−1,
8−ビフェニレンジオキシ)ビス(ジイソプロポキシア
ルミニウム)を触媒とするティシェンコ反応系を提案し
ている(Tetrahedron Lett.,40(1
999年),7695)。この触媒系は、高価な配位子
を使用し経済性に課題がある。
【0004】一方、酸化ケイ素を含む担体とアルミニウ
ムを含む化合物を原料とした触媒については、メタノー
ルの脱水反応やn−ヘキサンの異性化反応、クラッキン
グなどに応用した例がある(Applied Cata
lysis A: General,167 (199
8),85)。しかしながら、カルボン酸エステル類の製
造に応用した例はない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、ティシェン
コ反応に代表されるようなアルデヒド化合物からカルボ
ン酸エステル類を合成する系において、寿命が長く、経
済的な触媒になりうる触媒を提供することを課題の一つ
とする。
【0006】また、本発明は、該触媒を用いたカルボン
酸エステル類の製造方法を提供することを課題の一つと
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を達成するために鋭意検討した結果、シリカとアルミニ
ウムアルコキサイドを接触させることによって得られた
固体が、アルデヒド化合物の二量化反応によってカルボ
ン酸エステル類を製造する際の触媒として有用に用いる
ことができることを見出した。さらに検討を進め、アル
ミニウムアルコキサイド以外のアルミニウム化合物を原
料としても同様の反応性を有する触媒を作ることができ
ること、担体はシリカに限らず酸化ケイ素を含んでいれ
ばよいこと等を見出した。本発明を限定するものではな
いが、その活性の中心は、上記のような工程を含む製造
方法の中で形成されるSi−O−Al−OR結合(R
は、炭素数1から8の分岐していてもよいアルキル基を
示す)であろうことを突き止めた。また、アルキルアル
ミニウムのアルキル基を一つずつ置換して、Si−O−
Al−OR結合内のAlの残り一つの置換基を任意の含
酸素置換基にする、該触媒の新規製造方法を見出した。
さらに、これらの触媒を使用する、カルボン酸エステル
類の製造方法を見出した。
【0008】すなわち、本発明は例えば以下に示され
る。
【0009】〔1〕 酸化ケイ素を含む担体とアルミニ
ウムを含む化合物を接触させる工程を含む製造方法で製
造されたことを特徴とするカルボン酸エステル類製造用
触媒。
【0010】〔2〕 アルミニウムを含む化合物が、A
lR1 n(OR)3-n(nは0〜3の整数を示し、Rおよ
びR1は、炭素数1から8の分岐していてもよいアルキ
ル基を示し、RとR1は同一でも異なっていてもよ
い。)で表される化合物であることを特徴とする〔1〕
に記載のカルボン酸エステル類製造用触媒。
【0011】〔3〕 アルミニウムを含む化合物のnが
0であることを特徴とする〔2〕に記載のカルボン酸エ
ステル類製造用触媒。
【0012】〔4〕 アルミニウムを含む化合物のnが
2または3であり、酸化ケイ素を含む担体とアルミニウ
ムを含む化合物を接触させる工程に次いでROH(R
は、炭素数1から8の分岐していてもよいアルキル基を
示す。)で表されるアルコール類と接触させる工程とを
含む製造方法により製造されたことを特徴とする〔2〕
に記載のカルボン酸エステル類製造用触媒。
【0013】〔5〕 アルミニウムを含む化合物が、A
lR1(OR)(OR2)(RおよびR1は、炭素数1か
ら8の分岐していてもよいアルキル基を示しており、R
およびR1は、同一でも異なっていてもよく、R2は、炭
素数1から10で分岐してもよいアルキル基または置換
基を有していてもよいフェニル基を示す。)で表される
化合物であることを特徴とする〔1〕に記載のカルボン
酸エステル類製造用触媒。
【0014】〔6〕 酸化ケイ素を含む担体上にSi−
O−Al−OR結合(Rは、炭素数1から8の分岐して
いてもよいアルキル基を示す。)を有することを特徴と
する〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のカルボン酸エス
テル類製造用触媒。
【0015】〔7〕 酸化ケイ素を含む担体上にSi−
O−Al(−OR)2結合または/および(Si−O
−)2Al−OR結合(Rは、炭素数1から8の分岐し
ていてもよいアルキル基を示す。)を有することを特徴
とする〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載のカルボン酸エ
ステル類製造用触媒。
【0016】〔8〕 酸化ケイ素を含む担体上にSi−
O−Al(OR)(OR2)結合(Rは、炭素数1から
8の分岐していてもよいアルキル基を示し、R2は、炭
素数1から10で分岐してもよいアルキル基または置換
基を有していてもよいフェニル基を示す。)を有するこ
とを特徴とする〔5〕に記載のカルボン酸エステル類製
造用触媒。
【0017】
〔9〕 アルミニウムを含む化合物のRが
イソプロピル基であることを特徴とする〔1〕〜〔8〕
のいずれかに記載のカルボン酸エステル類製造用触媒。
【0018】〔10〕 酸化ケイ素を含む担体とアルミ
ニウムを含む化合物を接触させる際に、酸化ケイ素を含
む担体が有しているシラノール基の数とアルミニウムを
含む化合物のモル数の比が1:1.0から1:3.0の
範囲内で接触させて製造されたことを特徴とする〔1〕
〔9〕のいずれかに記載のカルボン酸エステル類製造
用触媒。
【0019】〔11〕 酸化ケイ素を含む担体をあらか
じめ100℃〜700℃の範囲内で、乾燥空気または乾
燥された不活性ガスの雰囲気中で焼成させておき、その
後にアルミニウムを含む化合物と接触させて製造された
ことを特徴とする、〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載
のカルボン酸エステル類製造用触媒。
【0020】〔12〕 酸化ケイ素を含む担体が、酸化
ケイ素の含有率が90質量%以上であることを特徴とす
る、〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載のカルボン酸エ
ステル類製造用触媒。
【0021】〔13〕 アルデヒド化合物を二量化して
