JP2003165255A - カセット式プリンタ - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ロール紙の交換作業や各部の保守作業の容易
化を図りその際に必要な操作の操作性を良好にすると共
に、印字品質を高品質に維持する。 【解決手段】 本体ケース２０１に対して用紙保持部２
０６とプラテン２０７とを有するカセット２０３を引出
自在とし、カセット２０３の引き出し動作に伴いプラテ
ン２０７に対面する印字ヘッド２０４が引き出されなが
ら跳ね上げられ、カセット２０３の押し込み動作に伴い
印字ヘッド２０４が収納されるようにする。そして、用
紙保持部２０６から印字ヘッド２０４に到る間でロール
紙を屈曲案内する屈曲部２１２，２１４ａにおいて、用
紙ガイド部２１３ａにより用紙の幅方向の移動を規制す
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ロール紙に印字を
行なうカセット式プリンタに関する。

【０００２】

【従来の技術】ロール紙に印字を行なうプリンタとして
は、従来、プリンタ単体として成り立っている構造のも
のばかりでなく、例えば、電子秤装置に組み込まれてラ
ベルやレシートを発行する構造のものや、電子キャッシ
ュレジスタに組み込まれてレシート発行やジャーナル記
録を行なう構造のもの等、いわゆるビルトインタイプの
ものがある。

【０００３】このようなプリンタでは、いずれの方式の
プリンタであっても、ロール紙の交換作業の容易化や装
置全体の小型化及び薄型化が望まれることが多い。特
に、ビルトインタイプのプリンタでは、プリンタを収納
する機器、例えば電子秤装置や電子キャッシュレジスタ
等の外形サイズや内部スペースにプリンタの容積が大き
な影響を与えることから、より一層の小型化及び薄型化
が望まれる。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】ロール紙の交換作業や
各部の保守作業の容易化という観点からすると、従来の
プリンタは、そのような作業の作業性が良好とはいえな
いのが現実である。例えば、従来のプリンタ、特に、電
子秤装置や電子キャッシュレジスタにビルトインされた
プリンタでは、プリンタカバーを開けてロール紙の交換
作業や各部の保守作業を行なうような構造のものが一般
的である。ところが、このような構造のものでは、一般
的に、ロール紙のセット作業に際してプラテンと印字ヘ
ッドとの間にロール紙を通さなければならないためにロ
ール紙の交換作業が煩雑であり、また、印字ヘッドの周
辺構造が複雑であるために保守作業が容易でないという
問題がある。

【０００５】また、前述したように、従来のプリンタ、
特に、電子秤装置や電子キャッシュレジスタ等の機器に
ビルトインされたプリンタでは、プリンタカバーを開け
てロール紙の交換作業や各部の保守作業を行なうような
構造のものが一般的である。ところが、プリンタカバー
の取り付け位置によっては、そのような機器のレイアウ
トに望ましくない制限をもたらすことがある。例えば、
電子秤装置にビルトインされたプリンタに着目すると、
プリンタカバーが機器の側面に着脱自在に取り付けられ
ているとすると、ロール紙の交換作業や各部の保守作業
のために機器の側方にある程度の設置スペースを確保し
なければならないという問題がある。また、電子秤装置
にビルトインされたプリンタにおいて、プリンタカバー
が機器の上面に着脱自在に取り付けられているとする
と、プリンタカバーの上方に秤皿を配置しにくいという
問題がある。この場合、プリンタカバーの上方に秤皿を
配置すると、ロール紙の交換作業や各部の保守作業の作
業性が低下してしまう。

【０００６】また、プリンタでは、用紙保持部にロール
状態で収納保持されているロール紙を引き出して搬送
し、その搬送過程で印字ヘッドにより印字しているが、
用紙保持部から印字ヘッドへのロール紙搬送過程におい
て、ロール紙が屈曲案内される際にロール紙が幅方向に
移動してしまうことがある。これにより、ロール紙の斜
行や蛇行が発生して、印字ヘッドによる印字の位置ずれ
が起こり印字品質が低下してしまうという問題がある。

【０００７】また、ロール紙の交換作業や各部の保守作
業の際には、作業者が誤って部材を押すなどして部材を
破損してしまうことがある。

【０００８】本発明の目的は、印字品質を高品質に維持
することである。

【０００９】本発明の目的は、ロール紙の交換作業や各
部の保守作業に際して部材の破損を防止することであ
る。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本発明のカセット式プリ
ンタは、本体ケースに対してカセット保持部を引き出し
自在とし、このカセット保持部に対して用紙保持部とプ
ラテンとを有するカセットを引き出し自在とし、カセッ
ト保持部が本体ケースに収納された収納位置では印字ヘ
ッドを印字位置に位置付け、カセット保持部が本体ケー
スから引き出された引出位置では印字ヘッドを跳ね上げ
る。カセットの取付壁に対して近接離反自在に設けられ
用紙保持部を構成するサイドフェンスに一体に設けられ
ている用紙ガイド部により、用紙保持部から印字ヘッド
に到る間でロール紙を屈曲案内する少なくとも２箇所の
屈曲部において用紙の幅方向の移動を規制する。

