JP2003163367A - 半導体発光素子及びその製造方法 - Google Patents

半導体発光素子及びその製造方法

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JP2003163367A
JP2003163367A JP2001362915A JP2001362915A JP2003163367A JP 2003163367 A JP2003163367 A JP 2003163367A JP 2001362915 A JP2001362915 A JP 2001362915A JP 2001362915 A JP2001362915 A JP 2001362915A JP 2003163367 A JP2003163367 A JP 2003163367A
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light emitting
semiconductor light
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JP2001362915A
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Junji Sato
純治 佐藤
Masahiro Sato
雅裕 佐藤
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Sanken Electric Co Ltd
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Sanken Electric Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 動作電流を活性層4の素子外周側に拡散さ
せ、発光効率を向上させることが出来る半導体発光素子
を提供する。 【解決手段】 n型の基板1、n型のバッファ層2、n
型の下側クラッド層3、活性層4、p型の第1の上側ク
ラッド層5a、n型の(AlGa1−xIn
1−yP(0.1≦x≦0.6)からなる傾斜Al組成電
流ブロック層16、p型の第2の上側クラッド層15、
p型の電流拡散層17とを備える半導体基体と、この半
導体基体の上面に形成されたアノード電極8と、基板1
の下面に形成されたカソード電極9とを有するLEDで
ある。ここで、傾斜Al組成電流ブロック層16のAl
の組成xは、第1の上側クラッド層5aから第2の上側
クラッド層15に向かうにつれて増大するよう構成す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電流ブロック層を
挟んで上下にクラッド層が形成された半導体発光素子及
びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電流ブロック層を挟んで上下にクラッド
層が形成された発光ダイオード(LED)は公知であ
る。従来のこの種のLEDは、図3に示すように、n−
GaAsからなる基板1の上に順に、n−GaAsから
なるバッファ層2、n−(AlGa1−xIn
1−yPからなる下側クラッド層3、(AlGa
1−x In1−yPからなる活性層4、p−(Al
Ga1−xIn1−yPからなる第1の上側クラ
ッド層5a、n−(AlGa1−xIn1−y
からなる一定組成電流ブロック層6、p−(AlGa
1−xIn1−yPからなる第2の上側クラッド層
5b、p−AlGa1−xAsからなる電流拡散層7
を堆積した構造を基礎としている。そして、電流拡散層
7の上面にアノード電極(第1のオーミック電極)8
を、基板1の下面にカソード電極(第2のオーミック電
極)9を形成している。
【0003】図3に示すLEDは、アノード電極8の下
方に断面が台形の一定組成電流ブロック層6を配置し
て、アノード電極8からカソード電極9に向かう電流は
一定AlGa1−xAs組成電流ブロック層6を避け
るように素子の外周側に拡がって流れ、外周側近傍を含
む部分を発光領域とするように設計したものである。即
ち、発光領域の上方にアノード電極8を形成せず、光取
り出面とすることにより、光取り出し効率を改善し、結