カルボン酸エステル類を製造することに用いる〔1〕〜
〔12〕のいずれかに記載のカルボン酸エステル類製造
用触媒。
【0022】〔14〕 〔5〕〜〔13〕のいずれかに
記載のカルボン酸エステル類製造法触媒を製造するに際
し、AlR1 3(R1は、炭素数1から8の分岐していて
もよいアルキル基を示す。)で表されるアルキルアルミ
ニウム化合物とアルキルアルミニウム化合物に対して
1.0〜1.2モル数のR2OH(R2は、炭素数1から
10で分岐してもよいアルキル基または置換基を有して
いてもよいフェニル基を示す。)で表される化合物とR
OH(Rは、炭素数1から8の分岐していてもよいアル
キル基を示す。)で表されるアルコール類とを逐次的に
接触させ(但し、接触させる順番は、R2OHとROH
のいずれが先でもよい。)、次いで、酸化ケイ素を含む
担体と接触させることを特徴とするカルボン酸エステル
類製造用触媒の製造方法。
【0023】〔15〕 〔1〕〜〔13〕いずれかに記
載の触媒と原料のアルデヒド化合物を接触させることに
よって、アルデヒド化合物を二量化反応させることを特
徴とするカルボン酸エステル類の製造方法。
【0024】〔16〕 アルデヒド化合物がR3−CH
O(ここで、R3は、水素、炭素数1から8の分岐して
いてもよいアルキル基、フェニル基および2-フリル基
から選べる基のいずれかを示す。)で表される化合物か
ら選ばれる1種類または2種類であることを特徴とす
る、〔15〕に記載のカルボン酸エステル類の製造方
法。
【0025】〔17〕 アルデヒド化合物がアセトアル
デヒドであり、カルボン酸エステル類が酢酸エチルであ
ることを特徴とする、〔15〕に記載のカルボン酸エス
テル類の製造方法。
【0026】〔18〕 酸化ケイ素を含む担体上にSi
−O−Al−OR結合(Rは、炭素数1から8の分岐し
ていてもよいアルキル基を示す。)を有することを特徴
とする〔カルボン酸エステル類製造用触媒。
【0027】〔19〕 酸化ケイ素を含む担体上にSi
−O−Al(−OR)2結合または/および(Si−O
−)2Al−OR結合(Rは、炭素数1から8の分岐し
ていてもよいアルキル基を示す。)を有することを特徴
とするカルボン酸エステル類製造用触媒。
【0028】〔20〕 酸化ケイ素を含む担体上にSi
−O−Al(OR)(OR2)結合(Rは、炭素数1か
ら8の分岐していてもよいアルキル基を示し、R2は、
炭素数1から10で分岐してもよいアルキル基または置
換基を有していてもよいフェニル基を示す。)を有する
ことを特徴とするカルボン酸エステル類製造用触媒。
【0029】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳細に説明
する。
【0030】ティシェンコ反応に適した触媒とは、適度
な強度の酸点を有する触媒であると考えられる。反応機
構についてはいくつかの説があるが、最も一般的に知ら
れている反応機構によれば、活性中心に結合されたアル
コキサイドが生成物に取り込まれながら、新たに配位し
たアルデヒドがアルコキサイドを再生すると言われてい
る。これより考察すれば、好ましい触媒の条件として
は、アルコキサイドが結合できる活性中心を有すること
と、その活性中心の酸強度が、反応を進めるために適し
た状態になっていることなどが考えられる。
【0031】本発明者らは、特にシリカとアルミニウム
アルコキサイドを接触させて得られた固体が上記条件を
満たし、アルデヒド化合物からカルボン酸エステル類を
製造する際に適した触媒となることを見出した。さらに
検討を進め、表面シラノール基を有する担体とアルミニ
ウムを含む化合物を接触させた際に生じる何らかの化学
構造が、活性発現のために必須であることを見出した。
限定するものではないが、その活性の中心構造は、Si
−O−Al−OR結合であろうことを突き止めた。従っ
て、アルミニウムアルコキサイド以外の原料を出発物と
して、別の方法で触媒を調製しても、同様の構造を形成
していれば、活性を発現しうる。すなわち、本発明の触
媒は、酸化ケイ素を含む担体とアルミニウムを含む化合
物を接触させる工程によって生じる化学構造を含むこと
が必須条件である。その化学構造は、Si−O−Al−
OR結合であり、この構造を有していれば、触媒の調製
方法には限定されない。
【0032】従来報告されてきたティシェンコ反応用触
媒は、主として液相反応での均一系触媒が中心であった
ため、固体触媒系で活性を発現することは、きわめて画
期的な発明と考える。
【0033】さらに、従来報告されてきたティシェンコ
反応用触媒の中には、アルデヒドのα−炭素に水素が結
合している場合、あるいはα−炭素に結合している水素
数が多い場合に、反応が進みにくいものがあったが、本
発明で見出した触媒系は、アセトアルデヒドでも高い効
率で反応が進むことを確認しており、その意味でも画期
的な発明である。
【0034】本発明の酸化ケイ素を含む担体とは、Si
2で表される組成成分を含んだものであり、一般的に
は常温常圧において、固体であるものを示す。具体的に
は、これらの担体は、大気下では、表面にシラノール基
と呼ばれるSi−OHで表される結合を有しているとい
う特徴を持つ。本発明の触媒では、このシラノール基由
来の酸素とアルミニウムが結合しているところに特徴が
ある。
【0035】酸化ケイ素を含む担体の具体例としては、
シリカゲル、シリカアルミナ、ゼオライト、シリカを含
むチタニア、シリカを含むジルコニアなどがあげられ
る。これらのうち、酸化ケイ素含有量が多い、シリカゲ
ル、シリカアルミナ、ゼオライトなどが好ましい。酸化
ケイ素含有量が多くなければ、表面のシラノール基数が
少なくなり、活性点形成に寄与できないからである。従
って、酸化ケイ素含有量が多いほうが好ましく、酸化ケ
イ素が80質量%以上含まれるものがより好ましい。さ
らに好ましくは、酸化ケイ素が90質量%以上含まれる
ものである。
【0036】また、表面が多いほど、シラノール基数が
多くなるため、比表面積が大きいものが好ましい。ここ
で言う比表面積とは、一般的によく知られている窒素吸
着法で測定するBET比表面積のことを示す。本発明で
使用される、酸化ケイ素を含む担体としては、好ましく
は、50m2/g〜600m2/gの範囲内の比表面積を有
するものである。比表面積が50m2/gより小さい場
