JP2003165201A - 輪転印刷機の異常診断装置および異常診断方法 - Google Patents

輪転印刷機の異常診断装置および異常診断方法

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JP2003165201A
JP2003165201A JP2001366603A JP2001366603A JP2003165201A JP 2003165201 A JP2003165201 A JP 2003165201A JP 2001366603 A JP2001366603 A JP 2001366603A JP 2001366603 A JP2001366603 A JP 2001366603A JP 2003165201 A JP2003165201 A JP 2003165201A
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Takanori Nitta
隆規 新田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 輪転印刷機の故障箇所を見いだし、ダメージ
を最小限に押さえることができる輪転印刷機の異常診断
装置および異常診断方法を提供する。 【解決手段】 輪転印刷機の異常診断装置を、駆動制御
装置から運転時の回転駆動部に送信するトルク指令信号
と、回転駆動部に設けたエンコーダから送信されるフィ
ードバック信号と、マスター信号とを入力して比較演算
し、回転速度の変動量、回転位相の変動量、または回転
トルクの変動量をリアルタイムに出力する比較演算装
置、同変動量のデータを入力して周波数解析して回転駆
動部により駆動される各箇所ごとの固有の運転時の周波
数成分を、予め設定した通常発生する各箇所ごとの固有
の速度の変動量、位相の変動量、または回転トルクの変
動量の周波数成分と対比し、運転時の変動量の程度によ
り故障発生箇所と故障の程度とを判定する故障判定装置
を備えてなるように構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、新聞輪転印刷機等
の輪転印刷機の一部に発生した異常(故障)の箇所とそ
の程度を検知してトラブルを防止する輪転印刷機の異常
診断装置および異常診断方法に関する。
【0002】
【従来の技術】図4および図5に基づき新聞輪転印刷機
の構成とその従来の駆動制御装置および駆動制御方法を
説明する。図4は、一般的な新聞輪転印刷機の概略構成
の説明図であり、図5は、図4中の印刷装置の従来の駆
動制御装置の説明図である。
【0003】従来の一般的な新聞輪転印刷機100’
は、図4に例示するように主な構成ユニットとして、給
紙装置1、インフィード装置2、複数の印刷装置3’に
より構成される印刷ユニット30’、ウェブパス装置
4、および折機5等を備えて構成されている。
【0004】給紙装置1は、リールスタンド18にロー
ル状シートである巻取り紙19を装架しておき、印刷に
伴う消費に対応して連続的にウェブ6を供給する。
【0005】インフィード装置2は、給紙装置1と印刷
装置3’の中間に位置し、印刷装置3’へ所定のテンシ
ョンを付与した状態でウェブ6を移送する。
【0006】印刷ユニット30’は複数の印刷装置3’
を、ウェブ6のライン両側に位置して対を成すよう対向
設置すると共に、ウェブ6の走行方向にも印刷装置3’
を複数並設しており、ウェブ6の表裏両面に所定の印刷
を行うよう構成されている。また、各印刷装置3’はウ
ェブ6に当接して回転するブランケット胴7、ブランケ
ット胴7に当接し回転する印刷シリンダ8等により構成
される。
【0007】なお、印刷ユニット30’は、図4に図示
されないが通常、一つの新聞輪転印刷機100’におい
て複数組並設されており、各組において印刷された複数
のウェブ6は、ウェブパス装置4において、それぞれ所
