JP2003157767A - シャドウマスクおよびその製造方法 - Google Patents

シャドウマスクおよびその製造方法

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JP2003157767A
JP2003157767A JP2001356009A JP2001356009A JP2003157767A JP 2003157767 A JP2003157767 A JP 2003157767A JP 2001356009 A JP2001356009 A JP 2001356009A JP 2001356009 A JP2001356009 A JP 2001356009A JP 2003157767 A JP2003157767 A JP 2003157767A
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shadow mask
electron beam
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JP2001356009A
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Takafumi Hideshima
啓文 秀島
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 外観および強度を改善すると共に生産性にも
優れたシャドウマスクおよびその製造方法を提供する。 【解決手段】 レジストパターン3が形成されたシャド
ウマスク用金属薄板2をエッチングしてその金属薄板2
の片面または両面から互いに貫通しない微小凹部6、7
を形成する一次エッチング工程と、一次エッチングされ
た片面の微小凹部6に目詰め膜8を形成する目詰め膜形
成工程と、目詰め膜8が形成されていない側からエッチ
ングして微小凹部7を形成し、一次エッチングされた片
面の微小凹部6とその底部において連通させると共に、
形成された連通孔のエッチング交点9をその隙間10か
ら浸入したエッチング液によりエッチングして所定の開
孔幅からなる電子ビーム通過孔を形成する二次エッチン
グ工程と、レジストパターン3および目詰め膜8を溶解
除去する溶解除去工程とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、外観および強度を
改善すると共に生産性にも優れたシャドウマスクおよび
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】シャドウマスクは、カラーテレビ用ブラ
ウン管内の電子銃から放射された電子ビームを、決めら
れた発光体に衝突させる機能を有するものであり、エッ
チングにより微小な孔が多数設けられた金属薄板であ
る。この微小な孔の形成は、金属薄板の表裏両面の対応
する位置に、直径が異なる半球状または角状(スロット
状)の多数の微小凹部をそれぞれ設け、対応する微小凹
部の底部同士を連通させることにより行われる。
【0003】形成される孔(以下、電子ビーム通過孔と
もいう。)は、図4にスロット形の電子ビーム通過孔4
1の例を示すように、通常、電子ビームが出射する側に
設けられる大面積の表側開口部42と、電子ビームの入
射する側に設けられる小面積の裏側開口部43とから構
成され、表側開口部42と裏側開口部43とが連通する
ことにより形成されている。このとき、図4のA−A断
面図および図3に示すように、孔と孔との間の金属部分
(ブリッジ部分44という。)について、表側開口部4
2相互間の幅は表側ブリッジ幅Mと呼ばれ、裏側開口部
43相互間の幅は裏側ブリッジ幅Nと呼ばれ、表側開口
部42と裏側開口部43とが連通したエッチング交点9
相互間の幅はブリッジ幅Lと呼ばれている。
【0004】そうした孔を有するシャドウマスクの製造
方法としては、一回のエッチング工程により対応する微
小凹部の底部同士を連通させる1ステップエッチング法
(図5を参照。)と、二回のエッチング工程により対応
する微小凹部の底部同士を連通させる2ステップエッチ
ング法(図6を参照。)とが知られている。
【0005】1ステップエッチング法によってシャドウ
マスクを製造する方法は、図5(a)に示すように、先
ず、鉄合金等からなる金属薄板52の表裏両面に感光性
樹脂塗膜を塗布・形成し(感光性樹脂塗膜の形成工
程)、その後所定の露光パターンを有するネガフィルム
を金属板に密着させ、露光して感光性樹脂塗膜の露光部
を硬化させ(写真焼付工程)、現像処理により感光性樹
脂塗膜の非感光部を除去してレジストパターン53を形
成する(非感光部の除去工程)。次いで、図5(b)に
示すように、塩化第二鉄水溶液等のエッチング液により
一次エッチングを行い、片面毎交互にまたは表裏両面を
同時に、微小凹部を形成して対応する微小凹部の底部5
4、55同士を連通させる(エッチング工程)。その
後、図5(c)に示すように、上述したレジストパター
ンをアルカリ水溶液で溶解することにより除去し(レジ
スト除去工程)、シャドウマスク51が製造される。
【0006】2ステップエッチング法によってシャドウ
マスクを製造する方法においても、図6(a)に示すよ
うに、先ず、鉄合金等からなる金属薄板62の表裏両面
に感光性樹脂塗膜を塗布・形成し(感光性樹脂塗膜の形
