JP2003165051A - ウェーハ研磨ヘッド - Google Patents

ウェーハ研磨ヘッド

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JP2003165051A JP2001364149A JP2001364149A JP2003165051A JP 2003165051 A JP2003165051 A JP 2003165051A JP 2001364149 A JP2001364149 A JP 2001364149A JP 2001364149 A JP2001364149 A JP 2001364149A JP 2003165051 A JP2003165051 A JP 2003165051A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ワックスレスマウント方式を採用しながら
も、ウェーハをチャックする能力が高いウェーハ研磨ヘ
ッドを提供する。 【解決手段】 本発明のウェーハ研磨ヘッド1は、ウェ
ーハWを片面研磨する研磨装置用のウェーハ研磨ヘッド
である。一方の主面がウェーハWの吸着面をなす可撓膜
2と、可撓膜2との接触面側に吸引用凹部3sを有する
円盤状の保持具3と、吸引用凹部3sとは隔離され容積
可変な昇降用チャンバ5を保持具3の直上に形成するフ
レーム4を備える。昇降用チャンバ5は第一気密部材7
によって気密が保持される。吸引用凹部3s内の圧力
と、昇降用チャンバ5内の圧力は各々独立に調整可能と
されており、吸引用凹部3s内を減圧して可撓膜2を吸
引用凹部3s内に吸引することによりウェーハWを可撓
膜2に吸着させる。そして、その状態から昇降用チャン
バ5内を減圧して該昇降用チャンバ5の容積を減じ、保
持具3と一体にウェーハWを研磨クロス34から浮上さ
せる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウェーハを片面研
磨する研磨装置用のウェーハ研磨ヘッド、特に、ワック
スレスマウント方式を採用したウェーハ研磨ヘッドに関
する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体デバイスの高集積化に伴
い、半導体ウェーハに要求される平坦度はますます厳し
くなっている。その反面、デバイスに用いられるウェー
ハは大口径化しているため、ウェーハの平坦度を向上さ
せることが困難になってきており、またそれが重要な課
題となっている。
【0003】ウェーハのマイクロラフネスを改善する、
つまり原子レベルでの平坦度を実現する技術の一つに、
化学−機械的研磨法(CMP法:Chemical-Mechanical
Polishing Method)がある。CMP法によるウェーハの
研磨は、研磨剤(スラリ)を供給しながら、ウェーハと
研磨クロスとの間に一定の荷重と相対速度を与えて行
う。片面研磨の場合だと、ウェーハは貼り付けブロック
に貼り付けられ、該貼り付けブロックを介して、研磨装
置の備える加圧機構(研磨ヘッド)により研磨中の荷重
や回転力を与えられる。
【0004】貼り付けブロックにウェーハをマウントす
る方法としては、予めウェーハに液状ワックスをスピン
コート等の方法により塗布しておき、その後、貼り付け
ブロックにマウントする方法が一般的である。研磨工程
終了後、ウェーハを貼り付けブロックからデマウント
(剥離)する。
【0005】ところが近年、米国カリフォルニア州に所
在するアプライドマテリアルズ社から発表されたウェー
ハ研磨システムは、驚くべきことに、長い間夢のマウン
ト方式といわれてきたワックスレスマウント方式を採用
したウェーハ研磨ヘッドを備えていた。この偉大な仕事
は、貼り付けブロックへのウェーハのマウント/デマウ
ント工程を全く消滅させた。アプライドマテリアルズ社
が開発したウェーハ研磨ヘッド100は次のようなもの
である。
【0006】図14に示すように、アプライドマテリア
ルズ社のウェーハ研磨ヘッド100は、ハウジング50
と、ダイアフラム51を介してハウジング50に連結さ
れたフレーム52とを備えている。フレーム52の下面
側には該フレーム52とほぼ同径のリテナーリング53
が取り付けられ、さらにそのリテナーリング53の内側
に拡がる空所にインナーチューブ54が配置されてい
る。インナーチューブ54の下方にはゴム製のフレクサ
ー55を介して、厚さ方向に貫通する多数の通孔Qを備
える保持具(メンブレンサポートともいう)56が配置
されている。メンブレンサポート56には、可撓膜(メ
ンブレンともいう)57が取り付けられており、メンブ
レンサポート56と接する側とは反対側がウェーハ吸着
面となっている。
【0007】圧力調整ラインは以下の独立な3系統に分
けられている。a)ハウジング50、ダイアフラム51
およびフレーム52によって形成される空間S1の加圧
/減圧を行なうラインL1。b)フレーム52、インナ
ーチューブ54およびメンブレンサポート56によって
形成される空間S2の加圧/減圧を行なうラインL2。
c)インナーチューブ54内を加圧するラインL3。ウ
ェーハWを吸着させるには、まずインナーチューブ54
を加圧してメンブレンサポート56側に膨らませ、イン
ナーチューブ54をフレクサー55に密着させる。する
