JP2984178B2 - 水密電線製造用撚りダイス - Google Patents

水密電線製造用撚りダイス

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JP2984178B2
JP2984178B2 JP6019044A JP1904494A JP2984178B2 JP 2984178 B2 JP2984178 B2 JP 2984178B2 JP 6019044 A JP6019044 A JP 6019044A JP 1904494 A JP1904494 A JP 1904494A JP 2984178 B2 JP2984178 B2 JP 2984178B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、撚線導体と被覆材との
間の隙間に水密混和物を充填して形成される水密電線に
係り、水密混和物が滞留することによって生じる水密混
和物の熱分解の発生を防止して、導体との密着力の低下
を防止し、水密性を損なうことのない水密電線の製造用
撚りダイスに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、電線の絶縁に使用される合成樹
脂は、主としてポリエチレンとポリ塩化ビニル(PV
C)である。ポリエチレンを用いたポリエチレン電線
は、誘電正接が特に低く、抵抗率および絶縁破壊の強さ
が高く、しかも透水性および吸水性が少ないなどの特徴
を有していることから高周波用電線、高電圧、海底ケー
ブルなどに用いられている。しかし、一般の送配電用電
力ケーブルとしてはコストが高く、施工時の端末処理作
業がやり難く、多量に使用するには適さない。そこで、
一般の電力用ケーブルとしては、ポリ塩化ビニル電線が
用いられている。ポリ塩化ビニルは、軟質ポリ塩化ビニ
ルが機械的にも、かなり強く、難燃性で、耐薬品性・電
気特性が良く、着色も自由に行え、機械加工も良いとこ
ろから主として用いられている。このポリ塩化ビニル電
線(PVC電線)は、PVC樹脂に可塑剤、安定剤、顔
料などを混和し、これらを加熱しながら練り、チューピ
ング式によって電線の周囲に押出被覆し、冷却して製造
している。
【0003】従来の水密絶縁電線は、図3に示す如く構
成されている。すなわち、水密絶縁電線100は、中心
導体110の周囲に複数本(例えば、6本)の導体12
0を一層に撚り合わせた撚線導体130に水密混和物1
40を充填し、さらに導体120を重ねて二層に撚り合
わせた撚線導体280の周囲に水密混和物140を充填
し、撚線導体130に外部から水が浸入しないような水
密導体とし、この上に絶縁体150を被覆して構成され
ている。
【0004】この水密絶縁電線100は、図4に示す如
き撚線導体製造装置によって製造されている。200は
撚線導体製造装置で、二層撚線導体を製造する装置とな
っている。210はサプライで、中心導体110が巻き
付けられている。このサプライ210からは水密絶縁電
線100の中心導体110が送出される。220は撚線
機で、複数のドラム(例えば、6本各導体間60゜の角
度間隔を有する)221を備え、各ドラム221から供
給される導体120を中心導体110の周囲に撚り合わ
せ図6に示す如き撚線導体130を形成するものであ
る。250は押出機で、撚線導体130の周囲に充填す
る水密混和物140を押し出すものである。
【0005】一層撚りダイス230は、図5に示す如き
構成を有している。この一層撚りダイス230は、ホル
ダー231と、撚りダイス232と、絞りダイス233
とによって構成されている。
【0006】ホルダー231は、撚りダイス232と絞
りダイス233が取り付けられており、中央に貫通孔2
34が形成されている。また、ホルダー231には、貫
通孔234に開口する水密混和物供給孔235が設けら
れている。この水密混和物供給孔235は、ホルダー2
31に連結される押出機250に接続されており、この
水密混和物供給孔235には、撚線導体130の周囲に
充填する水密混和物140が溶融した状態で押出機25
0から供給される。水密混和物供給孔235に供給され
た水密混和物140は、貫通孔234に充満し、撚線導
体130が貫通孔234内を通過する際に撚線導体13
0の周囲に充填される。
【0007】撚りダイス232は、テーパー状に大径部
が大気に開口し、中心導体110の周囲に複数本の導体
