JP2003162820A - マルチレベル光記録媒体の再生方法、および再生装置 - Google Patents

マルチレベル光記録媒体の再生方法、および再生装置

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JP2003162820A
JP2003162820A JP2002266265A JP2002266265A JP2003162820A JP 2003162820 A JP2003162820 A JP 2003162820A JP 2002266265 A JP2002266265 A JP 2002266265A JP 2002266265 A JP2002266265 A JP 2002266265A JP 2003162820 A JP2003162820 A JP 2003162820A
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JP2002266265A
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English (en)
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Shuji Tsukamoto
修司 塚本
Hiroyuki Arioka
博之 有岡
Shigetoshi Fukuzawa
成敏 福澤
Takashi Doi
高志 洞井
Yutaka Taya
裕 田家
Motohiro Inoue
素宏 井上
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Original Assignee
TDK Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチレベル光記録媒体の再生劣化を実用上
問題が生じないレベルに抑えつつ記録データに対する読
取り精度の向上を図り得るマルチレベル光記録媒体の再
生方法を提供する。 【解決手段】 仮想記録セルSの光反射率を多段階に規
定するマルチレベル記録方法に従って記録データが記録
された光記録媒体10を回転させると共に光記録媒体1
0に向けて再生用レーザービームを出射し、その反射光
の受光レベルに応じて生成した電気信号に基づいて記録
データを再生するマルチレベル光記録媒体の再生方法で
あって、光記録媒体10を線速度9m/秒以上25m/
秒以下の範囲内で回転させたときの再生用レーザービー
ムの出射パワーを1.0mW以上2.5mW以下の範囲
内に規定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、マルチレベル記録
方法に従って記録データが記録されたマルチレベル光記
録媒体の再生方法、およびその再生方法に従って記録デ
ータを再生する再生装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】現在、光記録媒体として、記録用レーザ
ービームを照射してピットを形成することによって2値
データが記録され、かつそのピットの有無に基づいてそ
の2値データを再生可能に構成された2値光記録媒体が
広く使用されている。また、近年、光記録媒体の記録密
度向上の要請により、記録用レーザービームの集光ビー
ム径を調節して記録データを高密度に記録する記録方法
に関する研究も進められている。
【0003】その一方、集光ビーム径を調節する方式と
は異なり、複数の意味を持つ異なるマークのうちの一つ
を1の仮想記録セルに記録可能なマルチレベル光記録媒
体の開発が進められている(下記の特許文献1〜特許文
献14参照)。このマルチレベル光記録媒体では、例え
ば、記録用レーザービームの出射量を多段階に切り替え
ることによって光記録媒体における記録対象の1の仮想
記録セルの一部に光透過率を低下させる変質部分(以
下、「記録マーク」ともいう)が出現し、かつ、この記
録マークの1の仮想記録セル全体に占める割合が記録用
レーザービームの出射量によって異なるという特性が利
用されている。つまり、このマルチレベル光記録媒体で
は、再生用レーザービームが照射された際に、この記録
マークが形成されている仮想記録セルにおける光透過率
の影響を受け、その結果として再生用レーザービームの
光反射率が多段階(例えば5段階以上)になる。したが
って、多段階の光反射率の各々に複数のデータ内容の各
々を対応させることにより、1の仮想記録セルに複数の
データのいずれかが記録されることになる。この場合、
光透過率とは、仮想記録セルに照射した再生用レーザー