【００１１】したがって、本体ケースにカセット保持部
が収納されてカセット保持部にカセットが収納されてい
る状態からカセットを引き出すと、カセットとカセット
保持部とが結合されているためにカセット保持部もカセ
ットに伴い本体ケースから引き出される。この際、カセ
ット保持部が引出位置まで引き出された状態では、印字
ヘッドが跳ね上げられる。そこで、カセット保持部から
カセットを引き出した状態で、用紙保持部に対するロー
ル紙のセット作業や各部の保守作業を容易に行なうこと
が可能となる。

【００１２】さらに、カセットの取付壁に対してサイド
フェンスを近接離反することで、用紙保持部における用
紙収納幅が可変され、用紙保持部に各種サイズのロール
紙が収納保持される場合であっても、そのロール紙の側
部の規制が可能となるとともに、ロール状態から引き出
され屈曲部で屈曲案内されるロール紙の側部も用紙収納
幅と同じ幅で規制することが可能となる。これによりロ
ール状態から引き出されたロール紙の斜行や蛇行を防止
することが可能となる。

【００１３】本発明のカセット式プリンタは、本体ケー
スに対してカセット保持部が引き出し自在とし、このカ
セット保持部に対して用紙保持部とプラテンとを有する
カセットが引き出し自在とし、カセット保持部が本体ケ
ースに収納された収納位置では印字ヘッドを印字位置に
位置付け、カセット保持部が本体ケースから引き出され
た引出位置では印字ヘッドを跳ね上げる。用紙保持部を
構成するサイドフェンスをスライド保持する少なくとも
２本の支持シャフトがカセットの取付壁に片持ち構造で
設けられ、押圧されてたわむ支持シャフトのたわみをス
トッパにより止める。

【００１４】したがって、本体ケースにカセット保持部
が収納されてカセット保持部にカセットが収納されてい
る状態からカセットを引き出すと、カセットとカセット
保持部とが結合されているためにカセット保持部もカセ
ットに伴い本体ケースから引き出される。この際、カセ
ット保持部が引出位置まで引き出された状態では、印字
ヘッドが跳ね上げられる。そこで、カセット保持部から
カセットを引き出した状態で、用紙保持部に対するロー
ル紙のセット作業や各部の保守作業を容易に行なうこと
が可能となる。

【００１５】さらに、支持シャフトがロール紙の交換作
業や各部の保守作業に際して作業者によって誤って押圧
された場合には、支持シャフトはたわみ、たわむことに
よりその加えられた力を逃がす。これにより、支持シャ
フトが押圧されることによる部材の破損が防止される。
そして、押圧されてたわんだ支持シャフトはストッパに
よりそのたわみを止められる。これにより、支持シャフ
トが大きくたわむことによる部材の破損が防止される。

【００１６】

【発明の実施の形態】本発明の実施の一形態を図面に基
づいて説明する。本実施の形態は、電子秤装置への適用
例である。

【００１７】図１は、電子秤装置の斜視図である。この
電子秤装置１は、扁平筐体状のハウジング２の上面全体
に秤皿３を有し、正面左側にタッチパネル付きのディス
プレイ４、正面右側にプリンタ５を有している。

【００１８】ディスプレイ４はチルト可能である。この
ため、図１に示すような状態から、ディスプレイ４をチ
ルトさせてその下縁をハウジング２の下面よりも下方に
延出させることが可能である。これは、ハウジング２の
設置部６を例えば図示しないショーケースの上面に載置
して電子秤装置１を設置し、ディスプレイ４をショーケ
ースの上面よりも下方に位置付けるような使用態様を考
慮しての構造である。

【００１９】図１に示すように、プリンタ５は、ラベル
やレシートを発行するための発行口１０１をハウジング
２の正面に有する。この発行口１０１は、ハウジング２
の一部を構成する上カバー１０２と下カバー１０３とに
よって形成されている。上カバー１０２及び下カバー１
０３はプリンタ５にネジ止めされている。

【００２０】プリンタ５について詳細に説明する。

【００２１】まず、プリンタ５の概略構造を図２ないし
図４に基づいて説明する。図２ないし図４は、プリンタ
５の斜視図であり、図２はカセット及びカセット保持部
が共に収納された状態を示す斜視図、図３はカセット保
持部が最大引出位置まで引き出された状態を示す斜視
図、図４はカセットが引き抜かれた状態を示す斜視図で
ある。

【００２２】プリンタ５は、その概略構造として、板金
によって形成された本体ケース２０１に対し、カセット
保持部２０２が引出自在に収納され、このカセット保持
部２０２にカセット２０３が引出自在に収納されて構成
されている。カセット保持部２０２は、印字ヘッドとし
てのラインサーマルヘッド２０４を跳上げ自在に有し
（図３及び図４参照）、固定刃構造のカッタ２０５を有
する（図２参照）。カセット２０３は、図示しないロー
ル紙を収納保持する用紙保持部２０６と、プラテン２０
７と、ラベル剥離板２０８と、台紙巻取り軸２０９とを
有する（図３及び図４参照）。

