JP2003160889A - 水処理剤 - Google Patents
水処理剤Info
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Abstract
使用される水処理剤に関し、排水処理の問題が生じず、
水分の影響により生じる腐食およびスケールの生成を抑
制する水処理剤を提供する。 【解決手段】 水処理剤は、水分の影響により生じる
腐食およびスケールの生成を抑制するための薬剤であ
り、0.12質量%以上のシリカと、0.03質量%ス
ケール抑制剤(エチレンジアミン四酢酸およびその塩
等)とを含んでいる。
Description
に水分の影響によりボイラ系統,たとえばボイラの水管
やエコノマイザの水管等の伝熱面に生じる腐食およびス
ケールの生成を抑制するための水処理剤に関する。
な要因としては、給水あるいは缶水が、溶存酸素濃度
が高い、pHの適正範囲(11.0〜11.8)から
外れている、塩化物イオンや硫酸イオン等の有害イオ
ン濃度が高い、の3点が挙げられる。
置または脱酸素剤を用いて行っている。脱気装置として
は、真空脱気装置,加熱脱気装置,膜式脱気装置等が挙
げられる。脱気装置を用いて脱気することにより、ボイ
ラ系統の腐食要因である酸素を確実に除去できる。ま
た、脱酸素剤としては、ヒドラジン,亜硫酸塩等が挙げ
られる。しかし、ヒドラジンは、反応速度が遅いという
欠点があり、また亜硫酸塩は、腐食性因子を増加させる
という欠点がある。
H調整剤を用いて行っているが、一定濃度以上のMアル
カリ度を有するボイラ給水の場合であれば、Mアルカリ
度を示す成分(主として炭酸水素塩)がボイラの缶内で
熱分解され、炭酸イオン,水酸化物イオン等を生じて缶
水のpHを高める作用がある。また、ボイラの缶内で不
揮発性成分である炭酸イオン,水酸化物イオン等も濃縮
されpHを高める作用がある。したがって、ボイラ給水
に含まれるMアルカリ成分が一定濃度以上であれば、p
H調整剤は用いなくても、pHを適正範囲にすることが
できる。しかし、Mアルカリ度が低い場合には、pH調
整剤の投入が必要になる。
法は、缶水をブローすることにより行っている。このブ
ローを制御することにより、缶水の濃縮による有害イオ
ンの濃度上昇を防止している。
としては、皮膜形成型の防食剤を給水に注入することが
挙げられる。この防食剤の皮膜形成により、水管が直接
缶水と接触しないため、溶存酸素,pH,有害イオンに
関係なく防食効果を示す。しかし、皮膜形成型の防食剤
として用いられているモリブデン酸塩,タンニン,リグ
ニン,糖類,有機酸塩,リン酸塩等は、防食効果を発揮
させるのに必要な濃度が高くなり、また溶存酸素除去,
pH調整,有害イオンの低濃度化を行う方法に比べて、
排水処理に手間がかかる。
な要因としては、給水あるいは缶水に含まれている硬度
成分およびシリカによるスケール化に起因して、水蒸気
や水と接触する伝熱面にスケールが生成しやすい。この
ようなスケールの生成は、装置の性能低下や故障の原因
になったり、装置の寿命を短縮する可能性があり、その
ようなスケールの生成を抑制する方法が種々検討されて
いる。
することを有効に抑制するためには、水分中から硬度成
分を除去する方法がある。水分中から硬度成分を除去す
る方法としては、軟水装置により軟水化処理して硬度成
分を除去する機械的除去方法が行われているが、軟水装
置が硬度もれを起こした場合、スケールの生成を抑制す
ることは困難である。
に鑑み、排水処理の問題が生じず、水分の影響により生
じる腐食およびスケールの生成を抑制する水処理剤を提
供することを目的としている。
解決するためになされたもので、水分の影響により生じ
る腐食およびスケールの生成を抑制するための水処理剤
であって、シリカと、スケール抑制剤とを含んでいる。
また、スケール抑制剤としては、たとえばエチレンジア
ミン四酢酸およびその塩である。
質量%以上、スケール抑制剤を0.03質量%以上それ
ぞれ含んでいる。
響により生じる腐食およびスケールの生成を抑制するた
めのものであり、シリカおよびスケール抑制剤とを含ん
でいる。
表面に対し、水分による腐食を抑制するための皮膜を形
成するための成分である。具体的には、水分に含まれる
腐食促進因子である溶存酸素や塩化物イオン等の影響に
より、伝熱面から溶出する成分にシリカが作用し、伝熱
面の水分との接触面側に耐食性の皮膜(いわゆる防食皮
膜)を形成する。とくに、溶存酸素や塩化物イオンは、
伝熱面に局部的なアノードを発現させ、これにより腐食
が進行する場合があるが、水分中に含まれるシリカは、
アニオンまたは負電荷のミセルとして存在しているた
め、そのようなアノードに吸着しやすく、当該部分で選
択的に防食皮膜を形成しやすい。
(すなわち、ケイ酸塩)も含むものを意味している。ケ
イ酸の塩には、オルトケイ酸塩(nSiO2・(n+
