JP5498837B2 - 印刷機における紙の変動要因判定方法と変動要因判定装置 - Google Patents

印刷機における紙の変動要因判定方法と変動要因判定装置 Download PDF

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Description

この発明は、印刷機において印刷不良が生じた場合に、その原因を把握するために、印刷機の運転時の挙動を捕捉して印刷不良の原因を判断できるようにした印刷機における紙の変動要因判定方法と変動要因判定装置に関する。
例えば、多色刷輪転印刷機では、走行する印刷用紙にシアンとマゼンタ、イエロー、ブラックのインクをそれぞれのローラインクから順次転写して所望の印刷を行う。このとき、印刷用紙の所定の位置にそれぞれのインクを高精度に転写する必要がある。印刷不良となる場合として、通常速度での左右方向の見当ズレや印面のガサツキ、印刷用紙のシワの存在や断紙等がある。印面のガサツキは、抄紙工程で生じる不具合と考えられるが、見当ズレやシワ断紙は抄紙工程で生じた印刷用紙の不良のみならず、印刷機の運転状況も原因していると考えられる。
しかし、印刷不良が生じた場合に、印刷用紙自体に起因するものであるのか、あるいは印刷機に起因するものであるのか、いずれに原因があるのかを判別できないのが現状である。このため、原因不明な状況となってしまい、十分な対策を施せなかった。
ところで、印刷機に断紙が生じた場合に迅速に断紙の発生を検出して、印刷機を停止できるようにするものとして、輪転印刷機の紙破れ検出装置が提案されている(特許文献1参照)。この紙破れ検出装置は、輪転印刷機の版胴出口側の紙の両側端に光学式検出器を設け、ロール紙の紙幅を計測することにより紙破れを検出するようにしたものである。すなわち、光学式検出器を投光器と受光器で構成した場合、紙の両端がこれら投受光器間の一部を遮断することで一部の光が受光器に到達する。このとき、紙幅が一定であれば、両側端の受光器で捕捉される光量の和は、紙が蛇行した場合であっても一定となる。紙破れが生じた場合には、受光量の和が増加することになるから、紙破れの発生を検出できるものである。
また、特許文献2には、抄紙機を走行する紙の収縮量と蛇行量を算出する紙幅計測装置が開示されている。この紙幅計測装置は、抄紙機上を走行する紙の両側端部に光源と検出器を配設し、光源から照射され紙の端部で反射した光を捕捉することにより紙の収縮量と蛇行量とを算出するようにしたものである。
特開平7−329283号公報 特開2003−336186号公報
特許文献1に開示された紙破れ検出装置では、走行する紙に紙破れが発生したことを検出するのみであるから、紙破れの発生原因の解明に利用することはできない。
また、特許文献2に開示された紙幅計測装置では、紙幅の変化から収縮量と蛇行量とを算出するものであることから、これを印刷機に設置することで、紙幅の変化に起因する断紙のおそれの有無の判断に利用することは可能となる。例えば、断紙が発生する際の紙幅の変化量を定量的に把握することができるので、一定量以上の変化が生じた場合には断紙するおそれがあると判断できる。
しかしながら、いずれも紙幅の変化を検出することはできるが、印刷機において印刷不良が生じた原因の解明を果たすとはできない。
ところで、本件出願人は、ユーザーである印刷会社に納入した製品に印刷不良が生じることを防止するため、印刷不良の発生原因を解明することに尽力しており、種々の実験を行って来た。その結果、印刷不良が生じる原因として、印刷用紙自体にあるのか、印刷機にあるのかを判断できるに至った。
そこで、この発明は、印刷不良が発生した場合の原因究明に寄与することができ、その際の対策を迅速に講じることができるようにした印刷機における紙の変動要因判定方法と変動要因判定装置を提供することを目的としている。
