JP3201923B2 - 高純度窒素ガスの製造方法および製造装置 - Google Patents

高純度窒素ガスの製造方法および製造装置

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JP3201923B2
JP3201923B2 JP04641095A JP4641095A JP3201923B2 JP 3201923 B2 JP3201923 B2 JP 3201923B2 JP 04641095 A JP04641095 A JP 04641095A JP 4641095 A JP4641095 A JP 4641095A JP 3201923 B2 JP3201923 B2 JP 3201923B2
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敏行 安部
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大陽東洋酸素株式会社
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  • Exhaust Gas Treatment By Means Of Catalyst (AREA)
  • Catalysts (AREA)
  • Separation Of Gases By Adsorption (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、たとえば半導体製造工
程などに使用される高純度の窒素ガスを製造する方法お
よびそのための装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多くの製造プロセスにおいて使われる窒
素ガスは高純度のものを必要とされることが多く、特に
半導体デバイス製造工業においては、極めて高純度の窒
素ガスが必要とされている。
【0003】窒素ガスの製造方法として、深冷分離法が
一般的に知られている。この方法は、原料空気を液化
し、沸点差を利用して精留することにより窒素成分を分
離回収するものである。
【0004】高純度の窒素ガスを得る方法としては、上
記の深冷分離法で製造された窒素ガスを、ゲッタ剤や、
ニッケル触媒と合成ゼオライトとを用いた精製装置によ
り精製する方法が一般的である。
【0005】また、比較的低純度の窒素ガスの製造方法
として、圧力スイング吸着法(以下「PSA法」とい
う)が知られている。この方法は、吸着剤を用い、その
吸着剤に対する原料空気中の窒素と酸素の吸着速度の差
を利用して窒素を分離回収するものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】半導体の高集積化が進
むにつれて、超LSIの製造において要求される純度レ
ベルについては、各不純分濃度1ppb 以下が要求されつ
つある。
【0007】それに伴い深冷分離装置も高純度化やオン
サイト化が進み、不純物濃度の低い窒素ガスが製造可能
となってきたが、各不純物濃度を1ppb 以下に低減する
ことは困難であり、そのため上述のように、ゲッタ剤
や、ニッケル触媒と合成ゼオライトとを用いた精製装置
により精製して使用しているのが実状である。
【0008】しかしながら上記のような高純度窒素ガス
の製造方法は、深冷分離装置が複雑なため、特に中小規
模の装置では製造コストが高くなる傾向がある。また、
高圧ガス取締法の適用を受けるため、設置場所の制約や
人的な運転管理に伴う運転コストの増加を生じるという
問題点がある。
【0009】さらに、高純度窒素ガスを得るための精製
装置で使用されるZr合金などのゲッタ剤は、高価な
上、再生ができず、また通常350℃以上の高温で使用
されているため、精製コストが高くなる。一方、ニッケ
ル触媒と合成ゼオライトとを用いる方法は、再生が可能
なため連続的に使用できるが、不純物であるメタンなど
の炭化水素は除去できない。メタンなどの炭化水素の除
去方法としては、加熱下でパラジウム触媒により酸化除
去するのが一般的方法であるが、この場合、深冷分離法
で製造された窒素ガスには酸素がほとんど含まれていな
