JP2003158223A - 電子部品実装構造 - Google Patents

電子部品実装構造

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  • Electric Connection Of Electric Components To Printed Circuits (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 接合部補強機能と応力緩和機能とを両立させ
た補強樹脂部を備え、信頼性に優れた電子部品実装構造
を提供することを目的とする。 【解決手段】 バンプ2を電極4に半田接合することに
より電子部品1を基板3に実装して成る電子部品実装構
造において、バンプ2と電極4との半田接合部を樹脂6
によって周囲から包んで補強樹脂部6aを形成し、電子
部品1の下面と基板3の上面との間の空間に補強用樹脂
8を充填する。この構成において、樹脂6のフィラー含
有率を低く設定し、かつ補強用樹脂8のフィラー含有率
よりも低くする。これにより、補強樹脂部6aにおいて
樹脂6の基板3との密着性や半田接合部の止端部2a近
傍での延性を良好にして接合部補強機能を確保するとと
もに、補強用樹脂8の熱膨張係数を所望値に近づけるこ
とができ、接合部補強機能と応力緩和機能とを両立させ
ることができる。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、電子部品に設けら
れた接続用電極を基板の電極に半田接合して成る電子部
品実装構造に関するものである。 【0002】 【従来の技術】フリップチップなど半導体素子に接続用
電極であるバンプが設けられた電子部品の実装方法とし
て、バンプを基板の電極に半田接合する方法が広く用い
られている。この実装方法において、バンプと基板との
半田接合部を補強する目的で電子部品と基板との間に補
強樹脂部を設けることが行われる。この補強樹脂部は、
バンプと電極との半田接合部を補強する接合部補強機能
と、電子部品と基板との間に介在して基板と電子部品の
各材質の熱膨張係数の差に起因する熱応力を緩和する応
力緩和機能とを有している。 【0003】 【発明が解決しようとする課題】ところで上述の接合部
補強機能においては、実装後に応力集中が生じやすいバ
ンプと電極との半田接合部の止端部を有効に補強するこ
とが必要であるため、樹脂材質には良好な密着性ととも
にクラックを発生・伝播しにくい延性に富む材質が求め
られる。これに対し、応力緩和機能においては、基板材
質の熱膨張係数と電子部品の材質の熱膨張係数の中間の
値の熱膨張係数を有するような樹脂が最も好ましい。 【0004】しかしながら、一般に用いられる樹脂材料
でこのような特性条件を満たすものを見いだすのは困難
であり、従来は接合部補強機能と応力緩和機能とを両立
させた補強樹脂部を備えた電子部品実装構造の実現は困
難であった。 【0005】そこで本発明は、接合部補強機能と応力緩
和機能とを両立させた補強樹脂部を備え、信頼性に優れ
た電子部品実装構造を提供することを目的とする。 【0006】 【課題を解決するための手段】請求項1記載の電子部品
実装構造は、電子部品に設けられた接続用電極を基板の
電極に半田接合して成る電子部品実装構造であって、前
記接続用電極と前記電極との半田接合部を補強する第1
の補強樹脂部と、前記電子部品の下面と基板の上面との
間の空間を充填する第2の補強樹脂部とを備え、第1の
補強樹脂部を形成する第1の樹脂のフィラー含有率は、
第2の樹脂補強部を形成する第2の樹脂のフィラー含有
率よりも低い。 【0007】本発明によれば、電子部品の接続用電極と
基板の電極との半田接合部を補強する第1の樹脂のフィ
ラー含有率を、電子部品と基板との間の空間を充填する
第2の樹脂のフィラー含有率よりも低くすることによ
り、第1の樹脂の密着性、延性を保ちながら、第2の樹
脂の熱膨張係数を所望値に近づけることができ、接合部
補強機能と応力緩和機能とを両立させることができる。 【0008】 【発明の実施の形態】次に本発明の実施の形態を図面を
参照して説明する。図1、図2は本発明の一実施の形態
の電子部品実装方法の工程説明図、図3は本発明の一実
施の形態の電子部品実装構造の拡大断面図、図4は本発
