JP2003157602A - ディスクドライブ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 スピンドルモータにチャッキングされたディ
スクの偏心が全く発生せず、しかも、超薄型のディスク
ドライブ装置を得ること。 【解決手段】 スピンドルモータ３のスピンドル３ｂを
ディスクテーブル４より上方に突出させ、チャッキング
部材１１がチャッキング用マグネット５の磁気吸引力に
よってディスクテーブル４上に吸引された時に、チャッ
キング部材１１の中心孔１１ｃをスピンドル３ｂの外周
に上方から精度良く係合されると共に、チャッキング部
材１１のテーパー面１１ｄをディスクＤの中心孔Ｄａの
上側エッジＤｂに上方から圧着させるように構成したデ
ィスクチャッキング装置２。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、ＭＯ、ＣＤ、ＣＤ
−ＲＯＭ、ＤＶＤ、ＤＶＤ−ＲＯＭ等の光ディスクや光
磁気ディスク等のディスクを記録及び／又は再生するデ
ィスクドライブ装置に属するものであって、特に、ディ
スクをスピンドルモータにチャッキングする装置の技術
分野に属するものである。

【０００２】

【従来の技術】図５及び図６は、通常ハーフハイトと称
される全体の厚みが約４１．３ｍｍと厚いディスクトレ
ー方式の原型のディスクドライブ装置に適用されている
ディスクチャッキング装置３０を示したものであって、
図５がチャッキング解除状態を示し、図６がチャッキン
グ状態を示している。そして、図５に示すチャッキング
解除状態では、スピンドルモータ３１が図示省略したデ
ィスクトレーによってローディングされるディスクＤの
ローディング位置Ｐの下部の下降位置まで下降されてい
て、通常、チャッキングプーリと称されるチャッキング
部材３４がディスクＤのローディング位置Ｐよりも上部
に支持部材３８によって支持されている。

【０００３】そして、スピンドルモータ３１のロータ３
１ａの上部中央には磁性部材によって円板状に形成され
たディスクテーブル３２が一体に結合されていて、その
ディスクテーブル３２の上面の中央には上向きのほぼ円
錐台形状のセンターリング部３２ａが一体に形成されて
いる。また、チャッキング部材３４は合成樹脂等で下向
きのほぼ円錐台形状に成形されていて、そのチャッキン
グ部材３４の下面中央にはセンターリング部３４に対す
る逃げ用凹部３４ａが形成され、上部の外周に形成され
ている円板状のフランジ部３４ｂが板金等で構成された
上部支持部材３８のリング状の支持部３８ａ上に水平状
に載置されている。また、チャッキング部材３４の凹部
３４ａの上部にはリング状のチャッキング用マグネット
３５とヨーク３６が上下に重ねられて埋設されている。
なお、支持部材３８はディスクドライブ装置のシャーシ
で支持されて上カバー（何れも図示せず）の下部に配置
されている。

【０００４】そして、図６に示すように、図示省略した
ディスクトレーによってディスクＤがローディング位置
Ｐへ矢印ａ方向から水平にローディングされた後、図示
省略したスピンドルモータ昇降機構によってスピンドル
モータ３１が図５の下降位置から図６の上昇位置まで矢
印ｂ方向に上昇されると、ディスクテーブル３２のセン
ターリング部３２ａがディスクＤの中心孔Ｄａに下方か
ら遊びを有する状態に挿入されて、そのセンターリング
部３２ａがチャッキング部材３４の下面中央の逃げ用凹
部３４ａ内に挿入される。そして、ディスクテーブル３
２によってディスクＤがディスクトレーの上方に押し上
げられ、そのディスクＤによってチャッキング部材３４
が上方に押し上げられて、そのチャッキング部材３４の
フランジ部３４ｂが支持部材３８の支持部３８ａの上方
に引き離される。そして、チャッキング用マグネット３
５から発生する磁束の閉磁路がヨーク３６とディスクテ
ーブル３２との間に形成され、その磁束による磁気吸引
力によってチャッキング部材３４がディスクテーブル３
２上に吸引されて、そのチャッキング部材３４によって
ディスクＤがディスクテーブル３２上に矢印ｃ方向から
チャッキング（圧着されること）される。

