JP2003157734A - 平形電線の製造装置 - Google Patents

平形電線の製造装置

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JP2003157734A
JP2003157734A JP2001359263A JP2001359263A JP2003157734A JP 2003157734 A JP2003157734 A JP 2003157734A JP 2001359263 A JP2001359263 A JP 2001359263A JP 2001359263 A JP2001359263 A JP 2001359263A JP 2003157734 A JP2003157734 A JP 2003157734A
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wire
core wire
core
extrusion molding
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JP2001359263A
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Tamotsu Kobori
保 小堀
Masatoshi Aoki
正敏 青木
Yoshio Otani
良夫 大谷
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MARUTOYO DENSEN KK
Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd
Original Assignee
MARUTOYO DENSEN KK
Tatsuta Electric Wire and Cable Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 両側の心線の間に介在心線を介在させて同時
に押出して連接・一体化してなり、かつ両側心線と介在
心線の押出成形材料が異なる平形電線を、相互に材料が
混入することのないように同時に押出しできる平形電線
の製造装置を提供する。 【解決手段】 両側の心線を構成するニップル12と、
ニップルとの間に押出機Aから押出される押出し成形材
料aの流路αを形成し、かつ押出機Bから押出される押
出成形材料bの流路βを内包し、両側心線の間に介在心
線を介在させて融着一体化する成形孔16を有するダイ
ス13とを備え、流路αと流路βとが基本的に分離され
ているので、押出成形材料aと押出成形材料bとが混ざ
り合うことがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、3心以上の心線を
有する平形電線であって両側の心線の押出成形材料と両
側の心線の間に介在する1心以上の介在心線の押出成形
材料とが異なる平形電線、例えば、両側心線が半導電性
の被覆を有する電極線であり、介在心線が非撥液性の絶
縁部材からなる介在線である平形漏液検知線の製造に適
した製造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】多心の平形電線を製造する方法として被
覆材料が同じ材質や色の場合、同時に押出成形する製造
装置が用いられてきたが、被覆材料が異なる多心の平形
電線の製造にあたって、平形電線の心線を個別に押出被
覆したのち、平行に配設して接着剤で接着するか、接触
部を溶着させる方法や装置が用いられてきた。しかし、
これらの方法や装置では心線の接着または溶着部分が剥
離しやすく、心線の成形工程と心線相互の接着または溶
着工程が同時におこなわれず工程数が増えるという問題
があった。
【0003】例えば、図7に示す漏液検知線51は、ほ
ぼ平行に配設された複数の電極線53、53の間に介在
線52を介在させて配設し、接着剤54で接着し、一体
化したものである。電極線53,53は、線状導体53
a、53aの上に耐液性で半導電性の高分子部材53
b、53bを被覆したものであり、介在線52は、線状