120を大径端部から導入するテーパー部236を有し
ている。このテーパー部236の小径端部には、該テー
パー部236内で中心導体110の周囲に複数本の導体
120を撚り合わせた撚線導体130を通過させるラン
ド部237が形成されている。
【0008】絞りダイス233は、ホルダー231の貫
通孔234に連設し、中心導体110の進行方向に小径
となるテーパー状に形成され貫通孔234に流れ込んだ
水密混和物140を絞り込む絞り部238を有してい
る。この絞り部238の小径端部には、該絞り部238
内で中心導体110の周囲に複数本の導体120を撚り
合わせた撚線導体130の周囲に水密混和物140を所
定量充填する充填部239が形成されている。この充填
部239で撚線導体130の周囲に水密混和物140を
所定量充填して一層撚導体240が形成される。
【0009】260は撚線機で、複数のドラム(例え
ば、12本)261を備え、各ドラム261から等角度
間隔(12本であれば各導体間30゜の角度)をもって
供給される導体120を中心導体である一層撚導体24
0の周囲に撚り合わせるものである。すなわち、一層撚
りダイス230から走行してくる一層撚導体240は、
一層撚導体240の周囲に供給される複数本の導体12
0と共に二層撚りダイス270に供給され、この二層撚
りダイス270内で撚り合わされて、図7に示す如き撚
線導体280となって出力される。290は巻取ドラム
で、撚線導体280を巻き取るためのものである。この
巻取ドラム290に巻き取られた撚線導体280は、次
工程において押出機によって水密混和物140と絶縁体
150が2層押し出しによって被覆される。
【0010】このように中心導体110の周囲に複数本
の導体120を撚り合わせて撚線導体240を構成し、
この撚線導体240の周囲に水密混和物140を充填す
る。この撚線導体240の周囲に水密混和物140を充
填して撚線導体240に外部から水が浸入しないような
水密導体としている。
【0011】したがって、水密混和物140は、疎水性
であること、絶縁体(軟質塩化ビニル)150と接着す
ること、撚線導体240の素線である銅との密着性が大
きいことが要求される。そのため、従来の水密混和物1
40としてエチレン/酢酸ビニル共重合体、あるいは、
エチレン/エチルアクリレート共重合体等が用いられて
いる。また、絶縁体は、ポリ塩化ビニルにジオクチルフ
タレート、ジイソデシルフタレート等の可塑剤を加えて
形成されている。従来の水密絶縁電線に充填される水密
混和物140としては、例えば、特公平1−55521
号公報に記載される如く、エチレン/酢酸ビニル共重合
体及び/又はエチレン/エチルアクリレート共重合体に
親水性基を有する吸水膨潤性高分子を配合したものがあ
る。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の一層
撚りダイス230を用いて水密電線を製造する方法にあ
っては、ホルダー231の水密混和物供給孔235から
貫通孔234に水密混和物140を撚線導体130の周
囲に供給している。すなわち、中心導体110の周囲に
複数本の導体120を撚り合わせて一層撚導体240を
形成した後、一層撚導体240が撚りダイス232通過
した後に水密混和物140を一層撚導体240の外周に
供給している。したがって、水密混和物140は、撚り
ダイス232のランド部237と撚線導体130表面の
間を撚線導体130の走行方向と逆方向に向かって流動
されることになる。
【0013】このため、水密混和物140は、図5に示
す如く撚りダイス232のランド部237において滞留
し易くなる。水密混和物140は、撚りダイス232の
ランド部237に滞留すると次第に熱分解を起こし、導
体120を構成している銅との密着力が低下する。
【0014】その結果、中心導体110の周囲に複数本
の導体120を撚り合わせ、熱分解を起こした水密混和
物140が充填され撚線導体240が形成されると、水
密混和物140と導体120との密着力の低下によって
水密電線の水密性が損なわれるという問題点を有してい
る。
【0015】本発明の目的は、水密混和物の一層撚りダ
イス内での滞留を防止して熱分解を起こした水密混和物
が撚線導体素線間に充填されるのを防止し、水密電線の
水密性が損なわれるのを防止することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