成工程)、その後所定の露光パターンを有するネガフィ
ルムを金属板に密着させ、露光して感光性樹脂塗膜の露
光部を硬化させ(写真焼付工程)、現像処理により感光
性樹脂塗膜の非感光部を除去してレジストパターン63
を形成する(非感光部の除去工程)。次いで、この2ス
テップエッチング法においては、図6(b)に示すよう
に、塩化第二鉄水溶液等のエッチング液により一次エッ
チングを行い、片面または表裏両面から互いに貫通しな
い微小凹部を形成(一次エッチング工程)した後、図6
(c)に示すように、片面のみに目詰め材(例えばホッ
トメルトタイプの目詰め膜用樹脂組成物が好ましく使用
されるが、目詰め膜用紫外線硬化型樹脂組成物を使用す
ることもできる。)を塗布してその片面に形成された微
小凹部64を埋め、冷却および/または紫外線を照射す
ることによりその目詰め材を硬化させて目詰め膜68
(バックコート膜ともいう。)を形成する(目詰め膜形
成工程)。このようにして片面を目詰めした後、図6
(d)に示すように、再びエッチング液により他方の面
に微小凹部65を形成する二次エッチングを行い、一次
エッチング工程で予め形成された微小凹部64と二次エ
ッチング工程で形成される微小凹部65とをその底部に
おいて連通させ(二次エッチング工程)、図6(e)に
示すように、最後に上述したレジストパターン63およ
び目詰め膜68をアルカリ水溶液で溶解することにより
除去し(レジストおよび目詰め膜除去工程)、シャドウ
マスク61が製造される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
1ステップエッチング法および2ステップエッチング法
は、その製法に基づいた下記の特徴を有している。
【0008】1ステップエッチング法においては、図5
(b)に示すように、エッチング時間の経過と共にエッ
チングされる微小凹部が徐々に大きくなる。そして、微
小凹部の底部54、55同士が連通した後は、尖ったエ
ッチング交点56がエッチング(サイドエッチングとい
う。)されて大きな開孔幅からなる電子ビーム通過孔が
形成されることとなる。そのため、図3に示すように、
表側開口部42および裏側開口部43の大きさをあまり
大きくしなくても大きな開孔幅Sを有する電子ビーム通
過孔を形成できるので、シャドウマスク全体に占める金
属の割合を大きくさせることができ、強度に優れたシャ
ドウマスク51を製造することができるという利点があ
る。反面、尖ったエッチング交点56がサイドエッチン
グされて大きな開孔幅Sを有する電子ビーム通過孔が形
成されるので、そうした開孔幅Sは、エッチング条件の
わずかな変化によって影響されやすい。その結果、開孔
幅Sにバラツキが生じ易く、孔ムラが発生して外観が悪
くなりやすいおそれがある。
【0009】こうした1ステップエッチング法は、強度
が要求されるが厳格な開孔幅精度は要求されないテレビ
用ブラウン管に装着されるシャドウマスクに好ましく適
用され、例えばスロット形の電子ビーム通過孔からなる
シャドウマスクにおいては、開孔率(スロットの短尺方
向の開孔幅S/板厚Tの百分率)が70%を超えたもの
に適用されている。
【0010】一方、2ステップエッチング法において
は、図6(d)に示すように、一次エッチング工程で形
成された微小凹部64と二次エッチング工程で形成され
る微小凹部65とをその底部において連通させて電子ビ
ーム通過孔を形成するので、微小凹部64、65の底部
同士が連通した後であってもエッチング交点66を精度
よく形成できると共に、エッチング交点66のサイドエ
ッチングが急激には起こらない。その結果、図3に示す
ように、所望の開孔幅Sを有する高精度の電子ビーム通
過孔を形成でき、外観のよいシャドウマスク61を製造
することができるという利点がある。反面、エッチング
交点66のサイドエッチングが急激には起こらず、形成
された開孔幅Sがほぼそのまま残り易いことから、所定
の開孔幅Sを有する電子ビーム通過孔を形成するために
は、表裏両面の微小凹部64、65を大きく形成しなけ
ればならないことになる。そのため、開口面積の大きな
表側開口部42と裏側開口部43とが形成されることと
なるので、シャドウマスク全体に占める金属の割合が低
下し、上述の1ステップエッチング法に比べて強度がや
や小さくなり易い。
【0011】こうした2ステップエッチング法は、厳格
な開孔幅精度が要求される高精細のコンピューターディ
スプレイ用のブラウン管に装着されるシャドウマスクに
好ましく適用され、例えばスロット形の電子ビーム通過
孔からなるシャドウマスクを製造する場合においては、
開孔率(スロットの短尺方向の開孔幅S/板厚Tの百分
率)が75%以下のものに適用されている。
【0012】本発明は、上述した1ステップエッチング
法と2ステップエッチング法の利点を兼ね備える、外観
および強度を改善すると共に生産性にも優れたシャドウ
マスクおよびその製造方法を提供するものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の発明
は、電子ビームが出射する側に設けられる表側開口部
と、電子ビームの入射する側に設けられる裏側開口部と
が連通して形成される電子ビーム通過孔を有するシャド
ウマスクの製造方法であって、レジストパターンが形成
されたシャドウマスク用金属薄板をエッチングして当該