1)M(I)2O)や,ポリケイ酸塩(nSiO2・nM
(I)2O,nSiO2・(n−1)M(I)2Oおよび
nSiO2・(n−2)M(I)2O)もしくはこれらの
水和物が含まれる。塩の化学式において、M(I)はア
ルカリ金属やアルカリ土類金属等の金属元素を示してお
り、金属元素がM(II)の場合は、M(I)の分子数が
半分になる。また、ポリケイ酸塩の化学式において、n
は、2よりも大きい。以下、シリカという場合は、前記
のような塩も含む概念を意味する場合がある。ここにお
いて、シリカは、2種類以上のものが併用されていても
よい。
合は、通常、全質量の0.12質量%以上に設定されて
いるのが好ましく、0.60質量%以上に設定されてい
るのがより好ましい。この含有量が0.12質量%未満
の場合は、伝熱面に対して腐食防止用の所要の皮膜を形
成するのが困難になる可能性がある。
しては、粉末のものを用いてもよく、水溶液のものを用
いてもよい。
伝熱面の水との接触面側に生じるスケールを生成させる
原因となる硬度成分,たとえば水分中に含まれるカルシ
ウムイオンやマグネシウムイオンをキレート化するため
の機能を発揮するためのキレート剤とスケールの結晶核
の成長を抑制する機能を発揮するためのポリマー薬剤と
がある。ここで利用可能なキレート剤の種類は、とくに
限定されるものではなく、クエン酸,エチレンジアミン
四酢酸およびその塩等の各種のものがある。また、ここ
で利用可能なポリマー薬剤としては、とくに限定される
ものではなく、ポリアクリル酸,ポリマレイン酸等の各
種のものがある。そして、これらは、適宜2種以上のも
のが併用されてもよい。このうち、この発明では、アル
カリ金属のエチレンジアミン四酢酸塩を用いるのがとく
に好ましい。アルカリ金属のエチレンジアミン四酢酸塩
は、カルシウムやマグネシウム等の硬度成分を含まない
薬剤であるため、スケールの生成を促進しないものとし
て適用することができる。
ル抑制剤の割合は、通常、全質量の0.03質量%以上
に設定されているのが好ましく、0.15質量%以上に
設定されているのがより好ましい。この含有量が0.0
3質量%未満の場合は、水分中に含まれる硬度成分のキ
レート化の促進やスケール結晶核の成長抑制がしにくく
なる可能性がある。
記の必須成分の他、必要に応じて各種の添加剤を含んで
いてもよい。添加剤としては、ニトリロトリ酢酸(NT
A)およびその塩等の金属イオン封鎖剤を挙げることが
できる。
の腐食およびスケールの生成を抑制するために用いられ
る。より具体的には、たとえばボイラの水管等の水蒸気
を発生する装置において、蒸気を発生させる伝熱管(伝
熱面の一例)およびその他の伝熱面の水分による腐食お
よびスケールの生成を抑制するために用いる。
発生用の伝熱管の腐食およびスケールの生成を抑制する
場合は、ボイラへ給水を供給する給水路内にこの発明の
水処理剤を注入する。給水路に注入された水処理剤は、
給水路内で混合され、給水とともにボイラへ流入する。
これにより、水処理剤中のシリカが伝熱管の水分との接
触面側に皮膜を形成し、また水処理剤中のスケール抑制
剤が水分中の硬度成分のキレート化を促進するか,ある
いはスケール結晶核の成長を抑制する。この結果、ボイ
ラの伝熱管およびその他の伝熱面は、水分による腐食お
よびスケールの生成が効果的に抑制されることになる。
るこの発明の水処理剤の注入量は、通常、水分中におけ
るシリカおよびスケール抑制剤の合計の濃度が1.15
mg/リットル以上になるよう設定するのが好ましく、
5.75mg/リットル以上になるように設定するのがよ
り好ましい。因みに、前記水処理剤は、シリカおよびス
ケール抑制剤の合計の濃度が前記のようになるのであれ
ば、給水路に対して連続的に注入されてもよいし、断続
的に注入されてもよい。
やタンニン等の水処理剤と併用することもできる。
トリウムの混合物へ蒸留水を滴下しながら攪拌した。こ
れにより、目的とする水処理剤が得られた。ここにおい
て、この水処理剤中に含まれる各成分の割合は、表1の
とおりである。
ながら攪拌した。これにより、目的とする水処理剤が得
られた。ここにおいて、この水処理剤中に含まれる各成
分の割合は、表1のとおりである。
へ蒸留水を滴下しながら攪拌した。これにより、目的と
する水処理剤が得られた。ここにおいて、この水処理剤
中に含まれる各成分の割合は、表1のとおりである。
トリウムの混合物へ蒸留水を滴下しながら攪拌した。こ
れにより、目的とする水処理剤が得られた。ここにおい
て、この水処理剤中に含まれる各成分の割合は、表1の
とおりである。
混合物へ蒸留水を滴下しながら攪拌した。これにより、
目的とする水処理剤が得られた。ここにおいて、この水
処理剤中に含まれる各成分の割合は、表1のとおりであ
る。
注の場合について、腐食抑制性を調査した。ここでは、