ビームに対して、仮想記録セルを通過したレーザービー
ムの割合をいい、光反射率とは、仮想記録セルに照射し
た再生用レーザービームに対して、この仮想記録セルを
通過してマルチレベル光記録媒体の反射層で反射された
後にその仮想記録セルを再度通過してマルチレベル光記
録媒体の外部に出射されるレーザービームの割合をい
う。
【0004】このマルチレベル光記録媒体に記録された
記録データを再生する際(以下、「マルチレベル再生」
ともいう)には、再生用レーザービームを照射した仮想
記録セルの光反射率が、多段階の光反射率のうちの何段
階目の光反射率であるかを特定することによって記録デ
ータが再生される。この場合、マルチレベル光記録媒体
では、一般的な2値光記録媒体よりもさらに高密度で記
録データ(記録マークM)を記録するために、その仮想
記録セルSの大きさが2値光記録媒体のピットと比較し
て、より小さく規定されている。また、マルチレベル光
記録媒体では、一般的な2値光記録媒体よりも単位再生
時間当りの読取り速度(記録マークの読取り数)をより
高速にすべく、その基準回転速度(いわゆる等倍速で記
録再生したときの線速度)が一般的な2値光記録媒体の
基準回転速度と比較して、より高速に規定されている。
このため、マルチレベル再生時に、再生用レーザービー
ムの出射パワーを一般的な2値光記録媒体に対して規定
された再生用レーザービームの出射パワー(この場合、
0.7mW以下)と同程度に規定した場合、その反射光
に占めるノイズ成分の比(C/N:以下「SNR」とも
いう)が大きくなることに起因して、記録データの読取
り精度の低下や、高速回転に伴うトラッキングエラーな
どの発生を招くことになる。したがって、発明者は、マ
ルチレベル再生時における再生用レーザービームの出射
パワーを増加させることによって、これらの点を改善し
ようと試みた。
【0005】
【特許文献1】特開2001−184647号公報(第
2頁)
【特許文献2】特開2001−184648号公報(第
2頁)
【特許文献3】特開2001−184649号公報(第
2頁)
【特許文献4】特開2002−25114号公報(第2
頁)
【特許文献5】特開2002−83424号公報(第2
頁)
【特許文献6】特開2002−83425号公報(第2
頁)
【特許文献7】特開2002−83426号公報(第2
頁)
【特許文献8】特開2002−83427号公報(第2
頁)
【特許文献9】特開2002−83428号公報(第2
頁)
【特許文献10】特開2002−83445号公報(第
2頁)
【特許文献11】特開2002−83446号公報(第
2頁)
【特許文献12】特開2002−117539号公報
(第2頁)
【特許文献13】特開2002−117540号公報
(第2頁)
【特許文献14】特開2002−117545号公報
(第2頁)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところが、このマルチ
レベル光記録媒体の再生方法には、以下の改善すべき点
がある。すなわち、この再生方法では、読取り精度の低
下およびトラッキングエラーなどの発生を防止するため
に、再生用レーザービームの出射パワーを2値光記録媒
体の再生時における再生用レーザービームの出射パワー
を超える値に規定している。しかし、高出力の再生用レ
ーザービームをマルチレベル光記録媒体に繰り返して照
射した場合、再生用レーザービームの照射によってマル
チレベル光記録媒体の記録層が変質して信号レベルが低
下することに起因してSNRが低下するため(以下、
「再生劣化」ともいう)、記録データの正常な再生が困
難となるおそれがある。また、再生用レーザービームの
出射パワーを小さく規定した場合には、再生劣化を回避
できるものの、前述したように読取り精度の低下を招く
こととなる。しかしながら、このマルチレベル記録媒体
に関しては、再生劣化を実用上問題が生じないレベルに
抑えつつ、読取り精度の向上が可能となる再生用レーザ
ービームについての出射パワーの範囲が未だ明確にされ
ていない現状であり、この点を改善するのが好ましい。
【0007】本発明は、かかる改善すべき点に鑑みてな
されたものであり、マルチレベル光記録媒体の再生劣化
を実用上問題が生じないレベルに抑えつつ記録データに
対する読取り精度の向上を図り得るマルチレベル光記録
媒体の再生方法、および再生装置を提供することを主目
的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成すべく請
求項1記載のマルチレベル光記録媒体の再生方法は、記
録部分の光反射率を多段階に規定するマルチレベル記録
