JP2003157922A - コネクタ、端子金具及び解除治具 - Google Patents

コネクタ、端子金具及び解除治具

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JP2003157922A JP2002057775A JP2002057775A JP2003157922A JP 2003157922 A JP2003157922 A JP 2003157922A JP 2002057775 A JP2002057775 A JP 2002057775A JP 2002057775 A JP2002057775 A JP 2002057775A JP 2003157922 A JP2003157922 A JP 2003157922A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タブ端子を円滑にタブ挿通孔に誘い込み、且
つ解除治具の増強を図る。 【解決手段】 キャビティの下面側には、端子金具に係
止可能な両持ち状のランス31が設けられている。ラン
ス31は、アーム部32と、アーム部32の上面から突
設された係止部33とを備えている。前壁27及びアー
ム部32には、ハウジングの成形時に係止部33を金型
ピンにより型抜きするための第1型抜き孔35が前方へ
開口して形成されている。前壁27における第1型抜き
孔35の上方には、タブ端子Tの挿通を許容するタブ挿
通孔28が開口して形成され、その孔縁前部には、タブ
端子Tを誘い込むための案内面29が形成されている。
係止部33のうち、案内面29と高さ位置が重複する部
分には、先端側の幅が狭い幅狭部38が一対形成されて
いる。第1型抜き孔35のうち両幅狭部38に対応する
部分は、正面から視て略M字状に形成されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、コネクタ、端子金
具及び解除治具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、ハウジングに樹脂ランスを一体形
成したコネクタの一例として特開平6−325814号
公報に記載されたものが知られている。このものは、図
20に示すように、ハウジング1に後方から端子金具2
を挿入可能なキャビティ3が設けられるとともに、キャ
ビティ3の上面からは、挿入される端子金具2に押圧さ
れることで一旦上方の撓み空間4内に弾性変形され、端
子金具2が正規深さに達すると復帰して端子金具2に弾
性的に係止される樹脂ランス5が設けられている。樹脂
ランス5は、キャビティ3の上壁から前方へ延出する片
持ち状のアーム部6と、アーム部6の先端側内面からキ
ャビティ3内に突出して端子金具2に係止可能な係止突
部7とから構成されている。一方、キャビティ3の前壁
8には、前方外部から相手のタブ端子がキャビティ3内
に進入するのを許容するタブ挿通孔9が開口して設けら
れているとともに、その下方には、ハウジング1の成形
時において樹脂ランス5を成形する金型ピンを前方へ型
抜きするための型抜き孔5aが開口して設けられてい
る。タブ挿通孔9の孔縁前部には、タブ端子のアライメ
ントをとってタブ挿通孔9へと誘い込むための案内面9
aが全周にわたって形成されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したコ
ネクタを小型化するよう要請があった場合には、キャビ
ティ3、樹脂ランス5を小型化するとともに小型の端子
金具2を使用する。しかしながら、金属製の端子金具2
と比較して剛性の低い樹脂ランス5については、要求さ
れる端子金具2の抜け止め力を得るために最低限必要な
大きさを確保する必要がある。このため、樹脂ランス5
を所定の大きさに固定しつつキャビティ3及び端子金具
2の小型化を図ると、樹脂ランス5の係止突部7の突出
端の位置が案内面9aと重なる高さに達し、その結果樹
脂ランス5の型抜き孔5aが案内面9aを侵食して、そ
の分だけ案内面9aの面積が小さくなってしまう。そう
なると、アライメントに狂いが生じたタブ端子をタブ挿
通孔9へと案内する機能が損なわれるおそれがあった。
【0004】一方、端子金具2を取り外す場合には、前
方から型抜き孔5a内に解除治具を挿入してこの解除治
具によって樹脂ランス5を強制的に撓ませつつ端子金具
2を引き抜くようにしている。しかしながら、コネクタ
の小型化に伴って、型抜き孔5aの開口面積が小さくな
ると、解除治具も細いものを使用せざるを得なくなるた
め、解除治具の強度が不足しがちとなっていた。本発明
は上記のような事情に基づいて完成されたものであっ
て、タブ端子を円滑にタブ挿通孔に誘い込み、且つ解除
治具の増強を図ることを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの手段として、請求項1の発明に係るコネクタは、コ
ネクタハウジングには、相手のタブ端子に導通接続可能
な端子金具を後方から挿入可能なキャビティと、前記キ
ャビティの前壁を貫通して形成されるとともに前方から
前記タブ端子がキャビティ内に進入するのを許容するタ
ブ挿通孔と、前記タブ挿通孔の孔縁前部に形成されると
ともに前記タブ端子をタブ挿通孔へと誘い込むための案
内面と、前記キャビティの内面から突設されるとともに
挿入される前記端子金具に弾性的に係止可能とされ、且
つ前記案内面と高さ方向についての重複部分を有するラ
ンスと、前記ランスを成形するための金型を前方へ型抜
きするのに伴って前記キャビティの前壁に貫通して形成
されるとともに前記案内面のうち前記重複部分に対応す
る部分を切り欠いて形成される型抜き孔とが備えられ、
前記ランスのうち前記重複部分には、前記高さ方向の先
端側の幅が狭い幅狭部が設けられるとともに、前記型抜
き孔が前記幅狭部の外周に沿って形成されている構成と
したところに特徴を有する。
【0006】請求項2の発明は、請求項1に記載のもの
において、前記幅狭部が前記ランスにおける幅方向両端
部に一対形成されることで、前記型抜き孔が略M字状に
開口して形成されているところに特徴を有する。請求項
3の発明は、請求項2に記載のものにおいて、前記型抜
き孔のうち前記略M字状をなす部分において、両端の高
さ位置が、前記両幅狭部間に挟まれた部分の端部の高さ
位置とほぼ揃えられているところに特徴を有する。
【0007】請求項4の発明は、請求項2または請求項
3に記載のものにおいて、前記両幅狭部間には、前記端
子金具に設けられた突起が摺接されることで、前記キャ
ビティに対する端子金具の挿入動作を案内可能な摺接面
が形成されているところに特徴を有する。請求項5の発
明は、請求項4に記載のものにおいて、前記摺接面は、
相互に逆勾配をなすテーパ状に形成されているところに
特徴を有する。請求項6の発明は、請求項4または請求
項5に記載のものにおいて、前記ランスは、前記突起の
後端部に対して係止可能とされているところに特徴を有
する。
【0008】請求項7の発明は、請求項1に記載のもの
において、前記幅狭部の高さ方向先端部が前記タブ挿通
孔に達する位置とされているものにおいて、前記幅狭部
が前記ランスにおける幅方向略中央に形成されていると
ころに特徴を有する。請求項8の発明は、請求項1ない
し請求項7のいずれかに記載のものにおいて、前記ラン
スにおいて前記端子金具と係止する部分が前記幅狭部よ