テーパー状に開口し複数本の導体を大径端部から導入す
るテーパー部と、該テーパー部壁面に形成される開口部
と、該開口部に外部と連通し外部から前記テーパー部内
に水密混和物を供給する水密混和物供給孔と、前記テー
パー部の小径端部に連設し前記テーパー部内で複数本の
導体を撚り合わせた撚線導体を通過させるランド部とを
備えた撚りダイスと,前記ランド部に連通しテーパー状
に形成され前記ランド部に流れ込んだ水密混和物を絞り
込む絞り部と、絞り込んだ水密混和物を撚線導体の周囲
に所定量充填して撚導体を送出する充填部とを備えた絞
りダイスと,前記撚りダイスを撚線導体供給側端部に、
前記絞りダイスを撚線導体排出側端部にそれぞれ保持す
ると共に前記撚りダイスと前記絞りダイスを連通する貫
通孔が形成されるホルダーとによって構成してなるもの
である。
【0017】また、請求項2記載の発明は、上記ホルダ
ーの貫通孔を、上記撚りダイスの小径端部と上記絞りダ
イスの大径端部とを段差なく連通するようにしたもので
ある。
【0018】そして、請求項3記載の発明は、上記テー
パー部の大径端部と上記テーパー部の小径端部との間の
長さ、すなわち撚りダイスのテーパー長を3〜5cmの大
きさにしたものである。
【0019】
【作用】請求項1記載の発明によると、テーパー状に開
口した撚りダイスのテーパー部の大径端部から複数本
(例えば、60゜の角度間隔をもって6本)の導体を走
行させ、あるいは中心導体と、この中心導体の周囲に複
数本(例えば、6本)の導体を走行させる。そして、こ
のテーパー部壁面の開口部からテーパー部内に溶融状態
にある水密混和物を水密混和物供給孔を介して供給し、
水密混和物を巻き込みながら複数本の導体を、あるいは
中心導体の周囲に複数本の導体を撚り合わせていき撚線
導体を形成する。さらに、この撚線導体の周囲に水密混
和物を充満した状態でランド部内を走行させた後、絞り
ダイスの絞り部でランド部内に流れ込んだ撚線導体の周
囲の水密混和物を絞り込む。そして、絞りダイスの充填
部で、撚線導体の周囲を所定厚さの水密混和物で充填し
て一層撚導体を形成する。
【0020】このようにテーパー部内に開口部を形成
し、テーパー部内に溶融状態にある水密混和物を水密混
和物供給孔を介して供給し、複数本の導体を、あるいは
中心導体の周囲に複数本の導体を撚り合わせるテーパー
部内で、各導体を撚り合わせ前に水密混和物が供給され
るため、撚線導体の各素線間に水密混和物がスムーズに
巻き込まれ、水密混和物が撚りダイスのランド部におい
て滞留することがなくなり、撚りダイス内に供給される
水密混和物は、熱分解を起こすことがない。このテーパ
ー部内に水密混和物を供給する水密混和物供給孔は、一
か所であっても良いが、好ましくは二か所以上有ればよ
り均一に充填物を充填することができる。
【0021】請求項2記載の発明によると、ホルダーの
貫通孔を、撚りダイスの小径端部と絞りダイスの大径端
部とを段差なく連通するように形成する。すなわち、撚
りダイスの小径端部の径と絞りダイスの大径端部の径と
同じ径にホルダーの貫通孔の径の大きさを形成する。こ
のように構成すると、撚りダイスのテーパー部からホル
ダーの貫通孔に送られた水密混和物がホルダーの貫通孔
内に停滞することなく絞りダイスにスムーズに送くこと
ができる。
【0022】
【0023】請求項3記載の発明によると、撚りダイス
のテーパー部の大径端部とテーパー部の小径端部との間
の長さ、すなわち撚りダイスのテーパー長を3〜5cmの
大きさに形成する。撚りダイスのテーパー長を3cm以上
としたのは、テーパー長が3cmより短いと、撚りダイス
のテーパー部壁面に形成された開口部から押し出されて
くる水密混和物を充分に保持しておくスペースがなく、
オーバーフローした水密混和物がテーパー部から外部に
流出して水密電線への充填不足が生じることがあるから
である。また、撚りダイスのテーパー長を5cm以下とし
たのは、テーパー長を5cmより大きくしても、水密混和
物を水密電線に充填するという機能においては変化がな
く、むしろ適量なオーバーフロー量に対してダイスが無
駄に大きくなるからである。このように構成すると、テ
ーパー部から外部に流出させることなく、テーパー部か
ら水密混和物をスムーズに巻き込み、水密混和物が撚り
ダイスのランド部において滞留することがなくなり、撚
りダイス内に供給される水密混和物は、熱分解を起こす
