JP2003167227A - 液晶表示装置およびその駆動方法 - Google Patents

液晶表示装置およびその駆動方法

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JP2003167227A
JP2003167227A JP2001303956A JP2001303956A JP2003167227A JP 2003167227 A JP2003167227 A JP 2003167227A JP 2001303956 A JP2001303956 A JP 2001303956A JP 2001303956 A JP2001303956 A JP 2001303956A JP 2003167227 A JP2003167227 A JP 2003167227A
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liquid crystal
memory
display
voltage
common electrodes
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JP2001303956A
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English (en)
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Makoto Nagai
真 永井
Toshihiro Takano
智弘 高野
Satoshi Niiyama
聡 新山
Noriko Suehiro
紀子 末廣
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Kyocera Display Corp
AGC Inc
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Asahi Glass Co Ltd
Kyocera Display Corp
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Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd, Kyocera Display Corp filed Critical Asahi Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 残像を残さずに新たな表示を書き込み、ま
た、従来から使用されている駆動ICを用いてコントラ
ストが良好な表示を得る。 【解決手段】 液晶パネルに新たな表示を書き込む際に
は、時間Tp1,Tp2において行電極を線順次走査
し、選択した行電極を電圧Vに設定し、また全ての列
電極を−Vに設定する。VおよびVは、10≧V
/V≧5を満足するように定める。選択された行の
液晶にはV+Vの電圧が印加され、液晶はプレナー
状態に移行する。全画素の液晶がプレナー状態になった
後に、時間T d1,Td2において、線順次走査によっ
て新たな表示を書き込む。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、メモリ性液晶を有
する液晶表示装置およびその駆動方法に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、TN、STN、TFT液晶表示素
子が広く使用されている。これらの液晶表示素子は、所
定の駆動を常時行って表示を行う。これに対し、メモリ
性の動作モードを有するコレステリックまたはカイラル
ネマチック液晶等のメモリ性液晶が注目され、それを備
えた液晶表示装置の実用化が検討されている。
【0003】一対の平行基板間に挟持されたメモリ性液
晶は、その液晶ディレクタが一定周期でねじれた「ねじ
れ構造」を有する。そのねじれの中心軸(以下、ヘリカ
ル軸という。)が基板に対して平均的に垂直方向になる
配列が存在する。
【0004】複数の液晶ドメインの各ヘリカル軸の平均
的な方向が基板面に対してほぼ垂直となる状態をプレナ
ー状態という。プレナー状態では、入射光のうちの、液
晶層のねじれの向きに対応した円偏光を選択反射する。
選択反射される波長λは、液晶組成物の平均屈折率n
AVGと液晶組成物のピッチpの積にほぼ等しい(λ=
AVG・p)。
【0005】ピッチpは、カイラル剤等の光学活性物質
の添加量cと光学活性物質の定数HTP(Helica
l Twisting Power)から、p=1/
(c・HTP)によって決まる。したがって、選択反射
波長は、光学活性物質の種類と添加量によって調整でき
る。メモリ性液晶の選択反射波長を可視域外となるよう
にピッチを設定すれば、選択反射時に目視では透明にな
り透過散乱の動作モードを呈する。
【0006】選択反射を呈するプレナー状態に対して、
複数の液晶ドメインのヘリカル軸が基板面に対してラン
ダム方向または非垂直方向に配列したフォーカルコニッ
ク状態をとることもできる。一般的に、フォーカルコニ
ック状態の液晶層は全体として弱い散乱状態を示す。選
択反射時のように特定の波長の光を反射することはな
い。また、フォーカルコニック状態およびプレナー状態
は、無電界時でも安定に存在する。
【0007】図8(a)はプレナー状態、図8(b)は
フォーカルコニック状態の模式図であり、鼓型で示す液
晶ドメインの配列状態を示す。
【0008】図8(b)のフォーカルコニック状態のと
きに、裏面側に吸収層を設けることよって吸収層の色の
表示が得られる。したがって、明状態であるプレナー状
態と、暗状態(吸収層が黒の場合)であるフォーカルコ
ニック状態の2状態を利用したメモリ型の表示動作を実
現できる。
【0009】液晶表示装置の基本構成については、Geor
ge H.Heilmeier, Joel E.Goldmacher et al, Appl. Phy
s. Lett., 13(1968),132やUS3936815に示され
ている。また、US4097127は、プレナー状態と
フォーカルコニック状態が混在した安定的な中間状態が
存在し、表示に利用できることを示している。
【0010】次に、液晶表示装置の駆動法について説明
