JP2003170018A - 水素ガスの精製方法および精製装置 - Google Patents
水素ガスの精製方法および精製装置Info
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Abstract
異なる温度に設定して精製操作を行うことにより、不純
物除去量が優れ、かつ経済的にも有利な水素ガスの精製
方法およびそのための装置を提供することを目的とす
る。 【解決手段】 不純物として、窒素、酸素、一酸化炭
素、二酸化炭素、メタン、水分を含む水素ガスを精製す
る方法およびそのための装置である。ジルコニウム(Zr)
を主成分とする合金ゲッタ剤(11)に、上記不純物を含む
水素ガスを300〜500℃で接触させて、該不純物の
中の窒素、酸素、水分を除去すると共に、一酸化炭素お
よび二酸化炭素をメタンに転化して、実質的に不純物と
してメタンだけを含む水素ガスとなす。ついで、この実
質的に不純物としてメタンだけを含む水素ガスを、上記
と同一組成または別組成のジルコニウム(Zr)を主成分と
する合金ゲッタ剤(13)に550〜600℃で接触させ
て、メタンを除去する。
Description
物として含まれる窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭
素、メタン、水分を効率よく除去する水素ガスの精製方
法およびそのための装置に関するものである。
ガスは、各工程の還元性雰囲気ガス等として大量に使用
されている。近年の半導体の集積度の向上に伴い、水素
ガスの高純度化に対する要求はますます厳しくなってき
ている。
程度の不純物が含まれており、半導体デバイス製造工業
で使用する場合には、不純物をsub-ppb オーダー(つま
り1ppb 未満)の超高純度まで精製することが望まれて
いる。
て、水素ガスを300〜500℃の加熱下でパラジウム
合金膜に透過させる方法や、水素ガスを吸着材を用いて
極低温下で物理吸着させる方法が採用されている。
な方法も提案されている。 (イ)特許第2954705号 不純物を含む水素ガスを、室温付近(5〜50℃)のニ
ッケルおよび/またはニッケル化合物を包含する粒状物
質からなるニッケル含有ベッドと接触させた後、さらに
高温下(たとえば200〜600℃)で非蒸発型ゲッタ
(たとえば、Zr−V−Fe、Zr−Mn−Fe、なお
Zrは一部Tiで置換可)と接触させる方法。ここで、
ニッケル含有ベッドは、天然または合成モレキュラーシ
ーブで構成される収着ベッドの前または後におくことが
できる。 (ロ)特開平7−242401号公報 原料水素ガスを、ジルコニウム合金(たとえば、Zrと
Vとの二元合金、ZrとVとNi,Cr,Coから選ば
れた元素との多元合金)の水素化物と、加熱下(殊に4
00〜600℃)に接触させる方法。 (ハ)特開平9−194970号公報 水素ガスを、ジルコニウム合金(V,Mn,Fe,C
r,Coのうちの少なくとも1種の元素10〜70重量
%、Niの1〜20重量%、残部がZr)の水素化物に
350〜900℃で接触させ、ついで、マグネシウムま
たはカルシウム合金(Ni,Cu,Co,Mn,Fe,
Crのうちの少なくとも1種の元素20〜90重量%、
残部がマグネシウムまたはカルシウム)の水素化物に3
50〜900℃で接触させる方法。
で精製する方法として従来提案されている方法のうち、
パラジウム合金膜を用いる方法は、水素だけが選択的に
透過できるため、容易に超高純度の水素ガスが得られる
が、膜の抵抗が大きいため、原料水素と精製水素の圧力
差が大きくなる欠点がある。また、材料および製作のコ
ストが大きく、大流量の精製では装置コストの面で不利
となる欠点がある。
メタンが除去できないため、極低温下で接触させる必要
がある。このため、冷熱源として液体窒素が必要であ
り、液体窒素を供給するための断熱配管の施工が必要と
なる。また、吸着材は、精製時は極低温下で使用し、再