定のタイミングで送り込まれるように調整され、合流さ
れて重ね合わされた後、下流の折機5に搬入されるよう
になっている。
【0008】折機5は、印刷を終え合流した複数のウェ
ブ6の搬入を受け、所定位置での切断や折り畳み等、種
々の加工を施すことによってウェブ6を折帳に形成し、
外部へ搬出する。
【0009】本発明の輪転印刷機の異常診断装置および
異常診断方法は、新聞輪転印刷機の各ユニット、装置間
の駆動の機械的連結がなく、各ユニット、装置が駆動制
御装置11により制御された回転駆動部、すなわち駆動
モータ9により個別に独立して駆動されるシャフトレス
型の新聞輪転印刷機に最適に適用されるものであり、こ
こで図4、図5で示すものも、後述の図1、図2の本発
明の実施の形態も、シャフトレス型の新聞輪転印刷機を
例に以下説明する。
【0010】図5は、図4中の従来の印刷装置3’の要
部とその駆動制御装置11を示すものであり、図5に示
すように、印刷シリンダ8は、ベアリング16で両軸端
を回転支持されるとともに、軸端にギヤ17aを固着
し、ギヤ17aを駆動モータ9の軸端に固設したギヤ1
7bと歯合させている。
【0011】また、駆動モータ9と、その後端部に組み
込まれ回転を計測するエンコーダ10の電気配線は、そ
れぞれ駆動制御装置11に結線されており、駆動制御装
置11には図示しない統括制御装置からの指令信号であ
るマスタ信号mが入力されている。
【0012】駆動モータ9は、マスタ信号mに基づき駆
動制御装置11から送信されるトルク指令信号sによっ
て運転され、ギヤ17b、ギヤ17aを介して連結した
印刷シリンダ8を回転させる。
【0013】一方、駆動モータ9の回転角度は、印刷シ
リンダ8の回転角度としてエンコーダ10によって読み
取られ、駆動制御装置11にフィードバック送信される
ようになっており、駆動制御装置11に設けた比較演算
部において、駆動モータ9に送信したトルク指令信号s
に対するエンコーダ10からのフィードバック信号fを
比較演算することにより、印刷シリンダ8の実回転状況
を検知し、駆動モータ9の位相を適切な回転角度へ自動
的に修正するようになっている。
【0014】しかしながら、印刷シリンダ8は、トルク
指令信号sにより即連動して正確に回転するとは限ら
ず、応答の遅れや作動ミス等、種々の不具合が発生する
場合が起こり得る。
【0015】従来の新聞輪転印刷機100’では、上記
のような不具合発生時の対策として、各駆動モータ9に
対して発生トルクの増加(過電流の発生)、回転速度変
動増大、あるいは温度上昇等の異常が検知された場合、
駆動モータ9の加速を中止、減速、若しくは 停止する
等の措置が行われていた。
【0016】上記の異常が発生する原因としては、ベア
リング16の破損、ギヤ17a、17bの破損、印圧の
異常、ウェブ6張力の異常、その他印刷条件の変化等、
さまざまな要因が考えられる。
【0017】上記の不具合や異常発生状態のまま印刷運
転を続ければ、多大な損害を発生させる結果となる恐れ
があるが、これまでの新聞輪転印刷機では事前に検知す
る手段も無く、故障発見はほとんど熟練者の経験に頼る
ところが大きいのが現状であった。
【0018】したがって、新聞輪転印刷機の異常は、大
きな故障が発生して初めてその状況が察知される為、そ
の対応(調整、修理等の処置)が遅れる場合が多く、ト
ラブルを回避することが困難である。機械の調子が悪く
なった場合、その不良箇所を判定するのが困難で、発見
に多大の時間がかかり、印刷においてダブリ、見当ズ
レ、裁断位置のズレ等々、印刷品質が低下するばかりで
なく、関連する装置の調整、修理作業に時間がかかるた
め稼働率、つまり、生産性が大幅に低下する。
【0019】また1か所のトラブルは発生原因箇所のみ
の問題ではなく、並設された複数組の印刷ユニット3
0’等を連動して駆動制御する制御構成から、新聞輪転
印刷機100’の全体に影響が及ぶことになる。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記のような
