JP2003166292A - インサート器具 - Google Patents

インサート器具

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JP2003166292A
JP2003166292A JP2001368086A JP2001368086A JP2003166292A JP 2003166292 A JP2003166292 A JP 2003166292A JP 2001368086 A JP2001368086 A JP 2001368086A JP 2001368086 A JP2001368086 A JP 2001368086A JP 2003166292 A JP2003166292 A JP 2003166292A
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sleeve
nut member
insert device
ring
insert
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JP2001368086A
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English (en)
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Kiyobumi Ogita
清文 荻田
Ken Iida
憲 飯田
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Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Meiden Ceramics Co Ltd
Original Assignee
Meidensha Corp
Meidensha Electric Manufacturing Co Ltd
Meiden Ceramics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 スリーブとナット部材の接続、及びインサー
ト器具を型枠に取り付けるためのボルトのナット部材へ
の螺合を容易にするとともに、かぶり寸法に対応したス
リーブの長さの変更を容易とする。 【解決手段】 無機質材を焼成して筒状に形成されたフ
ァインセラミックスからなるスリーブ10の一端と、金
属により内周に雌ねじ部11aを有する筒状に形成され
たナット部材11の一端とに接続環12を嵌合して両者
を接続する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリート内
に埋設するインサート器具に関し、特に使用後に埋設さ
れて止水処理される(通称、埋め殺し処理)インサート
器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、コンクリート橋梁の足場形成の
ために、コンクリート構造物にインサート器具を埋設
し、これによって足場を形成している。インサート器具
は、埋設後被取付部材を取り付けて恒久的に使用される
場合と、足場形成など一時的に使用された後に埋められ
て(埋め殺し)使用されない場合とがある。例えば、埋
め殺しされて止水処理されるものとしては、特開平9−
279841号公報、特開平9−324537号公報、
特開平10−8572号公報、特開平7−331866
号公報などに示されたものがある。
【0003】又、ナット部分にセラミックスを使用した
インサート器具があり、このインサート器具は恒久的に
使用する場合には防食性の観点から有効であるが、埋め
殺しされる場合には高価なセラミックス製のナット部材
を使用する必要はない。このため、安価な金属製(例え
ばステンレス製)のナット部材を用い、かぶり寸法(コ
ンクリート構造物外表面と埋設異物(鉄筋、ナットなど
コンクリート部材と異なる部材)との間の寸法)を確保
するために未焼成の無機質材からなるスリーブを用いた
インサート器具が特開平2000−257618などで
知られている。
【0004】図4は上記のようなインサート器具の一部
断面正面図を示し、1はセラミックス(陶土とアルミナ
との混合物)やモルタルなどの未焼成の無機質材からな
る筒状のスリーブ、2はステンレス鋼等の金属により内
周に雌ねじ部2aを有する筒状に形成されたナット部材
であり、ナット部材2の外径はスリーブ1の内径とほぼ
同じに形成され、その一端はスリーブ1内に挿入嵌合さ
れるか、又はスリーブ1をナット部材2の外周部に一体
化成形する。ナット部材2の他端には径が大きいアンカ
ー部2bが形成されている。スリーブ1とナット部材2
によりインサート器具3が形成される。
【0005】次に、施工方法について説明する。まず、
図4に示すように、型枠4の孔4aに挿通したボルト5
をスリーブ1に挿通し、ナット部材2の雌ねじ部2aに