生時は高温下で使用するため、吸着材を充填するカラム
を十分に熱交換が行えるような構造にする必要があり、
複雑になると共に、装置の規模や製作コストが大きくな
る欠点がある。
ル触媒やモレキュラーシーブでメタンと窒素以外の不純
物を反応や吸着で除去し、ついで高温下の非蒸発型ゲッ
タでメタンと窒素を除去する上記(イ)の方法は、ニッ
ケル触媒やモレキュラーシーブで再生工程と精製工程を
交互に行うため、各充填カラムが2塔以上必要となり、
装置の構成が複雑になると共に、装置の規模が大きくな
る欠点がある。
下に接触させる上記(ロ)の方法、ジルコニウム合金の
水素化物と、マグネシウムまたはカルシウム合金の水素
化物とに、加熱下に順次接触させる上記(ハ)の方法を
含め、合金ゲッタ剤を用いるこれら(イ)、(ロ)、
(ハ)のいずれの方法も、ゲッタの加熱時に合金ゲッタ
剤に含有する炭素と雰囲気水素によるメタン生成の挙動
や生成メタンの低減方法に関する記載がなく、精製が可
能となるまでの前処理条件が不明である。
の除去濃度は示されているものの、ゲッタの不純物除去
量に関する記載がなく、実用上問題のない除去量を有し
ているか不明である。
ゲッタ剤の温度を最も除去が難しいメタンが除去可能な
高温にする必要があり、その温度より低温で除去可能な
その他の不純物の除去を考えた場合、エネルギー面で不
経済である。
く、(好ましくは加熱下の合金ゲッタ剤から反応生成す
るメタンを短時間で低減してから、)特定の合金ゲッタ
剤を2段に配置し、各段を異なる温度に設定して精製操
作を行うことにより、不純物除去量が優れ、かつ経済的
にも有利な水素ガスの精製方法を提供すること、および
そのための装置を提供することを目的とするものであ
る。
方法は、不純物として、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸
化炭素、メタン、水分を含む水素ガスを、ジルコニウム
(Zr)を主成分とする合金ゲッタ剤(11)に接触させ、つい
で前記と同一組成または別組成のジルコニウム(Zr)を主
成分とする合金ゲッタ剤(13)に接触させて、水素ガスを
精製するにあたり、その水素ガスの精製操作に先立ち、
前記合金ゲッタ剤(11), (13)に、前記の各不純物の濃度
が1ppb 未満の超高純度水素ガスを、700〜800℃
でかつ空間速度SV100〜2000hr-1の条件で少な
くとも48時間以上接触させて、該合金ゲッタ剤(11),
(13)に含有する炭素と供給水素との反応により生成する
メタンを1ppb 未満にまで低減させる前処理を行うこと
を特徴とするものである。
して、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、
水分を含む水素ガスを精製する方法であって、ジルコニ
ウム(Zr)を主成分とする合金ゲッタ剤(11)に、前記不純
物を含む水素ガスを300〜500℃で接触させて、該
不純物の中の窒素、酸素、水分を除去すると共に、一酸
化炭素および二酸化炭素をメタンに転化して、実質的に
不純物としてメタンだけを含む水素ガスとなすこと、つ
いで、この実質的に不純物としてメタンだけを含む水素
ガスを、前記と同一組成または別組成のジルコニウム(Z
r)を主成分とする合金ゲッタ剤(13)に550〜600℃
で接触させて、メタンを除去することを特徴とするもの
である。
合金ゲッタ剤(11), (13)に、前記の各不純物の濃度が1
ppb 未満の超高純度水素ガスを、700〜800℃でか
つ空間速度SV100〜2000hr-1の条件で少なくと
も48時間以上接触させて、該合金ゲッタ剤(11), (13)
に含有する炭素と供給水素との反応により生成するメタ
ンを1ppb 未満にまで低減させる前処理を行った後、不
純物を含む水素ガスと接触させることが特に望ましい。
して、窒素、酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、