りも根本側となっているところに特徴を有する。
【0009】請求項9の発明に係る端子金具は、請求項
4に記載されたコネクタに用いられる端子金具におい
て、前記両幅狭部間に設けられた前記摺接面に摺接され
ることで、前記キャビティへの挿入動作を案内可能な突
起が設けられているところに特徴を有する。請求項10
の発明は、請求項9に記載のものにおいて、前記突起の
後端部は、前記ランスが係止可能な被係止部とされてい
るところに特徴を有する。
【0010】請求項11の発明に係る解除治具は、請求
項1に記載されたコネクタから端子金具を取り外すため
の解除治具において、前記型抜き孔内に挿入可能とさ
れ、前記ランスを操作して強制的に撓み変形させるため
の軸部と、この軸部の長さ方向に沿って突設されるとと
もに前記型抜き孔のうち前記幅狭部に対応する部分に挿
入可能な補強リブとから構成されているところに特徴を
有する。
【0011】請求項12の発明は、請求項11に記載の
ものにおいて、前記コネクタハウジングに対して係合す
ることで、前記型抜き孔に対する挿入深さを前記ランス
に対して干渉する手前の位置に規制可能な規制部が設け
られているところに特徴を有する。
【0012】請求項13の発明は、請求項11または請
求項12に記載のものにおいて、前記端子金具が前記タ
ブ端子に対して弾性接触可能な弾性接触片を有している
コネクタに用いられるものにおいて、前記タブ挿通孔に
挿入された場合に前記コネクタハウジングに係合するこ
とで、前記タブ挿通孔に対する挿入深さを前記弾性接触
片に干渉する手前の位置に規制可能な誤挿入規制部が設
けられているところに特徴を有する。
【0013】請求項14の発明は、請求項12に記載の
ものにおいて、前記規制部は、前記タブ挿通孔に挿入さ
れた場合に前記コネクタハウジングに係合することで、
前記タブ挿通孔に対する挿入深さを前記弾性接触片に干
渉する手前の位置に規制可能な誤挿入規制部を兼用して
いるところに特徴を有する。
【0014】請求項15の発明に係るコネクタは、コネ
クタハウジングには、相手のタブ端子に導通接続可能な
端子金具を後方から挿入可能なキャビティと、前記キャ
ビティの前壁を貫通して形成されるとともに前方から前
記タブ端子がキャビティ内に進入するのを許容するタブ
挿通孔と、前記タブ挿通孔の孔縁前部に形成されるとと
もに前記タブ端子をタブ挿通孔へと誘い込むための案内
面と、前記キャビティの内面に設けられるとともに弾性
変形可能なアーム部と、キャビティ内に挿入される端子
金具に係止可能とされ、且つ前記案内面と高さ方向につ
いての重複部分を有する係止部とからなるランスと、前
記ランスを成形するための金型を前方へ型抜きするのに
伴って前記キャビティの前壁に貫通して形成されるとと
もに前記案内面のうち前記重複部分に対応する部分を切
り欠いて形成される型抜き孔とが備えられ、前記アーム
部には、前記端子金具に設けられた突起が進入可能な溝
部が係止部の直前位置に凹設されるとともにこの溝部内
に進入した突起が係止部に係止されるようになっている
構成としたところに特徴を有する。
【0015】請求項16の発明は、請求項1ないし請求
項8のいずれかに記載のものにおいて、前記ランスは、
弾性変形可能なアーム部と、キャビティ内に挿入される
端子金具に係止可能とされ、且つ前記重複部分を有する
係止部とからなり、前記アーム部には、前記端子金具に
設けられた突起が進入可能な溝部が係止部の直前位置に
凹設されるとともにこの溝部内に進入した突起が係止部
に係止されるようになっているところに特徴を有する。
【0016】
【発明の作用及び効果】<請求項1の発明>キャビティ
内に挿入された端子金具は、ランスによって弾性的に係
止されることで、キャビティ内から抜け止め状態に保持
される。その後、相手のタブ端子が前方からタブ挿通孔
を通ってキャビティ内に進入されるとともに端子金具に
導通接続される。ここで、タブ端子のアライメントに狂
いが生じていた場合には、タブ端子が案内面に摺接され
ることで、タブ挿通孔へと誘い込まれて円滑に進入され
るようになっている。本発明によれば、ランスのうち案
内面との重複部分に幅狭部を設けることで、ランスを成
形するための金型をそれに合わせて先端側を幅が狭い形
状とすることができる。これに伴って、キャビティの前
壁のうち案内面が形成された部分に形成される型抜き孔
を幅狭部の外周に沿った形状に形成することができ、幅
狭部が狭く形成された分だけ型抜き孔が案内面を切欠す
る面積を小さくすることができる。逆に言うと、タブ端
子が摺接される案内面の面積を極力大きく確保すること
ができるから、タブ端子をタブ挿通孔へと円滑に誘い込
むことができる。
【0017】<請求項2の発明>幅狭部をランスにおけ
る幅方向両端部に分けて設けることで、型抜き孔におけ
る幅狭部に対応する部分の個々の開口幅を小さくするこ
とができる。すなわち、型抜き孔によって案内面が途切
れる部分を2分割して個々の途切れ部分の幅寸法を小さ
くすることができるから、タブ端子の誘い込みを一層良
好なものとすることができる。
【0018】<請求項3の発明>案内面は、型抜き孔の
M字状をなす部分により挟まれた部分と、その両端部と
でほぼ高さ位置が揃えられるから、タブ端子の誘い込み
をさらに良好なものとすることができる。
【0019】<請求項4及び請求項8の発明>端子金具
をキャビティ内に挿入すると、突起がランスの両幅狭部
間の摺接面に摺接されることで、端子金具が幅方向にが
たつくのが抑制され、もって端子金具の挿入作業性が良
好となる。
【0020】<請求項5の発明>突起に対する摺接面を
テーパ状に形成することで、端子金具を幅方向中央位置
へと誘い込んで幅方向へのがたつきを抑制でき、端子金
具の挿入作業性を一層良好なものとすることができる。
【0021】<請求項6及び請求項9の発明>突起がラ
ンスに対する被係止部を兼用することで、端子金具の構
造の簡素化を図ることができる。
【0022】<請求項7の発明>小型のコネクタにおい
ては、ランスの幅狭部が案内面のみならずタブ挿通孔に
達する高さを有する場合があり、その場合には、タブ挿
通孔に対して型抜き孔が連通して形成される。そのよう
なものにおいても、幅狭部をランスにおける幅方向略中
央に形成しておけば、その幅狭部の外周に沿って形成さ
れる型抜き孔の孔縁が内側に張り出す形態となるから、
その分だけ案内面を広く確保することができる。
【0023】<請求項8の発明>ランスのうち幅狭部よ
りも根元側では、幅狭部と比較して端子金具に対する剪
断面積を大きく確保できる。従って、端子金具に対する
抜け止め力を大きくすることができる。
【0024】<請求項11の発明>軸部に補強リブを突
設するようにしたから、コネクタの小型化に伴って軸部
が細くなった場合でも、解除治具の強度を高く保つこと
ができる。
【0025】<請求項12の発明>規制部がコネクタハ
ウジングに係合することで解除治具がランスに干渉する
手前の位置に型抜き孔に対する挿入深さを規制できるか
ら、解除治具がランスに突き刺さって損傷を与える事態
を回避することができる。
【0026】<請求項13の発明>解除治具を誤ってタ
ブ挿通孔に挿入した場合でも、誤挿入規制部がハウジン
グに係合することで、解除治具が弾性接触片に干渉する
手前にタブ挿通孔に対する挿入深さを規制できるから、
解除治具が弾性接触片に突き当たって損傷を与える事態
を回避することができる。
【0027】<請求項14の発明>解除治具の構造を簡