前記目的を達成するための技術的手段として、この発明に係る印刷機における紙の変動要因判定方法は、印刷機上を走行する印刷用紙の挙動を把握して、挙動に変化が生じた原因を判断する印刷機における紙の変動要因判定方法において、印刷機上を走行する印刷用紙の幅方向の両端部の変位の経時プロファイルと紙幅変化の経時プロファイルと蛇行の経時プロファイルと、印刷条件信号の経時プロファイルを比較し、前記両端部の変位の経時プロファイルと紙幅変化の経時プロファイルと蛇行の経時プロファイルの変化の挙動と各種の印刷条件の経時プロファイルの挙動とを比較対応させることにより、印刷機上を走行する印刷用紙の挙動の変動要因を判定することを特徴としている。
また、請求項2の発明に係る印刷機における紙の変動要因判定方法は、印刷機上を走行する印刷用紙の挙動を把握して、挙動に変化が生じた原因を判断する印刷機における紙の変動要因判定方法において、印刷機上を走行する印刷用紙の幅方向の両端部の変位と紙幅変化と蛇行の経時信号を高速フーリエ変換し、両端部の変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトルと蛇行のパワースペクトルを算出し、印刷条件信号の経時信号を高速フーリエ変換し、印刷条件信号のパワースペクトルを算出し、前記両端部変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトルと蛇行のパワースペクトルと、前記印刷条件信号のパワースペクトルとの変動周期を比較し、前記両端部変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトル、蛇行のパワースペクトルの変動周期の中で、前記各種の印刷条件のパワースペクトルの変動周期と一致する場合を印刷機要因による変動と判定し、それ以外の周期成分を紙要因の変動と判定することを特徴としている。
また、請求項3の発明に係る印刷機における紙の変動要因判定方法は、前記印刷条件に係る各種の印刷条件信号は、印刷速度と給紙テンションとインフィードテンションと出口テンションとダンサーロールの制御出力信号のうちの一つまたは複数であることを特徴としている。
また、この発明に係る印刷機における紙の変動要因判定装置は、印刷機上を走行する印刷用紙の挙動を把握して、挙動に変化が生じた原因を判断する印刷機における紙の変動要因判定装置において、印刷機の印刷部の出口側又は入口側と出口側双方に設置して、走行する印刷用紙の幅方向の両端部の位置の変位を検出する端部検出装置と、前記端部検出装置により検出された端部情報が入力され、走行する印刷用紙の両端部変位データと紙幅変化データと蛇行データとを算出するデータ処理装置と、印刷機の印刷条件に係る各種の印刷条件信号が入力され、印刷条件データを算出する印刷条件信号処理装置と、前記印刷条件信号処理装置から送出された印刷条件データと、前記データ処理装置で算出された両端部変位データと紙幅変化データと蛇行データとを受領して表示する表示手段とからなり、前記データ処理装置では、前記端部情報に対して前記両端部変位と紙幅変化、蛇行データとを算出し、前記印刷条件信号処理装置では、前記両端部変位と紙幅変化、蛇行、及び印刷条件信号に対して高速フーリエ変換を行って印刷条件のパワースペクトルを算出し、前記表示手段に前記それぞれのデータの経時プロファイルとパワースペクトルを表示し、印刷機上を走行する印刷用紙の幅方向の両端部の変位の経時プロファイルと紙幅変化の経時プロファイルと蛇行の経時プロファイルと、印刷条件信号の経時プロファイルを比較し、前記両端部の変位の経時プロファイルと紙幅変化の経時プロファイルと蛇行の経時プロファイルの変化の挙動と各種の印刷条件の経時プロファイルの挙動とを比較対応させることにより、印刷機上を走行する印刷用紙の挙動の変動要因を判定することを特徴としている。
前記表示手段に印刷条件に関する印刷条件の経時プロファイルと、両端部変位の経時プロファイル、紙幅変化の経時プロファイル、蛇行の経時プロファイルとが表示されることにより、これらを比較することができ、いずれかの値が定常時の値から大きく外れることが認められる場合には、走行している印刷用紙に断紙のおそれがあると判断して、印刷機を停止させる等の処置を行うことになる。