水分を含む水素ガスを精製するための装置であって、前
記不純物を含む水素ガスを接触させて、該不純物の中の
窒素、酸素、水分を除去すると共に、一酸化炭素および
二酸化炭素をメタンに転化して、実質的に不純物として
メタンだけを含む水素ガスとなすための、ジルコニウム
(Zr)を主成分とする合金ゲッタ剤(11)を充填した精製塔
(4) と、この実質的に不純物としてメタンだけを含む水
素ガスを接触させてメタンを除去するための、前記と同
一組成または別組成のジルコニウム(Zr)を主成分とする
合金ゲッタ剤(13)を充填した精製塔(6)とを備えてなる
ことを特徴とするものである。
お、本発明において、「不純物として、窒素、酸素、一
酸化炭素、二酸化炭素、メタン、水分を含む水素ガス」
とは、不純物としてこれらの6成分の全てを含むという
限定的意味ではなく、それらのうち少なくとも一部を含
む場合をも包含するという趣旨である。
ては、ジルコニウム(Zr)を主成分とする合金ゲッタ剤(1
1), (13)として、好適には、ミッシュメタル(Mm)、ハフ
ニウム(Hf)のうち1種または2種の元素の合計重量が1
〜10重量%、アルミニウム(Al)の含量が1〜10重量
%、バナジウム(V) 、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)のうち1種
または2種以上の元素の合計含量が5〜50重量%、残
部がジルコニウム(Zr)からなる多元合金が用いられる。
このような組成を有する合金ゲッタ剤が、本発明の目的
に特に適しているからである。
(前処理)〉一般に、合金ゲッタ剤には、50〜500
0重量ppm の炭素が含まれており、加熱下で水素と接触
した場合、水素と反応してメタンが生成する。
まで精製する場合は、予めこの生成メタンを低減するこ
とが特に望ましい。そこで、生成メタンの低減に先立
ち、合金ゲッタ剤の水素化処理を行うことが有効であ
る。
%を流し、加熱下で精製するのは、設定している制御温
度を超えて異常発熱を生じるので、危険である。
でアルゴン等の不活性ガスで空気成分を置換した後、前
記の不活性ガスで20容量%程度の濃度に調整した水素
ガスと12時間以上接触させ、ついで100容量%の水
素ガスと接触させた後、所定の温度まで昇温を行う。
て水素化物となり、体積膨張が生じて数10μm 程度の
微粉末になる。
未満の極低濃度レベルまで低減することは、窒素、酸
素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、水分の各不純物
が1ppb 未満の超高純度水素ガスを700〜800℃で
かつ、空間速度SV100〜2000hr-1の条件で、少
なくとも48時間以上接触させることで達成できる。
製温度を600℃以下に維持して、後述の精製工程に供
すればよい。
めに使用する水素ガス中の不純物は、上記のように精製
水素ガスの保証値未満の濃度とする。水素ガス中の不純
物が多いと、生成メタン低減過程で合金ゲッタ剤と反応
し、精製時の不純物除去能力の低下を招くため好ましく
ない。生成メタン低減のための温度は、700℃よりも
低温になると単位時間あたりに生成するメタン量が少な
く、低減するまでに長時間を要する。一方、800℃よ
りも高温になると、生成メタンの低減時間は短縮される
ものの、合金ゲッタ剤を充填するカラムに耐熱性材料を
使用する必要が生じ、経済面で不利となる。
100hr-1より小さくなると、生成メタンの脱離速度が
低下する。一方、2000hr-1より大きくなると、水素
ガスの使用量が多くなりすぎて、ガスコストが増大す
る。
ましくは前記の方法により生成メタンを低減した合金ゲ
ッタ剤に、不純物を含む水素ガスを接触させて、不純物
の除去を行う。
ましくは生成メタンを低減した合金ゲッタ剤(11)に、不
純物を含む水素ガスを300〜500℃で接触させて、
該不純物の中の窒素、酸素、水分を除去すると共に、一
酸化炭素および二酸化炭素をメタンに転化して、実質的