【０００５】なお、この時、ディスクＤの中心孔Ｄａが
センターリング部３３ａの垂直状の外周面３３ｂによっ
てセンターリングされる。そして、このディスクチャッ
キング後にディスクＤがスピンドルモータ３１によって
一定速度で回転駆動され、光学ピックアップ等のピック
アップ手段によってデータがディスクＤに記録及び／又
は再生されるように構成されている。

【０００６】また、図７は、通常１／２インチハイトと
称される全体の厚みＴが１／２インチ（１２．７ｍｍ）
である超薄型でスロットローディング方式のディスクド
ライブ装置４１を示したものであって、ディスクドライ
ブ装置４１に対して矢印ｄ、ｅ方向に水平状に出し入れ
されるスライドテーブル４２にスピンドルモータ４３と
光学ピックアップ４４を搭載し、スピンドルモータ４３
のスピンドル４３ａの上端の外周に固着したディスクテ
ーブル４５の中央円柱部４５ａの上端で外周の３箇所に
チャッキング用ボール４６を取り付けている。

【０００７】そして、スライドテーブル４２をディスク
ドライブ装置４１から矢印ｄ方向に引き出した後、ユー
ザがディスクＤをその中心孔Ｄａによってディスクテー
ブル４５の円柱部４５ａの外周に上方から挿入して３つ
のチャッキング用ボール４６によってチャッキング（固
定すること）して、ディスクＤの下面を光学ピックアッ
プ４４の対物レンズ４４ａ上に近接させる。そして、こ
のディスクチャッキング後に、スライドテーブル４２に
よってディスクＤ、スピンドルモータ４３及び光学ピッ
クアップ４４が一緒にディスクドライブ装置４１内に矢
印ｅ方向から水平にスロットローディングされる。そし
て、この後に、ディスクＤがスピンドルモータ４３によ
って一定速度で回転駆動され、光学ピックアップ４４に
よってデータがディスクＤに記録及び／又は再生される
ように構成されている。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】しかし、図６に示され
た原型のディスクドライブ装置のディスクチャッキング
装置３０は、ディスクＤの中心孔Ｄａをディスクテーブ
ル３２のセンターリング部３３ａの垂直状の外周面３３
ｂでセンターリングする構造であるため、中心孔Ｄａの
直径の規格値（公差）φ＝１５±０．１／０ｍｍ内の偏
心量が考えられる。

【０００９】また、チャッキング部材３４は逃げ用凹部
３４ａによってディスクテーブル３２のセンターリング
部３３ａに対して逃げていて、単に、チャッキング用マ
グネット３５によってディスクＤ上に圧着される構造で
あるから、このチャッキング部材３４はディスクテーブ
ル３２に対して何等センターリングされておらず、ディ
スクテーブル３２に対するチャッキング部材３４の偏心
が発生し易い。

【００１０】従って、スピンドルモータ３１によって一
定速度で回転駆動されるディスクＤに偏心荷重による振
動が発生し、データの記録及び／又は再生の精度が損わ
れ易いと言う問題がある。

【００１１】また、図７に示されたスロットローディン
グ方式のディスクドライブ装置４１も、ディスクＤの中
心孔Ｄａをディスクテーブル４５の中央円柱部４５ａの
外周に挿入して固定しているだけであるから、スピンド
ルモータ３１によって一定速度で回転駆動されるディス
クＤに上記した公差の偏心荷重による振動が発生し易い
上に、ユーザがディスクＤをディスクテーブル４５に対
して脱着する際に、高精度が要求される部品であるスピ
ンドルモータ４３や光学ピックアップ４４の対物レンズ
４４ａに触れて、これらを破損してしまう危険性がある
上に、対物レンズ４４ａ等にゴミ等が付着されて、デー
タの記録及び／又は再生のミスを招き易いと言う問題が
ある。

【００１２】本発明は、上記の問題を解決するために発
明されたものであって、スピンドルモータにチャッキン
グされたディスクの偏心が全く発生せず、しかも、超薄
型のディスクドライブ装置を容易に製造することができ
るディスクドライブ装置を提供することを目的としてい
る。