果として光出力を向上することを期待した設計である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、現実の
LEDは図3に示すようにアノード電極(第1のオーミ
ック電極)8の両側にV型の溝21a、21bが形成さ
れている。そのため、アノード電極8から活性層4への
電流通路Iが狭くなり、活性層4の広い範囲に一様に電
流を広げることが出来ず、光出力が低下するという欠点
があった。
【0005】上記の問題点を鑑み、本発明は、動作電流
を活性層の広い範囲に一様に拡散させ、発光効率を向上
させることが出来る半導体発光素子を提供することを目
的とする。
【0006】本発明の他の目的は、オーミック電極形成
プロセスのエッチング工程時に、電流拡散層に図3に示
されるようなV型の溝21a、21b溝が形成されるの
を防ぐことが出来る半導体発光素子の製造方法を提供す
ることである。
【0007】
【課題を解決するための手段】発明者らの試作実験とそ
の検討によれば、図3に示すような形状になるのは、以
下に説明するような製造工程に起因していることが明ら
かになった。即ち、従来のLEDの製造方法では、(A
Ga1−xIn1−yPからなる第1の上側ク
ラッド層5aの上に一定組成の(AlGa1−x
In1−yP層を積層し、これを選択的にエッチングし
て一定組成電流ブロック層6を形成している。この際、
一定組成電流ブロック層6を形成するために、化学的な
異方性エッチングを行うと、一定組成電流ブロック層6
の斜面に、図4(a)に示すような低次のミラー指数面
(以下、「低指数面」と記す)fが現れる。この結果、
一定組成電流ブロック層6の断面形状は、低指数面fを
斜面とする台形になる。例えば、この低指数面fが{1
11}面となる場合は、低指数面fと第1の上側クラッ
ド層5aの表面の交わる角度は54.7°となる。低指
数面fを{110}面とすれば、低指数面fと第1の上側
クラッド層5aの表面の交わる角度は45°である。
【0008】その後、この一定組成電流ブロック層6と
第1の上側クラッド層5aの上に(AlGa1−x
In1−yP層を積層して、第2の上側クラッド層5
bを形成する。しかし、本発明者らの試作実験によれ
ば、第2の上側クラッド層5bを積層するときに、図4
(b)に示すように、一定組成電流ブロック層6の低指
数面fに隣接した領域19a、19bにおいて第2の上
側クラッド層5bが局所的に多結晶成長し易いことが確
認された。これは、低指数面fに垂直方向の結晶成長
と、第1の上側クラッド層5aの表面に垂直方向、例え
ば<100>方向の結晶成長が競合するためであると考
えられる。
【0009】又、この多結晶化した第2の上側クラッド
層5bの上部にAlGa1−xAs層を堆積して電流
拡散層7を形成する場合も、この多結晶化した結晶性が
引き継がれ、図4(c)に示すように、第2の上側クラ
ッド層多結晶化領域19a、19bの上に、電流拡散層
多結晶化領域20a、20bが形成される。多結晶化領
域20a、20b部分はエッチング速度が速い。このた
め、アノード電極8を形成するための電極用金属の選択
エッチング工程において、図3に示すように、アノード
電極8の両側において電極用金属のエッチング液により
電流拡散層7もエッチングされ、溝21a、21bが形
成されることが判明した。
【0010】このような知見に鑑み、本発明の第1の特
徴は、(イ)活性層と、(ロ)活性層の上に配置された第1
導電型の第1の上側クラッド層と、(ハ)第1の上側クラ
ッド層の上に配置された第2導電型で、台形の断面形状
を有し、且つAlの組成xが次第に増加する(Al
1−xIn1−yPからなる傾斜Al組成電流ブ
ロック層と、(ニ)傾斜Al組成電流ブロック層及び第1
の上側クラッド層の上に配置された第1導電型の第2の
上側クラッド層と、(ホ)第2の上側クラッド層上に配置
された第1導電型の電流拡散層とから少なくともなる半
導体発光素子であることを要旨とする。なお、本発明の
第1の特徴に係る半導体発光素子は、活性層の下に下側
クラッド層を備えたダブルヘテロ(DH)構造でも、活
性層の下に下側クラッド層が無いシングルヘテロ(S
H)構造でも、構わない。「傾斜Al組成電流ブロック
層」とは、そのAlの組成xを、第1の上側クラッド層
から第2の上側クラッド層に向かうにつれて0.01≦