に不純物としてメタンだけを含む水素ガスとなす。つい
で、この実質的に不純物としてメタンだけを含む水素ガ
スを、前記と同一組成または別組成の合金ゲッタ剤に5
50〜600℃で接触させて、メタンを除去する。
素と二酸化炭素をメタンに転化するための温度は、30
0℃より低い場合は、酸素および水分の除去と一酸化炭
素と二酸化炭素をメタンに転化することはできるが、窒
素が効率的に除去できない。また、500℃より高い
と、メタンが一部反応し、他の不純物の除去量が低下す
る。
いと反応効率が低下し、1ppb 未満まで除去できない。
また、600℃より高いと、合金ゲッタ剤で生成される
メタンの濃度レベルが1ppb を越え、精製の保証濃度を
得ることが難しくなる。
2段階に温度調整をせずに、550〜600℃の同一温
度に維持した合金ゲッタ剤に接触させることでも行うこ
とができないわけではないが、多成分を同時に除去した
場合、最も除去が難しいメタンの除去を目的とする55
0〜600℃の高温部を、それより低温の300〜50
0℃で除去できるその他の成分の除去に適用することに
なるので、エネルギーロスが生じ、不経済となる。
金ゲッタ剤は、前処理工程における水素ガスとの接触に
より微粉末の形状となるため、精製時に圧力損失を生じ
やすい。
よび空塔線速度LVに比例するが、合金ゲッタ剤は粉末
状態でも高温下で水素を吸蔵して体積膨張が生じ、充填
層高の増加以上に圧力損失が生じる。
れ方向(縦方向)で体積膨張をカバーできなくなり、径
方向(横方向)に応力が生じ、特に充填層下部が極めて
密な充填状態になるためである。
の充填層高さが過大になるとき、たとえば200mmを越
えるとか250mmを越えるとかいうような高さが必要な
場合は、充填層を分割し、充填層と充填層の間に空間部
(S) を設けて、上記のような密充填状態を緩和すること
が特に望ましい。そして、さらに水素ガスとの接触時の
見掛けの空塔線速度LVを5cm/sec以下に抑えるという
工夫を講ずれば、実用上問題のない圧力損失での精製が
可能となる。
ゲッタ剤を分割充填したカラムの一例を示した概略説明
図である。
めの、水素ガスの精製装置は、前記不純物を含む水素ガ
スを接触させて、該不純物の中の窒素、酸素、水分を除
去すると共に、一酸化炭素および二酸化炭素をメタンに
転化して、実質的に不純物としてメタンだけを含む水素
ガスとなすための、ジルコニウム(Zr)を主成分とする合
金ゲッタ剤(11)を充填した精製塔(4) と、この実質的に
不純物としてメタンだけを含む水素ガスを接触させてメ
タンを除去するための、前記と同一組成または別組成の
ジルコニウム(Zr)を主成分とする合金ゲッタ剤(13)を充
填した精製塔(6)とを備えてなるものである。
図2〜3において、(4), (6)は精製塔、(5) は精製塔
(4) の分析用ガス出口またはパージガス出口、(11), (1
3)は合金ゲッタ剤、(12), (14)は加熱機構、(S) は空間
部、(V) はバルブである。
填した場合の概略説明図である。図3は、同一のカラム
に合金ゲッタ剤を2層充填した場合の概略説明図であ
る。
(4), (6)は、・図2に示すように、2つの精製塔(カラ
ム)を直列に設置し、精製塔(カラム)ごとに個別に温
度調整を行う態様、・図3に示すように、1つ精製塔
(カラム)の内部に2種類の充填層を設け、精製塔(カ
ラム)の上部と下部を個別に温度調整を行う態様のいず
れの態様も可能である。
可逆的な反応で不純物を除去するものであるため、再生
ができず、定期的にカラムを交換する必要がある。
周期と後段の合金ゲッタ剤の交換周期とが異なった場合
でも、片方の精製塔のみの交換が可能であり、有効に合
金ゲッタ剤を使用できる利点がある。
を同時に交換する必要があるが、精製塔がコンパクトに
なり、装置の規模を小さくできる利点がある。また、加
熱時に、前段の合金ゲッタ剤と後段の合金ゲッタ剤の間
からの熱損失が小さくて済み、経済的な運転が可能とな