金属薄板の片面または両面から互いに貫通しない微小凹
部を形成する一次エッチング工程と、前記一次エッチン
グされた片面の微小凹部に目詰め膜を形成する目詰め膜
形成工程と、前記目詰め膜が軟化して前記一次エッチン
グされた微小凹部との間に隙間が生じる温度以上のエッ
チング温度で、前記目詰め膜が形成されていない側から
エッチングして微小凹部を形成し、前記一次エッチング
された片面の微小凹部とその底部において連通させると
共に、形成された連通孔のエッチング交点を前記隙間か
ら浸入したエッチング液によりエッチングして所定の開
孔幅からなる電子ビーム通過孔を形成する二次エッチン
グ工程と、前記レジストパターンおよび前記目詰め膜を
溶解除去する溶解除去工程と、を有することに特徴を有
する。
【0014】この発明によれば、一次エッチング工程と
二次エッチング工程とによって表側開口部と裏側開口部
とからなるエッチング精度に優れた連通孔を形成し、さ
らに、その二次エッチング工程においては、エッチング
温度が、目詰め膜が軟化して一次エッチングされた微小
凹部との間に隙間が生じる温度以上であることから、目
詰め膜が軟化して微小凹部との間に隙間を生じ、その隙
間にエッチング液が浸入してエッチングが進行する。こ
のように、軟化した目詰め膜と微小凹部との隙間でエッ
チングが進行するので、形成された連通孔のエッチング
交点をさらにエッチングして所定の開孔幅からなる電子
ビーム通過孔を容易に形成することができる。こうした
特徴を有する本発明によれば、二次エッチング工程中に
表側開口部および裏側開口部の大きさをあまり大きくす
ることなくエッチング交点をサイドエッチングできるの
で、所望の開孔幅を有する電子ビーム通過孔を容易に形
成できる。その結果、シャドウマスク全体に占める金属
の割合を大きくさせることができ、外観および強度に優
れて高精度で生産性のよいシャドウマスクとすることが
できる。
【0015】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
のシャドウマスクの製造方法において、前記二次エッチ
ング工程でのエッチング温度が、60〜80℃の所定の
温度であることに特徴を有する。
【0016】この発明によれば、二次エッチング工程で
のエッチング温度を60〜80℃の所定の温度としたの
で、エッチングスピードを速くしてシャドウマスクの生
産性を向上させることができる。
【0017】請求項3に記載の発明は、電子ビームが出
射する側に設けられる表側開口部と、電子ビームの入射
する側に設けられる裏側開口部とが連通して形成される
電子ビーム通過孔を有するシャドウマスクであって、当
該シャドウマスクが、レジストパターンが形成されたシ
ャドウマスク用金属薄板をエッチングして当該金属薄板
の片面または両面から互いに貫通しない微小凹部を形成
する一次エッチング工程と、前記一次エッチングされた
片面の微小凹部に目詰め膜を形成する目詰め膜形成工程
と、前記目詰め膜が軟化して前記一次エッチングされた
微小凹部との間に隙間が生じる温度以上のエッチング温
度で、前記目詰め膜が形成されていない側からエッチン
グして微小凹部を形成し、前記一次エッチングされた片
面の微小凹部とその底部において連通させると共に、形
成された連通孔のエッチング交点を前記隙間から浸入し
たエッチング液によりエッチングして所定の開孔幅から
なる電子ビーム通過孔を形成する二次エッチング工程
と、前記レジストパターンおよび前記目詰め膜を溶解除
去する溶解除去工程と、を有する2ステップエッチング
法によって製造されてなり、前記電子ビーム通過孔が略
長方形のスロット形状であり、当該電子ビーム通過孔の
短尺方向の開孔幅が、前記シャドウマスク用金属薄板の
厚さの75%以下であることに特徴を有する。
【0018】この発明によれば、一次エッチング工程と
二次エッチング工程とによって表側開口部と裏側開口部
とからなるエッチング精度に優れた連通孔が形成され、
さらに、その二次エッチング工程においては、エッチン
グ温度が、目詰め膜が軟化して一次エッチングされた微
小凹部との間に隙間が生じる温度以上であることから、
目詰め膜が軟化して微小凹部との間に隙間を生じ、その
隙間にエッチング液が浸入してエッチングが進行するこ
ととなる。このように、軟化した目詰め膜と微小凹部と
の隙間でエッチングが進行するので、形成された連通孔
のエッチング交点をさらにエッチングして所定の開孔幅
からなる電子ビーム通過孔が容易に形成される。こうし
た特徴を有する本発明によれば、二次エッチング工程中
で、表側開口部および裏側開口部の大きさをあまり大き
くすることなくエッチング交点をサイドエッチングでき
るので、所望の開孔幅を有する電子ビーム通過孔が容易
に形成される。その結果、シャドウマスク全体に占める
金属の割合を大きくさせることができ、外観および強度
に優れて高精度で生産性のよいシャドウマスクを提供で
きる。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明に係るシャドウマスクは、
図4に示すように、電子ビームが出射する側に設けられ
る表側開口部42(大孔部)と、電子ビームの入射する
側に設けられる裏側開口部43(小孔部)とが連通して
形成される電子ビーム通過孔41を有するものである。
本発明においては、そうしたシャドウマスクであれば電