x≦1.0、好ましくは0.05≦x≦0.7、更に好ま
しくは0.1≦x≦0.6の範囲で増加したAl組成のプ
ロファイルが傾斜した電流ブロック層を意味する。
【0011】本発明の第1の特徴に係る半導体発光素子
においては、傾斜Al組成電流ブロック層を用いて、A
lの組成xを変化させることにより、傾斜Al組成電流
ブロック層の側斜面における、化学的異方性エッチング
を行う際に発生する低指数面の発生を防止することが出
来る。側斜面に低指数面が現れないと、第2上側クラッ
ド層の成長時に、台形の傾斜Al組成電流ブロック層の
側斜面に垂直方向の成長が抑制され、第1の上側クラッ
ド層に垂直方向の成長が支配的になる。このため、傾斜
Al組成電流ブロック層の側斜面の近傍に多結晶化領域
や転位等が発生しにくくなり、結晶性が向上する。この
結果、その上に成長する電流拡散層の結晶性が均一、且
つ良好になる。したがって、電流拡散層の上に形成する
オーミック電極のメタライゼーション時に、耐エッチン
グ特性の不均一により電流拡散層に溝部が発生しない。
この結果、活性層に一様に電流を供給できるため、発光
効率が高くなる。
【0012】第1導電型と第2導電型とは互いに反対導
電型である。即ち、第1導電型がn型であれば、第2導
電型はp型であり、第1導電型がp型であれば、第2導
電型はn型である。尚、上側、下側は、特定の方向につ
いての議論であり、特定の配置においては方向が逆でも
良い。
【0013】又、本発明の第1の特徴において、傾斜A
l組成電流ブロック層の台形の側斜面と、第1の上側ク
ラッド層とのなす角は70°以上とすることが出来る。
このとき、台形の側斜面は{110}面及び{111}面と
は異なる高次のミラー指数面からなる。尚、下側クラッ
ド層、活性層、第1の上側クラッド層及び第2の上側ク
ラッド層をGaInP系化合物半導体から構成し、電流
拡散層をAlGa −xAsから構成しても良い。
【0014】本発明の第2の特徴は、(イ)活性層、第
1導電型の第1の上側クラッド層及びAlの組成xが次
第に増加する第2導電型の(AlGa1−xIn
1− P層を連続的にエピタキシャル成長する工程と、
(ロ)(AlGa1−x In1−yP層を選択的
にエッチング除去し、第1の上側クラッド層を露出さ
せ、断面が台形の傾斜Al組成電流ブロック層を形成す
る工程と、(ハ)傾斜Al組成電流ブロック層及び第1
の上側クラッド層上に第1導電型の第2の上側クラッド
層を積層する工程と、(ニ)第2の上側クラッド層の上
に第1導電型の電流拡散層を積層する工程と、(ホ)電
流拡散層に金属膜を堆積する工程と、(ヘ)金属膜を選
択的にエッチングしてオーミック電極を形成する工程と
を含む半導体発光素子の製造方法であることを要旨とす
る。「オーミック電極」は、第1導電型がp型ならばア
ノード電極であり、第1導電型がn型ならばカソード電
極となる。実際の半導体発光素子の動作では、オーミッ
ク電極は、アノード電極とカソード電極のペア(対)で
用いられるので、第1のオーミック電極とこれに対向し
た第2のオーミック電極が存在する。
【0015】本発明の第2の特徴に係る半導体発光素子
の製造方法によれば、Alの組成xが変化するように
(AlGa1−xIn1−yP層を成長すること
により、化学的異方性エッチングを行う際に、傾斜Al
組成電流ブロック層の側斜面に発生する低指数面の発生
を防止することが出来る。側斜面に低指数面が現れない
と、第2上側クラッド層の成長時に、傾斜Al組成電流
ブロック層の側斜面の近傍に多結晶化領域や転位等が発
生しにくくなり、結晶性が向上する。この結果、その上
に成長する電流拡散層の結晶性が均一、且つ良好にな
る。したがって、金属膜を選択的にエッチングしてオー
ミック電極を形成する工程において、電流拡散層に溝部
が発生しない。
【0016】
【発明の実施の形態】次に、図面を参照して、本発明の
実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同
一又は類似の部分には同一又は類似の符号を付してい
る。ただし、図面は模式的なものであり、厚みと平面寸
法との関係、各層の厚みの比率等は現実のものとは異な
ることに留意すべきである。したがって、具体的な厚み
や寸法は以下の説明を参酌して判断すべきものである。