明の一実施の形態の電子部品実装構造の部分断面図であ
る。 【0009】図1(a)において、電子部品1の下面に
は接続用電極としてのバンプ2が、半田を形成材料とし
て設けられている。図1(a)は、バンプ2に樹脂を塗
布するための樹脂供給工程を示しており、電子部品1は
樹脂塗布部5上に位置している。樹脂塗布部5は樹脂6
(第1の樹脂)の塗膜が形成された樹脂転写容器5aを
備えており、樹脂転写容器5aに対して電子部品1を上
下動させることにより、バンプ2の下面側に所定量の樹
脂6が転写により供給される。 【0010】樹脂6は、エポキシ樹脂などの熱硬化性樹
脂を主成分とする基剤に、酸化膜除去能力を有する活性
成分および微細な固体粒子であるフィラー成分を含有さ
せたものである。ここで樹脂6の各成分は、フィラー含
有率が40wt%以下となるように成分調整される。無
論、フィラー成分を全く含まないものでもよい。 【0011】図1(b)、(c)は、樹脂供給工程後の
電子部品1を基板3に搭載する部品搭載工程を示してい
る。ここでは、バンプ2を基板3の上面に形成された電
極4に位置合わせして電子部品1を基板3に対して下降
させて、バンプ2を樹脂6を介して電極4に着地させ
る。これにより、バンプ2の下面に転写された樹脂6は
電極4に付着し、さらに電極4を覆った形で基板3の上
面に拡がる。 【0012】次いで基板3はリフロー装置に送られ、こ
こで図1(d)に示すように部品搭載工程後の基板3を
加熱する加熱工程が行われる。この加熱により、バンプ
2が溶融して電極4に半田接合される。この半田接合に
おいて、バンプ2の表面に生成した酸化膜は酸化膜除去
能力を有する樹脂6によって除去されることから、接合
性のよい良好な半田接合が行われる。またこのとき樹脂
6の熱硬化反応が並行して進行し、バンプ2と電極4と
の半田接合部を周囲から包み込んで補強する。なおこの
リフロー時においては、樹脂6の硬化は完全硬化まで至
る必要はなく、半硬化の状態でよい。 【0013】次にこの加熱工程後の基板3は樹脂封止工
程に送られる。すなわち図2(a)に示すように、電子
部品1の下面と基板3の上面の間の隙間には、ディスペ
ンサ7によって補強用樹脂8(第2の樹脂)が注入され
る。補強用樹脂8は、熱硬化性の樹脂であり、樹脂6と
同様にフィラー成分を含有している。ここで補強用樹脂
8のフィラー含有率は、5〜90wt%の範囲で樹脂6
のフィラー含有率との相対関係に基づいて設定され、樹
脂6のフィラー含有率が補強用樹脂8のフィラー含有率
よりも低くなるように設定される。 【0014】また、補強用樹脂8に混入されるフィラー
を構成する固体粒子として選定される代表的な物質とし
てはシリカやアルミナ等がある。フィラーを混入する目
的は、硬化後の補強用樹脂の熱膨張係数を電子部品1の
材質であるシリコンの熱膨張係数に近づけるためであ
り、これにより、封止樹脂材料としての補強用樹脂8の
熱膨張係数を、応力緩和層としての機能上望ましい所望
値に近づけることが可能となっている。ちなみに、シリ
コンの熱膨張係数は4×10-6、フィラー無しのエポキ
シ樹脂が、50×10-6程度であるが、フィラーを混入
することにより9×10-6〜30×10-6程度まで低く
することができる。 【0015】図2(b)に示すように、基板3と電子部
品1との間を完全に補強用樹脂8によって充填した後、
図2(c)に示すように基板3は再度加熱される。この
加熱によって補強用樹脂8が熱硬化することにより、電
子部品1と基板3との間が樹脂封止される。そしてこの
加熱で樹脂6の熱硬化反応がさらに進行し完全硬化す
る。これにより、バンプ2と電極4との半田接合部を周
囲から包み込んで補強する補強樹脂部6a(第1の補強
樹脂部)および電子部品1の下面と基板3の上面との間
の空間を充填して補強する補強樹脂部8a(第2の補強
樹脂部)とが形成される。 【0016】上記構成の電子部品実装構造の特徴につい
て、図3を参照して説明する。樹脂6が電極4を覆って
完全硬化した状態において、樹脂6は基板3の上面と密
着状態にあるとともに、バンプ2と電極4との半田接合
部の止端部2aを取り巻く形で補強樹脂部6aを形成す
る。ここで、補強樹脂部6aのフィラー含有率は補強用
樹脂8と比較して低く、しかも40wt%以下の低い範