素化することができる。
【0028】<請求項15の発明>端子金具をキャビテ
ィ内に挿入する途中では、突起が係止部を押圧すること
で一旦アーム部が弾性変形され、端子金具が正規深さま
で挿入されると、アーム部が復帰するとともに突起が溝
部内に進入して係止部に係止される。これにより、端子
金具がキャビティ内から抜け止め状態に保持される。そ
の後、相手のタブ端子が前方からタブ挿通孔を通ってキ
ャビティ内に進入されるとともに端子金具に導通接続さ
れる。ここで、タブ端子のアライメントに狂いが生じて
いた場合には、タブ端子が案内面に摺接されることで、
タブ挿通孔へと誘い込まれて円滑に進入されるようにな
っている。本発明によれば、アーム部に溝部を凹設して
そこに進入する突起を係止部に係止させているから、突
起に対する係止部の係止代を確保した上で、係止部の高
さ方向の先端とタブ挿通孔との間の距離を溝部の高さ寸
法分だけ大きくすることができる。従って、型抜き孔と
タブ挿通孔との間の距離を大きくすることができ、タブ
端子が摺接される案内面の面積を大きく確保することが
できるから、タブ端子をタブ挿通孔へと円滑に誘い込む
ことができる。
【0029】<請求項16の発明>端子金具をキャビテ
ィ内に挿入する途中では、突起が係止部を押圧すること
で一旦アーム部が弾性変形され、端子金具が正規深さま
で挿入されると、アーム部が復帰するとともに突起が溝
部内に進入して係止部に係止される。これにより、端子
金具がキャビティ内から抜け止め状態に保持される。ア
ーム部に溝部を凹設してそこに進入する突起を係止部に
係止させているから、突起に対する係止部の係止代を確
保した上で、係止部の高さ方向の先端とタブ挿通孔との
間の距離を溝部の高さ寸法分だけ大きくすることができ
る。従って、型抜き孔とタブ挿通孔との間の距離を大き
くすることができ、タブ端子が摺接される案内面の面積
を大きく確保することができるから、タブ端子をタブ挿
通孔へと一層円滑に誘い込むことができる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を添付図
面に基づいて説明する。 <第1実施形態>本発明の第1実施形態を図1ないし図
17によって説明する。この実施形態に示す雌コネクタ
は、コネクタハウジング20(以下、単にハウジング2
0という)と、その内部に収容される端子金具10と、
端子金具10を抜け止めするリテーナ50とを備えてい
る。そして、この雌コネクタは、図示しない相手の雄コ
ネクタと嵌合接続可能とされている。なお、以下ではハ
ウジング20に対する端子金具10の挿入方向を前方と
し、上下方向の記載は図3、図5、図7及び図9を除く
各図を基準とする。
【0031】端子金具10は、図6に示すように、金属
板をプレス加工することで所定の形状に成形されてお
り、相手の雄コネクタに配設されたタブ端子Tに導通接
続可能な本体部11と、電線Wの端末に圧着接続可能な
バレル部12とを前後に備えている。本体部11は、図
4に示すように、全体が前後に開口する箱形とされてい
て、前後に延出する基板11aと、基板11aの両側縁
から立ち上がる一対の側板11bと、両側板11bの突
出端からそれぞれ突設されて内側に屈曲されることで互
いに重ね合わせられる一対の突板11c,11dとから
構成されている。本体部11内には、図6に示すよう
に、内側の突板11cの後端部から突設されるとともに
基板11aに沿って前方へ延出して形成される弾性接触
片13が設けられている。この弾性接触片13は、片持
ち状に形成されるとともに前部が基板11aから離間し
つつ山形に形成されることで、前方から本体部11内に
挿入されるタブ端子Tに対して弾性的に接触可能とされ
ている。また内側の突板11cにおける弾性接触片13
に対向する部分には、タブ端子Tに対する接圧を高める
ための膨出部14が叩き出しにより形成されている。
【0032】外側の突板11dにおける略中央には、図
5に示すように、その全長の2/3程度の長さ寸法を有
する四角形の逃がし孔15が切り欠いて形成されてお
り、この逃がし孔15内にランス31が逃がされるよう
になっている。外側の突板11dにおける逃がし孔15
の孔縁前部には、突起16が外側に叩き出して形成され
ており、この突起16やその周縁部にランス31が係止
可能とされている。この突起16は、底面側から視て前
端側にかけて次第に幅寸法が小さくなる先細り状に形成
されるとともに、図4に示すように、正面から視て幅方
向中央部分を頂点とする山形に形成されている。そし
て、この突起16は、後に詳しく説明するようにランス
31の両幅狭部38間の傾斜面39に摺接されること
で、端子金具10の挿入動作を案内できるようになって
いる(図9参照)。外側の突板11dの後端部には、側
板11bに沿って下方に突出するスタビライザ17が形
成されている。本体部11の後端下部には、リテーナ5
0の係止突部52が係止可能なあご部18が設けられて
いる。このあご部18とスタビライザ17の後面は、面
一状とされている。
【0033】ハウジング20は、合成樹脂製とされ、図
1に示すように、全体が略ブロック状に形成されるとと
もに、内部には後方から端子金具10を挿入可能なキャ
ビティ21が上下2段、幅方向に8室ずつ並んで設けら
れている。上下に隣り合うキャビティ21同士は、仕切
り壁22によって仕切られている。この仕切り壁22が
上段側のキャビティ21の下壁をなすとともに下段側の
キャビティ21の上壁をなしている。この仕切り壁22
と、下段側のキャビティ21の下壁をなすハウジング2
0の外壁である底壁23とには、詳細は後述するように
各キャビティ21内に挿入される端子金具10に弾性的
に係止可能なランス31が設けられている。各キャビテ
ィ21の下面側縁には、図2及び図7に示すように、端
子金具10のスタビライザ17を挿通可能なスタビライ
ザ挿通溝24が後方へ開放して設けられている。またキ
ャビティ21の下面における幅方向中央位置には、端子
金具10の突起16の挿通を許容する突起挿通溝25が
形成されている。またハウジング20の上面には、相手
の雄コネクタを嵌合状態にロックするためのロックアー
ム26が突設されている。
【0034】キャビティ21の前壁27には、図1及び
図6に示すように、前方外部からタブ端子Tがキャビテ
ィ21内に進入するのを許容するタブ挿通孔28が各キ
ャビティ21に対応する位置にそれぞれ貫通して設けら
れている。このタブ挿通孔28の孔縁前部には、タブ端
子Tをタブ挿通孔28へと誘い込むためのテーパ状の案
内面29が全周にわたって形成されている。この案内面
29は、タブ挿通孔28の周面側へ向かって擂鉢状に形
成されており、その外幅寸法及び高さ寸法がキャビティ
21よりも大きく且つ共にほぼ同じ大きさに設定されて
いる。
【0035】ハウジング20の下面には、図3及び図6
に示すように、下方からリテーナ50を取付可能なリテ
ーナ取付孔30が開口して設けられている。リテーナ取
付孔30は、ハウジング20の前後方向の略中央位置に
配されるとともに、全キャビティ21に連通して形成さ
れることで、仕切り壁22及び底壁23を前後に分断し
ている。リテーナ50は、図6に示すように、ハウジン
グ20の各キャビティ21の側壁に対応する位置にそれ
ぞれ隔壁を備えた格子状の本体部51を有し、この本体
部51のうち両隔壁の中間位置には、それぞれ端子金具
10のあご部18に係止可能な係止突部52が上方へ突