又図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異な
る部分が含まれていることは勿論である。
【0017】(半導体発光素子)次に、本発明の実施形
態に係る半導体発光素子としてLEDを例示して説明す
る。以下の説明においては第2導電型をn型、第1導電
型をp型として説明するが、第1導電性をp型、第1導
電型をn型としても良いことは勿論である。
【0018】図1に示すLEDは、{100}面を主表
面とするn型のGaAsからなる基板1、基板1上に配
置されたn型のGaAsからなるバッファ層2、バッフ
ァ層2上に配置されたn型の下側クラッド層3と、下側
クラッド層3の上に配置された活性層4と、活性層4の
上に配置されたp型の第1の上側クラッド層5aと、第
1の上側クラッド層5aの上に配置されたn型で、台形
の断面形状を有し、且つAlの組成xが次第に増加する
(AlGa1−xIn1−yPからなる傾斜Al
組成電流ブロック層16と、傾斜Al組成電流ブロック
層16及び第1の上側クラッド層5aの上に配置された
p型の第2の上側クラッド層15と、第2の上側クラッ
ド層15上に配置されたp型の電流拡散層17と、電流
拡散層17の上面に局所的に配置されたアノード電極
(第1のオーミック電極)8と、基板1の下面に全面に
配置されたカソード電極(第2のオーミック電極)9と
を有する。
【0019】傾斜Al組成電流ブロック層16のAlの
組成xは、0.01≦x≦1、好ましくは0.05≦x≦
0.7、より好ましくは0.1≦x≦0.6となるように
すれば良い。そして、下層の第1の上側クラッド層5a
から上層の第2の上側クラッド層15に向かうにつれ
て、Alの組成xが次第に増大するように制御すること
が重要な点である。即ち、傾斜Al組成電流ブロック層
16の組成xは、第1の上側クラッド層5aに接する部
分では相対的に小さな値になっている。一方、第2の上
側クラッド層15に接する部分では組成xが相対的に大
きな値になっている。傾斜Al組成電流ブロック層16
内では、組成xは最小値から最大値の間で単調に、又
は、階段状に増加している。「単調に増加」とは、ほぼ
線形に増大する場合の他、2次曲線、3次曲線等の高次
の関数曲線に従って増大しても良い。高次の関数曲線の
場合は、曲線が極値を持たないように関数の一部が選ば
れることは勿論である。
【0020】活性層4の(AlGa1−xIn
1−yPは、故意には不純物をドープしない半導体領域
である。「不純物をドープしない」半導体領域とは、理
想的には、実質的にi型半導体領域(真性半導体領域)
と見なせる、若しくはn−型(ν型)、若しくはp−型
(π型)等の低不純物密度の半導体領域が対応する。し
かし、現実には、「“故意には”不純物をドープしな
い」の文言は、意図しない、極僅かなp型、若しくはn
型のドーパントの残留を許容する。現在の化合物半導体
の結晶成長技術レベルを考慮すると、不純物密度5×1
14cm-3〜1×1016cm-3程度の半導体領域であ
っても、「故意には不純物をドープしない半導体領域」
と呼ぶことが可能である。以下においては、「故意には
不純物をドープしない」を単に「ノンドープの」とい
う。
【0021】アノード電極(第1のオーミック電極)8
は、平面的に見て電流拡散層17の上面の中央部分に選
択的に配置されている。このアノード電極8は、傾斜A
l組成電流ブロック層16に対向するように、傾斜Al
組成電流ブロック層16の平面形状を平行投影して、ほ
ぼ同一形状で配置されている。尚、アノード電極8の平
面型状は、素子の平面型状に合わせて、例えば略四角形
状などの形状にする。電流拡散層17の上面のアノード
電極8が形成されていない領域、即ち平面的に見てアノ
ード電極8を包囲する領域は、光取り出し用の窓部とな
る。カソード電極(第2のオーミック電極)9はGaA
s基板1の下面全体に形成されているが、場合によって
はその外縁を素子外縁から若干内側に離間させても良
い。
【0022】n型の傾斜Al組成電流ブロック層16の
上面及び側斜面は、p型の第2の上側クラッド層15に
接してその界面にpn接合を形成する。又、傾斜Al組
成電流ブロック層16の下面は、p型の第1の上側クラ
ッド層5aの上面に接し、その界面にpn接合を形成し