をする。US3936815では、駆動電圧の振幅の大
きさによって、プレナー状態をフォーカルコニック状態
に、またフォーカルコニック状態をプレナー状態にそれ
ぞれ変化させている。後者の場合は、液晶分子が電圧印
加方向にほぼ平行になるホメオトロピック状態を経由し
て起こすので、最も高い電圧が必要とされる。
【0011】メモリ性液晶では、一連の印加電圧波形の
実効値が直接電圧消去後の状態を決定するのではなく、
電圧消去後の表示は、直前に印加された電圧パルスの印
加時間および振幅値に依存する。
【0012】次に、液晶表示装置におけるマトリクス表
示について説明する。フォーカルコニック状態に転移さ
せる電圧をVとし、プレナー状態に転移させる下限電
圧をVとし、電圧を印加しても表示状態が変わらない
上限電圧をVとする。
【0013】線順次駆動を行う場合、行電極に電圧振幅
の電圧パルスを入力し、それに同期して列電極には
電圧振幅Vの電圧パルス(選択パルス)を入力する。
各行電極に対して1度ずつ選択パルスを入力して、1表
示シーケンスを完了する。表示シーケンスにおいて、オ
ン表示が選択された場合には表示画素に(V+V
の電圧振幅が1度だけ入力され、オン表示の非選択期間
では電圧Vが印加される。また、オフ表示が選択され
た場合には表示画素に(V−V)の電圧振幅が1度
だけ入力され、オフ表示の非選択期間では電圧Vが印
加される。オン時にはプレナー状態が選択され、オフ時
にはフォーカルコニック状態が選択されるとすると、そ
れぞれの条件は以下の通りである。
【0014】V+V>V、V−V=V
【0015】さらに、書き込まれた状態が変化しないよ
うに、V<Vでなければならない。以上のように印
加電圧の制御を行えばマトリクス表示が可能になる。
【0016】液晶表示装置では走査電極数が増加して
も、表示データが書き込まれた状態での表示品位は悪化
しない。また、電極数が増加しても駆動電圧は増大しな
い。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】液晶表示装置では、電
圧消去後の表示は、直前に印加された電圧パルスの印加
時間および振幅値に依存するので、表示を保持するため
に常時電圧を印加する必要はないのであるが、長時間放
置しておくと、新たな表示データを書き込むときに、そ
れ以前の表示状態が残像として残ってしまう現象が生ず
る。このような残像を残さずに、新たな表示データを書
き込めることが望ましい。
【0018】また、行電極および列電極には、それぞれ
駆動IC(行ドライバおよび列ドライバ)によって電圧
パルスが入力される。駆動ICには、液晶電源装置から
必要な電圧が供給される。駆動ICは複数の演算増幅器
接続部(以下、オペアンプ接続部と記す。)を有し、駆
動ICと液晶電源装置は、可変抵抗および演算増幅器
(オペアンプ)を介して接続される。駆動ICの各オペ
アンプ接続部には所定の電位が設定され、各オペアンプ
接続部の電位の高低関係は保たれる必要がある。しか
し、液晶表示装置を駆動する際、全行電極を同時に選択
し、画面全体のメモリ性液晶に電圧を印加しようとする
と、駆動ICを流れる電流が多くなり、駆動ICの負荷
が大きくなる。具体的には、各オペアンプ接続部の電位
の高低関係が保たれなくなる場合が生じる。多くの電流
が流れても各オペアンプ接続部の電位の高低関係が保た
れるような駆動ICを実現する場合、消費電力が大きく
なることが考えられる。また、液晶駆動装置の生産コス
トも高くなってしまう。
【0019】また、残像を残さないような液晶表示装置
を実現する際に、従来から使用されてきた駆動ICをそ
のまま使用できることが好ましい。特に、従来の駆動I
Cを用いてコントラストが良好な表示を得られることが
望ましい。そこで、本発明は残像を残さずに新たな表示
を書き込むことができるように駆動を行うことを目的と
する。
【0020】また、カイラルネマチック液晶を用いた液
晶表示装置では、その選択波長の設定のみで色純度の高
い赤を発色させることが難しかった。これは、液晶の選
択波長が長くなるに従ってヘリカル軸のばらつきが大き
くなることでスペクトルの半値幅が大きくなるからであ
る。さらに、基本的に良好な白黒表示と赤系統の色を組
合わせたマルチカラー表示を行うことが困難であった。
本発明では色純度が良く見栄えのよい赤表示と、高輝度
で色純度のよい白黒表示とを含むマルチカラー表示を行
うことを目的とする。さらに、従来から使用されている
駆動ICを用いて、高コントラスト表示を達成すること
を目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】本発明の態様1は、少な
くとも2つの安定状態を呈するメモリ性液晶と、複数の
コモン電極および複数のセグメント電極を備え、コモン
電極を1本ずつ選択しながらコモン電極を走査する液晶
表示装置の駆動方法であって、全てのコモン電極を1本
ずつ選択するコモン電極の走査を少なくとも1回行って
メモリ性液晶をオン表示とするための電圧をメモリ性液
晶に印加し、次にオン表示とするための電圧が印加され
たメモリ性液晶に、表示データに対応する電圧を印加す
ることを特徴とする液晶表示装置の駆動方法を提供す
る。
【0022】本発明の態様2は、各コモン電極の選択時
間をT秒、コモン電極の総数をL、メモリ性液晶をオン
表示とするための電圧をメモリ性液晶に印加するときの
走査回数をP回、表示データに対応する電圧をメモリ性
液晶に印加するときの走査回数をQ回としたときに、T
・L(P+Q)が所定の時間以下となるようにPおよび
Qを定める液晶表示装置の駆動方法を提供する。
【0023】本発明の態様3は、少なくとも2つの安定
状態を呈するメモリ性液晶と、複数のコモン電極および
複数のセグメント電極を備え、コモン電極を1本ずつ選
択しながらコモン電極を走査する液晶表示装置の駆動方
法であって、全てのコモン電極を1本ずつ選択するコモ
ン電極の走査を少なくとも1回行ってメモリ性液晶をオ
ン表示とするための電圧をメモリ性液晶に印加し、次に
オン表示とするための電圧が印加されたメモリ性液晶
に、メモリ性液晶をオフ表示とするための電圧を印加
し、次にオフ表示とするための電圧が印加されたメモリ
性液晶に、表示データに対応する電圧を印加することを
特徴とする液晶表示装置の駆動方法を提供する。