ところで、本件出願人は、種々の印刷用紙を一台の多色刷輪転印刷機に供して、走行する紙についてこれら印刷用紙についてそれぞれの端部情報を取得し、この端部情報から得られた前記両端部変位データと紙幅変化データと蛇行データと、前記各種の印刷条件データとを比較した。多色刷輪転印刷機に供した印刷用紙は、良品や一般品、先に印刷不良が生じた用紙の対策品とした。これらについて、前記経時プロファイルと前記変動周期とを比較したところ、いずれの印刷用紙についても、ほぼ一定の周期で紙幅の変動が認められた。このことは、走行する印刷用紙の端部の変動の要因が印刷用紙に起因するものではなく、印刷機の運転に起因するものであると判断できる。すなわち、いずれの印刷用紙についても一定周期で変動が生じるものであることから、この変動の原因が紙によるものでなく、印刷機固有のものであると判断できる。さらに、紙幅の変動周期が前記印刷条件データの中のインフィードテンションデータの変動周期と一致することが判明し、このことから、インフィードテンションが周期的に変動しており、その周期と一致して紙幅が変動すると認められる。前記印刷条件データの周期的な変動は印刷機に起因して生じるものであり、この変動と紙の両端部の変位や紙幅の変化、蛇行の発生が一致して生じる場合には、印刷機の運転に起因して生じると判断できる。そして、このような、印刷機の運転に起因して生じる紙幅の変化等が見当ズレやシワ、断紙の原因と考えられる。
他方、印刷条件データの経時プロファイルの変化や変動周期とは無関係に端部変位や紙幅変化、蛇行が発生した場合には、印刷用紙自体に起因して発生したものと判断することができるものである。
また、請求項5の発明に係る印刷機における紙の変動要因判定装置は、印刷機上を走行する印刷用紙の挙動を把握して、挙動に変化が生じた原因を判断する印刷機における紙の変動要因判定装置において、印刷機の印刷部の出口側又は入口側と出口側双方に設置して、走行する印刷用紙の幅方向の両端部の位置の変位を検出する端部検出装置と、前記端部検出装置により検出された端部情報が入力され、走行する印刷用紙の両端部変位データと紙幅変化データと蛇行データとを算出するデータ処理装置と、印刷機の印刷条件に係る各種の印刷条件信号が入力され、印刷条件データを算出する印刷条件信号処理装置と、前記印刷条件信号処理装置から送出された印刷条件データと、前記データ処理装置で算出された両端部変位データと紙幅変化データと蛇行データとを受領して表示する表示手段とからなり、前記データ処理装置では、前記端部情報に対して前記両端部変位と紙幅変化、蛇行データとを算出し、前記印刷条件信号処理装置では、前記両端部変位と紙幅変化、蛇行、及び印刷条件信号に対して高速フーリエ変換を行って印刷条件のパワースペクトルを算出し、前記表示手段に前記それぞれのデータの経時プロファイルとパワースペクトルを表示し、前記両端部変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトルと蛇行のパワースペクトルと、前記印刷条件信号のパワースペクトルとの変動周期を比較し、前記両端部変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトル、蛇行のパワースペクトルの変動周期の中で、前記各種の印刷条件のパワースペクトルの変動周期と一致する場合を印刷機要因による変動と判定し、それ以外の周期成分を紙要因の変動と判定することを特徴としている。
また、請求項6の発明に係る印刷機における紙の変動要因判定装置は、前記印刷条件に係る各種の印刷条件信号は、印刷速度と給紙テンションとインフィードテンションと出口テンションとダンサーロール出力信号のうちの一つまたは複数であることを特徴としている。
印刷機は正確な見当合わせのため、印刷部における印刷紙にテンションを付与すると共に、一定の速度で走行させる必要があり、特に多色刷輪転印刷機等のカラー印刷部では重要であり、印刷部における印刷速度やテンションの制御が行われている。このため、印刷部前後の印刷用紙のテンションや印刷速度を検出して、印刷部における走行が安定するようにしてある。この種のテンションとして、印刷用紙が巻き取られた巻取紙のブレーキ装置で制御される給紙テンションや印刷部の入口側で印刷部における走行紙のテンションを安定させるためのインフィードローラにより制御されるインフィードテンション、印刷部の出口側の出口テンションの出力信号などがある。
