JP2013067830A - ボイラにおけるエコノマイザの腐食抑制方法 - Google Patents

ボイラにおけるエコノマイザの腐食抑制方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ボイラ缶内のような濃縮部ではなく、非濃縮部であるエコノマイザにおいて防食効果を発揮するエコノマイザの腐食抑制方法を提供する。
【解決手段】ボイラにおけるエコノマイザの腐食抑制方法であって、ボイラは、燃焼排ガスにより給水を加熱するエコノマイザと、給水がエコノマイザを通らずバイパスするバイパスラインと、エコノマイザ内の伝熱管内部の水を排出するための弁とを備え、かつ、バイパスラインに一次的に給水を通水させつつ、弁を開放することにより、エコノマイザ内部の伝熱管から水を排出する工程A、及び水が排出された前記伝熱管に対して、排ガスで伝熱管外面より加熱することにより、内部に残存する水分を蒸発させ、伝熱管内面に酸化皮膜を形成させる工程Bを有するエコノマイザの腐食抑制方法である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ボイラにおけるエコノマイザの腐食抑制方法に関し、詳しくは、ボイラの排ガスを利用してエコノマイザの伝熱管を熱処理することにより、エコノマイザの腐食を効果的に抑制する方法に関する。
従来、ボイラ系統の腐食を引き起こす主な要因としては、ボイラ給水あるいは缶水が、(1)溶存酸素濃度が高い、(2)pHの適正範囲から外れている、(3)塩化物イオンや硫酸イオン等の有害イオン濃度が高い、の3点が挙げられる。
したがって、ボイラ水系における缶内の水側の腐食を防止するための方法として、一般に薬剤を注入し、pHを適正範囲にコントロールしたり、溶存酸素を除去したり、又は鋼材表面に防食皮膜を形成する等の方法が行われている。この際、ボイラ缶内での濃縮を考慮して薬剤を注入するために、非濃縮部においては、pHが低く薬剤濃度が低いため、防食皮膜の形成が不充分となる。
ボイラのエコノマイザは一般に非濃縮部であるため、低pHでかつ薬剤を添加した場合も濃度が低く防食皮膜の形成が不十分となる。また、エコノマイザ内部では水温が上昇するにもかかわらず、溶存酸素濃度が高いため、腐食性が高く、障害が多く発生している。特に低圧ボイラの炭素鋼製エコノマイザは、腐食破孔障害の発生頻度が高く、設置から2〜3年で破孔に至ることもある。
エコノマイザの防食技術としては、薬剤による防食方法と、脱酸素装置による防食方法が挙げられる。
薬剤による防食方法としては、薬剤をエコノマイザの上流に注入し、pHを調整し、鋼材表面に防食皮膜の形成等を行う方法が挙げられる。この際、エコノマイザの防食に十分な濃度の薬剤を添加すると、ボイラ缶内のような濃縮部においては、pH、電気伝導度が上昇しすぎてキャリオーバやアルカリ腐食が生じ易い。一方、ボイラ缶内での濃縮を考慮して薬剤を低濃度で注入すると、給水配管やエコノマイザ等の非濃縮部においては、低pHで薬剤濃度が低くなるため防食皮膜の形成が不十分となる。
薬剤による防食方法として、特許文献1には、分子内にカルボキシル基を2個以上もつ有機多塩基酸又はその塩を含むボイラ用缶水処理剤組成物をボイラ運転時にボイラ缶水に添加するボイラの腐食防止方法が開示されている。
特許文献2には、ボイラ給水へケイ酸塩を注入して防食被膜を形成する、エコノマイザの水管やボイラ水管等のボイラ系統の防食方法が開示されている。
また、特許文献3には、ボイラ給水に対して、酒石酸又はその塩、クエン酸又はその塩、及びボイラ給水のpHを8〜12に調整し得る量のアルカリ剤を添加するボイラの腐食・孔食防止方法が開示されている。
一方、窒素置換式等の脱酸素装置による防食の場合、エコノマイザの防食が可能な低濃度まで酸素を除去できる性能を有する脱酸素装置は大型となり、多額の設備投資が必要となることが多く、適用範囲が限定される。
