JP2003169659A - アルコール含有飲料及びその製造方法 - Google Patents

アルコール含有飲料及びその製造方法

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JP2003169659A JP2002262258A JP2002262258A JP2003169659A JP 2003169659 A JP2003169659 A JP 2003169659A JP 2002262258 A JP2002262258 A JP 2002262258A JP 2002262258 A JP2002262258 A JP 2002262258A JP 2003169659 A JP2003169659 A JP 2003169659A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 γ−アミノ酪酸を高含量で含有するアルコー
ル含有飲料、及びその製造方法を提供する。 【解決手段】 γ−アミノ酪酸を80mg/リットル以
上含有することを特徴とするアルコール含有飲料。麹を
用いて該アルコール含有飲料を製造する方法において、
自己消化工程及び/又はγ−アミノ酪酸生成能を有する
乳酸菌の培養工程を包含する方法により得られる麹の処
理物を用いるアルコール含有飲料の製造方法。好ましい
ものには、アルコール含有飲料が清酒であり、エチルア
ルコールを13〜16v/v%含有する物がある。 【効果】 γ−アミノ酪酸が該飲料360ml(2合)
当り28.8mg以上となり、適量の飲酒により有効量
のγ−アミノ酪酸を摂取することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、γ−アミノ酪酸を
高含量で含有するアルコール含有飲料及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】
【特許文献1】 特開平10−165191号公報
【特許文献2】 特開2001−54390公報
【特許文献3】 特開平11−103825号公報
【非特許文献1】 「醸造物の成分」、第63〜84
頁、(財)日本醸造協会、平成11年12月10日発行
【非特許文献2】 生物工学会誌、第75巻、第4号、
第239〜244頁(1997年)
【非特許文献3】 食品と科学、第43巻、第8号、第
81〜85頁(2001年)γ−アミノ酪酸は生体内に
存在する蛋白質を構成しないアミノ酸であり、抑制性神
経伝達物質として考えられている。最近では、血圧降下
作用、アルコール代謝促進作用、脳代謝促進作用、及び
肥満防止作用といった機能性を有する物質として注目を
集めている。このため、様々な食品にγ−アミノ酪酸を
富化した機能性食品を製造する方法が提案されている。
【0003】清酒、味噌、醤油等の製造に古くから使用
されている麹にはγ−アミノ酪酸生成能があることが知
られている。特開平10−165191号公報では、麹
菌にアスペルギルス オリーゼ(Aspergillu
s oryzae)を用いた米麹を使用してγ−アミノ
酪酸を製造する方法が開示されている。また、特開20
01−54390公報では、アスペルギルス オリーゼ
のグルタミン酸からγ−アミノ酪酸を生成する酵素であ
るグルタミン酸デカルボキシラーゼに関して、遺伝子レ
ベルでの解析を行っており、該遺伝子を利用してγ−ア
ミノ酪酸を製造する方法が開示されている。
【0004】特開平11−103825号公報では、麹
菌を使用してγ−アミノ酪酸を富化した食品素材、味
噌、醤油等の製造方法が開示されている。しかし、該公
報では、アルコール含有飲料の一つである清酒におい
て、その醸造中に酒米から遊離してくるグルタミン酸の
量が極めて少量であるためグルタミン酸からγ−アミノ
酪酸への変換がほとんど起らないことが述べられてい
る。一方、清酒中のγ−アミノ酪酸含量は7.56mg
/100ml以下と低い濃度である〔醸造物の成分、第
63〜84頁、(財)日本醸造協会、平成11年12月
10日発行〕。他のアルコール含有飲料のγ−アミノ酪
酸含量は、例えば、ビール及びワインにおいて、それぞ
れ0.05mg/g及び0.06mg/gであり、明ら
かに清酒よりも低い値である〔生物工学会誌、第75
巻、第4号、第239〜244頁(1997年)〕。
【0005】前述のようにγ−アミノ酪酸は様々な機能
性を有する物質であるが、アルコール含有飲料にはわず
かしか含まれていない。γ−アミノ酪酸をアルコール含
有飲料中に富化することにより、飲酒によって機能性を
有する物質を摂取することができるようになり、このよ
うなアルコール含有飲料の開発が求められていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこのような状
況にかんがみて行われたものであり、γ−アミノ酪酸を
