JP2003160479A - 外用剤組成物 - Google Patents

外用剤組成物

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JP2003160479A
JP2003160479A JP2002261463A JP2002261463A JP2003160479A JP 2003160479 A JP2003160479 A JP 2003160479A JP 2002261463 A JP2002261463 A JP 2002261463A JP 2002261463 A JP2002261463 A JP 2002261463A JP 2003160479 A JP2003160479 A JP 2003160479A
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JP
Japan
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hair
group
compound
formula
carbon atoms
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JP2002261463A
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English (en)
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Takashi Oba
剛史 大場
Hajime Soga
元 曽我
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Kao Corp
Original Assignee
Kao Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた血行促進効果が長時間持続すると共
に、高い育毛効果を有し、更に皮膚刺激感がなく、医薬
又は化粧料として安全に使用できる血行促進剤、育毛剤
及び外用剤組成物を提供する。 【解決手段】 下記の一般式(1): 【化1】 〔式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R2
は炭素数2〜24の炭化水素基を示し、Aは次式
(a): 【化2】 (ここで、R3は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素
基を示し、Xは水素原子又は水酸基を示し、mは0〜4
の整数を示す)又は(b)−COOHを示し、nは0〜
3の整数を示す。〕で表されるハイドロキノン誘導体又
はその塩を含有する外用剤組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はハイドロキノン誘導
体又はその塩を含有する外用剤組成物、血行促進剤及び
育毛剤に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】従来血
行促進剤としては、末梢血管拡張作用を有するカプサイ
シン並びにカプサイシンを含む唐辛子末、唐辛子チン
キ、唐辛子エキス、生姜の辛味成分であるジンゲロー
ル、ショウガオール、生姜エキス、ビタミンE誘導体等
が知られている。
【0003】しかしながらカプサイシン等は、皮膚外用
剤として適用した場合、強い皮膚刺激感を有しており、
この刺激感を低減するために使用量を減少させると、血
行促進効果が低下し、持続性も消失する。また、皮膚刺
激感のない他の剤では、十分な血行促進効果と持続性を
発現できなかった。
【0004】また、末梢血管拡張剤である硫酸バメタン
(特許文献1参照)やクエン酸ニカメタート(特許文献
2参照)等の経口の血行促進剤の化粧料への転用が提案
されているが、副作用が生じる可能性が懸念される。す
なわち、これらの医薬品を皮膚外用剤として高濃度で使
用する場合には、リスクが伴う。
【0005】一方、前記の血行促進剤を含め各種のビタ
ミン類、セリン、メチオニン等のアミノ酸類、センブリ
エキス、アセチルコリン誘導体等の血管拡張剤、紫根エ
キス等の抗炎症剤、エストラジオール等の女性ホルモン
剤、セファランチン等の皮膚機能亢進剤、アルキルアミ
ンオキシド等の特定の両親媒性化合物が脱毛、髪の細り
の予防及び治療に用いられてきた(特許文献3参照)。
【0006】また、ジンゲロン配糖体(特許文献4参
照)、オイゲノール誘導体(特許文献5参照)、シトラ
ール(特許文献6参照)が育毛剤として報告されてお
り、更にはカリウムチャンネルオープナーであるミノキ
シジルが育毛剤として最近注目されている。
【0007】しかしながら、これらの薬剤は、明確な育
毛効果、脱毛効果が認められないものが多く、またミノ
キシジルのように一定の効果があっても、心臓疾患への
副作用が報告されている等、十分な育毛・脱毛予防効果
を持ち、なおかつ皮膚外用剤としての高い安全性を持つ
物質は未だ見出されていない。
【0008】本発明は、優れた血行促進効果が長時間持
続すると共に、高い育毛効果を有し、更に皮膚刺激感が
なく、医薬又は化粧料として安全に使用できる血行促進
剤、育毛剤及び外用剤組成物を提供することを目的とす
る。
【0009】
【特許文献1】特開昭62−126105号公報
【特許文献2】特開昭62−135405号公報
【特許文献3】特開平12−44436号公報
【特許文献4】特開2000−178140号公報
【特許文献5】特開平9−241116号公報