【0024】本発明の態様4は、各コモン電極の選択時
間をT秒、コモン電極の総数をL、メモリ性液晶をオン
表示とするための電圧をメモリ性液晶に印加するときの
走査回数をP回、メモリ性液晶をオフ表示とするための
電圧をメモリ性液晶に印加するときの走査回数をR回、
表示データに対応する電圧をメモリ性液晶に印加すると
きの走査回数をQ回としたときに、T・L(P+R+
Q)が所定の時間以下となるようにP、R、及びQを定
める液晶表示装置の駆動方法を提供する。
【0025】本発明の態様5は、選択されたコモン電極
に設定される電圧振幅をV、セグメント電極に設定さ
れる電圧振幅をVとしたときに、10≧V/V
5となるようにVおよびVを定める液晶表示装置の
駆動方法を提供する。
【0026】本発明の態様6は、少なくとも2つの安定
状態を呈するメモリ性液晶と、複数のコモン電極および
複数のセグメント電極を備え、コモン電極を1本ずつ選
択しながらコモン電極を走査する液晶表示装置であっ
て、メモリ性液晶として、カイラルネマチック液晶また
はコレステリック液晶が用いられ、メモリ性液晶を有す
る液晶パネルが少なくとも2つ設けられ、非観察者側の
メモリ性液晶の選択反射波長は615〜665nmに設
けられ、観察者側のメモリ性液晶の選択反射波長が49
0〜540nmに設けられ、観察者側のメモリ性液晶と
非観察者側メモリ性液晶との間に所定の透過率特性を有
するカラーフィルタが配置され、赤表示と白黒表示が行
われ、態様1、2、3、4、または5の液晶表示装置の
駆動方法によって駆動されることを特徴とする液晶表示
装置を提供する。
【0027】本発明の態様7は、少なくとも2つの安定
状態を呈するメモリ性液晶と、複数のコモン電極および
複数のセグメント電極を備え、コモン電極を1本ずつ選
択しながらコモン電極を走査する液晶表示装置であっ
て、メモリ性液晶として、カイラルネマチック液晶また
はコレステリック液晶が用いられ、メモリ性液晶を有す
る液晶パネルが少なくとも2つ設けられ、非観察者側の
メモリ性液晶の選択反射波長および観察者側のメモリ性
液晶の選択反射波長が所定の波長に設けられ、観察者側
のメモリ性液晶と非観察者の側メモリ性液晶とが間にカ
ラーフィルタを挟まずに積層され、白黒表示と有彩色表
示が行われ、態様1、2、3、4、または5の液晶表示
装置の駆動方法によって駆動されることを特徴とする液
晶表示装置を提供する。
【0028】
【発明の実施の形態】図1に本発明の液晶表示装置の模
式的断面図を示す。図1に示す液晶表示装置は、ガラス
基板1、1、電極2、2、高分子薄膜3、3
、液晶組成物(メモリ性液晶)4、および裏面側に黒
色の光吸収体5が配置され、フォーカルコニック状態と
プレナー状態を安定に表示する液晶パネルである。電極
、2の一方は行電極(コモン電極)であり、他方
は列電極(セグメント電極)である。以下の説明では、
電極2が列電極であり、電極2が行電極であるとす
る。
【0029】高分子薄膜3、3の代わりにシリカな
どの無機薄膜を形成してもよい。しかし、メモリ性液晶
に接する薄膜の表面をラビング処理すると、薄膜の種類
によってはメモリ性液晶のフォーカルコニック状態の安
定性が失われてしまうことがある。よって、ラビング無
しの薄膜を設けるか、または、電極と液晶組成物が直接
接するように設ける。
【0030】電極間間隙はスペーサー等で保持し、2〜
15μmが好ましい。さらには、3〜6μmが好まし
い。電極間隙が小さすぎると表示のコントラスト比が低
下し、大きすぎると駆動電圧が上昇するからである。
【0031】表示の態様は、例えば、ドットマトリック
ス表示である。コモン電極を走査する表示態様であれ
ば、セグメント表示などの非フルドットマトリックス表
示であってもよい。基板は、ガラス基板でも樹脂基板で
もよく、また、ガラス基板と樹脂基板の組み合わせでも
よい。反射表示素子として用いる場合には、どちらか一
方の基板の内面または外面に光吸収体を設置するか、ま
たは、基板として光吸収機能を有するものを用いてもよ
い。
【0032】電極面内に微量のスペーサーを散布し、対
向させた基板の四辺を注入孔を除いてエポキシ樹脂等の
シール材で封止し、真空注入によって液晶組成物をセル
に満たす。
【0033】図2は、液晶パネル(液晶表示装置)を駆
動する駆動装置の構成例を示すブロック図である。コン
トローラ11は、行ドライバ12に行電極への電圧パル
ス入力を指示し、列ドライバ13に列電極への電圧パル
ス入力を指示する。液晶電源装置14は、行ドライバ1
2および列ドライバ13に必要な電圧を供給する。行ド
ライバ12および列ドライバ13は、コントローラ11
の指示に従い、行電極2および列電極2に電圧パル
スを入力する。コントローラ11は、各電極の電位を切
り替えて、メモリ性液晶4をプレナー状態やフォーカル
コニック状態に移行させる。以下、プレナー状態の表示
をオン表示、フォーカルコニック状態の表示をオフ表示
と記す。
【0034】次に、液晶パネル100の表示を書き換え
るときの動作について説明する。まず、液晶駆動装置
は、行電極2を1本ずつ選択しながら線順次走査し、
各画素に配置されたメモリ性液晶4をプレナー状態に移
行させるための電圧(オン表示とするための電圧)を印
加する。この電圧が印加されるとメモリ性液晶4はホメ
オトロピック状態になる。そして、電圧印加が終了する
とメモリ性液晶4はプレナー状態に移行し、オン表示と
なる。行電極2を走査しながら全画素をオン表示にす
るので、これまで表示されていた画面が消去される。液
晶駆動装置は、全ての行電極2を一本ずつ選択する行
電極2の走査を少なくとも1回行い、画面全体をオン
表示にする。
【0035】続いて、液晶駆動装置は、行電極2を線
順次走査して、表示データに対応する電圧を印加する。
この結果、所望の表示が書き込まれ、表示の書き換えが
完了する。液晶駆動装置は、行電極2の走査を少なく
とも1回行って、表示データを書き込む。
【0036】各行電極2の選択時間は、オン表示にす
るための走査と表示を書き込むための走査で共通であ
る。
【0037】図3は、表示書換時の駆動波形の例を示す
説明図である。図3は、画面全体をオン表示とするため
の走査と、表示データを書き込むための走査をそれぞれ
2回ずつ行ったときの例を示す。時間Tp1,T