導体52aの上に少なくとも表面が耐液性で非撥液性の
絶縁部材52bを被覆したものである。したがって、接
着が確実におこなわれないと電極線53の被覆53bと
介在線52の被覆52bとが接着部54で剥離しやす
く、また、電極線53における被覆53b、53bの押
出成形工程および介在線52における被覆52bの押出
成形工程と、心線相互の接着工程とをそれぞれ個別にお
こなわなければならなかった。
【0004】また、図6示すようなニップル・ダイス
が、めがね型の多色平形電線を製造するのに用いられて
いる(例えば、特公昭36−4339号参照)。図6に
おいて、61,62,63は着色チップ供給管、64は
ニップル、65はダイス、66はニップル64とダイス
65とによって形成される被覆基材の流路である。ニッ
プル64には導体を案内するガイド孔64aが、ダイス
65には、導体上に被覆された樹脂を押出成形し心線を
形成する心線成形孔65aと、心線を連接するブリッジ
の成形孔65bが設けられている。また、ニップル64
には隔壁64bが設けられ、ダイス65のブリッジ成形
孔65bに相当する部分にブリッジ成形孔を含む平面に
垂直な隔壁64bが設けられている。両側に設けられた
着色材供給管61,62から供給された着色材は、流路
66を通る被覆基材にその下流66aで混入され、着色
樹脂となって両側の心線成形孔65a1 から押し出さ
れ、また上部に垂直に設けられた着色材供給管63から
供給管から押し出された着色樹脂は真ん中の心線成形孔
65a0 から押し出される。
【0005】この装置を用いれば、着色材供給管61、
62,63から供給される着色材を異ならせることによ
り、異なる色の樹脂を押し出しと同時に樹脂自体で連接
した着色平形電線を製造することができ、着色樹脂の流
路66aはダイス65またはノズル64のいずれか(こ
の例ではノズル64)に設けられた隔壁64bで区切ら
れているので、各着色材供給管61,62,63から異
なる材料(色の異なる材料を含む)を同時に押し出すこ
ともできるが、隔壁64bとダイス65との当接部が密
着するための加工精度が要求され、加工精度が甘いとそ
こから異種材料が混じり合うという問題があった。
【0006】色分けの場合は上記のように着色材を被覆
基材の流路に着色材供給管を通じて供給する程度でよい
が、上記漏液検知線のように両側心線の被覆材が基材に
かなりの導電性粉を含有させたものである場合は、それ
自体の押出機が必要となる。上記着色材供給管61〜6
3を押出機に切り替えることも考えられるが、両側心線
53の被覆が同一材料であるため、押出機を3台も用い
ることは不経済であり、2台でまかなうことが求められ
ていた。また、色分け電線の場合は、連接部付近で多少
混じることがあってもその部分が混じり合った色の中間
色となるためあまり目立たないが、これを上記漏液検知
線51のように、介在心線(介在線)52の少なくとも
表面が絶縁部材52bであり、両側心線(電極線)53
の被覆53bが全体に半導電性である場合に適用する
と、電極線53の半導電性部材と介在線52の絶縁部材
とが連接部付近で混ざり合うおそれがある。そうする
と、上記漏液検知線の場合、半導電性であるべき電極線
の被覆に介在線の絶縁部材が混ざり合ったり、絶縁性で
あるべき介在線の表面に電極線の半導電性部材が混じり
合うことになり、漏液検知線の所望の特性が得られない
ということになる。それを防ごうとすると、隔壁64b
の加工精度の高いものを用いる必要が生じ高価になると
いう問題があった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の問題
点を解消しようとするものであって、請求項1乃至3に
記載の発明は、3心以上の心線を有し、両側の心線の間
に介在心線を介在させて連接・一体化してなり、両側心
線の押出成形材料と介在心線の押出成形材料とが異なる
平形電線の製造装置であって、心線の押出成形と連接・
一体化が同時におこなわれ、かつ両側心線の被覆に介在
心線の押出成形材料が混入することも、介在心線の少な
くとも表面に両側心線の押出成形材料が混入することも