【００２３】次いで、カセット２０３の詳細構造を図４
及び図５に基づいて説明する。図５はカセット２０３を
示す右側面図である。

【００２４】カセット２０３は、全体が樹脂モールドに
よる一体成形品であり、その前部にはハウジング２の一
部を構成する下カバー１０３が着脱自在に取り付けられ
ている。この下カバー１０３も樹脂モールドの一体成形
品である。そして、カセット２０３は、その後方に用紙
保持部２０６を位置させ、前方にプラテン２０７及びラ
ベル剥離板２０８を位置させ、中央部に台紙巻取り軸２
０９を位置させている。また、カセット２０３の内部一
側部には取付壁２１０が設けられ、この取付壁２１０と
対向する他側部には開放部２１１が形成されている。取
付壁２１０は、プラテン２０７、ラベル剥離板２０８及
び台紙巻取り軸２０９を片持ち状態で支持する構造体で
あり、開放部２１１は切欠構造である。

【００２５】また、カセット２０３の取付壁２１０に
は、用紙支持部２０６とプラテン２０７との間に位置さ
せて、ロール紙を屈曲案内するための屈曲部であるガイ
ドシャフト２１２が片持ち状態で設けられている。

【００２６】用紙保持部２０６は、ロール紙を収納保持
し得る凹部形状をしており、このような用紙保持部２０
６には樹脂モールド成形された１枚のサイドフェンス２
１３がスライド自在に取り付けられている。つまり、用
紙保持部２０６では、カセット２０３の取付壁２１０か
ら金属製の２本の支持シャフト２１４ａ，２１４ｂがガ
イドシャフト２１２に平行に片持ち状態で立設されてお
り、これらの支持シャフト２１４ａ，２１４ｂはサイド
フェンス２１３に形成された２つの嵌合穴に嵌合してい
る。これにより、サイドフェンス２１３は、２本の支持
シャフト２１４ａ，２１４ｂにスライド自在に支持され
ており、スライド移動することによって用紙保持部２０
６に収納保持可能なロール紙の幅を規制している。ここ
で、支持シャフト２１４ａは、ロール紙を屈曲案内する
屈曲部としても機能する。

【００２７】サイドフェンス２１３における支持シャフ
ト２１４ａ側は、ガイドシャフト２１２まで延出されて
形成されており、支持シャフト２１４ａからガイドシャ
フト２１２までの部位は、用紙ガイド部２１３ａとされ
ている。この用紙ガイド部２１３ａには、嵌合穴が形成
されており、この嵌合穴にはガイドシャフト２１２が嵌
合している。これにより、サイドフェンス２１３は、ガ
イドシャフト２１２にもスライド自在に支持されてい
る。サイドフェンス２１３は、スライド移動することに
よって、支持シャフト２１４ａ及びガイドシャフト２１
２により屈曲案内されるロール紙の側部を用紙ガイド部
２１３ａにより規制することによりロール紙の幅方向の
移動を規制している。

【００２８】また、用紙保持部２０６の前端部には、サ
イドフェンス２１３に形成されている段差部２１３ｂの
下方に位置させてストッパ２０６ａが形成されている。
このストッパ２０６ａは、サイドフェンス２１３の段差
部２１３ｂに間隔を持って対向して設けられている。こ
れにより、支持シャフト２１４ａ，２１４ｂやガイドシ
ャフト２１２が下方に向けて押圧されてたわむことによ
り移動するサイドフェンス２１３が、ストッパ２０６ａ
に当接することでその移動が規制される。

【００２９】プラテン２０７、ラベル剥離板２０８及び
台紙巻取り軸２０９は、１枚の板金２１５に支持されて
片持ちユニット２１６を構成している。プラテン２０７
及びラベル剥離板２０８の自由端は、更に別の補助板金
２１７に支持されて位置決め精度の向上及び剛性確保が
図られている。片持ちユニット２１６において、プラテ
ン２０７及び台紙巻取り軸２０９は回転自在に取り付け
られており、片持ちユニット２１６には、それらのプラ
テン２０７及び台紙巻取り軸２０９に対し、駆動源（図
示せず）の駆動力を伝達する動力伝達機構を構成するギ
ヤ列（図示せず）が設けられている。これにより、プラ
テン２０７は、ロール紙を搬送する搬送部としても機能
する。これらのギヤ列は、板金２１５において、プラテ
ン２０７、ラベル剥離板２０８及び台紙巻取り軸２０９
が取り付けられている側面と反対側の側面に配列されて
いる。

【００３０】このような片持ちユニット２１６は、カセ
ット２０３の取付壁２１０にネジ止めされて取り付けら
れている。この場合、カセット２０３の取付壁２１０
は、ギヤ列を収納するギヤカバー２１８を有しており、
したがって、ギヤ列がギヤカバー２１８に収納された状
態で片持ちユニット２１６が取付壁２１０に取り付けら
れている。こうして片持ちユニット２１６が取付壁２１
０に取り付けられた状態において、プラテン２０７、ラ
ベル剥離板２０８及び台紙巻取り軸２０９は、カセット
２０３の引き出し及び押し込み方向と直交する略水平軸
に沿って配置されることになる。

