JPWO2005004745A1 - 医療用発光装置 - Google Patents
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Abstract
本発明の目的は、歯周病治療剤などの歯科用治療剤を患部に適用した場合に、患部滞留性を高めると同時に拡散を抑制できる手段を提供することである。本発明によれば、発光体又は蛍光体を有する樹脂から構成される医療用発光装置が提供される。
Description
本発明は、医療用発光装置、特に体内用発光装置、例えば、発光体又は蛍光体を有するマウスピースを用いた口腔用発光装置に関する。
歯科治療時またはボクシングなどの過激な運動時における口腔内の保護、あるいは睡眠時における歯軋りの防止などを目的として、マウスピース、マウスガードあるいはナイトフォームプレガードと称されるものが一般的に用いられている。また、特開平6−217996号公報には、熱可塑性樹脂製の歯磨き用マウスガードを加熱して可塑性にし、該マウスガードに歯型に対応する溝部を形成し、該溝部内面に歯磨き剤を塗布して、歯磨き剤をマウスガードにより歯茎に支持可能にすることを特徴とする内面に歯磨き剤が塗布された歯磨き用マウスガードの形成方法が記載されている。
他方、歯科治療においては歯牙の審美性の改善の要望が強く、歯牙の漂白が行なわれている。歯牙は、タバコ又はコーヒー等の嗜好品の有色物質の沈着や、色素生成菌の繁殖により変色または着色される。また、歯牙の変色としては、口腔内での金属材料等の影響による外因性の変色もある。さらに、内因性の歯牙変色もあり、例えば、加齢や代謝異常や遺伝性によるもの、その他、歯の障害などによっても変色する。このような外因性の変色及び内因性の変色に対して行われている歯牙の漂白方法としては、過酸化水素又は過酸化尿素などの過酸化剤、還元剤、酸又はアルカリを使用する方法が使用されており、これらの漂白効果を促進するために、加熱や光照射を併用する場合もある。さらに、口腔内の除菌や、及びう蝕の治療に用いる樹脂の硬化、チタニアの活性化などの際にも、口腔内に光照射を施す場合が多い。また、口腔から内視鏡等で、体内、例えば胃や食道を観察することができる。従来は、電気回路・配線を必要とする発光装置を利用して、上記のように口腔内への光照射を行っていた。
他方、歯科治療においては歯牙の審美性の改善の要望が強く、歯牙の漂白が行なわれている。歯牙は、タバコ又はコーヒー等の嗜好品の有色物質の沈着や、色素生成菌の繁殖により変色または着色される。また、歯牙の変色としては、口腔内での金属材料等の影響による外因性の変色もある。さらに、内因性の歯牙変色もあり、例えば、加齢や代謝異常や遺伝性によるもの、その他、歯の障害などによっても変色する。このような外因性の変色及び内因性の変色に対して行われている歯牙の漂白方法としては、過酸化水素又は過酸化尿素などの過酸化剤、還元剤、酸又はアルカリを使用する方法が使用されており、これらの漂白効果を促進するために、加熱や光照射を併用する場合もある。さらに、口腔内の除菌や、及びう蝕の治療に用いる樹脂の硬化、チタニアの活性化などの際にも、口腔内に光照射を施す場合が多い。また、口腔から内視鏡等で、体内、例えば胃や食道を観察することができる。従来は、電気回路・配線を必要とする発光装置を利用して、上記のように口腔内への光照射を行っていた。
本発明は、電気回路・配線を必要とする発光装置を用いることなく、簡単かつ安全に口腔内に光を照射することを可能とする手段を提供することを解決すべき課題とした。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、マウスピースに発光体又は蛍光体を適用し、この発光体又は蛍光体を有するマウスピースを口腔内に適用することにより、口腔内を光照射できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、発光体又は蛍光体を有する樹脂から構成される医療用発光装置が提供される。
好ましくは、本発明の装置は、発光体又は蛍光体を有するマウスピースから構成される口腔用発光装置である。
好ましくは、発光体又は蛍光体を有するマウスピースは、発光体又は蛍光体と樹脂とを混合し、得られた樹脂を成形して得られるものである。
好ましくは、発光体又は蛍光体を有するマウスピースは、発光体又は蛍光体をマウスピースに装着することにより得られるものである。
好ましくは、発光体又は蛍光体は、マウスピースから取り外し可能なようにマウスピースに装着されている。
好ましくは、発光体又は蛍光体は生物・化学発光剤または蓄光蛍光体である。
好ましくは、生物・化学発光剤はルミノール、ルシゲニン、過シュウ酸エステル、又はイクオリンである。
好ましくは、蓄光蛍光体はホウ酸アルミン酸ストロンチウム、ユーロピウム、マグネシウム、又はチタニウム付活酸硫化イットリウムである。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討した結果、マウスピースに発光体又は蛍光体を適用し、この発光体又は蛍光体を有するマウスピースを口腔内に適用することにより、口腔内を光照射できることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明によれば、発光体又は蛍光体を有する樹脂から構成される医療用発光装置が提供される。