ない製造装置を安価に提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前述した課題を解決する
ために、本発明の請求項1記載の発明は、ほぼ平行に配
設された3心以上の心線からなり、両側の心線の押出成
形材料aと両側の心線の間に介在する1心以上の介在心
線の押出成形材料bとが異なる平形電線の製造装置であ
って、前記押出成形材料aを押し出す押出機Aと、前記
押出成形材料bを押し出す押出機Bと、少なくとも両側
の心線を構成する導体のガイド孔を有するニップルと、
前記ニップルとの間に前記押出機Aから押し出される押
出成形材料aの流路αを形成し、かつ押出機Bから押し
出される押出成形材料bの流路βを内包し、前記両側心
線の間に介在心線を介在させて融着・一体化する成形孔
16を有するダイスとを備え、前記ダイスの成形孔16
は、前記流路αから流入する押出成形材料aを前記両側
心線の導体上に被覆して両側心線3を形成する両側心線
成形孔14と、前記流路βから流入する押出成形材料b
を成形して前記介在心線2を形成する介在心線成形孔1
5とを有し、前記介在心線成形孔15の押出成形方向の
上流側は、前記両側心線成形孔と連接しない小径部と、
前記流路βからの押出成形材料bの流入部とを有し、前
記小径部は、前記流入部よりも上流に形成してなり、下
流側は、前記両側心線と介在心線とが融着して一体成形
されるよう両側心線成形孔14と連接または近接する径
としてなることを特徴とする。
【0009】これによれば、流路αから押出される押出
成形材料aは、両側心線成形孔14を通って、ニップル
12のガイド孔16を通過した線状導体3a上に被覆さ
れる。そして、介在心線成形孔15の上流側15aに
は、両側心線孔に連接しない小径部15a1 と流路βか
らの押出成形材料bの流入部15a2 が形成され、しか
も小径部15a1 は流入部15a2 よりも上流に形成さ
れているので、押出成形材料bが両側心線の被覆に混入
されることはなく、また押出成形材料aが小径部15a
1 で阻止されるかまたは小径に被覆された後、押出成形
材料bが被覆されるので、介在心線の少なくとも表面に
押出成形材料aが出ることはない。また、介在心線成形
孔15の下流側15bは、両側心線成形孔と連接または
近接させてあるので、両側心線と介在心線が押出成形と
同時に融着され一体に連接成形される。
【0010】請求項2記載の発明は、請求項1記載の平
形電線の製造装置において、前記ダイス13は、第1ダ
イス13aとその下流側に結合される第2ダイス13b
とからなり、前記両側心線成形孔14は、第1ダイス1
3aに設けられた上流側の両側心線成形孔14aと第2
ダイス13bに設けられた下流側の両側心線成形孔14
bとからなり、前記介在心線成形孔15は、第1ダイス
13aに設けられた上流側の介在心線成形孔15aと第
2ダイス13bに設けられた下流側の介在心線成形孔1
4bとからなり、前記介在心線成形孔15は、第1ダイ
ス13aに設けられた上流側の介在心線成形孔15aと
第2ダイス13bに設けられた下流側の介在心線成形孔
15bとからなることを特徴とする。
【0011】これによれば、ダイス13は、第1ダイス
13aとその下流側に結合される第2ダイス13bとか
らなり、流路βや介在心線成形孔の小径部15a1 や押
出成形材料bの流入部15a2 は、第1ダイス13bと
の結合面に形成されるので、その作製が容易である。
【0012】請求項3記載の発明は、請求項1または2
記載の平形電線の製造装置において、前記平形電線1
は、ほぼ平行に配設された2本の両側心線3の間に、介
在心線2を介在させて連接し・一体化してなる漏液検知
用の平形電線の製造装置であって、前記両側心線3は、
線状導体3aの上に押出成形材料aを被覆してなる電極
線3であり、前記介在心線2は、少なくとも表面が押出
成形材料bからなる介在線であり、前記押出成形材料a
は、半導電性の高分子部材からなり、前記押出成形材料
bは、非撥液性の絶縁部材からなることを特徴とする。
【0013】これによれば、製造の対象である平形電線
が、線状導体上に半導電性の高分子材料を被覆した複数
の電極線の間に、少なくとも表面が非撥液性の絶縁部材