【００３１】ここで、ラベル剥離板２０８の近傍には、
板金２１５と補助板金２１７との間にラベル剥離板と平
行して１本のラベル保持シャフト２１９が取り付けられ
ている。そして、このラベル保持シャフト２１９には２
つのラベル規制部材２２０が取り付けられており、その
うちの１つのラベル規制部材２２０はスライド自在であ
る。これらのラベル規制部材２２０は、ラベル剥離板２
０８によって図示しない台紙から剥離された図示しない
ラベルの側部を規制し、これによってラベルの蛇行を防
止するための構造物である。

【００３２】次いで、本体ケース２０１とカセット保持
部２０２とカセット２０３とそれらが保持する構造部品
との間の構造的な関連性を図６ないし図１１に基づいて
説明する。この場合、図１ないし図５も必要に応じて用
いながら説明する。図６はカセット２０３及びカセット
保持部２０２が共に収納された状態を示す右側面図、図
７はカセット２０３及びカセット保持部２０２が僅かに
引き出された状態を示す右側面図、図８はカセット２０
３及びカセット保持部２０２が更に引き出されてカッタ
２０５が待避位置に位置付けられた状態を示す右側面
図、図９はカセット２０３及びカセット保持部２０２が
更に引き出された状態を示す右側面図、図１０はカセッ
ト保持部２０２が最大引出位置まで引き出された状態を
示す右側面図、図１１はカセット２０３が引き抜かれた
状態を示す右側面図である。

【００３３】カセット保持部２０２において、ラインサ
ーマルヘッド２０４は印字ヘッドホルダ２２１の先端部
の回動自在なリンクに弾性的に保持されている。ここで
の弾性力は、図示しないコイルスプリングにより付与さ
れている。印字ヘッドホルダ２２１は、カセット保持部
２０２の引き出し及び押し込み方向と直交する略水平軸
であるホルダシャフト２２２に回動自在に取り付けられ
た板金製のアーム状部材である。このような印字ヘッド
ホルダ２２１は、その先端部の回動自在なリンクにライ
ンサーマルヘッド２０４を支持しており、後端側の位置
変化に応じてラインサーマルヘッド２０４の姿勢制御が
可能な構造となっている。そこで、本実施の形態では、
印字ヘッドホルダ２２１の後端側の位置を制御すること
によって、カセット保持部２０２のスライド移動に伴う
ラインサーマルヘッド２０４の跳上げ動作を実現してい
る。つまり、印字ヘッドホルダ２２１の一対の後端側に
はそれぞれカムフォロワ２２３が取り付けられており、
これらのカムフォロワ２２３は本体ケース２０１の両側
壁に形成された溝カム２２４に係合している。この溝カ
ム２２４の形状は、カセット保持部２０２の引き出し動
作に伴いラインサーマルヘッド２０４が跳ね上げられる
方向に印字ヘッドホルダ２２１を回動させ、カセット保
持部２０２の押し込み動作に伴いラインサーマルヘッド
２０４をプラテン２０７に当接する印字位置に復帰させ
る方向に印字ヘッドホルダ２２１を回動させるような制
御を行ない得るように決められている。ここに、カセッ
ト保持部２０２が本体ケース２０１から最大限引き出さ
れた最大引出位置ではラインサーマルヘッド２０４を跳
ね上げるように印字ヘッドホルダ２２１を回動させる跳
上げカム構造の跳上げ手段２２５が形成されている。

【００３４】また、印字ヘッドホルダ２２１は、その先
端部にホルダシャフト２２２と平行な回動軸回りに回動
自在のリンク部材２２６を有しており、このリンク部材
２２６にはカッタ２０５が固定されている。これによ
り、カッタ２０５は、ラインサーマルヘッド２０４の近
傍の用紙切断位置とラインサーマルヘッド２０４から離
反する待避位置とに移動自在であり、ここに、カッタ保
持機構２２７が構成されている。そして、リンク部材２
２６と印字ヘッドホルダ２２１の先端部との間には、そ
れらの両側部に位置させて２本のコイルスプリングＳＰ
が張設状態で掛け渡されている。これにより、リンク部
材２２６は、コイルスプリングＳＰによって、ラインサ
ーマルヘッド２０４から離反する方向に向けて付勢され
ている。そして、リンク部材２２６には、その上面両側
部に、一対のカム２２８が形成されており、本体ケース
２０１にはそれらのカム２２８に対応するカムフォロワ
２２９が形成されている。

【００３５】カム２２８とカムフォロワ２２９とは、カ
セット保持部２０２が収納位置に位置付けられている場
合には（図２及び図６参照）、カム２２８がカムフォロ
ワ２２９に当接してリンク部材２２６をラインサーマル
ヘッド２０４に近接する方向に回動させ、カセット保持
部２０２が有る程度引き出された後にはカムフォロワ２
２９からカム２２８が脱落するような配置関係に形成さ
れている。