と、メンブレンサポート56が押圧されてメンブレン5
7に密着する。
【0008】次に、空間S2を減圧する。すると、メン
ブレンサポート56の通孔Qにメンブレン57の一部が
撓んで入り込み、その結果、ウェーハWとメンブレン5
7との間に気密ポケットを生じ、ウェーハWがメンブレ
ン57に吸着する。丁度、吸盤にウェーハWを吸着させ
る感じである。また、空間S1を加圧ないし減圧する
と、リテナーリング53を含むフレーム52から下側部
分全体が上下動するようになっている。このようにし
て、ウェーハ研磨ヘッドに適用するのは困難と言われて
いたウェーハWを真空チャックする機構が実現されてい
る。
【0009】そして、システムのトランスファーステー
ションに搬送されてきたウェーハWは、上記ウェーハ研
磨ヘッド100にチャックされプラテン上に搬送され
る。研磨時には、空間S1,S2およびインナーチュー
ブ54内の圧力が調整され、ウェーハWとリテナーリン
グ53に荷重が与えられる。研磨終了後、ウェーハWは
再びチャックされてトランスファーステーションに戻さ
れる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、夢のマ
ウント方式にもいくつかの解決すべき問題が残されてい
る。その1つが、ウェーハWを吸着保持する力が今ひと
つ弱いという問題である。上記した構造を有するウェー
ハ研磨ヘッド100の場合、ウェーハWを真空チャック
しようとして吸引すると、ウェーハWが吸着されると同
時に、インナーチューブ54が変形してメンブレンサポ
ート56も一緒に引き上げられてしまう。すなわち、ウ
ェーハWを吸着するため吸引力は、純粋にウェーハWを
チャックするだけでなく、メンブレンサポート56を上
方へ引き上げる仕事も担っていることになり、メンブレ
ン57がウェーハWを吸着する力が弱まってしまう。ウ
ェーハの吸着圧力は、そのチャック動作中においても変
動しており、ウェーハWを安定して保持し難い。
【0011】吸着力が弱いことに基づく搬送ミスをなく
すために、研磨終了後、ウェーハWをチャックしてプラ
テンを覆う研磨クロスから離間させる際には、該研磨ク
ロスの周縁からはみ出る位置までウェーハWを一旦移動
させてから、上記したチャック動作を行なうようにして
いる。そうすると、研磨クロスに接触している面積が小
さくなるので、ウェーハWは研磨クロスから離間し易く
なる。というのも、研磨クロス上のウェーハWには以下
の作用が働くためである。a)多孔質の研磨クロスの有
する微細な空孔が吸盤として働き、ウェーハWを吸着す
る作用。b)スラリの表面張力がウェーハWとの間に働
き、ウェーハWを吸着する作用。
【0012】問題は、ここにある。すなわち、ウェーハ
Wがプラテンからはみ出た状態でも、ウェーハWとプラ
テンとは遊星運動を続けているため、研磨クロスと接触
していない部分と、接触している部分とが生じ、研磨量
がばらついてしまう。
【0013】プラテンの回転動作を停止させてからウェ
ーハWを持ち上げるようにすればよいではないか、と言
う人もいるだろうから補足すると、スラリが載っている
状態でプラテンの回転(ひいては研磨クロスの回転)を
停止させることは普通はできない。回転を止めると、繊
細な多孔質の研磨クロス中に含まれるスラリの化学作用
により、ウェーハの表面状態が悪化してしまう。だか
ら、ウェーハWを研磨クロスから浮上させる動作は、ス
ラリを洗浄水で洗い流す動作と平行して行なう必要があ
り、プラテンを停止させるわけにはいかない。
【0014】上記問題に鑑み、本発明は、ワックスレス
マウント方式を採用しながらも、ウェーハをチャックす
る能力が高いウェーハ研磨ヘッドを提供することを課題
とする。
【0015】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記課題
を解決するために本発明のウェーハ研磨ヘッドは、ウェ
ーハを片面研磨する研磨装置用のウェーハ研磨ヘッドで
あって、一方の主面がウェーハの吸着面をなす可撓膜
と、可撓膜の吸着面とは反対側に配置され、可撓膜との
接触面側に吸引用凹部を有する円盤状の保持具と、吸引
用凹部とは隔離された容積可変な昇降用チャンバを保持
具の直上に形成するフレームとを備え、吸引用凹部を満
たす流体と、昇降用チャンバを満たす流体とを各々独立
に吸引および圧縮可能とされ、吸引用凹部を満たす流体
を吸引して可撓膜にウェーハを吸着させ、その状態から
昇降用チャンバの容積を減じ、保持具と一体にウェーハ
を浮上させるように構成されていることを特徴とする。
【0016】上記本発明は、ワックスをウェーハに塗布
してセラミック等でできた固定具に貼り付ける準備が必
要ない、いわゆるワックスレスマウント方式を採用した
ウェーハ研磨ヘッドに関する発明である。その研磨ヘッ
ドの要旨は、上記したように、保持具に形成された吸引
用凹部を満たす流体を吸引して、ウェーハを可撓膜に吸
着させる。
【0017】前述したように、アプライドマテリアルズ
社の開発した研磨ヘッドは、ウェーハをメンブレン(可
撓膜)に吸着させようとすると、メンブレンサポート
(保持具)まで一緒にフレーム側に吸い付けられるよう
な構造になっている。だから、ウェーハを吸着する力が
不足する。本発明品はそうではなく、ウェーハを吸着す
る吸引経路と、ウェーハを可撓膜および保持具と一体に