好ましくは、本発明の装置は、発光体又は蛍光体を有するマウスピースから構成される口腔用発光装置である。
好ましくは、発光体又は蛍光体を有するマウスピースは、発光体又は蛍光体と樹脂とを混合し、得られた樹脂を成形して得られるものである。
好ましくは、発光体又は蛍光体を有するマウスピースは、発光体又は蛍光体をマウスピースに装着することにより得られるものである。
好ましくは、発光体又は蛍光体は、マウスピースから取り外し可能なようにマウスピースに装着されている。
好ましくは、発光体又は蛍光体は生物・化学発光剤または蓄光蛍光体である。
好ましくは、生物・化学発光剤はルミノール、ルシゲニン、過シュウ酸エステル、又はイクオリンである。
好ましくは、蓄光蛍光体はホウ酸アルミン酸ストロンチウム、ユーロピウム、マグネシウム、又はチタニウム付活酸硫化イットリウムである。
図1は、本発明のマウスピースの一実施態様の模式図を示す。図中、1はマウスピース、2は溝部、3は側壁部、4は側壁部、及び5は端部を示す。
図2は、各種発光体を用いてヘマトポルフィリンを脱色した結果を示す。
図2は、各種発光体を用いてヘマトポルフィリンを脱色した結果を示す。
以下、本発明の実施方法および実施態様について説明する。
本発明の口腔用発光装置は、発光体又は蛍光体を有するマウスピースから構成されるものである。本発明は、例えばマウスピースに発光体または蛍光体を組み入れた歯科用発光装置を実用化したものである。本発明の特徴は、生体、特に医療分野において、電気回路、配線を必要としない、生物・化学発光が利用可能であることを発見し、実現したことにある。
さらに具体的には、本発明は、歯牙漂白、口腔内除菌及び樹脂硬化に用いる光照射装置に関するものであり、発光体又は蛍光体を樹脂と混合し、成形して作製したマウスピースから構成されるか、あるいは発光体又は蛍光体をマウスピースに装着することによって作製したものである。
本発明で用いるマウスピースは、好ましくは、人の歯型またはその一部に適合させるのに適した形状に形成されている。
本発明の特徴の一つは、マウスピースを、発光体又は蛍光体を保持するために用いる点にある。従来においてマウスピースは主として、運動時における口腔内の保護、睡眠時における歯軋りの防止、あるいは歯磨き剤または漂白剤の投与(なお、歯磨き剤または漂白剤の投与の場合、マウスピースの着用時間は一般的には数分程度の短時間である)などを目的として用いられていた。口腔内への光照射を目的として、マウスピースを用いることができることは、本発明者により今回初めて見出されたものである。
即ち、マウスピースに含有又は装着せしめた発光体又は蛍光体により発生する光照射よって、歯牙漂白、口腔内除菌又は樹脂硬化を行い、それぞれ所定の効果を達成できるという本発明者による今回の知見は、全く新規で独創的なものである。
本明細書で言う「マウスピース」とは、口内に装着して歯及び/又は歯茎を覆うことができる道具を意味し、従来から知られている歯科用トレー、マウスガードまたはナイトフォームプレガードなどを全て含む概念である。マウスピースの形状、大きさ、材質などは、本明細書に記載した条件を充足する限り特に限定されない。特に好ましくは、呼吸や会話などの口腔機能を妨げることがなく、着脱容易で、装着中は容易に脱落することがなく、違和感なく使用することができるものである。
マウスピースの構造は、その機能により本体部分と歯型部分(歯及び歯茎に接触する部分)とに分けることができる。本体部分と歯型部分とを誰が成形するかにより、マウスピースは(1)ストックタイプ(本体および歯型部分ともに製造業者により成形される)、(2)マウスフォームドタイプ(本体および歯型部分ともに使用者により成形される)、並びに(3)カスタムメイドタイプ(本体および歯型部分ともに歯科医または技工士などの専門技術者により成形される)の3タイプに分類することができる。本発明のマウスピースは上記3タイプの何れでもよい。さらに、本発明のマウスピースは、本体部分を製造業者または専門技術者が成形し、歯型部分のみを使用者が成形するといったストックタイプまたはカスタムメイドタイプとマウスフォームドタイプとを組み合わせたタイプなど、上記3タイプを適宜組合せたタイプのものでもよい。
本発明で用いるマウスピースは、好ましくは、人の歯型またはその一部に適合させるのに適した形状に形成することができる。「適合させるのに適した形状」とは、マウスピースが平均的な人の歯型に適合するのに適した形状を有していればよいことを意味し(例えば、治療の対象が成人である場合には、平均的な成人の歯型に対応するような大きさと形状を有する大人用マウスピースとして製造したり、治療の対象が子供である場合には平均的な子供の歯型に対応するような大きさと形状を有する子供用マウスピースを製造することができる)、必ずしも特定の一個人の歯型に完全に適合する形状を初めから有していなくてもよいことを意味する。例えば、マウスフォームドタイプのマウスピースの場合には、平均的な人の歯型に適合させるのに適した形状を有する熱可塑性樹脂で形成されたマウスピースを作製し、特定の患者への使用直前に、熱によって(例えば、熱水に浸すなどによって)樹脂を可塑化してから該患者の歯型に適合する形状とし、その後に発光体又は蛍光体をマウスピースに装着して、それを該患者に適用することができる。