【００３６】これにより、カセット保持部２０２が収納
位置に位置付けられている場合には、コイルスプリング
ＳＰの付勢力に抗してリンク部材２２６がラインサーマ
ルヘッド２０４に近接し、カッタ２０５がラインサーマ
ルヘッド２０４の近傍の用紙切断位置に位置付けられる
（図６参照）。これに対し、カムフォロワ２２９からカ
ム２２８が脱落した後は、コイルスプリングＳＰの付勢
力によってリンク部材２２６が引っ張られ、リンク部材
２２６がラインサーマルヘッド２０４から離反する方向
に回動し、カッタ２０５がラインサーマルヘッド２０４
から離反した待避位置に位置付けられる（図７〜図１１
参照）。これにより、カッタカム構造のカッタ位置制御
機構２３０が構成されている。そこで、印字ヘッドホル
ダ２２１には、用紙切断位置に位置するカッタ２０５を
露出させ、待避位置に位置するカッタ２０５を覆うカッ
タカバー２３１が取り付けられている。

【００３７】また、カム２２８の裏側には、略同一形状
の図示しないカムが設けられている。このカムは、カム
フォロワ２２９とのカム作用によって、印字ヘッドホル
ダ２２１の回動自在なリンクに支持されたラインサーマ
ルヘッド２０４に対して押圧力を付与する構造である。
つまり、カム２２８の裏側に設けられた図示しないカム
は、カセット保持部２０２が収納位置に位置付けられて
いる場合に、カムフォロワ２２９との間のカム作用によ
って、プラテン２０７に対してラインサーマルヘッド２
０４を当接するよう機能する。ここに、カセット保持部
２０２の収納位置への移動に従いラインサーマルヘッド
２０４をプラテン２０７への当接力を強める方向に付勢
するヘッドカム機構２３２が構成されている。

【００３８】ここで、リンク部材２２６には、カム２２
８及びその裏面側の図示しないカムが一対設けられてい
るため、一対のカム２２８及びその裏面側の図示しない
カムの間にはスペースが形成される。そこで、本実施の
形態では、このスペースを利用してラインサーマルヘッ
ド２０４の図示しない配線ケーブルを折りたたみ状態で
収納している。

【００３９】次いで、図６ないし図１１は、カセット保
持部２０２及びカセット２０３が引き出される過程を順
に示している。このようなカセット保持部２０２及びカ
セット２０３の引き出し過程において、カセット保持部
２０２は、その最大引出位置（図１０および図１１参
照）に引き出されるまではカセット２０３に連結されて
カセット２０３と共に引き出され、カセット保持部２０
２が最大引出位置に到った後はカセット２０３が単独で
引き出し可能なように構成されている。逆に、カセット
保持部２０２及びカセット２０３の押し込み時には、カ
セット２０３は、最大引出位置に位置するカセット保持
部２０２に達するまでは単独で押し込み可能であり、最
大引出位置に位置するカセット保持部２０２に達した後
はカセット保持部２０２に連結されてこのカセット保持
部２０２を伴い押し込み移動可能なように構成されてい
る。このようなカセット保持部２０２とカセット２０３
との連結を可能とする構造がラッチ機構２３３である。
以下、ラッチ機構２３３について説明する。

【００４０】カセット保持部２０２の後部には、その引
き出し及び押し込み方向と直交する略水平軸回りに回動
自在にラッチ部材２３４が取り付けられている。このラ
ッチ部材２３４は、第１の方向（図６〜図１１中、ＦＤ
で示す）に回動することによってカセット２０３に設け
られた図示しない係合孔に係合する第１の係合部２３５
と、第１の方向とは反対の第２の方向（図６〜図１１
中、ＳＤで示す）に回動することによってカセット保持
部２０２の最大引出位置において本体ケース２０１に設
けられた図示しない係合孔に係合する第２の係合部２３
６とを備える。このようなラッチ部材２３４は、カセッ
ト２０３の移動軌跡中に配置された当接部２３７を備え
る。この当接部２３７は、カセット保持部２０２に対し
てカセット２０３が押し込まれた場合、カセット２０３
の後部の当接によってラッチ部材２３４を第１の方向に
回動させる役割を果たす。つまり、押し込まれたカセッ
ト２０３が当接部２３７に当接するとラッチ部材２３４
が第１の方向に回動し、第１の係合部２３５がカセット
２０３に設けられた図示しない係合孔に係合してカセッ
ト保持部２０２とカセット２０３とが結合された状態と
なる。この状態を、図６ないし図９に示す。したがっ
て、カセット保持部２０２が収納位置から最大引出位置
に到る区間においては、カセット保持部２０２とカセッ
ト２０３とが連結された状態となる。また、ラッチ部材
２３４は、図示しない付勢部材によって第２の方向に付
勢されている。これにより、カセット保持部２０２が最
大引出位置に到った場合には、第２の方向に付勢されて
いるラッチ部材２３４が第２の方向に回動し、本体ケー
ス２０１に設けられた係合孔に第２の係合部２３６が落
ち込んでカセット保持部２０２が本体ケース２０１に係
合する（図１０及び図１１参照）。