からなる介在線を介在させ連接・一体化した漏液検知線
であるから、請求項1または2の製造装置の特徴がよく
生かされる。すなわち、心線の連接・一体化が一度の押
出成形によって行われ、電極線の被覆である半導電性の
高分子部材が介在線の表面に混入することがなく、また
介在線の被覆である非撥液性の絶縁部材が電極線の被覆
に混入するおそれもない。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を、図示例に
もとづいて説明する。図1は、本発明の実施の形態の一
例である平形電線の製造装置の要部の説明図であり、図
1 (a) はニップルおよびダイスの縦断面図、図1
(b) は同図 (a) のX−X断面矢視図、図1 (c)
は、図1 (a) の点線円内の部分の導体2a、3aおよ
び押出成形材料a、bが導入されていない状態の詳細図
である。図2は、ダイスの展開斜視図であり、流路βに
押出成形材料bが導入された状態を示している。図3
は、ニップルおよびダイスの先端側の孔形状を示す説明
図で、図3 (a) はニップル孔の先端形状、図3 (b)
はダイス孔の先端形状を示す図である。図4は製造装置
全体の概要を示す平面図、図5は、前記製造装置によっ
て製造される平形電線の一例である漏液検知線の斜視図
である。
【0015】先ず、図4、図5 に基づいて、平形電線の
製造装置10及びそれによって製造される平形電線の一
例である漏液検知線1について、その概要を説明する。
漏液検知線1は、2本の電極線3、3の間に介在線2を
介在させて連接し、一体化したものである。そして、電
極線3,3は、線状導体3a、3aの上に耐液性で半導
電性の高分子部材3b、3bを被覆したものであり、介
在線2は、線状導体2aの上に少なくとも表面が耐液性
で非撥液性の絶縁部材2bを被覆したものである。
【0016】電極線の被覆3bも介在線の絶縁部材2b
も基材がポリ塩化ビニルなどのプラスチックが安価でか
つ押し出し成形容易であるから好ましい。また、電極線
の方だけカーボンブラックなどの導電性粉を混入したも
のを用いれば容易に半導電性の被覆が得られる点でも好
ましい。さらに、基材が同じであれば、一括押し出し成
形も容易である。酸やアルカリを検知する場合には、耐
酸性、耐アルカリ性があって比較的安価なポリチレンな
どが好ましい。
【0017】介在線2の線状導体2a及び電極線3,3
の線状導体3a、3aとしては、銅より線、すずめっき
銅より線などが低抵抗であり、可とう性が良いなどの点
で好ましい。また、漏液位置を検知する必要がある場合
は、電極線3の片方の導体を高抵抗線、例えばニッケル
クロム合金線であるカンタル線などが用いられている。
【0018】電極線3,3はその線状導体3a、3a間
の介在物の電気特性を測定するためのものであるから、
線状導体3aと半導電性の高分子部材3bとの間に絶縁
性の材料が入ってはいけない。また、介在線2は、中心
に線状導体2aを有するものとし、表面を耐液性で非撥
液性の絶縁部材としたが、もちろん全体が耐液性で非撥
液性の絶縁部材であってもよい。要は、検知対象液が電
極線間に浸入したとき、それを撥じくことがなく、電極
線間に導電路が形成されるものであればよいのであっ
て、検知対象液の浸入がないのに最初から導電路が形成
されていてはいけない。
【0019】平形電線の製造装置10は、線状導体3
a、2aを供給するサプライボビン17、それらを案内
するガイド18、目板19と、案内された線状導体3
a、2a上に半導電性の高分子部材3bや絶縁部材2b
を押出被覆して平形電線1を形成する押出成形装置11
と、押出成形された被覆材を冷却する水槽20と、図示
しない巻取機などで構成される。そして、押出成形装置
11は、押出成形材料aである半導電性の高分子材料を
押し出す押出機Aと、押出成形材料bである非撥液性の
絶縁部材を押し出す押出機Bと、押出成形材料aと押出
成形材料bとを線状導体3a、2a上に押出成形するニ
ップル・ダイス21およびそれらのホルダー22を含む
成形機Cとからなる。押出機Aには、ホルダー22が取
り付けられ、後述する流路αに押出成形材料aを押し出