いため、新たなユーティリティーとしての酸化用の酸素
を供給する必要があり、精製コスト増加の要因となる。
【0010】また、吸着剤(モレキュラーシービングカ
ーボンや合成ゼオライト)を用いてPSA法により製造
された窒素ガスをニッケル触媒と合成ゼオライトなどで
精製する方法においては、上述のようにメタンなどの炭
化水素は除去できず、現在知られている窒素ガスの純度
は 99.9999%程度であり、半導体製造工程で要求される
純度レベルには至っていない。
【0011】本発明は、このような背景下において、窒
素ガスに含まれる不純物である酸素、一酸化炭素、二酸
化炭素、炭化水素、水素および水を1ppb 以下まで低減
した高純度窒素ガスを安価に製造するための方法および
そのための装置を提供することを目的とするものであ
る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の高純度窒素ガス
の製造方法は、原料空気から高純度の窒素ガスを製造す
る方法であって、モレキュラーシービングカーボン(11)
を充填した吸着塔(3) に原料空気を導き、該ガス中に含
まれる酸素を圧力スイング吸着法により1000ppm 以
下に吸着除去する工程A、前記工程Aにより酸素が吸着
除去された窒素ガス中に残存する炭化水素、一酸化炭素
および水素を1000ppm 以下の酸素の存在下でパラジ
ウム触媒(12)と250〜400℃の範囲の温度において
接触させ、それらを二酸化炭素と水とに転化する工程
B、前記工程Bを経た窒素ガス中に残存する酸素、二酸
化炭素および水をニッケル触媒(13)と室温付近で接触さ
せ、それらを反応および吸着により除去する工程C、お
よび、前記工程Cで使用したニッケル触媒(13)から放出
される微量の水素をパラジウム触媒(14)と室温付近で接
触させて除去する工程Dからなることを特徴とするもの
である。
【0013】また、本発明の高純度窒素ガスの製造装置
は、原料空気を導入するガス入口(1) と、原料空気を加
圧するための圧縮機(2) と、窒素ガスを分離するための
モレキュラーシービングカーボン(11)を充填した吸着塔
(3) と、その吸着塔(3) 導出ガス用フィルタ(4) と、パ
ラジウム触媒(12)を充填した反応塔(5) と、その反応塔
(5) を加熱する加熱機構(20)と、前記反応塔(5) を出た
窒素ガスを室温付近まで冷却する冷却機構(6) と、ニッ
ケル触媒(13)を充填したニッケル塔(7) と、パラジウム
触媒(14)を充填した水素除去塔(8) と、その水素除去塔
(8) を出た窒素ガスをフィルタ(9) を経て導出するガス
出口(10)とを備えてなるものである。
【0014】この場合、さらに、上記のニッケル触媒(1
3)を充填したニッケル塔(7) を再生のために加熱する加
熱機構(21)と、上記のパラジウム触媒(14)を充填した水
素除去塔(8) を再生のために加熱する加熱機構(22)とを
設けることができる。
【0015】以下本発明を詳細に説明する。
【0016】本発明の高純度窒素ガスの製造方法は、以
下に述べるように、工程A、工程B、工程Cおよび工程
Dをこの順序で実施するものである。
【0017】そしてこの方法を実施するための装置は、 ・原料空気を導入するガス入口(1) と、 ・原料空気を加圧するための圧縮機(2) と、 ・窒素ガスを分離するためのモレキュラーシービングカ
ーボン(11)を充填した吸着塔(3) と、 ・その吸着塔(3) 導出ガス用フィルタ(4) と、 ・パラジウム触媒(12)を充填した反応塔(5) と、 ・その反応塔(5) を加熱する加熱機構(20)と、 ・前記反応塔(5) を出た窒素ガスを室温付近まで冷却す
る冷却機構(6) と、 ・ニッケル触媒(13)を充填したニッケル塔(7) と、 ・パラジウム触媒(14)を充填した水素除去塔(8) と、 ・その水素除去塔(8) を出た窒素ガスをフィルタ(9) を
経て導出するガス出口(10)とを備えたものである。
【0018】図1は、本発明の高純度窒素ガスの製造方
法に用いる装置の一例を示した概略構成図である。以
下、この図1を参照しながら、原料空気から高純度窒素