子ビーム通過孔41の形状や大きさ等は特に限定されな
いが、スロット形の電子ビーム通過孔を有するシャドウ
マスクに好ましく適用される。特に、25インチ以上の
大型デジタルテレビ用のブラウン管(中でもフラット形
のブラウン管)に装着されるシャドウマスクのように、
外観および強度に優れて高精細が要求されるシャドウマ
スクに好ましく適用される。
【0020】本発明のシャドウマスクの製造方法は、
(1)レジストパターンが形成されたシャドウマスク用
金属薄板をエッチングしてその金属薄板の片面または両
面から互いに貫通しない微小凹部を形成する一次エッチ
ング工程と、(2)一次エッチングされた片面に目詰め
膜を形成する目詰め膜形成工程と、(3)目詰め膜が軟
化して一次エッチングされた微小凹部との間に隙間が生
じる温度以上のエッチング温度で、目詰め膜が形成され
ていない側からエッチングして微小凹部を形成し、一次
エッチングされた片面の微小凹部とその底部において連
通させると共に、形成された連通孔のエッチング交点を
その隙間から浸入したエッチング液によりエッチングし
て所定の開孔幅からなる電子ビーム通過孔を形成する二
次エッチング工程と、(4)レジストパターンおよび目
詰め膜を溶解除去する溶解除去工程と、を有することに
特徴がある。
【0021】以下、本発明のシャドウマスクの製造方法
について図面を参照しつつ工程順に説明する。
【0022】(1)一次エッチング工程 一次エッチング工程は、図1(a)(b)に示すよう
に、レジストパターン3が形成されたシャドウマスク用
金属薄板2をエッチングしてその金属薄板2の片面また
は両面から互いに貫通しない微小凹部6、7を形成する
工程である。
【0023】先ず最初に、図1(a)に示すようなレジ
ストパターン3が形成されたシャドウマスク用金属薄板
2の作製方法について説明する。
【0024】レジストパターン3が形成されたシャドウ
マスク用金属薄板2は、感光性樹脂塗膜の形成工程と、
写真焼付工程と、非感光部の除去工程とによって作製さ
れる。
【0025】感光性樹脂塗膜の形成工程は、予めアルカ
リ脱脂や水洗が行われたアンバー材(Fe−36質量%
Ni合金)等のシャドウマスク用金属薄板2を基材とし
て使用し、その金属薄板2の両面に感光性樹脂塗膜を形
成する工程である。感光性樹脂塗膜は、そうした金属薄
板2上に感光性樹脂を所定の厚さで塗布・乾燥させるこ
とによって形成される。感光性樹脂としては、通常、カ
ゼインまたは変性PVA(ポリビニルアルコール)と重
クロム酸塩とからなる樹脂組成物等が用いられる。その
塗布方法としては、ディッピング法やキスコータ法等が
用いられる。なお、シャドウマスク用金属薄板、その前
処理、感光性樹脂、感光性樹脂の塗布方法については特
に限定されない。
【0026】写真焼付工程は、上述の感光性樹脂塗膜を
所定のパターンに写真焼付する工程である。写真焼付
は、金属薄板2の両面に形成された感光性樹脂塗膜に、
シャドウマスクの電子銃側の裏側開口部43に対応する
パターンが形成されたフォトマスクと、シャドウマスク
の蛍光面側の表側開口部42に対応するパターンが形成
されたフォトマスクとからなる一対のフォトマスクを密
着し、紫外光等を照射し、その照射によって各フォトマ
スクのパターン通りに硬化させて行われる。なお、フォ
トマスク、そのパターン形状、照射光、その照射装置、
硬化方法については特に限定されない。
【0027】非感光部の除去工程は、感光性樹脂塗膜の
非感光部を除去する工程である。紫外光等が照射されな
い非感光部は、所定の現像液で現像処理されることによ
って容易に除去される。その後、乾燥、硬膜処理(ベー
キング)を行なう。その結果、図1(a)に示すよう
に、シャドウマスク用金属薄板2上に、上述した一対の
フォトマスクのパターンに対応するレジストパターン3
が形成される。なお、現像液、現像方法、乾燥、硬膜処
理等については特に限定されない。
【0028】次に、こうして作製されたレジストパター
ン3が形成された金属薄板2を一次エッチングして、そ
の金属薄板2の片面または両面から互いに貫通しない微
小凹部6、7を形成する。
【0029】一次エッチングは、図1(b)に示すよう
に、金属薄板2の表裏両面に互いに貫通しない微小凹部
6、7を形成する工程であり、(i)裏側開口部側と表
側開口部側の両側から同時にエッチングする方法、(i
i)先ず、一方の表面にエッチング抵抗材や保護フィル
ム等を設けて他方の表面をエッチングし、次いで、エッ
チングした面にエッチング抵抗材や保護フィルム等を設
けてもう一方の面をエッチングする方法、等によって行
うことができる。エッチング液としては、塩化第二鉄水
溶液に代表されるような酸性のエッチング溶液が用いら
れる。エッチング後は、通常、アルカリ中和処理、多段
水洗によって洗浄される。
【0030】(2)目詰め膜形成工程 目詰め膜形成工程は、図1(c)に示すように、一次エ
ッチングされた片面に目詰め膜8を形成する工程であ
る。すなわち、目詰め膜形成工程は、一方の微小凹部6
を充填する目詰め膜8を形成することによって、後述す
る二次エッチングで形成する開孔幅の精度を向上させる
ために行われる。通常、図1(c)に示すように、裏側
開口部側の微小凹部6に、目詰め材を塗布し、その隅々
まで十分に充填し、その後冷却および/または紫外光等
を照射して硬化させ、目詰め膜8を形成する。