しできるように設けられており、押出機Bには、ニップ
ル・ダイス21のダイスが取り付けられ、後述する流路
βに押し出しできるように設けられている。
【0020】次に、図1乃至図3に基づいて、押出成形
装置11の要部であるニップル・ダイス21の詳細につ
いて説明する。図1 (a) に示すように、ニップル・ダ
イス21は,ニップル12とダイス13で構成され、こ
こでは図示していないホルダー22によって相互の位置
間隔を調節可能に保持されている。
【0021】ニップル12の先端部には、電極線3の線
状導体3aを案内するガイド孔12 1 や介在線2の線状
導体2aを案内するガイド孔122 が設けられている。
ニップル12のガイド孔121 、122 の直径Dn ,D
s は、図3 (a) に示すように、ガイドする線状導体3
a、2aの径に応じて形成され、その中心間隔Wは、後
述するダイス孔の中心間隔Wと一致させる。
【0022】ダイス13は、この例では第1ダイス13
aとその下流側に結合される第2ダイス13bとからな
る。第1ダイス13aと第2ダイス13bとの結合は、
例えば第1ダイス13aに設けられたガイド棒13a1
を第2ダイス13bに設けられたガイド孔13b2 に嵌
入することによって位置合わせし、図1 (b) に示す第
1ダイス13aの第2ダイス13bとの結合界面の設け
られたねじ孔13a2とそれに対応する第2ダイス13
bのねじ孔(図示せず)とを介して螺着することによっ
て行われる。
【0023】第1ダイス13aと第2ダイス13bから
なる結合された状態のダイス13は、図1 (c) に示す
ように成形孔16を形成する。成形孔16は、両側心線
成形孔14、14とその間に介在する介在心線成形孔1
5とで形成される。また、第1ダイス13aを上記成形
孔16の上流側を内包する成形部13a2 とニップル1
2との間に押出成形材料aの流路αを形成する案内部1
3a3 とに分けて考えると、前記成形孔16は、第1ダ
イスの成形部13a2 に形成される成形孔16の上流側
16aと、第2ダイス13bに形成される成形孔16b
とからなる。そして、成形孔の上流側16aは、両側心
線成形孔14の上流側14aと介在心線成形孔15aと
で形成され、下流側16bは、両側心線成形孔14の下
流側14bと介在心線成形孔の下流側15bとで形成さ
れる。したがって、全体としての両側心線成形孔14
は、その上流側14aと下流側14bとからなり、介在
心線成形孔15は、その上流側15aと下流側15bと
からなる。
【0024】上流側の介在心線成形孔15aは、両側心
線成形孔14aと連接しない小径部15a1 と、押出成
形材料bの流入部15a2 とで形成され、下流側の介在
心線孔15bは、この例では両側心線成形孔14aと連
接または近接して設けられている。図1、図2では連接
した場合を示し、図3 (b) では近接させた例を示して
いる。この例では、両側心線成形孔14bおよび介在心
線成形孔15bの直径Dd は、対象製品の両側心線およ
び介在心線の外径が等しいことから、ダイス径も等しい
ものとする。また製品外径に対し押出成形時の引き落と
し率を勘案して決められる。
【0025】両側心線成形孔14bと介在心線成形孔1
5bとの間の間隙Wb は、押出成形時の引き落とし率及
び連接部4の長さに応じて決められ、中心間隔Wは、前
述の両側心線成形孔14bおよび介在心線成形孔15b
の直径Dd と間隙Wb によって決まる。
【0026】図4に基づいて先に述べたように、押出機
Aには、ホルダー22が取り付けられており、押出機A
から押し出される押出成形材料aは、図1 (a) に示す
ようにニップル12と第1ダイス13aの案内部13a
3 との間に形成される流路αによって成形部13a2
案内される。
【0027】押出機Bは、第1ダイス13aの上部に取
り付けられ、押出機Bから押し出される押出成形材料b
は、流路βに導入される。この流路βは、第1ダイス1
3aに内包され、図2に示すように押出機Bとの結合部
β0 から第2ダイスと当接する界面13sへの出口βs
にいたる連通部β1 と、界面13sに設けられ、界面1