方法に従って記録データが記録されたマルチレベル光記
録媒体を回転させると共に当該マルチレベル光記録媒体
に向けて再生用レーザービームを出射し、その反射光の
受光レベルに応じて生成した電気信号に基づいて前記記
録データを再生するマルチレベル光記録媒体の再生方法
であって、前記マルチレベル光記録媒体を線速度9m/
秒以上25m/秒以下の範囲内で回転させたときの前記
再生用レーザービームの出射パワーを1.0mW以上
2.5mW以下の範囲内に規定した。
【0009】請求項2記載の再生装置は、請求項1記載
のマルチレベル光記録媒体の再生方法に従って前記記録
データを再生する再生装置であって、前記再生用レーザ
ービームを出射するレーザー出射部と、当該レーザー出
射部から出射されて前記マルチレベル光記録媒体によっ
て反射された前記反射光を受光すると共にその受光レベ
ルに応じた前記電気信号を出力するレーザー受光部と、
前記レーザー出射部によって出射される前記再生用レー
ザービームの出射パワーを制御する制御部とを備え、当
該制御部は、前記マルチレベル光記録媒体を線速度9m
/秒以上25m/秒以下の範囲内で回転させたときの前
記再生用レーザービームの出射パワーが1.0mW以上
2.5mW以下の範囲内となるように前記レーザー出射
部を制御する。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に係るマルチレベル光記録媒体の再生方法および再生
装置の好適な実施の形態について説明する。
【0011】最初に、本発明におけるマルチレベル光記
録媒体10(以下、「光記録媒体10」ともいう)の構
成について、図1を参照して説明する。
【0012】光記録媒体10は、CD−R型の光記録媒
体(追記型光記録媒体)であって、図1に示すように、
基板11、記録層12、反射膜13および保護層14を
備えて構成されている。基板11は、透明な樹脂を基材
として円板状に形成され、再生用のレーザービームが記
録層12に到達するのに先立ち、そのレーザービームを
透過する。また、基板11における一方の面(図1にお
ける上面)には、その中心部近傍から外縁部に向けて、
レーザービームガイド用のグルーブ11a、およびラン
ド11bが螺旋状に形成されている。記録層12は、シ
アニン、メロシアニン、メチン系色素およびその誘導
体、ベンゼンチオール金属錯体、フタロシアニン色素、
ナフタロシアニン色素、アゾ色素などの有機色素が用い
られて形成され、この有機色素がグルーブ11aおよび
ランド11bを覆うように塗布して形成されている。こ
の記録層12は、記録装置によって記録用レーザービー
ムが照射されることで分解変質し、そのレーザービーム
の照射量に応じて、その光透過率が変化する。反射膜1
3は、光記録媒体10に記録された記録データの再生時
に基板11および記録層12を通過した再生用レーザー
ビームを反射するための薄膜層であって、金や銀などの
金属を主原料として記録層12の上に例えばスパッタリ
ングによって形成されている。保護層14は、反射膜1
3および記録層12を保護する層であって、反射膜13
の外面を覆うように形成されている。
【0013】次に、光記録媒体10の記録原理につい
て、図1,2を参照して説明する。
【0014】この光記録媒体10では、図1に示すよう
に、その回転方向(円周方向)に沿ってグルーブ11a
を仮想的に分割した仮想記録セルS,S・・が記録単位
として規定(仮想)されている。ここで、図2に示すよ
うに、仮想記録セルSのグルーブ11aに沿った方向
(光記録媒体10の円周方向)の長さは、集光ビーム径
(ビームウエストの直径)D(例えば、1.5μm)よ
りも短い例えば0.6μmに規定されている。この場
合、光記録媒体10のトラックピッチやグループ11a
の幅は任意に選択できるが、この光記録媒体10では、
仮想記録セルSの単位幅は、図2に示すように、グルー
プ11aの幅と同一または若干狭め(例えば、0.6μ
m)となるように規定する。したがって、光記録媒体1
0の半径方向に対して仮想記録セルSが効率よく配置さ
れている。なお、仮想記録セルSは、あくまでも仮想さ
れるものであり、同図に示す四角形のように実体が存在
するのではなく、マルチレベル記録再生の際の信号処理
時において、記録再生装置によって想定される。
【0015】この場合、記録装置のピックアップから出
射される記録用レーザービームの出射時間(すなわち、
レーザービームの出射量)を記録データの値に応じて多
段階に制御することで、図2に示すように、記録層12
(主として有機色素)の分解変質の度合いが異なる記録
マークMa〜Mg(以下、区別しないときには「記録マ