引き上げる吸引経路とを完全に分離してしまった点に特
徴がある。
【0018】これにより、ウェーハが可撓膜に吸い付く
力を格段に強くできる。そして、ウェーハが確実に吸着
保持された、その状態を維持しつつウェーハを研磨クロ
スから離間させることが可能となる。また、ウェーハの
吸着圧力を常に一定に保つことができるため、ウェーハ
を安定して保持できる。従って、ウェーハの研磨面が均
等に研磨クロスに接した状態からでも、ウェーハを研磨
クロスから一気に離間させることが可能になり、研磨量
にバラツキが生じることは全く無い。だから、非常に平
坦度の高い、研磨されたウェーハを提供できる。
【0019】ウェーハを可撓膜に吸着させるために、具
体的に以下の構成を示せる。すなわち、上記したウェー
ハ研磨ヘッドにおいて、可撓膜とウェーハとが密着した
状態を維持しつつ、吸引用凹部を満たす流体を吸引した
場合、該吸引用凹部内に可撓膜が引き込まれることによ
り該可撓膜にウェーハが吸着するように構成することが
できる。このようにすると、保持具の吸引用凹部以外の
部分と可撓膜とが密着するとともに、吸引用凹部内に撓
んで入り込んだ可撓膜とウェーハとの間に気密ポケット
が生じ、ウェーハが該可撓膜に吸着する。吸引用凹部を
有する保持具は、ウェーハが可撓膜に吸着した状態を保
つ。
【0020】また、前述したウェーハ研磨ヘッドの備え
る可撓膜に、厚さ方向に貫通する通口が形成された構成
も採用可能である。このようにすると、吸引用凹部内を
満たす流体を吸引することにより、研磨側とは反対側が
減圧され、ウェーハが可撓膜に吸着する。
【0021】また本発明は、300mmウェーハに対応
した枚葉式のウェーハ研磨装置に対する適性が格別であ
る。300mmウェーハは、そのハンドリングの難しさ
からバッチ処理に向かないし、製造工程の自動化の観点
から見たとき、研磨の分野においても枚葉式が主流にな
る。そうだとすれば、ウェーハをより一層確実に搬送で
きるワックスレスマウント式のウェーハ研磨ヘッドが望
まれるため、本発明が有効となる。
【0022】
【発明の実施の形態】以下、添付の図面を参照しつつ本
発明の実施形態を説明する。図1は、本発明のウェーハ
研磨ヘッド1の縦断面図である。吸着すべきウェーハW
の厚さ方向に平行な断面を表している。図2は、そのウ
ェーハ研磨ヘッド1が装着される一例のCMP装置20
0を示す模式図である。図3は、図2のCMP装置20
0における研磨ステーション201の上面図である。図
2および図3に示すように、CMP装置200は、ウェ
ーハWを1枚毎に加工する枚葉式研磨装置として構成さ
れている。研磨ステーション201には、上面に研磨ク
ロス34が貼着された複数のプラテン33が配置されて
いる。各プラテン33,33は、図示しないサーボモー
タで各々独立に回転駆動される。スラリ調合ユニット3
0から送られてくるポリッシングスラリは、図3に示す
ように、各研磨クロス34に対応する形で設けられた供
給アーム36より研磨クロス34上に供給される。供給
アーム36は、各種薬液やリンスの供給源としても兼用
される。研磨クロス調整装置37は、研磨クロス34の
表面状態を良好に保つ。トランスファーステーション2
02に準備されたウェーハWは、搬送用ロボット(図示
せず)によってウェーハ待機位置35に移載される。そ
の後、ウェーハ研磨ヘッド1にチャックされ研磨位置ま
で運ばれる。研磨が終了して回収する際にも、同じくウ
ェーハ待機位置35から研磨ステーション201の外部
に運び出される。
【0023】ウェーハWを片面研磨するCMP装置20
0用のウェーハ研磨ヘッド1は、ウェーハWを直接チャ
ックして搬送/研磨するワックスレスマウント方式を採
用した研磨ヘッドとして構成されている。ウェーハ研磨
ヘッド1は、ヘッド駆動機構39に連結された垂直駆動
部31に装着されて、プラテン33あるいはウェーハ待
機位置35への上下方向の接近/離間が行なわれる。垂
直駆動部31は、ウェーハ研磨ヘッド1を回転駆動させ
るためシャフト、およびウェーハ研磨ヘッド1の内部に
形成される部屋を満たす流体の流通経路11,12を内
蔵する。ウェーハ研磨ヘッド1の内部を満たす流体は、
空気とするのが普通であるが、水やアルコール等の液体
も不可ではない。ウェーハ研磨ヘッド1の内部から延び
る流通経路11,12は、真空ポンプ40、圧縮機41
および電磁バルブ25等を含む圧力調整装置400に接
続されている(図1参照)。ヘッド駆動機構39には、
4つの垂直駆動部31が連結されている。ヘッド駆動機
構39は、ウェーハ研磨ヘッド1が装着された垂直駆動
部31を水平方向に駆動して、各プラテン33,33,
33およびウェーハ待機位置35のそれぞれの真上に移
動させる。これにより、ウェーハ待機位置35から研磨
位置までのウェーハWの搬送が行なわれる。すなわち、
ウェーハ研磨ヘッド1はウェーハWのキャリアとしての
機能を有する。
【0024】次に、ウェーハ研磨ヘッド1の具体的な構
成を説明する。図1に示すように、ウェーハ研磨ヘッド
1は、一方の主面がウェーハWの吸着面をなす可撓膜2
と、可撓膜2の吸着面とは反対側に配置され、可撓膜2
との接触面側に吸引用凹部3sを有する円盤状の保持具
3と、吸引用凹部3sとは隔離された容積可変な昇降用
チャンバ5を保持具3の直上に形成するフレーム4とを