ている。傾斜Al組成電流ブロック層16の両側の第2
の上側クラッド層15は電流拡散層17から活性層4へ
流れる電流通路Iとなる。
【0023】本発明の実施の形態に係るLEDによれ
ば、(AlGa1−xIn1− Pからなる傾斜
Al組成電流ブロック層16の組成xを第1の上側クラ
ッド層5aから第2の上側クラッド層15に向かうにつ
れて徐々に増加しているので、これを化学的にエッチン
グして形成した傾斜Al組成電流ブロック層16の側斜
面に、異方性エッチングに特徴的な{110}面、又は
{111}面等の低指数面fが現れなくなる。上述したよ
うに{110}面と{100}面との交わる角度は45
°で、{111}面と{100}面との交わる角度は5
4.7°である。傾斜Al組成電流ブロック層16を用
いることにより、傾斜Al組成電流ブロック層16の側
斜面と、第1の上側クラッド層5aの表面との交わる角
度は{311}面に対応する72.5°、{321}面
に対応する74.5°等の90°に近い角度の高指数面
1となる。又、更に複数の高指数面g1を複合した曲面
(非平面)の側斜面とすることも可能である。高指数面
g1に垂直方向の結晶成長速度は、第1の上側クラッド
層5aの表面に垂直方向、即ち、<100>方向の成長
方向に比例して十分小さくなる。このため、<100>
方向の成長が支配的となり傾斜Al組成電流ブロック層
16の側斜面側において第2の上側クラッド層15が多
結晶成長することなく、均質な単結晶層がエピタキシャ
ル成長する。したがって、第2の上側クラッド層15の
上部にも、均質且つ高品位の電流拡散層7がエピタキシ
ャル成長する。この結果、以下に示す製造方法におい
て、アノード電極(第1のオーミック電極)8を形成す
るための金属の選択エッチング工程において、この電流
拡散層7の多結晶化領域20a、20bがエッチングさ
れることもない。したがって、図3及び図4(b)に示
したような溝21a、21bが形成されることがなくな
る。この結果、活性層4に一様に電流を供給できるた
め、発光効率が高くなる。
【0024】(半導体発光素子の製造方法)次に、本発
明の実施の形態に係る半導体発光素子の製造方法の一例
について、図2を参照して、説明する。又、図2に示す
方法は一例であり、他の方法によっても図3に示すLE
Dは製造可能であることは勿論である。
【0025】(イ)先ず、減圧MOCVD装置(図示省
略)のサセプタに、厚さ250μm〜450μm程度の
厚さの{100}面を有するn型のGaAs基板1を搭載
する。そして、MOCVD法(有機金属気相成長法)に
よって、このGaAs基板1上に、図2(a)に示すよ
うに、順次、n型のバッファ層2、n型の下側クラッド
層3、ノンドープの活性層4、p型の第1の上側クラッ
ド層5a及びn型で組成xが次第に増大する(Al
1−xIn1−yP層16aを気相エピタキシャ
ル成長させる。例えば、減圧MOCVD法で成長する場
合、成長圧力50Pa〜200Paにおいて、基板温度
550℃〜700℃で、TMA(トリメチルアルミニウ
ム)、TEG(トリエチルガリウム)、TMIn(トリ
メチルインジウム)、とPH3(フォスフィン)を導入
し、n型のバッファ層2、n型の下側クラッド層3、ノ
ンドープの活性層4、p型の第1の上側クラッド層5a
及びn型の(AlGa1−xIn1−yP層16
aを連続的に成長させる。第1の上側クラッド層5aに
は、p型のドーパントガスとして、例えば、DEZn
(ジエチル亜鉛)、CP2Mg(ビスシクロペンタジイ
エニルマグネシウム)等のドーパントガス或いは固体の
Beソースを用いれば良い。尚、(AlGa 1−x
In1−yP層16a成長の際、第1の上側クラッド
層5aに接する部分では相対的に組成xを小さく、例え
ばx=0.1とし、第2の上側クラッド層15に接する
ことになる最上層では相対的に組成xを大きく、例えば
x=0.6となるように成長条件を変化させる。このた
めには、(AlGa1−xIn1−yP層16a
の成長開始時に比して、成長時間と共に、TMAの流量
を相対的にTEGの流量より大きくなるように、即ち、
Al/Ga比が次第に大きくなるように、ガスコントロ
ール系のマスフローコントローラ(ガス流体制御機器)
をプログラム制御すれば良い。この結果、組成xが0.
