JP2003165924A - 光輝性顔料、ならびにそれを用いた塗料、樹脂組成物、インキ組成物、人造大理石成型品、塗被紙および化粧料 - Google Patents

光輝性顔料、ならびにそれを用いた塗料、樹脂組成物、インキ組成物、人造大理石成型品、塗被紙および化粧料

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JP2003165924A
JP2003165924A JP2001364209A JP2001364209A JP2003165924A JP 2003165924 A JP2003165924 A JP 2003165924A JP 2001364209 A JP2001364209 A JP 2001364209A JP 2001364209 A JP2001364209 A JP 2001364209A JP 2003165924 A JP2003165924 A JP 2003165924A
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fluorescent
resin
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Juichi Ino
寿一 猪野
Hidetoshi Fukuchi
英俊 福地
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Nippon Sheet Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 樹脂組成物または塗料などに配合された場合
でも、視認性が高く、かつ、耐候性も高い光輝性顔料を
提供する。さらには、この光輝性顔料を配合することに
より、高い意匠性を長期間維持できる塗料、樹脂組成
物、インキ組成物、人造大理石成型品、塗被紙および化
粧料を提供する。 【解決手段】 無機酸化物または無機水酸化物中に蓄光
材料または蛍光材料を含有する層と、二酸化チタンを主
成分とする層とを積層した光輝性顔料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、リン光および/
または蛍光を発する材料を用いた光輝感の高い顔料に関
する。さらには、この光輝性顔料を利用した塗料、樹脂
組成物、インキ組成物、人造大理石成型品、塗被紙およ
び化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から光輝性顔料として、フレーク状
のアルミニウム粉末、グラファイト片粒子、ガラスフレ
ーク、銀を被覆したガラスフレーク、二酸化チタンもし
くは酸化鉄などの金属酸化物で被覆した雲母片粒子また
はα―酸化鉄結晶粒子を主成分とする酸化鉄粒子などが
知られている。これらの光輝性顔料は、その表面で反射
した光によってキラキラと輝き、塗料であればそれを使
用した塗装面に、インキであればそれを使用した描線も
しくは印刷面に、または樹脂組成物であればそれを用い
た樹脂成形物の表面に、それら素地の色調と相俟って変
化に富み美粧性に優れた独特な外観を与える。そのた
め、光輝性顔料は、自動車、オートバイ、OA機器、携
帯電話、家庭電化製品、各種印刷物または筆記用具類な
ど幅広い用途で利用されている。
【0003】また、蓄光材料や蛍光材料も様々な用途で
利用されている。たとえば、夜光標識、スイッチ・コン
セント、携帯用電灯、暗室用品、階段スベリ止め、手す
り、巾木、タイル、床面、壁面標示、蓄光標識、誘導標
識、避難用具、非常持出、消火器、消火栓、火災報知
機、救命器具、排煙装置もしくは階段階数標示などの各
種表示、灰皿、ライター、シガレットケース、ネックレ
ス、イヤリング、テーブルクロス、のれん、ランプシェ
ード、タイル、壁紙もしくは繊維などの装飾品類、玩
具、釣具、文房具、おまけ品または漁具などを例示でき
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらの光輝
性顔料、蓄光材料または蛍光材料は、単独で用いられる
ことが多く、個々の粒子自体の意匠性や視認性がはっき
りしない場合が多い。たとえば、特開2001−158
867号公報には、プラスチック材料もしくは塗料の中
に、光輝性顔料、蓄光材料および蛍光材料を混ぜ合わせ
て、それらの意匠性を高めること、ならびにインキ組成
物中に光輝性顔料と共に蓄光材料または蛍光材料を配合
することが示されている。このように樹脂組成物や塗料
の中に光輝性顔料と蛍光材料または蓄光材料とを混ぜて
使用した場合、光輝性顔料と蓄光材料または蛍光材料と
の間にプラスチック材料もしくは塗料が存在するため、
これらは看者に焦点のずれたイメージしか与えられな
い。また、特開平11−130992号公報には、蓄光
材料を屈折率の高いガラスビーズや樹脂ビーズと組み合
わせて、再帰反射を利用して、その視認性を向上させる
技術が掲載されている。しかし、再帰反射を利用する場
合は、視認性の向上する方向が特定方向に限られ、また
ガラスビーズの意匠性を向上させることもできない。さ
らに、ガラスフレークに銀メッキを施したものであっ
て、その表面に染料を含有する二酸化ケイ素被膜を備え
た光輝性顔料も提案されている(機能材料 Vol.12, No.