合、シラノール基数が少なく、活性点数が少なくなり、
触媒活性が発現されない。比表面積が600m2/gより
大きくても、触媒活性が高くならない。その理由とし
て、例えば、シラノール基が密集しすぎているため、ア
ルミニウムと反応できないシラノール基が残り、それが
反応を阻害することなどが考えられる。本発明で使用さ
れる担体として、より好ましくは、150m2/g〜40
0m2/gの比表面積を有するものである。
【0037】酸化ケイ素を含む担体は、製造の過程で、
アルカリ金属酸化物やアルカリ土類金属酸化物が混入す
ることが知られている。アルデヒド化合物は、塩基点が
あると、そこを触媒として、アルドール縮合を起こすこ
とが知られている。従って、本発明で使用する酸化ケイ
素を含む担体は、上記のような塩基点に起因するような
不純物が少ないことが好ましい。従って、アルカリ金属
酸化物とアルカリ土類金属酸化物の含有量が、合計で
1.0質量%以下のものが好ましい。より好ましくは
0.3質量%以下のものである。
【0038】酸化ケイ素を含む担体は、一般的に吸湿性
が高いことが知られている。一方、Al-OR結合は、
水分に弱く、水分に接触すると加水分解されてその構造
が破壊されることが知られている。従って、酸化ケイ素
を含む担体は、触媒調製前に、あらかじめ焼成して水分
を除いておくことが好ましい。また、表面シラノール基
数は、高温で焼成するほど少なくなることが知られてい
る。従って、高温で焼成し過ぎると、表面シラノール基
が少なくなり、触媒としたときの活性が充分にならな
い。これらを総合して考え、本発明で使用する酸化ケイ
素を含む担体は、触媒調製前に、窒素などの不活性ガス
気流下、または乾燥空気気流下で、100℃〜700℃
の温度で、あらかじめ焼成しておくことが好ましい。焼
成温度が100℃より低い場合は、担体中の水分が十分
に除去できず、これが活性点形成の妨げになる。また、
焼成温度が700℃より高い場合は、シラノール基数が
少なくなり、担体によっては、細孔がつぶれて比表面積
が小さくなる。
【0039】いくつかの担体については、焼成温度によ
って、表面シラノール基数を求めることができる。例え
ば、Catal.Rev.−Sci.Eng.,39
(1&2),77−168(1997)には、シリカの
焼成温度と表面シラノール基の密度の関係が記載されて
いる。これによると、200℃にて焼成した場合の表面
シラノール基の密度は、3.9〜5.2個/nm2であ
り、500℃にて焼成した場合の表面シラノール基の密
度は、1.5〜2.2個/nm2である。これらの値に
担体の表面積を乗じれば、その担体が有するシラノール
基数を求めることができる。別法として、担体とトリエ
チルアルミニウムを接触させた際に発生するエタンガス
量から算出することもできる。これらの方法以外にも種
々の方法が知られている。また、担体のメーカーがこれ
らの手法を用いて、あらかじめシラノール基数を報告し
ているものもあり、それに準じてもよい。
【0040】事前に焼成した担体は、水分を除去した環
境中で扱うことが好ましい。すなわち、デシケーター中
で保管されるか、乾燥空気、または乾燥した不活性ガス
中に保管されることが好ましい。
【0041】本発明でアルミニウムを含む化合物とは、
その構造中にアルミニウムを含んでいれば、特に制限は
ない。ただし、その使用目的から、酸化ケイ素を含む担
体の表面シラノール基と接触した際に反応しやすい結合
を有していることが好ましい。シラノール基と反応する
ことが知られているものとして、アルキル−アルミニウ
ム結合(Al−R結合)やアルコキシ−アルミニウム結
合(Al−OR結合)が知られている。ここでRは、炭
素数1〜8の分岐していてもよいアルキル基を示す。A
l−Rは、表面シラノール基と縮合反応してSi−O−
AlとR−Hを生成することが知られている。また、A
l−ORは、表面シラノール基と縮合反応して、Si−
O−AlとRO−Hを生成することが知られている。従
って、酸化ケイ素を含む担体とこれらの結合を含むアル
ミニウム化合物を接触させた際には、Si−O−Al結
合が形成されている可能性が強い。従って、本発明で使
用されるアルミニウムを含む化合物としては、(式1)
で表される化合物が好ましい。
【0042】AlR1 n(OR)3-n (式1) (nは、0〜3の任意の整数を示す。RおよびR1は、
炭素数1から8の分岐していてもよいアルキル基を示
し、RとR1は同一でも異なっていてもよい。)
【0043】(式1)中のRまたは R1の具体例として
は、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、
n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、
n−へプチル基、n−オクチル基などが例示できる。
【0044】アルミニウムを含む化合物としてAl(O
R)3で表される化合物を使用した場合、酸化ケイ素を含
む担体の表面シラノール基の1つと縮合反応して、RO
Hで表されるアルコールが脱離して、Si−O−Al
(−OR)2結合を形成するか、または、表面シラノール
基の2つと縮合反応して、ROHで表されるアルコール
分子2つを脱離して、(Si−O−)2Al−OR結合を
形成すると考えられる。触媒としての構造としては、い
ずれの状態であっても触媒としての性能は発現すると考
えられる。
【0045】Al(OR)3で表される化合物の具体例と
しては、アルミニウムトリメトキサイド、アルミニウム
トリエトキサイド、アルミニウムトリプロポキサイド、
アルミニウムトリイソプロポキサイド、アルミニウムト
リ−n−ブトキサイド、アルミニウムトリ−sec−ブ
トキサイド、アルミニウムトリ−t−ブトキサイド、ア
ルミニウムトリ−n−ペントキサイド、アルミニウムト
リ−n−ヘキサオキサイドなどが例示できる。これらの
うち、好ましくは、アルミニウムトリエトキサイド、ア
ルミニウムトリプロポキサイド、アルミニウムトリイソ
プロポキサイドである。さらに好ましくは、アルミニウ
ムトリイソプロポキサイドである。
【0046】アルミニウムを含む化合物として、AlR
1(OR)2またはAlR1 2(OR)で表される化合物を使用
してもよい。この場合、一般的に、シラノール基との反
応性は、Al−R1結合のほうが、Al−OR結合より