p2は、それぞれオン表示とするための1回目の走査時
間と2回目の走査時間を示す。同様に、時間Td1,T
d2は表示データを書き込むための1回目の走査時間と
2回目の走査時間を示す。
【0038】図3(a)は一つの行電極2に印加され
る駆動波形の例であり、図3(b)は一つの列電極2
に印加される駆動波形の例である。図3(a),(b)
に示すように、行ドライバ12は選択された行電極2
に電圧振幅Vの電圧パルスを入力する。列ドライバ1
3は、列電極2に電圧振幅Vの電圧パルスを入力す
る。このとき、既に述べたV+V>V、V−V
=V、V<Vという条件を満足するようにV
およびVを定める。このとき、10≧V/V≧5
という条件も満足するようにVおよびVを定めるこ
とが好ましい。図3(c)は、図3(a),(b)に示
す電圧パルスが入力されたときにメモリ性液晶4に印加
される電圧の大きさを示す。
【0039】時間Tp1において、行ドライバ12は、
選択された行電極2の電位をVに設定し、選択され
ていない行電極の電位を0とする。また、列ドライバ1
3は、時間Tp1の間、全ての列電極2の電位を−V
に設定する。この結果、図3(c)に示すように、選
択された行の画素のメモリ性液晶4には、電圧V+V
が印加され、電圧印加終了後、その画素はオン表示へ
移行する。また、選択されていない行の画素のメモリ性
液晶4には電圧Vが印加される。電圧Vが印加され
ても、画素の表示状態は変化しない。行ドライバ12お
よび列ドライバ13は、時間Tp2における走査でも、
同様に電圧を印加する。
【0040】図4は、表示書換時の画面変化の例を示す
説明図である。最初に図4(a)に示す画面が表示され
ていたとする。時間Tp1において、オン表示とするた
めの1回目の走査を行うと、全画素がオン表示に移行
し、図4(b)に示すように、表示が消え始める。時間
p2において、2回目の走査を行うとさらに表示が消
え、図4(c)に示すように残像が消える。
【0041】時間Td1において、行ドライバ12は、
選択された行電極2の電位をVに設定し、選択され
ていない行電極の電位を0とする。また、列ドライバ1
3は、各列電極2を、選択された行の表示データに応
じてVまたは−Vに設定する。この結果、選択され
た行の各画素のメモリ性液晶4にはV+VまたはV
−Vの電圧設定され、各画素がオン表示またはオフ
表示に移行する。各行電極2が走査されることにより
所望の表示に書き換えられる。なお、選択されていない
行の画素のメモリ性液晶4には電圧Vが印加される。
電圧Vが印加されても、画素の表示状態は変化しな
い。行ドライバ12および列ドライバ13は、時間T
d2における走査でも、同様に電圧を印加する。
【0042】図3では、時間Td1,Td2において、
一つの列電極2に電圧Vが連続的に設定される場合
を示した。
【0043】時間Tp2における走査の後、時間Td1
において表示データを書き込むための走査を行うと、図
4(d)に示すように所望の表示が書き込まれる。時間
において、表示データを書き込むための2回目の
走査を行うと、図4(e)に示すように表示データの書
き込みが完了する。
【0044】ここでは、オン表示とするための走査と、
表示データを書き込むための走査を2回ずつ行う場合を
示したが、各走査回数は2回でなくてもよい。例えば、
+Vの電圧をより高く設定したり、各行電極2
の選択時間を長く設定すれば、オン表示とするための走
査を1回行うだけで図4(c)に示すように残像を消す
ことができる。逆に、V+Vの電圧をより低く設定
したり、選択時間を短くすれば、残像を消すための走査
回数は増加する。同様に、選択時間を長くすれば、表示
データを書き込むための走査を1回行うだけで、表示デ
ータの書き込みを完了することができる。選択時間を短
くすれば、表示データを書き込むための走査回数は増加
する。
【0045】オン表示とするための走査回数と、表示デ
ータを書き込むための走査回数は、以下の条件を満足す
るように定めることが好ましい。メモリ性液晶をオン表
示とするための電圧をメモリ性液晶に印加するときの走
査回数をP回、表示データに対応する電圧をメモリ性液
晶に印加するときの走査回数をQ回とする。また、各行
電極2の選択時間をT秒、行電極2の総数をLとす
る。このとき、T・L(P+Q)が所定の時間以内にな
るようにPおよびQを定めることが好ましい。T・L
(P+Q)は、オン表示とするための走査の開始から、
表示データの書き込み終了までの時間である。したがっ
て、T・L(P+Q)が所定の時間以内になるという条
件を満たすように、PおよびQを定めれば、所定時間内
に表示データの書き換えを完了することができる。表示
データの書き換えを行うオペレータは、書換時間が60
秒を超えると、時間がかかりすぎると感じることが多
い。そのため、T・L(P+Q)が60秒以内になるよ
うにP、Qを定めることが好ましい。
【0046】また、画面全体をオン表示とした後に、画
面全体をオフ表示にしてから表示データを書き込んでも
よい。この場合、液晶駆動装置は、オン表示とするため
の走査を行った後に、行電極2を線順次走査し、各画
素に配置されたメモリ性液晶4をフォーカルコニック状
態に移行させる電圧(オフ表示とするための電圧)を印
加する。この線順次走査によって各画素のメモリ性液晶
4をフォーカルコニック状態にするので、画面全体がオ
フ表示となる。
【0047】図5は、画面全体をオフ表示にしてから表
示データを書き込むときの駆動波形の例を示す説明図で
ある。図5(a)は一つの行電極2に印加される駆動
波形の例であり、図5(b)は一つの列電極2に印加
される駆動波形の例である。図5(c)は、図5
(a),(b)に示す電圧パルスが入力されたときのメ
モリ性液晶4の印加電圧の大きさを示す。図5に示す時
間Tp1,Tp2,Td1,Td2における駆動波形
は、図3に示す場合と同様である。時間Tf1,Tf2
は、それぞれオフ表示とするための1回目の走査時間と
2回目の走査時間を示す。
【0048】オフ表示とするための走査における各行電
極の選択時間は、時間Tp1,T ,Td1,Td2
における各行電極の選択時間と共通である。
【0049】図5に示す例では、時間Tp1,Tp2
おいてオン表示とするための走査を2回行って、画面全
体をオン表示にする。続いて、時間Tf1において、行