高含量で含有するアルコール含有飲料、及びその製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明を概説すると、第
1の発明はγ−アミノ酪酸を80mg/リットル以上含
有するアルコール含有飲料に関し、第2の発明は、自己
消化工程及び/又はγ−アミノ酪酸生成能を有する乳酸
菌の培養工程を包含する方法により得られる麹の処理物
を用いる第1の発明のアルコール含有飲料の製造方法に
関する。
【0008】本発明者らはγ−アミノ酪酸を高含有する
アルコール含有飲料について鋭意検討を行った。その結
果、γ−アミノ酪酸が80mg/リットル以上含有し、
従来にはない香味良好なアルコール含有飲料が得られる
ことを見出し、本発明の完成に至った。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に本発明を具体的に説明す
る。まず、本発明でいうアルコール含有飲料とは、エチ
ルアルコール(以下、アルコールという)を含有する飲
料であり、具体的には、清酒、合成清酒、ビール、ワイ
ン、みりん、及び本直し等の醸造酒、焼酎、ウィスキ
ー、ウォッカ、ラム、及びジン等の蒸留酒、雑酒、並び
にリキュール等を挙げることができる。これらの中で醸
造酒が好ましく、特に、清酒又はみりんが好適である。
本発明ではこれらがγ−アミノ酪酸を80mg/リット
ル以上含有するものであり、好ましくは80〜300m
g/リットル、より好ましくは100〜200mg/リ
ットル含有するものである。アルコール含有飲料中にγ
−アミノ酪酸が80mg/リットル以上含有すると、γ
−アミノ酪酸がアルコール含有飲料360ml(2合)
当り28.8mg以上となり、γ−アミノ酪酸による高
血圧予防効果、アルコール代謝促進効果、脳代謝促進効
果、肥満防止効果等の機能性の効果を有する量を適量な
飲酒で摂取することができる。特に、高血圧予防効果は
γ−アミノ酪酸を1日当り26mg摂取することにより
得ることができると報告されており〔食品と科学、第4
3巻、第8号、第81〜85頁(2001年)〕、前述
のように適量な飲酒による効果が得られる。また、より
少量で得ることができる機能性の効果は、当然得ること
ができる。アルコール含有飲料中のアルコール濃度は特
に限定はないが、例えば、清酒において、アルコール濃
度が13〜16v/v%の範囲が、呈味成分及び香気成
分とアルコールとのバランスがよく、好ましい一例であ
る。
【0010】(検討例1)アルコール濃度15.0v/
v%、日本酒度+1.0、及びγ−アミノ酪酸濃度23
mg/リットルの清酒にγ−アミノ酪酸を添加して官能
検査を行った。表1に示す濃度になるようにγ−アミノ
酪酸〔4−アミノ酪酸、和光純薬工業(株)製〕を添加
し、パネラー15名による官能検査を行った。官能検査
は味、香、及び総合の3項目について、3点法(0点;
悪い、1点;普通、2点;良い)により行った。その合
計点を表1に示す。
【0011】
【表1】
【0012】表1より、γ−アミノ酪酸を80mg/リ
ットル以上含有する清酒は、その味において、官能的に
好ましいものであり、その傾向は特に80〜300mg
/リットル含有する清酒において顕著であった。また、
香も若干ではあるが、味と同様にγ−アミノ酪酸を含有
することにより、官能的に好ましいものであった。した
がって、γ−アミノ酪酸を80mg/リットル以上含有
する清酒は好ましい香味を示すものであり、好ましくは
80〜300mg/リットル、より好ましくは100〜
200mg/リットル含有するものはその傾向が顕著で
あることが明らかになった。
【0013】アルコール含有飲料の麹を用いる製造工程
は、一般的に、原料処理、仕込、発酵、熟成、上槽、蒸
留、精製等の各工程からなる。原料処理工程は穀類、芋
類、種実類、豆類、果実類等のでん粉及び/又は糖類を
含有する掛原料を用い、糊化、液化、糖化、搾汁、固液
分離等の処理を行う。なお、仕込工程で常法に従って用
いる麹の製麹工程は原料処理工程に含む。仕込工程で処
理済の掛原料、水、麹、アルコール発酵能を有する酵
母、糖類、コーンスターチ、ホップ等の醸造副原料等を
混合し、発酵及び/又は熟成工程を行う。上槽工程はろ
過法、遠心分離法等により固液分離を行い、蒸留工程は
単式蒸留、連続式蒸留等により行う。このようにして得
られるアルコール含有飲料は、更に必要に応じており下
げ、活性炭処理、加熱殺菌等の精製工程を行う。例え
ば、清酒では、添、仲、及び留仕込の三段仕込みで麹、
蒸きょうした精白米、汲水、清酒酵母、及び醸造用乳酸
を混合して10〜15℃で発酵させ、上槽、及び精製工
程により製造する方法を挙げることができる。
【0014】γ−アミノ酪酸を80mg/リットル以上
含有するアルコール含有飲料を得る方法の一つとして、
γ−アミノ酪酸を高生成させた食品素材をその製造に用
いる方法を挙げることができる。この例として、自己消
化工程、γ−アミノ酪酸生成能を有する乳酸菌の培養工