一方、ストックタイプまたはカスタムメイドタイプのマウスピースの場合には、患者の歯型に適合したマウスピースを最初から作製し、可塑化することなくそのまま使用することができる。このような場合には、マウスピースの材質として熱硬化性樹脂などを用いることができる。
本明細書で言う「歯型またはその一部」とは、上顎または下顎の歯型の全部に適用するためのマウスピースのみならず、歯型の一部にのみ適用するためのマウスピースも本発明の範囲内に包含されることを意味する。即ち、本発明で用いるマウスピースは、上顎または下顎の左側のみの歯、あるいは前歯のみといった一部の歯型に適合するようなマウスピースでもよい。マウスピースは治療の対象となる患者の歯型に適合するような形状で患者に適用されるので、一部のみの歯型を対象とするマウスピースでも確実に装着することができる。しかしながら、一部のみの歯型を対象とするマウスピースを使用する場合には、歯に装着した際にマウスピースが容易に外れたり、ずれたりしないような保持手段を用いてもよい。このような保持手段は特に限定されず、患者に苦痛などの不快感を与えることがないか少なく、また治療後に容易にマウスピースを除去することができる手段であればいかなる手段でもよい。このような保持手段としては、金属またはプラスチック等で形成された留め具、接着剤、接着テープなどが挙げられる。
本発明のマウスピースの作製に用いる材料は特に限定されず、当技術分野で既知の材料を使用することができる。材料としては、耐久性、成形性および衝撃吸収性などが良好で、生体有害性がない(又は少ない)ものが好ましく、また低価格で入手容易なものが好ましい。材質としては、硬質材料(金属、硬質樹脂など)または軟質材料(軟質樹脂など)の何れでもよく、また透明材料でも半透明材料でも着色材料でもよい。材料は、製造するマウスピースの種類(ストックタイプ、マウスフォームドタイプ、カスタムメイドタイプ、またはこれらの組合せ)に応じて適宜選択することができる。
例えば、ストックタイプまたはカスタムメイドタイプのマウスピースで用いられる比較的高い軟化点を有する材料としては、加硫ゴム、弾性プラスチックなどが挙げられ、より具体的にはシリコンゴム、エチレンビニルアセテート(EVA)またはポリオレフィンなどのゴム弾性体を使用することができる。好ましくは、熱硬化性樹脂を使用することができる。
また、マウスフォームドタイプで用いられる低軟化点を有する熱可塑性樹脂としては、プラスチック弾性体をベースとしたホットメルト材料で約60℃〜約100℃程度の熱湯で軟化するものを使用することができる。このようなホットメルト材料としては、エチレンビニルアセテート(EVA)などが挙げられる。
本体部分および歯型部分ともに熱可塑性樹脂から形成されたマウスピース(マウスフォームドタイプ)は、患者自身が使用直前にマウスピースを自分の歯型に適合した形状に容易に成形できるという観点から好ましい。一方、歯科医療の臨床現場で用いる場合には、熱硬化性樹脂から形成されたマウスピース(カスタムメイドタイプ)が好ましく用いられる。
本発明で用いるマウスピースは、1回使用する毎に捨てる使い捨てタイプ、あるいは使用後に回収し、適宜洗浄などを施した後に再使用する再使用タイプの何れでもよい。材質などを適宜選択することにより、所望により、使い捨てタイプまたは再使用タイプの何れかを作製することができる。
本発明で用いるマウスピースは発光体又は蛍光体を有している。本発明では、例えば、発光体と樹脂とを混合し、得られた樹脂を成形して得られるマウスピース、あるいは発光体又は蛍光体をマウスピースに装着することにより得られるマウスピースを使用することができる。本発明の一例としては、発光体又は蛍光体を、マウスピースから取り外し可能なようにマウスピースに装着することができる。具体的には、マウスピース下層または側面(唇頬側面)に発光体又は蛍光体を組みこむことができる。または、マウスピースを分離可能な2層構造とし、上層と下層の間に発光体又は蛍光体を入れ、脱着することができる。また、マウスピース全体またはその一部に、発光体又は蛍光体としてペイントを塗布したり、ペイントを印刷したり、蛍光シールを貼り付けることもできる。
本発明においてマウスピースに含有又は装着される発光体又は蛍光体は、光を放出できるものであれば特に限定されず、例えば、生物・化学発光剤または蓄光蛍光体などを使用することができる。生物・化学発光剤としては、ルミノール、ルシゲニン、過シュウ酸エステル、又はイクオリンなどを使用することができる。蓄光蛍光体としては、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム、ユーロピウム、マグネシウム、又はチタニウム付活酸硫化イットリウムなどを使用することができる。
発光体又は蛍光体の含有又は装着量は、発光体又は蛍光体の種類、所望する光照射の度合い、患者のあるいはマウスピースの着用時間などに応じて適宜選択することができる。マウスピースにおける発光体又は蛍光体の含有量は、好ましくは3〜80重量%、より好ましくは15〜50重量%とすることができる。