出して設けられている。各係止突部52の図7の手前側
には、ハウジング20のスタビライザ挿通溝24に連通
されることでスタビライザ17の挿通を許容するスタビ
ライザ挿通凹部53がそれぞれ設けられている。また係
止突部52における幅方向中央位置には、端子金具10
の突起16の挿通を許容する突起挿通凹部54が形成さ
れている。ハウジング20に対してこのリテーナ50
は、スタビライザ挿通凹部53がスタビライザ挿通溝2
4に整合し、且つ、突起挿通凹部54が突起挿通溝25
に整合すると共に係止突部52がキャビティ21から退
避することでキャビティ21内への端子金具10の挿抜
が許容される仮係止位置(図6)と、係止突部52がキ
ャビティ21内に突入してあご部18に係止される本係
止位置(図11)との2位置に所定の保持手段によって
保持可能とされ、2位置間を上下に移動されるようにな
っている。
【0036】次にランス31について詳しく説明する。
ランス31は、図6に示すように、各キャビティ21の
下面側にそれぞれ設けられており、仕切り壁22及び底
壁23のうちリテーナ取付孔30よりも前側部分を所定
形状に切欠することで形成されている。このランス31
は、大まかには、前後両端部が支持された両持ち状のア
ーム部32を備え、そのアーム部32の上面に端子金具
10の突起16に対して係止可能な係止部33を備えて
いる。
【0037】アーム部32は、図7に示すように、前後
方向に沿って延出するとともに後端側が仕切り壁22
(底壁23)におけるスタビライザ挿通溝24の直前位
置に連結され、前端側が前壁27に連結される両持ちの
梁状に形成されることで高い強度が得られている。この
アーム部32は、キャビティ21の幅寸法より僅かに小
さい幅寸法を有している。このアーム部32は、前後両
端の連結部分を撓み支点として弾性変形可能とされ、下
方に形成された撓み許容空間34内に退避されるように
なっている。撓み変形時にアーム部32は、図8に示す
ように、前後方向の略中央部分が最下端となる略弓形を
なし、撓み変形に伴う各部位の変位軌跡は、上下方向に
沿う略直線的なものとなっている。
【0038】係止部33は、図6に示すように、アーム
部32の上面からキャビティ21内に張り出して形成さ
れ、その高さ寸法及び幅寸法は、端子金具10の突起1
6及び逃がし孔15の孔縁前部における突起16の両側
部にわたって係止可能な大きさに設定されており、突起
16の突出端が係止部33の前面における根元部分に係
止可能とされている(図10参照)。この係止部33
は、図7に示すように、アーム部32の幅方向の中央位
置に配されるとともに、アーム部32の後端位置から前
後方向の中央よりも前寄りの位置に至る長さ寸法に形成
されている。端子金具10に対する係止面である係止部
33の前面は、端子金具10の挿入方向に対して鋭角を
なす斜面とされ、言い換えるとオーバーハング状に形成
されている。係止部33の後面は、キャビティ21内に
挿入される端子金具10に押圧されることでアーム部3
2が撓み変形するよう案内可能なテーパ面とされてい
る。
【0039】なお、上記したアーム部32の上面(係止
部33の両側方部分)がキャビティ21の下面を構成し
ており、キャビティ21内に挿入される端子金具10を
下支えできるようになっている。このアーム部32の上
面のうち係止部33よりも前方部分には、図6及び図7
に示すように、前方に向かって上り勾配をなすテーパ面
が形成されており、このテーパ面に対向するキャビティ
21の上面にも、ほぼ同じ勾配をなすテーパ面が形成さ
れている。これら両テーパ面によりキャビティ21の前
端部は、端子金具10の前端部を嵌合可能とする高さ寸
法となるよう絞り込むようにして形成されている。また
このキャビティ21は、前端部を除いた領域が端子金具
10を遊挿可能な高さ寸法を有している。
【0040】アーム部32の幅方向中央位置には、係止
部33の前面位置から前方へ開口する第1型抜き孔35
が設けられている。この第1型抜き孔35は、ハウジン
グ20の成形時において係止部33を成形するための金
型ピンを前方へ型抜きするのに伴ってアーム部32及び
前壁27を前方へ開口して形成されている。図6及び図
12に示すように、第1型抜き孔35のうち、アーム部
32を凹ませている部分(アーム部32における係止部
33の直前部分)が溝部45となっており、ここにキャ
ビティ21内に正規深さまで挿入された端子金具10の
突起16が進入可能となっている(図10)。そして、
溝部45内に進入した突起16は、その突出端が係止部
33の前面における根元部分に係止されるようになって
いる。この第1型抜き孔35内には、前方外部から解除
治具60が挿入可能とされており、挿入した解除治具6
0によってアーム部32を下方へ押圧操作することで、
ランス31を強制的に弾性変形させることができるよう
になっている。アーム部32における幅方向中央部前端
には、第1型抜き孔35内に挿入する解除治具60を奥
方へと誘い込むことができるよう、解除治具60の挿入
方向に向かう上り勾配をなす誘導面36が所定深さ奥ま
った位置に形成されている。そして前壁27及びアーム
部32には、この誘導面36を型抜きするための第2型
抜き孔37が上記第1型抜き孔35に連通する形態で形
成されている。これら両型抜き孔35,37によってア
ーム部32の前端部は、二股状に分割して形成され、そ
の分割された両側部が前壁27に連結されている。従っ
て、アーム部32は、前側が2箇所で前壁27に連結さ
れ、後側がアーム部32の全幅にわたって1箇所で仕切
り壁22(底壁23)に連結されることで、全体として
は3支点で支持されている。
【0041】さて、係止部33のキャビティ21内への
突出高さは、図12に示すように、前壁27の案内面2
9と重複するような位置に設定されており、係止部33
の上端部が案内面29に対して高さ方向について重複す
る部分となっている。従って、この係止部33を型抜き
するための第1型抜き孔35によって、案内面29は、
前壁27と共に係止部33における重複部分(幅狭部3
8)の外周形状に沿って切欠されている。以下、係止部
33の形状と第1型抜き孔35の形状について詳細に説
明する。
【0042】係止部33の上端部における幅方向両端部
には、上方に向かって次第に幅寸法が小さくなる幅狭部
38が一対形成されている。両幅狭部38は、下端位置
が案内面29の下端位置とほぼ揃えられており、その突
出高さが案内面29の下部における高さ寸法の約1/4
程度の大きさとされている。両幅狭部38の下端部の幅
寸法は、係止部33の幅寸法の1/2の大きさとされて
いる。両幅狭部38は、正面から視て直角三角形に形成
されるとともに、互いの傾斜面39を向き合わせた左右
対称形状とされている。両傾斜面39は、互いに直接に
連結されることで正面から視て略V字状をなしており、
言い換えると相互に逆勾配をなすテーパ状に形成されて
いる。両傾斜面39には、キャビティ21内に挿入され
る端子金具10の突起16の外周面が摺接可能とされる
ことで、端子金具10を幅方向中央位置へと誘い込んで
幅方向にがたつくのを抑制できるようになっている(図
9参照)。両幅狭部38は、図7に示すように、係止部
33の全長の半分程度の長さ寸法を有し、係止部33の
前端位置から後方へ延出して形成されている。両幅狭部
38の後端部は、後方へ行くに連れて次第に高さ寸法が
小さくなるように形成されている。