螺合してインサート器具3を型枠4の内側に取り付け、
型枠4の内側にコンクリートを打設してインサート器具
3をコンクリートに埋設する。コンクリートの固化によ
りコンクリート構造物6が形成される。
【0006】その後、図5に示すように、ボルト5及び
型枠4を除去し、両端に雄ねじ部7a,7bを有する連
結軸7の一端をスリーブ1に挿通し、その雄ねじ部7a
をナット部材2の雌ねじ部2aに螺合し、連結軸7の他
端の雄ねじ部7bには一時取付部材である足場形成部材
8を取り付ける。足場の使用が終了したら、足場形成部
材8及び連結軸7を除去する。この状態では、インサー
ト器具3では穴が形成されており、水等が侵入する恐れ
があるので密封する必要があり、図6に示すように、水
膨潤性部材あるいはモルタル等の無機質材からなる止水
部材9をスリーブ1内に嵌合し、止水処理をする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のインサート器具3は、未焼成の無機質材からなるスリ
ーブ1に金属製のナット部材2を嵌合して形成されてお
り、スリーブ1はナット部材2の外周部に一体化成形固
化して成形されるか又は別体の円筒形に成形するが、固
化過程で歪みを生じてナット部材2が挿入できないなど
の欠点を生じた。又、スリーブ1の内径はナット部材2
と螺合するボルト5の径より大きくなり、ボルト5をス
リーブ1に挿通してナット部材2の雌ねじ部2aと螺合
する際にボルト5の先端がナット部材2の端部と衝突
し、ボルト5の螺合作業が煩雑となった。さらに、スリ
ーブ1とナット部材2を一体に固化した場合には、かぶ
り寸法の変更が困難となり、必要な各かぶり寸法に対応
したスリーブ部分を備えたインサート器具が必要とな
り、生産効率が低下するとともに、施工現場での自在な
対応が困難となった。又、スリーブ1は未焼成であるこ
とから、強度が不足し、落下時に破損する恐れがあり、
作業性が悪いものであった。
【0008】この発明は上記のような課題を解決するた
めに成されたものであり、スリーブとナット部材との接
続が容易でインサート器具の生産の歩留まりが向上する
とともに、インサート器具を型枠に取り付けるためのボ
ルトとの螺合作業が容易で施工作業性を向上することが
でき、またかぶり寸法に対応してスリーブの長さを容易
に変更することができ、生産性、施工性を向上すること
ができるインサート器具を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るインサート器具は、無機質材を焼成して筒状に形成さ
れたファインセラミックスからなるスリーブと、金属に
より内周に雌ねじ部を有する筒状に形成されたナット部
材とからなり、スリーブの一端とナット部材の一端を接
続環を介して接続したものである。
【0010】請求項2に係るインサート器具は、接続環
がナット部材の外周に係合するとともに、スリーブの外
周又は内周に係合するものである。
【0011】請求項3に係るインサート器具は、スリー
ブがアルミナセラミックスからなるものである。
【0012】請求項4に係るインサート器具は、接続環
がナット部材と同質の金属、樹脂、セラミックス、ゴム
のいずれかからなるものである。
【0013】請求項5に係るインサート器具は、接続環
が、外周にリング状に突出した止水リング部を有するも
のである。
【0014】
【発明の実施の形態】実施形態1 以下、この発明の実施の形態を図面とともに説明する。
図1(a),(b)はこの発明の実施形態1によるイン
サート器具の一部断面正面図及び接続環の断面図を示
し、10はアルミナ等の無機質材を焼成して筒状に形成
されたファインセラミックスからなるスリーブ、11は
ステンレス鋼等の金属により内周に雌ねじ部11aを有
する筒状に形成されたナット部材であり、その外径はス
リーブ10の外径とほぼ同じであり、雌ねじ部11aの
径もスリーブ10の内径とほぼ同じである。ナット部材
11の一端には径が大きいアンカー部11bが形成され
ている。12はスリーブ10の一端の外周及びナット部
材11の一端の外周に嵌合し、両者を一体化する接続環
であり、接続環12の内周には突出部12aが複数箇所
に設けられ、突出部12aはスリーブ10とナット部材
11の端部間に間隔を設けるためのものである。又、接
続環12の外周には、リング状に突出した止水リング部
12bが設けられる。接続環12は、ナット部材11と
同質の金属、アルミナセラミックス等のセラミックス、
ポリプロピレンなどの樹脂、ゴム等により形成される。
スリーブ10、ナット部材11及び接続環12によりイ
ンサート器具13が形成される。
【0015】上記構成において、ナット部材11の雌ね
じ部11aには従来と同様に型枠4及びスリーブ10に
挿通されたボルト5が螺合されるとともに、足場形成部
材8と連結するための連結軸7の雄ねじ部7aが螺合さ
れる。コンクリート打設作業及びコンクリート固化後の
型枠4等の解体作業も従来同様に行われ、スリーブ10