も高いことが知られている。従って、AlR1 (OR)2
が表面シラノール基数よりも十分多く存在する場合は、
シラノール基とAl−Rとの反応が優先的に起こり、S
i−O−Al(OR)2結合を形成すると予想される。さ
らに近傍のシラノール基と残ったAl−OR結合が反応
して、(Si−O−)2Al−OR結合が形成されてもよ
い。同様に、Al R1 2(OR)で表される化合物を使用
した場合は、該化合物と2つのシラノール基が縮合反応
して、 (Si−O−)2Al−OR結合が優先的に形成さ
れると予想される。ただし、シラノール基数よりもAl
1 2(OR)が多く存在するために、シラノール基数が足
りなくなり、Si−O−AlR1 (OR)結合が残ること
が考えられるが、それが残ってもよい。その場合は、任
意のアルコールと接触させることによって、残ったAl
−R1を、接触させたアルコールに起因するアルコキサ
イドに置換することができる。
【0047】AlR1(OR)2またはAlR1 2(OR)の式
中のRおよびR1は、上記で説明したRおよびR1と同様
である。ここで、RおよびR1は同一でも異なっていて
もよい。
【0048】AlR1(OR)2の具体例としては、メチル
アルミニウムジメトキサイド、メチルアルミニウムジエ
トキサイド、メチルアルミニウムジプロポキサイド、メ
チルアルミニウムジイソプロポキサイド、メチルアルミ
ニウムジ−n−ブトキサイド、メチルアルミニウムジ−
sec−ブトキサイド、メチルアルミニウムジ−t−ブ
トキサイド、エチルアルミニウムジメトキサイド、エチ
ルアルミニウムジエトキサイド、エチルアルミニウムジ
プロポキサイド、エチルアルミニウムジイソプロポキサ
イド、エチルアルミニウムジ−n−ブトキサイド、エチ
ルアルミニウムジ−sec−ブトキサイド、エチルアル
ミニウムジ−t−ブトキサイドなどが例示できる。これ
らの化合物の合成法は、一般的に知られている方法でよ
い。例えば、トリアルキルアルミニウムに2倍モル当量
の、作りたいアルコキサイドに相当するアルコールを接
触させることによって、容易に合成することができる。
【0049】AlR1 2(OR)の具体例としては、ジメチ
ルアルミニウムメトキサイド、ジメチルアルミニウムエ
トキサイド、ジメチルアルミニウムプロポキサイド、ジ
メチルアルミニウムイソプロポキサイド、ジメチルアル
ミニウム−n−ブトキサイド、ジメチルアルミニウム−
sec−ブトキサイド、ジメチルアルミニウム−t−ブ
トキサイド、ジエチルアルミニウムメトキサイド、ジエ
チルアルミニウムエトキサイド、ジエチルアルミニウム
プロポキサイド、ジエチルアルミニウムイソプロポキサ
イド、ジエチルアルミニウム−n−ブトキサイド、ジエ
チルアルミニウム−sec−ブトキサイド、ジエチルア
ルミニウム−t−ブトキサイドなどが例示できる。これ
らの化合物の合成法は、一般的に知られている方法でよ
い。例えば、トリアルキルアルミニウムに等モル当量
の、作りたいアルコキサイドに相当するアルコールを接
触させることによって、容易に合成することができる。
【0050】アルミニウムを含む化合物として、AlR
1 3で表される化合物を使用してもよい。この場合、シラ
ノール基とAl−R1結合は激しく反応することが知ら
れている。従って、AlR1 3が表面シラノール基数より
も十分多く存在する場合は、Si−O−AlR1 2結合を
形成すると予想される。さらに近傍のシラノール基と残
ったAl−R1結合が反応して、(Si−O−)2Al−R
1結合が形成されてもよい。表面シラノール基数よりも
少ないAlR1 3で表される化合物を使用した場合は、該
化合物と2つのシラノール基が縮合反応して、 (Si−
O−) 2Al−R1結合が主として形成されると予想され
る。アルミニウム化合物としてAlR1 3で表される化合
物を使用した際には、上述のいずれの場合でも、Al−
1結合が残ることになる。その場合は、任意のアルコ
ールと接触させることによって、残ったAl−R1を、
接触させたアルコールに起因するアルコキサイドに置換
することによって、最終的にSi−O−Al−OR結合
をを作ることができる。
【0051】AlR1 3の具体例としては、トリメチルア
ルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリn−プロピ
ルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリ
−n−ブチルアルミニウム、トリ−sec−ブチルアル
ミニウム、トリ−t−ブチルアルミニウム、トリ−n−
ペンチルアルミニウム、トリ−n−ヘキシルアルミニウ
ムなどが例示できる。
【0052】出来上がった触媒のAlの電子状態を変え
る目的で、Alに任意のアルコキサイド、または置換基
を持っていてもよいフェノキサイドなどを結合させても
よい。つまり、上記で説明したAlR1 3で表されるトリ
アルキルアルミニウムと等モル数のR2OHで表される
化合物を接触させることによって、AlR1 2(OR2)で
表される化合物を合成し、その後にこれを、Al化合物
と等モル数の、ROHで表されるアルコール類と接触さ
せることによって、AlR1(OR2)(OR)で表される化
合物を合成し、その後にこれを、酸化ケイ素を含む担体
と接触させることによってSi−O−Al(OR2)(O
R)で表せる結合を形成させることができる。(ここ
で、RおよびR1は、炭素数1から8の分岐していても
よいアルキル基を示しており、RおよびR1は、同一で
も異なっていてもよい。R2は、炭素数1から10で分
岐してもよいアルキル基、または、任意の置換基を有し
ていてもよいフェニル基を示す。)なお、R2OHで表
される化合物と接触させる工程と、ROHで表されるア
ルコール類と接触させる工程については、いずれが先で
もよい。この場合のOR2は、触媒として使用する際に
活性中心となるAlの電子状態を制御する役割を担うと
考えることができる。活性中心となるAlのよりよい電
子状態とは、反応させようとするアルデヒド化合物によ
って変わると考えられている。従って、状況に応じて、
任意の電子吸引基や電子供与基をOR2として結合させ
ることができる。また、その後に結合させるORは、反
応中、エステルに取り込まれるものである。触媒上に
は、新たに配位したアルデヒドが還元されて、アルコキ