7, 第32頁)。しかし、金属被覆膜上に蓄光材料または
蛍光材料を配置した場合、下地の金属色によって蓄光材
料または蛍光材料本来の色調が損なわれる。たとえば、
銀を被覆したガラスフレークは黄色みを帯びているた
め、蓄光材料または蛍光材料を白色紙上に塗布した場合
と比較すると、それらの視認性は著しく低下する。
【0005】また、蓄光材料または蛍光材料は一般に耐
水性や耐候性が低いため、これらを配合したプラスチッ
ク材料や塗料は、その機能を長期間安定して発揮するこ
とができない。
【0006】この発明は、これらの問題点に着目してな
されたものである。その目的とするところは、樹脂組成
物または塗料などに配合された場合でも、視認性が高
く、かつ、耐候性も高い光輝性顔料を提供することにあ
る。さらには、この光輝性顔料を配合することにより、
高い意匠性を長期間維持できる塗料、樹脂組成物、イン
キ組成物、人造大理石成型品、塗被紙および化粧料を提
供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明の光輝性顔料は、無機酸化
物または無機水酸化物中に蓄光材料または蛍光材料を含
有する層と、二酸化チタンを主成分とする層とを積層し
たものである。
【0008】請求項2に記載の発明の光輝性顔料は、請
求項1に記載の発明において、蓄光材料または蛍光材料
を含有する層が、二酸化チタンを主成分とする層の外側
に存在するものである。
【0009】請求項3に記載の発明の光輝性顔料は、請
求項1に記載の発明において、蓄光材料または蛍光材料
を含有する層が、二酸化チタンを主成分とする層の内側
に存在するものである。
【0010】請求項4に記載の発明の光輝性顔料は、請
求項3に記載の発明において、蓄光材料または蛍光材料
を含有する層が、透明で、かつ、基盤的機能を果たすも
のである。
【0011】請求項5に記載の発明の光輝性顔料は、請
求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、無機
酸化物が二酸化ケイ素もしくは酸化アルミニウムを主成
分とするもの、またはアルミノケイ酸塩であるものであ
る。
【0012】請求項6に記載の発明の光輝性顔料は、請
求項1〜4のいずれか1項において、無機水酸化物が水
酸化アルミニウムを主成分とするものである。
【0013】請求項7に記載の発明の光輝性顔料は、蓄
光材料または蛍光材料を含有する二酸化チタンを主成分
とする層を備えるものである。
【0014】請求項8に記載の発明の光輝性顔料は、請
求項1〜6のいずれか1項において、二酸化チタンを主
成分とする層の厚さが1〜200nmのものである。
【0015】請求項9に記載の発明の塗料は、請求項1
〜8のいずれか1項に記載の光輝性顔料を用いたもので
ある。
【0016】請求項10に記載の発明の樹脂組成物は、
請求項1〜8のいずれか1項に記載の光輝性顔料を用い
たものである。
【0017】請求項11に記載の発明のインキ組成物
は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光輝性顔料を
用いたものである。
【0018】請求項12に記載の発明の人造大理石成型
品は、請求項1〜8のいずれか1項に記載の光輝性顔料
を用いたものである。
【0019】請求項13に記載の発明の塗被紙は、請求
項1〜8のいずれか1項に記載の光輝性顔料を用いたも
のである。
【0020】請求項14に記載の発明の化粧料は、請求
項1〜8のいずれか1項に記載の光輝性顔料を用いたも
のである。
【0021】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好ましい実施の
形態について、詳細に説明する。
【0022】この発明の光輝性顔料は、無機酸化物また
は無機水酸化物中に蓄光材料または蛍光材料を含有する
層(以下、この層を「蛍光層」と称す)と、二酸化チタ
ンを主成分とする層(以下、この層を「チタニア層」と
称す)とを積層したものであって、チタニア層が透明で
あることから、蓄光材料または蛍光材料の発色が損なわ
れることなく、高い光輝感を呈するものである。
【0023】蓄光材料としては、硫酸カルシウム蛍光体
(母体結晶がCaSで付活剤がBi)、硫酸亜鉛蛍光体(母
体結晶がZnSで付活剤がCu 根本特殊化学株式会社製「G
SS」)、アルミン酸ストロンチウムもしくはアルミン酸
カルシウムを母体結晶とし、Eu、Dy、Ndなどを付活剤と
する蛍光体(根本特殊化学株式会社製「N夜光(ルミノ
ーバ)」G-300シリーズ、BG-300シリーズ、V-300シリー
ズ 日亜化学工業株式会社製「ULTRA GLOW シリーズ」N
P-2810、NP-2820、NP-2830 株式会社リード製「リーブ
ライト」B、YG)、母体結晶がCaSrSで付活剤がBiの蛍光
体または母体結晶がCaSで付活剤がEuもしくはTmの蛍光
体などが挙げられる。一方、蛍光材料としては、Rhodam
ine B、Rhodamine 6G、Rhodamine S、Eosine、Basic ye
llow HG、Brilliantsulfoflavine FF、Thioflavineまた
はFluoresceinなどが例示される。
【0024】蓄光材料または蛍光材料は、無機酸化物ま
たは無機水酸化物中に包含される。なお、蓄光材料また
は蛍光材料の一部が蛍光層から露出していても、その層
から容易に剥離しなければ、包含されているといえる。
また、蛍光層には、蓄光材料と蛍光材料が同時に包含さ
れていてもよい。このように蓄光材料または蛍光材料が
無機酸化物または無機水酸化物中に包含されることによ
り、光輝性顔料自身がリン光または蛍光を発することに
なるので、その輪郭が鮮明になり、従来のような焦点の
ずれたイメージを払拭できる。
【0025】無機酸化物としては、その種類をとくに限
定されるものではなく、二酸化ケイ素、酸化アルミニウ