程、又はこれらの工程の組合せ等により得られる麹の処
理物を用いる方法を挙げることができ、これらの中で自
己消化工程及びγ−アミノ酪酸生成能を有する乳酸菌の
培養工程を包含する方法により得られる麹の処理物を用
いるのが好ましく、自己消化工程、次いでγ−アミノ酪
酸生成能を有する乳酸菌の培養工程を包含する方法によ
り得られる麹の処理物を用いるのが特に好適である。ま
た、グルタミン酸デカルボキシラーゼの基質であるグル
タミン酸を多く溶出することができる原料、例えば精白
度が80〜90%といった精白度の低い原料を麹原料及
び/又は掛原料として用いる方法を挙げることができ
る。更に、グルタミン酸を高生成する麹菌を製麹に用い
る方法もある。
【0015】麹を製造するのに用いる原料は麹菌を培養
できるものであれば特に限定はないが、具体的な例とし
て、粳米、糯米、大麦、小麦、ライ麦、燕麦、蕎麦、ヒ
エ、アワ、コウリャン、トウモロコシ、マイロ等の穀
類、サツマイモ、ジャガイモ、サトイモ、タロイモ、キ
ャッサバ等の芋類、デーツ等の果実類、クリ、ゴマ等の
種実類、及び大豆等の豆類等を挙げることができる。こ
れらの原料は単独で、又は2種類以上併用して用いても
よい。これらの原料の形状には特に限定はなく、未精白
物、精白物、粒状物、粉体物、及び裁断物等を用いるこ
とができ、有機溶剤等の処理物、エクストルーダー等の
造粒機による造粒物を用いてもよい。また、麹菌を液体
培養する場合には、グルタミン酸及び/又はその塩、各
種ビタミン類、無機塩、有機物等を加えて培養すること
もできる。無機塩の具体的な例としては、アンモニウム
塩、硝酸塩、酸性リン酸塩、カリウム塩、カルシウム
塩、マグネシウム塩等の水溶性の化合物を、有機物で
は、米糠、小麦麩、コーンスティープリカー、大豆粕、
脱脂大豆等を挙げることができる。これらの添加量は麹
菌の増殖を阻害しない程度であれば特に限定はない。
【0016】これらの原料は前処理を行うのが好まし
く、前処理法は特に限定はない。具体的な例として、洗
浄、浸漬、加水、α−アミラーゼ、プロテアーゼ、セル
ラーゼ、ヘミセルラーゼ、及び/又はリパーゼ等を用い
る酵素処理、蒸きょう法等の湿熱処理、乾燥熱風による
焙炒法等の乾熱処理、及び/又はその組み合せ等を挙げ
ることができる。これらの方法は常法に従って行えばよ
い。蒸きょう法の例として、原料を洗浄、浸漬、水切り
後、常圧で30〜60分蒸きょうする方法を挙げること
ができる。α−アミラーゼによる液化方法の例として、
原料、水、プロテアーゼ、α−アミラーゼ、及び酵素剤
の安定化剤を混合し、40〜45℃で30分間保持後、
85〜95℃で1〜2時間保持する方法を挙げることが
できる。
【0017】前処理後の原料に麹菌を接種する。用いる
麹菌の種類には特に限定はないが、安全性の点から、酒
類又は食品の製造に用いるものが好ましい。具体的な例
として、ムコール ルーキシイ(Mucor roux
ii)、リゾプス ジャバニクス(Rhozopus
javanicus)、リゾプス デレマー(Rhiz
opus delemar)、アスペルギルス オリー
ゼ(Aspergillus oryzae)、アスペ
ルギルス ソーエ(Aspergillussoja
e)、アスペルギルス アワモリ(Aspergill
us awamori)、アスペルギルス カワチ(A
spergillus kawachii)、モナスカ
ス パープリウス(Monascus purpure
us)、モナスカス アンカ(Monascus an
ka)等を挙げることができる。接種する麹菌の形態
は、固体麹では胞子を接種すればよく、液体麹では胞子
又は菌糸のどちらを用いてもよい。用いる麹菌の菌株は
1種又は2種以上の混合菌株のどちらでもよく、自然界
より選択したγ−アミノ酪酸及び/又はL−グルタミン
酸高生成株、細胞融合株、変異株、形質転換株等を用い
てもよい。麹菌の接種量は特に限定はなく、培養条件下
で用いる菌株の増殖速度を考慮して適宜選択すればよ
い。接種量が少なすぎると所望の麹を得るのに要する時
間が長くなり、摂取量が多すぎると接種する麹菌を得る
のに要する費用、設備等が大きいものとなる。
【0018】麹菌を接種後、製麹を行う。固体麹におけ
る製麹条件は、30〜40℃で相対湿度90%以上とし
て、46時間程度行う方法が一般的であるが、特に限定
されるものではない。原料に粳米を用いて蒸きょうし、
アスペルギルス オリーゼを接種して固体麹を製麹する
場合の品温経過例として、以下の方法を挙げることがで
きる。アスペルギルス オリーゼの胞子を均一に接種し
て30℃で12時間放置後手入れを行い、更に同じ温度
で12時間放置後手入れを行う。その後、8時間で35
℃に上昇させてから手入れを行う。それから、6時間後
に40℃になるように更に上昇させ、40℃に到達後、
該温度で8時間放置することにより固体麹を得ることが
できる。液体麹における製麹条件も特に限定はないが、
次の工程で麹菌の自己消化を行う場合は製麹終了時には