内への止水部材9の嵌合による止水処理も同様に行われ
る。
【0016】実施形態1においては、スリーブ10をア
ルミナセラミックスにより形成しており、その焼成時に
は歪みを生じることがある。しかし、スリーブ10とナ
ット部材11とは直接嵌合するものではないので、スリ
ーブ10の内径などに歪みが生じても両者の接続は容易
であり、インサート器具13の生産の歩留まりが向上す
る。又、スリーブ10の内径をナット部材11の雌ねじ
部11aとほぼ同径とすることができるので、ボルト5
の径ともほぼ同径とすることができる。従って、スリー
ブ10に挿通したボルト5はナット部材11の端部と衝
突することがなく、雌ねじ部11aと円滑に螺合するこ
とができ、施工作業性が向上する。さらに、スリーブ1
0とナット部材11とは完全に別体であるから、かぶり
寸法に対応してスリーブ10の長さを容易に変更するこ
とができ、生産性、施工性が向上する。又、スリーブ1
0は焼成したアルミナセラミックスにより形成されてい
るので強度が確保でき、作業中に落下しても破損する恐
れが少なく、作業性が向上する。さらに、接続環12に
止水リング部12bを設けたので、コンクリート構造物
12とスリーブ14との間から浸入した雨水等の水分は
止水リング部12bより深く浸入することはなく、ナッ
ト部材11やコンクリート構造物6内の鉄筋類の腐食を
防止することができる。
【0017】なお、実施形態1においては、接続環12
の突出部12aを複数箇所に設けたが、リング状に設け
てもよい。又、接続環12とスリーブ10及びナット部
材11との間に接着剤を使用してもよい。
【0018】実施形態2 図2(a),(b)は実施形態2によるインサート器具
の一部断面正面図及び接続環の断面図を示し、接続環1
4は実施形態1と同様の部材により二段筒状に形成さ
れ、スリーブ10の内周とナット部材11の外周に嵌合
し、スリーブ10とナット部材11と接続環14とによ
りインサート器具15を形成する。又、接続環14の段
部外周にはリング状に突出した止水リング部14aを設
け、雨水等の浸入を防いでいる。
【0019】実施形態2においても、実施形態1と同様
の効果を奏する。なお、図2(c)に示すように、止水
リング部14aを接続環14の大径部の外周に設けても
良い。又、接続環14とスリーブ10及びナット部材1
1との間に接着剤を使用してもよい。
【0020】実施形態3 図3は実施形態3によるインサート器具の一部断面正面
図を示し、スリーブ10及びナット部材11の端部の外
周に嵌合する接続環16を熱収縮チューブにより形成し
たものであり、スリーブ10とナット部材11と接続環
16とによりインサート器具17が形成される。接続環
16を熱収縮チューブにより形成したので、スリーブ1
0及びナット部材11との嵌合が容易となる。その他の
効果は上記各実施形態と同様である。
【0021】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、焼成さ
れた無機質のファインセラミックスからなるスリーブと
金属製のナット部材を接続環により接続してインサート
器具を形成しており、スリーブとナット部材を直接嵌合
しないので、スリーブとナット部材との接続が容易とな
り、インサート器具生産の歩留まりが向上する。又、ス
リーブの内径をナット部材の雌ねじ部とほぼ同径とする
ことができるので、インサート器具を型枠に取り付ける
ためのボルトのナット部材の雌ねじ部への螺合が容易と
なり、施工作業性が向上する。さらに、スリーブとナッ
ト部材は完全に別体であるから、かぶり寸法に対応した
スリーブの長さの変更が容易であり、生産性、施工性が
向上する。又、スリーブは焼成した無機質材により形成
されるので、強度が確保でき、作業中に落下しても破損
する恐れはなく、作業性が向上し、短工期でコンクリー
ト構造物を得ることができる。さらに、接続環の外周に
止水リング部を設けたので、止水リング部の位置より深
い位置まで水分が浸入することはなく、ナット部材及び
コンクリート構造物の腐食を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1によるインサート器具の
一部断面正面図、接続環の断面図及び接続環の変形例の
断面図である。
【図2】実施形態2によるインサート器具の一部断面正
面図及び接続環の変形例の断面図である。
【図3】実施形態3によるインサート器具の一部断面正
面図である。
【図4】従来のインサート器具のコンクリート打設時の
一部断面図である。
【図5】従来のインサート器具の足場形成部材取付時の
一部断面図である。
【図6】従来のインサート器具のコンクリート埋設状態
での一部断面図である。
【符号の説明】
4…型枠 5…ボルト 6…コンクリート構造物 7…連結軸 8…足場形成部材 10…スリーブ 11…ナット部材 11a…雌ねじ部 12,14,16…接続環 12b,14a…止水リング部 13,15,17…インサート器具