蒸発量1.35kg/時間の貫流ボイラに、水処理剤を5
00mg/リットル添加した軟水を供給し、圧力が0.3
MPaの蒸気を連続的に発生させながら、ブロー率10%
で当該ボイラを運転した。48時間経過後の食孔(伝熱
管の水との接触面側に発生する厚さ方向の反対側へ向か
う孔状の腐食のことを云う。)の深さの最大値を調べ
た。その結果を表2に示す。ここにおいて、給水に用い
た軟水は、大阪市の軟化水を人工的に調製したものを用
いた。その水質はつぎのとおりである。
注の場合について、カルシウム溶解度の上昇量を測定し
た。ここでは、蒸発量2.8kg/時間の貫流ボイラに、
水処理剤を500mg/リットル添加した軟水を供給し、
圧力が0.5MPaの蒸気を連続的に発生させながら、ブ
ロー率10%で当該ボイラを運転した。48時間経過後
のカルシウム溶解度の上昇量を調べた。その結果を表3
に示す。ここにおいて、給水に用いた軟水は、大阪市の
軟化水を人工的に調製したものを用いた。その水質はつ
ぎのとおりである。
薬注の結果に比べて腐食抑制性に優れていることが分か
る。表3より、実施例1〜3の水処理剤は、無薬注の結
果に比べてカルシウム溶解度が上昇していることが分か
る。また、実施例4〜12についても同様の効果が得ら
れた。
処理の問題が生じず、水分の影響により生じる腐食およ
びスケールの生成を抑制ことができる。
Claims (3)
- 【請求項1】水分の影響により生じる腐食およびスケー
ルの生成を抑制するための薬剤であって、 シリカと、 スケール抑制剤と、を含む水処理剤。 - 【請求項2】前記スケール抑制剤が、エチレンジアミン
四酢酸およびその塩である、請求項1に記載の水処理
剤。 - 【請求項3】前記シリカを0.12質量%以上、前記ス
ケール抑制剤を0.03質量%以上それぞれ含んでい
る、請求項1または請求項2に記載の水処理剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001362048A JP2003160889A (ja) | 2001-11-28 | 2001-11-28 | 水処理剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2001362048A JP2003160889A (ja) | 2001-11-28 | 2001-11-28 | 水処理剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003160889A true JP2003160889A (ja) | 2003-06-06 |
Family
ID=19172614
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001362048A Pending JP2003160889A (ja) | 2001-11-28 | 2001-11-28 | 水処理剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003160889A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2008221143A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | Kurita Water Ind Ltd | マグネシウム系スケール防止剤 |
JP2019044200A (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-22 | 三浦工業株式会社 | 亜硫酸系水処理剤及び水処理方法 |
WO2024084874A1 (ja) * | 2022-10-20 | 2024-04-25 | 三浦工業株式会社 | ボイラの運転方法 |
-
2001
- 2001-11-28 JP JP2001362048A patent/JP2003160889A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2008221143A (ja) * | 2007-03-13 | 2008-09-25 | Kurita Water Ind Ltd | マグネシウム系スケール防止剤 |
JP2019044200A (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-22 | 三浦工業株式会社 | 亜硫酸系水処理剤及び水処理方法 |
WO2024084874A1 (ja) * | 2022-10-20 | 2024-04-25 | 三浦工業株式会社 | ボイラの運転方法 |
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