定常期に到達しているのが好ましい。また、固体麹、液
体麹に関係なく、製麹条件を麹菌がプロテアーゼを高生
産する条件で行うのが好ましく、このようにすることに
より、自己消化工程において、菌体の自己消化反応を促
進することができる。また、グルタミン酸デカルボキシ
ラーゼの基質であるL−グルタミン酸をより多く生成さ
せることができる。
【0019】このようにして得られた麹に、自己消化工
程、γ−アミノ酪酸生成能を有する乳酸菌の培養工程、
又はこれらの工程の組合せ等の処理を行う。これらによ
りγ−アミノ酪酸含量を高めることができるが、好適な
例として、自己消化工程及びγ−アミノ酪酸生成能を有
する乳酸菌の培養工程を包含する方法を挙げることがで
きる。この場合、工程の順序に関係なく行うことがで
き、同時に二工程並行して行うこともできるが、自己消
化工程、次いでγ−アミノ酪酸生成能を有する乳酸菌の
培養工程を行う方法が特に好適である。
【0020】本発明でいう自己消化工程とは、麹と、必
要に応じて水等の溶媒とを混合し、麹菌の菌体の構成成
分及び麹中の原料成分を麹菌の菌体内又は菌体外に分泌
した酵素によって分解させることを示す。水等の溶媒の
添加量は特に限定はないが、例えば、固体麹の場合、麹
に対して、50〜200w/w%、好ましくは100〜
150w/w%の水と混合すればよい。自己消化時に麹
の製造に用いることができる原料又はその前処理物を加
えてもよい。麹、その原料又は前処理物、水等はすべて
を一度に混合してもよいが、複数回に分けて混合しても
問題はなく、これらの方法は適宜選択すればよい。ま
た、自己消化を行うときに酵素剤を添加して行うことも
できる。このときに用いることのできる酵素剤として
は、α−アミラーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、ヘミ
セルラーゼ、リパーゼ、グルタミナーゼ等を挙げること
ができ、これらの酵素は単独で、又は複数の酵素剤を併
用して用いることができる。用いる酵素剤の量は特に限
定はないが、例えば、麹の量を基準にして、用いる酵素
剤の量を決定する方法がある。自己消化を行う温度及び
時間には特に限定はないが、麹菌が分泌したアミラー
ゼ、プロテアーゼ等が失活しない条件であれば、できる
だけ高い温度で行うほうが雑菌汚染を受ける確率が減少
するので好ましい。具体的には、45〜60℃で12〜
24時間行うことが好ましい。
【0021】更に、自己消化工程の前に、加水した麹の
温度を30〜35℃で保持する工程を包含することによ
り、γ−アミノ酪酸含量を増加させることができる。保
持する温度が30℃未満で行うとγ−アミノ酪酸の生成
量が少なく、35℃より高い温度では、麹菌のグルタミ
ン酸デカルボキシラーゼが失活しやすく、結果として、
γ−アミノ酪酸生成量が少なくなる。保持時間は、製麹
環境及び自己消化を実施する環境等により適宜選択すれ
ばよいが、少なくとも3時間以上行うことが好ましく、
3〜48時間がより好ましい。3時間未満では時間が短
いためにγ−アミノ酪酸の生成量が少なく、48時間を
超えて行っても自己消化物中のγ−アミノ酪酸の著しい
増加が見られない。
【0022】自己消化工程により得られる麹の処理物
は、更にグルタミナーゼ処理することによりγ−アミノ
酪酸前駆体としてのグルタミン酸量を高めることができ
る。グルタミナーゼは、市販の酵素剤を使用すればよ
く、例えばグルタミナーゼ100FG〔ナガセケムテッ
クス株式会社製〕を使用する麹1g当り1ユニットを使
用すればよい。ここで、1ユニットは1分間に1マイク
ロモルのグルタミン酸を遊離する酵素量である。処理温
度は30〜55℃、好ましくは30〜40℃であり、処
理時間は30分〜5時間、好ましくは1〜3時間であ
る。
【0023】γ−アミノ酪酸生成能を有する乳酸菌の培
養工程により得られる麹の処理物もγ−アミノ酪酸含量
が高くなる。該乳酸菌の添加量は特に限定はないが、例
えば、1ml当り1×105〜2×109の範囲で添加す
ればよい。乳酸菌の添加量が少ないと雑菌汚染を受けや
すくなる。乳酸菌の培養条件は30〜37℃で24〜7
2時間行うのが好ましいが、これに限定されるのではな
く、必要に応じて適宜選択すればよい。本発明で用いる
乳酸菌はγ−アミノ酪酸生成能を有するものであれば特
に限定はないが、例として、ラクトバチルス(Lact
obacillus、以下、L.と略記する)属、ロイ
コノストック(Leuconostoc)属、ストレプ
トコッカス(Streptococcus)属、ペディ
オコッカス(Pediococcus)属、及びビフィ
ドバクテリウム(Bifidobacterium)属
等に属するものを挙げることができる。これらの中でも
ラクトバチルス属に属するものがより好ましく、この例
として、ラクトバチルスブレビス(L. brevi
s)、ラクトバチルス ブルガリカス(L. bulg
aricus)、ラクトバチルス デルブリッキ(L.