また、多色刷輪転印刷機において正確な見当合わせを行うためには、印刷用紙の左右方向の位置を正確に調節することが重要であり、通常この位置の調節には、印刷部の出口に配されたダンサーロールが用いられる。ダンサーロールは、ダンサーロール制御出力信号に基づき制御される。
この発明では、特に、これらのテンションや制御信号を印刷条件信号とし、これらの印刷条件信号を変動要因判定に利用するようにしたものである。これら印刷条件信号は印刷機に固有のデータであり、これらのデータと印刷用紙に関係する走行する紙の両端部変位データと紙幅変化データ、蛇行データとを比較することにより、印刷不良や断紙が生じた場合の要因の判定に供することしたものである。
この発明に係る印刷機における紙の変動要因判定方法と変動要因判定装置によれば、印刷機の運転中に印刷不良や断紙が生じた場合に、その要因が印刷用紙に起因するものであるか、印刷機に起因するものであるかを迅速に判定できる。このため、発生した印刷不良や断紙等に迅速に対処できて、早急に対策を施すことができ、印刷機の停止時間を短縮して、運転の効率化を図ることができる。
また、請求項3の発明に係る印刷機における紙の変動要因判定方法、または、請求項6の発明に係る印刷機における紙の変動要因判定装置によれば、既存の印刷機の運転制御のために設置されている各種の検出装置により取得されるデータを用いることができるから、既存の印刷設備に安価にこの変動要因判定装置を設置することができる。
この発明に係る印刷機における紙の変動要因判定装置の概略の構成を説明するためのブロック図である。 この発明に係る変動要因判定装置により捕捉される各種データ信号の経時プロファイルの一例を示す図である。 この発明に係る変動要因判定装置により細くされる各種データ信号の経時プロファイルの一例を示す図である。 図3に示す経時変化に高速フーリエ変換を施したパワースペクトルの一例を示す図である。 この発明に係る印刷機における紙の変動要因判定装置の他の実施形態の構成を説明するためのブロック図である。
以下、図示した好ましい実施の形態に基づいてこの発明に係る印刷機における紙の変動要因判定装置を具体的に説明する。なお、この実施形態では多色刷輪転印刷機を例として説明するが、他の種類や形式の印刷機であっても構わない。
図1はこの発明に係る印刷機における紙の変動要因判定装置の概略の構成を説明するブロック図である。輪転印刷機の印刷部1には、シアンとマゼンタ、イエロー、ブラックのインキを印刷用紙Pに転写する一対ずつのシアンロール1a、マゼンタロール1b、イエローロール1c、ブラックロール1dが具備されており、印刷用紙Pはこれら一対ずつのロール1a〜1dに挟持されながら走行することによりカラー印刷が施される。印刷用紙Pは巻取Rから巻解かれながら供給され、巻解かれた印刷用紙Pは給紙ロール2で給紙テンションが与えられて走行が案内される。印刷部1の入口側にはインフィードロール3が配されて、印刷部入口のテンションを安定させている。印刷部1の出口側には出口テンションを検出するための出口テンション検出ロール4が配されている。この出口テンション検出ロール4の下流側に印刷用紙Pの走行時の蛇行を制御するダンサーロール5が配されている。このダンサーロール5の下流側に、印刷用紙Pの幅方向の両端部に望ませて、端部検出装置としてエッジセンサ6が設けられている。このエッジセンサ6は印刷用紙Pの両端部の変位を検出しており、投光部と受光部とを備えた光学検出器が好ましく、光透過型と光反射型とのいずれであっても構わない。このエッジセンサ6による端部の検出信号により、印刷用紙Pの紙幅の変化や印刷用紙Pの蛇行の有無を検出する。