【００４１】次いで、本体ケース２０１は、その内側壁
に、カセット２０３に取り付けられた片持ちユニット２
１６の補助板金２１７の底部を支持する自由端支持部２
３８を有する。つまり、この自由端支持部２３８は、直
接的に支持する補助板金２１７を支持することによって
この補助板金２１７に取り付けられたプラテン２０７及
びラベル剥離板２０８の自由端を支持する。

【００４２】図１２は、カセット２０３及びカセット保
持部２０２が共に収納された状態でのロール紙の案内経
路を示す縦断右側面図である。本実施の形態のプリンタ
５は、図１２に示すように、用紙保持部２０６に収納さ
れたロール紙を、支持シャフト２１４ａ、ガイドシャフ
ト２１２を経てプラテン２０７とラインサーマルヘッド
２０４との間に案内する案内経路２３９を形成するよう
に各部が位置付けられている。

【００４３】このような構成において、本実施の形態の
電子秤装置１は、例えば、秤皿３に載せた品物の重量を
計量してその計量結果を印字したラベルをプリンタ５に
よって印字し発行口１０１から発行したり、品物の計量
値に基づいてその品物の値段を求め、レシートを印字し
て発行口１０１から発行したりするというように利用さ
れる。

【００４４】プリンタ５においては、例えば、用紙保持
部２０６に感熱紙であるロール紙が収納される場合に
は、ロール紙が用紙保持部２０６から引き出され支持シ
ャフト２１４ａ及びガイドシャフト２１２に屈曲案内さ
れてラインサーマルヘッド２０４へ搬送される。そし
て、そのロール紙にラインサーマルヘッド２０４により
所定事項を印字して発行口１０１から発行する。発行さ
れた印字済みのロール紙は、カッタ２０５で切断可能で
ある。また、用紙保持部２０６にロール紙状のラベル用
紙が収納される場合には、その台紙部分をラベル剥離板
２０８で屈曲させて台紙巻取り軸２０９に巻き取らせ、
ラベル剥離板２０８によって台紙から剥離分離された印
字済みのラベルを発行口１０１から発行される。

【００４５】ここで、プリンタ５において、用紙の交換
作業や保守作業のためのカセット２０３の引き出し及び
押し込み動作について説明する。まず、本体ケース２０
１にカセット保持部２０２が収納されてカセット保持部
２０２にカセット２０３が収納されている状態からカセ
ット２０３を引き出すと、カセット２０３とカセット保
持部２０２とはラッチ機構２３３によって結合されてい
るためにカセット保持部２０２もカセット２０３に伴い
本体ケース２０１から引き出される。カセット保持部２
０２が最大引出位置まで引き出されると、ラッチ機構２
３３はカセット保持部２０２とカセット２０３との結合
を解除するため、カセット保持部２０２はその最大引出
位置に位置付けられたままカセット２０３がカセット保
持部２０２から引き出される。この際、カセット保持部
２０２が最大引出位置まで引き出された状態では、跳上
げ手段２２５によって印字ヘッドホルダ２２１が回動さ
せられ、ラインサーマルヘッド２０４が跳ね上げられ
る。しかも、カセット２０３には、プラテン２０７、ラ
ベル剥離板２０８及び台紙巻取り軸２０９が片持ち状態
で設けられ、カセット２０３においてこれらを片持ちす
る取付壁２１０と対面する側は開放部２１１となってい
る。そこで、カセット保持部２０２からカセット２０３
を引き出した状態又は引き抜いた状態で、用紙保持部２
０６に対するロール紙のセット作業、プラテン２０７及
びラベル剥離板２０８を経由させての台紙巻取り軸２０
９に対する台紙のセット作業、各部の保守作業等を容易
に行なうことが可能となる。

【００４６】なお、用紙保持部２０６にロール紙をセッ
トするに際しては、サイドフェンス２１３をスライド移
動させることで、実際に使用するロール紙の幅に用紙保
持部２０６の用紙収納幅を合わせ、ロール紙の側面位置
を規制することができる。

【００４７】また、ロール紙が支持シャフト２１４ａ及
びガイドシャフト２１２により屈曲案内される際には、
ロール紙の側部が用紙ガイド部２１３ａにより規制され
て幅方向の移動が規制されるので、ロール状態から引き
出されたロール紙の斜行や蛇行を防止することができ
る。これにより、印字品質を高品質に維持することがで
きる。

【００４８】また、用紙保持部２０６を有するカセット
２０３の取付壁２１０に対して近接離反自在に設けられ
用紙保持部２０６を構成するサイドフェンス２１３に用
紙ガイド部２１３ａを一体に設けたので、カセット２０
３の取付壁２１０に対してサイドフェンス２１３を近接
離反することで、用紙保持部２０６における用紙収納幅
の調整と、用紙ガイド部２１３ａの用紙案内幅の調整と
を１部品で同時に行なうことができ、それらの操作が簡
略化される。