サイドが再生していることになる。本発明の目的とす
る、カルボン酸エステル類の製造用触媒として、このよ
うな触媒の製造方法は、従来知られていない。
【0053】OR2の具体例としては、フェノキシ基、
o−メトキシフェノキシ基、m−メトキシフェノキシ
基、p−メトキシフェノキシ基、o−エトキシフェノキ
シ基、m−エトキシフェノキシ基、p−エトキシフェノ
キシ基、o−クロロフェノキシ基、m−クロロフェノキ
シ基、p−クロロフェノキシ基、o−ニトロフェノキシ
基、m−ニトロフェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基
などがあげられる。好ましくは、フェノキシ基、p−メ
トキシフェノキシ基、p−ニトロフェノキシ基である。
【0054】本発明において、触媒を調製する際の、酸
化ケイ素を含む担体とアルミニウムを含む化合物を接触
させる方法については、特に制限はない。一般的には、
ヘキサンなどの直鎖の飽和炭化水素、または、ベンゼ
ン、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素、エーテ
ル類、エステル類などの溶媒中で、担体とアルミニウム
を含む化合物を接触させる方法が、知られている。その
際使用する溶媒は、脱水されているものを使用すること
が好ましい。この場合、アルミニウムを含む化合物は、
溶媒に溶解している必要はないが、溶解している方が好
ましい。また、反応中は、水分の妨害を受ける場合が多
いので、反応雰囲気は、乾燥空気または乾燥された不活
性ガスであることが好ましい。使用する溶媒については
特に制限はないが、一般的に知られている方法で脱水さ
れているものを使用することが好ましい。例えば、水素
化カルシウムなどの乾燥剤を共存させた条件下で蒸留し
た溶媒や、モレキュラー・シーブスなどを加えて保存し
ておいた溶媒などを用いるのが好ましい。担体とアルミ
ニウムを含む化合物を接触させる際の温度に特に制限は
ないが、室温付近から200℃までの間の温度が好まし
い。室温で接触させることに問題はないが、シラノール
基とアルミニウムを含む化合物との反応が遅いと予想さ
れた場合に、加熱することは有効な手段である。反応時
間に特に制限はないが、通常、30分間から10時間程
度である。
【0055】酸化ケイ素を含む担体とアルミニウムを含
む化合物を接触させる際、担体が有するシラノール基が
もれなく反応した方がよい。したがって、この工程にお
いて、アルミニウムを含む化合物の量を多くすること
は、有効な手段である。ただし、シラノール基とアルコ
キシ−アルミニウム結合の反応や、シラノール基とアル
キル−アルミニウム結合の反応は、比較的早いことが知
られているため、あまり大過剰に加えることは経済的で
ない。したがって、酸化ケイ素を含む担体が有すると予
想されるシラノール基数とアルミニウムを含む化合物の
モル数の比が、1:1.0〜1:3.0の範囲内で接触
させることが好ましい。
【0056】酸化ケイ素を含む担体の赤外線吸収スペク
トルを測定したところ、3750cm-1付近にシラノー
ル基に由来する吸収が存在することが知られている。シ
ラノール基とアルミニウムを含む化合物が結合を形成し
た場合、この吸収が、小さくなることが知られている。
上述のごとく、シラノール基がもれなく反応した場合に
は、この吸収が確認できないほど、小さくなる。したが
って、限定されるものではないが、得られた触媒の赤外
線吸収スペクトルにおいて、3750cm-1付近のシラ
ノール基に由来する吸収が確認できないことが好まし
い。
【0057】酸化ケイ素を含む担体とアルミニウムを含
む化合物を溶媒中において接触させた後に、触媒を取り
出す方法は、特に制限はない。例えば、ろ過して触媒成
分を分離した後に、溶媒成分を減圧留去させる方法でも
よい。また、ろ過しないで、溶媒全量を減圧留去させて
もよい。沸点の高い溶媒を使用していた場合は、ろ過し
て、沸点が低い溶媒で洗浄した後に、減圧留去、また
は、乾燥ガスによって、溶媒成分を蒸発させてもよい。
【0058】本発明において、酸化ケイ素を含む担体と
アルミニウムを含む化合物を接触させてSi−O−Al
−OR結合を有する触媒が出来上がった後、この触媒
は、乾燥空気中、または、乾燥された不活性触媒の雰囲
気下で保存されることが好ましい。大気中に放置した場
合、大気中に含まれる水分によって、加水分解を受け、
活性の中心構造が壊されてしまう。
【0059】本発明の触媒を使用して、アルデヒド化合
物からカルボン酸エステル類を製造する方法について説
明する。
【0060】本発明においてアルデヒド化合物とは「X
−CHO」で表される化合物でXは脂肪族、芳香族、複
素環などの基が含まれる。脂肪族基にはアルケニル、ア
ルキル、アルキニル基を含む。アルケニル基としてはエ
チニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル基を含み、
アルキル基としてはメチル、エチル、プロパニル、ブタ
ニル、ペンタニル、シクロペンチル、シクロヘキシル基
があげられる。芳香族基としてはフェニル基、トリル
基、キシレニル基、ナフチル基、アントラセニル基や
2,6−ジクロロトリル基などのようにハロゲンが置換
されていても良い。複素環基としてはアルキルピリジニ
ル、メチルチアゾイル基などがあげられる。
【0061】本発明で原料として使用されるアルデヒド
化合物として、好ましくは、R3−CHOで表される化
合物から選ばれる1種類または2種類の混合物である。
(R 3は、水素、炭素数1から8の分岐していてもよい
アルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、ま
たは2−フリル基のいずれかを示す。)より好ましく
は、アセトアルデヒドである。
【0062】これらのアルデヒドは特別な高純度品を必
要とはしないで工業グレードで入手可能なものをそのま
ま使用できる。しかしながら、水分やアルコールは少な
い方が好ましい。一般にはどちらも1%以下、好ましく
は数1000ppm以下が良い。更に好ましくは100
0ppm以下が触媒寿命を延ばす。
【0063】本発明における「アルデヒド二量化による
カルボン酸エステル類の合成」とは、同種のアルデヒド
の場合は単一のエステルを与えるが、異種のアルデヒド