ガスを製造する方法および装置について説明する。
【0019】〈工程A〉工程Aは、モレキュラーシービ
ングカーボン(11)を充填した吸着塔(3) に原料空気を導
き、該ガス中に含まれる酸素を圧力スイング吸着法によ
り1000ppm以下に吸着除去する工程である。
【0020】さらに具体的な事例を挙げて説明すると、
圧縮機(2) により10kg/cm2G 未満の圧力に加圧された
原料空気は、モレキュラーシービングカーボン(11)を充
填した2つの吸着塔(3a), (3b)のいずれか一方にバルブ
(30)またはバルブ(31)を通して導かれ、酸素などが優先
的に吸着除去される。吸着塔(3a)または吸着塔(3b)から
導出された窒素ガスは、不純物として1000ppm 以下
の酸素と微量の一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素、水
素、水などを含んでおり、バルブ(32)またはバルブ(33)
を通して導出される。また、吸着塔(3a)または吸着塔(3
b)に吸着された酸素は、バルブ(34)またはバルブ(35)の
開放により、吸着塔内部圧力の変化を利用して脱着さ
れ、吸着塔(3a), (3b)の再生が行われる。吸着塔の数は
1塔でもよいが、効率的な連続運転が可能であることよ
り、図1のような2塔が好ましく、それ以上の複数塔で
も差し支えない。
【0021】なお、本発明に用いられるモレキュラーシ
ービングカーボン(11)は、3〜4オングストロームの細
孔径を有したものであり、酸素の吸着性能に伴う経済的
効果より通常4〜9kg/cm2G 程度の圧力で使用される。
また、吸着塔(3a), (3b)は、酸素除去濃度が1000pp
m 以下、通常は100〜1000ppm 、好ましくは約5
00ppm の条件で使用される。酸素除去濃度が100pp
m 未満になるようにすると、モレキュラーシービングカ
ーボン(11)の充填量を多くしなければならならないので
不経済となる。一方、酸素除去濃度が1000ppm を越
えるようになると、酸素除去に用いられるニッケル触媒
(13)が反応熱によりシンタリングを生じるおそれがある
ので好ましくない。
【0022】〈工程B〉工程Bは、前記工程Aにより酸
素が吸着除去された窒素ガス中に残存する炭化水素、一
酸化炭素および水素を1000ppm 以下の酸素の存在下
でパラジウム触媒(12)と250〜400℃の範囲の温度
において接触させ、それらを二酸化炭素と水とに転化す
る工程である。
【0023】上記の吸着塔(3a)または吸着塔(3b)から導
出された窒素ガスは、フィルタ(4)を通り、1μm 程度
以上のパーティクルが捕捉除去された後、パラジウム触
媒(12)を充填した反応塔(5) に導かれ、250〜400
℃の接触温度での触媒反応により微量の一酸化炭素、炭
化水素、水素は1000ppm 以下の酸素存在下で酸化さ
れて、二酸化炭素と水とに転化される。
【0024】ここでパラジウム触媒(12)は、強度や価格
の点からパラジウムをアルミナ等の担体に担持したもの
が好ましく、そのときのパラジウム担持量は 0.2〜10
重量%、好ましくは 0.5〜3重量%とすることが多い。
パラジウム担持量が余りに少ないときはメタンなどの酸
化反応率が低下し、一方パラジウムの担持量が余りに多
いときは触媒価格が増加して不経済となる。
【0025】また、パラジウム触媒(12)は経済的効果を
考慮して空間速度(SV)10000hr-1程度で使用さ
れ、その際の接触温度は250〜400℃の範囲で使用
される。パラジウム触媒(12)との接触温度が250℃未
満では反応速度が遅くなってメタンなどの酸化反応率が
低下し、一方400℃を越える温度で使用してもこれに
見合う効果が見られず経済的ではない。
【0026】〈工程C〉工程Cは、前記工程Bを経た窒
素ガス中に残存する酸素、二酸化炭素および水をニッケ
ル触媒(13)と室温付近で接触させ、それらを反応および
吸着により除去する工程である。
【0027】反応塔(5) から導出された窒素ガスは、熱
交換器などの冷却機構(6) により室温付近まで冷却され
た後、ニッケル触媒(13)を充填した2つのニッケッル塔
(7a), (7b)のいずれか一方にバルブ(36)またはバルブ(3