のを防止できる。
【0024】
【実施例】以下、本発明の実施例について説明する。図
1及び図2には、本発明に係る水密電線の製造方法に用
いられる水密電線の製造用一層撚りダイスの一実施例が
示されている。
【0025】図において、1は一層撚りダイスで、ホル
ダー2と、撚りダイス3と、絞りダイス4とによって構
成されており、この一層撚りダイス1は、図4に示され
る二層撚線導体を製造する撚線導体製造装置200の一
層撚りダイス230に代えて用いられる。ホルダー2に
は、撚りダイス3と絞りダイス4が嵌着されており、中
央に撚りダイス3と絞りダイス4に連通する貫通孔21
が形成されている。撚りダイス3は、テーパー状に大径
端部31側が大気に開口し、複数本の導体120を大径
端部31から導入し、あるいは中心導体110の周囲に
複数本の導体120を大径端部31から導入するテーパ
ー部32を有している。このテーパー部32は、複数の
ドラム(例えば、60゜の角度間隔をもって6本)22
1から繰り出される導体120を、あるいはサプライ2
10から繰り出される中心導体110の周囲に、複数の
ドラム(例えば、60゜の角度間隔をもって6本)22
1から導体120を繰り出して撚線機220で撚り合わ
せるところである。また、撚りダイス3には、テーパー
部32内の相対向する位置に2つの開口部33、34が
形成されている。この開口部33には水密混和物供給孔
35が、開口部34には水密混和物供給孔36がそれぞ
れ設けられている。この撚りダイス3のテーパー部32
壁面に形成された開口部33、34の形成位置と、撚り
ダイス3のテーパー部32の大径端部31との間の長さ
は、3〜5cmの大きさに形成されている。この撚りダイ
ス3のテーパー部32のテーパー長を3cm以上としたの
は、テーパー部32のテーパー長が3cmより短いと、撚
りダイス3のテーパー部32の壁面に形成された開口部
33から押し出されてくる水密混和物140を充分に保
持しておくスペースがなく、オーバーフローした水密混
和物140がテーパー部32から外部に流出して各導体
間への充填不足が生じるからである。また、撚りダイス
3のテーパー部32のテーパー長を5cm以下としたの
は、テーパー部32のテーパー長を5cmより大きくして
も、水密混和物140を各導体間に充填不足なく充分に
充填するという機能においては変化がなく、むしろ適量
なオーバーフロー量に対して撚りダイス3が無駄に大き
くなるからである。
【0026】この2つの水密混和物供給孔35、36
は、ホルダー2に連結される押出機250に接続されて
おり、この水密混和物供給孔35、36には、撚線導体
130に充填する水密混和物140が溶融した状態で押
出機250から供給される。このように水密混和物供給
孔35、36から供給された水密混和物140は、テー
パー部32内に押し出され、テーパー部32内で複数本
の導体120を撚り合わせる際に、あるいは中心導体1
10の周囲に複数本の導体120を撚り合わせる際に、
各導体120間又は中心導体110と各導体120間に
巻き込まれていく。また、このテーパー部32の小径端
部37には、ランド部38が連設されている。このラン
ド部38には、ホルダー2の貫通孔21が連通してお
り、該テーパー部32内で複数本の導体120を撚り合
わせ、あるいは中心導体110の周囲に複数本の導体1
20を撚り合わせた撚線導体130を通過させるように
なっている。このランド部38の径は、ホルダー2の貫
通孔21の径と同径に形成されている。このようにラン
ド部38の径をホルダー2の貫通孔21の径と同径にす
ることにより、ランド部38と貫通孔21に水密混和物
供給孔35、36から供給された水密混和物140が滞
留しないようにするためである。
【0027】絞りダイス4は、ホルダー2の貫通孔21
に連設し、中心導体110の進行方向に小径となるテー
パー状に形成され貫通孔21に流れ込んだ水密混和物1
40を絞り込む絞り部41を有している。この絞り部4
1の小径端部には、該絞り部41内で複数本の導体12
0を撚り合わせ、あるいは中心導体110の周囲に複数
本の導体120を撚り合わせた撚線導体130の周囲に
水密混和物140を所定量充填するための充填部42が
形成されている。この充填部42の径は、撚線導体13
0の周囲に水密混和物140を所定量充填するに適した
径となっている。
【0028】このように構成される一層撚りダイス1を