本発明で用いるマウスピースには少なくとも1種の発光体又は蛍光体を含有又は装着して使用されるが、その他に(1)歯科治療剤、(2)患部の消毒剤;または(3)唾液、血液または膿みなどの体液を吸収するための吸収剤;などの任意の補助薬剤を併用してもよい。なお、本発明で用いるマウスピースは歯科疾患を治療するために口内に一定時間保持されているが、その間には、唾液、血液または膿みなどの体液が患部に発生または浸出してくる場合がある。このような体液の存在が、歯科疾患の治療に悪影響を及ぼす可能性がある場合、あるいは患者に不快感などを与えて好ましくない場合などには、これら体液を吸収するための吸収剤をマウスピースに保持させることが好ましい。
本発明で用いるマウスピースの着用期間は特に限定されないが、患者の生活に大きな不便をもたらすことがなく、同時に十分な治療効果を達成できる程度の期間が好ましい。着用期間の具体例としては、数分から数時間(例えば、1分から10時間など)、数十時間(例えば、10時間から24時間など)、数日間(例えば、1日間から9日間)、あるいは数十日間(例えば、10日間から30日間またはそれ以上)など任意の期間を設定することができる。
以下、マウスピースの形状並びに使用方法について、図1を参照してより具体的に説明する。但し、図1に記載のマウスピースは本発明の一実施態様を示すものにすぎず、マウスピースはこの形状に限定されるものではない。
マウスピース1は好ましくは熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂から形成されており、歯型に沿って、溝部2が形成されている。この溝部2の一方の側には、顎側および唇側の側壁部3が形成されており、他方の側には、口蓋側の側壁部4が形成されている。なお、側壁部3および4の高さ、並びに端部5までの長さなどは、使用者の歯及び歯茎の長さに応じて適宜調整して作製することができ、あるいは使用直前に鋏などにより適宜裁断して使用することができる。
マウスピース1が熱可塑性樹脂で形成されている場合には、熱湯を入れた容器を用意し、マウスピース1をその熱湯に浸し、可塑性にした後、上顎あるいは下顎の歯および歯茎に装着して、軽く噛むか、あるいはマウスピースを指で押さえつけるなどして、マウスピース内に歯型をとる。
次いで、歯型を形成したマウスピースを口から取り出し、溝部2内(即ち、患者の歯及び/又は歯茎に接触する部分)に適量の発光体又は蛍光体と必要により所望の補助薬剤を塗布して、再度、歯および歯茎に装着する。なお、本発明のマウスピースを使用する際には、マウスピース1を歯および歯茎に密に接触させることができるように、予め歯ブラシで歯磨きを行っておくことが好ましい。
所定の着用時間が経過した後、マウスピース1を顎から外して治療を終えることができる。使用後、マウスピース1(再使用タイプの場合)は、温水、洗剤などによりきれいに洗浄し、再使用するまで保存しておくことができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されることはない。
本発明の口腔用発光装置は、発光体又は蛍光体を有するマウスピースから構成されるものである。本発明は、例えばマウスピースに発光体または蛍光体を組み入れた歯科用発光装置を実用化したものである。本発明の特徴は、生体、特に医療分野において、電気回路、配線を必要としない、生物・化学発光が利用可能であることを発見し、実現したことにある。
さらに具体的には、本発明は、歯牙漂白、口腔内除菌及び樹脂硬化に用いる光照射装置に関するものであり、発光体又は蛍光体を樹脂と混合し、成形して作製したマウスピースから構成されるか、あるいは発光体又は蛍光体をマウスピースに装着することによって作製したものである。
本発明で用いるマウスピースは、好ましくは、人の歯型またはその一部に適合させるのに適した形状に形成されている。
本発明の特徴の一つは、マウスピースを、発光体又は蛍光体を保持するために用いる点にある。従来においてマウスピースは主として、運動時における口腔内の保護、睡眠時における歯軋りの防止、あるいは歯磨き剤または漂白剤の投与(なお、歯磨き剤または漂白剤の投与の場合、マウスピースの着用時間は一般的には数分程度の短時間である)などを目的として用いられていた。口腔内への光照射を目的として、マウスピースを用いることができることは、本発明者により今回初めて見出されたものである。
即ち、マウスピースに含有又は装着せしめた発光体又は蛍光体により発生する光照射よって、歯牙漂白、口腔内除菌又は樹脂硬化を行い、それぞれ所定の効果を達成できるという本発明者による今回の知見は、全く新規で独創的なものである。
本明細書で言う「マウスピース」とは、口内に装着して歯及び/又は歯茎を覆うことができる道具を意味し、従来から知られている歯科用トレー、マウスガードまたはナイトフォームプレガードなどを全て含む概念である。マウスピースの形状、大きさ、材質などは、本明細書に記載した条件を充足する限り特に限定されない。特に好ましくは、呼吸や会話などの口腔機能を妨げることがなく、着脱容易で、装着中は容易に脱落することがなく、違和感なく使用することができるものである。
マウスピースの構造は、その機能により本体部分と歯型部分(歯及び歯茎に接触する部分)とに分けることができる。本体部分と歯型部分とを誰が成形するかにより、マウスピースは(1)ストックタイプ(本体および歯型部分ともに製造業者により成形される)、(2)マウスフォームドタイプ(本体および歯型部分ともに使用者により成形される)、並びに(3)カスタムメイドタイプ(本体および歯型部分ともに歯科医または技工士などの専門技術者により成形される)の3タイプに分類することができる。本発明のマウスピースは上記3タイプの何れでもよい。さらに、本発明のマウスピースは、本体部分を製造業者または専門技術者が成形し、歯型部分のみを使用者が成形するといったストックタイプまたはカスタムメイドタイプとマウスフォームドタイプとを組み合わせたタイプなど、上記3タイプを適宜組合せたタイプのものでもよい。