7)を通して導かれ、酸素、二酸化炭素および水が除去さ
れる。
【0028】ここでニッケル触媒(13)としては、二酸化
炭素と水の吸着能を有する担体(たとえばアルミナやシ
リカアルミナ)にニッケルを5〜90重量%担持させた
ものが好適に用いられる。ニッケル担持量が5重量%よ
りも少なくなると酸素の除去量が低下し、一方90重量
%より多くなると再生時の還元の際にシンタリングが生
じて活性が低下するおそれがあり、好ましくない。
【0029】ニッケル触媒(13)は、通常、空塔線速度
(LV)は40cm/sec以下で、接触温度は60℃以下で
使用される。接触温度が60℃を越えるときは二酸化炭
素と水の吸着能力が低くなる。
【0030】〈工程D〉工程Dは、前記工程Cで使用し
たニッケル触媒(13)から放出される微量の水素をパラジ
ウム触媒(14)と室温付近で接触させて除去する工程であ
る。
【0031】ニッケル塔(7a), (7b)各々の出口側には、
パラジウム触媒(14)を充填した水素除去塔(8a), (8b)が
配置され、ニッケル塔(7a)またはニッケル塔(7b)から導
出された窒素ガスは、水素除去塔(8a)または水素除去塔
(8b)に導かれ、ニッケル触媒(13)から放出される微量水
素が除去され、バルブ(38)またはバルブ(39)を経て、フ
ィルタ(9) で 0.1μm 以上のパーティクルが捕捉除去さ
れた後、ガス出口(10)から導出される。
【0032】ニッケル塔(7) と水素除去塔(8) は、各々
1塔の直列式でもよいが、効率的な連続運転が可能であ
ることより、図1のような各々2塔の2系列直列式が好
ましい。
【0033】ここで用いられるパラジウム触媒(14)は、
前記反応塔(5) に用いられるパラジウム触媒(12)と同一
のものでもよく、還元状態であっても、酸化物になって
いる部分があってもよい。
【0034】パラジウム触媒(14)は、通常、空塔線速度
(LV)は90cm/sec以下で、接触温度は60℃以下、
好ましくは40℃以下で使用される。接触温度が60℃
を越えるときは水素の吸収能力が低くなる。
【0035】このようにして製造された窒素ガスは、不
純物である酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素、
水素、水がいずれも1ppb 以下の高純度窒素ガスであ
る。
【0036】〈触媒の再生方法〉次に、工程Cにおける
ニッケル触媒(13)、工程Dにおけるパラジウム触媒(14)
の再生方法について説明する。
【0037】図1では、ニッケル触媒(13)を充填した2
つのニッケル塔(7a), (7b)と、パラジウム触媒(14)を充
填した2つの水素除去塔(8a), (8b)は、各々直列に配列
されており、バルブ(36)とバルブ(37)、およびバルブ(3
8)とバルブ(39)を切り替えて、交互に精製と再生を行う
ことができる。
【0038】たとえば、ニッケル塔(7a)と水素除去塔(8
a)の系列を再生する場合、バルブ(37)とバルブ(39)を開
け、かつバルブ(36)とバルブ(38)を閉じて反応塔(5) か
ら導出される窒素ガスをニッケル塔(7b)と水素除去塔(8
b)の系列に導入した後、バルブ(44)を開け、ニッケル塔
(7a)と水素除去塔(8a)の内部の窒素ガスを大気圧まで放
出する。また同時にバルブ(40)を開け、水素除去塔(8b)
から導出した高純度窒素ガスの一部を再生ガスとして流
量調整器(23)を通して精製ガス流と逆方向から導入し、
ヒータを用いた加熱機構(21a), (22a)によりニッケル塔
(7a)と水素除去塔(7b)の加熱を行う。さらにバルブ(42)
を開け、還元ガスとして水素またはメタノール蒸気を流
量調整器(24)を通してニッケル塔(7a)と水素除去塔(8a)
の間から導入し、ニッケル触媒(13)の還元を行う。
【0039】再生ガスの流量は、通常、精製ガス流量の
5〜30容量%、好ましくは10〜20容量%の範囲で
行われる。再生ガス流量が精製ガス流量の5容量%未満
になると再生時間が長くなり、一方30容量%を越える
と高純度窒素ガスの製造量が減少して不経済となる。
【0040】なお、水素除去塔(8a)に充填されたパラジ