を用いれば、多種類のエステルが生成することを意味す
る。(例えばR4CHO+R4'CHO→R4CO2CH2
4'+R4CO2CH24+R4'CO2CH24'+R4'CO
2CH24)本発明の触媒を使用してアルデヒド化合物
からカルボン酸エステル類を製造する際の方法について
は、本発明で得られた触媒と原料であるアルデヒド化合
物を接触させればよく、特に制限はない。一般的には、
液体のアルデヒド化合物をそのまま触媒と接触させる
か、または、不活性な溶媒に溶解させたアルデヒド化合
物の溶液中で、触媒と接触させる方法が、例示できる。
反応液中に固体触媒を懸濁させる方法が、もっとも一般
的である。その際、生成が予想されるカルボン酸エステ
ルを溶媒と使用しておけば、後の精製工程が容易になる
ため、好ましい。反応の際の温度は、原料であるアルデ
ヒド化合物や生成物であるカルボン酸エステル類を扱い
やすい温度で行えばよく、−20℃〜300℃の範囲内
が好ましい。
【0064】反応完了後、生成物と触媒は、ろ過によっ
て容易に分離できる。その他、遠心分離など、一般に知
られている固液分離法ならば、何でもよい。触媒の再利
用を考慮した場合、触媒が大気や水分を含んだガスと接
触しない工夫がなされていることが好ましい。
【0065】得られたカルボン酸エステル類と溶媒は、
蒸留などで分離することができる。先に記したように、
生成が予想されるカルボン酸エステルを溶媒として使用
しておけば、溶媒と生成物を一緒に精製することができ
るため、経済的になる場合が多い。
【0066】
【実施例】以下に本発明の実施例を示すが、何ら本発明
を限定するものではない。
【0067】触媒調製例1 以下の操作は、すべて乾燥窒素雰囲気下で行った。フラ
スコに、2.04g(10mmol)のアルミニウムト
リイソプロポキサイド(和光純薬製)をはかりとり、こ
れに20mlの2−プロパノール(ゼオライト等で脱水
して用いる。)を添加し、90℃で還流して溶解させ
た。あらかじめ、乾燥窒素気流下にて500℃、6時間
焼成し、乾燥窒素雰囲気下で冷却、保管しておいたシリ
カゲル(富士シリシア化学製 CARiACT Q−1
0 75−500μm)を用意した。このシリカゲル
5.0gを、先に調製した溶液に加え、90℃にて1時
間還流した。続いて、50℃の浴中で、撹拌しながら、
真空ポンプで排気し、溶媒を留去した。こうして、触媒
1を得た。
【0068】触媒1と上記条件で焼成したシリカゲルの
赤外線吸収スペクトルをそれぞれ測定し比較したとこ
ろ、シリカゲルには3750cm-1付近の吸収が確認で
きたが、触媒1では同吸収が確認できなかった。
【0069】触媒調製例2 以下の操作は、すべて乾燥窒素雰囲気下で行った。フラ
スコに、2.04g(10mmol)のアルミニウムト
リイソプロポキサイドをはかりとり、これに20mlの
2−プロパノール(ゼオライト等で脱水して用いる。)
を添加し、90℃で還流して溶解させた。この溶液に、
シリカゲル(触媒調製例1で使用したものと同じ製品を
同様の条件で焼成したもの)5.0gを加え、90℃に
て1時間還流した。これをろ過し、固体を2−プロパノ
ールで洗浄した。この固体をフラスコに入れ、50℃浴
中で真空ポンプによって排気し、溶媒を真空留去した。
これらの操作は、すべて乾燥窒素雰囲気下で行った。こ
うして、触媒2を得た。
【0070】触媒調製例3 以下の操作は、すべて乾燥窒素雰囲気下で行った。触媒
調製例1において、アルミニウムトリイソプロポキサイ
ドに替えて、アルミニウムトリエトキサドを使用した。
また、2-プロパノールに替えて、トルエンを使用し
た。それ以外は、触媒調製例1と同様の操作を行い、触
媒3を得た。
【0071】触媒調製例4 以下の操作は、すべて乾燥窒素雰囲気下で行った。フラ
スコに、n−ヘキサン(ゼオライト等で脱水して用い
る。)40mlをとり、1.0M−トリエチルアルミニ
ウム−n−ヘキサン溶液(関東化学製)10.0mlを
加え、撹拌した。別にn−ヘキサン8mlとエタノール
(ゼオライト等で脱水して用いる。)1.16ml(2
0mmol)の混合液を作り、この溶液を先のフラスコ
に、撹拌しながら、ゆっくりと滴下した。この溶液を、
90℃にて30分間還流した。
【0072】別のフラスコにシリカゲル(触媒調製例1
で使用したものと同じ製品を同様の条件で焼成したも
の)5.0gとn−ヘキサン20mlを加え、撹拌し
た。このフラスコに、先の溶液を全量滴下した。よく撹
拌しながら、90℃にて、30分間還流した。これをろ
過し、固体をn−ヘキサンで十分に洗浄した。この固体
をフラスコに入れ、50℃浴中で、真空ポンプによって
排気し、溶媒を真空留去した。こうして、触媒4を得
た。
【0073】触媒調製例5 以下の操作は、すべて乾燥窒素雰囲気下で行った。フラ
スコに、n−ヘキサン(ゼオライト等で脱水して用い
る。)40mlをとり、1.0M−トリエチルアルミニ
ウム−n−ヘキサン溶液 10.0mlを加え、撹拌し
た。別のフラスコに、シリカゲル(触媒調製例1で使用
したものと同じ製品を同様の条件で焼成したもの)5.
0gとn−ヘキサン20mlを加え、撹拌した。このフ
ラスコに、先の溶液全量をゆっくりと滴下した。よく撹
拌しながら、90℃にて、30分間還流した。これをろ
過し、固体をn−ヘキサンで十分に洗浄した。この固体
をフラスコに入れ、n−ヘキサン20mlを加え、撹拌
した。これに、エタノール(ゼオライト等で脱水して用
いる。)10mlを、ゆっくりと滴下しながら加えた。
よく撹拌しながら、90℃にて、30分間還流した。こ
れをろ過し、固体をn−ヘキサンで十分に洗浄した。こ
の固体をフラスコに入れ、室温にて、真空ポンプによっ
て排気し、溶媒を真空留去した。こうして、触媒5を得
た。
【0074】触媒調製例6 以下の操作は、すべて乾燥窒素雰囲気下で行った。フラ
スコに、キシレン(ゼオライト等で脱水して用いる。)
20mlをとり、1.0M−トリエチルアルミニウム−
n−ヘキサン溶液10.0mlを加え、撹拌した。別の
フラスコ中でキシレン20mlと4−メトキシフェノー
ル(東京化成製)1.24g(10mmol)を撹拌し
て溶解させ、この溶液全量を先のフラスコに、ゆっくり
と滴下した。さらに別のフラスコで、キシレン20ml
とエタノール(ゼオライト等で脱水して用いる。)0.