特開平4−232285号公報 特開2001−336701号公報 特開2005−220396号公報
特許文献1及び2においては、ボイラ缶内における評価しか行っておらず、非濃縮部でありpH条件が大きく異なるエコノマイザに対する効果については何ら検討されていない。
また、特許文献3においては、添加薬剤の濃度が低いと防食皮膜の形成が不充分となり、また後段のボイラ缶内での濃縮を考慮してpHを低くすると、防食効果が低くなり、十分な処理効果が得られない。一方、充分に腐食を抑制するために薬剤を高濃度で添加すると、酒石酸、クエン酸等はボイラ缶水の電気伝導率やpHを上昇させキャリオーバを生じ易い。キャリオーバを防止するためにブロー量を増加すれば不経済となる。

本発明は、このような状況下になされたもので、ボイラ缶内のような濃縮部ではなく、非濃縮部であるエコノマイザにおいて防食効果を発揮するエコノマイザの腐食抑制方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、エコノマイザ内部の伝熱管から水を排出した後、排ガスで伝熱管外面を加熱し、該伝熱管内に残存する水分を蒸発させて酸化皮膜を形成させることにより、非濃縮部であるエコノマイザにおいても、腐食抑制効果を充分に発揮し得ることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は、次の[1]〜[4]を提供するものである。
[1]ボイラにおけるエコノマイザの腐食抑制方法であって、該ボイラは、燃焼排ガスにより給水を加熱するエコノマイザと、給水が該エコノマイザを通らずバイパスするバイパスラインと、該エコノマイザ内の伝熱管内部の水を排出するための弁とを備え、かつ下記の工程A及びBを有することを特徴とするエコノマイザの腐食抑制方法。
工程A:前記バイパスラインに一次的に給水を通水させつつ、前記弁を開放することにより、該エコノマイザ内部の伝熱管から水を排出する工程
工程B:水が排出された前記伝熱管に対して、排ガスで伝熱管外面より加熱することにより、内部に残存する水分を蒸発させ、伝熱管内面に酸化皮膜を形成させる工程
[2]工程Bにおいて、排ガス温度が150℃以上である、上記[1]のエコノマイザの腐食抑制方法。
[3]給水に、分子内にヒドロキシ基を有する有機酸類を添加する、上記[1]又は[2]のエコノマイザの腐食抑制方法。
[4]分子内にヒドロキシ基を有する有機酸類が、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、エリソルビン酸、リンゴ酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸及びヒドロキシホスホノ酢酸、並びにそれらの塩の中から選ばれる少なくとも一種である、上記[3]のエコノマイザの腐食抑制方法。
本発明によれば、ボイラの非濃縮部であるエコノマイザにおいて腐食抑制効果を充分に発揮するエコノマイザの腐食抑制方法を提供することができる。
本発明における実施例及び比較例で使用した、エコノマイザを模して作製した試験装置の概略図である。
[腐食抑制方法]
本発明のエコノマイザの腐食抑制方法(以下、単に「本発明の腐食抑制方法」ともいう)は、ボイラにおけるエコノマイザの腐食抑制方法であって、該ボイラは、燃焼排ガスにより給水を加熱するエコノマイザと、給水が該エコノマイザを通らずバイパスするバイパスラインと、該エコノマイザ内の伝熱管内部の水を排出するための弁とを備え、かつ下記の工程A及びBを有することを特徴とする。
工程A:前記バイパスラインに一次的に給水を通水させつつ、前記弁を開放することにより、該エコノマイザ内部の伝熱管から水を排出する工程
工程B:水が排出された前記伝熱管に対して、排ガスで伝熱管外面より加熱することにより、内部に残存する水分を蒸発させ、伝熱管内面に酸化皮膜を形成させる工程
本発明の腐食防止方法における対象水系は、ボイラ水系システムであって、給水種としては、純水給水、逆浸透(RO)給水、軟水給水のいずれも適用可能である。