【特許文献6】特開2000−44467号公報
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、下記式
(1)及び(2)で表される特定のハイドロキノン誘導
体又はその塩が、持続的でかつ強力な血行促進効果と優
れた育毛効果を合わせ持ち、さらに皮膚刺激感が無く、
血行促進剤、育毛剤及び外用剤組成物として安全に使用
できることを見出した。
【0011】すなわち本発明は、下記の一般式(1):
【0012】
【化5】
【0013】〔式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン
基を示し、R2は炭素数2〜24の炭化水素基を示し、
Aは次式(a):
【0014】
【化6】
【0015】(ここで、R3は水素原子又は炭素数1〜
6の炭化水素基を示し、Xは水素原子又は水酸基を示
し、mは0〜4の整数を示す)又は(b)−COOHを
示し、nは0〜3の整数を示す。〕
【0016】で表されるハイドロキノン誘導体又はその
塩を含有する外用剤組成物を提供するものである。
【0017】また本発明は、下記の一般式(2):
【0018】
【化7】
【0019】〔式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン
基を示し、R4は炭素数1〜24の炭化水素基を示し、
Aは次式(a):
【0020】
【化8】
【0021】(ここで、R3は水素原子又は炭素数1〜
6の炭化水素基を示し、Xは水素原子又は水酸基を示
し、mは0〜4の整数を示す)又は(b)−COOHを
示し、nは0〜3の整数を示す。〕
【0022】で表されるハイドロキノン誘導体又はその
塩を含有する血行促進剤及び育毛剤を提供するものであ
る。
【0023】
【発明の実施の形態】本発明の一般式(1)及び(2)
で表されるハイドロキノン誘導体のうち、R 1で示され
る炭素数2〜4のアルキレン基としては、炭素数2〜4
の直鎖又は分岐アルキレン基のいずれでもよく、例えば
エチレン、トリメチレン、1−メチルエチレン、2−メ
チルエチレン、テトラメチレン、1,2−ジメチルエチ
レン等が挙げられる。このうち直鎖アルキレン基が好ま
しく、エチレン及びトリメチレンがより好ましく、特に
エチレン基が好ましい。
【0024】一般式(1)で表されるハイドロキノン誘
導体のうち、R2で示される炭素数2〜24の炭化水素
基としては、炭素数2〜24の直鎖、分岐鎖若しくは環
状の飽和又は不飽和炭化水素基が挙げられ、例えばエチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イ
ソペンチル、n−ヘキシル、2−エチルブチル、n−ヘ
プチル、イソペンチル、n−オクチル、2−エチルヘキ
シル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−
ドデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデシル、n−
オクタデシル、イソステアリル基等の炭素数2〜24の
アルキル基;アリル、オレイル基等の炭素数3〜18の
アルケニル基;シクロペンチル、シクロヘキシル、シク
ロオクチル基等の炭素数5〜8のシクロアルキル基;ベ
ンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、4−フェ
ニルブチル、5−フェニルペンチル基等のフェニル−
(C1−18)アルキル基である炭素数7〜24のアラ
ルキル基が挙げられる。このうちAが式(a)である場
合には、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブ
チル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−
ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−エチルブ
チル、n−ヘプチル、イソペンチル、n−オクチル、2
−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウン
デシル、n−ドデシル等の炭素数2〜12の直鎖又は分
岐アルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシル等のシ
クロアルキル基;フェネチル基、フェニルプロピル基等
の炭素数8〜12のアラルキル基が好ましく、特にエチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イ
ソペンチル、n−ヘキシル、2−エチルブチル、n−ヘ
プチル、イソペンチル、n−オクチル、2−エチルヘキ
シル、n−ノニル、フェネチル基が好ましい。
【0025】また、Aが(b)−COOHである場合に
は、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−
エチルブチル、n−ヘプチル、イソペンチル、n−オク
チル、2−エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、
n−ウンデシル、n−ドデシル等の炭素数5〜12の直
鎖又は分岐アルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシ
ル等のシクロアルキル基;ベンジル基、フェネチル基等
の炭素数7〜12のアラルキル基が好ましく、特にn−
ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−エチルブ
チル、n−ヘプチル、イソペンチル、n−オクチル、2
−エチルヘキシル、n−ノニル基、フェネチル基が好ま
しい。
【0026】一般式(1)及び(2)で表わされるハイ
ドロキノン誘導体のうちR3で示される炭素数1〜6の
炭化水素基としては、炭素数1〜6の直鎖、分岐鎖若し
くは、環上の飽和又は不飽和炭化水素基が挙げられ、例
えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n
−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、
n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−エチ
ルブチル基等の炭素数1〜6のアルキル基;アリル、ブ
テニル基等の炭素数3〜6のアルケニル基;シクロプロ
ピル、シクロペンチル、シクロヘキシル基等の炭素数3
〜6のシクロアルキル基が挙げられる。このうち、メチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペ
ンチル、イソペンチル基等の炭素数1〜5のアルキル
基;アリル、ブテニル基等の炭素数3〜5のアルケニル
基;シクロプロピル、シクロペンチル基等の炭素数3〜
5のシクロアルキル基が好ましい。
【0027】一般式(2)で表されるハイドロキノン誘
導体のうち、R4で示される炭素数1〜24の炭化水素
基としては、炭素数1〜24の直鎖、分岐鎖若しくは環
状の飽和又は不飽和炭化水素基が挙げられ、例えばメチ
ル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチ
ル、イソブチル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペ
ンチル、イソペンチル、n−ヘキシル、2−エチルブチ
ル、n−ヘプチル、イソペンチル、n−オクチル、2−
エチルヘキシル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデ
シル、n−ドデシル、n−ペンタデシル、n−ヘキサデ
シル、n−オクタデシル、イソステアリル基等の炭素数
1〜24のアルキル基;シクロペンチル、シクロヘキシ
ル、シクロオクチル基等の炭素数5〜8のシクロアルキ
ル基;ベンジル、フェネチル、3−フェニルプロピル、
4−フェニルブチル、5−フェニルペンチル基等のフェ
ニル−(C1−18)アルキル基である炭素数7〜24
のアラルキル基が挙げられる。このうちメチル、エチ
ル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブ
チル、sec−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イ
ソペンチル、n−ヘキシル、2−エチルブチル、n−ヘ
プチル、イソペンチル、n−オクチル、2−エチルヘキ
シル、n−ノニル、n−デシル、n−ウンデシル、n−
ドデシル等の炭素数1〜12の直鎖又は分岐アルキル
基;シクロペンチル、シクロヘキシル等のシクロアルキ
ル基;ベンジル、フェネチル基等の炭素数7〜12のア
ラルキル基が好ましく、特にメチル、エチル、n−プロ
ピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec
−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、
n−ヘキシル、2−エチルブチル、n−ヘプチル、イソ
ペンチル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、n−ノ
ニル、フェネチル基が好ましい。
【0028】式(a)中、mは0〜4の整数を示すが、
特に0〜1が好ましい。また、nは0〜3の整数を示す
が、特に0〜2が好ましい。一般式(1)及び(2)に
おいて、Aは効果、溶解性、製造の簡便性から式(a)
である場合が好ましい。
【0029】本発明の一般式(1)及び(2)で表わさ
れるハイドロキノン誘導体のうちAが(b)−COOH
である化合物については、リチウム、ナトリウム、カリ
ウム等のアルカリ金属類、ベリリウム、マグネシウム、
カルシウム等のアルカリ土類金属類、アルミニウム、亜
鉛等の両性金属塩や1級、2級、3級アミン塩及び4級
アンモニウム塩、アルギニン、リジン等のアミノ酸塩を
形成することができる。
【0030】本発明の一般式(1)及び(2)で表わさ
れるハイドロキノン誘導体において、特に好ましい具体
的な化合物としては、以下に示すものが挙げられる。
【0031】
【化9】
【0032】本発明のハイドロキノン誘導体は公知の方
法により合成することができる。ハイドロキノンをアル
カノール又はアルコキシアルカノールの対応するハロゲ
ン化アルキル又はスルホン酸エステルと塩基性条件下で
反応させることにより、又はハイドロキノンをアルカノ
ール又はアルコキシアルカノールとヘテロポリ酸触媒存
在下(特開昭60−215643号公報)で反応させる
ことにより得られるハイドロキノンモノアルキルエーテ
ルを、さらに水酸基を有するアルキルハライド、グリシ
ドール、α−モノクロロ酢酸ナトリウム、エチレンオキ
シド或いはグリシジルアルキルエーテル等と反応させる
ことにより合成することができる(式1)。
【0033】
【化10】
【0034】〔式中、Rは次式:
【0035】
【化11】
【0036】(R1、R2、n及びAは前記と同じものを