ム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化鉄、酸化ジルコニウ
ム、酸化セリウム、酸化ビスマス、酸化ジルコニウム、
酸化ニオブまたは酸化タンタルを主成分とするもの、あ
るいはアルミノケイ酸塩などが例示される。これらの中
でも、二酸化ケイ素または酸化アルミニウムを主成分と
するもの、あるいはアルミノケイ酸塩は、透明性が高
く、蓄光材料または蛍光材料からの発光を減衰も変色も
させないので好適である。一方、無機水酸化物として
は、水酸化アルミニウムが好適である。これらの無機酸
化物または無機水酸化物は、薄膜材料として従来から利
用されており、薄膜成形技術が確立されているため、化
学的耐久性やコスト面でも優れる。
【0026】チタニア層は、透明であるため、従来の光
輝性顔料のように、金属薄膜の反射色によって蓄光材料
または蛍光材料からの発色を害することがない。ここ
で、「二酸化チタンを主成分とする」とは、組成成分含
有率で二酸化チタンが50重量%以上を占め、かつ、透
明性を失っていない状態を指す。具体的には、可視光透
過率が90%以上であれば、透明性は失われていないと
する。
【0027】蛍光層とチタニア層との屈折率の差は、
0.6以上であることが好ましく、さらには0.8以上
であることが好適である。これらの層が接する界面にお
いては、屈折率の差が大きいほど反射を生じ易いことか
ら、この屈折率の差が0.6以上あれば、光輝性顔料に
蓄光材料または蛍光材料の発光と共に前記界面における
反射光による光輝感をも加えることができる。たとえ
ば、二酸化チタンの屈折率は、アナターゼ型で2.55
程度、ルチル型で2.70程度であり、二酸化ケイ素の
屈折率は1.45程度である。したがって、ルチル型の
チタニア層と二酸化ケイ素の蛍光層とを積層することが
好ましい。
【0028】チタニア層は、その厚さを調整することに
より、干渉作用による種々の反射色を呈するようにな
る。この干渉色と蓄光材料または蛍光材料の発光とを組
み合わせることにより、従来にない外観を呈する光輝性
顔料が得られる。チタニア層の厚さは、干渉色を呈し、
かつ、耐候性を必要充分に高めることのできる範囲であ
る1〜800nmが好ましく、さらには5〜100nm
が好適である。
【0029】この光輝性顔料は、蛍光層とチタニア層と
が積層するものであるが、その構造は様々な形態をとり
うる。たとえば、蛍光層またはチタニア層以外に基盤的
機能を果たす部材(以下、「基材」と称す)があり、そ
の表面を蛍光層とチタニア層とで被覆した構造、あるい
は基材を用いず、蛍光層またはチタニア層の一方が基盤
的機能を果たし、その表面を他方の層で被覆した構造で
ある。また、これらの構造において、蛍光層がチタニア
層を覆う場合、チタニア層が蛍光層を覆う場合、ならび
に蛍光層とチタニア層とが交互に複数回積層する場合な
どの形態もとりうる。これらいずれの形態であっても、
蛍光層とチタニア層とを組み合わせることにより、上記
の効果が発揮される。しかしながら、蛍光層よりもチタ
ニア層の方が化学的安定性に優れることから、光輝性顔
料の耐候性を重視する場合は、チタニア層が蛍光層を覆
う構造が好適である。
【0030】ところで、光輝性顔料は、蛍光層を備え
ず、チタニア層に蓄光材料または蛍光材料を含有する構
造であってもよい。この構造の場合、光輝性顔料の耐候
性はやや低下するが、使用期間が短い用途であれば十分
実用に耐えられる。また、蓄光材料または蛍光材料を取
り込みつつチタニア膜が成形されるので、光輝性顔料の
製造コストを引き下げることができる。この構造であっ
ても、蓄光材料または蛍光材料は光輝性顔料自体に包含
されることになるので、光輝性顔料の光輝感を向上させ
ることができる。蓄光材料または蛍光材料を含有するチ
タニア層は、蓄光材料または蛍光材料の存在下で、後述
する公知のチタニア層の成形方法を実施することにより
得られる。
【0031】基材を使用する場合、蓄光材料または蛍光
材料の発色を害さないように、基材は透明であることが
好ましい。そこで、ガラス、シリカ(SiO2)または酸化ア
ルミニウムなどからなる基材を使用することが好まし
い。基材の形状は、利用用途によって適宜選択する必要
があり、鱗片状、粒子状(球状)またはブロック状など
が例示される。たとえば、光輝性顔料を塗料材料として
使用する場合、塗装膜表面が平滑となるように、基材に
は薄さが求められるので、鱗片状とくに表面が平滑なガ
ラスレークが好適である。
【0032】また、個々の光輝性顔料の輝度を高めるに
は、表面が平滑で、かつ、表面積の大きい基材を用いる
ことが有効である。たとえば、ガラスフレークであれ
ば、平均厚さ0.1〜7μm、平均粒径5〜250μm
のものが好ましい。また、そのアスペクト比(平均粒径
/平均厚さ)は、少なくとも10以上、さらには15以
上であることが好適である。平均粒径が250μmを超
える場合は、塗料調製工程中に基材が割れ易くなり、一
方5μm未満になると、輝度の低下が著しくなる。ま
た、平均厚さが0.1μm未満の場合は破砕され易く、
一方7μmを超えると、塗装膜において単位面積当たり
の光輝性顔料の粒子数が少なくなり、その光輝感が不足
し、外観不良が生じ易い。ガラスフレークのさらに好ま
しい形状は、平均厚さ0.5〜3.0μm、平均粒径1
5〜70μmである。
【0033】蓄光材料または蛍光材料は、小さい方が好
ましく、平均粒径10nm〜1μmであることが好まし
い。10nm未満の場合は、蓄光材料または蛍光材料の
耐久性が極端に悪くなり、1μm以上であると蓄光材料
または蛍光材料による散乱が大きくなり、白濁して見え
るため、光輝性顔料の意匠性が低下するおそれがある。
なお、蓄光材料または蛍光材料とが上記範囲より大きい
場合は、クラッシャー、振動ミル、ボールミルまたはジ
ェットミルなどを用いて粉砕して使用することが好まし
い。
【0034】蛍光層における蓄光材料または蛍光材料の
含有率は、無機酸化物または無機水酸化物に対して0.