備えている。可撓膜2は、軟質のゴム材料によるもので
ある。保持具3はそれよりも硬質のプラスチック材料、
たとえばポリプロピレン樹脂やABS樹脂、あるいは金
属部材などを例示できる。フレーム4は、CMP装置2
00の垂直駆動部31に取り付けられる剛性の高い金属
部材とされる。
【0025】前述したように、ウェーハ研磨ヘッド1の
流通経路11,12に接続された圧力調整装置400の
働きにより、吸引用凹部3sを満たす流体と、昇降用チ
ャンバ5内を満たす流体とを各々独立に吸引および圧縮
可能とされている。最良の形態では、流体が空気とされ
る。たとえばコンピュータ装置と、それに記憶されたシ
ーケンスプログラムに基づいて、電磁バルブ25、真空
ポンプ40および圧縮機41が制御され、吸引用凹部3
sおよび昇降用チャンバ5内が、加圧、減圧、大気開放
のいずれかの圧力状態に調整される。
【0026】ウェーハWを吸着保持する場合には、保持
具3の吸引用凹部3sを満たす空気を吸引して該吸引用
凹部3s内を減圧し、可撓膜2にウェーハWを吸着させ
る。そして、その状態から昇降用チャンバ5内を減圧し
て該昇降用チャンバ5の容積を減じ、保持具3と一体に
ウェーハを浮上させる仕組みである。すなわち、ウェー
ハ研磨ヘッド1は、ウェーハWを吸着するための吸引
経路、ウェーハW、ウェーハWを吸着した可撓膜2お
よび保持具3の3者を一体的に垂直方向にリフトするた
めの吸引経路、の全く別系統の2つの吸引経路(流通経
路11,12)を有している。この構成により、ウェー
ハWの吸着力を高めるとともに、吸着力を常に一定に保
つことに成功している。従って、各プラテン33,3
3,33間、あるいはそれらプラテン33とウェーハ待
機位置35との間を、ウェーハWを移す際の搬送ミスが
極めて起こり難い。また、吸引経路を2系統としたこと
によって、ヘッド構造そのものが簡素なものとなってお
り、部品点数の低減に寄与している。
【0027】図1に示す好適な実施形態においては、可
撓膜2とウェーハWとが密着した状態を維持しつつ、吸
引用凹部3s内を減圧した場合、該吸引用凹部3s内に
可撓膜2が引き込まれることにより該可撓膜2にウェー
ハWが吸着するように構成されている。この様子は、図
5を用いて説明できる。図5は、可撓膜2が吸引されて
ウェーハWがチャックされる様子を示す模式図である。
ウェーハWに余分な圧力がかからないようにウェーハ研
磨ヘッド1自体をウェーハWに近接させ、保持具3の堤
部3kと可撓膜2とがなるべく密着するように昇降用チ
ャンバ5内の圧力を調整する。そうすると、ウェーハW
を可撓膜2に吸着させ易い。真空ポンプ40を作動させ
て、吸引用凹部3s内の空気を排出すると、可撓膜2の
堤部3kに接しない部分は、撓んで吸引用凹部3s内に
引き込まれる。その結果、ウェーハWと可撓膜2との間
に気密ポケット26が生じ、ウェーハWが可撓膜2に吸
着する。
【0028】また、図9に示すように、可撓膜2には、
厚さ方向に貫通する通口2sが形成された形態も採用可
能である。通口2は、ウェーハWの裏面と吸引用凹部3
sとに開口している。通口2sは、保持具3に形成され
た吸引用凹部3sの各々に対応する形にて設けられる。
このように、可撓膜2に孔(通口2s)が開けられたと
しても、該可撓膜2とウェーハWとが密着して吸引用凹
部3sの気密が保たれるならば、ウェーハWをチャック
して研磨クロス34から離間させ得る。可撓膜2と、ウ
ェーハWの周縁部Wkとの気密を保てるならば、研磨時
においても、吸引用凹部3s内を研磨に必要な圧に保つ
ことができる。
【0029】さて、ウェーハ研磨装置1の詳細な構造に
ついて説明する。まず、保持具3と可撓膜2との間に、
吸引用凹部3sが開放した研磨用チャンバ6が形成され
るように各部材を配置することができる。吸引用凹部3
sにつながる研磨用チャンバ6を可撓膜2と保持具3と
の間に形成すると、保持具3と可撓膜2とが接しないよ
うにすることもできる。つまり、保持具3の重みが可撓
膜2に及ばないようになるため、ウェーハWを付勢する
際の圧力にバラツキが生じることを抑制し、研磨量を均
一にできる。このような操作は、吸引用凹部3sおよび
昇降用チャンバ5の圧力調整に基づく。なお、詳細は後
述するが、図1に示す本実施形態では、可撓膜2と保持
具3とが直接接続されない構造を工夫している。
【0030】ここで、図4(a)に保持具3の下面図、
同じく(b)に断面図を示す。(a)に示すように、吸
引用凹部3sは、保持具3における可撓膜2と対向する
側に分散形態で複数形成されている。そして、それら複
数の吸引用凹部3s同士を連通する溝3tが設けられて
いる。可撓膜2が吸引用凹部3sを覆った後も、可撓膜
2を吸引し続けるためには、各々の吸引用凹部3sに吸
引力が働くようにする必要がある。そこで、上記のよう
に、互いの吸引用凹部3s,3sに空気が出入り可能と
なるように溝3tを設ける。そうすると、全部の吸引用
凹部3sが空間的に繋がるため、加圧/吸引経路を1つ
にまとめることができ、当該ウェーハ研磨ヘッド1の構
造を簡略化できるし、圧力調整も容易になる。
【0031】図1に示すように、昇降用チャンバ5内の
圧力調整は、流通経路11を通じて行なわれる。吸引用
凹部3s内の圧力調整は、流通経路12を通じて行なわ
れる。そして、本実施形態においては、任意の1箇所の