示す)を示し、R'は水素原子又は炭素数1〜6のアル
キル基を示し、Yはハロゲン原子又はメシル、トシル基
等を含むアルキルスルホニルオキシ基等の脱離基を示
す。〕
【0037】このうち、グリセリル基をもつ化合物は、
ハイドロキノンモノアルキルエーテルをケタール誘導体
とした後、これを酸処理により、又はハイドロキノンモ
ノアルキルエーテルとエピクロロヒドリンとの反応によ
り得られるグリシジルエーテルをカルボン酸存在下又は
非存在下のアルカリ加水分解により合成することもでき
る(式2)。
【0038】
【化12】
【0039】〔式中Z1はハロゲン原子又はアルキルス
ルホニルオキシ基等の脱離基を示し、R''はアルキル基
を示し、Rは前記と同じものを示す。〕
【0040】或いは、ハイドロキノンモノアルキルエー
テルをアリル化して得られる化合物を、オスミウム酸化
により合成することもできる(式3)。
【0041】
【化13】
【0042】〔式中、Z2はハロゲン原子を示し、Rは
前記と同じものを示す。〕
【0043】また本発明のハイドロキノン誘導体は、パ
ラメトキシフェノールを水酸基を有するアルキルハライ
ド、グリシドール、α−モノクロロ酢酸ナトリウム、エ
チレンオキシド或いはグリシジルアルキルエーテル等と
反応させて得られる化合物の酸処理により得られるハイ
ドロキノンモノアルキルエーテルをアルキルハライドや
アルカノール又はアルコキシアルカノールのアルキルス
ルホン酸エステルと反応させることにより合成すること
もできる(式4)。
【0044】
【化14】 〔式中、Z1、A、R、X及びR'は前記と同じものを示
す。〕
【0045】すなわち、(式1)において、中間体ハイ
ドロキノンモノアルキルエーテルを塩基性条件下合成す
る場合、ハイドロキノンに対して対応するアルキルハラ
イドやアルカノール又はアルコキシアルカノールのスル
ホン酸エステル等をモル比で1〜10倍程度用い、無溶
媒またはメタノール、エタノール、イソプロパノール、
ジメチルホルムアミド、水等の溶媒中で0〜150℃程
度の温度で反応させて合成することが好ましい。さら
に、目的物は、中間体ハイドロキノンモノアルキルエー
テルに対して水酸基を有するアルキルハライド、グリシ
ドール、α−モノクロロ酢酸ナトリウム、エチレンオキ
シド或いはグリシジルアルキルエーテル等を塩基の存在
下、モル比で1〜10倍程度用い、無溶媒またはメタノ
ール、エタノール、イソプロパノール、ジメチルホルム
アミド、水等の溶媒中で0〜150℃程度の温度で反応
させて合成することが好ましい。特に、溶媒として水を
用い、脂溶性の高いアルキルハライドまたはアルキルス
ルホン酸エステル等をハイドロキノンや中間体と反応さ
せる場合には、上記の反応を層間移動触媒の存在下で行
うことが好ましい。上記方法で得られるハイドロキノン
誘導体は、アルカリ水洗等による原料や反応中間体等の
除去、蒸留、再結晶、カラムクロマトグラフィー等によ
り精製することもできる。
【0046】かくして得られる本発明のハイドロキノン
誘導体又はその塩は、優れた血行促進・育毛作用を有
し、人体に対して好ましくない皮膚刺激感をほとんど生
じないという優れた特性を発揮する。
【0047】さらに化学的安定性に優れ、保存による着
色等もないため、これらの化合物は、末梢血行障害に起
因する各種疾患、例えばしもやけ、冷え性、レイノー症
等に対する予防及び治療剤や育毛剤、或いは外用剤組成
物に配合することができる。
【0048】本発明の血行促進剤、育毛剤及び外用剤組
成物は、上記ハイドロキノン誘導体又はその塩を1種又
は2種以上混合して用いることができ、また育毛効果又
は血行促進効果を有する植物エキス(特開平9−268
118号公報、特開平10−226621号公報記載)
等を併用することもできる。好適な植物エキスとして
は、ユズ、シナノキ、ボダイジュ、イチョウ、マロニ
エ、ブッチャーブルーム、センブリ等を挙げることがで
きる。
【0049】本発明の血行促進剤、育毛剤及び外用剤組
成物は、外用医薬品、化粧料(皮膚化粧料、毛髪化粧
料)等の製剤として用いることができる。
【0050】外用医薬品としては、例えば、薬効成分を
含有する各種軟膏、パップ剤等を挙げることができる。
例えば軟膏剤とする場合には、油性基剤をベースとする
もの、水中油型又は油中水型の乳化系基剤をベースとす
るもののいずれであっても良く、油性基剤としては、例
えば、植物油、動物油、合成油、脂肪酸及び天然又は合
成のグリセライド等が挙げられる。薬効成分としては、
特に制限はなく、例えば、鎮痛消炎剤、鎮痒剤、殺菌消
毒剤、収斂剤、皮膚軟化剤、ホルモン剤等を必要に応じ
て適宜使用することができる。
【0051】皮膚化粧料としては、種々の形態、例えば
油中水型又は水中油型の乳化型、ペースト状、ジェル
状、固形等の油性又は水性の化粧料とすることができ
る。具体的には、クリーム、化粧乳液、化粧水、美容
液、油性化粧料、口紅、ファンデーション、ローショ
ン、マッサージ剤、育毛剤、入浴剤、歯磨き剤、液体石
鹸、固形石鹸、クリーム状ヘアコンディショナー、皮膚
洗浄料等とすることができる。
【0052】毛髪化粧料としては、特に制限はなく、例
えばヘアトニック、整髪料、育毛剤等が挙げられ、育毛
剤は、ヘアトニック、ヘアローション、ヘアクリーム、
ヘアコンディショナー、エアロゾール、泡状タイプ等と
することができる。
【0053】本発明の血行促進剤、育毛剤及び外用剤組
成物を化粧料や外用医薬品として用いる場合のハイドロ
キノン誘導体又はその塩の含有量は、0.001〜10