【0031】目詰め材としては、硬化後の目詰め膜8の
軟化が、後述する二次エッチング工程におけるエッチン
グ温度Xで起こり、しかも、一次エッチングされた微小
凹部6との間に隙間10が生じる程度に軟化するように
調整された目詰め材が使用される。したがって、本発明
のシャドウマスクの製造方法においては、二次エッチン
グ工程のエッチング温度Xによって軟化する目詰め膜8
を形成する目詰め材が使用されるので、目詰め材の選定
にあたっては、硬化後の目詰め膜8が軟化して一次エッ
チングされた微小凹部6との間に隙間10が生じる温度
Y(℃)と、エッチング温度X(℃)との関係を満たす
ものであれば、従来から使用されている目詰め材であっ
ても好ましく使用することができる。
【0032】そうした目詰め材としては、メタクリルモ
ノマーを使用することができる。メタクリルモノマー
は、非官能性モノマー、一官能性モノマー、多官能性モ
ノマー等に大別される。具体的には、エチレン・メタク
リル酸共重合体(EMAA)等を挙げることができる。
さらに、ロジン、ワックス等を添加し、目詰め性に優れ
た目詰め材を使用することができる。
【0033】このように、従来から使用されている目詰
め膜用の各種の樹脂組成物うち、上述の条件を満足させ
る目詰め材を選定して使用することができる。
【0034】本発明においては、目詰め膜8が軟化して
一次エッチングされた微小凹部6との間に隙間10が生
じる温度Y(℃)が、エッチング温度X(℃)よりも高
くなるように調整される。なお、温度Yと温度Xとの差
(X−Y)は、+0〜+20℃であることが好ましい。
それらの差をこの範囲内とすることにより、目詰め膜と
微小凹部との間に微小な隙間を形成することができ、そ
の隙間にエッチング液を浸入させてエッチングを進行さ
せることができる。その結果、形成された連通孔のエッ
チング交点をエッチングして、所望の開孔幅からなる電
子ビーム通過孔を容易に形成することができる。
【0035】本発明においては、図1および図2に示す
ように、そうした目詰め膜8がエッチング液によって軟
化して、微小凹部6との間に密着性がやや低下すること
に基づく隙間10を生じるので、その隙間10にエッチ
ング液が浸入してエッチングが進行する。その結果、形
成された連通孔のエッチング交点9がさらにエッチング
され、所定の開孔幅からなる電子ビーム通過孔が容易に
形成される。
【0036】上述した温度差(X−Y)が下限値より小
さい場合には、目詰め膜8が軟化しにくいことがあり、
微小凹部6との間に隙間が生じにくい。そのため、エッ
チング液の浸入に基づくエッチングが起こりにくい。一
方、上述した温度差(X−Y)が上限値より大きい場合
には、目詰め膜8の軟化の程度が大きくなるので、微小
凹部6との間の隙間が大きくなる。そのため、大きな隙
間に浸入したエッチング液によって過剰なエッチングが
起こることがある。
【0037】(3)二次エッチング工程 二次エッチング工程は、図1(d)に示すように、目詰
め膜8が軟化して一次エッチングされた微小凹部6との
間に隙間10が生じる温度Y以上のエッチング温度X
で、目詰め膜8が形成されていない側からエッチングし
て微小凹部7を形成し、一次エッチングされた片面の微
小凹部6とその底部において連通させると共に、形成さ
れた連通孔のエッチング交点9をその隙間10から浸入
したエッチング液によりエッチングして所定の開孔幅S
からなる電子ビーム通過孔を形成する工程である。
【0038】すなわち、二次エッチング工程は、目詰め
膜8が形成されていない表側開口部側の微小凹部7また
は表面平坦部を、一次エッチングと同じ塩化第二鉄水溶
液等からなるエッチング液でエッチングすることによっ
て拡大しまたは微小凹部7を形成し、目詰め膜8が形成
された裏側開口部側の微小凹部6と、その底部において
連通(貫通)させる工程である。さらにこの二次エッチ
ング工程においては、目詰め膜8が軟化して一次エッチ
ングされた微小凹部6との間に隙間10が生じる温度Y
以上のエッチング温度Xでエッチングするので、目詰め
膜8の軟化に基づいて生じた隙間10にエッチング液が
浸入し、その結果、エッチング交点9をさらにエッチン
グして所定の開孔幅Sからなる電子ビーム通過孔を形成
する。
【0039】なお、エッチング方法は、スプレー式、浸
漬式等の種々の方法を採用でき、エッチング後は、一次
エッチングの場合と同様に、アルカリ中和処理、多段水
洗によって洗浄される。
【0040】形成された連通孔は、一次エッチング工程
と二次エッチング工程とによって、所望の大きさになる
ように精度よくエッチングされた表側開口部42と裏側
開口部43とから構成されると共に、エッチング交点9
のサイドエッチングも同時に行うことができ、所望の開
孔幅を有する電子ビーム通過孔を精度よく形成できる。
【0041】この二次エッチング工程においては、エッ
チング温度Xを60〜80℃の範囲内とすることが好ま
しい。こうした範囲内の所定の温度Xでエッチングする
ことによって、エッチングスピードを速くしてシャドウ
マスクの生産性を向上させることができる。なお、こう
した温度Xでのエッチングを可能にするためには、上述
した好ましい温度差を有する目詰め膜8を形成すること
が好ましく、そうした目詰め膜8用の目詰め材を選定す
ることが好ましい。
【0042】(4)溶解除去工程 溶解除去工程は、図1(e)に示すように、レジストパ