01〜80重量%であることが好ましい。0.01重量
%未満の場合は、リン光または蛍光が弱く殆ど観測でき
ない。一方、80重量%を越えると、蓄光材料または蛍
光材料を支える無機酸化物または無機水酸化物が少なく
なり、蛍光層が薄膜形状に成形され難くなる。
【0035】蛍光層は、10nm〜10μmであること
が望ましい。10nm未満の場合は、蓄光材料または蛍
光材料が不足し、リン光または蛍光が弱く、光輝性顔料
の輝度が不足し易い。一方、10μmを越えると、蛍光
層による光の吸収が無視できなくなり、また光輝性顔料
が厚くなりすぎて、塗料に使用された場合に塗膜面に凹
凸が形成される。
【0036】基材がなく、蛍光層またはチタニア層の一
方が基盤的機能を果たし、その表面を他方の層で覆う構
造である光輝性顔料においては、基盤的機能を果たす層
の形状は、上記ガラスフレークの形状と同じであること
が好ましい。とくに、蛍光層を基盤的機能を果たす層と
して使用することが好ましく、この場合の蓄光材料また
は蛍光材料の含有率は、0.1〜50重量%であること
が好ましい。
【0037】蛍光層を成形する方法は、とくに限定され
るものではないが、蓄光材料または蛍光材料を取り込み
ながら層状に成形する方法が好ましい。たとえば、蓄光
材料または蛍光材料の存在下で、金属塩から酸化物を基
材表面に析出させる方法(LPD法)、ゾルゲル法また
はCVD法などが挙げられる。
【0038】また、無機酸化物としてシリカを用いた蛍
光層の成形方法として、つぎの方法が挙げられる。ケイ
酸ナトリウム(水ガラス)に蓄光材料または蛍光材料を
混合し、この溶液に酸性溶液を添加した後、アルカリ環
境下でケイ酸ナトリウムの加水分解により蛍光層を成形
する方法(金属塩法)、あるいはテトラアルコキシシラ
ンと水を混合した溶液に蓄光材料または蛍光材料を混合
・撹拌し、アルカリ性溶液を添加して、テトラアルコキ
シシランの加水分解により光層を成形する方法(ゾルゲ
ル法)、あるいはシリコンアルコキシドを蓄光材料また
は蛍光材料と共にアルコール溶媒中に添加・混合し、加
水分解・縮重合させて蛍光層を成形する方法(ゾルゲル
法)、あるいは特開平3−66764号公報に示された
ように、蓄光材料または蛍光材料をケイフッ化水素酸溶
液中に懸濁させ、ホウ酸やアルミニウムを添加したり温
度を上昇させたりして平衡をずらし蛍光層を成形する方
法(LPD法)などである。なお、酸化アルミニウム、
アルミノケイ酸塩または水酸化アルミニウムなどを主成
分とする蛍光層の成形においても、同様の方法を用いる
ことができる。
【0039】チタニア層の成形方法もとくに限定される
ものではなく、公知の薄膜成形方法を利用することがで
きる。たとえば、スパッタリング法、メッキ法、あるい
は米国特許第5753371号または特開2001−3
1421公報に記載の溶液中から直接ルチル型のチタニ
ア膜を析出させる方法などが挙げられる。
【0040】基材を使用せず、蛍光層またはチタニア層
の一方に基盤的機能を発揮させる場合、この層の製造方
法には、上述の各製造方法をそのまま利用することがで
きる。ただし、その層が基盤的機能を必要十分に発揮す
るには、上記ガラスフレークの厚さと同等程度の厚さが
必要である。
【0041】光輝性顔料は、従来の顔料と同様に、塗
料、樹脂組成物、インキ組成物、人造大理石成型品、塗
被紙または化粧料などの各種用途に利用できる。光輝性
顔料を塗料に利用する場合、母材樹脂には、アクリル樹
脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、尿素樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル−ウレタン硬
化系樹脂、エポキシ−ポリエステル硬化系樹脂、アクリ
ル−ポリエステル系樹脂、アクリル−ウレタン硬化系樹
脂、アクリル−メラミン硬化系樹脂、ポリエステル−メ
ラミン硬化系樹脂などの熱硬化性樹脂、あるいはポリエ
チレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、石油樹脂、熱可塑性
ポリエステル樹脂、熱可塑性フッ素樹脂などの熱可塑性
樹脂を使用することが好ましい。また、硬化剤には、ポ
リイソシアネート、アミン、ポリアミド、多塩基酸、酸
無水物、ポリスルフィド、三フッ化硼素酸、酸ジヒドラ
ジド、イミダゾールなどを使用することが好ましい。塗
料における光輝性顔料の含有率は、乾燥硬化後の塗装膜
において、0.1〜30重量%となるように調整するこ
とが好ましい。より好ましい含有率は、1〜20重量%
である。光輝性顔料の含有率が0.1重量%よりも少な
い場合は、塗装膜に十分な光輝性がなく、一方30重量
%よりも多いと、含有率の割には光輝性の向上が小さく
なり、却って素地の色調を損なってしまうおそれが生じ
る。この光輝性顔料であれば、素地の色調を損なうこと
がないので、あらゆる色の塗料に利用することができ
る。たとえば、赤、青、緑または黒などの原色に加え、
色調の調整が困難なパステルカラーなどにも使用でき
る。
【0042】この光輝性顔料を樹脂組成物中に利用する
場合、母材樹脂には、上記の各種熱硬化性樹脂または熱
可塑性樹脂を使用することが好ましい。とくに、熱可塑
性樹脂を使用すれば、射出成形が可能となるため、複雑
な形状の成型品を得ることができる。とくにガラスフレ
ークを基材とする光輝性顔料であれば、マイカのような
劈開性がないので、射出成型においても一定の粒径を維
持できる。
【0043】この光輝性顔料をインキ組成物に利用する
場合、平均厚さ0.2〜2μm、平均粒径120μm以
下のものを利用することが好ましい。平均厚さが2μm
以上では、筆跡の外観について光輝性顔料が飛び出した
ようになり、滑らかさが損なわれる。また、平均粒径が
120μmを越える場合も筆跡の滑らかさが損なわれ
る。
【0044】光輝性顔料をインキ組成物に利用する場
合、インキ組成物には、各種ボールペンまたはサインペ
ンなどの筆記具用インキ、ならびにグラビアインキまた
はオフセットインキなどの印刷インキがあるが、この光