ドライバ12は、選択された行電極2の電位をV
設定し、選択されていない行電極の電位を0とする。ま
た、列ドライバ13は、時間Tf1の間、全ての列電極
の電位をVに設定する。この結果、図5(c)に
示すように、選択された行の画素のメモリ性液晶4には
電圧V−Vが印加され、そのメモリ性液晶4は、フ
ォーカルコニック状態に移行する。すなわち、選択され
た行の画素はオフ表示に移行する。また、選択されてい
ない行の画素のメモリ性液晶4には電圧Vが印加され
る。電圧が印加されても、画素の表示状態は変化しな
い。行ドライバ12および列ドライバ13は、時間T
f2における走査でも、同様に電圧を印加する。
【0050】時間Tf1,Tf2における走査で、画面
全体がオフ表示になる。続いて、時間Td1,Td2
おける走査で表示を書き込む。
【0051】オフ表示とするための走査回数は、2回に
限定されない。各行電極2の選択時間を長く設定すれ
ば、オフ表示とするための走査を1回行うだけで画面全
体をオフ表示にすることができる。逆に選択時間を短く
すれば、画面全体をオフ表示にするための走査回数は増
加する。
【0052】本例の場合、オン表示とするための走査回
数、オフ表示とするための走査回数、および表示データ
を書き込むための走査回数は、以下の条件を満足するよ
うに定めることが好ましい。メモリ性液晶をオフ表示と
するための電圧をメモリ性液晶に印加するときの走査回
数をR回とする。このとき、T・L(P+R+Q)が所
定の時間以内になるように、P、R、およびQを定める
ことが好ましい。特に、T・L(P+R+Q)が60秒
以内になるようにP、R、およびQを定めることが好ま
しい。T・L(P+R+Q)は、オフ表示とするための
走査を行う場合における、表示データ書換に要する時間
である。したがって、T・L(P+R+Q)が60秒以
内になるようにP、R、およびQを定めれば、60秒以
内に書き換えを完了することができる。
【0053】上記の各例に示す駆動方法によれば、新た
な表示を書き込む前に、全画素をオン表示またはオフ表
示にするので、残像を消去することができる。また、全
画素をオン表示やオフ表示にするときに、行電極2
1本ずつ選択しながら走査するので、行ドライバ12に
負荷が生じることがない。さらに、10≧V/V
5となるようにVおよびVを定めることで、従来の
駆動IC(従来から使用されてきた行ドライバおよび列
ドライバ)を使用して、良好なコントラストの表示を実
現することができる。なお、オン表示とするための走査
を行った後に、オフ表示とするための走査を行うと、表
示データの書換後のコントラストが向上する。したがっ
て、コントラストを向上させるためには、オフ表示とす
るための走査を行うことが好ましい。
【0054】また、上記の各例において、メモリ性液晶
4に印加される電圧の極性を反転させてもよい。すなわ
ち、選択された行電極に−Vを印加し、かつ、各列電
極にはVの代わりに−Vを印加し、−Vの代わり
にVを印加してもよい。
【0055】さらに、上記の各例では、線順次走査を行
う場合について説明したが、行電極2Bの走査は線順次
走査でなくてもよい。
【0056】
【実施例】次に、本発明の実施例について説明する。 [例1]240本のストライプ状の透明電極を有するガ
ラス基板と、320本のストライプ状の透明電極を有す
るガラス基板を作成した。その後、上下基板面に直径4
μmの樹脂性のスペーサーを散布した。注入孔を除く四
辺に、幅約0.4mmで印刷したエポキシ樹脂を介して
ストライプ状電極が交差するように、ガラス基板を重ね
合わせて、空セルを形成した。
【0057】Tc=94.0℃、Δn=0.230、Δ
ε=15.0のネマチック液晶85.6部、化学式1に
示すカイラル剤4.8部、化学式2に示すカイラル剤
4.8部、化学式3に示すカイラル剤4.8部を混合
し、カイラルネマチック液晶(以下、液晶Aと記す。)
を調整した。液晶Aの調整に用いるネマチック液晶に
は、メルク・ジャパン株式会社製のMJ00423を用
いた。
【0058】
【化1】
【0059】
【化2】
【0060】
【化3】
【0061】先に作製した空セルに液晶Aを真空注入法
で注入し、注入孔を紫外線硬化の封止材で封止して液晶
パネルを作製した。この液晶パネルでは、240本の透
明電極を行電極、320本の透明電極を列電極とし、従
来から使用されている行ドライバおよび列ドライバをそ
れぞれ行電極および列電極に接続した。
【0062】選択された行電極に印加される電圧V
14.6V、列電極に印加される電圧Vを±2.4
V、行電極の選択時間Tを20msとして、作成した液
晶パネルを駆動し、表示画面を書き換えた。このとき、
画面全体をオン表示とするための走査を2回行った後
に、表示データを書き込むための走査を2回行った。画
面全体をオフ表示とするための走査は行わなかった。こ
の結果、新たに書き込んだ表示には、残像は残らず、高
いコントラストが得られた。また、行ドライバに異常は
発生しなかった。本例の場合T=0.02秒、P=2
回、Q=2回、L=240であり、T・L(P+Q)<
60秒を満たす。したがって、60秒以内に書き換えを
完了することができた。
【0063】[比較例1]例1と同一の電圧V,V
および選択時間Tで液晶パネルを駆動し、表示画面を書
き換える際に画面全体をオン表示とするための走査を行
わず、表示データを書き込むための走査のみを2回行っ
た。この結果、新たに書き込んだ表示には残像が残り、
コントラストは例1よりも低くなった。
【0064】例1と比較例1の結果から、画面全体をオ
ン表示とするための走査を行い、次に表示データを書き
込むための走査を行うことで、残像がなく、よりコント
ラストが高い表示が得られることがわかる。
【0065】[例2]選択された行電極に印加される電
圧Vを15.1V、列電極に印加される電圧Vを±
1.9V、行電極の選択時間Tを20msとして、作成
した液晶パネルを駆動し、表示画面を書き換えた。この
とき、画面全体をオン表示とするための走査を2回行っ
た後に、画面全体をオフ表示とするための走査を2回行
い、次に表示データを書き込むための走査を2回行っ
た。この結果、新たに書き込んだ表示には残像が残ら
ず、例1よりも高いコントラストが得られた。また、行
ドライバに異常は発生しなかった。本例の場合T=0.