【００１３】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの本発明のディスクドライブ装置の請求項１は、スピ
ンドルモータのディスクテーブルに埋設されたチャッキ
ング用マグネットと、磁性材料で構成されて、前記ディ
スクテーブルの上方位置に配置されたチャッキング部材
とを備え、前記ディスクテーブル上に装着されたディス
クを前記チャッキング用マグネットの磁気吸引力によっ
て前記ディスクテーブル上に吸引された前記チャッキン
グ部材によって前記ディスクテーブル上にチャッキング
するディスクドライブ装置において、前記スピンドルモ
ータのスピンドルを前記ディスクテーブルより上方に突
出させ、前記チャッキング部材が前記チャッキング用マ
グネットの磁気吸引力によって前記ディスクテーブル上
に吸引された時に、前記スピンドルの外周に上方から精
度良く係合されるように、そのチャッキング部材の中心
に形成された中心孔と、前記チャッキング部材が前記チ
ャッキング用マグネットの磁気吸引力によって前記ディ
スクテーブル上に吸引された時に、前記ディスクの中心
孔内に上方から挿入されて、そのディスクの中心孔内に
上方から挿入されて、その中心孔の上側エッジに上方か
ら圧着されるように、そのチャッキング部材の前記中心
孔の外周位置に同心円形状に形成された下向きのテーパ
ー面とを備えたディスクドライブ装置である。また、本
発明のディスクドライブ装置の請求項２は、スピンドル
モータのディスクテーブルに埋設されたチャッキング用
マグネットと、磁性材料で構成されて、前記ディスクテ
ーブルの上方位置に配置されたチャッキング部材とを備
え、前記ディスクテーブル上に装着されたディスクを前
記チャッキング用マグネットの磁気吸引力によって前記
ディスクテーブル上に吸引された前記チャッキング部材
によって前記ディスクテーブル上にチャッキングするデ
ィスクドライブ装置において、前記スピンドルモータの
スピンドルを前記ディスクテーブルより上方に突出さ
せ、前記チャッキング部材が前記チャッキング用マグネ
ットの磁気吸引力によって前記ディスクテーブル上に吸
引されて、前記ディスクを前記ディスクテーブル上にチ
ャッキングした時に、前記スピンドルの外周に上方から
精度良く係合されるように、そのチャッキング部材の中
心に形成された中心孔と、前記チャッキング部材の上方
位置に配置された上部支持部材に形成されて、前記チャ
ッキング部材による前記ディスクのチャッキングが解除
された時に、前記スピンドルから相対的に上方に離脱さ
れた前記チャッキング部材が下方から係合されるセンタ
ーリング部とを備えたディスクドライブ装置である。

【００１４】上記のように構成された本発明のディスク
ドライブ装置の請求項１は、チャッキング部材がチャッ
キング用マグネットの磁気吸引力によってディスクをデ
ィスクテーブル上にチャッキングした時に、そのチャッ
キング部材の中心孔がスピンドルモータのスピンドルの
外周に上方から精度良く係合されて、スピンドルに対す
るチャッキング部材の高精度のセンターリングが行われ
る。そして、チャッキング部材の中心孔の外周位置に同
心円形状に形成されている下向きのテーパー面がディス
クの中心孔の上側エッジに上方から圧着されて、ディス
クがスピンドルモータのスピンドルに対して高精度にセ
ンターリングされた状態で、ディスクテーブル上に圧着
されて固定される。また、本発明のディスクドライブ装
置の請求項２は、チャッキング解除状態では、チャッキ
ング部材の中心孔をそのチャッキング部材の上部に配置
されている上部支持部材のセンターリング部に下方から
係合されて、チャッキング部材がスピンドルモータのス
ピンドルの上方位置に位置決めされる。そして、チャッ
キング時には、チャッキング部材がチャッキング用マグ
ネットによって上部支持部材のセンターリング部から下
方に離脱されると共に、チャッキング部材の中心孔がス
ピンドルモータのスピンドルに上方から精度良く係合さ
れて、スピンドルに対するチャッキング部材の高精度の
センターリングが行われる。

【００１５】

【発明の実施の形態】以下、本発明を適用したディスク
ドライブ装置の実施の形態を図１〜図４を参照して説明
する。まず、図３及び図４は、本発明のディスクトレー
方式のディスクドライブ装置１におけるディスクチャッ
キング装置２を示したものであり、このディスクドライ
ブ装置１は、図７で説明した従来の超薄型のスロットロ
ーディング方式のディスクドライブ装置４１と同様に、
全体の厚みＴ１が１／２インチ（１２．７ｍｍ）程度の
超薄型に構成されている。そして、１ａが板金等の磁性
部材で構成された上カバーであり、１ｂが下カバーであ
る。