吸引用凹部3sにおいて、昇降用チャンバ5側に向けて
保持具3を貫通する通口22が形成されており、該通口
22に対してシール部材28を介して流通管27の一端
が接続されている。流通管27の他端は流通経路12に
つながっている。流通管27は、保持具3の昇降にとも
なって伸縮できる部材が使用される。
【0032】図4(a)に示すように、保持具3に形成
された溝3tは、分散形態で設けられた吸引用凹部3s
の各々をつなぐ網目構造を呈している。また、(b)に
示すように溝3tの深さは、吸引用凹部3sの深さと概
ね同等とするのがよい。そうすれば、可撓膜2が吸着し
た際に溝3tが塞がってしまい、十分な吸着力が得られ
なくなるという不具合も防止される。
【0033】さて、図1に戻って説明する。保持具3
は、昇降用チャンバ5の容積変化を許容する第一気密部
材7を介してフレーム4に接続されており、該フレーム
4を支点として上下動可能に構成されている。つまり、
フレーム4と研磨クロス34との距離を固定して、昇降
用チャンバ5の容積を変更することによって、保持具3
と研磨クロス34との距離、ひいてはウェーハWと研磨
クロス34との距離調整を行なうことができる。チャッ
クしたウェーハWを研磨クロス34から離間させる際に
も、フレーム4の位置を変更する必要がない。
【0034】より具体的には、フレーム4は、保持具3
との間に昇降用チャンバ5を形成する凹部20,21を
有し、その凹部20,21の内側部分と保持具3の外周
部14との隙間を第一気密部材7が塞いで昇降用チャン
バ5の密閉状態を生じさせている。それとともに、第一
気密部材7の働きによって、フレーム4の内側を保持具
3が昇降して昇降用チャンバ5の容積変化を生じさせる
ように構成されている。このように、第一気密部材7
は、昇降用チャンバ5の気密状態を保つだけでなく、保
持具3の昇降機構としても兼用されており、部品点数の
低減に寄与している。なお、本明細書中でいう上下方向
とは、当該ウェーハ研磨ヘッド1の回転軸線Oと平行な
方向を表し、ウェーハWを保持する側が下方向、それと
反対側が上方向とされる。
【0035】上記第一気密部材7には、可撓性を有する
樹脂製シール材を好適に採用できる。さらにいうと、他
部材との密着性に優れるゴム材がよい。そうすれば、第
一気密部材7がダイアフラムとして機能し、上記した昇
降機構を容易に具体化できる。また、樹脂製シール材
は、気密を保ち易いという点においても優れる。なお、
第一気密部材7が接続される保持具3の外周部14は、
該保持具3との周方向全域にわたって一体に形成される
リング状部分であって、上方側に延びている。つまり、
そのリング状部分(保持具3の外周部14)に取り付け
られる第一気密部材7自身もリング状部材とされる。ま
た、第一気密部材7に剛性が不足するような場合には、
ガラス繊維で強化されたゴム材なども使用可能である。
【0036】一方、可撓膜2の固定方法に関していえ
ば、本実施形態では以下のようにしている。すなわち、
可撓膜2を周方向に取り囲み、直接または他部材を介し
て可撓膜2に連結されるリテナーリング9が、研磨用チ
ャンバ6の容積変化を許容する第二気密部材8を介して
フレーム4に取り付けられる。そして、吸引用凹部3s
内の空気圧を調整することにより、リテナーリング9に
連結された可撓膜2がウェーハWを付勢するように構成
されている。つまり、研磨用チャンバ6は少なくとも可
撓膜2、保持具3、リテナーリング9およびフレーム4
によって気密が確保されるとともに、該研磨用チャンバ
6の容積変化に基づいて、可撓膜2と保持具3との接近
/離間を制御できる。
【0037】なお、第二気密部材8はウェーハWの研磨
時において、ウェーハ研磨ヘッド1の回転軸線Oに近づ
くほど下となる向きに傾斜するよう、その寸法、リテナ
ーリング9およびフレーム4への取り付け位置、可撓性
等が調整される。具体的には、図11の模式図に示すよ
うに、軸線Oと平行な断面におけるその傾斜の延長線
が、ウェーハWの研磨面の中心Aに重なるようにする。
このようにすると、リテナーリング9、ひいては可撓膜
2に回転モーメントを作用させないようにできる。従っ
て、ウェーハWの全体に、均一な研磨圧力を付与するこ
とができる。より完全な説明は、K.Tanakaらによる日本
国特許第2770730号(発明の名称「ウエーハ研磨
装置」、本発明の譲受人に譲渡)に開示され、その全内
容を本発明に援用できる。
【0038】さて、ウェーハWを可撓膜2に吸着させる
際には、可撓膜2と保持具3とを密着させる(図5参
照)。逆に、ウェーハWを研磨する際には、可撓膜2は
保持具3と接しない方が好ましい。本発明によれば、昇
降用チャンバ5および吸引用凹部3s(ひいては研磨用
チャンバ6)の圧力調整に基づいて、可撓膜2と保持具
3との接触/非接触状態を容易に作りだすことができ
る。なお、第二気密部材8としては、第一気密部材7同
様に可撓性を有する樹脂製シール材により構成すること
ができる。そうすれば、保持具3とフレーム4との接続
に第一気密部材7を使用したケースと全く同様の効果が
得られる。
【0039】第一気密部材7および第二気密部材8に樹
脂製シール材を採用した場合、それら気密部材7,8と
他部材(保持具3、フレーム4およびリテナーリング
9)との接続は、図6に示すように、ボルト締結によっ