02秒、P=2回、R=2回、Q=2回、L=240で
あり、T・L(P+R+Q)<60秒を満たす。したが
って、60秒以内に書き換えを完了することができた。
【0066】例1と例2の結果から、画面全体をオン表
示とするための走査を行ったのちに、画面全体をオフ表
示とするための走査を行うことで、書き込んだ画面のコ
ントラストをより向上させられることがわかる。
【0067】次に、V/Vの変化に伴うコントラス
トの変化について説明する。図6は、V/V=6,
8,12をそれぞれ保ったまま、V+Vを5Vから
25Vまで変化させたときのコントラストと反射率の関
係を示すグラフである。コントラストおよび反射率は、
オン表示とするための走査と表示を書き込むための走査
を2回ずつ行い、表示を書き換えた後の画面における値
を計測した。また、駆動時における各行電極の選択時間
Tは20msとした。図6に示すように、V/V
12の場合では、コントラストの最高値は約7.5であ
る。V/V=8の場合ではコントラストの最高値は
約8.3になる。また、V/V=6の場合ではコン
トラストの最高値は約9.0になる。このように、V
/Vを変化させると、コントラストが変化する。従来
から使用されてきた行電極および列電極を使用する場
合、10≧V/V≧5とした場合に、コントラスト
の最高値が高くなることが実験的に求められた。そのた
め、電圧VおよびVを定める場合には10≧V
≧5とすることが好ましい。
【0068】なお、従来の行ドライバや列ドライバを用
いる場合には、オン表示とするための走査、オフ表示と
するための走査、および表示を書き込むための走査にお
いて、各号電極の選択時間を一定にする。
【0069】次に、本発明の駆動方法により駆動される
液晶表示装置の使用例について説明する。従来、小売店
では、商品の価格等を記載した札(以下、棚札と記
す。)を商品棚に貼って価格等を示していた。本発明の
駆動方法により駆動される液晶表示装置は、棚札として
用いることができる。図7は、棚札として使用された液
晶表示装置が表示する情報の例である。日毎に価格等の
情報が変わる場合には、本発明の駆動方法によって新た
な表示に書き換えればよい。図7に示す情報を書き換え
る場合であっても、新たな表示に「98円」等の情報が
残像として残ることはない。縦9cm、横11cmの大
きさの表示を行う場合、例えば、240本の行電極と3
20本の列電極を用いて、図7に示す表示を書き込むこ
とができる。なお、このときの1画素の大きさは、縦
0.33mm、横0.33mmである。
【0070】次に、少なくともメモリ性液晶を2層積層
した構成を採用して、赤を含むマルチカラー表示を実現
した。同時に、特に明るく色純度の高い白黒表示を得る
ようにした。選択反射波長が長波長側のメモリ性液晶の
選択反射波長と関連付けられた特定のカラーフィルタを
併用して良好な赤発色を得るようにした。赤の明るさ、
色純度、色味は、長波長側の選択反射波長の設定とカラ
ーフィルタの特性でほぼ決定できることを見出し、好ま
しい表示を得ることのできる各特性値の組み合わせを後
述する例3と例4に示す。さらに、選択反射波長が相対
的に長波長側に位置する液晶パネル8を非観察側に配置
し、もう一方の選択反射波長が短波長側に位置する液晶
パネル6との間にカラーフィルタ7を配置し、短波長側
の選択反射波長を所定値に設定することによって、色純
度の高い明るい赤表示以外に、無彩色にかなり近い白黒
表示が達成された。液晶パネル5の背面側に黒色塗料5
を設けて、黒表示を行うようにした(図12参照)。ま
た、特定の明るさ・色純度をもつ赤表示を実現する長波
長側の選択反射波長とカラーフィルタとの組み合わせが
選択されると、実現可能な白の無彩色レベルもある範囲
に限定されることがわかった。良好な白を実現するため
の短波長側の選択反射波長の設定はきわめて限定され
る。たとえば長波長側の選択波長を固定し、短波長側の
選択波長がわずか5〜10nm程度変動しただけでも、
大幅に色純度の変化を生じた(図10を参照)。白の表
示レベルとしては、カラーフィルタを含めることによっ
て、カラーフィルタを併用しない後述する2層積層型の
場合と比較すると、ある程度の輝度・白の色純度低下が
生ずることがわかった。また、特に真正面と斜め方向と
で表示色が異なって見えるなど視野角依存性もやや悪く
なる傾向が見られた。これをできる限り抑制するように
上記の条件を選択して構成した。ここで、赤表示とは、
4点(0.47,0.30)、(0.60,0.3
0)、(0.47,0.40)および(0.60,0.
40)を結ぶ境界を含む色度座標空間に含まれ色純度で
ある。また、白表示とは、4点(0.29,0.2
9),(0.35,0.29),(0.29,0.4
4),(0.35,0.44)を結ぶ色度座標空間に含
まれる色純度である。この際、(長波長側の選択波長−
70)nm付近における透過率が、(長波長側の選択波
長−30)nm付近における透過率の少なくとも85%
以下となる透過率特性を有するカラーフィルタを用いる
ことが好ましい(図9参照)。また、長波長側の設定波
長域での透過率が60%以上である接着層を介して、一
方の液晶パネルとカラーフィルタとが接着されているこ
とが好ましい。 (例3)本例ではカラーフィルタ併用2層型で白黒赤の
マルチカラー表示とした。食品売り場などの電子棚札に
好ましい例である。商品の特売時に、重要な情報を赤表
示とした。明るく色純度の高い赤と白黒発色の両立を達
成した。特に、食品売り場などに利用される電子棚札と
しては暖色系が好まれるので、朱色系を選択した。さら
に、短波長側の選択波長を所定の値に設定することによ
って、色純度の高い明るい赤表示以外に、無彩色に可能
な限り近づけた白黒表示も可能となった。液晶パネルの
構成は以下の通りである。非観察者側の選択反射波長
(主波長)は635nm、観察者側の選択反射波長(主
波長)は530nmに設定した。カラーフィルタは、分
光チャート付き100色カラーフィルタ(商品名Ros
colux)の#04を用いた。以下、Y値は白色校正
板に対する相対値、座標はC.I.E.1931色度座
標であり、フィルター番号は同商品の型番である。液晶
パネルの基本仕様は以下の通りである。ガラス基板の厚
みは0.4mm、絶縁層を両面に設け、配向膜層は両面
ポリイミド樹脂膜または設けないこととした。セル厚み
は4μm(短波長側)、4.5μm(長波長側)とし
た。液晶材料は、特願2000−140685(実施例
4)と同様のものを用いた。すなわち、市販のネマチッ
ク液晶(メルク・ジャパン株式会社製「MJ0042
3」:T =94.0℃、Δn=0.230、Δε=1
5.0)の85.6質量部、化学式4に示す化合物の
4.8質量部、化学式5に示す化合物の4.8質量部、
化学式6に示す化合物の4.8質量部からなる液晶材料
を用いた。
【0071】
【化4】
【0072】
【化5】
【0073】
【化6】
【0074】そして、非観察者側の液晶パネルの裏面側
に艶消し黒色塗料を塗装した。マルチカラー発色は以下
のようにした。所定の表示色のときの各2層の状態をP
(プレナー状態)およびF(フォーカルコニック状態)
として表す。上記の駆動方法を用いた。 (1)緑がかった白はP(短)およびP(長)の組み合
わせ、(2)黒はF(短)およびF(長)の組み合わ
せ、(3)朱色系の赤はF(短)およびP(長)の組み
合わせ、(4)水色がかった緑はP(短)およびF
(長)の組み合わせで発色するように構成した。C.