ターン3および目詰め膜8の溶解除去する工程である。
レジストパターン3および目詰め膜8は何れもアルカリ
水溶液に溶解するので、水酸化ナトリウム水溶液等のア
ルカリ水溶液によってほぼ同時に溶解して除去する方法
が採用される。
【0043】なお、一般的には、レジストパターン3と
目詰め膜8とのアルカリ溶解性が異なるので、ほぼ同時
に両者が溶解するようにアルカリ濃度を調整することが
好ましい。具体的には、レジストパターン3が5〜15
%の水酸化ナトリウム水溶液で溶解し、目詰め膜8が
0.5〜2%の水酸化ナトリウム水溶液で溶解するよう
な場合には、レジストパターン3の溶解除去条件に合わ
せたアルカリ濃度に調整することが好ましい。
【0044】製造されたシャドウマスク1は、高精度・
高精細で、外観および強度に優れたものとなり、さら
に、図3に示すように、表側開口部42および裏側開口
部43の大きさをあまり大きくしなくても、三次エッチ
ング工程でのサイドエッチングによって所望の開孔幅S
を有する電子ビーム通過孔41を形成できるので、シャ
ドウマスク全体に占める金属の割合を大きくさせること
ができ、強度に優れたシャドウマスク1とすることがで
きる。
【0045】次に、本発明のシャドウマスクについて図
面を参照しつつ説明する。
【0046】本発明に係るシャドウマスク1は、上述し
たシャドウマスクの製造方法によって製造されるもので
あり、図3および図4に示すように、電子ビームが出射
する側に設けられる表側開口部42(大孔部)と、電子
ビームの入射する側に設けられる裏側開口部43(小孔
部)とが連通して形成される電子ビーム通過孔41を有
するものである。
【0047】本発明においては、電子ビーム通過孔41
が略長方形のスロット形状であるシャドウマスクに特に
好ましく適用される。なお、図4のA−A断面図に示す
ように、孔と孔との間のブリッジ部分44については、
表側開口部相互間の幅を表側ブリッジ幅Mといい、裏側
開口部相互間の幅を裏側ブリッジ幅Nといい、表側開口
部42と裏側開口部43とが連通したエッチング交点9
相互間の幅をブリッジ幅Lという。
【0048】本発明のシャドウマスク1においては、電
子ビーム通過孔41が略長方形のスロット形状であり、
その電子ビーム通過孔41の短尺方向の開孔幅Sが、金
属薄板2の厚さTの75%以下であることが好ましく、
70%以下であることがより好ましい。これにより、シ
ャドウマスク全体に占める金属の割合を大きくさせるこ
とができ、強度に優れたシャドウマスクとすることがで
きると共に、より高精細なシャドウマスクとすることが
できる。
【0049】スロット形の電子ビーム通過孔41の短尺
方向の開孔幅Sが金属薄板2の厚さTの75%より大き
くなると、シャドウマスク全体に占める金属の割合が小
さくなって強度が低下すると共に、孔径の小さい精細な
シャドウマスクとすることができなくなることがある。
なお、スロット形の電子ビーム通過孔41の短尺方向の
開孔幅Sが金属薄板2の厚さTの70%以下になると、
従来の1ステップエッチング法によっては製造できない
ほどの精度からなる電子ビーム通過孔41を形成でき、
シャドウマスク全体の強度も従来の2ステップエッチン
グ法によっては製造できないほどの強度を有するシャド
ウマスクとすることができる。
【0050】なお、スロット形の電子ビーム通過孔41
の短尺方向の開孔幅Sと金属薄板2の厚さTとの関係を
上記範囲にするには、二次エッチング工程での隙間10
へのエッチング液の浸入に基づくサイドエッチング量を
見越して、一次エッチング工程および二次エッチング工
程によって形成される表側開口部42および裏側開口部
43の形状と大きさが設定される。
【0051】さらに、本発明のシャドウマスクにおいて
は、スロット形状からなる電子ビーム通過孔41の長尺
方向に隣接する他の電子ビーム通過孔との間のブリッジ
幅Lと、金属薄板2の厚さTとの積からなる面積に占め
る金属部分(ブリッジ部分44)の断面積の割合が、百
分率で40〜70%の範囲内であることが好ましい。こ
れにより、シャドウマスク全体に占める金属の割合が大
きくなるので、強度に優れたシャドウマスクとすること
ができる。
【0052】その割合が70%を超えると、ブリッジ部
分44の占める割合が大きくなって強度がより向上する
ものの、高精細なシャドウマスクの設計そのものができ
ないことがあると共にエッチング量が少なくなって電子
ビームの通過に支障が生じることがある。また、その割
合が40%未満になると、シャドウマスク全体に占める
金属割合が小さくなるので、強度が低下する場合があ
る。
【0053】
【実施例】以下に、実施例と比較例を示し、本発明をさ
らに具体的に説明する。
【0054】(実施例1)29インチブラウン管用のシ
ャドウマスク1を上述の本発明の係る製造方法によって
製造した(図1を参照。)。
【0055】厚さ0.25mmのシャドウマスク用金属
薄板2上にカゼインレジスト系感光性樹脂塗膜を形成し
た。その表面に、所望の電子ビーム通過孔を形成するた
めの表側開口パターンが形成されたフォトマスクを密着
させ、裏面にも、所望の電子ビーム通過孔を形成するた
めの裏側開口パターンが形成されたフォトマスクを密着
させ、写真焼付工程、非感光部の除去工程を経てレジス
トパターン3を形成した。次いで、一次エッチング工程
により微小凹部6を形成した後、その微小凹部6に、目