囲に設定されていることから、熱硬化後の機械的特性に
おいて密着性に優れ、しかも引張方向の外力が作用した
際の延性が大きくなっている。 【0017】このため、補強樹脂部6aは電極4の周囲
で基板3と良好に密着し、しかも実装後に応力集中が生
じやすい半田接合部の止端部2a近傍では、止端部2a
の応力状態に良好に追従して延び変形し、割れ発生の確
率が大きく低減する。すなわち、補強樹脂部6aは、バ
ンプ2と電極4との半田接合部を包み込んで補強すると
いう接合部補強機能に適した特性を備えている。 【0018】これに対し補強樹脂部8aは、補強樹脂部
6aよりもフィラーを多く混入して電子部品1の材質で
あるシリコンの熱膨張係数に近づけているため、実装後
の使用状態におけるヒートサイクル時に、電子部品1と
基板3との熱膨張差に起因する熱応力(特に電子部品1
とバンプ2との接合部に作用する応力)を有効に緩和す
ることができ、応力緩和機構に優れた特性を備えてい
る。 【0019】従って、上記実施の形態に示す電子部品実
装構造は、従来は困難であった接合部補強機能と応力緩
和機能とを両立させた補強樹脂部を有するものとなって
おり、実装後の信頼性に優れた電子部品実装構造が実現
されている。 【0020】なお、上記実施の形態においては、接続用
電極として半田を形成材料とするバンプ2が設けられた
電子部品1を対象とした例を示したが、本発明は半田バ
ンプ形式の電極に限定されず、電子部品1と基板3との
間に隙間を保った形で半田接合により実装される形態で
あれば、その他の形状の接続用電極を用いた場合にあっ
ても本発明を適用することができる。 【0021】例えば、図4に示すように、下面に金を形
成材料とするバンプ2’が設けられた電子部品1’を基
板3に実装する場合にも本発明が適用可能である。この
場合には、バンプ2’は予め電極4’上面に形成された
半田9によって電極4’に半田接合されるが、この例で
は、電極4’上面の半田9が半田接合部となり、電極
4’と半田9およびバンプ2’の下部を周囲から包み込
んだ樹脂6が、補強樹脂部6aとなる。 【0022】 【発明の効果】本発明によれば、電子部品の接続用電極
と基板の電極との半田接合部を補強する第1の樹脂のフ
ィラー含有率を、電子部品と基板との間の空間を充填す
る第2の樹脂のフィラー含有率よりも低くすることによ
り、第1の樹脂の密着性、延性を保ちながら、第2の樹
脂の熱膨張係数を所望値に近づけることができ、接合部
補強機能と応力緩和機能とを両立させることができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工
程説明図 【図2】本発明の一実施の形態の電子部品実装方法の工
程説明図 【図3】本発明の一実施の形態の電子部品実装構造の拡
大断面図 【図4】本発明の一実施の形態の電子部品実装構造の部
分断面図 【符号の説明】 1 電子部品 2 バンプ 3 基板 4 電極 6 樹脂 6a 補強樹脂部 8 補強用樹脂 8a 補強樹脂部
フロントページの続き (72)発明者 前田 憲 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 (72)発明者 酒見 省二 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 4M109 AA02 BA03 CA04 EA11 EB11 5E319 AA03 AB05 AC01 BB04 CC61 CD25 GG11 5F044 LL01 RR17 RR18

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項1】電子部品に設けられた接続用電極を基板の
    電極に半田接合して成る電子部品実装構造であって、前
    記接続用電極と前記電極との半田接合部を補強する第1
    の補強樹脂部と、前記電子部品の下面と基板の上面との
    間の空間を充填する第2の補強樹脂部とを備え、第1の
    補強樹脂部を形成する第1の樹脂のフィラー含有率は、
    第2の樹脂補強部を形成する第2の樹脂のフィラー含有
    率よりも低いことを特徴とする電子部品実装構造。
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