重量%であることが好ましく、0.01〜5重量%であ
ることが特に好ましい。
【0054】また、毛髪化粧料として用いる場合のハイ
ドロキノン誘導体又はその塩の含有量は、シャンプー等
にあっては、0.001〜5%、リンス、トリートメン
ト、コンディショナー、スタイリング剤等にあっては、
0.1〜20%、ヘアリキッド、ヘアトニック、ヘアロ
ーション、ヘアクリーム、エアロゾール、泡状タイプ等
にあっては、0.01〜5%が好ましい。
【0055】
【実施例】以下、実施例等により本発明を具体的に説明
する。各サンプルは、まずハイドロキノンからn−ブチ
ルハイドロキノン(化合物1)、n−オクチルハイドロ
キノン(化合物2)又はn−ブトキシエチルハイドロキ
ノン(化合物3)を合成し、さらにエーテル化すること
によりそれぞれ合成した。
【0056】実施例1 n−ブチルハイドロキノン(化
合物1)の合成 ハイドロキノン(120g,1.1mol)、蒸留水36
0g、水酸化ナトリウム(44g,1.1mol)、ブチ
ルブロミド(226g,1.65mol)を100℃で1
4時間半加熱攪拌した。室温まで冷却した後、濃硫酸で
弱酸性化した後、酢酸エチル(185mL×3)で抽出し
た。減圧下溶媒を留去し、得られた残渣176gをトル
エン1リットルに溶解し、有機層を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液(500mL×3)で洗浄した後、2N−水酸
化ナトリウム水溶液(500mL×2)で逆抽出した。逆
抽出した水層をトルエン(1000mL)で洗浄し、濃硫
酸で酸性化した後、トルエン(1500mL)で抽出し
た。有機層を蒸留水(1000mL)で洗浄し、硫酸マグ
ネシウム上で乾燥・ろ過後に減圧下溶媒を留去した。残
渣150gに活性炭7.47gとエタノール(450
g)を加え、40℃で1時間攪拌・ろ過後、減圧下溶媒
を留去した。得られた粗生成物を蒸留(110〜120
℃/0.1mmHg)により精製し、化合物1(11
5.0g、収率63.0%、mp65.1−65.5
℃)を白色結晶として得た。1 H-NMR(200MHz,δ,CDCl3):0.96(t,3H,J=7.27Hz),1.38-
1.57(m,2H),1.67-1.81(m,2H),3.90(t,2H,J=6.47Hz),4.4
7(s,1H),6.71-6.81(m,4H)
【0057】実施例2 n−オクチルハイドロキノン
(化合物2)の合成 ハイドロキノン(595g,5.4mol)、メタノール
1800g、炭酸カリウム(746g,5.4mol)、
n−オクチルブロミド(521g,2.7mol)を4時
間半加熱還流した。反応後、室温まで冷却し、トルエン
(750mL)で抽出し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶
液、蒸留水で有機層を洗浄後、減圧下溶媒を留去した。
得られた粗生成物を再結晶(n−ヘキサン,200mL)
により精製し、化合物2(335g、収率55.8%、
mp58.0−59.5℃)を白色結晶として得た。1 H-NMR(200MHz,δ, CDCl3):0.88(t,3H,J=6.82Hz),1.28-
1.42(m,10H),1.68-1.81 (m,2H),3.89(t,2H,J=6.59Hz),
4.67 (s,1H),6.71-6.82 (m,4H)
【0058】実施例3 n−ブトキシエチルハイドロキ
ノン(化合物3)の合成 ハイドロキノン、n−ブトキシエタノールをトルエンに
溶解し、これにリンモリブデン酸を加え、還流冷却器を
つけたDean-Stark装置を用いて湯浴(122−131
℃)中、8時間加熱した。反応終了後、飽和炭酸水素ナ
トリウム水溶液で洗浄することにより、未反応ハイドロ
キノンを除去後、2N−NaOHaq.で逆抽出を行っ
た。逆抽出した水層を酸性化後、トルエン抽出・水洗し
た後、減圧下溶媒を留去した。残渣をクーゲル蒸留によ
り精製し、オイル状の化合物3(215g)を得た。
(収率41%,b.p.175−180℃/<0.1torr)1 H-NMR(200MHz,δ, CDCl3):0.91(t,3H,J=7.26Hz),1.28-
1.46(m,2H),1.53-1.67(m,2H),3.54(t,2H,J=6.67Hz),3.7
6(t,2H,J=4.89Hz),4.05(t,2H,J=4.86Hz),2.66(d,1H,J=
4.25Hz),5.22(s,1H),6.70-6.84(m,4H)
【0059】実施例4 1−n−ブチル−4−カルボキ
シメチルハイドロキノン(化合物4)の合成 化合物1(5g,30.1mmol)、蒸留水10g、水酸
化ナトリウム(1.2g,30.1mmol)を100℃で
加熱攪拌しながら、蒸留水12.5gに溶解したクロロ
酢酸ナトリウム(7.01g,60.2mmol)を10分
間かけて滴下した。その温度でさらに12時間反応させ
た後、48%NaOHaq.(5.0g)と蒸留水(5
0mL)を加えてさらに1時間反応させ、室温まで冷却し
た。2N−硫酸(100mL)を加え系内を酸性化した
後、酢酸エチル(200mL)で抽出した。有機層にNa
HCO32.52gを溶解した蒸留水50mLを加え析出
した結晶をろ取し、得られた結晶を酢酸エチルで洗浄
後、この結晶に2N−硫酸(100mL)及び酢酸エチル
(100mL)を加え有機層を分離した。有機層を蒸留水
(100mL×4)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥
・ろ過後に減圧下溶媒を留去した。残渣を再結晶(酢酸
エチル/n−ヘキサン=25mL/25mL)により精製
し、化合物4(2.05g、収率30.3%、mp11
5.0−115.7℃)を白色結晶として得た。1 H-NMR(200MHz,δ, CDCl3):0.97(t,3H,J=7.27Hz),1.38-
1.56(m,2H),1.67-1.81(m,2H),3.91(t,2H,J=6.45Hz),4.6
3(s,2H),6.80-6.95(m,4H),8.67(br,1H)
【0060】実施例5 1−n−ブチル−4−(2−ヒ
ドロキシエチル)ハイドロキノン(化合物5)の合成 化合物1(230g、1.38mol)、蒸留水690g
を70℃で撹拌しながら、水酸化ナトリウム水溶液(2
0mL、NaOHは化合物1に対して0.1当量含有)と
2−クロロエタノール水溶液(20mL、2−クロロエタ
ノールは化合物1に対して0.1当量含有)を交互に7
時間かけて19回滴下した(合計1.9当量)。滴下終
了後、室温まで冷却し、トルエン(800mL)で抽出
し、有機層を2%NaOHaq.(100mL×5)、飽
和食塩水(100mL×1)で洗浄し、硫酸マグネシウム
上で乾燥・ろ過後、減圧下溶媒を留去した。残渣をトル
エン(100mL)に溶解し、1N−NaOHaq.(5
00mL×5)、飽和食塩水(500mL×1)で洗浄し、
硫酸マグネシウム上で乾燥・ろ過後、減圧下溶媒を留去
した。残渣286gを再結晶(トルエン572g)後、
活性炭処理(再結晶後サンプルに対してエタノール2重
量倍、活性炭5重量%使用)により精製し、化合物5
(136g、収率46.9%、mp70.5〜71.4
℃)を白色結晶として得た。1 H-NMR(200MHz,δ, CDCl3):0.97(t,3H,J=7.28Hz),1.39-
1.57(m,2H),1.68-1.82(m,2H),2.07(t,1H,J=6.11Hz),3.8
8-4.06(m,6H),6.80-6.89(m,4H)
【0061】実施例6 1−n−ブチル−4−(2,3
−ジヒドロキシプロピル)ハイドロキノン(化合物6)
の合成 化合物1(240g、1.44mol)、蒸留水750g
を還流条件下で撹拌しながら、48%水酸化ナトリウム
水溶液(12g、NaOHは化合物1に対して0.1当
量含有)とα−モノクロロヒドリン水溶液(25mL、α
−モノクロロヒドリンは化合物1に対して0.1当量含
有)を交互に7時間かけて19回滴下した(合計1.9
当量)。滴下終了後、室温まで冷却し、酢酸エチル(8
00mL)で抽出し、有機層を飽和食塩水(700mL×
3)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥・ろ過後、減
圧下溶媒を留去した。残渣340gをイソプロピルアル
コール(1230mL)、酢酸エチル(300mL)で順次
再結晶後、活性炭処理(再結晶後サンプルに対してエタ
ノール3重量倍、活性炭5重量%使用)により精製し、
化合物6(90g、収率26.0%、mp96.0〜9
7.5℃)を白色結晶として得た。1 H-NMR(200MHz,δ, CDCl3):0.97(t,3H,J=7.29Hz),1.39-
1.57(m,2H),1.68-1.81(m,2H),2.11(t,1H,J=5.82Hz),2.6
6(d,1H,J=4.25Hz),3.68-4.09(m,7H),6.83(m,4H)
【0062】実施例7 1−カルボキシメチル−4−n
−オクチルハイドロキノン(化合物7)の合成 化合物2(5.0g,22.5mmol)、炭酸カリウム
(3.11g,22.5mmol)、クロロ酢酸ナトリウム
(5.24g,45mmol)にメタノール50gを加え、
還流条件下で21時間、加熱攪拌した。室温まで冷却
し、2N−硫酸(100mL)で反応を停止し、酢酸エチ
ル(100mL)で抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄
し、硫酸マグネシウム上で乾燥・ろ過後、減圧下溶媒を
留去した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、飽
和炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて析出する結晶をろ
取した。得られた粗結晶をメタノール及び水で洗浄後、
2N−硫酸(100mL)を加えた溶液を酢酸エチルで抽
出した。有機層を分取後、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マ
グネシウム上で乾燥・ろ過後、減圧下溶媒を留去した。
得られた粗結晶を再結晶(酢酸エチル/n−ヘキサン=
20mL/30mL)により精製し、化合物7(1.29
g、収率20.4%、mp119−120℃)を白色結
晶として得た。1 H-NMR(200MHz,δ, CDCl3):0.89(t,3H,J=6.78Hz),1.28
(m,10H), 1.68-1.79 (m,2H),3.90(t,2H,J=6.53Hz),4.63
(s,2H),6.85-6.90(m,4H)
【0063】実施例8 1−(2−ヒドロキシエチル)
−4−n−オクチルハイドロキノン(化合物8)の合成 化合物2(5.0g,22.5mmol)、炭酸カリウム
(6.22g,45mmol)、2−クロロエタノール
(3.62g,45mmol)へメタノール25gを加え、
還流条件下で19時間、加熱攪拌した。室温まで冷却
し、2N−硫酸(100mL)で反応を停止し、トルエン