ウム触媒(14)の加熱は、通常100〜300℃、好まし
くは約200℃で行われる。加熱温度が100℃未満に
なると、パラジウム触媒(14)の水素吸収量が低下し、一
方300℃を越える温度では水素吸収量は増加するが、
エネルギーコストが高くなるので好ましくない。
【0041】また、ニッケル塔(7a)に充填されたニッケ
ル触媒(13)の加熱は、通常150〜250℃、好ましく
は約200℃で行われ、還元ガスとしての水素、メタノ
ール蒸気の濃度は1〜3容量%程度で使用される。加熱
温度が150℃未満になるとニッケル触媒(13)の還元が
不充分となり、酸素の除去能力が低下する。また、担体
で吸着している二酸化炭素と水の脱着が不充分となり、
除去量の低下が生じる。一方250℃を越える温度で
は、シンタリングが生じ活性が低下する。また、還元ガ
スとしてメタノール蒸気を用いた場合、ニッケル触媒(1
3)表面にメタノールが分解した炭素が析出しやすくなる
ので好ましくない。
【0042】次にバルブ(42)を閉じて還元ガスの供給を
停止し、再生ガスで室温付近の温度まで冷却を行う。冷
却温度は60℃以下、好ましくは40℃以下である。
【0043】以上の再生方法により、ニッケル触媒(13)
とパラジウム触媒(14)を賦活させることが可能となる。
【0044】
【作用】工程Aにおいては、原料空気から酸素などが優
先的に吸着除去される。吸着塔(3) から導出された窒素
ガスは、不純物として、1000ppm 以下の酸素と、微
量の一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素、水素、水など
を含んでいる。
【0045】工程Bにおいては、1000ppm 以下の酸
素の存在下で、窒素ガス中に残存する炭化水素、一酸化
炭素および水素が、二酸化炭素と水とに転化される。
【0046】工程Cにおいては、前記工程Bを経た窒素
ガス中に残存する酸素、二酸化炭素および水が除去され
る。
【0047】工程Dにおいては、前記工程Cで使用した
ニッケル触媒から放出される微量の水素が除去される。
【0048】このように工程A〜Dを経ることにより、
原料空気から、不純物である酸素、一酸化炭素、二酸化
炭素、炭化水素、水素および水の全てが1ppb 以下の極
低濃度にまで安定して除去され、高純度の窒素ガスが一
挙に得られる。
【0049】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明をさらに説明す
るが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではな
い。
【0050】実施例1 図1に示した高純度窒素ガスの製造装置を用いて、高純
度窒素ガスの製造を行った。
【0051】内径 208.3mm、高さ1300mmの吸着塔(3
a), (3b)には、直径2mm、長さ3〜5mmの円筒状の3オ
ングストロームの細孔径を有するように均一化されたモ
レキュラーシービングカーボン(11)(武田薬品工業株式
会社製)を40リットルずつ充填した。
【0052】内径43mm、高さ500mmのステンレス製
の反応塔(5) には、直径3mmのアルミナ担体にパラジウ
ムを2重量%担持させた市販のパラジウム触媒(12)を1
92cc充填した。
【0053】内径54.9mm、高さ700mmのステンレス製
のニッケル塔(7a), (7b)には、直径1.6mm、長さ4〜7m
mの円筒状の合成シリカ・アルミナにニッケルを60重
量%担持させた市販のニッケル触媒(13)を1065ccず
つ充填した。
【0054】内径14mm、高さ700mmのステンレス製
の水素除去塔(8a), (8b)には、反応塔(5) に用いたパラ
ジウム触媒(12)と同一のパラジウム触媒(14)を92ccず
つ充填した。
【0055】また、原料空気加圧用の圧縮機(2) は除湿
機能を有したものを用い、吸着塔(3a), (3b)出口のフィ
ルタ(4) および水素除去塔(8a), (8b)出口のフィルタ
(9) は、各々1μm 、 0.1μm 以上のパーティクルを完
全に捕捉する能力を有するものを用いた。また、反応塔
