JP2003160886A - 腐食抑制剤 - Google Patents
腐食抑制剤Info
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Abstract
生じる腐食を抑制する腐食抑制剤を実現する。 【解決手段】 この発明の腐食抑制剤は、水分の影響
により生じる腐食を抑制するための腐食抑制剤であり、
シリカとpH調整剤とを含んでいる。
Description
くに水分の影響によりボイラ系統,たとえばボイラの水
管やエコノマイザの水管等の伝熱面に生じる腐食を抑制
するための腐食抑制剤に関する。
な要因としては、ボイラ給水あるいは缶水が、溶存酸
素濃度が高い、pHの適正範囲(11.0〜11.
8)から外れている、塩化物イオンや硫酸イオン等の
有害イオン濃度が高い、の3点が挙げられる。
置または脱酸素剤を用いて行っている。脱気装置として
は、真空脱気装置,加熱脱気装置,膜式脱気装置等が挙
げられる。脱気装置を用いて脱気することにより、ボイ
ラ系統の腐食要因である酸素を確実に除去できる。ま
た、脱酸素剤としては、ヒドラジン,亜硫酸塩等が挙げ
られる。しかし、ヒドラジンは、反応速度が遅いという
欠点があり、また亜硫酸塩は、腐食性因子を増加させる
という欠点がある。
H調整剤を用いて行っているが、一定濃度以上のMアル
カリ度を有するボイラ給水の場合であれば、Mアルカリ
度を示す成分(主として炭酸水素塩)がボイラの缶内で
熱分解され、炭酸イオン,水酸化物イオン等を生じて缶
水のpHを高める作用がある。また、ボイラの缶内で不
揮発性成分である炭酸イオン,水酸化物イオン等も濃縮
されpHを高める作用がある。したがって、ボイラ給水
に含まれるMアルカリ成分が一定濃度以上であれば、p
H調整剤は用いなくても、pHを適正範囲にすることが
できる。しかし、Mアルカリ度が低い場合には、pH調
整剤の投入が必要になる。
法は、缶水をブローすることにより行っている。このブ
ローを制御することにより、缶水の濃縮による有害イオ
ンの濃度上昇を防止している。
としては、皮膜形成型の防食剤をボイラ給水に注入する
ことが挙げられる。この防食剤の皮膜形成により、水管
が直接缶水と接触しないため、溶存酸素,pH,有害イ
オンに関係なく防食効果を示す。しかし、皮膜形成型の
防食剤として用いられているモリブデン酸塩,タンニ
ン,リグニン,糖類,有機酸塩,リン酸塩等は、防食効
果を発揮させるのに必要な濃度が高くなり、また溶存酸
素除去,pH調整,有害イオンの低濃度化を行う方法に
比べて、排水処理に手間がかかる。
に鑑み、排水処理の問題が生じず、水分の影響により生
じる腐食を抑制する腐食抑制剤を提供することを目的と
している。
解決するためになされたもので、水分の影響により生じ
る腐食を抑制するための腐食抑制剤であって、シリカ
と、pH調整剤とを含んでいる。また、pH調整剤とし
ては、たとえばアルカリ金属の水酸化物である。
2質量%以上、pH調整剤を0.2質量%以上それぞれ
含んでいる。
影響により生じる腐食を抑制するためのものであり、シ
リカとpH調整剤を含んでいる。
表面に対し、水分による腐食を抑制するための皮膜を形
成するための成分である。具体的には、水分に含まれる
腐食促進因子である溶存酸素や塩化物イオン等の影響に
より、伝熱面から溶出する成分にシリカが作用し、伝熱
面の水分との接触面側に耐食性の皮膜(いわゆる防食皮
膜)を形成する。とくに、溶存酸素や塩化物イオンは、
伝熱面に局部的なアノードを発現させ、これにより腐食
が進行する場合があるが、水分中に含まれるシリカは、
アニオンまたは負電荷のミセルとして存在しているた
め、そのようなアノードに吸着しやすく、当該部分で選
択的に防食皮膜を形成しやすい。
(すなわち、ケイ酸塩)も含むものを意味している。ケ
イ酸の塩には、オルトケイ酸塩(nSiO2・(n+
1)M(I)2O)や,ポリケイ酸塩(nSiO2・nM
(I)2O,nSiO2・(n−1)M(I)2Oおよび
nSiO2・(n−2)M(I)2O)もしくはこれらの
水和物が含まれる。塩の化学式において、M(I)はア
ルカリ金属やアルカリ土類金属等の金属元素を示してお