【００４９】また、カセット保持部２０２が最大引出位
置まで引き出された状態ではラインサーマルヘッド２０
４が跳ね上げられ、しかもカセット２０３は単独で引き
出し及び押し込み可能となるため、その際に必要な力が
軽くて済む。これにより、軽快な操作感が得られ、カセ
ット２０３の引き出し及び押し込みに際しての操作性が
良好となる。

【００５０】ここで、ラッチ機構２３３や跳上げ手段２
２５は、いずれも簡単な機構的な構造でそれぞれの作用
を実現していることから、構造の簡略化を図ることがで
きる。

【００５１】また、跳上げ手段２２５によって印字ヘッ
ドホルダ２２１が回動してラインサーマルヘッド２０４
が跳ね上げられた場合（図３〜図４、図８〜図１１）、
リンク部材２２６と共にカッタ２０５がコイルスプリン
グＳＰに付勢されてラインサーマルヘッド２０４から離
反する方向に回動し、これによってカッタ２０５はカッ
タカバー２３１に覆われる。これにより、ラインサーマ
ルヘッド２０４の引き出しながらの跳上げによってその
周辺が外部に露出したとしても、オペレータの手が不用
意にカッタ２０５に触れてしまうような事故が防止さ
れ、安全性が確保される。

【００５２】これに対して、カセット２０３が押し込ま
れる場合には、図７に示す状態から図６に示す状態に状
態が遷移する。これにより、カム２２８の裏側に設けら
れた図示しないカムは、カムフォロワ２２９との間のカ
ム作用によって、プラテン２０７に対してラインサーマ
ルヘッド２０４を当接するよう機能する。これにより、
ラインサーマルヘッド２０４がプラテン２０７にバラン
ス良く当接し、印字品質が高品質に維持される。

【００５３】また、プラテン２０７及びラベル剥離板２
０８はカセット２０３に片持ち状態で取り付けられてい
るが、これらのプラテン２０７及びラベル剥離板２０８
の自由端は、補助板金２１７を介して自由端支持部２３
８に支持されている。これにより、印字に際して台紙巻
取り軸２０９の回転駆動による力がかかるプラテン２０
７及びラベル剥離板２０８に剛性が確保される。特に、
プラテン２０７の支持剛性が確保されることは、印字品
質を高品質に維持するのに役立つ。

【００５４】また、カセット２０３に設けられたギヤ列
はギヤカバー２１８に覆われている。これにより、ギヤ
列の鋭利な部分にオペレータの手が触れることが無くな
り、安全性が確保される。

【００５５】また、支持シャフト２１４ａ，２１４ｂや
ガイドシャフト２１２は取付壁２１０に片持ち構造で設
けられているので、ロール紙の交換作業や各部の保守作
業に際して、支持シャフト２１４ａ，２１４ｂやガイド
シャフト２１２が作業者によって誤って押圧された場合
には、支持シャフト２１４ａ，２１４ｂやガイドシャフ
ト２１２はたわみ、たわむことによりその加えられた力
を逃がす。これにより、押圧されることによる支持シャ
フト２１４ａ，２１４ｂやガイドシャフト２１２の破損
が防止される。そして、押圧されてたわんだ支持シャフ
ト２１４ａ，２１４ｂやガイドシャフト２１２は、スト
ッパ２０６ａによりそのたわみを止められる。これによ
り、支持シャフト２１４ａ，２１４ｂやガイドシャフト
２１２が大きくたわむことによる支持シャフト２１４
ａ，２１４ｂやガイドシャフト２１２や取付壁２１０な
どの破損が防止される。

【００５６】また、ストッパ２０６ａ１部品により、押
圧されてたわんだ支持シャフト２１４ａ，２１４ｂやガ
イドシャフト２１２のたわみを止めるので、支持シャフ
ト２１４ａ，２１４ｂやガイドシャフト２１２それぞれ
に対応してストッパを設けるのに比べ、プリンタ５構造
の簡略化及び小型化を図ることができる。

【００５７】

【発明の効果】本発明によれば、印字品質を高品質に維
持することができる。

【００５８】本発明によれば、ロール紙の交換作業や各
部の保守作業に際して部材の破損を防止することができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施の一形態として、電子秤装置への
適用例を示す全体の斜視図である。