delbrueckii)、ラクトバチルス レイヒ
マニー(L. leichmannii)、ラクトバチ
ルス プランタラム(L. plantarum)、ラ
クトバチルスラクティス(L. lactis)、ラク
トバチルス ヘルベティカス(L.helveticu
s)、ラクトバチルス アシドフィラス(L. aci
dophilus)、ラクトバチルス カゼイ(L.
casei)、及びラクトバチルス ファーメンタム
(L. fermentum)等を挙げることができ
る。これらの中で特にラクトバチルス ブレビスに属す
るものが好ましく、この例として、ラクトバチルス ブ
レビス IFO−12005、ラクトバチルスブレビス
IFO−3345、ラクトバチルス ブレビス IF
O−3960、及びラクトバチルス ブレビス IFO
−12520等を挙げることができる。前述のグルタミ
ナーゼ処理でのグルタミナーゼをγ−アミノ酪酸生成能
を有する乳酸菌の培養工程において使用することもでき
る。例えばグルタミナーゼ100FG〔ナガセケムテッ
クス株式会社製〕を使用する麹1g当り1ユニットを使
用すればよい。
【0024】乳酸菌はあらかじめ前培養したものを用い
るのが好ましい。前培養は乳酸菌が増殖できる培地であ
れば特に限定はないが、その例として、GYP培地(グ
ルコース2w/v%、酵母エキス1w/v%、ペプトン
1w/v%)を挙げることができる。前培養を行う培地
にはグルタミン酸及び/又はその塩を添加して前培養を
行ってもよい。前培養した乳酸菌はそのまま用いること
ができるが、培養を行う前に前処理を行ってもよい。前
処理法としては、集菌、洗浄、乾燥、水若しくは前培養
を行った培地に懸濁、又はこれらを組合せた方法があ
り、これらは常法に従って行えばよい。
【0025】γ−アミノ酪酸の測定は、以下の方法で測
定することができる。麹、その処理物、及びアルコール
含有飲料に、必要に応じて水を加えて抽出後、遠心分離
法等により固液分離を行う。得られる上清に等量の3w
/v%のスルホサリチル酸を加えて除蛋白後、pH2.
2に調整して0.45μmのフィルターでろ過し、L−
8500A形高速アミノ酸分析計〔(株)日立製作所
製〕を用いて測定することができる。
【0026】(検討例2)自己消化工程及びγ−アミノ
酪酸生成能を有する乳酸菌の培養工程を包含する方法に
より製造して得られる米麹の処理物におけるγ−アミノ
酪酸生成量の検討を行った。原料として75%精白滋賀
県産日本晴100gを常法に従って洗米、浸漬、水切り
を行い、常圧で30分間蒸きょう後、30℃に冷却して
清酒用麹DF−27株〔(株)樋口松之助商店製〕の胞
子を0.05g接種し、製麹した。製麹条件は相対湿度
90%以上で、品温経過は前述の固体麹の品温経過例と
同様に行った。得られた麹を180mlの水と混合し、
55℃で18時間保持して自己消化を行った後、35℃
に冷却した。これにラクトバチルス ブレビス IFO
−12005を前述のGYP培地で30℃、48時間前
培養を行い、集菌及び洗浄後、培養時の培地の容量の3
分の1量になるように生理食塩水に懸濁し、その1.8
mlを添加して35℃で48時間培養した。培養後、遠
心分離法により固液分離して得られた上清中のγ−アミ
ノ酪酸及びL−グルタミン酸含量、重ボーメ度、酸度、
並びにアミノ酸度を測定した。対照としては、麹菌の自
己消化工程後にラクトバチルス ブレビス IFO−1
2005の培養を行わずに同様に行った。γ−アミノ酪
酸は前述の方法に従って測定し、L−グルタミン酸はγ
−アミノ酪酸の測定と同時に行った。また、重ボーメ
度、酸度、及びアミノ酸度の測定は第四回改正国税庁所
定分析法注解〔(財)日本醸造協会、平成5年2月20
日第四回改正版発行〕に基づき行った。その結果を表2
に示す。
【0027】
【表2】
【0028】表2より、麹に自己消化を行った後、ラク
トバチルス ブレビス IFO−12005を培養する
ことにより得られる処理物中のγ−アミノ酪酸含量は、
839mg/リットルであり、培養を行わなかった対照
の356mg/リットルより高い値であった。一方、L
−グルタミン酸は、γ−アミノ酪酸含量が高い乳酸菌の
培養を行った方が低い値であり、重ボーメ度に差は見ら
れなかった。酸度及びアミノ酸度はラクトバチルス ブ
レビス IFO12005による培養物の方が高く、官
能的にも重厚な甘味と酸味により好ましいものであっ
た。また、用いた粳米を蒸きょう後、米麹の自己消化工
程と同様の割合で水と混合し、糖化酵素を用いて55℃