り、金属元素がM(II)の場合は、M(I)の分子数が
半分になる。また、ポリケイ酸塩の化学式において、n
は、2よりも大きい。以下、シリカという場合は、前記
のような塩も含む概念を意味する場合がある。ここにお
いて、シリカは、2種類以上のものが併用されていても
よい。
カの割合は、通常、全質量の0.12質量%以上に設定
されているのが好ましく、0.6質量%以上に設定され
ているのがより好ましい。この含有量が0.12質量%
未満の場合は、伝熱面に対して腐食防止用の所要の皮膜
を形成するのが困難になる可能性がある。
しては、粉末のものを用いてもよく、水溶液のものを用
いてもよい。
面を腐食しにくいpH域に調整するために、水分のpH
を上昇させる成分である。ここで利用可能なpH調整剤
の種類は、とくに限定されるものではなく、アルカリ金
属の水酸化物やアルカリ土類金属の水酸化物等の各種の
ものがある。これらは、適宜2種以上のものが併用され
てもよい。このうち、この発明では、アルカリ金属の水
酸化物を用いるのがとくに好ましい。アルカリ金属の水
酸化物は、カルシウムやマグネシウム等の硬度成分を含
まない薬剤であるため、スケールの生成を促進しないも
のとして適用することができる。
調整剤の割合は、通常、全質量の0.2質量%以上に設
定されているのが好ましく、1.0質量%以上に設定さ
れているのがより好ましい。この含有量が0.2質量%
未満の場合は、pH上昇が十分でなくなる可能性があ
り、シリカによる皮膜が伝熱面の表面に形成される前
に、伝熱面の腐食を効果的に抑制するのが困難になる可
能性がある。
前記の必須成分の他、必要に応じて各種の添加剤を含ん
でいてもよい。添加剤としては、たとえばヘキサメタ燐
酸ナトリウム,トリポリ燐酸ナトリウム等の重合燐酸塩
類等を挙げることができ、またニトリロトリ酢酸(NT
A)やエチレンジアミン四酢酸(EDTA)およびこれ
らの塩等の金属イオン封鎖剤を挙げることができる。
面の腐食を抑制するために用いられる。より具体的に
は、たとえばボイラの水管等の水蒸気を発生する装置に
おいて、蒸気を発生させる伝熱管(伝熱面の一例)およ
びその他の伝熱面が水分により腐食するのを抑制するた
めに用いる。
気発生用の伝熱管が腐食することを抑制する場合は、ボ
イラへ給水を供給する給水路内にこの発明の腐食抑制剤
を注入する。給水路に注入された腐食抑制剤は、給水路
内で混合され、給水とともにボイラへ流入する。これに
より、腐食抑制剤中のpH調整剤が水分のpHを上昇さ
せ、また腐食抑制剤中のシリカが伝熱管の水分との接触
面側に皮膜を形成する。この結果、伝熱管は、水分によ
る腐食が効果的に抑制されることになる。
るこの発明の腐食抑制剤の注入量は、通常、水分中にお
けるシリカとpH調整剤との合計の濃度が1.6mg/リ
ットル以上になるよう設定するのが好ましく、8.0mg
/リットル以上になるように設定するのがより好まし
い。因みに、前記腐食抑制剤は、シリカとpH調整剤と
の合計の濃度が前記のようになるのであれば、給水路に
対して連続的に注入されてもよいし、断続的に注入され
てもよい。
前記のような濃度付近に希釈された場合、通常、pHが
9〜12.5程度の塩基性を示す。このため、この腐食
抑制剤は、一般に、燐酸ナトリウム等の塩基性スケール
防止剤および亜硫酸ナトリウムやタンニン等のその他の
水処理剤と併用することもできる。
留水を滴下しながら攪拌した。これにより、目的とする
腐食抑制剤が得られた。ここにおいて、この腐食抑制剤
中に含まれる各成分の割合は、表1のとおりである。
ながら攪拌した。これにより、目的とする腐食抑制剤が
得られた。ここにおいて、この腐食抑制剤中に含まれる
各成分の割合は、表1のとおりである。
水を滴下しながら攪拌した。これにより、目的とする腐
食抑制剤が得られた。ここにおいて、この腐食抑制剤中
に含まれる各成分の割合は、表1のとおりである。
しながら攪拌した。これにより、目的とする腐食抑制剤
が得られた。ここにおいて、この腐食抑制剤中に含まれ
る各成分の割合は、表1のとおりである。
を滴下しながら攪拌した。これにより、目的とする腐食
抑制剤が得られた。ここにおいて、この腐食抑制剤中に