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成14年1月17日(2002.1.1
7)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正内容】
【書類名】 明細書
【発明の名称】 インサート器具
【特許請求の範囲】
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、コンクリート内
に埋設するインサート器具に関し、特に使用後に埋設さ
れて止水処理される(通称、埋め殺し処理)インサート
器具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】例えば、コンクリート橋梁の足場形成の
ために、コンクリート構造物にインサート器具を埋設
し、これによって足場を形成している。インサート器具
は、埋設後被取付部材を取り付けて恒久的に使用される
場合と、足場形成など一時的に使用された後に埋められ
て(埋め殺し)使用されない場合とがある。例えば、埋
め殺しされて止水処理されるものとしては、特開平9−
279841号公報、特開平9−324537号公報、
特開平10−8572号公報、特開平7−331866
号公報などに示されたものがある。
【0003】又、ナット部分にセラミックスを使用した
インサート器具があり、このインサート器具は恒久的に
使用する場合には防食性の観点から有効であるが、埋め
殺しされる場合には高価なセラミックス製のナット部材
を使用する必要はない。このため、安価な金属製(例え
ばステンレス製)のナット部材を用い、かぶり寸法(コ
ンクリート構造物外表面と埋設異物(鉄筋、ナットなど
コンクリート部材と異なる部材)との間の寸法)を確保
するために未焼成の無機質材からなるスリーブを用いた
インサート器具が特開平2000−257618などで
知られている。
【0004】図4は上記のようなインサート器具の一部
断面正面図を示し、1はセラミックス(陶土とアルミナ
との混合物)やモルタルなどの未焼成の無機質材からな
る筒状のスリーブ、2はステンレス鋼等の金属により内
周に雌ねじ部2aを有する筒状に形成されたナット部材
であり、ナット部材2の外径はスリーブ1の内径とほぼ
同じに形成され、その一端はスリーブ1内に挿入嵌合さ
れるか、又はスリーブ1をナット部材2の外周部に一体
化成形する。ナット部材2の他端には径が大きいアンカ
ー部2bが形成されている。スリーブ1とナット部材2
によりインサート器具3が形成される。
【0005】次に、施工方法について説明する。まず、
図4に示すように、型枠4の孔4aに挿通したボルト5
をスリーブ1に挿通し、ナット部材2の雌ねじ部2aに
螺合してインサート器具3を型枠4の内側に取り付け、
型枠4の内側にコンクリートを打設してインサート器具
3をコンクリートに埋設する。コンクリートの固化によ
りコンクリート構造物6が形成される。
【0006】その後、図5に示すように、ボルト5及び
型枠4を除去し、両端に雄ねじ部7a,7bを有する連
結軸7の一端をスリーブ1に挿通し、その雄ねじ部7a
をナット部材2の雌ねじ部2aに螺合し、連結軸7の他
端の雄ねじ部7bには一時取付部材である足場形成部材
8を取り付ける。足場の使用が終了したら、足場形成部
材8及び連結軸7を除去する。この状態では、インサー
ト器具3では穴が形成されており、水等が侵入する恐れ
があるので密封する必要があり、図6に示すように、水
膨潤性部材あるいはモルタル等の無機質材からなる止水
部材9をスリーブ1内に嵌合し、止水処理をする。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記したように、従来
のインサート器具3は、未焼成の無機質材からなるスリ
ーブ1に金属製のナット部材2を嵌合して形成されてお
り、スリーブ1はナット部材2の外周部に一体化成形固
化して成形されるか又は別体の円筒形に成形するが、固
化過程で歪みを生じてナット部材2が挿入できないなど
の欠点を生じた。又、スリーブ1の内径はナット部材2
と螺合するボルト5の径より大きくなり、ボルト5をス
リーブ1に挿通してナット部材2の雌ねじ部2aと螺合
する際にボルト5の先端がナット部材2の端部と衝突
し、ボルト5の螺合作業が煩雑となった。さらに、スリ
ーブ1とナット部材2を一体に固化した場合には、かぶ
り寸法の変更が困難となり、必要な各かぶり寸法に対応
したスリーブ部分を備えたインサート器具が必要とな
り、生産効率が低下するとともに、施工現場での自在な
対応が困難となった。又、スリーブ1は未焼成であるこ
とから、強度が不足し、落下時に破損する恐れがあり、
作業性が悪いものであった。
【0008】この発明は上記のような課題を解決するた
めに成されたものであり、スリーブとナット部材との接
続が容易でインサート器具の生産の歩留まりが向上する