従来の輪転印刷機の問題を解消するためになされたもの
であり、輪転印刷機が重大な故障状態に至り、印刷運転
ができなくなる前に、その故障箇所を見いだし、トラブ
ルが発生する前に調整、修理、部品交換等を実施するこ
とにより、事故を未然に防止し、あるいは、故障に関連
するダメージを最小限に押さえることができる輪転印刷
機の異常診断装置および異常診断方法を提供することを
課題とするものである。
【0021】
【課題を解決するための手段】(1)本発明は上記の課
題を解決するためになされたものであって、その第1の
手段として、輪転印刷機を構成する各装置が、マスター
信号に基づき駆動制御装置により制御された個別の回転
駆動部により独立して駆動される同輪転印刷機の異常診
断装置において、前記駆動制御装置から運転時の前記回
転駆動部に送信するトルク指令信号と、同回転駆動部に
設けたエンコーダから送信されるフィードバック信号
と、前記マスター信号とを入力して比較演算し、回転速
度の変動量、回転位相の変動量、または回転トルクの変
動量をリアルタイムに出力する比較演算装置、同変動量
のデータを入力して周波数解析して前記回転駆動部によ
り駆動される各箇所ごとの固有の運転時の周波数成分
を、予め設定した通常発生する前記各箇所ごとの固有の
回転速度の変動量、回転位相の変動量、または回転トル
クの変動量の周波数成分と対比し、運転時の前記変動量
の程度により故障発生箇所と故障の程度とを判定する故
障判定装置を備えてなることを特徴とする輪転印刷機の
異常診断装置を提供する。
【0022】上記の構成により、第1の手段によれば、
回転速度の変動量、回転位相の変動量、または回転トル
クの変動量等の周波数解析をリアルタイムに実施するこ
とにより、装置の複数箇所を同時に、あるいは時系列で
異常診断をして、故障発生箇所と故障の程度とを判定す
ることが可能となる。
【0023】(2)第2の手段としては、第1の手段の
輪転印刷機の異常診断装置において、前記異常発生箇所
と故障の程度の判定結果を外部に表示する故障表示装置
を備えてなることを特徴とする輪転印刷機の異常診断装
置を提供する。
【0024】第2の手段によれば、第1の手段の作用に
加え、故障の箇所を外部に表示させることにより、オペ
レータの知識や経験による目視、感覚に頼らず、誰でも
早期、且つ的確に輪転印刷機の故障に対処できるように
なる。
【0025】(3)また、第3の手段として、第1の手
段または第2の手段の輪転印刷機の異常診断装置におい
て、前記回転駆動部が前記輪転印刷機の印刷シリンダの
駆動モータであることを特徴とする輪転印刷機の異常診
断装置を提供する。
【0026】第3の手段によれば、第1の手段または第
2の手段の作用を、特に輪転印刷機の中心的機能を担う
印刷装置に対して奏する。
【0027】(4)第4の手段として、輪転印刷機を構
成する各装置が、マスター信号に基づき駆動制御装置に
より制御された個別の回転駆動部により独立して駆動さ
れる同輪転印刷機の異常診断方法において、前記駆動制
御装置から運転時の前記回転駆動部に送信するトルク指
令信号と、同回転駆動部に設けたエンコーダから送信さ
れるフィードバック信号と、前記マスター信号とを比較
演算し、回転速度の変動量、回転位相の変動量、または
回転トルクの変動量をリアルタイムに出力し、同変動量
のデータを周波数解析して前記回転駆動部により駆動さ
れる各箇所ごとの固有の運転時の周波数成分を、予め設
定した通常発生する前記各箇所ごとの固有の回転速度の
変動量、回転位相の変動量、または回転トルクの変動量
の周波数成分と対比し、運転時の前記変動量の程度によ
り故障発生箇所と故障の程度とを判定することを特徴と
する輪転印刷機の異常診断方法を提供する。
【0028】上記の構成により、第4の手段によれば、
回転速度の変動量、回転位相の変動量、または回転トル
クの変動量等の周波数解析をリアルタイムに実施するこ