ークM」ともいう)が仮想記録セルS内に形成される。
なお、同図では、分解変質の度合いを記録マークMの大
きさで概念的に図示している。また、記録マークMの形
成された仮想記録セルSが、記録層12における記録部
分となる。また、記録用レーザービームによって記録デ
ータを記録する際には、光記録媒体10を回転させつつ
記録用レーザービームを出射するため、記録マークM
は、出射時間に応じた長さの長円形となる。
【0016】また、この光記録媒体10に記録データを
マルチレベル記録する際には、仮想記録セルSを含む部
分に再生用レーザービームを照射した際の光反射率が例
えば7段階(未記録部分を含めて8段階)となるよう
に、記録マークMa〜Mgのそれぞれの分解変質度合い
(光透過率の変化量)を規定する。この場合、光反射率
は、記録層12の分解変質度合いが小さいほど大きくな
る。このため、記録マークMが記録されていない仮想記
録セルSが最大光反射率の特性を有し、最も小さい記録
マークMaが形成されている仮想記録セルSを含む部分
が記録マークMのうち最も大きい光反射率の特性を有
し、以降、記録マークMb〜Mfがそれぞれ形成されて
いる仮想記録セルSを含む各部分の順に光反射率が低下
し、最も大きな記録マークMgが形成されている仮想記
録セルSを含む部分が最小光反射率の特性を有する。こ
の場合、「仮想記録セルSを含む部分」とは、光記録媒
体10の記録層において記録用または再生用のレーザー
ビームの焦点が合わされた照射部分を意味する。したが
って、仮想記録セルSの個数を意味するものではない。
つまり、この焦点が合った記録用または再生用のレーザ
ービームの照射部分には、そのレーザービームの集光ビ
ーム径に応じて、1つの仮想記録セルSにおける特定の
部分、および1以上の仮想記録セルSを含む部分が含ま
れる。このため、この仮想記録セルSを含む部分に対す
る記録用レーザービームの出射量を制御して分解変質部
位の面積比(つまり記録層12の光透過率)を適宜設定
することにより、再生用のレーザービームが照射された
際の光反射率が7段階となる記録マークMa〜Mgを形
成することが可能となる。
【0017】次いで、この光記録媒体10に対する記録
データの記録、および記録データの再生を実行する記録
再生装置1について、図3を参照して説明する。
【0018】記録再生装置1は、本発明における再生装
置に相当し、本発明におけるマルチレベル光記録媒体の
再生方法に従って記録データを再生可能に構成されてい
る。この記録再生装置1は、いわゆるCD−Rレコーダ
であり、スピンドルモータ2、ピックアップ3、スピン
ドルサーボ4、送りサーボ5、フォーカストラッキング
サーボ6および制御部7を備えている。この場合、スピ
ンドルモータ2は、後述するようにスピンドルサーボ4
によって駆動制御され、光記録媒体10を線速度一定の
条件で回転させる。
【0019】ピックアップ3は、本発明におけるレーザ
ー出射部およびレーザー受光部が一体化されて構成さ
れ、制御部7の制御下でレーザードライバによってレー
ザー(共に図示せず)が駆動されて光記録媒体10に対
して記録用レーザービームまたは再生用レーザービーム
(出射レーザーLa)を出射する。これにより、仮想記
録セルSに対する記録マークMの記録、および記録マー
クMが記録されている仮想記録セルSによって反射され
た反射レーザーLbのレベルに応じた電気信号の出力が
行われる。この場合、記録データの再生時において、ピ
ックアップ3のレーザードライバは、制御部7の制御に
従い、光記録媒体10の回転速に応じて、1.0mW以
上2.5mW以下の範囲内に出射レーザーLaの出射パ
ワーを調整する。また、ピックアップ3は、対物レンズ
およびハーフミラー(共に図示せず)を備え、記録用ま
たは再生用のレーザービームを光記録媒体10の記録層
12に集光させる。具体的には、フォーカストラッキン
グサーボ6によって対物レンズがフォーカストラッキン
グ制御され、これにより、記録用または再生用のレーザ
ービームが光記録媒体10の記録層12に集光させられ
る。このピックアップ3は、光記録媒体10の直径方向
に沿ってその内周側と外周側との間を送りサーボ5によ
って往復動させられる。
【0020】スピンドルサーボ4は、制御部7の制御下
で線速度9m/秒以上25m/秒以下の範囲内の指定さ
れた一定速度となるようにスピンドルモータ2の回転を
制御する。制御部7は、ピックアップ3、スピンドルサ
ーボ4、送りサーボ5およびフォーカストラッキングサ
ーボ6の駆動を制御すると共に、ピックアップ3から出
力された電気信号に基づいて、記録層12に記録されて
いる記録データを判読する。