用いた二層撚線導体の製造は、撚線導体製造装置200
によって次のように行われる。
【0029】複数のドラム(例えば、6本)221から
導体120を繰り出し一層撚りダイス1内で撚り合わせ
る。あるいは、サプライ210から巻き付けられている
中心導体110を繰り出し、これと同時に撚線機220
に取り付けられている複数のドラム(例えば、6本)2
21から導体120を中心導体110の周囲に供給し、
一層撚りダイス1内で撚り合わせる。
【0030】一層撚りダイス1においては、テーパー状
に開口した撚りダイス3のテーパー部32の大径端部3
1から複数本の導体120を、あるいは中心導体110
とこの中心導体110の周囲に複数本の導体120を走
行させる。そして、このテーパー部32の壁面の開口部
33、34からテーパー部32内に溶融状態にある水密
混和物140を水密混和物供給孔35、36を介して供
給する。水密混和物供給孔35、36から溶融状態にあ
る水密混和物140を供給すると、複数本の導体120
は水密混和物140を巻き込みながら撚り合わされてい
き、あるいは溶融状態にある水密混和物140の供給に
よって、中心導体110と導体120は水密混和物14
0を巻き込みながら中心導体110の周囲に複数本の導
体120が撚り合わされていき撚線導体130が形成さ
れる。さらに、この撚線導体130の周囲に水密混和物
140を充満した状態でランド部38内を走行させた
後、絞りダイス4の絞り部41でランド部38内に流れ
込んだ撚線導体130の周囲の水密混和物140を絞り
込む。そして、絞りダイス4の充填部42で、撚線導体
130の周囲を所定厚さの水密混和物140で充填して
一層撚導体240を形成する。
【0031】一層撚りダイス1で形成された一層撚導体
240は、二層撚りダイス270に送られる。二層撚り
ダイス270においては、一層撚導体240を中心導体
とし、この一層撚導体240の周囲に、撚線機260に
取り付けられている複数のドラム(例えば、12本)か
ら導体120を供給し、撚り合わせる。すなわち、一層
撚りダイス230から走行してくる一層撚導体240
は、一層撚導体240の周囲に供給される複数本の導体
120と共に二層撚りダイス270に供給され、この二
層撚りダイス270内で撚り合わされて、図7に示す如
き撚線導体280を形成し、巻取ドラム290に巻き取
る。この巻取ドラム290に巻き取られた撚線導体28
0は、次工程において押出機によって水密混和物140
と絶縁体150が2層押し出しによって被覆される。
【0032】このように一層撚りダイス1内に複数本
(例えば、6本)の導体120を、あるいは中心導体1
10の周囲に複数本(例えば、6本)の導体120を供
給し、撚り合せる前に水密混和物140を供給して、各
導体120間に、あるいは各導体110、120間に充
填させて撚り合わせて撚線導体130を形成する。しか
る後、この撚線導体130の周囲に水密混和物140を
供給しながらランド部38を介して絞りダイス3で絞り
込んで一層撚導体240を形成する。そして、一層撚導
体240を中心導体として周囲に複数本(例えば、12
本)の導体120をさらに供給し、二層撚りダイス27
0内において撚り合せて二層撚導体280を形成して巻
取ドラム290に巻き取り、この二層撚導体280の周
囲に水密混和物140と絶縁体150を2層押し出しに
よって水密混和物140、絶縁体150を2層に被覆し
て水密電線100を製造する。
【0033】このようにテーパー部32内に開口部3
3、34を形成し、テーパー部32内に溶融状態にある
水密混和物140を供給する水密混和物供給孔35、3
6を一層撚りダイス1の撚りダイス3内の導体撚りが開
始する前方部に設けるこにより、撚りダイス3のランド
部38での逆流による滞留がなくなり熱分解を起こすこ
とがなく、導体110、120を構成する銅との密着力
の良好な水密混和物140を撚線導体130の素線間に
充填することができる。
【0034】このように本実施例においては、テーパー
部32内に溶融状態にある水密混和物140を供給する
水密混和物供給孔を二か所設けているが、この水密混和
物供給孔は、一か所でもよいが、二か所、三か所、四か
所等複数箇所に設けてもよい。好ましくは、二か所設け
るのがよい。この水密混和物供給孔を二か所設けること
によって、テーパー部32内に溶融状態にある水密混和
物140を均一に供給することができる。