詰め材を塗布し、乾燥冷却により硬化させて、軟化点:
BR法で88℃・DSC法で62℃、融点:DSC昇温
値で81℃・DSC降温値で67℃、の特性を有する目
詰め膜(A)を形成した。次いで、二次エッチング工程
により微小凹部7を形成して一次エッチングで形成され
た微小凹部6とその底部で連通させつつ、形成された連
通孔のエッチング交点9をさらにエッチングして所定の
開孔幅からなる電子ビーム通過孔を形成した。その後、
レジストパターン3と目詰め膜8とを90℃の10%水
酸化ナトリウム水溶液で溶解除去した。なお、各エッチ
ング条件としては、一次エッチング温度を70℃とし、
二次エッチング温度を75℃とし、エッチング液は塩化
第二鉄水溶液を使用し、それぞれのエッチングはスプレ
ーによって行った。
【0056】製造されたシャドウマスク1は、図4に示
すようなスロット形の電子ビーム通過孔41を有するも
のであり、約480μmのスロット長さと約162μm
のスロット幅を有するものであり、電子ビーム通過孔4
1を構成する表側開口部42および裏側開口部43は、
表側開口部相互間の表側ブリッジ幅Mと、裏側開口部相
互間の裏側ブリッジ幅Nと、表側開口部42と裏側開口
部43とが連通したエッチング交点9相互間のブリッジ
幅Lとを規定することによって形成した。なお、電子ビ
ーム通過孔41の開孔幅Sと金属薄板2の厚さTとの割
合P、および、電子ビーム通過孔41の長尺方向に隣接
する他の電子ビーム通過孔との間のブリッジ幅Lと、金
属薄板2の厚さTとの積からなる面積に占めるブリッジ
部分44の断面積の割合Qも任意に設定して形成した。
【0057】このシャドウマスクの強度について2種類
の方法で測定した。第1の方法は、シャドウマスクのセ
ンター部に一定荷重を載せ、シャドウマスクのたわみ量
を、強度に関して問題がないと既にわかっているシャド
ウマスクと比較した。評価方法は、強度に関して問題が
ないシャドウマスクのたわみ量を100とし、製造され
たシャドウマスクのたわみ量Xを、(100/たわみ量
X)×100(%)のように換算して評価した。第2の
方法は、シャドウマスクを装着したブラウン管の落下試
験で評価した落下試験は、一般的な落下試験機を使用
し、この場合も、強度に関して問題がないと既にわかっ
ているシャドウマスクと比較した。評価方法は、強度に
関して問題がないシャドウマスクの重力加速度Gを10
0とし、製造されたシャドウマスクの重力加速度G’を
相対比較して評価した。
【0058】評価は、後述する1ステップエッチング法
で製造したシャドウマスクとの相対値で比較した。
【0059】(実施例2)軟化点:BR法で86℃・D
SC法で62℃、融点:DSC昇温値で81℃・DSC
降温値で65℃、の特性を有する目詰め膜(B)を形成
し、二次エッチング温度を75℃とした。それ以外は、
実施例1と同じ条件でシャドウマスクを作製した。
【0060】(実施例3)軟化点:BR法で102℃・
DSC法で67℃、融点:DSC昇温値で95℃・DS
C降温値で88℃、の特性を有する目詰め膜(C)を形
成し、二次エッチング温度を75℃とした。それ以外
は、実施例1と同じ条件でシャドウマスクを作製した。
【0061】(比較例1)シャドウマスクを、目詰め層
を形成しない従来の1ステップエッチング法によって製
造した。それ以外は、実施例1で製造されたシャドウマ
スクと同様にして製造し、評価した。
【0062】(比較例2)シャドウマスクを従来の2ス
テップエッチング法によって製造した。エッチング温度
を60℃とし、従来の2ステップエッチング法のように
二次エッチング工程中に目詰め膜が軟化しないようにし
て行った。それ以外は、実施例1で製造されたシャドウ
マスクと同様にして製造し、評価した。
【0063】(結果)実施例1〜3に係るシャドウマス
クは、従来の1ステップエッチング法で得られらシャド
ウマスクに比べ、強度においてはわずかに低下したもの
の、精度と外観においては顕著に優れていた。また、従
来の2ステップエッチング法で得られらシャドウマスク
に比べ、外観と精度においてはわずかに低下したもの
の、強度においては顕著に優れていた。
【0064】
【発明の効果】以上説明したように、本発明のシャドウ
マスクの製造方法によれば、一次エッチング工程と二次
エッチング工程とによって表側開口部と裏側開口部とか
らなるエッチング精度に優れた連通孔を形成し、さら
に、その二次エッチング工程においては、エッチング温
度が、目詰め膜が軟化する温度以上であることから、目
詰め膜が軟化して微小凹部との間に隙間を生じ、その隙
間にエッチング液が浸入してエッチングが進行する。こ
のように、軟化した目詰め膜と微小凹部との隙間でエッ
チングが進行するので、形成された連通孔のエッチング
交点をさらにエッチングして所定の開孔幅からなる電子
ビーム通過孔を容易に形成することができる。本発明で
は、二次エッチング工程中に 表側開口部および裏側開
口部の大きさをあまり大きくすることなくエッチング交
点をサイドエッチングできるので、所望の開孔幅を有す
る電子ビーム通過孔を容易に形成できる。その結果、シ
ャドウマスク全体に占める金属の割合を大きくさせるこ
とができ、外観および強度に優れて高精度で生産性のよ
いシャドウマスクとすることができる。そして、製造さ
れたシャドウマスクや当該シャドウマスクを装着したブ