て実現できる。図6は、第二気密部材8とリテナーリン
グ9との接続方法を示す分解図である。リング状の扁平
ゴム部材たる第二気密部材8には、その内側部において
厚さ方向(ウェーハ研磨ヘッド1の上下方向に相当)に
貫通する貫通孔8aが周方向複数箇所に概ね等角度間隔
で設けられている。同様に、外側部において貫通孔8b
が形成されている。同様に、クランプ15にも貫通孔1
5aが形成されている。リテナーリング9の上端面9p
には雌ねじ9aが形成されている。各部材を締結する場
合には、ボルトVOを孔15a,孔8aの順に挿通し、
雌ねじ9aに螺合させる。第二気密部材8の貫通孔8b
は、該第二気密部材8の外周部をフレーム4に係止する
ためのものである(図1参照)。図1から分かるよう
に、上記した締結方法、すなわちクランプ13,15,
16,17とボルトVOとを用い、各気密部材7,8と
他部材(保持具3、フレーム4、リテナーリング9)と
の接続が行われ、気密が保たれる。
【0040】また、フレーム4の凹部は、下方側が広口
の段付き凹部20,21とされている。その段付き形状
を利用して、第一気密部材7と、該第一気密部材7より
も径大の第二気密部材8とがそれぞれフレーム4に取り
付けられる。このようにすれば、上下方向において保持
具3とリテナーリング9とが互いに接触し、当該ウェー
ハ研磨ヘッド1のスムーズな動作、すなわち保持具3の
昇降動作が妨げられる恐れもない。ひいては、ウェーハ
Wの吸着力の低下を招く恐れも少ない。具体的には、図
1に示すように、フレーム4における最も広口の凹部2
1に隣接する下端面4rとリテナーリング9の上端面9
qとにまたがる位置関係で第二気密部材が配置される。
同様に、段付き凹部20,21によってフレーム4に形
成される段付き面4qと、保持具3の外周部上端面14
rとにまたがる位置関係で第一気密部材が配置される。
このようにして、リテナーリング9の内側を保持具3が
昇降するようになっている。
【0041】また、各気密部材7,8として可撓性を有
するシール材を採用する代わりに、部材間の隙間をシー
ル可能なOリングのような摺動部材を採用した別形態を
図10に示す。図10に示すウェーハ研磨ヘッド1aで
は、Oリング281が第一気密部材7の代替、Oリング
282が第二気密部材8の代替となっている。あるい
は、第一気密部材7および第二気密部材8のいずれか一
方のみにOリングを適用してもよいことはもちろんであ
る。図10に示すように、凹状の形態を有するフレーム
4の内側において、保持具3はOリング281と摺動可
能に保持されている。同様に、フレーム4の外周面にお
いて、リテナーリング9はOリング282と摺動可能に
保持されている。リテナーリング9には、落下防止ピン
27が取り付けられているが、フレーム4に対する該リ
テナーリング9の上下方向の相対移動は適度に許容され
るように調整されている。
【0042】図1の好適な実施形態に戻り説明する。可
撓膜2とリテナーリング9との連結方法としては、次の
ようにすることができる。すなわち、ウェーハ研磨ヘッ
ド1においては、リテナーリング9と可撓膜2とを周方
向全域にわたってまたがるテーンプレート10が、その
リテナーリング9の下端面9rおよび可撓膜2の吸着面
側に設けられている。そして、そのテーンプレート10
と可撓膜2とによって形成される浅い凹所にウェーハW
が配置されて研磨が行われる。このように、リテナーリ
ング9に直接可撓膜2を接続せず、テーンプレート10
を介在させることにより、ウェーハWは可撓膜2の周縁
部を除いた部分、すなわち円板状の可撓膜2のなるべく
中央付近から圧力を付与されるようになる。すなわち、
研磨時においてウェーハWは可撓膜2からより均一に圧
力を受けることになり、圧力の不均一に基づいて研磨量
がばらつくといった不具合が効果的に抑制される。
【0043】図7に示すように、テーンプレート10の
厚さは、たとえば研磨が終了したウェーハWとほぼ同等
の厚さとするのがよい。すなわち、研磨前のウェーハW
とテーンプレート10との厚さの差dが、目標とする研
磨量になる。本図においては、理解のために厚さの差は
誇張されている。すなわち、ウェーハWの研磨量dが1
00nm程度、あるいはそれ以下の場合もある。それに
比べ、ウェーハWの厚さは、一般には700〜800μ
m程度であるから、テーンプレート10と研磨前のウェ
ーハWとは、見た目にはほとんど同じ厚さを有する。な
お、テーンプレート10には、たとえばフェノール樹
脂、ポリエステル、エポキシ樹脂、メラミン樹脂および
シリコン系樹脂等の中から選ばれる1または複数の樹脂
と、ガラス布とからなる樹脂板を積層させた積層板を好
適に使用できる。そして、リング状に調整されたそれら
の樹脂板を、接着剤等を用いて可撓膜2に貼着するとよ
い。
【0044】また、図1および図8に示すように、可撓
膜2の周縁部と保持具3の周縁部とが、該保持具3の上
下動方向で重なるように調整されている。従って、吸引
用凹部3sおよび昇降用チャンバ5を満たす空気の圧お
よび/または量を調整することに基づいて、テーンプレ
ート10に支持される形にて保持具3の周縁部が可撓膜
2と密着可能とされている。保持具3と可撓膜2とが密
着できれば、ウェーハWが可撓膜2に吸着するきっかけ
を作り易くなる。結果として、ウェーハWが可撓膜2に