とにより、装置の複数箇所を同時に、あるいは時系列で
異常診断をして、故障発生箇所と故障の程度とを判定す
ることができる。
【0029】(5)第5の手段として、第4の手段の輪
転印刷機の異常診断方法において、前記故障発生箇所と
故障の程度の判定結果を外部に表示することを特徴とす
る輪転印刷機の異常診断方法を提供する。
【0030】第5の手段によれば、第4の手段の作用に
加え、故障の箇所を外部に表示させることにより、オペ
レータの知識や経験による目視、感覚に頼らず、誰でも
早期、且つ的確に輪転印刷機の故障に対処できるように
なる。
【0031】(6)また、第6の手段として、第4の手
段または第5の手段の輪転印刷機の異常診断方法におい
て、前記回転駆動部が前記輪転印刷機の印刷シリンダの
駆動モータであることを特徴とする輪転印刷機の異常診
断方法を提供する。
【0032】第6の手段によれば、第4の手段または第
5の手段の作用を、特に輪転印刷機の中心的機能を担う
印刷装置に対して奏する。
【0033】
【発明の実施の形態】図1から図3に基づき、本発明の
実施の一形態に係る輪転印刷機の異常診断装置および異
常診断方法を説明する。図1は、シャフトレス型の新聞
輪転印刷機における印刷ユニットの概略構成の説明図、
図2は、図1中の印刷装置の運転制御装置と異常診断装
置の説明図である。図3(a)から(d)は、新聞輪転
印刷機の印刷装置に設けた本実施の形態の異常診断装置
の機能説明図である。また、図4も新聞輪転印刷機の全
体構成を示すものとして参照する。
【0034】なお、図1から図3の説明において、前述
の図4、図5のものと同じ部分については同じ符号を付
して、説明を省略し、異なる点を主に以下説明する。
【0035】本実施の形態の新聞輪転印刷機100は、
図4に示されるように主な構成ユニットとして、給紙装
置1、インフィード装置2、複数の印刷装置3により構
成される印刷ユニット30、ウェブパス装置4、および
折機5等を備えて構成されている。
【0036】給紙装置1から連続的に送り出されたウェ
ブ6は、印刷ユニット30において印刷が施され、折機
5において折帳に形成されて外部に搬出され、新聞輪転
印刷機100としての基本的構成、機能は前記の従来技
術において説明したものと同様である。また、各印刷装
置3の印刷シリンダ8、ベアリング16、ギヤ17a、
17b、駆動モータ9、エンコーダ10、駆動制御装置
11等の構成、機能等も前記の従来技術において説明し
たものと同様である。
【0037】なお、印刷ユニット30は一つの新聞輪転
印刷機100において複数組並設されており、各組にお
いて印刷された複数のウェブ6が、ウェブパス装置4に
おいて、それぞれ所定のタイミングで送り込むよう調整
され、合流させて重ね合わせた後、下流の折機5に搬入
されるようになっていることも図示しないが従来技術に
おいて説明したものと同様である。
【0038】本実施の形態の新聞輪転印刷機100は、
並設した印刷ユニット30間等に機械的連結が無いシャ
フトレス型新聞輪転印刷機であり、例えば印刷ユニット
30の印刷装置3の駆動制御装置11には、図示しない
統括制御装置からの指令信号であるマスタ信号mや、駆
動されている印刷シリンダ8の回転駆動部、すなわち駆
動モータ9に取り付けたエンコーダ10からのフィード
バック信号fが入力され、駆動制御装置11から送信さ
れるトルク指令信号sにより、印刷装置3を個別に駆動
モータ9により駆動制御している。
【0039】なお、この個別駆動は、新聞輪転印刷機1
00の印刷シリンダ8の駆動の他、インキングの駆動、
ドラグローラの駆動、給紙ブレーキの駆動、カム装置の
駆動等々多岐の範囲にわたる。
【0040】本実施の形態の新聞輪転印刷機100の印
刷装置3に設けられた異常診断装置12は、図2に示す
ように、従来設備されていた印刷シリンダ8を回転駆動
する駆動モータ9、回転角度を計測するエンコーダ1