本発明で用いるマウスピースは、好ましくは、人の歯型またはその一部に適合させるのに適した形状に形成することができる。「適合させるのに適した形状」とは、マウスピースが平均的な人の歯型に適合するのに適した形状を有していればよいことを意味し(例えば、治療の対象が成人である場合には、平均的な成人の歯型に対応するような大きさと形状を有する大人用マウスピースとして製造したり、治療の対象が子供である場合には平均的な子供の歯型に対応するような大きさと形状を有する子供用マウスピースを製造することができる)、必ずしも特定の一個人の歯型に完全に適合する形状を初めから有していなくてもよいことを意味する。例えば、マウスフォームドタイプのマウスピースの場合には、平均的な人の歯型に適合させるのに適した形状を有する熱可塑性樹脂で形成されたマウスピースを作製し、特定の患者への使用直前に、熱によって(例えば、熱水に浸すなどによって)樹脂を可塑化してから該患者の歯型に適合する形状とし、その後に発光体又は蛍光体をマウスピースに装着して、それを該患者に適用することができる。
一方、ストックタイプまたはカスタムメイドタイプのマウスピースの場合には、患者の歯型に適合したマウスピースを最初から作製し、可塑化することなくそのまま使用することができる。このような場合には、マウスピースの材質として熱硬化性樹脂などを用いることができる。
本明細書で言う「歯型またはその一部」とは、上顎または下顎の歯型の全部に適用するためのマウスピースのみならず、歯型の一部にのみ適用するためのマウスピースも本発明の範囲内に包含されることを意味する。即ち、本発明で用いるマウスピースは、上顎または下顎の左側のみの歯、あるいは前歯のみといった一部の歯型に適合するようなマウスピースでもよい。マウスピースは治療の対象となる患者の歯型に適合するような形状で患者に適用されるので、一部のみの歯型を対象とするマウスピースでも確実に装着することができる。しかしながら、一部のみの歯型を対象とするマウスピースを使用する場合には、歯に装着した際にマウスピースが容易に外れたり、ずれたりしないような保持手段を用いてもよい。このような保持手段は特に限定されず、患者に苦痛などの不快感を与えることがないか少なく、また治療後に容易にマウスピースを除去することができる手段であればいかなる手段でもよい。このような保持手段としては、金属またはプラスチック等で形成された留め具、接着剤、接着テープなどが挙げられる。
本発明のマウスピースの作製に用いる材料は特に限定されず、当技術分野で既知の材料を使用することができる。材料としては、耐久性、成形性および衝撃吸収性などが良好で、生体有害性がない(又は少ない)ものが好ましく、また低価格で入手容易なものが好ましい。材質としては、硬質材料(金属、硬質樹脂など)または軟質材料(軟質樹脂など)の何れでもよく、また透明材料でも半透明材料でも着色材料でもよい。材料は、製造するマウスピースの種類(ストックタイプ、マウスフォームドタイプ、カスタムメイドタイプ、またはこれらの組合せ)に応じて適宜選択することができる。
例えば、ストックタイプまたはカスタムメイドタイプのマウスピースで用いられる比較的高い軟化点を有する材料としては、加硫ゴム、弾性プラスチックなどが挙げられ、より具体的にはシリコンゴム、エチレンビニルアセテート(EVA)またはポリオレフィンなどのゴム弾性体を使用することができる。好ましくは、熱硬化性樹脂を使用することができる。
また、マウスフォームドタイプで用いられる低軟化点を有する熱可塑性樹脂としては、プラスチック弾性体をベースとしたホットメルト材料で約60℃〜約100℃程度の熱湯で軟化するものを使用することができる。このようなホットメルト材料としては、エチレンビニルアセテート(EVA)などが挙げられる。
本体部分および歯型部分ともに熱可塑性樹脂から形成されたマウスピース(マウスフォームドタイプ)は、患者自身が使用直前にマウスピースを自分の歯型に適合した形状に容易に成形できるという観点から好ましい。一方、歯科医療の臨床現場で用いる場合には、熱硬化性樹脂から形成されたマウスピース(カスタムメイドタイプ)が好ましく用いられる。
本発明で用いるマウスピースは、1回使用する毎に捨てる使い捨てタイプ、あるいは使用後に回収し、適宜洗浄などを施した後に再使用する再使用タイプの何れでもよい。材質などを適宜選択することにより、所望により、使い捨てタイプまたは再使用タイプの何れかを作製することができる。
本発明で用いるマウスピースは発光体又は蛍光体を有している。本発明では、例えば、発光体と樹脂とを混合し、得られた樹脂を成形して得られるマウスピース、あるいは発光体又は蛍光体をマウスピースに装着することにより得られるマウスピースを使用することができる。本発明の一例としては、発光体又は蛍光体を、マウスピースから取り外し可能なようにマウスピースに装着することができる。具体的には、マウスピース下層または側面(唇頬側面)に発光体又は蛍光体を組みこむことができる。または、マウスピースを分離可能な2層構造とし、上層と下層の間に発光体又は蛍光体を入れ、脱着することができる。また、マウスピース全体またはその一部に、発光体又は蛍光体としてペイントを塗布したり、ペイントを印刷したり、蛍光シールを貼り付けることもできる。