【0043】両幅狭部38は、ランス31が端子金具1
0に対して係止される際に、端子金具10の逃がし孔1
5内に逃がされるとともに、逃がし孔15の孔縁前部に
おける突起16の両側部に係止されるようになっている
(図10参照)。このとき、突起16が係止部33にお
ける両幅狭部38を除いたほぼ全領域(両幅狭部38か
ら視て根元側の部分)にわたって係止されるようになっ
ている。ここで、端子金具10に対する剪断面積は、係
止部33が突起16に対して係止する部分の方が、両幅
狭部38が逃がし孔15の孔縁前部に対して係止する部
分よりも大きくなっている。なお、端子金具10に対す
るランス31の剪断面積は、端子金具10の抜け止め力
に比例する。
【0044】第1型抜き孔35のうち、案内面29を切
欠する部分は、図12に示すように、両幅狭部38の外
周形状に沿って略M字状に形成されている。より詳細に
は、第1型抜き孔35におけるM字部分における両端部
の高さ位置(案内面29の下端位置)が、両幅狭部38
間に挟まれた部分の下端部の高さ位置とほぼ揃えられて
いる。従って、前壁27には、両幅狭部38間に挟まれ
た二等辺三角形の部分が残されていて、その部分に案内
面29が確保されている。言い換えると、第1型抜き孔
35の周縁上部には、幅狭部38の外周に沿った二等辺
三角形の張出部40が設けられていて、さらにその張出
部40の前面には、案内面29に連続する勾配を有する
補助案内面41が形成されている。この補助案内面41
は、その下端位置が案内面29の下端位置にほぼ揃えら
れるとともに上方に行くに連れて(タブ挿通孔28側に
接近するのに連れて)次第にその幅寸法が増幅するよう
に形成されている。張出部40における一対の斜面は、
正面から視て両幅狭部38の傾斜面39と一致してい
る。
【0045】また、アーム部32における下部両側縁に
は、幅方向の外側に行くに連れて上り勾配となる傾斜面
42がアーム部32の全長にわたって一対形成されてい
る。この傾斜面42は、アーム部32の下面位置よりも
高い位置に配設されている。仕切り壁22及び底壁23
における両傾斜面42に対して対向する部分には、傾斜
面42と同じ勾配を有する受け面44を備えた過度撓み
規制部43が張り出して設けられている。この過度撓み
規制部43は、アーム部32が弾性限度を越えて過度に
撓み変形される手前の段階で受け面44が傾斜面42に
係合することで、アーム部32が塑性変形されるのを防
ぐことができるようになっている。なお、この過度撓み
規制部43は、図3に示すように、アーム部32に沿っ
て前後に延出して形成されるとともにキャビティ21の
前壁27にも連結して形成されている。
【0046】続いて、ランス31を解除操作するための
解除治具60について詳しく説明する。解除治具60
は、図14及び図15に示すように、作業者が把持する
ための把持部61から前方へ向けて断面略四角形の軸部
62が突設されている。この軸部62の上面幅方向両端
部には、一対の補強リブ63が軸部62の全長にわたっ
て前後に延出して形成されており、これら両補強リブ6
3によって軸部62の増強が図られている。両補強リブ
63は、ハウジング20における第1型抜き孔35のう
ちランス31の両幅狭部38に対応する部分に対して挿
入が許容されるような大きさに形成されている。この解
除治具60の前端部の形状は、正面から視て略凹字状を
なしている。軸部62の下面側には、軸部62と同じ幅
寸法を有する規制部64が全長にわたって形成されてお
り、その前端面位置が軸部62及び補強リブ63よりも
所定寸法奥まった位置に設定されている。
【0047】ランス31を解除操作する際には、軸部6
2及び補強リブ63を第1型抜き孔35に、規制部64
を第2型抜き孔37に挿入しつつ、把持部61を上方へ
傾けるように操作することで、軸部62の先端部によっ
て第1型抜き孔35の奥部周面を下方へ押圧して、アー
ム部32を強制的に弾性変形させるようにする。このと
き、補強リブ63は、第1型抜き孔35のうち、ランス
31の幅狭部38に対応する部分に対して挿入されるよ
うになっており、その外周面が第1型抜き孔35の内周
面に摺接されることで、軸部62が幅方向にがたつくの
を抑制できるようになっている。規制部64は、軸部6
2が係止部33に突き当たる手前の段階で、アーム部3
2の誘導面36(アーム部32における幅方向中央部前
端面)に対して係合することで、解除治具60が両型抜
き孔に対してそれ以上深く挿入されるのを規制できるよ
うになっている(図16参照)。一方、ランス31の解
除操作を行う際において、誤って解除治具60をタブ挿
通孔28に挿入する場合があり得る。そのような場合で
も、軸部62の先端部がキャビティ21内に進入して端
子金具10の弾性接触片13に干渉する手前の段階で、
規制部64が前壁27の前面に係合することで、解除治
具60がタブ挿通孔28に対してそれ以上深く挿入され
るのを規制できるようになっている(図17参照)。こ
のように、規制部64は、ランス31に対する突き当て
防止機能と、タブ挿通孔28に対する誤挿入防止機能と
を併せ持っている。そして、軸部62及び補強リブ63
の前端面から規制部64の前端面までの距離は、係止部
33の前面から誘導面36までの距離や、弾性接触片1
3の前端から前壁27の前面までの距離よりも小さく設
定されている。なお、上記した係止部33の前面から誘
導面36までの距離と弾性接触片13の前端から前壁2
7の前面までの距離とは、ほとんど同じ大きさとされて
いる。
【0048】本実施形態は以上のような構造であり、続
いてその作用について説明する。図6に示すように、ハ
ウジング20に対してリテーナ50を仮係止位置に装着
した状態で、各キャビティ21内に後方から端子金具1
0を挿入する。すると、スタビライザ17がスタビライ
ザ挿通溝24とスタビライザ挿通凹部53の周面に摺接
されるとともに、突起16が突起挿通溝25と突起挿通
凹部54の周面に摺接されることで、キャビティ21に
対する挿入動作が円滑に案内される(図9参照)。端子
金具10が所定深さまで挿入されると、図8及び図9に
示すように、本体部11の前端下部がランス31の係止
部33の後面に係合され、さらなる挿入の進行に伴って
係止部33のテーパによって案内されつつアーム部32
が下方へ次第に撓み変形される。そして、この状態から
さらに挿入が進行すると、突起16が両幅狭部38間に
進入してその下端部が両幅狭部38間の幅方向略中央部
分を下方へ押圧することで、さらに大きくアーム部32
が弾性変形される。この過程において、突起16は前端
側にかけて先細り形状となっているから、両幅狭部38
間に進入する初期動作が円滑に行われるようになってい
る。さらには、突起16の外周面が両幅狭部38の傾斜
面39に摺接されることで、端子金具10が幅方向中央
位置へと誘い込まれて幅方向へのがたつきが抑制され、
円滑な挿入が図られるようになっている。このときラン
ス31は、前後両端の連結部分を支点として略弓形に変
形している。
【0049】そして、端子金具10が正規深さまで挿入
されると、図10に示すように、本体部11の逃がし孔
15内に係止部33が進入しつつアーム部32が弾性復
帰されるとともに係止部33の前面が突起16及び逃が
し孔15の孔縁前部に対して係止され、端子金具10の
一次係止が図られる。言い換えると、端子金具10が正
規深さに達すると、突起16が係止部33を乗り越えて