る。
うときは、合金ゲッタ剤で生成するメタンを効率よく低
減することができ、短時間で精製を開始することが可能
となる。そして、精製工程において、2種類の温度条件
の合金ゲッタ剤を組み合わせて使用することにより、各
不純物を1ppb 未満に低減した超高純度水素を、安定的
にかつ経済的に得ることができる。
る。
を行うときの精製装置の一例を示した概略説明図であ
る。
(2) は超高純度水素ガス入口、(3)は超高純度アルゴン
ガス入口、(4), (6)は精製塔、(5) は精製塔(4) の分析
用ガス出口またはパージガス出口、(7) は精製塔(6) の
分析用ガス出口またはパージガス出口、(8) は冷却機
構、(9) は精製水素ガス出口、(10)はパージ水素ガス排
出口、(11), (13)は合金ゲッタ剤、(12), (14)は加熱機
構、(F1), (F2), (F3)は流量調整器、(V) はバルブであ
る。
(11), (13)として、ジルコニウム(Zr)60重量%、バナ
ジウム(V) 29重量%、アルミニウム(Al)4重量%、ハ
フニウム(Hf) 0.5重量%、ミッシュメタル(Mm)4重量
%、鉄(Fe)2重量%、ニッケル 0.5重量%の組成を有す
る直径3mm、長さ3mmのペレット状の合金ゲッタ剤を用
いた。
スの精製を行った。まず、内径42.6mmのステンレス鋼製
の精製塔(4), (6)のそれぞれに、上記の合金ゲッタ剤
を、いずれも200mmとなるように充填した(トータル
充填高さは400mm)。
ガスで置換した後、水素ガスをアルゴンガスで希釈し
て、20容量%の濃度に調整した水素ガスを、圧力 0.1
MPaG、流量1NL/minで12時間連続で流し、合金ゲッタ
剤の水素化処理を行った。発熱が終了した後、水素ガス
100容量%に変えて同様の処理を行った。各塔の空間
速度SVは210hr-1、2塔合計の空間速度SVは10
5hr-1に設定した。なお、水素ガスとアルゴンガスは、
共に、各不純物濃度が1ppb 未満の超高純度のものを使
用した。
aG、流量5NL/minで流しながら、精製塔(4), (6)を共に
700℃まで加熱した状態で48時間保持した。加熱開
始後、精製塔出口ガス中のメタンは最大400ppm 程度
の濃度が検出され、時間の経過とともに減少する傾向が
見られた。48時間経過後、精製塔(4) を450℃に、
精製塔(6) を580℃に保持して、精製塔(6) の出口ガ
ス中のメタン濃度を測定したところ、 0.5ppb の低濃度
であった。
00℃、350℃、400℃、450℃、500℃に、
一方、精製塔(6) の温度を550℃、580℃、600
℃の各温度に調節しながら、不純物濃度が窒素5ppm 、
酸素5ppm 、一酸化炭素 0.1ppm 、二酸化炭素 0.1ppm
、メタン 0.1ppm 、水分10ppm となるように不純物
を添加した水素ガスを、圧力 0.5MPaG、流量5NL/minで
連続的に供給して精製を行った。各塔の空間速度SVは
1052hr-1、2塔合計の空間速度SVは526hr-1に
設定した。
量分析計(API-MS)、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC-
MS) 、水素炎イオン化式ガスクロマトグラフ(GC-FID)を
用いて行った。
塔(4) 出口ガスの不純物濃度を示す。また、表2に、各
温度条件における精製時の精製塔(6) 出口ガスの不純物
濃度を示す。
素、酸素、水分が除去され、一酸化炭素、二酸化炭素が
全てメタンに転化されていた。
に多く含まれていたメタンのほか、窒素、酸素、一酸化
炭素、二酸化炭素、水分も1ppb 未満であり、充分な精
製能力が得られた。
塔(6) の温度が600℃の、見掛けの空塔線速度LVが
最も大きくなる条件で精製した際の原料水素に対する精
製水素の圧力降下は 0.02MPaであり、実用上問題のない
レベルであった。なお、圧力0.5MPaG における空塔線速