とともに、インサート器具を型枠に取り付けるためのボ
ルトとの螺合作業が容易で施工作業性を向上することが
でき、またかぶり寸法に対応してスリーブの長さを容易
に変更することができ、生産性、施工性を向上すること
ができるインサート器具を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に係
るインサート器具は、無機質材を焼成して筒状に形成さ
れたファインセラミックスからなるスリーブと、金属に
より内周に雌ねじ部を有する筒状に形成されたナット部
材とからなり、スリーブの一端とナット部材の一端を接
続環を介して接続したものである。
【0010】請求項2に係るインサート器具は、接続環
がナット部材の外周に係合するとともに、スリーブの外
周又は内周に係合するものである。
【0011】請求項3に係るインサート器具は、スリー
ブがアルミナセラミックスからなるものである。
【0012】請求項4に係るインサート器具は、接続環
がナット部材と同質の金属、樹脂、セラミックス、ゴム
のいずれかからなるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】実施形態1 以下、この発明の実施の形態を図面とともに説明する。
図1(a),(b)はこの発明の実施形態1によるイン
サート器具の一部断面正面図及び接続環の断面図を示
し、10はアルミナ等の無機質材を焼成して筒状に形成
されたファインセラミックスからなるスリーブ、11は
ステンレス鋼等の金属により内周に雌ねじ部11aを有
する筒状に形成されたナット部材であり、その外径はス
リーブ10の外径とほぼ同じであり、雌ねじ部11aの
径もスリーブ10の内径とほぼ同じである。ナット部材
11の一端には径が大きいアンカー部11bが形成され
ている。12はスリーブ10の一端の外周及びナット部
材11の一端の外周に嵌合し、両者を一体化する接続環
であり、接続環12の内周には突出部12aが複数箇所
に設けられ、突出部12aはスリーブ10とナット部材
11の端部間に間隔を設けるためのものである。又、接
続環12の外周には、リング状に突出した止水リング部
12bが設けられる。接続環12は、ナット部材11と
同質の金属、アルミナセラミックス等のセラミックス、
ポリプロピレンなどの樹脂、ゴム等により形成される。
スリーブ10、ナット部材11及び接続環12によりイ
ンサート器具13が形成される。
【0014】上記構成において、ナット部材11の雌ね
じ部11aには従来と同様に型枠4及びスリーブ10に
挿通されたボルト5が螺合されるとともに、足場形成部
材8と連結するための連結軸7の雄ねじ部7aが螺合さ
れる。コンクリート打設作業及びコンクリート固化後の
型枠4等の解体作業も従来同様に行われ、スリーブ10
内への止水部材9の嵌合による止水処理も同様に行われ
る。
【0015】実施形態1においては、スリーブ10をア
ルミナセラミックスにより形成しており、その焼成時に
は歪みを生じることがある。しかし、スリーブ10とナ
ット部材11とは直接嵌合するものではないので、スリ
ーブ10の内径などに歪みが生じても両者の接続は容易
であり、インサート器具13の生産の歩留まりが向上す
る。又、スリーブ10の内径をナット部材11の雌ねじ
部11aとほぼ同径とすることができるので、ボルト5
の径ともほぼ同径とすることができる。従って、スリー
ブ10に挿通したボルト5はナット部材11の端部と衝
突することがなく、雌ねじ部11aと円滑に螺合するこ
とができ、施工作業性が向上する。さらに、スリーブ1
0とナット部材11とは完全に別体であるから、かぶり
寸法に対応してスリーブ10の長さを容易に変更するこ
とができ、生産性、施工性が向上する。又、スリーブ1
0は焼成したアルミナセラミックスにより形成されてい
るので強度が確保でき、作業中に落下しても破損する恐
れが少なく、作業性が向上する。さらに、接続環12に
止水リング部12bを設けたので、コンクリート構造物
12とスリーブ14との間から浸入した雨水等の水分は
止水リング部12bより深く浸入することはなく、ナッ
ト部材11やコンクリート構造物6内の鉄筋類の腐食を
防止することができる。
【0016】なお、実施形態1においては、接続環12
の突出部12aを複数箇所に設けたが、リング状に設け
てもよい。又、接続環12とスリーブ10及びナット部
材11との間に接着剤を使用してもよい。
【0017】実施形態2 図2(a),(b)は実施形態2によるインサート器具
の一部断面正面図及び接続環の断面図を示し、接続環1
4は実施形態1と同様の部材により二段筒状に形成さ
れ、スリーブ10の内周とナット部材11の外周に嵌合
し、スリーブ10とナット部材11と接続環14とによ
りインサート器具15を形成する。又、接続環14の段
部外周にはリング状に突出した止水リング部14aを設
け、雨水等の浸入を防いでいる。
【0018】実施形態2においても、実施形態1と同様