【0021】続いて、光記録媒体10に記録されている
記録データを記録再生装置1によって再生する記録デー
タの再生方法について説明する。
【0022】記録再生装置1に光記録媒体10を装填し
た際に、制御部7は、スピンドルサーボ4を制御するこ
とによりスピンドルモータ2を駆動させて光記録媒体1
0を例えば線速度9m/秒で回転させる。同時に、制御
部7は、送りサーボ5を駆動してピックアップ3をリー
ドインエリアに移動させる。次に、制御部7は、ピック
アップ3に対して出射レーザーLaを出射させると共
に、フォーカストラッキングサーボ6を駆動してピック
アップ3の対物レンズをフォーカストラッキング制御す
る。この際に、制御部7は、ピックアップ3を駆動制御
することにより、出射レーザーLaの出射パワーを例え
ば1.1mWに制御する。これにより、ピックアップ3
によって出射された出射レーザーLaが光記録媒体10
におけるリードインエリアに照射され、その反射レーザ
ーLbがピックアップ3によって受光される。この際
に、ピックアップ3が、リードインエリアに例えばウォ
ブルで記録された各種情報に応じた電気信号を出力し、
これにより、制御部7は、その電気信号に基づいて光記
録媒体10がマルチレベル光記録媒体であると判別す
る。
【0023】この後、制御部7は、スピンドルサーボ4
を駆動制御して光記録媒体10の回転速を線速度9m/
秒の一定速度に維持しつつ、送りサーボ5を駆動制御し
てピックアップ3を最内周部のグルーブ11a上に移動
させる。また、制御部7は、ピックアップ3を駆動制御
して出射レーザーLaの出射パワーを1.1mWに維持
する。これにより、ピックアップ3から出射された出射
レーザーLaが光記録媒体10におけるグルーブ11a
内の仮想記録セルS,S・・に照射され、反射膜13に
よって反射された反射レーザーLbがピックアップ3に
よって受光される。この際に、ピックアップ3が、仮想
記録セルS,S・・に記録された記録マークMa〜Mg
の各光反射率に応じた電気信号を出力し、これにより、
制御部7は、その電気信号に基づいて光記録媒体10に
記録されている記録データを判読する。この結果、記録
データが再生される。
【0024】次に、出射レーザーLaの出射パワーと、
記録データの読取り精度および再生劣化との関係につい
て、図4〜図7を参照して説明する。
【0025】記録層12の材質が異なる多種類の光記録
媒体10を、それぞれ例えば線速度9m/秒の一定速度
で回転させると共に、出射レーザーLaの出射パワーを
段階的に上げた場合、出射レーザーLaの出射パワーに
ほぼ比例して各光記録媒体10に対する記録データの読
取り精度が向上することが確認されている。この場合、
図4に示すように、出射レーザーLaを1.0mW以上
の出射パワーに規定したときには、SER(真のデータ
に対する読取りエラーの発生率)が記録データの読み取
りに支障をきたさないレベル(4%以下)に維持され
る。なお、同図では、異なる材質で記録層12を形成し
た各光記録媒体10にそれぞれ対応するSERの各特性
を実線または破線で示し、図5では、異なる材質で記録
層12を形成した各光記録媒体10にそれぞれ対応する
BERの各特性を実線または破線で示し、図6では、異
なる材質で記録層12を形成した各光記録媒体10にそ
れぞれ対応するSNRの各特性を実線または破線で示し
ている。具体的には、各図において実線Aで示されてい
る光記録媒体10は、記録層12がシアニン系色素で構
成され、破線Bで示されている光記録媒体10は、中心
金属としてZnとVを有するフタロシアニン系色素で記
録層12が構成され、破線Cで示されている光記録媒体
10は、中心金属としてPdを有するフタロシアニン系
色素で記録層12が構成されている。
【0026】また、図5に示すように、出射レーザーL
aを1.0mW以上の出射パワーに規定したときには、
BER(ビットエラーの発生率)も記録データの読み取
りに支障をきたさないレベル(1×10−3以下)に維
持される。これは、図6に示すように、出射レーザーL
aが1.0mW以上の出射パワーのときに、反射レーザ
ーLbに占めるノイズ成分の比(SNR)が記録データ
の読み取りに支障をきたさないレベル(28.6dB以
上)に維持されることに起因する。この場合、光記録媒
体10を線速度25m/秒の一定速度で回転させたとし
ても、出射レーザーLaを1.0mW以上の出射パワー
に規定したときには、線速度9m/秒の条件のときと同
様にして、SERおよびBERが記録データの読み取り
に支障をきたさないレベルに維持されることが確認され
ている。
【0027】一方、図4〜図6に示すように、出射レー