前記給紙ロール2とインフィードロール3、出口テンション検出ロール4のそれぞれにはロードセル等の検出手段が備えられており、印刷条件に係るテンション等が検出されている。また、ダンサーロール5は蛇行を調整する制御信号が出力されている。これら印刷条件信号は、それぞれ給紙テンション情報線2a、インフィードテンション情報線3a、出口テンション情報線4a、ダンサーロール制御情報線5aを介して汎用コンピュータ等による印刷条件信号処理装置10に送出され、経時プロファイル化、及び高速フーリエ変換(FFT)された印刷条件データが算出されパワースペクトル化される。この印刷条件信号処理装置10に接続された表示手段としてモニター11に、印刷条件信号の経時プロファイルとそのパワースペクトルとが表示される。また、印刷速度に関する情報信号が印刷速度情報線7aを介して印刷条件信号処理装置10に入力されており、この経時プロファイルとパワースペクトルも含まれる。
また、前記エッジセンサ6により検出された両端部に関する端部情報が、端部情報線6aを介してデータ処理装置12に送出されている。このデータ処理装置12では入力された端部情報に基づいて、印刷用紙の両端部の変位と紙幅の変化、印刷用紙の蛇行とを求める。これらのデータは、前記印刷条件信号処理装置10に送出され、前記印刷条件信号処理装置10にて、印刷用紙の両端部の位置と紙幅の変化、印刷用紙の蛇行の経時プロファイルと、FFT処理により両端部変位、紙幅変化と蛇行のパワースペクトルとを算出する。これら印刷用紙の両端部の変位と紙幅の変化、印刷用紙の蛇行の経時プロファイルと共に、算出された両端部変位データと紙幅変化データ、蛇行データのパワースペクトルとが、前記モニター11に表示される。なお、前記印刷条件信号処理装置10には図示しないプリンタが接続されており、モニター11に表示された前記信号やデータを印字することができるようにしてある。
以上により構成された印刷機における紙の変動要因判定装置により変動要因の判定について、図2と図3、図4とを参照しながら、以下に説明する。
図2は、前記エッジセンサ6により捕捉された印刷用紙1の走行時の紙幅変化信号21aと両端部変位信号22a、輪転印刷機のインフィードテンション信号24aのそれぞれの経時プロファイルの一例を示している。
図2において、インフィードテンション24aが減少した場合、両端部変位信号22a、及び紙幅変化信号21aが増加している。このため、この時点における紙幅の変化はインフィードテンションの変化に基づくものであり、輪転印刷機に要因があると判断できる。
図3は、前記エッジセンサ6により捕捉された印刷用紙1の走行時の紙幅変化信号21aと両端部変位信号22a、輪転印刷機の印刷速度信号23a、前記インフィードテンション信号24a、ダンサーロール制御信号25aのそれぞれの経時変化の一例を示している。図4は図3に示す各信号について高速フーリエ変換(FFT)を行って得られたパワースペクトルを示しており、それぞれ紙幅変化のパワースペクトル21b、両端部変位のパワースペクトル22b、印刷速度のパワースペクトル23b、インフィードテンションのパワースペクトル24b、ダンサーロール制御のパワースペクトル25bを示している。
図4において、インフィードテンションのパワースペクトル24bの振幅が増加した周波数S3では、紙幅変化のパワースペクトル21bの振幅も増加している。このため、この時点における紙幅の変化はインフィードテンションの変化に基づくものであり、輪転印刷機に要因があると判断できる。
一方、紙幅変化のパワースペクトル21bと紙端部変位のパワースペクトル22bの振幅が増加している周波数S1、S2では印刷条件に係るパワースペクトルについての周波数の増加は見られない。このため、これらの場合に生じる紙幅の変化や紙端部の変位は、輪転印刷機の運転とは無関係であって、印刷用紙に要因があると判断できる。
すなわち、前記両端部変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトル、蛇行のパワースペクトルの変動周期の中で、印刷機の印刷条件のパワースペクトルの変動周期と一致する場合には印刷機要因による変動と判断でき、前記両端部変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトル、蛇行のパワースペクトルが単独で変動する場合には印刷用紙に要因があると判断できるものである。