(5) 出口ガスの冷却機構(6) としてプレートフィン型の
熱交換器を用い、ニッケル塔(7a), (7b)と水素除去塔(8
a), (8b)の加熱機構(21a), (21b), (22a), (22b)にはセ
ラミック製のバンドヒータを用いた。さらに、ニッケル
塔(7a), (7b)と水素除去塔(8a)、 (8b) の再生ガスおよ
び還元ガスの流量調整器(23), (24)として、マスフロー
コントローラを用いた。
【0056】圧縮機(2) で原料空気を7kg/cm2G まで加
圧し、前記モレキュラーシービングカーボン(11)を充填
した吸着塔(3a)に32Nl/minのガス量で導入し、約50
0ppm の酸素を含む窒素ガスを分離した。さらにこのガ
スを300℃に加熱された前記パラジウム触媒(12)を充
填した反応塔(5) に導入し、反応塔(5) 出口ガスを冷却
した後、25℃の室温下で前記ニッケル触媒(13)を充填
したニッケル塔(7a)、前記パラジウム触媒(14)を充填し
た水素除去塔(8a)の順で導入し、高純度窒素ガスの製造
を行った。
【0057】この際、吸着塔(3a), (3b)は2分間サイク
ルの交互切り替えで吸着、脱着操作を行い、またニッケ
ル塔(7a)と水素除去塔(8a)、ニッケル塔(7b)と水素除去
塔(8b)は8時間サイクルの交互切替で精製、再生を行
い、連続的に高純度窒素ガスの製造を行った。
【0058】なお、ニッケル塔(7a), (7b)と水素除去塔
(8a), (8b)の再生条件は、次の表1の通りである。
【0059】
【表1】 ニッケル塔 水素除去塔 充填剤 ニッケル触媒 パラジウム触媒 再生圧力 大気圧 大気圧 再生ガス 高純度窒素ガス 高純度窒素ガス 再生ガス流量 5Nl/min 5Nl/min 還元ガス 水素 − 還元ガス流量 0.15Nl/min − 加熱温度 200℃ 200℃ 再生工程時間 加熱: 10分 加熱:3時間 加熱還元:2時間20分 冷却:4時間50分 加熱: 30分 均圧:10分 冷却: 4時間50分 均圧: 10分
【0060】高純度窒素ガスの不純物は、英国VGガス
アナリスシステム社製の大気圧イオン化質量分析計(型
式:API−200)を用いて分析した。
【0061】その結果、表2に示すように、不純物であ
る酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、水素および
水は、全て1ppb 以下となっていた。
【0062】
【表2】 不純物 O2 CO CO2 CH4 H2 H2O 濃度(ppb) 0.06 0.17 0.88 0.01 0.72 0.41
【0063】実施例2 ニッケル塔(7a), (7b)の再生時の還元ガスをメタノール
に、また還元ガス流量を 0.5Nリットル/minに変えた以
外は、実施例1と同一方法によって高純度窒素ガスの製
造を行った。
【0064】その結果、表3に示すように、不純物であ
る酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、メタン、水素および
水は、全て1ppb 以下になっていた。
【0065】
【表3】 不純物 O2 CO CO2 CH4 H2 H2O 濃度(ppb) 0.15 0.20 0.94 0.01 0.79 0.69
【0066】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
深冷分離法のような高圧ガス取締法の適用に伴う設置場
所などの制約を受けず、窒素に含まれている不純物であ
る酸素、一酸化炭素、二酸化炭素、炭化水素、水素およ
び水をいずれも1ppb 以下にまで低減した高純度窒素ガ
スを安価に製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の高純度窒素ガスの製造方法に用いる装
置の一例を示した概略構成図である。
【符号の説明】