3sにおいて出口βs から介在心線成形孔15aにいた
る界面部β2 とからなり、界面部β2 は、両側心線成形
孔14aを迂回するため、分岐点βb で分岐され、上下
から介在心線成形孔15aの流入部15a2 で合流す
る。
【0028】ニップル・ダイス21は、以上のように構
成されているので、押出機Aから押し出される押出成形
材a(半導電性の高分子部材)は、流路αを通って成形
孔16の上流側16aに導入される。そして、両側心線
成形孔14aで線状導体3a上に被覆され、連通する下
流側14bを経て外径Dd に成形され、その後引き落と
されて製品外径d(図5参照)となる。また、介在心線
成形孔15aでは、先ず、半導電性の高分子部材aが小
径部15a1 で線状導体2a上に被覆されて小径Ds
成形され、次いで流路βの界面部β2 から供給される押
出成形材料b(非撥液性の絶縁部材)が流入部15a2
で被覆されて、連通する下流側15bで外形Dd に成形
され、その後引き落とされて製品外径d(図5参照)と
なる。
【0029】上流側(第1ダイス)の介在心線成形孔の
小径部15a1 では、両側心線成形孔14aと連接しな
い小径部15a1 で小径Ds に形成されているので、半
導電性の高分子部材aは、流入を阻止されるか線状導体
2a上に薄厚に被覆され、その後流入部15a2 で流入
する非撥液性の絶縁部材bが被覆されるので、半導電性
の高分子部材aが表面に出ることはない。また、流路β
2 は両側心線成形孔を迂回するように形成されているの
で、非撥液性の絶縁部材が、両側心線の被覆に混入する
おそれもない。そして、下流側(第2ダイス)では、介
在心線成形孔15bは、横方向に両側心線成形孔14b
と連通または近接しているので、半導電性の高分子部材
aと非撥液性の絶縁部材bとは融着し、一体化される。
【0030】このようにして押出成形された平形電線
(漏液検知線)1は、図5 に示すように構成される。す
なわち、2本の両側心線は、線状導体3aの上に半導電
性の高分子部材aを被覆してなる外径dの電極線3とな
り、介在心線は、線状導体2aの上に、前記半導電性の
高分子部材aが薄厚に被覆され、その上に非撥液性の絶
縁部材bが被覆された外径dの介在線2となる。2本の
電極線3の半導電性高分子部材aと、その間に介在する
介在線2の非撥液性の絶縁部材bは幅w,厚さtの連接
部4で融着し、一体化されるので、あらためて接着剤で
接着したり、溶着させたりする必要はなく、十分な剥離
強度がある。連接部4の幅wと厚さtは、第2ダイスの
成形孔14b、15bの中心間隔W,間隙Wb や引き落
とし率(d/Dd )によって適宜に調節できる。
【0031】上記実施形態では、ダイス13は、第1ダ
イス13aとその下流側に結合される第2ダイス13b
とからなるものとしたので、流路βや介在心線成形孔の
小径部15a1 や押出成形材料bの流入部15a2 は、
第1ダイス13bとの結合面に形成すればよいので、そ
の作製が容易であり、好ましいが、一体のものとし、特
別の治具を使って流路βや成形孔16を形成したもので
もよい。
【0032】また、平形電線1の例として、両側心線3
の押出成形材料aが半導電性高分子部材で、介在心線2
の押出成形材料bが非撥液性の絶縁部材からなるものを
挙げて説明したが、要は押出成形材料aと押出成形材料
bとが異なるもの(色が異なるだけのものも含む)すべ
てに適用できる。また、介在心線2が一本の場合につい
て、説明したが、複数本あってももちろん適用できる。
その場合は、介在心線成形孔15の数を増やし、それに
対応してニップル12のガイド孔を増やせばよいわけで
ある。
【0033】
【実施例】本発明の実施例を以下に示す。図1乃至図3
に示すニップル・ダイス21であって、図3に示すニッ
プルのガイド孔およびダイスの成形孔の径を下記のとお
りとした。 ニップルのガイド孔121 の直径Dn 1.22mm ニップルのガイド孔122 の直径Ds 0.8mm ニップルのガイド孔121 とガイド孔122 の間隔W 1.8mm 第1ダイスの介在心線成形成形孔15a1 の直径Ds 0.8mm 第2ダイスの各心線成形孔14b、15bの直径Dd 1.7mm 第2ダイスの各心線成形孔14b、15bの直径Dd 1.7mm 第2ダイスの両側心線成形孔14bと介在心線成形孔15bとの間隙Wb 0.10mm 第2ダイスの両側心線成形孔14bと介在心線成形孔15bとの間隔W 1.8mm 上記ニップル・ダイスを備えた平形電線の製造装置を用