(100mL)で抽出した。有機層を1N−水酸化ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上
で乾燥・ろ過後、減圧下溶媒を留去した。残渣を再結晶
(酢酸エチル/n−ヘキサン=30mL/70mL)により
精製し、化合物8(1.24g、収率20.7%、mp
72.5−73.0℃)を白色結晶として得た。1 H-NMR(200MHz,δ, CDCl3):0.89 (t,3H,J=6.56Hz),1.29
-1.43(m,10H),1.76(m,2H),2.06(t,1H,J=6.07Hz),3.87-
4.06(m,6H),6.84-6.95(m,4H)
【0064】実施例9 1−(2,3−ジヒドロキシプ
ロピル)−4−n−オクチルハイドロキノン(化合物
9)の合成 化合物2(5.0g,22.5mmol)、炭酸カリウム
(6.22g,45mmol)、α−モノクロロヒドリン
(5.0g,45mmol)へメタノール25gを加え、還
流条件下で19時間、加熱攪拌した。室温まで冷却し、
2N−硫酸(100mL)で反応を停止し、酢酸エチル
(100mL)で抽出した。有機層を飽和炭酸水素ナトリ
ウム水溶液、飽和食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウム上
で乾燥・ろ過後、減圧下溶媒を留去した。残渣を再結晶
(トルエン50g)により精製し、化合物9(3.70
g、収率55.5%、mp92.2−93.5℃)を白
色結晶として得た。1 H-NMR(200MHz,δ, CDCl3):0.88(t,3H,J=6.57Hz),1.29-
1.44(m,10H),1.76(m,2H),2.09(t,1H,J=6.05Hz),2.65(d,
1H,J=4.51Hz),3.71-4.10(m,7H),6.83-6.93(m,4H)
【0065】実施例10 1−(3−イソプロピルオキ
シ−2−ヒドロキシ−n−プロピル)−4−n−ブチル
ハイドロキノン(化合物10)の合成 化合物1(100g,0.6mol)、グリシジルイソプ
ロピルエーテル(146.4g,1.2mol)に蒸留水
(500g)を加え、50℃で攪拌し、そこへ、6N水
酸化ナトリウム水溶液(50mL,NaOH:0.3mol
に相当)を加え、6時間反応させた。反応後、トルエン
で抽出し、有機層を2N−NaOHaq.で洗浄するこ
とにより、未反応のモノブチルハイドロキノンを除去し
た。溶媒留去後、単蒸留・スチーミング(スチーム量5
0%対粗生成物)による精製を行い、オイル状の化合物
10(125g、収率79%)を得た。1 H-NMR(200MHz,δ, CDCl3):0.96(t,3H,J=7.32Hz),1.17
(d,6H,J=6.28Hz),1.38-1.56(m,2H),1.67-1.81(m,2H),3.
49-3.69(m,3H),3.91(t,2H,J=6.45Hz),3.95-3.98(d,2H),
4.09(m,1H)
【0066】実施例11 4−n−ブトキシエチル1−
(3−イソプロピルオキシ−2−ヒドロキシ−n−プロ
ピル)ハイドロキノン(化合物11)の合成 化合物3(100g,0.48mol)、グリシジルイソ
プロピルエーテル(110.4g,0.95mol)に蒸
留水(500g)を加え、50℃で攪拌し、そこへ、
9.5N水酸化ナトリウム水溶液(25mL,NaOH:
0.24molに相当)を加え、6時間反応させた。反応
後、トルエンで抽出し、有機層を2N−NaOHaq.
で洗浄することにより、未反応のモノブチルハイドロキ
ノンを除去した。トッピング後、単蒸留・スチーミング
(スチーム量50%対粗生成物)による精製を行い、オ
イル状の化合物11(69g,収率50%)を得た。1 H-NMR(200MHz,δ, CDCl3):0.92(t,3H,J=7.24Hz),1.18
(d,6H,J=6.16Hz),1.25-1.50(m,2H),1.53-1.67(m,2H),2.
58(d,1H,J=4.56Hz),3.49-3.69(m,5H),3.75(t,2H,J=4.92
Hz),3.95-3.98(dd,2H),4.00-4.17(m,3H),6.85(s,4H)
【0067】試験例1 モルモット皮膚における血流促
進作用 本発明の化合物塗布による血行促進効果を以下に示す方
法で測定した。モルモット(雄性、9〜14週齢)は、
測定前日に毛刈り及び電気シェーバーによる剃毛を皮膚
に対して穏やかに行った。試験当日の血流測定30分前
にも、電気シェーバーによる剃毛を穏やかに行った。上
記モルモット背部を左右に区分し、固定ボックスに保持
した後、多点式レーザードップラー血流計(KB−20
1(バイオメディカル社))を装着し、サンプル塗布前
の定常血流量を測定した。次に、血流プローブを一旦は
ずし、左右のどちらかにサンプル溶液(1%溶液)或い
はサンプル希釈溶媒(エタノール/水=1/1(w/
w))を塗布し(10μL/cm2)、固定ボックスから開
放した状態で放置した。塗布10分後に再び固定ボック
スに保持し、血流プローブを背部塗布領域に貼り付け血
流量を連続的に測定した。塗布15分〜20分後の平均
血流量を求め、サンプル溶液塗布側及びサンプル希釈溶
媒塗布側の定常血流量に対する相対血液上昇量の比を算
出することにより先の定常血流量に対する相対値(%)
を求めた。1つのサンプルにつき4匹のモルモットで試
験を行い、相対値(%)の平均を算出した。結果を表1
に示す。
【0068】
【表1】
【0069】その結果、既存の血行促進剤であるニコチ