【００１６】次に、図１〜図４によって、このディスク
チャッキング装置２の詳細を説明すると、まず、ＭＯ、
ＣＤ、ＣＤ−ＲＯＭ、ＤＶＤ、ＤＶＤ−ＲＯＭ等の光デ
ィスクや光磁気ディスク等のディスクＤは図示省略した
ディスクトレーによって図１及び図３に示すローディン
グ位置Ｐに矢印ａ方向から水平にローディングされるよ
うに構成されている。そして、スピンドルモータ３のロ
ータ３ａの上部で、スピンドル３ｂの周囲には合成樹脂
等の非磁性部材によって円板状に形成されたディスクテ
ーブル４が一体で、同心円形状に結合されていて、スピ
ンドル３ｂはディスクテーブル４より上方に突出されて
いる。そして、リング状に形成されたチャッキング用マ
グネット５がスピンドル３ｂの外周位置で、ディスクテ
ーブル４の厚み内に埋設されている。なお、スピンドル
モータ３は、図示省略した光学ピックアップと共に、ユ
ニットベース６上に搭載されていて、このユニットベー
ス６は後部等に配置されている回転部７を中心に上下方
向である矢印ｂ、ｂ′方向にスイング運動によって昇降
駆動されるように構成されている。

【００１７】次に、通常チャッキングプーリと称される
チャッキング部材１１は板厚が薄い板金等の磁性部材で
円板状に形成されたものであり、このチャッキング部材
１１は約１ｇ程度の軽量部材に構成されている。そし
て、このチャッキング部材１１の中央部の下部には円錐
台形状部１１ａが同心円形状に打出し加工されていて、
その円錐台形状部１１ａの中心には中心円筒部１１ｂが
上方に垂直状に折り返されるように打出し加工されてい
る。そして、その中心円筒部１１ｂの内周が中心孔１１
ｃに形成されていて、円錐台形状部１１ａの外周が中心
孔１１ｃと同心円形状に形成され、かつ、斜め下向きの
テーパー面１１ｄに形成されている。そして、このチャ
ッキング部材１１の外周部分１１ｅの最外周には上方に
打出し加工された小幅Ｗの外周リブ１１ｆが形成されて
いる。なお、円錐台形状部１１ａの下端（テーパー面１
１ｄの下端）である最小直径Ｄ１はディスクＤの中心孔
Ｄａの直径Ｄ３より小さく構成されていて、この円錐台
形状部１１ａの上端（テーパー面１１ｄの上端）である
最大直径Ｄ２はディスクＤの中心孔Ｄａの直径Ｄ３より
大きく構成されている。（Ｄ１＜Ｄ３＜Ｄ２）

【００１８】そして、チャッキング部材１１を上方から
支持する上部支持部材がディスクドライブ装置１の磁性
部材で構成された上カバー１ａで兼用されていて、その
上カバー１ａの下面にはチャッキング部材１１を位置決
めする円筒状のセンターリング部１３が下方に垂直状に
打出し加工されている。なお、このセンターリング部１
３は金属製や合成樹脂製等の円柱等を上カバー１ａの下
面に加締めや溶着等にて垂直状に固着したものでも良
く、更に、図１に１点鎖線で示すように、上カバー１ａ
の下面に形成又は固着されて、チャッキング部材１１の
外周を位置決めするリング状のセンターリング部１３で
あっても良い。

【００１９】そして、スピンドルモータ３のスピンドル
３ｂの直径Ｄ４とチャッキング部材１１の中心孔１１ｃ
の直径Ｄ５がほぼ同寸法に構成されていて、センターリ
ング部１３の直径Ｄ６はチャッキング部材１１の中心孔
１１ｃの直径Ｄ５より小さく構成されている。（Ｄ４≦
Ｄ５、Ｄ５＞Ｄ６）そして、スピンドルモータ３の直径
公差＝８μｍ、中心孔１２の直径公差＝８μｍに構成さ
れていて、後述するように、中心孔１２がスピンドル３
ｂに上方から嵌合（挿入）された時のスピンドル３ｂに
対する中心孔１２の最大偏心量は、１６／２＝８μｍ程
度の極めて小さい値となるように構成されている。