輝性顔料は、いずれのインキ組成物にも利用することが
できる。筆記具用インキに含まれるビヒクルの例として
は、アクリル樹脂、スチレン−アクリル共重合体、ポリ
ビニルアルコール、ポリアクリル酸塩、アクリル酢酸ビ
ニル共重合体およびザンサンガムなどの微生物産性多糖
類もしくはグアーガムなどの水溶性植物性多糖類など
と、水、アルコール、炭化水素もしくはエステルなどの
溶剤とからなるものが挙げられる。グラビアインキにお
けるビヒクルの例としては、ガムロジン、ウッドロジ
ン、トール油ロジン、ライムロジン、ロジンエスエル、
マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ビニル樹脂、ニトロ
セルロース、酢酸セルロース、エチルセルロース、塩化
ゴム、環化ゴム、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂、ウ
レタン樹脂、ポリエステル樹脂、アルキド樹脂、ギルソ
ナイト、ダンマルもしくはセラックなどの樹脂混合物、
上記樹脂の混合物、上記樹脂を水溶化した水溶性樹脂ま
たは水性エマルション樹脂と、炭化水素、アルコール、
エーテル、エステルまたは水などの溶剤とからなるもの
が挙げられる。
【0045】オフセットインキにおけるビヒクルの例と
しては、ロジン変性フェノール樹脂、石油樹脂、アルキ
ド樹脂またはこれらの乾性変性樹脂などの樹脂と、アマ
ニ油、桐油または大豆油などの植物油と、n−パラフィ
ン、イソパラフィン、アロマテック、ナフテン、α−オ
レフィンまたは水などの溶剤とからなるものが挙げられ
る。なお、上記の各種ビヒクル成分には、染料、顔料、
各種界面活性剤、潤滑剤、消泡剤またはレベリング剤な
どの慣用の添加剤を適宜選択して配合してもよい。
【0046】この光輝性顔料を人造大理石成型品に利用
する場合、最表層に透明ゲルコート層、その内部に光輝
性顔料を含む中間層、その中間層の下に骨材を含む人造
大理石層の3層構造とすることが好ましい。この3層構
成であれば、最表層が透明ゲルコート層であるため、そ
の内部が外観に反映され、中間層の発する強い反射光と
人造大理石層の模様とが相まって、独特な光輝感を有す
る大理石調の外観が形成される。
【0047】透明ゲルコート層の厚さは、奥行き感と可
視光透過率の低減とを勘案して、0.3〜0.7mmと
することが好ましい。透明ゲルコート層の成分は、とく
に限定されないが、取り扱い易さや加工成形性の高さか
ら熱硬化性樹脂が好ましい。具体的には、不飽和ポリエ
ステル樹脂、ビニルエステル樹脂、エポキシ樹脂、ウレ
タン樹脂、フェノール樹脂またはこれらの混合物もしく
は変性物(たとえば、不飽和ポリエステル樹脂の末端基
をアクリル系に変えた変性物など)などが挙げられる。
とくに、不飽和ポリエステル樹脂は、透明性が高く、安
価で入手し易いので好ましい。
【0048】中間層は、大理石調の外観に独特の光輝感
を与えるためのものであり、人造大理石層の模様を覆い
隠すものであってはならない。そのため、少なくとも可
視光透過性を備える必要がある。ただし、その主成分に
最表層の透明ゲルコートと同一のものを使用する必要は
ない。なお、外観が損なわれない限り、透明ゲルコート
層と人造大理石層との間に、上記中間層以外の層をさら
に設けてもよい。具体的には、可視光透過性の高い色付
きフイルムを配置することにより、人造大理石成型品の
色調を簡便に調整することができる。
【0049】中間層は、厚さが0.05〜1mmの範囲
が好ましく、その構成成分として可視光透過性の高い熱
硬化性樹脂が好適である。また、光輝性顔料の他に、硬
化剤や促進剤を配合してもよく、必要に応じて増粘剤、
揺変剤、消泡剤または特性向上剤が添加してもよい。
【0050】人造大理石層は、厚さ3〜25mmが好ま
しく、その主成分は熱硬化性樹脂であり、その他の成分
として骨材、促進剤および/または硬化剤を含有する。
この熱硬化性樹脂には、上記透明ゲルコート層の熱硬化
性樹脂を利用できる。たとえば、不飽和ポリエステル樹
脂である。骨材としては、ガラスフリット、寒水石、水
酸化アルミニウム、炭酸カルシウムまたはシリカ粉体な
どの無機材料、あるいは熱可塑性ポリエステル樹脂など
の有機材料を利用できる。さらに、必要に応じて強化材
としてガラス繊維を添加してもよい。
【0051】中間層における光輝性顔料の配合率が過度
に低い場合は、光輝感と奥行き感が得られ難くなり、一
方過度に高いとコスト面および物性面などで問題が生じ
る。そこで、中間層における光輝性顔料の配合率は、熱
硬化性樹脂100重量部に対し0.01〜10重量部が
好ましい。
【0052】人造大理石成型品に利用する光輝性顔料の
形状は、ガラスフレークを基材とする場合、平均厚さ
0.5〜30μm、平均粒径0.01〜2mmが好まし
い。平均粒径が2mmを越える場合は、中間層の成形加
工過程において割れが生じ易くなり、一方0.01mm
未満になると、光輝感の低下が著しくなる。また、平均
厚さが0.5μm未満のものは破砕され易く、一方30
μmを越えると中間層における蓄光、蛍光を有する光輝
性顔料の粒子数が少なく光輝感が乏しくなり、外観不良
が生じ易くなる。
【0053】光輝性顔料を塗被紙に利用する場合、まず
ステアリン酸、ラウリル酸のアルカリ塩、共重合ラテッ
クスもしくは澱粉などからなる接着剤、界面活性剤およ
び水などの溶媒に、必要に応じて酸化防止剤、紫外線吸
収剤、耐水化剤、防腐防黴剤、殺菌剤、消泡剤、香料お
よび/または染料を配合して溶液を作成し、つづいてこ
の溶液をブレードコーター、エアナイフコーター、ロー
ルコーター、カーテンコーター、バーコーター、グラビ
アコーターまたはサイズプレスコーターなどの塗被装置
を用いて原紙上の片面または両面に単層または二層以上
塗被することで、光輝感の高い塗被紙が得られる。
【0054】光輝性顔料を化粧料に利用する場合、光輝
性顔料の含有率は1〜100重量%であることが好まし
い。含有率が1重量%未満の場合は、光輝感が十分に向
上しない。一方、100重量%であっても、肌上では人