溝部45内に進入するとともにアーム部32が弾性復帰
され、溝部45内に進入した突起16が係止部33の前
面に対して係止される。このとき、係止部33のうち、
両幅狭部38が逃がし孔15の孔縁前部における突起1
6の両側部に係止されるとともに、両幅狭部38よりも
根元側の部分が突起16の後端面に対してほぼ全域にわ
たって係止されている。
【0050】全端子金具10をキャビティ21内に挿入
し終えたら、リテーナ50を仮係止位置から本係止位置
へ押し込む。すると、図11に示すように、リテーナ5
0の係止突部52が本体部11のあご部18に係止され
ることで端子金具10の二次係止が図られる。もってハ
ウジング20から端子金具10を抜け止め状態に保持す
ることができる。
【0051】上記のようにして組み付けられた雌コネク
タは、図示しない相手の雄コネクタに嵌合接続されるよ
うになっている。雌コネクタに対して雄コネクタを前方
から嵌合するのに伴って、雄コネクタのタブ端子Tがタ
ブ挿通孔28を通ってキャビティ21内に進入するとと
もに端子金具10の本体部11内に進入して、弾性接触
片13に弾性接触されるようになっている(図11参
照)。このタブ端子Tは、図12に示すように、タブ挿
通孔28の中心位置へと挿入されるようにアライメント
が設定されているのであるが、タブ端子T自身の変形な
どの事情によりそのアライメントに狂いが生じる場合が
ある。例えば、図13に示すように、タブ端子Tがタブ
挿通孔28に対して左斜め下方に位置ずれしていた場合
でも、タブ端子Tが案内面29に加えて補助案内面41
に対しても摺接されることで、タブ端子Tをタブ挿通孔
28側へ向けて円滑に誘い込むことができる。
【0052】一方、メンテナンスなどの事情によりハウ
ジング20から端子金具10を取り外す場合がある。そ
の場合には、図15に示すように、リテーナ50を仮係
止位置に戻すとともに、ハウジング20の前方から解除
治具60の軸部62及び両補強リブ63を第1型抜き孔
35にある程度挿入した後、規制部64を第2型抜き孔
37に挿入する。この挿入過程では、両補強リブ63が
第1型抜き孔35における両幅狭部38に対応する部分
に進入してその周面に摺接されることで幅方向について
のがたつきが抑制され、さらに軸部62が上下に僅かに
傾いていたとしても、その先端部が誘導面36に摺接さ
れることで水平に矯正されて第1型抜き孔35の奥方へ
と円滑に誘い込まれるようになっている。軸部62が所
定深さに達すると、その先端部が端子金具10の突起1
6の前面に摺接されることで斜め下方へ向けて案内され
るので、その案内に沿って把持部61を上方へ傾けるよ
うに操作すると、図16に示すように、軸部62によっ
て第1型抜き孔35の周面が下方へ押圧されて、アーム
部32が強制的に弾性変形される。そして、係止部33
が突起16から完全に解離する位置までアーム部32を
変形させてから、端子金具10をキャビティ21内から
引き抜くようにする。この過程では、軸部62及び両補
強リブ63の先端部が係止部33に干渉する手前の段階
で、規制部64が誘導面36に係合することで解除治具
60の挿入深さが規制されている。従って、ランス31
に対して解除治具60が突き刺さって損傷を与えるよう
な事態を未然に回避することができる。
【0053】ところで、解除治具60の挿入作業を行う
際、ハウジング20の前壁27には、両型抜き孔35,
37の真上の位置にタブ挿通孔28が配されているた
め、作業者が誤って解除治具60をタブ挿通孔28内に
挿入してしまうことがあり得る。その場合には、図17
に示すように、軸部62及び両補強リブ63がキャビテ
ィ21及び端子金具10の本体部11内に進入するもの
の、弾性接触片13に対して干渉する手前の段階で、規
制部64が前壁27の前面に係合することで、解除治具
60の挿入深さが規制されるようになっている。従っ
て、解除治具60が弾性接触片13に突き当たって、弾
性接触片13が変形されるような事態を未然に回避する
ことができる。そして、解除治具60の挿入動作が規制
されたことをもって、解除治具60を誤挿入したことが
作業者に検知される。
【0054】以上説明したように本実施形態によれば、
ランス31の係止部33のうち案内面29との重複部分
に高さ方向の先端側の幅が狭い幅狭部38を設けるとと
もに、第1型抜き孔35における幅狭部38に対応する
部分を幅狭部38の外周に沿った形状に形成したから、
幅狭部38が狭く形成された分だけ第1型抜き孔35が
案内面29を切欠する面積を小さくすることができる。
逆に言うと、タブ端子Tが摺接される面積を補助案内面
41を設けた分だけ大きく確保することができるから、
タブ端子Tをタブ挿通孔28へと円滑に案内することが
できる。
【0055】しかも、アーム部32のうち係止部33の
直前位置に溝部45を凹設してそこに端子金具10の突
起16を進入させて係止部33に係止させるようにした
から、突起16に対する係止部33の係止代を十分に確
保した上で、係止部33の高さ方向の先端とタブ挿通孔
28との間の距離を溝部45の高さ寸法分だけ大きくす
ることができる。従って、第1型抜き孔35のうち前壁
27を切欠する部分とタブ挿通孔28との間の距離を大
きくすることができ、タブ端子Tが摺接される案内面2
9の面積を大きく確保することができる。これにより、
タブ端子Tをタブ挿通孔28へと一層円滑に誘い込むこ
とができる。
【0056】また、幅狭部38をランス31における幅
方向両端部に一対設けるようにしたから、第1型抜き孔
35における両幅狭部38に対応する部分の個々の開口
幅を小さくすることができる。すなわち、案内面29と
補助案内面41とが途切れる部分を2分割して個々の途
切れ部分の幅寸法を小さくすることができるから、タブ
端子Tの誘い込みを一層円滑に行うことができる。
【0057】また、第1型抜き孔35のM字部分を挟ん
だ領域の高さ位置、すなわち案内面29と補助案内面4
1との下端位置をほぼ揃えるようにしているから、タブ
端子Tの誘い込みを一層円滑に行うことができる。
【0058】また、両幅狭部38間に設けた傾斜面39
に対して端子金具10の突起16が摺接されることで、
端子金具10を幅方向にがたつくのを抑制できる。しか
も、両傾斜面39が相互に逆勾配をなすテーパ状に形成
されているから、端子金具10を幅方向中央位置へと誘
い込んで一層幅方向へのがたつきを抑制することがで
き、端子金具10の挿入作業性を良好なものとすること
ができる。
【0059】また、端子金具10の突起16は、上記し
たようにキャビティ21への挿入動作を案内する機能に
加えて、その後端部がランス31の係止部33に係止さ
れることでランス31に対する被係止部としての機能を
有しているから、端子金具10の構造の簡素化を図るこ
とができる。
【0060】また、係止部33のうち両幅狭部38より
も根元側の部分が突起16に対して係止されるようにな
っているから、幅狭部38が突起16に係止する場合と
比較して端子金具10に対する剪断面積を大きく確保す
ることができ、もって端子金具10に対する抜け止め力
を大きくすることができる。
【0061】さらには、解除治具60の軸部62には、
第1型抜き孔35における両幅狭部38に対応する部分
に対して挿入可能な補強リブ63を一対設けるようにし
たから、コネクタが小型化されて第1型抜き孔35の開
口面積が縮小するのに伴って、軸部62が細くなった場
合でも、解除治具60の強度を高く保つことができる。