で18時間糖化することにより得られた糖化物にラクト
バチルスブレビス IFO−12005を植菌したが、
乳酸菌は増殖しなかった。したがって、自己消化工程及
びγ−アミノ酪酸生成能を有する乳酸菌の培養工程を包
含することにより得られる米麹の処理物はγ−アミノ酪
酸を多量に含有し、官能的に好ましいものであることが
明らかになった。
【0029】麹、及び/又はその処理物等に嫌気処理を
行ってもよく、これは前述の処理工程に供する麹に行う
のが好ましい。嫌気処理とは、麹、その処理物等を密閉
雰囲気下でCO2ガス置換、N2ガス置換、減圧、脱気、
又はこれらの組合せ等によりO2の分圧を大気中のそれ
より減少させた状態で保持することを示し、これらの方
法は常法にしたがって行えばよい。嫌気処理を行う温度
及び時間は麹菌の培養中に菌体外に分泌するアミラー
ゼ、プロテアーゼ等の酵素が失活しない条件で行えば特
に限定はないが、それぞれ5〜60℃及び30分〜14
4時間の組合せで適宜選択する。処理温度は好ましくは
30〜50℃であり、処理時間は好ましくは24〜96
時間である。嫌気処理を行うことにより、麹の処理物中
のγ−アミノ酪酸を増加させることができる。
【0030】前述の工程を経た麹の処理物はそのまま用
いることができるが、必要に応じて後処理してもよい。
後処理方法としては、沈降分離法、遠心分離法、若しく
はろ過法等を用いた固液分解による未分解顆粒及び乳酸
菌の除去、常圧若しくは加圧下での加熱処理、常圧若し
くは減圧下での濃縮、膜分離法、活性炭処理法、若しく
は合成吸着剤処理法等による脱色、凍結乾燥法、真空乾
燥法、若しくは噴霧乾燥法等による乾燥、圧縮破砕法、
衝撃式粉砕法、爆砕処理法、若しくは超音波粉砕法等に
よる粉末化、又はこれらの組合せ等を挙げることがで
き、これらの方法は常法にしたがって実施すればよい。
【0031】このようにして得られる麹の処理物をアル
コール含有飲料の製造に用いることができる。その方法
としては、アルコール含有飲料の発酵中、熟成中、及び
/又は固液分離後若しくは蒸留後のアルコール含有飲料
に添加する方法を挙げることができ、醸造酒等では添加
時期は、発酵又は熟成後半及びそれ以降が好ましく、上
槽工程直前24時間以内が特に好適である。このときに
アルコール、糖類、酸味料等の添加物を加えてもよい。
麹の処理物を掛原料にも用い、全麹アルコール含有飲料
とすることも可能である。処理物の添加量はアルコール
含有飲料中のγ−アミノ酪酸が80mg/リットル以上
になるように加えれば特に限定はない。しかし、処理物
の添加により付与される風味の影響を考慮する必要があ
り、例えば、醸造酒の製造において、水分含量が23〜
28w/w%の麹を用いる場合、下記数式(1)により
算出される添加割合が12〜20%の範囲であることが
好ましく、15〜20%であることがより好ましい。水
分含量が23〜28w/w%の範囲外の麹菌の培養物の
場合では、この固形分の量が前述の水分含量の範囲の固
形分の量と同等となるように添加すればよい。この例と
して、清酒の場合、原料として下記数式(1)の添加割
合が15%に相当する量の米麹を用いて自己消化工程及
び乳酸菌の培養工程を包含させることにより得られる処
理物、及び醸造用アルコールを清酒醪に添加する方法を
挙げることができる。また、リキュール等では酒類又は
醸造用アルコールに麹の処理物を混合する方法を挙げる
ことができる。例えば、焼酎ベースのリキュールの場
合、焼酎に、自己消化工程及び乳酸菌の培養工程を包含
させることにより得られる麹の処理物、香料、酸味料等
を混合する方法を挙げることができる。 数1 〔添加割合(%)〕=〔麹(g)〕÷{〔醸造酒の掛原
料(g)〕+〔麹(g)〕}×100
【0032】麹の処理物を添加した後、必要に応じて固
液分離を行う。この例として、ろ過、遠心分離法等を挙
げることができ、これらは常法に従って行えばよい。得
られた上清は、更に必要に応じており下げ処理、活性炭
処理、火入れ殺菌、ろ過殺菌、又はこれらの組合せ等の
精製工程を行ってもよく、これらは常法に従って行えば
よい。
【0033】かくして本発明により、γ−アミノ酪酸を
80mg/リットル以上含有するアルコール含有飲料、
及びその製造方法が提供される。
【0034】
【実施例】以下、本発明を実施例によって更に具体的に
説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるもの
ではない。