ザーLaの出射パワーを1.0mWから順次減少させて
いくと、SERおよびBERが次第に増加すると共にS
NRが次第に低下して、記録層12の材質の種類や製造
上のばらつきに起因して、SER、BERおよびSNR
が上記した記録データの読み取りに支障をきたさない各
レベルから外れる可能性が高くなる。
【0028】実際のところ、図7に示すように、例え
ば、中心金属としてPdを有するフタロシアニン系色素
で記録層12を構成した光記録媒体10では、出射レー
ザーLaの出射パワーを1mW未満の0.9mWに規定
したときには、記録データの初期読取り精度および連続
再生後の読取り精度の双方が、記録データの読み取りに
支障をきたすレベルに低下することが確認されている。
その一方で、出射レーザーLaを1.0mW以上2.5
W以下の出射パワーに規定したときには、実用上、光記
録媒体10の記録データを正常に読み取ることができる
ことも確認されている。また、同図に示すように、出射
レーザーLaの出射パワーを2.6mWに規定した場
合、記録データの初期読取り精度は、読み取りに支障を
きたさないレベルにあるものの、特に、線速度9m/秒
の場合には線速度25m/秒の場合と比較して、記録層
12に対する単位時間当たりの出射レーザーLaの照射
量が多くなることに起因して記録層12が変質し、連続
再生後の読取り精度が低下すること、すなわち再生劣化
が発生することが確認されている。したがって、光記録
媒体10を線速度9m/秒以上25m/秒以下の範囲内
で回転させたときの出射レーザーLaの出射パワーを
1.0mW以上2.5mW以下に規定することにより、
再生劣化を実用上問題が生じないレベルに抑えつつ記録
データを正常に再生できることが理解される。
【0029】なお、図7に示す「初期読取り精度」およ
び「連続再生後の読取り精度」の各項目に関しては、初
期再生時および100万回再生後に測定した各SERと
各SNRに対して下記の評価方法を適用して判別した。
この評価方法は、SERについては、その値が大きけれ
ば読取り精度が低下するという特性に基づいて、4.2
%以上のときは0ポイント、4.0%以上4.2%未満
のときは1ポイント、4.0%未満のときは2ポイント
とし、一方、SNRについては、その値が小さければ読
取り精度が低下するという特性に基づいて、28.5d
B以下のときは0ポイント、28.5dBを超え28.
9dB以下のときは1ポイント、28.9dBを超える
ときは2ポイントとし、SERとSNRに関する各ポイ
ントの合計の多少で全体としての読取り精度を判別する
ものである。具体的には、各ポイントの合計が0ポイン
トの場合は、正常な読み取りが困難となるおそれが高い
と判別する(符号:×)。また、ポイントの合計が1ポ
イントの場合は、実用上問題が生じないと判別する(符
号:△)。また、ポイントの合計が2または3ポイント
の場合は、記録データの読み取りが十分であると判別す
る(符号:○)。また、ポイントの合計が4ポイントの
場合は、正常な読み取りを確実に行い得ると判別する
(符号:◎)。
【0030】なお、本発明は、上記した発明の実施の形
態に限らず、適宜変更が可能である。例えば、本発明の
実施の形態では、光記録媒体10を線速度9m/秒で回
転させたときに出射レーザーLaの出射パワーを1.1
mWに規定した例について説明したが、本発明はこれに
限定されない。例えば、線速度9m/秒以下で回転させ
るときには再生用レーザービームの出射パワーの範囲
(下限値が1.0mWで上限値が2.5mW)を線速度
に比例して低下させ、線速度25m/秒を超えて回転さ
せるときには再生用レーザービームの出射パワーの範囲
(下限値から上限値まで)を線速度に比例して増加させ
ることで、再生劣化を実用上問題が生じないレベルに抑
えつつ記録データを正常に再生することができる。
【0031】
【発明の効果】以上のように、本発明におけるマルチレ
ベル光記録媒体の再生方法および再生装置によれば、マ
ルチレベル光記録媒体を線速度9m/秒以上25m/秒
以下の範囲内で回転させたときの再生用レーザービーム
の出射パワーを1.0mW以上2.5mW以下の範囲内
に規定することにより、記録データの読み取りに支障を
きたさないレベルにSERやBERを維持できる結果、
記録データの読取り精度を向上させることができると共
に、連続的に再生したときであってもマルチレベル光記
録媒体の再生劣化を実用上問題が生じないレベルに抑え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態に係る光記録媒体10の構
成を示すために一部を切り欠いた斜視図である。