の効果を奏する。なお、図2(c)に示すように、止水
リング部14aを接続環14の大径部の外周に設けても
良い。又、接続環14とスリーブ10及びナット部材1
1との間に接着剤を使用してもよい。
【0019】実施形態3 図3は実施形態3によるインサート器具の一部断面正面
図を示し、スリーブ10及びナット部材11の端部の外
周に嵌合する接続環16を熱収縮チューブにより形成し
たものであり、スリーブ10とナット部材11と接続環
16とによりインサート器具17が形成される。接続環
16を熱収縮チューブにより形成したので、スリーブ1
0及びナット部材11との嵌合が容易となる。その他の
効果は上記各実施形態と同様である。
【0020】
【発明の効果】以上のようにこの発明によれば、焼成さ
れた無機質のファインセラミックスからなるスリーブと
金属製のナット部材を接続環により接続してインサート
器具を形成しており、スリーブとナット部材を直接嵌合
しないので、スリーブとナット部材との接続が容易とな
り、インサート器具生産の歩留まりが向上する。又、ス
リーブの内径をナット部材の雌ねじ部とほぼ同径とする
ことができるので、インサート器具を型枠に取り付ける
ためのボルトのナット部材の雌ねじ部への螺合が容易と
なり、施工作業性が向上する。さらに、スリーブとナッ
ト部材は完全に別体であるから、かぶり寸法に対応した
スリーブの長さの変更が容易であり、生産性、施工性が
向上する。又、スリーブは焼成した無機質材により形成
されるので、強度が確保でき、作業中に落下しても破損
する恐れはなく、作業性が向上し、短工期でコンクリー
ト構造物を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1によるインサート器具の
一部断面正面図、接続環の断面図及び接続環の変形例の
断面図である。
【図2】実施形態2によるインサート器具の一部断面正
面図及び接続環の変形例の断面図である。
【図3】実施形態3によるインサート器具の一部断面正
面図である。
【図4】従来のインサート器具のコンクリート打設時の
一部断面図である。
【図5】従来のインサート器具の足場形成部材取付時の
一部断面図である。
【図6】従来のインサート器具のコンクリート埋設状態
での一部断面図である。
【符号の説明】 4…型枠 5…ボルト 6…コンクリート構造物 7…連結軸 8…足場形成部材 10…スリーブ 11…ナット部材 11a…雌ねじ部 12,14,16…接続環 12b,14a…止水リング部 13,15,17…インサート器具
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯田 憲 静岡県沼津市東間門字上中溝515番地 明 電セラミックス株式会社内 Fターム(参考) 2E125 AA48 AB05 AB17 AC14 AG02 AG14 BA03 BB08 BB13 BB24 BD01 BD04 BE03 BF01 EA15 EA26 EB12

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機質材を焼成して筒状に形成されたフ
    ァインセラミックスからなるスリーブと、金属により内
    周に雌ねじ部を有する筒状に形成されたナット部材とか
    らなり、スリーブの一端とナット部材の一端を接続環を
    介して接続したことを特徴とするインサート器具。
  2. 【請求項2】 接続環は、ナット部材の外周に係合する
    とともに、スリーブの外周又は内周に係合することを特
    徴とする請求項1記載のインサート器具。
  3. 【請求項3】 スリーブは、アルミナセラミックスから
    なることを特徴とする請求項1又は2記載のインサート
    器具。
  4. 【請求項4】 接続環は、ナット部材と同質の金属、樹
    脂、セラミックス、ゴムのいずれかにより形成されたこ
    とを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のインサ
    ート器具。
  5. 【請求項5】 接続環は、外周にリング状に突出した止
    水リング部を有することを特徴とする請求項1〜4のい
    ずれかに記載のインサート器具。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR102267609B1 (ko) * 2020-12-02 2021-06-22 엠비텍 주식회사 슬리브 타입과 커플러 타입이 복합된 철근연결구

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KR102267609B1 (ko) * 2020-12-02 2021-06-22 엠비텍 주식회사 슬리브 타입과 커플러 타입이 복합된 철근연결구

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