【0035】実施例1 γ−アミノ酪酸を80mg/リットル以上含有する清酒
の製造を行った。表3に示す仕込配合で水麹、添、仲、
及び留の仕込を行い、発酵を行った。麹米及び掛米は7
5%精白滋賀県産日本晴を用い、酵母及び乳酸は、それ
ぞれ協会701号及び醸造用乳酸を用いた。品温は初添
後15℃、仲添後11℃、留添後10℃で1日1℃ずつ
上昇させ、15℃に到達後、15℃一定で発酵を行っ
た。掛米及び麹米の洗米、浸漬、及び蒸きょう、並びに
製麹は常法に従って行った。留後19日目に、表4に示
す組合せで四段及び/又は40v/v%アルコール82
3mlを添加して遠心分離法により上槽し、清酒を得
た。四段として、75%精白滋賀県産日本晴を用いて得
た米麹176gと水264mlとを混合して、自己消化
工程、次いで乳酸菌の培養工程を経て、得られた米麹の
処理物を清酒醪に添加した。製麹、自己消化、及び乳酸
菌の培養は検討例2と同様に行った。また、米麹の処理
物を凍結乾燥法により乾燥して同様に添加及び上槽し、
清酒を得た。対照として、前述の留後19日目の清酒醪
に酵素四段(対照例1)若しくはそれと40v/v%醸
造用アルコール823ml(対照例2)を添加して、又
はそのまま(対照例3)遠心分離法により上槽し、清酒
を得た。酵素四段は、75%精白滋賀県産日本晴の蒸米
176g、汲水264ml、及び糖化酵素としてコクゲ
ンL〔大和化成工業(株)製〕を88mgを混合し、5
5℃で18時間糖化して調製した。各清酒のγ−アミノ
酪酸含量、アルコール濃度を測定した。γ−アミノ酪酸
は前述のように測定し、アルコール濃度は第四回改正国
税庁所定分析法注解〔(財)日本醸造協会、平成5年2
月20日第四回改正版発行〕に基づいて行った。その結
果を表4に示す。
【0036】
【表3】
【0037】
【表4】
【0038】表4より、本発明1〜4は、対照例1〜3
よりγ−アミノ酪酸含量が著しく高い清酒であった。得
られた各清酒について、官能検査を行った結果、本発明
1〜4は対照例1〜3と比べてアミノ酸及び有機酸によ
る濃醇な清酒であり、上品な甘味を呈し、麹菌及び乳酸
菌由来の好ましい風味が付与されているものであった。
したがって、自己消化工程、次いで乳酸菌の培養工程に
より製造した米麹の処理物を清酒四段として用いること
により得られる清酒は機能性物質であるγ−アミノ酸含
量を80mg/リットル以上含有させることができ、濃
醇で好ましい香味を有するものであることが明らかにな
った。
【0039】実施例2 実施例1で得られた本発明3、本発明4、及び対照例2
に割水を行い、アルコール濃度15v/v%の清酒を得
た(以下、それぞれ本発明5、本発明6、及び対照例4
という)。得られた各清酒のγ−アミノ酪酸及びL−グ
ルタミン酸の含量、並びに一般分析値(日本酒度、アル
コール濃度、酸度、及びアミノ酸度)を測定した。γ−
アミノ酪酸及びL−グルタミン酸は前述のように測定
し、一般分析値は第四回改正国税庁所定分析法注解
〔(財)日本醸造協会、平成5年2月20日第四回改正
版発行〕に基づいて行った。その結果を表5に示す。
【0040】
【表5】
【0041】表5より、本発明5及び本発明6はγ−ア
ミノ酪酸含量がそれぞれ、83及び91mg/リットル
と対照例4の17mg/リットルより著しく高い含量で
あった。各清酒について、官能検査を行った結果、四段
として米麹の処理物を用いた本発明5及び本発明6は、
対照例4より良好であった。また、割水を行った本発明
5及び本発明6は、割水を行う前の清酒より、上品な甘
味と酸味のバランスがよく、麹菌及び乳酸菌の好ましい
風味が付与された濃厚芳醇な清酒であった。更に、本発
明5及び本発明6はアルコール濃度の高い清酒にみられ
るアルコール臭、及び低アルコール清酒にみられる水っ
ぽさもなく、香味成分とアルコールとのバランスが非常
によく、清酒として非常に好適なものであった。したが
って、自己消化工程、次いで乳酸菌の培養工程により製
造して得られた米麹の処理物を清酒四段として用いるこ
とにより得られるアルコール濃度15v/v%程度の清
酒はγ−アミノ酪酸を80mg/リットル以上含有し、
官能的にも非常に好適なものであることが明らかになっ
た。
【0042】実施例3 実施例1と同様に仕込及び発酵を行った清酒醪に、四段
として176g又は136gの米麹、及びその1.5倍
量の水とを用いて得られた米麹の処理物、並びに40v
/v%アルコール823mlを添加して遠心分離法によ
り上槽し、アルコール濃度15v/v%になるように割
