JP2003155598A - 電着塗装設備及び通電方法 - Google Patents

電着塗装設備及び通電方法

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JP2003155598A JP2001355044A JP2001355044A JP2003155598A JP 2003155598 A JP2003155598 A JP 2003155598A JP 2001355044 A JP2001355044 A JP 2001355044A JP 2001355044 A JP2001355044 A JP 2001355044A JP 2003155598 A JP2003155598 A JP 2003155598A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 タクト方式の電着塗装ラインのタクトアップ
時に、仕上がり性及びつきまわり性などの低下がないバ
ランスのとれた塗膜を得ること。 【解決手段】 自動車ボディを浸漬して塗装する際にそ
の車種を検知し、自動車ボディの車種に応じて電圧を調
整する車種検知器を有し、さらにバスバー装置が、入槽
用バスバー、移動用バスバー、出槽用バスバーを備えて
おり、リミッタースイッチによって電着塗装時の自動車
ボディの位置を把握し、自動車ボディに電圧の印加を、
入槽時に入槽用バスバーを通して、自動車ボディの槽内
の移動時に移動用バスバーを通して、自動車ボディの出
槽時には出槽用バスバーを通して行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車ボディなど
の下塗りに用いられているカチオン電着塗料の電着塗装
設備、及び通電方法の改良に関するものである。
【0002】
【従来技術及びその課題】従来から、電着塗装設備は、
自動車ボディの電着塗装設備は、特開平11−3501
94号公報に示されるように、台形状の電着槽に連続的
に被塗物を浸漬して、陰極であるバスバーから搬送用の
ハンガーに設置した集電子を通して自動車ボディに電圧
を印加して電着塗装がなされるもの。
【0003】他に、図1に示されるように、箱状の電着
槽に被塗物が上下昇降して、陰極であるバスバーから搬
送用のハンガーに設置した集電子を通して自動車ボディ
に電圧を印加して電着塗装がなされるタクト方式の電着
塗装設備がある。
【0004】最近の傾向として自動車ボディの塗装ライ
ンは、生産性の向上を目的として、種々の塗装面積の自
動車ボディを同一のラインで塗装する混載塗装が行われ
てきたり、生産稼動時間が、例えば、昼夜2〜3直であ
ったのが昼1直となることによって作業時間が短縮した
為、自動車ボディの塗装生産台数を上げるためにコンベ
ア速度を上げることがある。
【0005】図4に従来の塗装設備、及び通電状態を示
す。図4における4A図は自動車ボディの状態を示し、
4B図は現状のタクト(注)270秒/台、及び4C図
はタクトアップを行った場合でタクト180秒/台の通
電状態図である。
【0006】(注)タクト:被塗物である自動車ボディ
は、ハンガーに乗せられて塗装ラインを移動するが、あ
る一定箇所をハンガーが通過してから、後続のハンガー
が同じところを通過するまでに要する時間を言う。即
ち、コンベア速度を速くするとタクトは短くなる。
【0007】ここで従来のタクト270秒/台では、電
着に要する時間である通電時間が210秒確保できた為
に、GA材(合金化溶融亜鉛メッキ鋼板)の塗装性やつ
きまわり性が良好であるバランスのとれた仕上がり性で
あった。
【0008】しかしタクト180秒/台になると通電時
間が150秒に短縮されるため、4B図に示される第1
段目の塗装電圧Aボルト、及び第2段目の塗装電圧Bボ
ルトから電圧を上げなくては(例えば、αボルト)、膜
厚やつきまわり性の低下がみられる。しかし電圧を上げ
たことによりGA材(合金化溶融亜鉛メッキ鋼板)にス
パークが発生し、それが塗膜を焼き付けた後にピンホー
ルとなり仕上がり性が低下する問題点が生じる。
【0009】そこで塗装時間を少しでも長くするため