I.E.1931色度座標における各色の値は、白
(0.34,0.43)、赤(0.49,0.35)、
黒(0.31,0.29)、緑(0.28、0.46)
であった。なお、光源は250Wのメタルハライドラン
プを採用し、入射角度はおよそ20°とし、液晶パネル
からの反射光がちょうど0°になるように配置した。周
囲温度は常温とし、Yはおよそ60%、コントラスト比
はおよそ10であった。また、本例の他の条件として、
635nm(長)および520nm(短)にカラーフィ
ルタ#04の組み合わせ、650nm(長)および50
5nm(短)にカラーフィルタ#343の組み合わせを
基本構成とすることができることを見出した(図11参
照)。この場合、配向膜層として、無ラビングの両面ポ
リイミド樹脂膜または無機膜層を用いるか、またはもう
けないことが好ましく、液晶材料に特願2000−33
5267の実施例のものと同様のものを使用できる。す
なわち、T=87℃、Δn=0.231、Δε=1
6.5、粘度η=32mPa・s、比抵抗2×1011
Ω・cmのネマチック液晶84.7部に、化学式1に示
すカイラル剤5.1部、化学式2に示すカイラル剤5.
1部、化学式3に示すカイラル剤5.1部を溶解混合す
ることによって得られる液晶材料を使用できる。また、
上述の特願2000−140685(実施例4)と同様
の液晶材料も使用できる。本例を用いて、図7に示す表
示で以下のようにマルチカラー表示を行うことができ
た。「本日の」を黒表示、「お買い得品」を赤表示、
「フロリダ産グレープフルーツ」を青地に黒表示、「通
常価格140円/個のところ」を黒表示、「98円」を
赤表示とし、全体の背景色を正面からみてやや緑がかっ
た白だが、それ以外の方向からみるとほぼ白となるよう
な、色の視覚依存性を可能な限り抑制した白とした(5
30nm/635nmで#04のカラーフィルタを使
用)。 (例4)本例では2層構成で白黒表示とした。上記の例
3では、カラーフィルタを使用することによって、白黒
および他の有彩色の発色が可能となった。しかし、ある
程度の輝度低下や白表示の色純度低下、さらに視野角依
存性が生ずる。本例ではカラーフィルタを併用せずに、
より良好な白黒表示を行うように構成した。本例ではカ
ラーフィルタを使用しないため、必ずしも観察者側の液
晶パネルを短波長の設定にする必要はない。観察者側の
液晶パネルの色のほうに引きづられる傾向があるので、
用途・好みによって液晶パネルの選択反射波長を使いわ
けることができる。液晶パネルの構成は以下の通りであ
る。非観察者側の選択反射波長は620nm、観察者側
の選択反射波長は490nmとした。この場合、観察者
−非観察者側の液晶パネルの組み合わせを逆にしてもよ
いが、白の色味がやや寒色系に変化することがわかっ
た。液晶パネルの他の構成や駆動は例3と同様にした。
マルチカラー表示は以下のようにして得た。1)白表示
はP(短)およびP(長)の組み合わせ、(2)黒表示
はF(短)およびF(長)の組み合わせ、(3)黄色表
示はF(短)およびP(長)の組み合わせ、(4)青表
示はP(短)およびF(長)の組み合わせとした。表示
データと各液晶パネルの相状態を制御することで、上記
のマルチカラー表示を達成できた。他の使用環境は例3
と同様とした。白の輝度はY値で約45%、コントラス
ト比は約6であった。各色の色度座標値は以下の通りで
あった。白(0.29,0.31)、黒(0.24,
0.25)、橙(0.41,0.36)、青(0.1
8,0.25)。なお、カラーフィルタは、上記実施例
のように1枚のフィルム状物のほか、色ガラスフィル
タ、同等の光学特性を有する材料を観察側液晶パネルの
背面または非観察側パネル前面に塗布して用いてよい。
製造上の取り扱いやすさから塗布方式が最も量産に適し
ており好ましい。
【0075】
【発明の効果】態様1では、残像を残さずに表示を書き
換えることができ、また、行ドライバや列ドライバでの
負荷発生を防止することができる。態様2では、所定時
間内で表示の書き換えを完了することができる。
【0076】態様3では、残像を残さずに表示を書き換
えることができ、また、行ドライバや列ドライバでの負
荷発生を防止することができる。態様4では、所定時間
内に表示の書き換えを完了することができる。
【0077】態様5では、従来から使用されている行ド
ライバや列ドライバを用いてコントラストが良好な表示
を得ることができる。
【0078】また、本発明では白黒表示以外の有彩色を
加えたマルチカラー表示を達成し、見栄えのよい明るい
公衆情報表示にメモリ性液晶表示装置を利用できるよう
になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 メモリ性液晶を用いた液晶パネルの概略構成
を示す断面図。
【図2】 液晶パネルを駆動する駆動装置の構成例を示
すブロック図。
【図3】 表示書換時の駆動波形の例を示す説明図。
【図4】 表示書換時の画面変化の例を示す説明図。
【図5】 表示書換時の駆動波形の例を示す説明図。
【図6】 コントラストと反射率の関係を示すグラフ。
【図7】 液晶パネルが表示する情報の例を示す説明
図。
【図8】 メモリ性液晶の配向状態の一例を示す説明
図。
【図9】 カラーフィルタの特性を示す表。
【図10】 発色が変化することの説明図。
【図11】 実施例の発色状態を示す色度図。
【図12】 2層型液晶パネルの模式的断面図。
【符号の説明】