46g(10mmol)の混合液を作り、この溶液全量
を先のフラスコに、ゆっくりと滴下した。得られた溶液
を、90℃にて30分間還流した。
【0075】別のフラスコにシリカゲル(触媒調製例1
で使用したものと同じ製品を同様の条件で焼成したも
の)5.0gとキシレン20mlを加え、撹拌した。こ
のフラスコに、先の溶液を全量滴下した。得られた溶液
を、90℃にて、30分間還流した。これをろ過し、固
体をキシレンで十分に洗浄した後に、さらにn−ヘキサ
ンで洗浄した。この固体をフラスコに入れ、室温で、真
空ポンプによって排気し、溶媒を真空留去した。こうし
て、触媒6を得た。
【0076】実施例1 以下の操作は、すべて乾燥窒素雰囲気下で行った。よく
乾燥させたフラスコに、0.4gの触媒1をはかり取っ
た。これに、10vol%−アセトアルデヒド−キシレ
ン溶液(内部標準物質として、トルエンを含む)40m
lを添加した。フラスコを0℃の水浴に浸け、撹拌し
た。1時間後、撹拌を止め、反応液の一部をろ過し、ガ
スクロマトグラフィーにて分析した。アセトアルデヒド
基準のモル収率を、表1に示した。
【0077】実施例2〜6 実施例1において、触媒1の代わりに触媒2〜6を使用
し、それ以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を
表1に示した。
【0078】実施例7 以下の操作は、すべて乾燥窒素雰囲気下で行った。よく
乾燥させたフラスコに、0.4gの触媒1をはかり取っ
た。これに、n−ヘキサナール8.0gをそのまま添加
した。室温のまま、撹拌したところ、フラスコ内では激
しい発熱が観察された。1時間後、撹拌を止め、反応液
の一部をろ過し、ガスクロマトグラフィーにて分析し
た。未反応のn−ヘキサナールが5.3mol%、カプ
ロン酸n−ヘキシルが81.0mol%得られた。
【0079】実施例8 以下の操作は、すべて乾燥窒素雰囲気下で行った。よく
乾燥させた100mlオートクレーブに、0.4gの触
媒1をはかり取った。これに、10vol%−アセトア
ルデヒド−キシレン溶液(内部標準物質として、トルエ
ンを含む)40mlを添加した。このオートクレーブを
密閉し、50℃の水浴に浸け撹拌した。1時間後、撹拌
を止め、溶液の一部をろ過し、ガスクロマトグラフィー
にて分析した。未反応のアセトアルデヒドが0.1mo
l%、酢酸エチルが96.2mol%得られた。
【0080】実施例9 以下の操作は、すべて乾燥窒素雰囲気下で行った。よく
乾燥させたフラスコに、0.4gの触媒1をはかり取っ
た。これに、10vol%−アセトアルデヒド−酢酸エ
チル溶液40mlを添加した。フラスコを0℃の水浴に
浸け、撹拌した。1時間後、撹拌を止め、溶液の一部を
ろ過し、ガスクロマトグラフィーにて分析した。反応後
の溶液中の酢酸エチルは、97質量%以上であり、未反
応のアセトアルデヒドは、0.1質量%以下であること
を確認した。他に、約0.2質量%に相当する、酢酸イ
ソプロピルを確認した。
【0081】比較例1 実施例1において、0.4gの触媒1の代わりにアルミ
ニウムトリイソプロポキサイド0.16gを使用し、そ
れ以外は実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に
示した。
【0082】比較例2 実施例1において、0.4gの触媒1の代わりに0.4
gのシリカゲル(触媒調製例1で使用したものと同じ製
品を同様の条件で焼成したもの)を使用し、それ以外は
実施例1と同様の操作を行った。結果を表1に示した。
【0083】比較触媒調製例1 触媒調製例1において、シリカゲルの代わりに、α−ア
ルミナ(コンデア社製高純度アルミナ)を同様の条件で
焼成したものを使用した以外は、触媒調製例1と同様の
操作を行い、比較触媒1を得た。
【0084】比較触媒調製例2 触媒調製例1において、シリカゲルの代わりに、チタニ
ア(堺化学社製)を同様の条件で焼成したものを使用し
た以外は、触媒調製例1と同様の操作を行い、比較触媒
2を得た。
【0085】比較例3〜4 実施例1において、触媒1の代わりに比較触媒1または
2を使用し、それ以外は実施例1と同様の操作を行っ
た。結果を表1に示した。
【0086】
【表1】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C07B 61/00 300 C07B 61/00 300 (72)発明者 中條 哲夫 神奈川県川崎市川崎区扇町5番地1号 昭 和電工株式会社総合研究所川崎研究室内 (72)発明者 渡辺 賢広 山口県新南陽市開成町4980 昭和電工株式 会社徳山生産・技術統括部内 Fターム(参考) 4G069 AA03 BA02A BA02B BC16A BC16B BE01A BE01B BE06A BE06B BE21A BE21B CB25 CB75 EA02Y EB18Y EC03Y 4H006 AA02 AC48 BA09 BA32 BA55 KA36 4H039 CA66 CJ30 CL25

Claims (20)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 酸化ケイ素を含む担体とアルミニウムを
    含む化合物を接触させる工程を含む製造方法で製造され
    たことを特徴とするカルボン酸エステル類製造用触媒。
  2. 【請求項2】 アルミニウムを含む化合物が、AlR1 n
    (OR)3-n(nは0〜3の整数を示し、RおよびR
    1は、炭素数1から8の分岐していてもよいアルキル基
    を示し、RとR1は同一でも異なっていてもよい。)で
    表される化合物であることを特徴とする請求項1に記載
    のカルボン酸エステル類製造用触媒。
  3. 【請求項3】 アルミニウムを含む化合物のnが0であ
    ることを特徴とする請求項2に記載のカルボン酸エステ
    ル類製造用触媒。
  4. 【請求項4】 アルミニウムを含む化合物のnが2また
    は3であり、酸化ケイ素を含む担体とアルミニウムを含
    む化合物を接触させる工程に次いでROH(Rは、炭素
    数1から8の分岐していてもよいアルキル基を示す。)