【００２０】そして、チャッキング部材１１の円錐台形
状部１１ａの上部に形成されている円錐台形状の凹部１
１ｇ内で、中心円筒部１１ｂの外周位置にリング状の引
上げ用マグネット１５が接着等にて同心円形状に固着さ
れている。但し、この引上げ用マグネット１５の磁気吸
引力は、スピンドルモータ３のディスクテーブル４に埋
設されているチャッキング用マグネット５の磁気吸引力
に比べて十分に弱く設定され、かつ、重さが約１ｇ程度
の非常に軽く構成されていて、この引上げ用マグネット
１５はゴムマグネット等が使用されている。なお、この
引上げ用マグネット１５は上カバー１ａの下面で、中心
ガイド１２の外周に同心円形状に接着等にて固着したも
のでも良い。

【００２１】ここで、ディスクチャッキング装置２の動
作を説明すると、まず、図１及び図３に示すように、チ
ャッキング解除状態では、図示省略したスピンドルモー
タ昇降機構によってスピンドルモータ３が下降位置まで
矢印ｂ′方向に下降されていることから、チャッキング
部材１１はチャッキング用マグネット５の強い磁気吸引
力を殆んど或いは全く受けることがない。従って、チャ
ッキング部材１１は専ら引上げ用マグネット１５の弱い
磁気吸引力によって矢印ｃ′方向に引き上げられて、そ
の中心孔１１ｃが上カバー１ａのセンターリング部１３
の外周に遊びを有する状態に下方から挿入されて、チャ
ッキング部材１１がスピンドルモータ３のスピンドル３
ｂの上方位置に位置決めされ、かつ、チャッキング部材
１１が外周リブ１１ｆの小幅Ｗの小面積部分で下カバー
１ｂの下面に当接されている。

【００２２】次に、図２及び図４に示すように、図示省
略したディスクトレーによってディスクＤがローディン
グ位置Ｐへ矢印ａ方向から水平にローディングされた
後、図示省略したスピンドルモータ昇降機構によってス
ピンドルモータ３が図１及び図３の下降位置から図２及
び図４の上昇位置まで矢印ｂ方向に上昇されると、ディ
スクテーブル４によってディスクＤがディスクトレーの
上方に水平に押し上げられて、チャッキング用マグネッ
ト５がチャッキング部材１１に下方から接近する。する
と、チャッキング用マグネット５の強い磁気吸引力が引
上げ用マグネット１５の弱い磁気吸引力に打ち勝つ状態
になる。

【００２３】従って、上カバー３ａの下面に小幅Ｗの小
面積で当接されているチャッキング用部材１１がチャッ
キング用マグネット５の強い磁気吸引力によって、引上
げ用マグネット１５の弱い磁気吸引力に抗して下方であ
る矢印ｃ方向に引き下げられることになる。そして、チ
ャッキング部材１１の中心孔１１ｃが上カバー３のセン
ターリング部１３で案内されながら、その中心孔１１ｃ
がセンターリング部１３から下方に抜き取られる一方、
その中心孔１１ｃがスピンドルモータ３のスピンドル３
ｂの外周に遊びがない状態に上方から矢印ｃ方向に精度
良く係合されて、スピンドル３ｂに対するチャッキング
部材１１の高精度のセンターリングが行われる。即ち、
チャッキング部材１１の中心円筒部１１ｂの上端がセン
ターリング部１３の下端より下方に抜き取られる前に、
その中心円筒部１１ｂの下端がスピンドル３ｂに上方か
ら挿入されることになる。

【００２４】しかも、この時、チャッキング部材１１の
下向きの円錐台形状部１１ａがディスクＤの中心孔Ｄａ
内に上下から矢印ｃ方向に挿入されて、その円錐台形状
部１１ａの外周のテーパー面１１ｄがディスクＤの中心
孔Ｄａの上側エッジＤｂに矢印ｃ方向から圧着される。
そして、図２に示すように、その円錐台形状部１１ａの
下面とディスクテーブル４の上面との間所定寸の隙間Ｇ
１が形成されると共に、中心円筒部１１ｂの上端とセン
ターリング部１３の下端との間にも所定寸法の隙間Ｇ２
が形成される。従って、そのテーパー面１１ｄによって
ディスクＤがスピンドル３ｂに対して高精度にセンター
リングされた状態で、ディスクテーブル４上に水平に圧
着されて固定される。