スムーズに吸着されるようになる。
【0045】さて、以上に説明した本発明のウェーハ研
磨ヘッド1を用い、ウェーハWを研磨する動作を説明す
る。図12,13に示すStep1〜14は、ウェーハ
研磨ヘッド1の一連の動作を示している。
【0046】(ウェーハWがウェーハ待機位置35から
研磨クロス34上に搬送される動作) 待機状態:研磨用チャンバ6、吸引用凹部3sおよび昇
降用チャンバ5は大気開放されている。なお、図12,
13中に示す下方向の矢印は、圧縮空気を送って、大気
圧よりも加圧することを意味する。上方向の矢印は吸引
して、大気圧よりも減圧することを意味する。破線+白
抜き矢印は大気開放を意味する。 Step1:吸引用凹部3sの圧力が大気圧に維持され
つつ、昇降用チャンバ5内が減圧されて該昇降用チャン
バ5の容積が減少する。それとともに、フレーム4に対
して保持具3が上方向に相対移動する。 Step2:Step1の状態が維持されつつ、ウェー
ハ待機位置35に準備されたウェーハWに対して、ヘッ
ド駆動機構39によりウェーハ研磨ヘッド1の位置合わ
せが行なわれる。なお、Step1の前にヘッド駆動機
構39によってウェーハ研磨ヘッド1の位置合わせが行
なわれるようにしてもよい。このとき、保持具3が可撓
膜2に、可撓膜2がウェーハWに密着するよう、吸引用
凹部3s内の圧力を調節してもよい。 Step3:昇降用チャンバ5内が加圧される。その次
に、吸引用凹部3sおよび研磨用チャンバ6が減圧さ
れ、可撓膜2が吸引用凹部3s内に引き込まれてウェー
ハWがチャックされる。このとき、ウェーハWは依然ウ
ェーハ待機位置35に接触したままである。 Step4:ウェーハWがチャックされたStep3の
状態が維持されつつ、昇降用チャンバ5内が減圧され
る。すると、ウェーハWと、ウェーハWをチャックした
可撓膜2および保持具3が一体的に上昇して、ウェーハ
Wがウェーハ待機位置35から離間する。 Step5:ヘッド駆動機構39により、ウェーハWが
ウェーハ待機位置35から研磨クロス34上まで搬送さ
れる。
【0047】(ウェーハWが研磨される動作) Step6:ヘッド駆動機構39の働きによって、ウェ
ーハ研磨ヘッド1が研磨クロス34に接近する。 Step7:昇降用チャンバ5内が加圧されて、該昇降
用チャンバ5の容積が増加し、ウェーハW、可撓膜2お
よび保持具3が一体的に下降する。このとき、吸引用凹
部3sは減圧状態に維持される。 Step8:吸引用凹部3s内が加圧される。 Step9:昇降用チャンバ5内が減圧される。する
と、保持具3は上昇する。この状態が保たれてウェーハ
Wが研磨される。なお、吸引用凹部3sおよび研磨用チ
ャンバ6内の圧力は所定の研磨圧力に調整される。
【0048】(研磨済みウェーハWがウェーハ待機位置
35へ戻される動作) Step10:昇降用チャンバ5内が加圧されるととも
に、保持具3が可撓膜2に、可撓膜2がウェーハWに密
着するよう、吸引用凹部3s内の圧力が調節される。 Step11:吸引用凹部3sおよび研磨用チャンバ6
が減圧されウェーハWがチャックされる。このとき、ウ
ェーハWは依然研磨クロス34に接触したままである。 Step12:ウェーハWがチャックされたStep1
1の状態が維持されつつ、昇降用チャンバ5内が減圧さ
れる。すると、ウェーハWと、ウェーハWをチャックし
た可撓膜2および保持具3が一体的に上昇して、ウェー
ハWが研磨クロス34から離間する。 Step13:ヘッド駆動機構39により、ウェーハ研
磨ヘッド1自体が研磨クロス34から遠ざかる。 Step14:ヘッド駆動機構39により、ウェーハ研
磨ヘッドにチャックされたウェーハWがウェーハ待機位
置35まで搬送される。そののち、吸引用凹部3s内が
大気開放されてウェーハWがデチャックされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のウェーハ研磨ヘッドの縦断面図。
【図2】図1のウェーハ研磨ヘッドが装着されるCMP
装置の一例を示す概略図。
【図3】図2に続くCMP装置の上面図。
【図4】保持具の下面図および断面図。
【図5】可撓膜が吸引されてウェーハがチャックされる
様子を示す模式図。
【図6】気密部材とリテナーリングとの接続方法を示す
分解図。
【図7】テーンプレートの厚さ調整の例を示す模式図。
【図8】可撓膜と保持具との位置関係を説明する模式
図。
【図9】ウェーハの裏面側と吸引用凹部とに開口する通
口が形成された可撓膜の断面模式図。
【図10】フレーム、保持具およびリテナーリングの接
続形態の別例を示す縦断面図。
【図11】第二気密部材と、フレームおよびリテナーリ
ングとの接続位置関係を説明する模式図。
【図12】ウェーハをウェーハ待機位置から研磨クロス
上まで移載して研磨する動作を説明する工程説明図。
【図13】図12に続き、ウェーハを研磨クロスから離
間させてウェーハ待機位置に移載する動作を説明する工
程説明図。
【図14】ワックスレスマウント方式を採用した従来の
ウェーハ研磨ヘッド。
【符号の説明】
1 ウェーハ研磨ヘッド 2 可撓膜 2s 通口 3 保持具 3s 吸引用凹部 3t 溝 4 フレーム 5 昇降用チャンバ 6 研磨用チャンバ 7 第一気密部材 8 第二気密部材 9 リテナーリング 9r リテナーリングの下端面 10 テーンプレート 20,21 凹部(段付き凹部) 200 CMP装置(研磨装置) W ウェーハ