図5にはこの発明に係る印刷機における紙の変動要因判定装置の他の実施形態を示しており、印刷部1の平面視を模式的に示している。この実施形態は、前記エッジセンサ6同様なエッジセンサ8を印刷部1の入口側にも配置したものである。この入口側のエッジセンサも、印刷用紙Pの端部情報を捕捉して、前記データ処理装置12に端部情報線8aを介して送出するものである。この両端部情報に基づいて、前述と同様に、紙幅等の変動要因が印刷機にあるのか印刷用紙にあるのかを判断することができる。
この実施形態では、印刷条件信号として前記給紙ロール2とインフィードロール3、出口テンション検出ロール4のテンションとダンサーロール5から出力される制御信号、給紙速度の信号を利用したものとして説明したが、印刷機の印刷条件を規定するものであれば、他の印刷条件に関する信号を利用することもできる。例えば、非画線部のために噴霧される湿し水の供給量に対応した湿し水供給量信号や、この湿し水供給用電磁弁の開度信号、湿し水を印刷用紙が吸収し紙幅が増加するファンアウトを抑制するために設けられたアンチファンアウトロールの押込量信号やその制御信号等を印刷条件信号として利用することもできる。すなわち、印刷機上を走行する印刷用紙に影響を可能性がある要因について信号は、いずれのものであっても利用することができる。
この発明に係る印刷機における紙の変動要因判定方法と変動要因判定装置によれば、印刷機において印刷不良や断紙等が発生した場合の要因を把握することができるので、印刷不良等に迅速に対応することができ、印刷機の運転の効率化に寄与する。
P 印刷用紙
R 巻取
1 印刷部
2 給紙ロール
3 インフィードロール
4 テンション検出ロール
5 ダンサーロール
6 エッジセンサ(端部検出装置)
7 エッジセンサ(端部検出装置)
10 印刷条件信号処理装置
11 モニター(表示手段)
12 データ処理装置

Claims (6)

  1. 印刷機上を走行する印刷用紙の挙動を把握して、挙動に変化が生じた原因を判断する印刷機における紙の変動要因判定方法において、
    印刷機上を走行する印刷用紙の幅方向の両端部の変位の経時プロファイルと紙幅変化の経時プロファイルと蛇行の経時プロファイルと、印刷条件信号の経時プロファイルを比較し、
    前記両端部の変位の経時プロファイルと紙幅変化の経時プロファイルと蛇行の経時プロファイルの変化の挙動と各種の印刷条件の経時プロファイルの挙動とを比較対応させることにより、印刷機上を走行する印刷用紙の挙動の変動要因を判定することを特徴とする印刷機における紙の変動要因判定方法。
  2. 印刷機上を走行する印刷用紙の挙動を把握して、挙動に変化が生じた原因を判断する印刷機における紙の変動要因判定方法において、
    印刷機上を走行する印刷用紙の幅方向の両端部の変位と紙幅変化と蛇行の経時信号を高速フーリエ変換し、両端部の変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトルと蛇行のパワースペクトルを算出し、
    印刷条件信号の経時信号を高速フーリエ変換し、印刷条件信号のパワースペクトルを算出し、
    前記両端部変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトルと蛇行のパワースペクトルと、前記印刷条件信号のパワースペクトルとの変動周期を比較し、
    前記両端部変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトル、蛇行のパワースペクトルの変動周期の中で、前記各種の印刷条件のパワースペクトルの変動周期と一致する場合を印刷機要因による変動と判定し、それ以外の周期成分を紙要因の変動と判定することを特徴とする印刷機における紙の変動要因判定方法。
  3. 前記印刷条件に係る各種の印刷条件信号は、印刷速度と給紙テンションとインフィードテンションと出口テンションとダンサーロールの制御出力信号のうちの一つまたは複数であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の印刷機における紙の変動要因判定方法。