ボイラの形式は特に制限されず、給水を蒸気に変えるボイラであって、エコノマイザを備えるものであればよく、小型貫流ボイラ(JIS B8223における特殊循環ボイラ)、水管ボイラ、丸ボイラ、排熱回収ボイラ等のボイラにおいて広範に使用することができる。
適用するボイラの圧力に特に制限はないが、圧力が高くなりすぎると添加する防食剤等が熱分解し易くなるため、好ましくは3.0MPa以下、より好ましくは2.0MPa以下の圧力下で使用することが望ましい。
次に、本発明のエコノマイザの腐食抑制方法について、具体的に説明する。
本発明におけるボイラは、給水ポンプとボイラとの間に燃焼排ガスにより給水を加熱するエコノマイザと、エコノマイザに通水せずに給水が可能となるバイパスラインと、該エコノマイザ内の伝熱管内部の水を排出するための弁とを備える。通常は上記エコノマイザに給水を通水して運転を行うが、該エコノマイザの熱処理時においては、前記バイパスラインに一次的に給水を通水させつつ、前記弁を開放することにより、該エコノマイザ内部の伝熱管から水を排出する(A工程)。
次に、水が排出された前記伝熱管に対して、排ガスで伝熱管外面より加熱することにより、内部に残存する水分を蒸発させ、伝熱管内面に酸化皮膜を形成させる(工程B)。
伝熱管の加熱に際しては、排出弁を開放したまま、燃焼排ガスを伝熱管外面に通風させて、伝熱管外面から、伝熱管を加熱することで、該伝熱管内面に酸化皮膜を形成させる。ここで、排ガス温度が150℃以上であれば、十分な酸化皮膜を形成することができるため好ましい。この際、伝熱管内部に残存する水分を排出するために、排出弁に通気装置を接続して換気を行うこともできる。
また、排ガスは、好ましくは1時間以上、より好ましくは3時間以上、更に好ましくは6時間以上、通風させることで、十分な酸化皮膜を形成させる。
このようにして伝熱管内面に酸化皮膜を形成した後は、再度エコノマイザに通水を行い運転し、再度酸化皮膜に欠損が生じた場合には、上記の工程を繰り返して酸化皮膜を再形成させることができる。
[添加薬剤成分]
本発明の腐食抑制方法においては、添加薬剤成分として、既存の防食剤、アルカリ剤を使用すれば、腐食抑制効果が相乗的に高まるため、酸化皮膜の欠損の発生頻度が大幅に減少する。また、スケール防止剤、スケール除去剤、脱酸素剤、中和性アミン等の添加薬剤成分は、本発明の目的を阻害しない範囲において、添加しても良い。この際、任意に混合してボイラ水系に添加してもよく、また別々に添加してボイラ水系内で混合してもよい。
これらの添加薬剤成分は一種単独で又は二種以上を組み合わせて用いることができる。
(防食剤)
防食剤としては特に制限はないが、防食効果の観点から、分子内にカルボキシ基のみを有する有機酸よりも、分子内にヒドロキシ基を有する有機酸類が好ましい。
分子内にヒドロキシ基を有する有機酸類としては、クエン酸、イソクエン酸、グルコン酸、グルコール酸、酒石酸、エリソルビン酸、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBTC)及びヒドロキシホスホノ酢酸(HPAC)、並びにそれらの塩から選ばれる少なくとも一種を挙げることができる。
前記塩としては、ナトリウム塩やカリウム塩等のアルカリ金属塩、アンモニウム塩等が挙げられる。
なお、前記2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸(PBTC)及びヒドロキシホスホノ酢酸(HPAC)は下記の構造を有している。
Figure 2013067830
これらの有機酸類の中では、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、エリソルビン酸、アスコルビン酸及びそれらの塩がより好ましい。
なお、これらの有機酸類のボイラ給水に対する添加濃度は、好ましくは30〜70mg/L、より好ましくは35〜65mg/Lである。