0、および駆動制御装置11に加え設けられるものであ
り、比較演算装置13、故障判定装置14、および故障
表示装置15により構成される。
【0041】異常診断装置12は、駆動制御装置11か
ら駆動モータ9に送信するトルク指令信号(回転トルク
発生)sと、エンコーダ10から送り返されるフィード
バック信号f、およびマスター信号mを比較演算装置1
3に入力し、比較演算装置13はリアルタイムで回転速
度変動量、回転位相変動量等を検知把握して回転トルク
変動量を算出し、それらを故障判定装置14に出力する
ようになっている。
【0042】故障判定装置14は、周波数に対応した変
動量信号を自動的に計測できる機能を有するもので、比
較演算装置13からの回転速度変動量、回転位相変動
量、回転トルク変動量、等のデータ信号の周波数解析を
行い、故障(異常、不具合)の発生した印刷装置3の箇
所、および、故障の程度を判定する装置である。
【0043】故障表示装置15は、上記故障判定装置1
4からの信号を受け、故障発生の装置、発生箇所、さら
に故障の程度まで細かく表示する。
【0044】本実施の形態の輪転印刷機の異常診断装置
は、以上のように構成されており、以下、本実施の形態
の輪転印刷機の異常診断装置による異常診断方法につい
て説明する。
【0045】印刷装置3の印刷シリンダ8の駆動モータ
9で発生する時間的な回転速度の変動、回転位相の変
動、または回転トルクの変動等の変動量信号は、図3
(a)に示すように、新聞輪転印刷機100の印刷装置
3に取り付けられた様々な部品、例えば、印刷シリンダ
8、ベアリング16、ギア17a、17b等の固有の変
動成分が重なり合った形で合成変動波形aとして現われ
る。しかし、その合成変動量そのままのデータのみで
は、故障箇所を特定することは不可能である。また、変
動量は各構成部品で異なるので、故障の程度を判定する
ことも困難である。
【0046】このため、故障判定装置14は、上記の合
成変動波形aの周波数成分を分解し、各周波数成分の解
析を行うよう構成、機能させている。
【0047】上記の各部品、印刷シリンダ8、ベアリン
グ16、ギア17a、17bについては、図3(b)〜
(d)に示すように、それぞれ固有の周波数成分と変動
量を持っている。
【0048】印刷シリンダ8では、図3(b)に示すよ
うにその変動波形b1から円周長による周期T1(周波
数F1)の固有の周波数成分を把握でき、ベアリング1
6では、図3(c)に示すようにその変動波形b2から
内部の転動体の個数による周期T2(周波数F2)の固
有の周波数成分、また、ギャ17a、17bでは、図3
(d)に示すようにその変動波形b3から歯数等による
周期T3(周波数F3)の固有の周波数成分を把握でき
る。
【0049】したがって、予めこの通常発生する変動量
の周波数成分を故障判定の比較値として入力、あるいは
記憶させて設定しておき、実運転時の解析結果を比較す
ることで故障の発生箇所を特定すると共に、その程度を
判定することが可能となる。
【0050】図3(e)は各周波数における回転速度、
回転位相、あるいは回転トルクの変動量の分布を例示し
たものであり、各箇所の特定の周波数、例えばF1、F
2、F3において通常発生する固有の回転速度変動量、
回転位相変動量、あるいは回転トルク変動量の周波数成
分に対し、実運転時の変動量の周波数成分を、比較演算
装置13および故障判定装置14を介し解析し対比を行
うことによって、実運転時の変動量が、予め設定した通
常発生する固有の変動量に対してどの程度大きいかとい
う範囲から故障発生箇所と故障の程度を判定し、現在の
印刷装置が安全域(許容値以内)X、注意域Y、あるい
は危険域Zのどの領域にあるかを判定させる。
【0051】これによって、トラブルの発生した装置の
みならず、他装置内部の具体的な故障箇所、およびその
程度等をリアルタイムに診断することができるようにな
り、また、診断結果(故障判定)を故障表示装置15に