    で表されるアルコール類と接触させる工程とを含む製造
    方法により製造されたことを特徴とする請求項2に記載
    のカルボン酸エステル類製造用触媒。
  5. 【請求項5】 アルミニウムを含む化合物が、AlR1
    (OR)(OR2)(RおよびR1は、炭素数1から8の
    分岐していてもよいアルキル基を示しており、Rおよび
    1は、同一でも異なっていてもよく、R2は、炭素数1
    から10で分岐してもよいアルキル基または置換基を有
    していてもよいフェニル基を示す。)で表される化合物
    であることを特徴とする請求項1に記載のカルボン酸エ
    ステル類製造用触媒。
  6. 【請求項6】 酸化ケイ素を含む担体上にSi−O−A
    l−OR結合(Rは、炭素数1から8の分岐していても
    よいアルキル基を示す。)を有することを特徴とする請
    求項1〜5のいずれかに記載のカルボン酸エステル類製
    造用触媒。
  7. 【請求項7】 酸化ケイ素を含む担体上にSi−O−A
    l(−OR)2結合または/および(Si−O−)2Al
    −OR結合(Rは、炭素数1から8の分岐していてもよ
    いアルキル基を示す。)を有することを特徴とする請求
    項1〜5のいずれかに記載のカルボン酸エステル類製造
    用触媒。
  8. 【請求項8】 酸化ケイ素を含む担体上にSi−O−A
    l(OR)(OR2)結合(Rは、炭素数1から8の分
    岐していてもよいアルキル基を示し、R2は、炭素数1
    から10で分岐してもよいアルキル基または置換基を有
    していてもよいフェニル基を示す。)を有することを特
    徴とする請求項5に記載のカルボン酸エステル類製造用
    触媒。
  9. 【請求項9】 アルミニウムを含む化合物のRがイソプ
    ロピル基であることを特徴とする請求項1〜8のいずれ
    かに記載のカルボン酸エステル類製造用触媒。
  10. 【請求項10】 酸化ケイ素を含む担体とアルミニウム
    を含む化合物を接触させる際に、酸化ケイ素を含む担体
    が有しているシラノール基の数とアルミニウムを含む化
    合物のモル数の比が1:1.0から1:3.0の範囲内
    で接触させて製造されたことを特徴とする請求項1〜9
    のいずれかに記載のカルボン酸エステル類製造用触媒。
  11. 【請求項11】 酸化ケイ素を含む担体をあらかじめ1
    00℃〜700℃の範囲内で、乾燥空気または乾燥され
    た不活性ガスの雰囲気中で焼成させておき、その後にア
    ルミニウムを含む化合物と接触させ製造されたことを特
    徴とする、請求項1〜10のいずれかに記載のカルボン
    酸エステル類製造用触媒。
  12. 【請求項12】 酸化ケイ素を含む担体が、酸化ケイ素
    の含有率が90質量%以上であることを特徴とする、請
    求項1〜11のいずれかに記載のカルボン酸エステル類
    製造用触媒。
  13. 【請求項13】 アルデヒド化合物を二量化してカルボ
    ン酸エステル類を製造することに用いる請求項1〜12
    のいずれかに記載のカルボン酸エステル類製造用触媒。
  14. 【請求項14】 請求項5〜13のいずれかに記載のカ
    ルボン酸エステル類製造法触媒を製造するに際し、Al
    1 3(R1は、炭素数1から8の分岐していてもよいア
    ルキル基を示す。)で表されるアルキルアルミニウム化
    合物とアルキルアルミニウム化合物に対して1.0〜
    1.2モル数のR2OH(R2は、炭素数1から10で分
    岐してもよいアルキル基または置換基を有していてもよ
    いフェニル基を示す。)で表される化合物とROH(R
    は、炭素数1から8の分岐していてもよいアルキル基を
    示す。)で表されるアルコール類とを逐次的に接触させ
    (但し、接触させる順番は、R2OHとROHのいずれ
    が先でもよい。)、次いで、酸化ケイ素を含む担体と接
    触させることを特徴とするカルボン酸エステル類製造用
    触媒の製造方法。
  15. 【請求項15】 請求項1〜13いずれかに記載の触媒
    と原料のアルデヒド化合物を接触させることによって、
    アルデヒド化合物を二量化反応させることを特徴とする
    カルボン酸エステル類の製造方法。
  16. 【請求項16】 アルデヒド化合物がR3−CHO(こ
    こで、R3は、水素、炭素数1から8の分岐していても
    よいアルキル基、フェニル基および2-フリル基から選
    べる基のいずれかを示す。)で表される化合物から選ば
    れる1種類または2種類であることを特徴とする、請求
    項15に記載のカルボン酸エステル類の製造方法。
  17. 【請求項17】 アルデヒド化合物がアセトアルデヒド
    であり、カルボン酸エステル類が酢酸エチルであること
    を特徴とする、請求項15に記載のカルボン酸エステル
    類の製造方法。
  18. 【請求項18】 酸化ケイ素を含む担体上にSi−O−
    Al−OR結合(Rは、炭素数1から8の分岐していて
    もよいアルキル基を示す。)を有することを特徴とする
    カルボン酸エステル類製造用触媒。
  19. 【請求項19】 酸化ケイ素を含む担体上にSi−O−
    Al(−OR)2結合または/および(Si−O−)2
    l−OR結合(Rは、炭素数1から8の分岐していても
    よいアルキル基を示す。)を有することを特徴とするカ
    ルボン酸エステル類製造用触媒。
  20. 【請求項20】 酸化ケイ素を含む担体上にSi−O−
    Al(OR)(OR2)結合(Rは、炭素数1から8の
    分岐していてもよいアルキル基を示し、R2は、炭素数
    1から10で分岐してもよいアルキル基または置換基を
    有していてもよいフェニル基を示す。)を有することを
    特徴とするカルボン酸エステル類製造用触媒。
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