(アルカリ剤)
アルカリ剤は、ボイラ給水及びボイラ水のpHを8.5以上に維持し、それにより金属腐食を抑制するために用いることができる。
pHは高い方が腐食抑制効果が高いが、ボイラ水系等のように後段で濃縮が起こる水系では、pHを高くしすぎると後段の装置の運転に影響を与えるため、pHは好ましくは8.5〜10.5、より好ましくはpH8.5〜10.0、更に好ましくはpH8.5〜9.5である。
アルカリ剤としては、例えば水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム等のアルカリ金属水酸化物、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩、リン酸三ナトリウム等のアルカリ金属リン酸塩等が挙げられる。これらの中では、pH調整効果及び熱分解により二酸化炭素を発生させない観点から、アルカリ金属水酸化物が好ましく、経済性の観点から、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等がより好ましい。
(スケール防止剤)
スケール防止剤としては、例えば各種リン酸塩や、ポリアクリル酸、ポリマレイン酸、及びそれらのナトリウム塩等の水溶性高分子化合物、ホスホン酸塩,キレート剤等が挙げられる。
(脱酸素剤、脱酸素装置)
脱酸素剤としては、例えばヒドラジン、カルボヒドラジド、1−アミノ−4−メチルピペラジン、タンニン(酸)及びその塩、エリソルビン酸及びその塩、アスコルビン酸及びその塩等が挙げられる。
また、窒素置換式、膜式、真空式等の脱酸素装置と併用してもよい。
(中和性アミン)
中和性アミンとしては、例えばモノエタノールアミン(MEA)、シクロへキシルアミン(CHA)、モルホリン(MOR)、ジエチルエタノールアミン(DEEA)、モノイソプロパノールアミン(MIPA)、3−メトキシプロピルアミン(MOPA)、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール(AMP)等を用いることができる。
[水質の調整]
ボイラ給水のM−アルカリ度やシリカが不足する場合には、アルカリ剤及びケイ酸塩(Na2SiO2等)を添加することで、腐食抑制効果がさらに改善される。
アルカリ剤及びケイ酸塩の添加濃度は、M−アルカリ度が5mgCaCO3/L以上、かつシリカが5mgSiO2/L以上、好ましくはM−アルカリ度が10mgCaCO3/L以上、かつシリカが10mgSiO2/L以上、より好ましくはM−アルカリ度が15mgCaCO3/L以上、かつシリカが15mgSiO2/L以上となるように、薬注量を調節するのがよい。
本発明のエコノマイザの腐食抑制方法においては、伝熱管が燃焼排ガスにより熱処理されることで、伝熱管内面に酸化皮膜が形成される。そして、通常運転時に防食剤を適用することにより、薬剤成分の防食皮膜と酸化皮膜が相乗的に腐食抑制に寄与するため、金属表面に強固な皮膜が形成され、エコノマイザの腐食が効果的に抑制される。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの例によってなんら限定されるものではない。
実施例1〜6及び比較例1〜5
図1に示すエコノマイザを模して作製した試験装置を用いて、次のように運転を行い、本発明の腐食抑制効果を確認した。
試験水タンク2の内部に設置されているヒーター3と、熱媒タンク13の内部に設置されているヒーター14を、それぞれ稼動させて、試験水及び熱媒を加温した。所定の水質になるように調整された試験水を60℃に加温し、試験開始と共に、給水ポンプ6を、実機ボイラを想定して、60秒毎に運転・停止を繰り返しながら毎時30L/hとなるように運転し、試験水を入口テストカラム8、熱交換器16、出口テストカラム10の順に、背圧弁12にて0.7MPaに調節しながら通水した。試験は12時間運転、12時間停止を繰り返しながら3日間実施した。