ン酸−dl−α−トコフェロールに比べて、本発明の化
合物はすべて同等以上の高い血流促進効果を示した。
【0070】試験例2 ラット髭器官培養系における髭
伸長促進作用 本発明化合物の育毛活性は、ラット髭器官培養毛の伸長
促進試験により評価した。以下に試験方法を示す。 [試験方法]3〜7日齢のSDラットの髭毛包を新藤らの
方法(新藤敏政、坪井良治、日皮会誌、Vol.107、
769ページ、1997年)を一部改変して培養を行っ
た。ラットを氷冷麻酔し、70%エタノールで皮膚を消
毒した。上唇部皮膚組織をRPMI1640(GIBC
O BRL製)培地中に切り出し、皮下組織側より実体
顕微鏡下において、毛包周囲の皮下組織を微細ピンセッ
トで切り除き、毛包漏斗部を微小剪刀にて切断して単離
した髭毛包をRPMI 1640中に集めた。採取した
髭毛包を器官培養シャーレ(Falcon製)のステン
レスグリッド上に3〜6本ずつ並べ、無血清のRPMI
1640培地を毛包が浸る程度添加して、5%C
2、95%Air、35℃条件下で培養を行った。培
養開始時に被験物質を0.1μMになるようにRPMI
1640培地で調製し、培養系に添加した。髭器官培
養毛包の伸長量は、培養毛包の拡大外観写真を培養開始
時及び2日後に撮影し、両画像の毛球部基底部から毛幹
先端までの長さ変化を測定した。試験は各サンプルにつ
いて3回行い、薬剤無添加をコントロールとして、コン
トロール(100%)に対する相対値の平均を算出し、
これを髭伸長促進率(%)とした。結果を表2に示し
た。
【0071】
【表2】
【0072】その結果、本発明の化合物は全て、コント
ロールに比べて、毛成長を110%以上伸長し、育毛効
果に優れていることが明らかとなった。以上の試験結果
から、本発明のハイドロキノン誘導体は、既存の血行促
進剤に比べても、充分かつ高い血行促進効果を持ち、更
に優れた育毛効果も有していることが明らかとなった。
【0073】実施例9 次の表3〜5に示す組成の乳化
化粧料を常法により製造した。
【0074】
【表3】
【0075】
【表4】
【0076】
【表5】
【0077】得られた化粧料は、いずれも肌への刺激が
少なく、良好な血行促進効果が認められた。
【0078】実施例10 次の表6〜8に示す組成のヘ
アトニックを常法により製造した。
【0079】
【表6】
【0080】
【表7】
【0081】
【表8】
【0082】得られたヘアトニックは、肌への刺激が少
なく、良好な育毛効果が認められた。
【0083】
【発明の効果】本発明のハイドロキノン誘導体又はその
塩は、持続的で、かつ強力な血行促進効果と優れた育毛
効果を合わせ持ち、更に皮膚刺激がないことから、これ
を含有する血行促進剤、育毛剤及び外用剤組成物は、安
全性の高い皮膚化粧料、毛髪化粧料、外用医薬品又は医
薬部外品として有用である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 9/00 A61P 9/00 17/00 17/00 17/14 17/14 17/16 17/16 Fターム(参考) 4C083 AA112 AC022 AC072 AC122 AC171 AC172 AC231 AC232 AC342 AC432 AC442 AC482 AC582 AC712 AD042 AD092 AD152 AD212 AD272 AD632 AD662 CC02 CC05 CC37 DD31 EE10 EE12 EE22 4C206 AA01 AA02 CA34 DB24 MA01 MA04 MA83 NA14 ZA36 ZA89 ZA92

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の一般式(1): 【化1】 〔式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R2
    は炭素数2〜24の炭化水素基を示し、Aは次式
    (a): 【化2】 (ここで、R3は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素
    基を示し、Xは水素原子又は水酸基を示し、mは0〜4
    の整数を示す)又は(b)−COOHを示し、nは0〜
    3の整数を示す。〕で表されるハイドロキノン誘導体又
    はその塩を含有する外用剤組成物。
  2. 【請求項2】 下記の一般式(2): 【化3】 〔式中、R1は炭素数2〜4のアルキレン基を示し、R4
    は炭素数1〜24の炭化水素基を示し、Aは次式
    (a): 【化4】 (ここで、R3は水素原子又は炭素数1〜6の炭化水素
    基を示し、Xは水素原子又は水酸基を示し、mは0〜4
    の整数を示す)又は(b)−COOHを示し、nは0〜
    3の整数を示す。〕で表されるハイドロキノン誘導体又
    はその塩を含有する血行促進剤。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のハイドロキノン誘導体又
    はその塩を含有する育毛剤。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014139253A (ja) * 2012-11-02 2014-07-31 Seiwa Kasei Co Ltd プロピルフェニルエーテル誘導体、並びにそれを含むメラニン生成抑制剤、美白剤、抗菌剤及び化粧料

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