【図2】光記録媒体10に記録された記録マークMa〜
Mgを概念的に示す概念図である。
【図3】記録再生装置1の構成を示すブロック図であ
る。
【図4】出射レーザーLaの出射パワーとSERとの関
係を示す特性図である。
【図5】出射レーザーLaの出射パワーとBERとの関
係を示す特性図である。
【図6】出射レーザーLaの出射パワーとSNRとの関
係を示す特性図である。
【図7】出射レーザーLaの出射パワー、光記録媒体1
0の回転速(線速度)、初期再生時に測定したSER、
SNRおよび初期読取り精度、並びに100万回に亘っ
て連続的に再生した後に測定したSER、SNRおよび
連続再生後の読取り精度の関係を示す説明図である。
【符号の説明】
1 記録再生装置 2 スピンドルモータ 3 ピックアップ 4 スピンドルサーボ 5 送りサーボ 6 フォーカストラッキングサーボ 7 制御部 10 マルチレベル光記録媒体 La 出射レーザー Lb 反射レーザー S 仮想記録セル
フロントページの続き (72)発明者 福澤 成敏 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 洞井 高志 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 田家 裕 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 (72)発明者 井上 素宏 東京都中央区日本橋一丁目13番1号 ティ ーディーケイ株式会社内 Fターム(参考) 5D090 AA01 CC04 HH03 KK03

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 記録部分の光反射率を多段階に規定する
    マルチレベル記録方法に従って記録データが記録された
    マルチレベル光記録媒体を回転させると共に当該マルチ
    レベル光記録媒体に向けて再生用レーザービームを出射
    し、その反射光の受光レベルに応じて生成した電気信号
    に基づいて前記記録データを再生するマルチレベル光記
    録媒体の再生方法であって、 前記マルチレベル光記録媒体を線速度9m/秒以上25
    m/秒以下の範囲内で回転させたときの前記再生用レー
    ザービームの出射パワーを1.0mW以上2.5mW以
    下の範囲内に規定したマルチレベル光記録媒体の再生方
    法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のマルチレベル光記録媒体
    の再生方法に従って前記記録データを再生する再生装置
    であって、 前記再生用レーザービームを出射するレーザー出射部
    と、当該レーザー出射部から出射されて前記マルチレベ
    ル光記録媒体によって反射された前記反射光を受光する
    と共にその受光レベルに応じた前記電気信号を出力する
    レーザー受光部と、前記レーザー出射部によって出射さ
    れる前記再生用レーザービームの出射パワーを制御する
    制御部とを備え、当該制御部は、前記マルチレベル光記
    録媒体を線速度9m/秒以上25m/秒以下の範囲内で
    回転させたときの前記再生用レーザービームの出射パワ
    ーが1.0mW以上2.5mW以下の範囲内となるよう
    に前記レーザー出射部を制御する再生装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
DE102006035551A1 (de) * 2006-02-28 2007-09-06 Fujitsu Ltd., Kawasaki Gleitmittel, magnetisches Aufzeichnungsmedium und Gleitkopf
DE102006035551B4 (de) * 2006-02-28 2012-05-16 Fujitsu Ltd. Gleitmittel und seine Verwendung für ein magnetisches Aufzeichnungsmedium und einen Gleitkopf
DE102006035551B9 (de) * 2006-02-28 2012-11-15 Fujitsu Ltd. Gleitmittel und seine Verwendung für ein magnetisches Aufzeichnungsmedium und einen Gleitkopf

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