入口テストカラム8及び出口テストカラム10には、それぞれテストチューブが設置されており、該チューブの内側に試験水を通水し、入口テストカラム8後段の熱交換器16により、出口温度計11で140℃となるように試験を行った。なお、薬注タンク4に収容されている防食剤は、給水ポンプ6に連動させた薬注ポンプ5を介して給水ラインに添加した。
所定の試験期間経過後に装置を停止し、冷却後、テストカラム8及び10より、それぞれテストチューブを取り出し、JIS K 100に準じて脱錆処理を行い、期間中のテストチューブの腐食減量を測定し、腐食速度を算出した。その結果を表1に示す。
テストチューブには炭素鋼製の内径9mm、外径14mm、長さ150mmのものを脱脂して用いた。また、表1において、「熱処理あり」のテストチューブには、事前に実機小型貫流ボイラの煙道にテストチューブを冶具を用いて挿入し、48時間吊り下げて160〜220℃の排ガスで熱処理したテストチューブを使用した。
試験水としては、下記組成の合成水に、表1に示す濃度となるように薬剤を添加した試験水を使用した。
(合成水の組成)
ベース :超純水
NaHCO3 :CaCO3として40mg/L
HCl及びNaCl:Cl-として40mg/L
Na2SO4 :SO4 2-として40mg/L
Na2SiO3 :SiO2として30mg/L
給水pH :25℃ 9.0(NaOH又はHClで調整)
Figure 2013067830
表1において、実施例1と比較例1を対比すれば、通常運転時に防食剤を使用しない場合でも、本発明の熱処理工程による腐食抑制効果が優れていることが分かる。
また、通常運転時に防食剤を使用した場合も、実施例2〜5と比較例2〜5を対比すれば、本発明の熱処理工程による腐食抑制効果が優れていることが分かる。
さらに、実施例2〜5と実施例6を対比すれば、防食剤としては、ヒドロキシ基を有する有機酸(塩)が、カルボキシ基のみを有する有機酸(塩)よりも高い腐食抑制効果を奏することが分かる。
本発明の腐食抑制方法によれば、簡便な操作で、ボイラの非濃縮部であるエコノマイザを効果的に防食することができる。
1 補給水
2 試験水タンク
3 ヒーター
4 薬注タンク
5 薬注ポンプ
6 給水ポンプ
7 流量計
8 入口テストカラム
9 入口温度計
10 出口テストカラム
11 出口温度計
12 背圧弁
13 熱媒タンク
14 ヒーター
15 熱媒ポンプ
16 熱交換器

Claims (4)

  1. ボイラにおけるエコノマイザの腐食抑制方法であって、該ボイラは、燃焼排ガスにより給水を加熱するエコノマイザと、給水が該エコノマイザを通らずバイパスするバイパスラインと、該エコノマイザ内の伝熱管内部の水を排出するための弁とを備え、かつ下記の工程A及びBを有することを特徴とするエコノマイザの腐食抑制方法。
    工程A:前記バイパスラインに一次的に給水を通水させつつ、前記弁を開放することにより、該エコノマイザ内部の伝熱管から水を排出する工程
    工程B:水が排出された前記伝熱管に対して、排ガスで伝熱管外面より加熱することにより、内部に残存する水分を蒸発させ、伝熱管内面に酸化皮膜を形成させる工程
  2. 工程Bにおいて、排ガス温度が150℃以上である、請求項1に記載のエコノマイザの腐食抑制方法。
  3. 給水に、分子内にヒドロキシ基を有する有機酸類を添加する、請求項1又は2に記載のエコノマイザの腐食抑制方法。
  4. 分子内にヒドロキシ基を有する有機酸類が、クエン酸、グルコン酸、酒石酸、エリソルビン酸、リンゴ酸、2−ホスホノブタン−1,2,4−トリカルボン酸及びヒドロキシホスホノ酢酸、並びにそれらの塩の中から選ばれる少なくとも一種である、請求項3に記載のエコノマイザの腐食抑制方法。
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