度LVは、500℃の場合が2.79cm/sec、600℃の場
合が3.15cm/secであった。
重量%、バナジウム(V) 36重量%、アルミニウム(Al)
6重量%、ハフニウム(Hf)1重量%、ミッシュメタル(M
m)6重量%、鉄(Fe) 0.7重量%、ニッケル 0.3重量%の
組成を有する直径3mm、長さ3mmのペレット状の合金ゲ
ッタ剤を用いたほかは、実施例1と同一の方法で精製を
行った。
製塔(6) の出口ガスの不純物濃度を示す。
に多く含まれていたメタンのほか、窒素、酸素、一酸化
炭素、二酸化炭素、水分も1ppb 未満であり、充分な精
製能力が得られた。
100ppm 、一酸化炭素2ppm 、二酸化炭素2ppm 、メ
タン2ppm 、水分200ppm に変更したほかは、実施例
1と同一の方法で精製を行った。各温度条件とも、精製
塔(4) の出口ガスにメタン以外の不純物が1ppb を越え
る時間まで精製を行った。
外の不純物が最初に1ppb を越えた成分(第一破過成
分)と精製に要した時間、およびその時の精製塔(6) 出
口ガス中のメタン濃度を示す。
塔(4) の第一破過成分は窒素であった。また、その時の
精製塔(6) 出口ガス中のメタン濃度は全て1ppb 未満で
あり、充分な精製能力が得られた。
填層を高さ200mmずつの2分割にかつ充填層間に10
0mmの空間部(S) を設けたほかは(合金ゲッタ剤(11),
(13)トータル充填高さは600mmとなる)、実施例1と
同一の方法で圧力損失を測定した。
高さに比例した結果が得られた。
を600℃に変えたほかは、実施例1と同一の方法で生
成メタンの低減処理を行った。
に、精製塔(6) を580℃に保持して、精製塔(6) の出
口ガス中のメタン濃度を測定したところ 3.6ppb であ
り、1ppb を越える濃度であった。
作で、精製塔(6) の出口ガス中のメタン濃度を測定した
ところ、1ppb 未満を達成するするために210時間を
要した。
を高さを400mmにしたほかは(合金ゲッタ剤(11), (1
3)トータル充填高さは600mmとなる)、実施例1と同
一の方法で圧力損失を測定した。
高さの増加比以上に圧力損失が生じていた。
は、合金ゲッタ剤で生成するメタンを効率よく低減で
き、短時間で精製が可能となる。そして、精製工程にお
いて、2種類の温度条件の合金ゲッタ剤を組み合わせて
使用することにより、各不純物を1ppb 未満に低減した
超高純度水素を、安定的にかつ経済的に得ることができ
る。
製装置の一例を示した概略説明図である。
概略説明図である。
合の概略説明図である。
割充填したカラムの一例を示した概略説明図である。
ス出口、 (6) …精製塔、 (7) …(精製塔(6) の)分析用ガス出口またはパージガ
ス出口、 (8) …冷却機構、 (9) …精製水素ガス出口、 (10)…パージ水素排出口、 (11)…合金ゲッタ剤、 (12)…加熱機構、 (13)…合金ゲッタ剤、 (14)…加熱機構、 (S) …空間部、 (F1)〜(F4)…流量調整器、 (V) …バルブ
Claims (6)
- 【請求項1】不純物として、窒素、酸素、一酸化炭素、
二酸化炭素、メタン、水分を含む水素ガスを、ジルコニ
ウム(Zr)を主成分とする合金ゲッタ剤(11)に接触させ、
ついで前記と同一組成または別組成のジルコニウム(Zr)
を主成分とする合金ゲッタ剤(13)に接触させて、水素ガ
スを精製するにあたり、 その水素ガスの精製操作に先立ち、前記合金ゲッタ剤(1
1), (13)に、前記の各不純物の濃度が1ppb 未満の超高
純度水素ガスを、700〜800℃でかつ空間速度SV
100〜2000hr-1の条件で少なくとも48時間以上
接触させて、該合金ゲッタ剤(11), (13)に含有する炭素
と供給水素との反応により生成するメタンを1ppb 未満
にまで低減させる前処理を行うことを特徴とする水素ガ
スの精製方法。 - 【請求項2】不純物として、窒素、酸素、一酸化炭素、