水を行った。製麹及び米麹の処理物の製造は、麹菌にア
スペルギルス オリーゼ IFO−4250を用いて製
麹を行ったこと、及びラクトバチルス ブレビス IF
O−12005の培養を72時間行ったこと以外は、検
討例2と同様に行い、得られた処理物中のγ−アミノ酪
酸含量は1020mg/リットルであった。割水前後の
清酒のγ−アミノ酪酸及びL−グルタミン酸含量、並び
に一般分析値を実施例2と同様に測定した。その結果を
表6に示す。
【0043】
【表6】
【0044】表6より、本発明7〜本発明10の清酒に
おけるγ−アミノ酪酸含量は80mg/リットル以上含
有するものであった。また、これらの清酒について官能
検査を行った結果、麹菌及び乳酸菌の好ましい風味が付
与された上品な甘味を呈する濃醇な清酒であり、好まし
い香味を有していた。更に、アルコール濃度15v/v
%に割水を行った清酒は、アルコールと甘味及び酸味と
いった呈味成分とのバランスがよく、特に好ましいもの
であった。
【0045】実施例4 実施例1と同様に仕込及び発酵を行った清酒醪に、四段
として米麹176g、及びその1.5倍量の水とを用い
て得られた米麹の処理物、並びに40v/v%アルコー
ル823mlを添加して遠心分離法により上槽した。四
段麹の原料には、90%精白滋賀県産日本晴を用い、C
2ガス置換した密閉雰囲気下において45℃で96時
間の嫌気処理を施したこと、及びラクトバチルス ブレ
ビス IFO−12005の培養時にグルタミナーゼ1
00FG〔ナガセケムテックス株式会社製〕1.76g
(176ユニット)を添加し、培養時間を72時間とし
たこと以外は実施例1と同様に行った。対照として、前
述の留後19日目の清酒醪に米麹処理物(対照例5)若
しくは酵素四段(対照例7)、若しくはそれと40v/
v%醸造用アルコール823ml(対照例6、8)を添
加し、遠心分離法により上槽し清酒を得た。酵素四段
は、90%精白滋賀県産日本晴を用い、調製法は実施例
1と同様に行った。各清酒のγ-アミノ酪酸濃度、アル
コール濃度は実施例1と同様にして測定を行った。その
結果を表7に示す。
【0046】
【表7】
【0047】表7より、本発明11〜16は、対照例5
〜8よりγ-アミノ酪酸含量が著しく高い清酒であっ
た。得られた各清酒について官能検査を行った結果、本
発明11〜16は対照例5〜8と比べて濃醇で好ましい
香味を有するものであった。
【0048】
【発明の効果】本発明によれば、γ−アミノ酪酸を80
mg/リットル以上含有する従来にないアルコール含有
飲料を得ることができる。該アルコール含有飲料は、γ
−アミノ酪酸がアルコール含有飲料360ml(2合)
当り28.8mg以上となり、適量の飲酒により有効量
のγ−アミノ酪酸を摂取することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山中 寿城 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 宝酒造 株式会社酒類・食品研究所内 (72)発明者 横山 定治 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 宝酒造 株式会社酒類・食品研究所内 (72)発明者 平松 順一 滋賀県大津市瀬田3丁目4番1号 宝酒造 株式会社酒類・食品研究所内 (72)発明者 高橋 康次郎 京都府京都市下京区四条通烏丸東入長刀鉾 町20番地 宝酒造株式会社本社事務所内 Fターム(参考) 4B015 GG17 LH12 LP00

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 γ−アミノ酪酸を80mg/リットル以
    上含有することを特徴とするアルコール含有飲料。
  2. 【請求項2】 アルコール含有飲料が清酒であり、アル
    コールを13〜16v/v%含有することを特徴とする
    請求項1に記載のアルコール含有飲料。
  3. 【請求項3】 麹を用いて、請求項1又は2に記載のア
    ルコール含有飲料を製造する方法において、自己消化工
    程及び/又はγ−アミノ酪酸生成能を有する乳酸菌の培
    養工程を包含する方法により得られる麹の処理物を用い
    ることを特徴とする請求項1又は2に記載のアルコール
    含有飲料の製造方法。
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