(1) …ガス入口、 (2) …圧縮機、 (3), (3a), (3b) …吸着塔、 (4) …フィルタ、 (5) …反応塔、 (6) …冷却機構、 (7), (7a), (7b) …ニッケル塔、 (8), (8a), (8b) …水素除去塔、 (9) …フィルタ、 (10)…ガス出口、 (11)…モレキュラーシービングカーボン、 (12)…パラジウム触媒、 (13)…ニッケル触媒、 (14)…パラジウム触媒、 (15)…還元ガス入口、 (20)…加熱機構、 (21), (21a), (21b)…加熱機構、 (22), (22a), (22b)…加熱機構、 (23), (24)…流量調整器、 (30), (31), (32), (33), (34), (35)…バルブ、 (36), (37)…バルブ、 (38), (39)…バルブ、 (40), (41), (42), (43), (44), (45)…バルブ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平3−238018(JP,A) 特開 平3−193110(JP,A) 特開 平4−219111(JP,A) 特開 平5−105410(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C01B 21/06

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料空気から高純度の窒素ガスを製造する
    方法であって、 モレキュラーシービングカーボン(11)を充填した吸着塔
    (3) に原料空気を導き、該ガス中に含まれる酸素を圧力
    スイング吸着法により1000ppm 以下に吸着除去する
    工程A、 前記工程Aにより酸素が吸着除去された窒素ガス中に残
    存する炭化水素、一酸化炭素および水素を1000ppm
    以下の酸素の存在下でパラジウム触媒(12)と250〜4
    00℃の範囲の温度において接触させ、それらを二酸化
    炭素と水とに転化する工程B、 前記工程Bを経た窒素ガス中に残存する酸素、二酸化炭
    素および水をニッケル触媒(13)と室温付近で接触させ、
    それらを反応および吸着により除去する工程C、およ
    び、 前記工程Cで使用したニッケル触媒(13)から放出される
    微量の水素をパラジウム触媒(14)と室温付近で接触させ
    て除去する工程Dからなることを特徴とする高純度窒素
    ガスの製造方法。
  2. 【請求項2】工程Cで使用したニッケル触媒(13)を、1
    50〜250℃の範囲の温度において水素またはメタノ
    ールを含む不活性ガス気流中で加熱処理することにより
    賦活して、再使用に供することを特徴とする請求項1記
    載の製造方法。
  3. 【請求項3】工程Dで使用したパラジウム触媒(14)を、
    100〜300℃の範囲の温度において不活性ガス気流
    中で加熱処理することにより賦活して、再使用に供する
    ことを特徴とする請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】原料空気を導入するガス入口(1) と、原料
    空気を加圧するための圧縮機(2) と、窒素ガスを分離す
    るためのモレキュラーシービングカーボン(11)を充填し
    た吸着塔(3) と、その吸着塔(3) 導出ガス用フィルタ
    (4) と、パラジウム触媒(12)を充填した反応塔(5) と、
    その反応塔(5) を加熱する加熱機構(20)と、前記反応塔
    (5) を出た窒素ガスを室温付近まで冷却する冷却機構
    (6) と、ニッケル触媒(13)を充填したニッケル塔(7)
    と、パラジウム触媒(14)を充填した水素除去塔(8) と、
    その水素除去塔(8) を出た窒素ガスをフィルタ(9) を経
    て導出するガス出口(10)とを備えてなる高純度窒素ガス
    の製造装置。
  5. 【請求項5】ッケル触媒(13)を充填したニッケル塔
    (7) を再生のために加熱する加熱機構(21)と、パラジウ
    ム触媒(14)を充填した水素除去塔(8) を再生のために加
    熱する加熱機構(22)とを備えてなる請求項4記載の製造
    装置。
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