【００２５】これにより、このチャッキング状態では、
ディスクＤ及びチャッキング部材１１の両方がスピンド
ルモータ３のスピンドル３ｂに対して高精度にセンター
リングされ、これらディスクＤ及びチャッキング部材１
１のスピンドル３ｂに対する偏心は全く発生しない。つ
まり、ディスクＤの中心孔Ｄａ直径の規格値（公差）φ
＝１５±０．１／ｍｍが存在するが、この規格値の有無
に拘らず、ディスクＤがスピンドル３ｂに高精度にセン
ターリングされることになる。

【００２６】従って、このディスクチャッキング後にデ
ィスクＤがスピンドルモータ３によって一定速度で回転
駆動され、光学ピックアップ等のピックアップ手段によ
ってデータがディスクＤに記録及び／又は再生される際
に、ディスクＤ及びチャッキング部材１１の偏心荷重に
よってディスクＤに振動が発生する不都合が全くなく、
高密度のデータをディスクＤに高精度に記録及び／又は
再生することができる。なお、中心円筒部１１ｂとセン
ターリング部１３との間に隙間Ｇ１が形成されているの
で、スピンドルモータ３によるディスクＤの回転駆動中
にこれら中心円筒部１１ｂとセンターリング部１３が接
触される危険は全くない。

【００２７】ところで、この本発明のディスクドライブ
装置１は、チャッキング解除時に、引上げ用マグネット
１５によってチャッキング部材１１を上カバー１ａの下
面に当接する位置まで矢印ｃ′方向に引き上げるように
構成し、その引上げ用マグネット１５をチャッキング部
材１１の円錐台形状の凹部１１ｇ内に配置したことによ
って、上カバー１ａの下部におけるチャッキング部材１
１の収納スペースの高さＴ２を図５及び図６で示した従
来の原型のディスクドライブ装置に比べて著しく小さく
構成することができて、本発明のディスクドライブ装置
１の全体の厚みＴ１を１／２インチ（１２．７ｍｍ）の
超薄型に構成することができた。

【００２８】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明は上記した実施の形態に限定されることな
く、本発明の技術的思想に基づいて各種の変更が可能で
ある。

【００２９】

【発明の効果】以上のように構成された本発明のディス
クドライブ装置は、次のような効果を奏することができ
る。請求項１は、チャッキング部材がチャッキング用マ
グネットの磁気吸引力によってディスクをディスクテー
ブル上にチャッキングした時に、そのチャッキング部材
の中心孔がスピンドルモータのスピンドルの外周に上方
から精度良く係合されて、スピンドルに対するチャッキ
ング部材の高精度のセンターリングが行われるように
し、チャッキング部材の中心孔の外周位置に同心円形状
に形成されている下向きのテーパー面がディスクの中心
孔の上側エッジに上方から圧着されて、ディスクがスピ
ンドルモータのスピンドルに対して高精度にセンターリ
ングされた状態で、ディスクテーブル上に圧着されて固
定されるように構成したので、ディスクの中心孔の公差
に拘らず、ディスクをチャッキング部材を介してスピン
ドルモータのスピンドルに高精度にセンターリングする
ことができて、ディスクへのデータの記録及び／又は再
生時に、スピンドルモータによって回転駆動されるディ
スクに偏心荷重による振動が全く発生せず、ディスクに
高密度のデータを高精度に記録及び／又は再生すること
ができる。