  4. 印刷機上を走行する印刷用紙の挙動を把握して、挙動に変化が生じた原因を判断する印刷機における紙の変動要因判定装置において、
    印刷機の印刷部の出口側又は入口側と出口側双方に設置して、走行する印刷用紙の幅方向の両端部の位置の変位を検出する端部検出装置と、
    前記端部検出装置により検出された端部情報が入力され、走行する印刷用紙の両端部変位データと紙幅変化データと蛇行データとを算出するデータ処理装置と、
    印刷機の印刷条件に係る各種の印刷条件信号が入力され、印刷条件データを算出する印刷条件信号処理装置と、
    前記印刷条件信号処理装置から送出された印刷条件データと、前記データ処理装置で算出された両端部変位データと紙幅変化データと蛇行データとを受領して表示する表示手段とからなり、
    前記データ処理装置では、前記端部情報に対して前記両端部変位と紙幅変化、蛇行データとを算出し、
    前記印刷条件信号処理装置では、前記両端部変位と紙幅変化、蛇行、及び印刷条件信号に対して高速フーリエ変換を行って印刷条件のパワースペクトルを算出し、
    前記表示手段に前記それぞれのデータの経時プロファイルとパワースペクトルを表示し、
    印刷機上を走行する印刷用紙の幅方向の両端部の変位の経時プロファイルと紙幅変化の経時プロファイルと蛇行の経時プロファイルと、印刷条件信号の経時プロファイルを比較し、
    前記両端部の変位の経時プロファイルと紙幅変化の経時プロファイルと蛇行の経時プロファイルの変化の挙動と各種の印刷条件の経時プロファイルの挙動とを比較対応させることにより、印刷機上を走行する印刷用紙の挙動の変動要因を判定することを特徴とする印刷機における紙の変動要因判定装置。
  5. 印刷機上を走行する印刷用紙の挙動を把握して、挙動に変化が生じた原因を判断する印刷機における紙の変動要因判定装置において、
    印刷機の印刷部の出口側又は入口側と出口側双方に設置して、走行する印刷用紙の幅方向の両端部の位置の変位を検出する端部検出装置と、
    前記端部検出装置により検出された端部情報が入力され、走行する印刷用紙の両端部変位データと紙幅変化データと蛇行データとを算出するデータ処理装置と、
    印刷機の印刷条件に係る各種の印刷条件信号が入力され、印刷条件データを算出する印刷条件信号処理装置と、
    前記印刷条件信号処理装置から送出された印刷条件データと、前記データ処理装置で算出された両端部変位データと紙幅変化データと蛇行データとを受領して表示する表示手段とからなり、
    前記データ処理装置では、前記端部情報に対して前記両端部変位と紙幅変化、蛇行データとを算出し、
    前記印刷条件信号処理装置では、前記両端部変位と紙幅変化、蛇行、及び印刷条件信号に対して高速フーリエ変換を行って印刷条件のパワースペクトルを算出し、
    前記表示手段に前記それぞれのデータの経時プロファイルとパワースペクトルを表示し、
    前記両端部変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトルと蛇行のパワースペクトルと、前記印刷条件信号のパワースペクトルとの変動周期を比較し、
    前記両端部変位のパワースペクトルと紙幅変化のパワースペクトル、蛇行のパワースペクトルの変動周期の中で、前記各種の印刷条件のパワースペクトルの変動周期と一致する場合を印刷機要因による変動と判定し、それ以外の周期成分を紙要因の変動と判定することを特徴とする印刷機における紙の変動要因判定装置。
  6. 前記印刷条件に係る各種の印刷条件信号は、印刷速度と給紙テンションとインフィードテンションと出口テンションとダンサーロールの制御出力信号のうちの一つまたは複数であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の印刷機における紙の変動要因判定装置。
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