本発明においてマウスピースに含有又は装着される発光体又は蛍光体は、光を放出できるものであれば特に限定されず、例えば、生物・化学発光剤または蓄光蛍光体などを使用することができる。生物・化学発光剤としては、ルミノール、ルシゲニン、過シュウ酸エステル、又はイクオリンなどを使用することができる。蓄光蛍光体としては、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム、ユーロピウム、マグネシウム、又はチタニウム付活酸硫化イットリウムなどを使用することができる。
発光体又は蛍光体の含有又は装着量は、発光体又は蛍光体の種類、所望する光照射の度合い、患者のあるいはマウスピースの着用時間などに応じて適宜選択することができる。マウスピースにおける発光体又は蛍光体の含有量は、好ましくは3〜80重量%、より好ましくは15〜50重量%とすることができる。
本発明で用いるマウスピースには少なくとも1種の発光体又は蛍光体を含有又は装着して使用されるが、その他に(1)歯科治療剤、(2)患部の消毒剤;または(3)唾液、血液または膿みなどの体液を吸収するための吸収剤;などの任意の補助薬剤を併用してもよい。なお、本発明で用いるマウスピースは歯科疾患を治療するために口内に一定時間保持されているが、その間には、唾液、血液または膿みなどの体液が患部に発生または浸出してくる場合がある。このような体液の存在が、歯科疾患の治療に悪影響を及ぼす可能性がある場合、あるいは患者に不快感などを与えて好ましくない場合などには、これら体液を吸収するための吸収剤をマウスピースに保持させることが好ましい。
本発明で用いるマウスピースの着用期間は特に限定されないが、患者の生活に大きな不便をもたらすことがなく、同時に十分な治療効果を達成できる程度の期間が好ましい。着用期間の具体例としては、数分から数時間(例えば、1分から10時間など)、数十時間(例えば、10時間から24時間など)、数日間(例えば、1日間から9日間)、あるいは数十日間(例えば、10日間から30日間またはそれ以上)など任意の期間を設定することができる。
以下、マウスピースの形状並びに使用方法について、図1を参照してより具体的に説明する。但し、図1に記載のマウスピースは本発明の一実施態様を示すものにすぎず、マウスピースはこの形状に限定されるものではない。
マウスピース1は好ましくは熱硬化性樹脂または熱可塑性樹脂から形成されており、歯型に沿って、溝部2が形成されている。この溝部2の一方の側には、顎側および唇側の側壁部3が形成されており、他方の側には、口蓋側の側壁部4が形成されている。なお、側壁部3および4の高さ、並びに端部5までの長さなどは、使用者の歯及び歯茎の長さに応じて適宜調整して作製することができ、あるいは使用直前に鋏などにより適宜裁断して使用することができる。
マウスピース1が熱可塑性樹脂で形成されている場合には、熱湯を入れた容器を用意し、マウスピース1をその熱湯に浸し、可塑性にした後、上顎あるいは下顎の歯および歯茎に装着して、軽く噛むか、あるいはマウスピースを指で押さえつけるなどして、マウスピース内に歯型をとる。
次いで、歯型を形成したマウスピースを口から取り出し、溝部2内(即ち、患者の歯及び/又は歯茎に接触する部分)に適量の発光体又は蛍光体と必要により所望の補助薬剤を塗布して、再度、歯および歯茎に装着する。なお、本発明のマウスピースを使用する際には、マウスピース1を歯および歯茎に密に接触させることができるように、予め歯ブラシで歯磨きを行っておくことが好ましい。
所定の着用時間が経過した後、マウスピース1を顎から外して治療を終えることができる。使用後、マウスピース1(再使用タイプの場合)は、温水、洗剤などによりきれいに洗浄し、再使用するまで保存しておくことができる。
以下の実施例により本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例によって限定されることはない。
[実施例1]:各種発光・蛍光体を含むマウスピース
プラスチックに以下に示す発光・蛍光体をブレンドローダーで混合し、溶融した蛍光樹脂材を、板状またはマウスピース状に成型した。
(1)エチレン酢酸ビニル共重合体75%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム25%
(2)ポリカーボネート79.9%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム20.0%、青色色素0.1%
(3)ポリエチレン69.8%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム30.0%、赤色色素0.2%
(4)PET70%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム30.0%
(5)ポリプロピレン75%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム15.0%、エバール10%