脂などが存在するため、これらと結合し化粧料として機
能しうる。
【0055】この化粧料には、フェーシャル化粧料、メ
ーキャップ化粧料またはヘア化粧料など種々の化粧料が
含まれる。これらの中でも、とくにファンデーション、
粉白粉、アイシャドー、ブラッシャー、化粧下地、ネイ
ルエナメル、アイライナー、マスカラ、口紅またはファ
ンシーパウダーなどのメーキャップ化粧料への利用に適
している。これらの化粧料では、ラメ感を呈するものが
近年流行しているからである。
【0056】また、化粧料の使用態様に応じて、光輝性
顔料に疎水化処理を施してもよい。疎水化処理の方法と
しては、第一にメチルハイドロジェンポリシロキサン、
高粘度シリコーンオイルおよびシリコーン樹脂などのシ
リコーン化合物による処理方法、第二にアニオン活性
剤、カチオン活性剤などの界面活性剤による処理方法、
第三にナイロン、ポリメチルメタクリレート、ポリエチ
レン、テフロン(登録商標)、ポリアミノ酸などの高分
子化合物による処理方法、第四にパーフルオロ基含有化
合物、レシチン、コラーゲン、金属石鹸、親油性ワック
ス、多価アルコール部分エステルまたは完全エステルな
どによる処理方法、第五にこれらを複合した処理方法が
挙げられる。ただし、粉末の疎水化処理に適用できる方
法であれば、上記の以外の方法であっても利用すること
ができる。
【0057】この化粧料には、通常化粧料に用いられる
他の材料を必要に応じて適宜配合することができる。た
とえば、タルク、カオリン、セリサイト、白雲母、金雲
母、紅雲母、黒雲母、リチア雲母、バーミキュライト、
炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、珪ソウ土、ケイ酸
マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸アルミニウ
ム、ケイ酸バリウム、硫酸バリウム、ケイ酸ストロンチ
ウム、タングステン酸金属塩、シリカ、ヒドロキシアパ
タイト、ゼオライト、窒化ホウ素、セラミックスパウダ
ーなどの無機粉末、ナイロンパウダー、ポリエチレンパ
ウダー、ポリスチレンパウダー、ベンゾグアナミンパウ
ダー、ポリ四フッ化エチレンパウダー、ジスチレンベン
ゼンポリマーパウダー、エポキシパウダー、アクリルパ
ウダー、微結晶性セルロースなどの有機粉末、酸化チタ
ン、酸化亜鉛などの無機白色顔料、酸化鉄(ベンガ
ラ)、チタン酸鉄などの無機赤色系顔料、γ酸化鉄など
の無機褐色系顔料、黄酸化鉄、黄土などの無機黄色系顔
料、黒酸化鉄、カーボンブラックなどの無機黒色系顔
料、マンゴバイオレット、コバルトバイオレットなどの
無機紫色系顔料、酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸
コバルトなどの無機緑色系顔料、群青、紺青などの無機
青色系顔料、酸化チタン被膜雲母、酸化チタン被膜オキ
シ塩化ビスマス、オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被膜
タルク、魚鱗箔、着色酸化チタン被膜雲母などのパール
顔料、アルミニウムパウダー、カッパーパウダーなどの
金属粉末顔料、赤色201号、赤色202号、赤色20
4号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤
色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204
号、黄色205号、黄色401号および青色404号な
どの有機顔料、赤色3号、赤色104号、赤色106
号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色
505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色2
02号、黄色203号、緑色3号および青色1号のジル
コニウム、バリウムまたはアルミニウムレーキなどの有
機顔料、クロロフィル、β-カロチンなどの天然色素、
スクワラン、流動パラフィン、ワセリン、マイクロクリ
スタリンワックス、オケゾライト、セレシン、ミリスチ
ン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソ
ステアリン酸、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコ
ール、オレイルアルコール、2−エチルヘキサン酸セチ
ル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ミリスチン酸2
−オクチルドデシル、ジ−2−エチルヘキサン酸ネオペ
ンチルグリコール、トリ−2−エチルヘキサン酸グリセ
ロール、オレイン酸−2−オクチルドデシル、ミリスチ
ン酸イソプロピル、トリイソステアリン酸グリセロー
ル、トリヤシ油脂肪酸グリセロール、オリーブ油、アボ
ガド油、ミツロウ、ミリスチン酸ミリスチル、ミンク
油、ラノリンなどの各種炭化水素、シリコーン油、高級
脂肪酸、油脂類のエステル類、高級アルコール、ロウな
どの油性成分、アセトン、トルエン、酢酸ブチル、酢酸
エステルなどの有機溶剤、アルキド樹脂、尿素樹脂など
の樹脂、カンファ、クエン酸アセチルトリブチルなどの
可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、界面活性
剤、保湿剤、香料、水、アルコール、増粘剤などが挙げ
られる。
【0058】この化粧料の形態は、とくに限定されるも
のではなく、粉末状、ケーキ状、ペンシル状、スティッ
ク状、軟膏状、液状、乳液状またはクリーム状など種々
の形態でよい。
【0059】以上のように、この光輝性顔料は、蛍光層
を構造の一部として取り込んでいるので、蓄光材料によ
るリン光または蛍光材料による蛍光により、高い光輝感
を呈する。また、透明なチタニア層を備えることから、
リン光または蛍光による発色が害されることなく、優れ
てクリアな色になる。とくに、チタニア層は、化学的安
定性が高いことから、チタニア層が蛍光層を被覆する構