【0062】また、解除治具60に規制部64を設ける
ようにしたから、規制部64がランス31の前面である
誘導面36に係合することで、第1型抜き孔35内に挿
入された軸部62及び補強リブ63が係止部33に干渉
する手前の段階でその挿入深さを規制でき、もって解除
治具60がランス31に突き刺さって損傷を与える事態
を回避することができる。しかも、この規制部64は、
解除治具60を誤ってタブ挿通孔28内に挿入した場合
に軸部62及び補強リブ63の先端部が弾性接触片13
に干渉する手前の段階で、前壁27の前面に係合するこ
とでその挿入深さを規制できるから、解除治具60が弾
性接触片13に突き当たって損傷を与える事態を回避で
きるとともに誤挿入を検知できる。このように、この規
制部64は、ランス31に対する突き当て防止機能と、
タブ挿通孔28に対する誤挿入防止機能とを併せ持って
いるから、例えば各機能毎に2つの規制部を設けた場合
と比較して、解除治具60の構造を簡素化することがで
きる。
【0063】<第2実施形態>本発明の第2実施形態を
図18によって説明する。この第2実施形態では、上記
第1実施形態の雌コネクタの低背化を図った場合におい
て、係止部の幅方向中央に幅狭部を設けた場合を示す。
【0064】小型の雌コネクタにおいては、図18に示
すように、ランス31Aの係止部33Aが案内面29A
のみならずタブ挿通孔28Aに達する高さを有する場合
があるが、そのようなものでは、幅狭部38Aを係止部
33Aの幅方向中央位置に設けるようにする。この幅狭
部38Aは、根元部分が係止部33Aの全幅にわたって
連結され、突出端側にかけて次第に幅寸法が小さくなる
二等辺三角形状に形成されている。そして、幅狭部38
Aの上の頂点部分は、タブ挿通孔28Aの下端位置に達
しており、これに伴って第1型抜き孔35Aにおける幅
狭部38Aに対応する部分が逆V字状に形成されるとと
もにタブ挿通孔28Aに連通して形成されている。従っ
て、張出部40Aは、第1型抜き孔35Aの周縁両側部
から左右に一対設けられることになり、両張出部40A
には、案内面29Aへと連続する補助案内面41Aが設
けられている。
【0065】このように、第1型抜き孔35Aがタブ挿
通孔28Aに連通するものにおいても、幅狭部38Aを
係止部33Aにおける幅方向中央位置に設けるようにし
ておけば、第1型抜き孔35Aの周縁両側部に張出部4
0A及び補助案内面41Aが一対確保されるから、その
分だけタブ端子に対する案内領域を広く確保することが
できる。
【0066】<他の実施形態>本発明は上記記述及び図
面によって説明した実施形態に限定されるものではな
く、例えば次のような実施形態も本発明の技術的範囲に
含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内
で種々変更して実施することができる。 (1)上記した第1実施形態では、両幅狭部が左右対称
形状とされた場合を示したが、両幅狭部が左右非対称形
状とされ、それに伴って第1型抜き孔の形状が左右非対
称形状となるものも本発明には含まれる。また幅狭部の
形状は、三角形以外の形状についても任意に設定するこ
とが可能である。
【0067】(2)上記した第1実施形態では、係止部
の幅方向両端に一対の幅狭部を設けた場合を示したが、
第1実施形態のようにタブ挿通孔に第1型抜き孔が連通
しないものにおいて、第2実施形態に示したように係止
部の幅方向中央位置に幅狭部を1つ設けるようにしても
よく、そのようなものも本発明に含まれる。 (3)上記した第1実施形態では、補助案内面と案内面
との下端位置がほぼ揃えられる場合を示したが、幅狭部
の下端位置を下方位置に設定することで補助案内面の下
端位置を案内面よりも低くすることができ、そのような
ものも本発明に含まれる。
【0068】(4)上記した第1実施形態では、端子金
具の突起が両幅狭部間の傾斜面に摺接される場合を示し
たが、例えば突起を有さない端子金具をハウジング内に
収容するようなコネクタにも本発明は適用可能である。 (5)上記した第1実施形態では、解除治具の規制部が
ランスに対する突き当て防止機能と、タブ挿通孔に対す
る誤挿入防止機能とを併せ持つ場合を示したが、各機能
専用の部位を軸部に2つ設けるようにしてもよい。特
に、係止部の前面から誘導面までの距離と、弾性接触片
の前端から前壁の前面までの距離とが異なる場合に有効
である。
【0069】(6)上記した第1実施形態では、規制部
がランスの誘導面に係合することで、第1型抜き孔に対
する挿入深さを規制する場合を示したが、規制部の前面
位置を設定することによって、規制部がハウジングの前
面に係合することで、ランスに対する突き当てが防止さ
れるようにしたものも本発明に含まれる。 (7)上記した第2実施形態では、幅狭部が二等辺三角
形に形成された場合を示したが、雌コネクタをさらに低
背化した場合には、図19に示すように、例えば幅狭部
38Bを台形状に形成するようにしてもよい。また幅狭
部を左右非対称形状としたものも本発明に含まれる。
【0070】(8)上記した各実施形態では、ランスが
両持ち状のものについて示したが、従来例に示したよう
な片持ち状のランスについても本発明は同様に適用する
ことができる。 (9)上記した実施形態では、ランスのうち係止部に幅
狭部と設けるとともにアーム部に端子金具の突起が進入
可能な溝部を設けるようにした場合を示したが、幅狭部
と溝部のいずれか一方を省略したものも本発明に含まれ
る。そのようなものにおいても、幅狭部及び溝部を両方
とも設けないものと比較して案内面の面積を大きく確保
することができ、タブ端子をタブ挿通孔へと円滑に案内
することができるという効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係るハウジングの正面
【図2】ハウジングの背面図
【図3】ハウジングの底面図
【図4】端子金具の正面図
【図5】端子金具の底面図
【図6】リテーナを仮係止位置に組み付けたハウジング
と端子金具の側断面図
【図7】ハウジングの平断面図
【図8】端子金具を挿入する途中の状態を示す側断面図
【図9】端子金具を挿入する途中の状態を示す平断面図
【図10】端子金具が正規深さまで挿入された状態を示
す側断面図
【図11】リテーナを本係止位置に移動させた状態を示
す側断面図
【図12】タブ端子が上段側のタブ挿通孔内に正規に挿
入された状態を示す拡大正面図
【図13】タブ端子のアライメントに狂いが生じ、タブ
端子が上段側の案内面及び補助案内面に当接された状態
を示す拡大正面図
【図14】解除治具の拡大斜視図
【図15】リテーナを仮係止位置に移動させて、解除治
具を挿入する前の状態を示す側断面図
【図16】解除治具によってランスを撓ませている状態
を示す側断面図
【図17】解除治具をタブ挿通孔内に挿入した状態を示
す側断面図
【図18】本発明の第2実施形態に係るハウジングの拡
大正面図
【図19】本発明の他の実施形態に係るハウジングの拡
大正面図
【図20】従来例の断面図
【符号の説明】