(6)環状ポリオレフィン65%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム35.0%
(7)ポリエーテルサルフォン70%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム30%
(8)塩化ビニール97%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム3%
(9)化学重合レジン55%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム45.0%
(10)光重合レジン65%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム35.0%(ここで用いた光重合レジンは特開平10−1408号公報に記載のものであり、2%メタクリル酸ナトリウム、40%メタクリレート、52%トリエチレングリコールジメタクリレート、2%カンファキノン、2%ジメチルアミノエチルメタクリレート、及び2%ヒドロキシエチルメタクリレートから構成される。)
(11)シリコンゴム(KE1988)50%、アクリル樹脂(ジーシーアクロン)10%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム40%
(12)PFA収縮チューブ70%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム30%
[実施例2]:各種発光・蛍光体を装着したマウスピース
歯型のプラスチック成型品に、実施例1の蓄光物質(ホウ酸アルミン酸ストロンチウム等)、さらに、パーティーグッズ等として市販されているウルトラグロー(日亜化学)、ブライテックス(東京資料印書株式会社)、キプラス(株式会社ネクスト・アイ)、PG、PB蓄光体(α−FLASH)(L.T.I.社)または、生物、化学発光材、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、ヒポキサンチン、スーパーオキサイドを用いる発光(ルミノール、ルシフェリン、ルシゲニン、MPEC、過シュウ酸エステル、アリルオキザレート、シュウ酸トリクロロフェニル発光など)、カルシウムを用いる発光(イクオリン発光)、さらに、パーティーグッズ等として市販されているサイリューム(シアナミド、オムニグロー社製)やルミカライトをはめ込み、または、注入、塗布、貼り付けることにより、使用した。
(1)エチレン酢酸ビニル共重合体シートと実施例1の(1)で作成した樹脂材を重ね合わせ、歯形に成型した。
(2)エチレン酢酸ビニル共重合体シートと実施例1の(12)で作成した樹脂材を重ね合わせ、歯形に成型した。
(3)切れ込みを入れた市販のナイトガードに、ルミカライトをはめ込んだ。
(4)一方を封したプラスチックチューブの内側にルミノール溶液をいれ、ゴム栓をする。ゴム栓部よりフェリシアン化カリウム溶液を注入し、混合、発光させた。切れ込みを入れた市販のナイトガードに、発光プラスチックチューブをはめ込んだ。
(5)一方を封したガラス管の内側に過シュウ酸エステル−アントラセン溶液をいれ、ゴム栓をする。ゴム栓部より過酸化水素−サリチル酸ナトリウム溶液を注入し、混合、発光させる。切れ込みを入れた市販のナイトガードに、発光ガラス管をはめ込んだ。
[実施例3]:
100ppmに調製したヘマトポルフィリン溶液2mLをハイドロキシアパタイト1gに混和し、着色物質とした。着色物質に過酸化水素を約2mL加え、混和し、サンプル樹脂上に塗布した後にそれぞれ小箱で覆った。15分後、サンプル上の着色物質を回収し、遠心分離後の上澄みを分光光度計で測定した。結果を図2に示す。
図2において、コントロールはシャーレ、▲1▼はシャーレの下にルミカライトを貼り付けたサンプル、▲2▼はシャーレの下にブライテックスを貼り付けたサンプル、▲3▼はシャーレの下にウルトラグローを貼り付けたサンプル、▲4▼はシャーレの下にキプラスを貼り付けたサンプル、▲5▼はエチレン酢酸ビニル共重合体にホウ酸アルミン酸ストロンチウムを混合し、板状に成型したサンプル、の結果をそれぞれ示す。
プラスチックに以下に示す発光・蛍光体をブレンドローダーで混合し、溶融した蛍光樹脂材を、板状またはマウスピース状に成型した。
(1)エチレン酢酸ビニル共重合体75%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム25%
(2)ポリカーボネート79.9%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム20.0%、青色色素0.1%
(3)ポリエチレン69.8%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム30.0%、赤色色素0.2%
(4)PET70%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム30.0%
(5)ポリプロピレン75%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム15.0%、エバール10%
(6)環状ポリオレフィン65%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム35.0%