1から徐々に増加し、最上層が0.6になるように(A
Ga1−xIn1−yP層16aが成長する。
連続的な気相エピタキシャル成長が終了したら、この積
層構造(エピタキシャル基板)を、減圧MOCVD装置
から取り出す。
【0026】(ロ)次に、(AlGa1−xIn
1−yP層16a上にフォトレジスト膜(以下において
「レジスト」と略記する)10を塗布する。そして(A
Ga1−xIn1−yP層16a上に選択的に
レジスト10が残るように、フォトリソグラフィ技術を
用いてレジスト10をパターンニングする。そして、パ
ターニングされたレジスト10をエッチングマスクとし
て用いて(AlGa 1−xIn1−yP層16a
の選択的な化学的エッチングを行う。化学的エッチング
は、HCl系溶液、HSO系溶液等の異方性エッチ
ング液を用いれば良い。その結果、図4(b)に示すよ
うに、傾斜Al組成電流ブロック層16が、第1の上側
クラッド層5a上に、断面が台形で、島状に形成されて
いる。台形の斜面が第1の上側クラッド層5aと交わる
角度は、低指数面が現れていないため、70°以上の垂
直に近い角度となる。その後、レジスト10を除去し、
表面を洗浄する。
【0027】(ハ)次に、図4(c)のように、p型の
(AlGa1−xIn1−yPからなる第2の上
側クラッド層15を、第1の上側クラッド層5a及び傾
斜Al組成電流ブロック層16の上面に、MOCVD法
によって積層形成する。更に第2の上側クラッド層15
の上にp型のAlGa1−xAsからなる電流拡散層
17を連続的に積層する。
【0028】(ニ)次に、n−GaAs基板1の裏面
に、カソード電極(第2のオーミック電極)9用の金属
として金−ゲルマニウム合金(Au−Ge)膜、又は、
Au−Ge、ニッケル(Ni)、金(Au)からなる金
属多層膜を真空蒸着法又はスパッタリング法で堆積す
る。
【0029】(ホ)そして、電流拡散層17の表面上
に、金−亜鉛合金(Au−Zn)、金−ベリリウム−ク
ロム合金(Au−Be−Cr)及び金(Au)等からな
る金属多層膜を真空蒸着法又はスパッタリング法でによ
り全面に堆積する。更に、この金属多層膜の上にレジス
トを塗布し、フォトリソグラフィ技術を用いて傾斜Al
組成電流ブロック層16を平行投影した位置にレジスト
が残るように位置合わせをして、メタライゼーションマ
スクとする。そして、このメタライゼーションマスクを
用いて沃素(I):沃素カリウム(KI)溶液、シア
ン化カリウム(KCN)溶液等のエッチング液で金属多
膜層を選択エッチングすればアノード電極(第1のオー
ミック電極)8が形成されている。この結果、図4
(d)に示すような半導体発光素子の製造が完了する。
【0030】本実施の形態の半導体発光素子の製造方法
によれば、傾斜Al組成電流ブロック層16の組成xを
第1の上側クラッド層5aから第2の上側クラッド層1
5に向かうにつれて徐々に増加することにより、これを
エッチングして形成した傾斜Al組成電流ブロック層1
6の端部に低指数面fが現れない。このため、傾斜Al
組成電流ブロック層16の端部近傍の第2の上側クラッ
ド層15が多結晶成長することがない。そのため、この
第2の上側クラッド層15の上部に形成された電流拡散
層の結晶性も良好となり、アノード電極(第1のオーミ
ック電極)を形成するための金属膜の選択エッチング工
程において、この電流拡散層が金属膜のエッチング液で
エッチングされて溝が形成されることがない。
【0031】(その他の実施の形態)上記の実施の形態
によって本発明を例示的に記載したが、この開示の一部
をなす論述及び図面はこの発明を限定するものであると
理解すべきではない。この開示から当業者には様々な代
替実施の形態、実施例及び運用技術が明らかとなろう。
【0032】既に述べた実施の形態の説明においては、
第1導電型をp型、第2導電型をn型として説明した
が、第1導電型をn型、第2導電型をp型としても良い
ことは勿論である。
【0033】このように、本発明はここでは記載してい
ない様々な実施の形態等を含むことは勿論である。した
がって、本発明の技術的範囲は上記の説明から妥当な特
許請求の範囲に係る発明特定事項によってのみ定められ
るものである。
【0034】
【発明の効果】本発明によれば、動作電流を活性層の広
い範囲に一様に拡散させ、発光効率を向上させることが
出来る半導体発光素子を提供することが出来る。
【0035】本発明によれば、オーミック電極のメタラ
イゼーション時に、電流拡散層に溝が形成されるのを防
ぐことが出来る半導体発光素子の製造方法を提供するこ
とが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係るLEDを示す中央縦