造であれば、光輝性顔料の耐久性および耐候性が向上
し、高い光輝感とクリアな発色が長期間維持されること
になる。さらに、この光輝性顔料を利用した塗料、樹脂
組成物、インキ組成物、人造大理石成型品、塗被紙また
は化粧料は、光輝性顔料がクリアな色で強く輝くので、
意匠性が高まり、かつ、視認性も上昇する。このような
特性を利用して、この樹脂組成物をOA機器、家電製
品、自動車用部品または食品・化粧品・医薬品の包装容
器などに利用してもよい。また、その視認性の高さを活
かして、道路標識、ヘルメットまたは海上に設置される
ブイなどに利用してもよい。
【0060】
【実施例】以下、実施例によりこの発明をより具体的に
説明するが、この発明の要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定するものではない。
【0061】(実施例1)水900mlにシリコンテト
ラメトキシド490ml、エタノール307ml、2-プ
ロパノール307ml、60重量%硝酸6.2mlを添
加し、35℃で約70時間養生してシリカフレーク作製
用塗布液を作製した。この塗布液中のシリカ濃度は約1
00g/Lであった。つぎに、蓄光材料として根本特殊
化学株式会社製「GSS−F」を、ビーズミルを用いて
1μm程度に粉砕した。この蓄光材料25gを前記シリ
カフレーク作製用塗布液に加え、ホモジナイザー(Om
ni製)を用いて6,000〜9,000r.p.mで10
分間攪拌して分散液を作製した。この分散液に、表面を
研磨して平滑にした厚さ0.5mmのステンレス板を浸
漬し、約30cm/minの速度で引き上げた。ステンレス板
上の分散液の塗布厚さは、約10μmであった。これを
100℃で乾燥させてシリカゲル膜とし、ステンレス板
から剥離させた後1,000℃ で3時間焼結して、平
均粒径約100μmの焼結フイルムを得た。この焼結フ
レークをジェットミルで粉砕、分級して、平均粒径約1
0μmのシリカフレークすなわち蛍光層を作製した。走
査型電子顕微鏡でこのシリカフレークを観察したとこ
ろ、その表面は非常に平滑であり、厚さが約0.6μm
であることが判った。このシリカフレークを太陽光に当
てた後、暗室に移したところ、目視でシリカフレーク全
体から均一にリン光が出ていることが確認された。
【0062】さらに、このシリカフレークの全面に以下
の手順でルチル型のチタニア層を成形した。まず、イオ
ン交換水10Lに塩化第一スズ・二水和物1.6gを溶
かし、これに希塩酸を加えてpH2.0〜2.5に調整
した。この溶液に、前記シリカフレーク1kgを攪拌し
ながらに加え、10分後に濾過した。つぎに、イオン交
換水10Lにヘキサククロ白金酸・六水和物0.15g
を溶かし、この溶液に前記濾過したシリカフレークを攪
拌しつつ投入し、10分後に濾過した。つづいて、イオ
ン交換水10Lに塩酸溶液(35重量%)0.32Lを
加え、pH約0.7の塩酸酸性溶液を製造した。この溶
液に上記前処理を施したシリカフレーク1kgを攪拌し
つつ投入し、溶液温度を75℃まで昇温した。さらに、
四塩化チタン(TiCl4)溶液をTi換算で0.2g/minの割合
で溶液中に添加し、pHが変わらないよう水酸化ナトリ
ウムを同時に加え、中和反応により二酸化チタン(TiO2)
またはその水和物をシリカフレーク上に析出させる方法
で4時間処理した。その後、チタニア層が形成されたシ
リカフレークを濾過し、100℃で4時間乾燥させ、目
的とする蓄光材料を含有する光輝性顔料を得た。この光
輝性顔料は、電子顕微鏡観察により、シリカフレーク上
に100nmのチタニア層が形成されていることが確認
された。また、光輝性顔料をX線回折装置(島津製作所
社製 XD−D1)を用いて測定したところ、その表面
に存在するチタニア層はルチル型であることが確認され
た。
【0063】この光輝性顔料1gをアクリル樹脂(日本
ペイント社製 アクリルオートクリアースーパー)49
g(固形分重量)にペイントシェーカーを用いて十分に
攪拌しつつ混合し、この混合液を9ミルのアプリケータ
ーを用いて隠蔽測定紙上に塗布して塗装膜を成形した。
塗装膜を常温で放置して完全に乾燥させた後、この塗装
膜の意匠性を5人の官能試験員に評価させた。官能試験
は、日中の太陽光の下で行い、塗装膜中の光輝性顔料の
発光に光輝感あるか否か、またその色がクリアか否かを
評価した。5人の官能試験員の総合評価結果を下記「表
1」に示す。下記比較例1の塗装膜を基準として、目視
にて意匠性を評価した。
【0064】(実施例2)実施例1において、蓄光材料
の代わりに蛍光材料Rhodamine Bを0.1g使用した以
外は同様にして、塗装膜を成形し、評価した。
【0065】(実施例3)テトラエトキシシラン15m
l、エチルアルコール300mlおよび純水60mlを
混合し、さらに蛍光材料Rhodamine Bを0.3g添加し
て、蛍光層用の溶液を作製した。基材としてガラスフレ
ーク(日本板硝子社製 平均厚さ1μm平均粒径80μ
m)50gを用い、これを前記溶液中に添加して攪拌機
で攪拌した。その後、濃度25重量%の水酸化アンモニ
ウム溶液14mlを添加し、2〜3時間撹拌しつつ脱水
縮合反応を進行させた。ついで濾過および水洗を数回繰
り返し、100℃で10時間熱処理を行って、膜厚20
0nmの蛍光層を備えたガラスフレークを得た。さら
に、実施例1と同様にして、ルチル型のチタニア層を成
形し、光輝性顔料を作製した。この光輝性顔料は、全体
から均一に蛍光が出ていることが目視で観察された。つ
づいて、実施例1と同様の手段により、塗装膜を成形
し、評価した。
【0066】(実施例4)実施例3おいて、ガラスフレ
ークの代わりにチタニア層を備えたガラスフレーク(日
本板硝子社製 メタシャインRCFSX-1020RS)を用い、そ
の表面に同様の蛍光層(膜厚200nm)を成形した。
この蛍光層の表面にチタニア層を設けることなく、光輝
性顔料とした。この光輝性顔料は、全体から均一に蛍光
が出ていることが目視で観察された。つづいて、実施例
1と同様の手段により、塗装膜を成形し、評価した。