表示させ、対応処置をすることができるため、事故の未
然防止が可能となる。
【0052】上記の本実施の形態の輪転印刷機の異常診
断装置および異常診断方法によれば、回転速度変動量、
回転位相変動量、回転トルク(負荷)変動量等の周波数
解析をリアルタイムに実施することにより、装置の複数
箇所を同時に、あるいは時系列で異常診断の実施をする
ことが可能で、回転速度変動量、回転位相変動量、回転
トルク(負荷)変動量等をリアルタイムに検知すること
により、見当ズレ、ダブリ等のトラブルを回避し、印刷
品質の維持、管理を行うことができる。
【0053】また、各箇所それぞれの固有データを基に
故障を診断判定するので、故障の箇所を事前に特定で
き、故障の箇所を外部に表示させることができ(なお、
ここで「表示」とは、モニターでの文字、映像、警報灯
の発光等に限らず、警報ブザー等の警報手段も含む)、
オペレータの知識や経験による目視、感覚に頼らず、誰
でも早期、且つ的確に対処できるため、種々の大きなト
ラブルの発生を回避することができる。
【0054】従って、印刷機への大きなダメージを回避
できる他、トラブル修正に要する作業時間を短縮するこ
とが可能で、機械稼働率(生産性)の向上が図れる等の
効果を得ることができるようになる。
【0055】以上、本発明の実施の形態を説明したが、
上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の範
囲内でその具体的構造および構成に種々の変更を加えて
もよいことは言うまでもない。
【0056】例えば、本発明は新聞輪転印刷機のみに適
用されるものではなく、輪転印刷機一般に適用できるも
のである。また、上記従来例と実施の形態はともに印刷
シリンダ8の回転駆動部を例に説明したが、印刷シリン
ダ8の回転駆動部のみに限定されるものではなく、イン
キングの駆動、ドラグローラの駆動、給紙ブレーキの駆
動、カム装置の駆動、等々輪転印刷機の多岐の部分の回
転駆動部において適用することが可能である。
【0057】
【発明の効果】(1)請求項1の発明によれば、輪転印
刷機の異常診断装置を、輪転印刷機を構成する各装置
が、マスター信号に基づき駆動制御装置により制御され
た個別の回転駆動部により独立して駆動される同輪転印
刷機の異常診断装置において、前記駆動制御装置から運
転時の前記回転駆動部に送信するトルク指令信号と、同
回転駆動部に設けたエンコーダから送信されるフィード
バック信号と、前記マスター信号とを入力して比較演算
し、回転速度の変動量、回転位相の変動量、または回転
トルクの変動量をリアルタイムに出力する比較演算装
置、同変動量のデータを入力して周波数解析して前記回
転駆動部により駆動される各箇所ごとの固有の運転時の
周波数成分を、予め設定した通常発生する前記各箇所ご
との固有の回転速度の変動量、回転位相の変動量、また
は回転トルクの変動量の周波数成分と対比し、運転時の
前記変動量の程度により故障発生箇所と故障の程度とを
判定する故障判定装置を備えてなるように構成したの
で、回転速度の変動量、回転位相の変動量、または回転
トルクの変動量等の周波数解析をリアルタイムに実施す
ることにより、装置の複数箇所を同時に、あるいは時系
列で異常診断をして、故障発生箇所と故障の程度とを判
定することが可能であり、輪転印刷機の見当ズレ、ダブ
リ等のトラブルを回避し、印刷品質の維持、管理を行う
ことができる。
【0058】(2)請求項2の発明によれば、請求項1
に記載の輪転印刷機の異常診断装置において、前記異常
発生箇所と故障の程度の判定結果を外部に表示する故障
表示装置を備えてなるように構成したので、請求項1の
発明の効果に加え、故障の箇所を外部に表示させること
により、オペレータの知識や経験による目視、感覚に頼
らず、誰でも早期、且つ的確に輪転印刷機の故障に対処
できるためトラブルの発生を回避することができ、輪転
印刷機への大きなダメージが防止できる他、トラブル修