二酸化炭素、メタン、水分を含む水素ガスを精製する方
法であって、 ジルコニウム(Zr)を主成分とする合金ゲッタ剤(11)に、
前記不純物を含む水素ガスを300〜500℃で接触さ
せて、該不純物の中の窒素、酸素、水分を除去すると共
に、一酸化炭素および二酸化炭素をメタンに転化して、
実質的に不純物としてメタンだけを含む水素ガスとなす
こと、 ついで、この実質的に不純物としてメタンだけを含む水
素ガスを、前記と同一組成または別組成のジルコニウム
(Zr)を主成分とする合金ゲッタ剤(13)に550〜600
℃で接触させて、メタンを除去することを特徴とする水
素ガスの精製方法。 - 【請求項3】水素ガスを精製するに先立ち、合金ゲッタ
剤(11), (13)に、前記の各不純物の濃度が1ppb 未満の
超高純度水素ガスを、700〜800℃でかつ空間速度
100〜2000hr-1の条件で少なくとも48時間以上
接触させて、該合金ゲッタ剤(11), (13)に含有する炭素
と供給水素との反応により生成するメタンを1ppb 未満
にまで低減させる前処理を行った後、不純物を含む水素
ガスと接触させることを特徴とする請求項2記載の水素
ガスの精製方法。 - 【請求項4】合金ゲッタ剤(11), (13)を充填高さが過大
にならない高さに分割充填し、各充填層の間に空間部を
設けると共に、水素ガスと見掛けの空塔線速度LV5cm
/sec以下で接触させることを特徴とする請求項2記載の
水素ガスの精製方法。 - 【請求項5】合金ゲッタ剤(11), (13)が、ミッシュメタ
ル(Mm)、ハフニウム(Hf)のうち1種または2種の元素の
合計重量が1〜10重量%、アルミニウム(Al)の含量が
1〜10重量%、バナジウム(V) 、鉄(Fe)、ニッケル(N
i)のうち1種または2種以上の元素の合計含量が5〜5
0重量%、残部がジルコニウム(Zr)からなる多元合金で
ある請求項2記載の水素ガスの精製方法。 - 【請求項6】不純物として、窒素、酸素、一酸化炭素、
二酸化炭素、メタン、水分を含む水素ガスを精製するた
めの装置であって、 前記不純物を含む水素ガスを接触させて、該不純物の中
の窒素、酸素、水分を除去すると共に、一酸化炭素およ
び二酸化炭素をメタンに転化して、実質的に不純物とし
てメタンだけを含む水素ガスとなすための、ジルコニウ
ム(Zr)を主成分とする合金ゲッタ剤(11)を充填した精製
塔(4) と、 この実質的に不純物としてメタンだけを含む水素ガスを
接触させてメタンを除去するための、前記と同一組成ま
たは別組成のジルコニウム(Zr)を主成分とする合金ゲッ
タ剤(13)を充填した精製塔(6)とを備えてなることを特
徴とする水素ガスの精製装置。
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Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2007269521A (ja) * | 2006-03-30 | 2007-10-18 | Toshiba Corp | 燃料システム及び燃料電池システム |
CN112588076A (zh) * | 2020-12-15 | 2021-04-02 | 江阴金属材料创新研究院有限公司 | 一种氢气的捕集阱 |
CN115672254A (zh) * | 2022-11-17 | 2023-02-03 | 北京锦正茂科技有限公司 | 一种用于低温恒温器内部的免激活气体吸附剂及制备方法 |
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2001
- 2001-12-04 JP JP2001370368A patent/JP4059663B2/ja not_active Expired - Lifetime
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