含まれる各成分の割合は、表1のとおりである。
水を滴下しながら攪拌した。これにより、目的とする腐
食抑制剤が得られた。ここにおいて、この腐食抑制剤中
に含まれる各成分の割合は、表1のとおりである。
した場合と無薬注の場合について、腐食抑制性を調査し
た。ここでは、蒸発量1.35kg/時間の貫流ボイラ
に、腐食抑制剤を500mg/リットル添加した軟水を供
給し、圧力が3.0MPaの蒸気を連続的に発生させなが
ら、ブロー率を10%にして当該ボイラを運転した。4
8時間経過後の食孔(伝熱管の水との接触面側に発生す
る厚さ方向の反対側へ向かう孔状の腐食のことを云
う。)の深さの最大値を調べた。その結果を表2に示
す。ここにおいて、給水に用いた軟水は、大阪市の軟化
水を人工的に調製したものを用いた。その水質はつぎの
とおりである。
無薬注に比べて腐食抑制性に優れていることが分かる。
また、実施例5〜12についても同様の効果が得られ
た。
カおよびpH調整剤を含むものであるため、皮膜形成機
能およびpH上昇機能の両面から水分による伝熱面に生
じる腐食を効果的に抑制することができる。
Claims (3)
- 【請求項1】水分の影響により生じる腐食を抑制するた
めの腐食抑制剤であって、 シリカと、 pH調整剤と、を含む腐食抑制剤。 - 【請求項2】前記pH調整剤が、アルカリ金属の水酸化
物である、請求項1に記載の腐食抑制剤。 - 【請求項3】前記シリカを0.12質量%以上、前記p
H調整剤を0.2質量%以上それぞれ含んでいる、請求
項1または2に記載の腐食抑制剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001362049A JP2003160886A (ja) | 2001-11-28 | 2001-11-28 | 腐食抑制剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2001362049A JP2003160886A (ja) | 2001-11-28 | 2001-11-28 | 腐食抑制剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2003160886A true JP2003160886A (ja) | 2003-06-06 |
Family
ID=19172615
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2001362049A Pending JP2003160886A (ja) | 2001-11-28 | 2001-11-28 | 腐食抑制剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2003160886A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012013279A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Miura Co Ltd | 蒸気ボイラの運転方法 |
JP2019044201A (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-22 | 三浦工業株式会社 | 亜硫酸系水処理剤及び水処理方法 |
-
2001
- 2001-11-28 JP JP2001362049A patent/JP2003160886A/ja active Pending
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012013279A (ja) * | 2010-06-30 | 2012-01-19 | Miura Co Ltd | 蒸気ボイラの運転方法 |
JP2019044201A (ja) * | 2017-08-29 | 2019-03-22 | 三浦工業株式会社 | 亜硫酸系水処理剤及び水処理方法 |
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