【００３０】請求項２は、チャッキング解除状態では、
チャッキング部材の中心孔をそのチャッキング部材の上
部に配置されている上部支持部材のセンターリング部に
下方から係合されて、チャッキング部材がスピンドルモ
ータのスピンドルの上方位置に位置決めされるように
し、チャッキング時には、チャッキング部材がチャッキ
ング用マグネットによって上部支持部材のセンターリン
グ部から下方に離脱されると共に、チャッキング部材の
中心孔がスピンドルモータのスピンドルに上方から精度
良く係合されて、スピンドルに対するチャッキング部材
の高精度のセンターリングが行われるように構成したの
で、チャッキング時に、チャッキング部材をセンターリ
ングガイドによって案内しながら、そのチャッキング部
材の中心孔をスピンドルモータのスピンドルに上方から
スムーズに係合させることができて、チャッキングミス
が全く発生しない。そして、ディスクへのデータの記録
及び／又は再生時に、スピンドルモータによってディス
クと一体に回転駆動されるチャッキング部材の偏心荷重
による振動が全く発生せず、ディスクに高密度のデータ
を高精度に記録及び／又は再生することができる。

【００３１】請求項３は、請求項２のディスクドライブ
装置において、チャッキング部材の中心孔の外周位置に
同心円形状に形成されて、ディスクの中心孔内に上方か
ら挿入されて、そのディスクの中心孔の上側エッジに上
方から圧着される下向きのテーパー面を設けたので、チ
ャッキング時に、ディスクの中心孔の公差に拘らず、デ
ィスクをスピンドルモータのスピンドルにチャッキング
部材を介して高精度にセンターリングすることができ
る。

【００３２】請求項４は、請求項２のディスクドライブ
装置において、チャッキング部材又は磁性材料で構成さ
れた上部支持部材に固着され、かつ、チャッキング用マ
グネットの磁気吸引力よりも弱い磁気吸引力を有する引
上げ用マグネットであって、チャッキング部材によるデ
ィスクのチャッキング解除時には、チャッキング部材を
スピンドルより上方位置に引き上げておき、チャッキン
グ部材によるディスクのチャッキング時には、チャッキ
ング部材をチャッキング用マグネットの磁気吸引力によ
って下方へ離脱させる引上げ用マグネットを設けたの
で、チャッキング部材の収納スペースの高さを著しく対
策構成することができて、１／２ハイト等の超薄型のデ
ィスクドライブ装置を容易に製造することができる。ま
た、チャッキング部材を引上げ用マグネットの磁気吸引
力によって引き上げておくことができるので、ディスク
のローディング及びアンローディング中に、チャッキン
グ部材がディスクの上面に接触して、ディスクの上面を
傷つけることがなく、安全性が非常に高い。

【図面の簡単な説明】

【図１】 本発明を適用したディスクドライブ装置のデ
ィスクチャッキング装置を拡大して示したチャッキング
解除状態の断面側面図である。

【図２】 同上のディスクチャッキング装置を拡大して
示したチャッキング状態の断面側面図である。

【図３】 本発明を適用したディスクドライブ装置のデ
ィスクチャッキング装置を説明するチャッキング解除状
態の概略断面側面図である。

【図４】 本発明を適用したディスクドライブ装置のデ
ィスクチャッキング装置を説明するチャッキング状態の
概略断面側面図である。

【図５】 従来の原型のディスクドライブ装置のディス
クチャッキング装置を説明するチャッキング解除状態の
断面側面図である。

【図６】 図５のディスクチャッキング装置のチャッキ
ング状態を説明する断面側面図である。

【図７】 従来の超薄型のスロットローディング方式の
ディスクドライブ装置を説明する斜視図である。

【符号の説明】

１はディスクドライブ装置、１ａは上部支持部材を兼用
している上カバー、２はディスクチャッキング装置、３
はスピンドルモータ、３ｂはスピンドル、４はディスク
テーブル、５はチャッキング用マグネット、１１はチャ
ッキング部材、１１ａは円錐台形状部、１１ｂは中心円
筒部、１１ｃは中心孔、１１ｄはテーパー面、１１ｅは
外周部、１１ｆは外周リブ、１１ｇは凹部、１５は引上
げ用マグネットである。

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【手続補正書】

【提出日】平成１３年１１月２８日（２００１．１１．
２８）

【手続補正１】

【補正対象書類名】明細書

【補正対象項目名】００１８

【補正方法】変更

【補正内容】

【００１８】そして、チャッキング部材１１を上方から
支持する上部支持部材がディスクドライブ装置１の磁性
部材で構成された上カバー１ａで兼用されていて、その
上カバー１ａの下面にはチャッキング部材１１を位置決
めする円筒状のセンターリング部１３が下方に垂直状に
打出し加工されている。なお、このセンターリング部１
３は金属製や合成樹脂製等の円柱等を上カバー１ａの下
面に加締めや溶着等にて垂直状に固着したものでも良
く、更に、図１及び図２に１点鎖線で示すように、上カ
バー１ａの下面に形成又は固着されて、チャッキング部
材１１の外周を位置決めするリング状のセンターリング
部１３であっても良い。