正に要する作業時間を短縮することが可能で、機械稼働
率(生産性)の向上が図れる。
【0059】(3)請求項3の発明によれば、請求項1
または請求項2に記載の輪転印刷機の異常診断装置にお
いて、前記回転駆動部が前記輪転印刷機の印刷シリンダ
の駆動モータであるように構成したので、請求項1また
は請求項2の発明の効果を、特に輪転印刷機の中心的機
能を担う印刷装置に対して奏することができる。
【0060】(4)請求項4の発明によれば、輪転印刷
機の異常診断方法を、輪転印刷機を構成する各装置が、
マスター信号に基づき駆動制御装置により制御された個
別の回転駆動部により独立して駆動される同輪転印刷機
の異常診断方法において、前記駆動制御装置から運転時
の前記回転駆動部に送信するトルク指令信号と、同回転
駆動部に設けたエンコーダから送信されるフィードバッ
ク信号と、前記マスター信号とを比較演算し、回転速度
の変動量、回転位相の変動量、または回転トルクの変動
量をリアルタイムに出力し、同変動量のデータを周波数
解析して前記回転駆動部により駆動される各箇所ごとの
固有の運転時の周波数成分を、予め設定した通常発生す
る前記各箇所ごとの固有の回転速度の変動量、回転位相
の変動量、または回転トルクの変動量の周波数成分と対
比し、運転時の前記変動量の程度により故障発生箇所と
故障の程度とを判定するように構成したので、回転速度
の変動量、回転位相の変動量、または回転トルクの変動
量等の周波数解析をリアルタイムに実施することによ
り、装置の複数箇所を同時に、あるいは時系列で異常診
断をして、故障発生箇所と故障の程度とを判定すること
が可能であり、輪転印刷機の見当ズレ、ダブリ等のトラ
ブルを回避し、印刷品質の維持、管理を行うことができ
る。
【0061】(5)請求項5の発明によれば、請求項4
に記載の輪転印刷機の異常診断方法において、前記故障
発生箇所と故障の程度の判定結果を外部に表示するよう
に構成したので、請求項4の発明の効果に加え、故障の
箇所を外部に表示させることにより、オペレータの知識
や経験による目視、感覚に頼らず、誰でも早期、且つ的
確に輪転印刷機の故障に対処できるためトラブルの発生
を回避することができ、輪転印刷機への大きなダメージ
が防止できる他、トラブル修正に要する作業時間を短縮
することが可能で、機械稼働率(生産性)の向上が図れ
る。
【0062】(6)請求項6の発明によれば、請求項4
または請求項5に記載の輪転印刷機の異常診断方法にお
いて、前記回転駆動部が前記輪転印刷機の印刷シリンダ
の駆動モータであるように構成したので、請求項4また
は請求項5の発明の効果を、特に輪転印刷機の中心的機
能を担う印刷装置に対して奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態に係る輪転印刷機の異常
診断装置および異常診断方法の説明図であり、シャフト
レス型の新聞輪転印刷機における印刷ユニットの概略構
成図である。
【図2】図1中の印刷装置の運転制御装置と異常診断装
置の説明図である。
【図3】(a)から(d)は、新聞輪転印刷機の印刷装
置に設けた本実施の形態の異常診断装置の機能説明図で
ある。
【図4】一般的な新聞輪転印刷機の概略構成の説明図で
ある。
【図5】図4中の印刷装置の従来の駆動制御装置の説明
図である。
【符号の説明】
1 給紙装置 2 インフィード装置 3 印刷装置 4 ウェブパス装置 5 折機 6 ウェブ 7 ブランケット胴 8 印刷シリンダ 9 駆動モータ 10 エンコーダ 11 駆動制御装置 12 異常診断装置 13 比較演算装置 14 故障判定装置 15 故障表示装置 16 ベアリング 17a、17b ギヤ 18 リールスタンド 19 巻取り紙 30 印刷ユニット 100 新聞輪転印刷機

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 輪転印刷機を構成する各装置が、マスタ