【0067】(比較例1)実施例1において、光輝性顔
料の代わりに、蓄光材料(根本特殊化学株式会社製 G
SS−F)とチタニア層を備えるガラスフレーク(日本
板硝子社製 メタシャインRCFSX-1020RS)とを重量比5
0:50で単純に混合したものを使用した。それ以外は
同様にして、塗装膜を成形し、評価した。
【0068】(比較例2)比較例1において、蓄光材料
の代わりに蛍光材料Rhodamine Bを、チタニア層を備え
るガラスフレークに日本板硝子社製の「メタシャインRC
FSX-2015PS」を使用した以外は同様にして、塗装膜を成
形し、評価した。
【0069】(比較例3)実施例4において、チタニア
層を備えたガラスフレークの代わりに、銀で被覆したガ
ラスフレーク(日本板硝子社製 メタシャインRCFSX-20
15PS)を用いた。それ以外は同様にして、塗装膜を成形
し、評価した。
【0070】
【表1】
【0071】
【発明の効果】この発明は、以上のように構成されてい
ることから、つぎのような効果を奏する。
【0072】光輝性顔料が蛍光層およびチタニア層を備
えることにより、個々の光輝性顔料の光輝感が増し、さ
らにリン光または蛍光の色がよりクリアになる。また、
蛍光層がチタニア層で被覆された構造であれば、光輝性
顔料の耐候性が向上する。
【0073】このようなクリアな色の光輝感を呈する光
輝性顔料を利用すれば、塗料、樹脂組成物およびインキ
組成物などの各種用途における製品について、その意匠
性を高めることができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C09C 1/28 C09C 1/28 4J039 1/40 1/40 4L055 3/06 3/06 3/08 3/08 C09D 5/29 C09D 5/29 11/00 11/00 201/00 201/00 D21H 19/66 D21H 19/66 Fターム(参考) 4C083 AB171 AB211 AB221 AB241 BB26 CC01 4F100 AA17B AA17H AA19B AA19H AA21B AA21H AK25B BA02 BA10A BA10B CA13B CA13H CC00B DE00B DE00H DG10A GB08 JL09 JN13B JN13H 4J002 BA011 BB031 BB121 BD121 BG001 CC031 CC161 CD001 CF031 DE096 DE106 DE116 DE136 DE146 DG026 DJ006 DJ016 FB076 FD096 GH00 GH01 4J037 AA18 AA24 AA25 CA09 CA14 CB28 EE04 FF02 4J038 CB001 CD091 CG001 DA061 DB001 DD001 DG001 EA011 KA08 KA15 NA19 4J039 AB02 AB08 AD03 AD06 AD08 AD09 AD10 AD14 AE04 AE06 AE08 BA13 BA14 BE01 EA14 EA27 EA28 4L055 AG04 AG17 AG18 AG19 AG94 AG98 AH02 AH50 AJ04 EA15 FA30 GA19

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 無機酸化物または無機水酸化物中に蓄光
    材料または蛍光材料を含有する層と、二酸化チタンを主
    成分とする層とを積層した光輝性顔料。
  2. 【請求項2】 上記蓄光材料または蛍光材料を含有する
    層は、二酸化チタンを主成分とする層の外側に存在する
    請求項1に記載の光輝性顔料。
  3. 【請求項3】 上記蓄光材料または蛍光材料を含有する
    層は、二酸化チタンを主成分とする層の内側に存在する
    請求項1に記載の光輝性顔料。
  4. 【請求項4】 上記蓄光材料または蛍光材料を含有する
    層が、透明で、かつ、基盤的機能を果たす請求項3に記
    載の光輝性顔料。
  5. 【請求項5】 上記無機酸化物は、二酸化ケイ素もしく
    は酸化アルミニウムを主成分とするもの、またはアルミ
    ノケイ酸塩である請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    光輝性顔料。
  6. 【請求項6】 上記無機水酸化物は、水酸化アルミニウ
    ムを主成分とするものである請求項1〜4のいずれか1
    項に記載の光輝性顔料。
  7. 【請求項7】 蓄光材料または蛍光材料を含有する二酸
    化チタンを主成分とする層を備える光輝性顔料。
  8. 【請求項8】 上記二酸化チタンを主成分とする層の厚
    さが1〜200nmである請求項1〜6のいずれか1項
    に記載の光輝性顔料。
  9. 【請求項9】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の光
    輝性顔料を用いた塗料。
  10. 【請求項10】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    光輝性顔料を用いた樹脂組成物。
  11. 【請求項11】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    光輝性顔料を用いたインキ組成物。
  12. 【請求項12】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    光輝性顔料を用いた人造大理石成型品。
  13. 【請求項13】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    光輝性顔料を用いた塗被紙。
  14. 【請求項14】 請求項1〜8のいずれか1項に記載の
    光輝性顔料を用いた化粧料。
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