【手続補正２】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図１

【補正方法】変更

【補正内容】

【図１】

【手続補正３】

【補正対象書類名】図面

【補正対象項目名】図２

【補正方法】変更

【補正内容】

【図２】

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】スピンドルモータのディスクテーブルに埋
   設されたチャッキング用マグネットと、 磁性材料で構成されて、前記ディスクテーブルの上方位
   置に配置されたチャッキング部材とを備え、 前記ディスクテーブル上に装着されたディスクを前記チ
   ャッキング用マグネットの磁気吸引力によって前記ディ
   スクテーブル上に吸引された前記チャッキング部材によ
   って前記ディスクテーブル上にチャッキングするディス
   クドライブ装置において、 前記スピンドルモータのスピンドルを前記ディスクテー
   ブルより上方に突出させ、 前記チャッキング部材が前記チャッキング用マグネット
   の磁気吸引力によって前記ディスクテーブル上に吸引さ
   れた時に、前記スピンドルの外周に上方から精度良く係
   合されるように、そのチャッキング部材の中心に形成さ
   れた中心孔と、 前記チャッキング部材が前記チャッキング用マグネット
   の磁気吸引力によって前記ディスクテーブル上に吸引さ
   れた時に、前記ディスクの中心孔内に上方から挿入され
   て、その中心孔内に上方から挿入されて、その中心孔の
   上側エッジに上方から圧着されるように、そのチャッキ
   ング部材の前記中心孔の外周位置に同心円形状に形成さ
   れた下向きのテーパー面とを備えたことを特徴とするデ
   ィスクドライブ装置。
2. 【請求項２】スピンドルモータのディスクテーブルに埋
   設されたチャッキング用マグネットと、 磁性材料で構成されて、前記ディスクテーブルの上方位
   置に配置されたチャッキング部材とを備え、 前記ディスクテーブル上に装着されたディスクを前記チ
   ャッキング用マグネットの磁気吸引力によって前記ディ
   スクテーブル上に吸引された前記チャッキング部材によ
   って前記ディスクテーブル上にチャッキングするディス
   クドライブ装置において、 前記スピンドルモータのスピンドルを前記ディスクテー
   ブルより上方に突出させ、 前記チャッキング部材が前記チャッキング用マグネット
   の磁気吸引力によって前記ディスクテーブル上に吸引さ
   れて、前記ディスクを前記ディスクテーブル上にチャッ
   キングした時に、前記スピンドルの外周に上方から精度
   良く係合されるように、そのチャッキング部材の中心に
   形成された中心孔と、 前記チャッキング部材の上方位置に配置された上部支持
   部材に形成されて、前記チャッキング部材による前記デ
   ィスクのチャッキングが解除された時に、前記スピンド
   ルから相対的に上方に離脱された前記チャッキング部材
   が下方から係合されるセンターリング部を備えたことを
   特徴とするディスクドライブ装置。
3. 【請求項３】前記チャッキング部材の前記中心孔の外周
   位置に同心円形状に形成されて、前記ディスクの中心孔
   内に上方から挿入されて、そのディスクの中心孔の上側
   エッジに上方から圧着される下向きのテーパー面を備え
   たことを特徴とする請求項２に記載のディスクドライブ
   装置。
4. 【請求項４】前記チャッキング部材又は磁性材料で構成
   された前記上部支持部材に固着され、かつ、前記チャッ
   キング用マグネットの磁気吸引力よりも弱い磁気吸引力
   を有する引上げ用マグネットであって、前記チャッキン
   グ部材による前記ディスクのチャッキング解除時には、
   前記チャッキング部材を前記スピンドルより上方位置に
   引き上げておき、前記チャッキング部材による前記ディ
   スクのチャッキング時には、前記チャッキング部材を前
   記チャッキング用マグネットの磁気吸引力によって下方
   へ離脱させる引上げ用マグネットを備えたことを特徴と
   する請求項２に記載のディスクドライブ装置。