【図２】カセット及びカセット保持部が共に収納された
状態を示す斜視図である。

【図３】カセット保持部が最大引出位置まで引き出され
た状態を示す斜視図である。

【図４】カセットが引き抜かれた状態を示す斜視図であ
る。

【図５】カセットを示す側面図ある。

【図６】カセット及びカセット保持部が共に収納された
状態を示す右側面図である。

【図７】カセット及びカセット保持部が僅かに引き出さ
れた状態を示す右側面図である。

【図８】カセット及びカセット保持部が更に引き出され
てカッタが待避位置に位置付けられた状態を示す右側面
図である。

【図９】カセット及びカセット保持部が更に引き出され
た状態を示す右側面図である。

【図１０】カセット保持部が最大引出位置まで引き出さ
れた状態を示す右側面図である。

【図１１】カセットが引き抜かれた状態を示す右側面図
である。

【図１２】カセット及びカセット保持部が共に収納され
た状態でのロール紙の案内経路を示す縦断右側面図であ
る。

【符号の説明】

２０１…本体ケース、２０２…カセット保持部、２０３
…カセット、２０４…印字ヘッド（ラインサーマルヘッ
ド）、２０６…用紙保持部、２０６ａ…ストッパ、２０
７…プラテン、２１０…取付壁、２１１…開放部、２１
２…屈曲部，ガイドシャフト、２１３…サイドフェン
ス、２１３ａ…用紙ガイド部、２１４ａ…屈曲部，支持
シャフト、２１４ｂ…支持シャフト、２２１…印字ヘッ
ドホルダ、２２５…跳上げ手段

フロントページの続き (51)Int.Cl.⁷ 識別記号 ＦＩ テーマコート゛(参考） Ｂ６５Ｈ 23/26 Ｂ４１Ｊ 29/00 Ａ Ｆターム(参考） 2C058 AB12 AC06 AC12 AE04 AE10 AE14 AF06 AF31 DA10 2C060 AA04 BA03 BC02 BC12 BC41 BC47 BC61 BC84 2C061 AQ04 AS06 BB10 BB12 CD08 CD12 CD28 3F052 AA01 BA02 CA02 3F104 AA02 FA01

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 本体ケースと、 前記本体ケースに対して引き出し自在に設けられたカセ
   ット保持部と、 前記カセット保持部に対してその引出方向と直交する略
   水平軸回りに回動自在に支持され、その回動自由端に印
   字ヘッドが取り付けられた印字ヘッドホルダと、 前記カセット保持部が前記本体ケースに収納された収納
   位置では前記印字ヘッドを印字位置に位置付け、前記カ
   セット保持部が前記本体ケースから引き出された引出位
   置では前記印字ヘッドを跳ね上げるように前記印字ヘッ
   ドホルダを回動させる跳上げ手段と、 前記カセット保持部に対して引き出し自在に設けられ、
   その引き出し方向に沿って相対向する取付壁と開放部と
   を有し、用紙保持部が設けられたカセットと、 前記用紙保持部よりも手前側で前記印字ヘッドホルダの
   回動軸と平行な軸回りに回転自在に前記カセットの前記
   取付壁に片持ち構造で設けられ、前記カセットが前記カ
   セット保持部に収納された状態では前記印字位置で前記
   印字ヘッドに対面するプラテンと、 前記用紙保持部から前記印字ヘッドに到る間でロール紙
   を屈曲案内する少なくとも２箇所の屈曲部と、 前記カセットの前記取付壁に対して近接離反自在に設け
   られ、前記用紙保持部を構成するサイドフェンスと、 前記サイドフェンスに一体に設けられ、前記屈曲部にお
   いて用紙の幅方向の移動を規制する用紙ガイド部と、を
   具備するカセット式プリンタ。
2. 【請求項２】 前記サイドフェンスは、前記取付壁に片
   持ち構造で設けられた少なくとも２本の支持シャフトに
   スライド自在に取り付けられ、 押圧されてたわむ前記支持シャフトのたわみを止めるス
   トッパを具備する請求項１記載のカセット式プリンタ。
3. 【請求項３】 前記屈曲部は、前記取付壁に片持ち構造
   で設けられ前記サイドフェンスをスライド自在に保持す
   るガイドシャフトであり、 前記ストッパは、押圧されてたわむ前記ガイドシャフト
   のたわみを止める請求項３記載のカセット式プリンタ。
4. 【請求項４】 本体ケースと、 前記本体ケースに対して引き出し自在に設けられたカセ
   ット保持部と、 前記カセット保持部に対してその引出方向と直交する略
   水平軸回りに回動自在に支持され、その回動自由端に印
   字ヘッドが取り付けられた印字ヘッドホルダと、 前記カセット保持部が前記本体ケースに収納された収納
   位置では前記印字ヘッドを印字位置に位置付け、前記カ
   セット保持部が前記本体ケースから引き出された引出位
   置では前記印字ヘッドを跳ね上げるように前記印字ヘッ
   ドホルダを回動させる跳上げ手段と、 前記カセット保持部に対して引き出し自在に設けられ、
   その引き出し方向に沿って相対向する取付壁と開放部と
   を有し、用紙保持部が設けられたカセットと、 前記用紙保持部よりも手前側で前記印字ヘッドホルダの
   回動軸と平行な軸回りに回転自在に前記カセットの前記
   取付壁に片持ち構造で設けられ、前記カセットが前記カ
   セット保持部に収納された状態では前記印字位置で前記
   印字ヘッドに対面するプラテンと、 前記取付壁に片持ち構造で設けられた少なくとも２本の
   支持シャフトにスライド自在に取り付けられ前記用紙保
   持部を構成するサイドフェンスと、 押圧されてたわむ前記支持シャフトのたわみを止めるス
   トッパと、を具備するカセット式プリンタ。