10…端子金具 16…突起 20…ハウジング(コネクタハウジング) 21…キャビティ 27…前壁 28,28A…タブ挿通孔 29,29A…案内面 31,31A…ランス 32…アーム部 33,33A…係止部 35,35A…第1型抜き孔(型抜き孔) 38,38A,38B…幅狭部 39…傾斜面(摺接面) 40,40A…張出部(前壁) 41,41A…補助案内面(案内面) 45…溝部 60…解除治具 62…軸部 63…補強リブ 64…規制部(誤挿入規制部) T…タブ端子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 亮太郎 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 (72)発明者 川瀬 治 三重県四日市市西末広町1番14号 住友電 装株式会社内 Fターム(参考) 5E063 HA08 HB15 XA01 5E087 EE14 FF08 GG15 GG26 GG31 GG32 MM05 RR25

Claims (16)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コネクタハウジングには、 相手のタブ端子に導通接続可能な端子金具を後方から挿
    入可能なキャビティと、 前記キャビティの前壁を貫通して形成されるとともに前
    方から前記タブ端子がキャビティ内に進入するのを許容
    するタブ挿通孔と、 前記タブ挿通孔の孔縁前部に形成されるとともに前記タ
    ブ端子をタブ挿通孔へと誘い込むための案内面と、 前記キャビティの内面から突設されるとともに挿入され
    る前記端子金具に弾性的に係止可能とされ、且つ前記案
    内面と高さ方向についての重複部分を有するランスと、 前記ランスを成形するための金型を前方へ型抜きするの
    に伴って前記キャビティの前壁に貫通して形成されると
    ともに前記案内面のうち前記重複部分に対応する部分を
    切り欠いて形成される型抜き孔とが備えられ、 前記ランスのうち前記重複部分には、前記高さ方向の先
    端側の幅が狭い幅狭部が設けられるとともに、前記型抜
    き孔が前記幅狭部の外周に沿って形成されていることを
    特徴とするコネクタ。
  2. 【請求項2】 前記幅狭部が前記ランスにおける幅方向
    両端部に一対形成されることで、前記型抜き孔が略M字
    状に開口して形成されていることを特徴とする請求項1
    記載のコネクタ。
  3. 【請求項3】 前記型抜き孔のうち前記略M字状をなす
    部分において、両端の高さ位置が、前記両幅狭部間に挟
    まれた部分の端部の高さ位置とほぼ揃えられていること
    を特徴とする請求項2記載のコネクタ。
  4. 【請求項4】 前記両幅狭部間には、前記端子金具に設
    けられた突起が摺接されることで、前記キャビティに対
    する端子金具の挿入動作を案内可能な摺接面が形成され
    ていることを特徴とする請求項2または請求項3記載の
    コネクタ。
  5. 【請求項5】 前記摺接面は、相互に逆勾配をなすテー
    パ状に形成されていることを特徴とする請求項4記載の
    コネクタ。
  6. 【請求項6】 前記ランスは、前記突起の後端部に対し
    て係止可能とされていることを特徴とする請求項4また
    は請求項5記載のコネクタ。
  7. 【請求項7】 前記幅狭部の高さ方向先端部が前記タブ
    挿通孔に達する位置とされているものにおいて、 前記幅狭部が前記ランスにおける幅方向略中央に形成さ
    れていることを特徴とする請求項1記載のコネクタ。
  8. 【請求項8】 前記ランスにおいて前記端子金具と係止
    する部分が前記幅狭部よりも根本側となっていることを
    特徴とする請求項1ないし請求項7のいずれかに記載の
    コネクタ。
  9. 【請求項9】 請求項4に記載されたコネクタに用いら
    れる端子金具において、 前記両幅狭部間に設けられた前記摺接面に摺接されるこ
    とで、前記キャビティへの挿入動作を案内可能な突起が
    設けられていることを特徴とする端子金具。
  10. 【請求項10】 前記突起の後端部は、前記ランスが係
    止可能な被係止部とされていることを特徴とする請求項
    9記載の端子金具。
  11. 【請求項11】 請求項1に記載されたコネクタから端
    子金具を取り外すための解除治具において、 前記型抜き孔内に挿入可能とされ、前記ランスを操作し
    て強制的に撓み変形させるための軸部と、この軸部の長
    さ方向に沿って突設されるとともに前記型抜き孔のうち
    前記幅狭部に対応する部分に挿入可能な補強リブとから
    構成されていることを特徴とする解除治具。
  12. 【請求項12】 前記コネクタハウジングに対して係合
    することで、前記型抜き孔に対する挿入深さを前記ラン
    スに対して干渉する手前の位置に規制可能な規制部が設
    けられていることを特徴とする請求項11記載の解除治
    具。
  13. 【請求項13】 前記端子金具が前記タブ端子に対して
    弾性接触可能な弾性接触片を有しているコネクタに用い
    られるものにおいて、 前記タブ挿通孔に挿入された場合に前記コネクタハウジ
    ングに係合することで、前記タブ挿通孔に対する挿入深
    さを前記弾性接触片に干渉する手前の位置に規制可能な
    誤挿入規制部が設けられていることを特徴とする請求項
    11または請求項12記載の解除治具。
  14. 【請求項14】 前記規制部は、前記タブ挿通孔に挿入
    された場合に前記コネクタハウジングに係合すること
    で、前記タブ挿通孔に対する挿入深さを前記弾性接触片
    に干渉する手前の位置に規制可能な誤挿入規制部を兼用
    していることを特徴とする請求項12記載の解除治具。
  15. 【請求項15】 コネクタハウジングには、 相手のタブ端子に導通接続可能な端子金具を後方から挿
    入可能なキャビティと、 前記キャビティの前壁を貫通して形成されるとともに前
    方から前記タブ端子がキャビティ内に進入するのを許容
    するタブ挿通孔と、 前記タブ挿通孔の孔縁前部に形成されるとともに前記タ
    ブ端子をタブ挿通孔へと誘い込むための案内面と、 前記キャビティの内面に設けられるとともに弾性変形可
    能なアーム部と、キャビティ内に挿入される端子金具に
    係止可能とされ、且つ前記案内面と高さ方向についての
    重複部分を有する係止部とからなるランスと、 前記ランスを成形するための金型を前方へ型抜きするの
    に伴って前記キャビティの前壁に貫通して形成されると
    ともに前記案内面のうち前記重複部分に対応する部分を
    切り欠いて形成される型抜き孔とが備えられ、 前記アーム部には、前記端子金具に設けられた突起が進
    入可能な溝部が係止部の直前位置に凹設されるとともに
    この溝部内に進入した突起が係止部に係止されるように
    なっていることを特徴とするコネクタ。
  16. 【請求項16】 前記ランスは、弾性変形可能なアーム
    部と、キャビティ内に挿入される端子金具に係止可能と
    され、且つ前記重複部分を有する係止部とからなり、 前記アーム部には、前記端子金具に設けられた突起が進
    入可能な溝部が係止部の直前位置に凹設されるとともに
    この溝部内に進入した突起が係止部に係止されるように
    なっていることを特徴とする請求項1ないし請求項8の
    いずれかに記載のコネクタ。
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