いて、表1に示す構造の漏液検知線を作製した。
【0034】
【表1】
【0035】また、同じ装置を用いて表2に示す構造の
漏液検知線を作製した。
【0036】
【表2】
【0037】作製された漏液検知線は、いずれも両側心
線と介在線の被覆が混ざり合うことがなく、所望の検知
特性を示し、連接部の剥離強度も満足できるものであっ
た。
【0038】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明の請求項
1記載の発明によれば、押出機Aから押し出され、ニッ
プルとダイスの間に形成される流路αから流入する押出
成形材料aは、両側心線成形孔14を通って、ニップル
12のガイド孔16を通過した線状導体3a上に被覆さ
れ、また、押出機Bから押し出された押出成形材料b
は、ダイスに内包される流路βを通って介在心線成形孔
15の上流側に設けられた流入部15a2 に流入する
が、介在心線成形孔15の上流側15aの前記流入部よ
り上流には、両側心線孔に連接しない小径部が設けられ
ているので、押出成形材料aが小径部で阻止されるか小
径に被覆された後、押出成形材料bが被覆され、両側心
線の被覆に押出成形材料bが混ざることはなく、また介
在心線の表面の押出成形材料aが出ることもない。ま
た、介在心線成形孔15の下流側は、両側心線成形孔と
連接または近接する径としてあるので、両側心線と介在
心線が一体に融着成形され、心線の押し出しと連接・一
体化が同時におこなわれる。
【0039】請求項2記載の発明によれば、請求項1記
載の発明の効果に加えて、ダイス13は、第1ダイス1
3aとその下流側に結合される第2ダイス13bとから
なり、流路βや介在心線成形孔の小径部15a1 や押出
成形材料bの流入部15a2 は、第1ダイス13bとの
結合面に形成されるので、その作製が容易であり、製造
装置が安価になる。
【0040】請求項3記載の発明によれば、請求項1ま
たは2記載の発明の効果に加えて、製造の対象である平
形電線が、線状導体上に半導電性の高分子材料を被覆し
た複数の電極線の間に、少なくとも表面が非撥液性の絶
縁部材からなる介在線を介在させ連接・一体化した漏液
検知線であるから、請求項1または2の製造装置の特徴
がよく生かされ、心線の押出成形と連接・一体化が同時
に行われ、電極線の被覆である半導電性の高分子部材が
介在線の表面に混入することがなく、また介在線の被覆
である非撥液性の絶縁部材が電極線の被覆に混入するお
それもない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の一例である平形電線の製
造装置の要部の説明図である。
【図2】ダイスの展開斜視図である。
【図3】ニップルおよびダイスの先端側の孔形状を示す
説明図である。
【図4】本発明の製造装置全体の概要を示す平面図であ
る。
【図5】本発明の製造装置によって製造される平形電線
の一例である漏液検知線の斜視図である。
【図6】従来の多色平形電線の製造装置の一例である。
【図7】接着剤により連接・一体化した漏液検知線であ
る。
【符号の説明】
1 平形電線(漏液検知線) 2 介在心線(介在線) 3 両側心線(電極線) 4 連接部 10 平形電線の製造装置 11 押出成形装置 12 ニップル 13 ダイス 14 両側心線成形孔 15 介在心線成形孔 A,B 押出機 C 成形機 α 押出成形材料aの流路 β 押出成形材料bの流路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // B29L 31:34 B29L 31:34 (72)発明者 青木 正敏 大阪府東大阪市岩田町2丁目3番1号 タ ツタ電線株式会社内 (72)発明者 大谷 良夫 大阪府藤井寺市国府2丁目4番51号 丸豊 電線株式会社内 Fターム(参考) 4F207 AD15 AH35 KA01 KA17 KB18 KB28 KL57 KL65 KL83 5G325 JA02 JB06 JB07 JB09 JC06 JC08