【0035】このような本発明に係る水密電線の製造方
法よって製造した水密電線(発明品)と従来の水密電線
の製造方法よって製造した水密電線(従来品)との水密
性試験の比較結果が表1に示されている。
【0036】表 1 表1における水密性試験は、発明品と従来品のそれぞれ
10cm、20cm、30cm、40cmの長さの試料につい
て、一端に0.5気圧の水圧を24時間加え、他端から
漏水が有ったか否かをみたものである。表1中、結果に
ついて、他端から漏水がない場合を○、他端から漏水が
僅かに有った場合を△、他端から大量の漏水が有った場
合を×として表すようにしてある。なお、試料の長さを
10cm、20cm、30cm、40cmと4種類としたのは、
それぞれ長さが異なることによって一端から掛ける圧力
に耐える耐圧力が異なり、4種類のそれぞれについて水
密性を判断することによって水密性の良否を判断するに
適しているからである。
【0037】表1の結果から発明品の場合、10cm、2
0cm、30cm、40cmのいずれの長さの試料についても
○で、他端から漏水が無いことが判る。すなわち、発明
品の場合は、水密性がいずれの長さの試料についても優
れていることが判る。
【0038】これに対し、従来品は、表1の結果から2
0cm、30cm、40cmの長さの試料については、いずれ
も○で、漏水が無いが、10cmの長さの試料について
は、△で、他端から漏水が僅かに有ったことを示してい
る。このように従来品の場合、20cm、30cm、40cm
の長さの試料については、一端から0.5気圧の水圧が
24時間加えられても他端から漏水が生じないというこ
とを示してはいるが、10cmの長さの試料について僅か
な漏水が有るということは、従来の製造方法で製造した
水密電線は、水密性が悪いことを示している。また、1
0cmの長さの試料について僅かな漏水が有っても20c
m、30cm、40cmの長さの試料について漏水がないと
いうことは、従来の製造方法で製造しても20cm、30
cm、40cm以上の長さで使用するのであれば問題がない
ということを意味しているものではない。すなわち、1
0cmの長さの試料について僅かでも漏水が有るというこ
とは、従来の製造方法で製造した水密電線の場合は、導
体と水密混和物との密着性が低いのであるから、一端か
ら0.5気圧の水圧が24時間加えられると、水圧を加
えた一端から10cmの位置位までは水が侵入する可能性
があることを示しているということである。したがっ
て、例え10cmという長さの短い試料であっても、一端
から0.5気圧の水圧が24時間加えられて漏水が生じ
るのでは導体と水密混和物との密着性が悪く、20cm、
30cm、40cm以上の長さで使用するとしても、一端か
ら水の侵入の可能性があり、水密電線としては問題を有
している。
【0039】以上の実施例においては、水密電線として
二層撚導体によって形成した例について説明したが、三
層撚導体によって形成してもよい。この三層撚導体によ
って形成する水密電線は、次の如く製造される。すなわ
ち、まず、一層撚りダイス1と同一の構成を有する二層
撚りダイスを用い、この二層撚りダイス内に、一層撚導
体240を中心導体として周囲に複数本(例えば、12
本)の導体120をさらに供給し、撚り合せる前に水密
混和物140を供給して一層撚導体240と各導体12
0間に充填させて撚り合わせて撚線導体を形成する。し
かる後、この撚線導体の周囲に水密混和物140を供給
しながら絞りダイスで絞り込んで二層撚導体を形成す
る。そして、二層撚導体を中心導体として周囲に複数本
の導体120をさらに供給し、二層撚りダイス270と
同一の構成を有する三層撚りダイス内において撚り合せ
て三層撚導体を形成して巻取ドラム290に巻き取り、
この三層撚導体の周囲に水密混和物140と絶縁体15
0を2層押し出しによって水密混和物140、絶縁体1
50を2層に被覆して水密電線を製造する。
【0040】同様にして、四層撚導体によって水密電線
を形成しても、五層撚導体によって水密電線を形成して
も、六層撚導体によって水密電線を形成しても、・・・
・・等、複数層撚導体によって水密電線を形成すること
もできる。
【0041】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、テーパー
部内に開口部を形成し、テーパー部内に溶融状態にある
水密混和物を水密混和物供給孔を介して供給し、複数本