    ー信号に基づき駆動制御装置により制御された個別の回
    転駆動部により独立して駆動される同輪転印刷機の異常
    診断装置において、前記駆動制御装置から運転時の前記
    回転駆動部に送信するトルク指令信号と、同回転駆動部
    に設けたエンコーダから送信されるフィードバック信号
    と、前記マスター信号とを入力して比較演算し、回転速
    度の変動量、回転位相の変動量、または回転トルクの変
    動量をリアルタイムに出力する比較演算装置、同変動量
    のデータを入力して周波数解析して前記回転駆動部によ
    り駆動される各箇所ごとの固有の運転時の周波数成分
    を、予め設定した通常発生する前記各箇所ごとの固有の
    回転速度の変動量、回転位相の変動量、または回転トル
    クの変動量の周波数成分と対比し、運転時の前記変動量
    の程度により故障発生箇所と故障の程度とを判定する故
    障判定装置を備えてなることを特徴とする輪転印刷機の
    異常診断装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の輪転印刷機の異常診断
    装置において、前記異常発生箇所と故障の程度の判定結
    果を外部に表示する故障表示装置を備えてなることを特
    徴とする輪転印刷機の異常診断装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または請求項2に記載の輪転印
    刷機の異常診断装置において、前記回転駆動部が前記輪
    転印刷機の印刷シリンダの駆動モータであることを特徴
    とする輪転印刷機の異常診断装置。
  4. 【請求項4】 輪転印刷機を構成する各装置が、マスタ
    ー信号に基づき駆動制御装置により制御された個別の回
    転駆動部により独立して駆動される同輪転印刷機の異常
    診断方法において、前記駆動制御装置から運転時の前記
    回転駆動部に送信するトルク指令信号と、同回転駆動部
    に設けたエンコーダから送信されるフィードバック信号
    と、前記マスター信号とを比較演算し、回転速度の変動
    量、回転位相の変動量、または回転トルクの変動量をリ
    アルタイムに出力し、同変動量のデータを周波数解析し
    て前記回転駆動部により駆動される各箇所ごとの固有の
    運転時の周波数成分を、予め設定した通常発生する前記
    各箇所ごとの固有の回転速度の変動量、回転位相の変動
    量、または回転トルクの変動量の周波数成分と対比し、
    運転時の前記変動量の程度により故障発生箇所と故障の
    程度とを判定することを特徴とする輪転印刷機の異常診
    断方法。
  5. 【請求項5】 請求項4に記載の輪転印刷機の異常診断
    方法において、前記故障発生箇所と故障の程度の判定結
    果を外部に表示することを特徴とする輪転印刷機の異常
    診断方法。
  6. 【請求項6】 請求項4または請求項5に記載の輪転印
    刷機の異常診断方法において、前記回転駆動部が前記輪
    転印刷機の印刷シリンダの駆動モータであることを特徴
    とする輪転印刷機の異常診断方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7460030B2 (en) 2006-12-05 2008-12-02 Continental Automotive Systems Us, Inc. System and method for encoder failure detection
JP2019034505A (ja) * 2017-08-18 2019-03-07 株式会社東京機械製作所 シャフトレス輪転印刷機及びシャフトレス輪転印刷機の制御方法

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