,1 ガラス基板 2,2 電極 3,3 高分子薄膜 4 液晶組成物 5 光吸収体 11 コントローラ 12 行ドライバ 13 列ドライバ 14 液晶電源装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G09F 9/46 G09F 9/46 A G09G 3/20 621 G09G 3/20 621A 3/36 3/36 (72)発明者 高野 智弘 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 新山 聡 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 (72)発明者 末廣 紀子 神奈川県横浜市神奈川区羽沢町1150番地 旭硝子株式会社内 Fターム(参考) 2H093 NA20 NA34 NA43 NB22 NC03 NC10 NC13 NC16 NC22 NC23 NC26 NC90 ND58 NF19 4H027 BA02 BD12 BD20 CB01 CN01 CT08 CU01 5C006 AA21 BA11 BB12 BC03 BC12 FA34 FA47 FA54 GA02 5C080 AA10 BB05 CC03 DD01 DD26 FF12 JJ01 JJ02 JJ04 JJ05 5C094 AA08 BA49 CA14 DA03 DA11 EA04 EA07 ED03

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくとも2つの安定状態を呈するメモリ
    性液晶と、複数のコモン電極および複数のセグメント電
    極を備え、コモン電極を1本ずつ選択しながらコモン電
    極を走査する液晶表示装置の駆動方法であって、全ての
    コモン電極を1本ずつ選択するコモン電極の走査を少な
    くとも1回行ってメモリ性液晶をオン表示とするための
    電圧をメモリ性液晶に印加し、次にオン表示とするため
    の電圧が印加されたメモリ性液晶に、表示データに対応
    する電圧を印加することを特徴とする液晶表示装置の駆
    動方法。
  2. 【請求項2】各コモン電極の選択時間をT秒、コモン電
    極の総数をL、メモリ性液晶をオン表示とするための電
    圧をメモリ性液晶に印加するときの走査回数をP回、表
    示データに対応する電圧をメモリ性液晶に印加するとき
    の走査回数をQ回としたときに、T・L(P+Q)が所
    定の時間以下となるようにPおよびQを定める請求項1
    に記載の液晶表示装置の駆動方法。
  3. 【請求項3】少なくとも2つの安定状態を呈するメモリ
    性液晶と、複数のコモン電極および複数のセグメント電
    極を備え、コモン電極を1本ずつ選択しながらコモン電
    極を走査する液晶表示装置の駆動方法であって、全ての
    コモン電極を1本ずつ選択するコモン電極の走査を少な
    くとも1回行ってメモリ性液晶をオン表示とするための
    電圧をメモリ性液晶に印加し、次にオン表示とするため
    の電圧が印加されたメモリ性液晶に、メモリ性液晶をオ
    フ表示とするための電圧を印加し、次にオフ表示とする
    ための電圧が印加されたメモリ性液晶に、表示データに
    対応する電圧を印加することを特徴とする液晶表示装置
    の駆動方法。
  4. 【請求項4】各コモン電極の選択時間をT秒、コモン電
    極の総数をL、メモリ性液晶をオン表示とするための電
    圧をメモリ性液晶に印加するときの走査回数をP回、メ
    モリ性液晶をオフ表示とするための電圧をメモリ性液晶
    に印加するときの走査回数をR回、表示データに対応す
    る電圧をメモリ性液晶に印加するときの走査回数をQ回
    としたときに、T・L(P+R+Q)が所定の時間以下
    となるようにP、R、及びQを定める請求項3に記載の
    液晶表示装置の駆動方法。
  5. 【請求項5】選択されたコモン電極に設定される電圧振
    幅をV、セグメント電極に設定される電圧振幅をV
    としたときに、10≧V/V≧5となるようにV
    およびVを定める請求項1、2、3または4に記載の
    液晶表示装置の駆動方法。
  6. 【請求項6】少なくとも2つの安定状態を呈するメモリ
    性液晶と、複数のコモン電極および複数のセグメント電
    極を備え、コモン電極を1本ずつ選択しながらコモン電
    極を走査する液晶表示装置であって、 メモリ性液晶として、カイラルネマチック液晶またはコ
    レステリック液晶が用いられ、 メモリ性液晶を有する液晶パネルが少なくとも2つ設け
    られ、非観察者側のメモリ性液晶の選択反射波長は61
    5〜665nmに設けられ、観察者側のメモリ性液晶の
    選択反射波長が490〜540nmに設けられ、観察者
    側のメモリ性液晶と非観察者側メモリ性液晶との間に所
    定の透過率特性を有するカラーフィルタが配置され、赤
    表示と白黒表示が行われ、 請求項1、2、3、4、または5に記載の液晶表示装置
    の駆動方法によって駆動されることを特徴とする液晶表
    示装置。
  7. 【請求項7】少なくとも2つの安定状態を呈するメモリ
    性液晶と、複数のコモン電極および複数のセグメント電
    極を備え、コモン電極を1本ずつ選択しながらコモン電
    極を走査する液晶表示装置であって、 メモリ性液晶として、カイラルネマチック液晶またはコ
    レステリック液晶が用いられ、 メモリ性液晶を有する液晶パネルが少なくとも2つ設け
    られ、非観察者側のメモリ性液晶の選択反射波長および
    観察者側のメモリ性液晶の選択反射波長が所定の波長に
    設けられ、観察者側のメモリ性液晶と非観察者の側メモ
    リ性液晶とが間にカラーフィルタを挟まずに積層され、
    白黒表示と有彩色表示が行われ、 請求項1、2、3、4、または5に記載の液晶表示装置
    の駆動方法によって駆動されることを特徴とする液晶表
    示装置。
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