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ウェーハを片面研磨する研磨装置用のウ
    ェーハ研磨ヘッドであって、 一方の主面がウェーハの吸着面をなす可撓膜と、前記可
    撓膜の吸着面とは反対側に配置され、前記可撓膜との接
    触面側に吸引用凹部を有する円盤状の保持具と、前記吸
    引用凹部とは隔離された容積可変な昇降用チャンバを前
    記保持具の直上に形成するフレームとを備え、 前記吸引用凹部を満たす流体と、前記昇降用チャンバを
    満たす流体とを各々独立に吸引および圧縮可能とされ、 前記吸引用凹部を満たす流体を吸引して前記可撓膜にウ
    ェーハを吸着させ、その状態から前記昇降用チャンバの
    容積を減じ、前記保持具と一体にウェーハを浮上させる
    ように構成されていることを特徴とするウェーハ研磨ヘ
    ッド。
  2. 【請求項2】 前記可撓膜とウェーハとが密着した状態
    を維持しつつ、前記吸引用凹部を満たす流体を吸引した
    場合、該吸引用凹部内に前記可撓膜が引き込まれること
    により該可撓膜にウェーハが吸着するように構成されて
    いることを特徴とする請求項1記載のウェーハ研磨ヘッ
    ド。
  3. 【請求項3】 前記可撓膜には、厚さ方向に貫通する通
    口が形成されていることを特徴とする請求項1記載のウ
    ェーハ研磨ヘッド。
  4. 【請求項4】 前記保持具と前記可撓膜との間に、前記
    吸引用凹部が開放した研磨用チャンバが形成されてなる
    ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記
    載のウェーハ研磨ヘッド。
  5. 【請求項5】 前記吸引用凹部は、前記保持具における
    前記可撓膜と対向する側に分散形態で複数形成されてお
    り、それら複数の前記吸引用凹部同士を連通する溝が設
    けられていることを特徴とする請求項1ないし4のいず
    れか1項に記載のウェーハ研磨ヘッド。
  6. 【請求項6】 前記保持具は、前記昇降用チャンバの容
    積変化を許容する第一気密部材を介して前記フレームに
    接続されており、該フレームを支点として上下動可能に
    構成されていることを特徴とする請求項1ないし5のい
    ずれか1項に記載のウェーハ研磨ヘッド。
  7. 【請求項7】 前記フレームは、前記保持具との間に前
    記昇降用チャンバを形成する凹部を有し、その凹部の内
    側部分と前記保持具の外周部との隙間を前記第一気密部
    材が塞いで前記昇降用チャンバの密閉状態を生じさせる
    とともに、前記フレームの内側を前記保持具が昇降して
    前記昇降用チャンバの容積変化を生じさせるように構成
    されていることを特徴とする請求項6記載のウェーハ研
    磨ヘッド。
  8. 【請求項8】 前記可撓膜を周方向に取り囲み、直接ま
    たは他部材を介して前記可撓膜に連結されるリテナーリ
    ングが、前記研磨用チャンバの容積変化を許容する第二
    気密部材を介して前記フレームに取り付けられており、 前記吸引用凹部内の流体圧を調整することにより、前記
    リテナーリングに連結された前記可撓膜がウェーハを付
    勢するように構成されていることを特徴とする請求項4
    ないし7のいずれか1項に記載のウェーハ研磨ヘッド。
  9. 【請求項9】 前記フレームは、前記保持具との間に前
    記昇降用チャンバを形成する凹部を有し、 該凹部は、下方側が広口の段付き凹部とされ、その段付
    き形状を利用して、前記第一気密部材と、該第一気密部
    材よりも径大の前記第二気密部材とがそれぞれ前記フレ
    ームに取り付けられていることを特徴とする請求項8記
    載のウェーハ研磨ヘッド。
  10. 【請求項10】 前記第一気密部材および/または前記
    第二気密部材が、可撓性を有する樹脂製シール材により
    構成されていることを特徴とする請求項6ないし9のい
    ずれか1項に記載のウェーハ研磨ヘッド。
  11. 【請求項11】 前記リテナーリングと前記可撓膜とを
    周方向全域にわたってまたがるテーンプレートが、その
    リテナーリングの下端面および前記可撓膜の吸着面側に
    設けられており、 そのテーンプレートと前記可撓膜とによって形成される
    凹所に、ウェーハが配置されて研磨が行われることを特
    徴とする請求項8ないし10のいずれか1項に記載のウ
    ェーハ研磨ヘッド。
  12. 【請求項12】 前記可撓膜の周縁部と前記保持具の周
    縁部とが、該保持具の上下動方向において重なるように
    調整されており、前記吸引用凹部および昇降用チャンバ
    を満たす流体の圧および/または量を調整することに基
    づいて、前記テーンプレートに支持される形にて前記保
    持具の周縁部が前記可撓膜と密着可能とされていること
    を特徴とする請求項11記載のウェーハ研磨ヘッド。
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