ラウン管は、輸送・搬送中での変形等が少ないものとな
る。
【0065】本発明に係るシャドウマスクは、スロット
形の電子ビーム通過孔を有するものに好ましく適用さ
れ、特に、25インチ以上の大型デジタルテレビ用のブ
ラウン管(中でもフラット形のブラウン管)に装着され
るシャドウマスクのように、外観および強度に優れて高
精度で高精細が要求されるシャドウマスクに好ましく適
用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシャドウマスクの製造方法の一例を示
す工程図である。
【図2】目詰め膜が軟化して生じた隙間がエッチングさ
れる形態を示す断面図である。
【図3】本発明のシャドウマスクの製造方法および従来
のシャドウマスクの製造方法によって形成されるブリッ
ジ部分の形態を示す断面図である。
【図4】スロット形の電子ビーム通過孔の一例を示す平
面図、A−A断面図およびB−B断面図である。
【図5】従来のシャドウマスクの製造方法の一例を示す
工程図である。
【図6】従来のシャドウマスクの製造方法の他の一例を
示す工程図である。
【符号の説明】
1 シャドウマスク 2 金属薄板 3 レジストパターン 6、7 微小凹部 8 目詰め膜 9 エッチング交点 10 隙間 41 電子ビーム通過孔 42 表側開口部 43 裏側開口部 44 ブリッジ部分 L ブリッジ幅 M 表側ブリッジ幅 N 裏側ブリッジ幅 S スロット形電子ビーム通過孔の短尺方向開孔幅 T 板厚

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子ビームが出射する側に設けられる表
    側開口部と、電子ビームの入射する側に設けられる裏側
    開口部とが連通して形成される電子ビーム通過孔を有す
    るシャドウマスクの製造方法であって、 レジストパターンが形成されたシャドウマスク用金属薄
    板をエッチングして当該金属薄板の片面または両面から
    互いに貫通しない微小凹部を形成する一次エッチング工
    程と、 前記一次エッチングされた片面の微小凹部に目詰め膜を
    形成する目詰め膜形成工程と、 前記目詰め膜が軟化して前記一次エッチングされた微小
    凹部との間に隙間が生じる温度以上のエッチング温度
    で、前記目詰め膜が形成されていない側からエッチング
    して微小凹部を形成し、前記一次エッチングされた片面
    の微小凹部とその底部において連通させると共に、形成
    された連通孔のエッチング交点を前記隙間から浸入した
    エッチング液によりエッチングして所定の開孔幅からな
    る電子ビーム通過孔を形成する二次エッチング工程と、 前記レジストパターンおよび前記目詰め膜を溶解除去す
    る溶解除去工程と、を有することを特徴とするシャドウ
    マスクの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記二次エッチング工程でのエッチング
    温度が、60〜80℃の所定の温度であることを特徴と
    する請求項1に記載のシャドウマスクの製造方法。
  3. 【請求項3】 電子ビームが出射する側に設けられる表
    側開口部と、電子ビームの入射する側に設けられる裏側
    開口部とが連通して形成される電子ビーム通過孔を有す
    るシャドウマスクであって、 当該シャドウマスクが、レジストパターンが形成された
    シャドウマスク用金属薄板をエッチングして当該金属薄
    板の片面または両面から互いに貫通しない微小凹部を形
    成する一次エッチング工程と、前記一次エッチングされ
    た片面の微小凹部に目詰め膜を形成する目詰め膜形成工
    程と、前記目詰め膜が軟化して前記一次エッチングされ
    た微小凹部との間に隙間が生じる温度以上のエッチング
    温度で、前記目詰め膜が形成されていない側からエッチ
    ングして微小凹部を形成し、前記一次エッチングされた
    片面の微小凹部とその底部において連通させると共に、
    形成された連通孔のエッチング交点を前記隙間から浸入
    したエッチング液によりエッチングして所定の開孔幅か
    らなる電子ビーム通過孔を形成する二次エッチング工程
    と、前記レジストパターンおよび前記目詰め膜を溶解除
    去する溶解除去工程と、を有する2ステップエッチング
    法によって製造されてなり、 前記電子ビーム通過孔が略長方形のスロット形状であ
    り、当該電子ビーム通過孔の短尺方向の開孔幅が、前記
    シャドウマスク用金属薄板の厚さの75%以下であるこ
    とを特徴とするシャドウマスク。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100623419B1 (ko) 2005-06-29 2006-09-13 엘지.필립스 엘시디 주식회사 쉐도우 마스크 및 그의 제조 방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100623419B1 (ko) 2005-06-29 2006-09-13 엘지.필립스 엘시디 주식회사 쉐도우 마스크 및 그의 제조 방법

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