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ平行に配設された3心以上の心線か
    らなり、両側の心線の押出成形材料aと両側の心線の間
    に介在する1心以上の介在心線の押出成形材料bとが異
    なる平形電線の製造装置であって、 前記押出成形材料aを押し出す押出機Aと、 前記押出成形材料bを押し出す押出機Bと、 少なくとも両側の心線を構成する導体のガイド孔を有す
    るニップルと、 前記ニップルとの間に前記押出機Aから押し出される押
    出成形材料aの流路αを形成し、かつ押出機Bから押し
    出される押出成形材料bの流路βを内包し、前記両側心
    線の間に介在心線を介在させて融着・一体化する成形孔
    16を有するダイスとを備え、 前記ダイスの成形孔16は、前記流路αから流入する押
    出成形材料aを前記両側心線の導体上に被覆して両側心
    線3を形成する両側心線成形孔14と、 前記流路βから流入する押出成形材料bを成形して前記
    介在心線2を形成する介在心線成形孔15とを有し、 前記介在心線成形孔15の押出成形方向の上流側は、前
    記両側心線形成孔と連接しない小径部15a1 と前記流
    路βからの押出成形材料bの流入部15a2 とを有し、
    前記小径部は、前記流入部より上流に形成してなり、下
    流側は、前記両側心線と介在心線とが融着して一体成形
    されるよう両側心線成形孔14と連接または近接してな
    ることを特徴とする平形電線の製造装置。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の平形電線の製造装置にお
    いて、 前記ダイス13は、第1ダイス13aとその下流側に結
    合される第2ダイス13bとからなり、 前記両側心線成形孔14は、第1ダイス13aに設けら
    れた上流側の両側心線成形孔14aと第2ダイス13b
    に設けられた下流側の両側心線成形孔14bとからな
    り、 前記介在心線成形孔15は、第1ダイス13aに設けら
    れた上流側の介在心線成形孔15aと第2ダイス13b
    に設けられた下流側の介在心線成形孔14bとからなる
    ことを特徴とする平形電線の製造装置。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の平形電線の製造
    装置において、 前記平形電線1は、ほぼ平行に配設された2本の両側心
    線3の間に、介在心線2を介在させて連接し・一体化し
    てなる漏液検知用の平形電線の製造装置であって、 前記両側心線3は、線状導体3aの上に押出成形材料a
    を被覆してなる電極線3であり、前記介在心線2は、少
    なくとも表面が押出成形材料bからなる介在線であり、 前記押出成形材料aは、半導電性の高分子部材からな
    り、 前記押出成形材料bは、非撥液性の絶縁部材からなるこ
    とを特徴とする平形電線の製造装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2007226143A (ja) * 2006-02-27 2007-09-06 Sumitomo Electric Ind Ltd ケーブルの製造方法
KR101764196B1 (ko) * 2015-05-12 2017-08-02 임종성 이중컬러 피복전선 제조용 압출헤드
CN111554454A (zh) * 2020-04-23 2020-08-18 上海起帆电线电缆技术有限公司 橡套电缆的双进双出生产工艺及装备
CN111724944A (zh) * 2020-07-27 2020-09-29 郑州工业应用技术学院 一种基于辐照交联的计算机电缆制造装置

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