の導体を撚り合わせるテーパー部内で撚り合わせ前に水
密混和物が供給されるため、撚線導体の各素線間に水密
混和物がスムーズに巻き込れ、水密混和物が撚りダイス
のランド部において滞留することがなくなり、一層撚り
ダイス内に供給される水密混和物は、熱分解を起こすこ
とがなく、撚線導体素線間に充填されたときに水密電線
の水密性が損なわれるのを防止することができる。
【0042】請求項2記載の発明によれば、撚りダイス
のテーパー部からホルダーの貫通孔に送られた水密混和
物がホルダーの貫通孔内に停滞することなく絞りダイス
にスムーズに送くることができる。
【0043】請求項3記載の発明によれば、撚りダイス
のテーパー部の大径端部と、撚りダイスのテーパー部の
小径端部との間の長さを3〜5cmの大きさに形成してい
るので、撚りダイスのテーパー部から外部にオーバーフ
ローさせることなく、テーパー部に適量のオーバーフロ
ー量を確保でき、テーパー部から水密混和物をスムーズ
に巻き込むことができ、水密混和物の充填不足を招くの
を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る水密電線の製造方法に用いる水密
電線製造用一層撚りダイスの断面図である。
【図2】図1に図示の一層撚りダイスの正面図である。
【図3】水密絶縁電線の断面図である。
【図4】水密絶縁電線の製造装置を示す模式図である。
【図5】図4に図示の一層撚りダイスの断面図である。
【図6】水密絶縁電線製造装置の一層撚りダイスで製造
される一層撚導体の断面図である。
【図7】水密絶縁電線製造装置の二層撚りダイスで製造
される二層撚導体の断面図である。
【符号の説明】
1…………………………一層撚りダイス 2…………………………ホルダー 21………………………貫通孔 3…………………………撚りダイス 31………………………大径端部 32………………………テーパー部 33、34………………開口部 35、36………………水密混和物供給孔 37………………………小径端部 38………………………ランド部 4…………………………絞りダイス 41………………………絞り部 42………………………充填部 100……………………水密電線 110……………………中心導体 120……………………導体 130,280…………撚線導体 140……………………水密混和物 150……………………絶縁体 200……………………導体製造装置 210……………………サプライ 220,260…………撚線機 240……………………一層撚導体 250……………………押出機 270……………………二層撚りダイス 290……………………巻取ドラム

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 テーパー状に開口し複数本の導体を大径
    端部から導入するテーパー部と、該テーパー部壁面に形
    成される開口部と、該開口部に外部と連通し外部から前
    記テーパー部内に水密混和物を供給する水密混和物供給
    孔と、前記テーパー部の小径端部に連設し前記テーパー
    部内で複数本の導体を撚り合わせた撚線導体を通過させ
    るランド部とを備えた撚りダイスと, 前記ランド部に連通しテーパー状に形成され前記ランド
    部に流れ込んだ水密混和物を絞り込む絞り部と、絞り込
    んだ水密混和物を撚線導体の周囲に所定量充填して撚導
    体を送出する充填部とを備えた絞りダイスと, 前記撚りダイスを撚線導体供給側端部に、前記絞りダイ
    スを撚線導体排出側端部にそれぞれ保持すると共に前記
    撚りダイスと前記絞りダイスを連通する貫通孔が形成さ
    れるホルダーとによって構成し、水密混和物を導体間に
    充填した撚導体を製造する水密電線の製造用撚りダイ
    ス。
  2. 【請求項2】 上記ホルダーの貫通孔は、上記撚りダイ
    スの小径端部と上記絞りダイスの大径端部とを段差なく
    連通するものである請求項1に記載の水密電線の製造用
    撚りダイス。
  3. 【請求項3】 上記テーパー部の大径端部と上記テーパ
    ー部の小径端部との間の長さを3〜5cmの大きさにした
    ものである請求項1又は2に記載の水密電線の製造用撚
    りダイス。
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