(7)ポリエーテルサルフォン70%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム30%
(8)塩化ビニール97%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム3%
(9)化学重合レジン55%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム45.0%
(10)光重合レジン65%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム35.0%(ここで用いた光重合レジンは特開平10−1408号公報に記載のものであり、2%メタクリル酸ナトリウム、40%メタクリレート、52%トリエチレングリコールジメタクリレート、2%カンファキノン、2%ジメチルアミノエチルメタクリレート、及び2%ヒドロキシエチルメタクリレートから構成される。)
(11)シリコンゴム(KE1988)50%、アクリル樹脂(ジーシーアクロン)10%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム40%
(12)PFA収縮チューブ70%、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム30%
[実施例2]:各種発光・蛍光体を装着したマウスピース
歯型のプラスチック成型品に、実施例1の蓄光物質(ホウ酸アルミン酸ストロンチウム等)、さらに、パーティーグッズ等として市販されているウルトラグロー(日亜化学)、ブライテックス(東京資料印書株式会社)、キプラス(株式会社ネクスト・アイ)、PG、PB蓄光体(α−FLASH)(L.T.I.社)または、生物、化学発光材、例えば、過酸化水素、過酸化尿素、ヒポキサンチン、スーパーオキサイドを用いる発光(ルミノール、ルシフェリン、ルシゲニン、MPEC、過シュウ酸エステル、アリルオキザレート、シュウ酸トリクロロフェニル発光など)、カルシウムを用いる発光(イクオリン発光)、さらに、パーティーグッズ等として市販されているサイリューム(シアナミド、オムニグロー社製)やルミカライトをはめ込み、または、注入、塗布、貼り付けることにより、使用した。
(1)エチレン酢酸ビニル共重合体シートと実施例1の(1)で作成した樹脂材を重ね合わせ、歯形に成型した。
(2)エチレン酢酸ビニル共重合体シートと実施例1の(12)で作成した樹脂材を重ね合わせ、歯形に成型した。
(3)切れ込みを入れた市販のナイトガードに、ルミカライトをはめ込んだ。
(4)一方を封したプラスチックチューブの内側にルミノール溶液をいれ、ゴム栓をする。ゴム栓部よりフェリシアン化カリウム溶液を注入し、混合、発光させた。切れ込みを入れた市販のナイトガードに、発光プラスチックチューブをはめ込んだ。
(5)一方を封したガラス管の内側に過シュウ酸エステル−アントラセン溶液をいれ、ゴム栓をする。ゴム栓部より過酸化水素−サリチル酸ナトリウム溶液を注入し、混合、発光させる。切れ込みを入れた市販のナイトガードに、発光ガラス管をはめ込んだ。
[実施例3]:
100ppmに調製したヘマトポルフィリン溶液2mLをハイドロキシアパタイト1gに混和し、着色物質とした。着色物質に過酸化水素を約2mL加え、混和し、サンプル樹脂上に塗布した後にそれぞれ小箱で覆った。15分後、サンプル上の着色物質を回収し、遠心分離後の上澄みを分光光度計で測定した。結果を図2に示す。
図2において、コントロールはシャーレ、▲1▼はシャーレの下にルミカライトを貼り付けたサンプル、▲2▼はシャーレの下にブライテックスを貼り付けたサンプル、▲3▼はシャーレの下にウルトラグローを貼り付けたサンプル、▲4▼はシャーレの下にキプラスを貼り付けたサンプル、▲5▼はエチレン酢酸ビニル共重合体にホウ酸アルミン酸ストロンチウムを混合し、板状に成型したサンプル、の結果をそれぞれ示す。
本発明により、電気回路・配線を必要とする発光装置を用いることなく、簡単に口腔内に光を照射することを可能とする手段を提供することが可能になった。
Claims (8)
- 発光体又は蛍光体を有する樹脂から構成される医療用発光装置。
- 発光体又は蛍光体を有するマウスピースから構成される口腔用発光装置である、請求項1に記載の装置。
- 発光体又は蛍光体を有するマウスピースが、発光体又は蛍光体と樹脂とを混合し、得られた樹脂を成形して得られるものである、請求項2に記載の口腔用発光装置。
- 発光体又は蛍光体を有するマウスピースが、発光体又は蛍光体をマウスピースに装着することにより得られるものである、請求項2に記載の口腔用発光装置。
- 発光体又は蛍光体が、マウスピースから取り外し可能なようにマウスピースに装着されている、請求項4に記載の口腔用発光装置。
- 発光体又は蛍光体が、生物・化学発光剤または蓄光蛍光体である、請求項1から5の何れかに記載の装置。
- 生物・化学発光剤が、ルミノール、ルシゲニン、過シュウ酸エステル、又はイクオリンである、請求項6に記載の装置。
- 蓄光蛍光体が、ホウ酸アルミン酸ストロンチウム、ユーロピウム、マグネシウム、又はチタニウム付活酸硫化イットリウムである、請求項6に記載の装置。
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