断面図である。
【図2】本発明の実施の形態に係るLEDの製造工程を
示す工程断面図である。
【図3】従来のLEDを示す中央縦断面図である。
【図4】従来のLEDのエッチング処理を示す中央縦断
面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 バッファ層 3 下側クラッド層 4 活性層 5a 第1の上側クラッド層 5b,15 第2の上側クラッド層 6 一定組成電流ブロック層 7 電流拡散層 8 アノード電極(第1のオーミック電極) 9 カソード電極(第2のオーミック電極) 10 レジスト 16 傾斜Al組成電流ブロック層 17 電流拡散層 19a、19b 多結晶化領域 20a、20b 多結晶化領域 21a、21b 溝 I 電流通路 i i型半導体領域 f 低指数面 g1、g2 高指数面

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 活性層と、 該活性層の上に配置された第1導電型の第1の上側クラ
    ッド層と、 該第1の上側クラッド層の上に配置された第2導電型
    で、台形の断面形状を有し、且つAlの組成xが次第に
    増加する(AlGa1−xIn1−yPからなる
    傾斜Al組成電流ブロック層と、 該傾斜Al組成電流ブロック層及び前記第1の上側クラ
    ッド層の上に配置された第1導電型の第2の上側クラッ
    ド層と、 該第2の上側クラッド層上に配置された前記第1導電型
    の電流拡散層とから少なくともなることを特徴とする半
    導体発光素子。
  2. 【請求項2】 前記Alの組成xは、前記第1の上側ク
    ラッド層側で0.01、前記第2の上側クラッド層側で
    1であることを特徴とする請求項1に記載の半導体発光
    素子。
  3. 【請求項3】 前記傾斜Al組成電流ブロック層の台形
    の側斜面と、前記第1の上側クラッド層とのなす角は7
    0°以上であることを特徴とする請求項1又は請求項2
    に記載の半導体発光素子。
  4. 【請求項4】 前記側斜面は{110}面及び{111}面
    とは異なる高次のミラー指数面からなることを特徴とす
    る請求項3に記載の半導体発光素子。
  5. 【請求項5】 前記活性層、前記第1の上側クラッド層
    及び前記第2の上側クラッド層がGaInP系化合物半
    導体からなることを特徴とする請求項1から請求項4の
    いずれか1項に記載の半導体発光素子。
  6. 【請求項6】 前記電流拡散層がAlGa1−xAs
    からなることを特徴とする請求項1から請求項5のいず
    れか1項に記載の半導体発光素子。
  7. 【請求項7】 活性層、第1導電型の第1の上側クラッ
    ド層及びAlの組成xが次第に増加する第1導電型の
    (AlGa1−xIn1−yP層を連続的にエピ
    タキシャル成長する工程と、 該(AlGa1−xIn1−yP層を選択的にエ
    ッチング除去し、前記第1の上側クラッド層を露出さ
    せ、断面が台形の傾斜Al組成電流ブロック層を形成す
    る工程と、 該傾斜Al組成電流ブロック層及び前記第1の上側クラ
    ッド層上に前記第1導電型の第2の上側クラッド層を積
    層する工程と、 該第2の上側クラッド層の上に前記第1導電型の電流拡
    散層を積層する工程と、 該電流拡散層に金属膜を堆積する工程と、 該金属膜を選択的にエッチングしてオーミック電極を形
    成する工程とを含むことを特徴とする半導体発光素子の
    製造方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN102694095A (zh) * 2011-03-22 2012-09-26 广东银雨芯片半导体有限公司 一种改进的具有电流阻挡层的led芯片及其制备方法
TWI416764B (zh) * 2010-05-06 2013-11-21 發光二極體
US9099594B2 (en) 2012-07-12 2015-08-04 Kabushiki Kaisha Toshiba Nitride semiconductor light-emitting element
CN104966741A (zh) * 2015-07-03 2015-10-07 杭州电子科技大学 一种基于极化掺杂效应的太赫兹二极管及其工艺实现方法

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