に、タクト方式の電着塗装設備において、従来では自動
車ボディが電着槽内に全没するまでは電圧が印加されな
かった通電方法(全没通電方法)を、通電しながら入槽
する通電方法(通電入槽方法)に変えることが考えられ
るが、この場合は入槽時における段付き、肌荒れなどが
発生し、生産ラインに適用するには困難であった。
【0010】
【課題を解決するための手段】そこで本発明者らは、現
状のタクト生産方式の電着塗装ラインにおいて、上記問
題点を解消するために鋭意検討した結果、図2に示すよ
うに3箇所のバスバー、搬送用ハンガーには2箇所の集
電子、2箇所のリミッタースイッチ、及び車種検知器の
設置により、タクトアップ時(例えば、270秒/台→
180秒/台)においても、電着槽内において通電時間
を確保することができ、仕上がり性、膜厚、つきまわり
性(自動車ボディの内板面や袋部など、一般的に電着塗
膜が付きにくい部位に電着塗装される塗料の性能)が良
好なバランスのとれた自動車ボディを得ることができ、
本発明を完成するに至った。
【0011】本発明に従うと、電源と、電着塗料を収容
し、該電源に電気的に接続された電極を有する電着槽
と、自動車ボディを吊下げるハンガーと、該ハンガーを
搬送する搬送装置と、該電源に接続され、該搬送装置に
設けられたバスバー装置と、該バスバー装置に電気的に
接続可能な、該ハンガーに設けられた集電子とを具備
し、該バスバー装置と該集電子との電気的な接続によっ
て、該ハンガーに吊下げられた自動車ボディと該電着槽
の該電極との間に電圧を印加して、自動車ボテイを電着
塗装する電着塗装設備において、自動車ボディの車種を
検知し、車種に応じた車種信号を生成する車種検知器
と、自動車ボディの位置を検知し、自動車ボディの位置
に応じた位置信号を生成する位置検知器と、該車種検知
器と該位置検知器と該電源とに電気的に接続されてお
り、上記車種信号及び上記位置信号に従って、該電源か
ら供給される電圧を制御する制御装置とを具備し、該搬
送装置が、該電着槽内に入槽せるために、該ハンガーに
吊るされた自動車ボテイを降下せしめる入槽装置と、該
電着槽内において該ハンガーに吊るされた自動車ボテイ
を移動せしめるための移動装置と、該電着槽内から出槽
せるために、該ハンガーに吊るされた自動車ボテイを上
昇せしめる出槽装置とを備えており、搬送装置に設けら
れたバスバー装置が、該入槽装置に設けられた入槽用バ
スバーと、該移動装置に設けられた移動用バスバーと、
該出槽装置に設けられた出槽用バスバーとを備えている
ことを特徴とする電着塗装設備が提供される。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の電着塗装設備は、図1及
び2に示したとおり、電源(25、26)と、電着塗料
を収容し、該電源(25、26)に電気的に接続された
電極(19)を有する電着槽(18)と、自動車ボディ
(11)を吊下げるハンガー(17)と、該ハンガー
(17)を搬送する搬送装置(50)と、該電源(2
5、26)に接続され、該搬送装置(50)に設けられ
たバスバー装置(12、13、14)と、該バスバー装
置(12、13、14)に電気的に接続可能な、該ハン
ガー(17)に設けられた集電子(15、16)とを具
備し、該バスバー装置(12、13、14)と該集電子
(15、16)との電気的な接続によって、該ハンガー
(17)に吊下げられた自動車ボディ(11)と該電着
槽(18)の該電極(19)との間に電圧を印加して、
自動車ボテイ(11)を電着塗装する。
【0013】本発明は、特に、図1に示されるようなタ
クト方式の電着塗装設備、及び通電方法の改良に関し、
詳しくは、自動車ボディの生産時のコンベア速度を上げ
た場合(以下、「タクトアップ」と称する場合があ
る。)において、従来と同等の通電時間を確保でき、そ
のことによりGA材などの防錆鋼板でピンホールやブツ
の発生がなく、ロッカー部やピラー部などの袋部におい
てつきまわり性が良好な塗膜を得ることができる電着塗
装設備、及び通電方法である。
【0014】ここでバスバーに関する発明として、入槽
バスバー、メインバスバー、出槽バスバーに分割された
バスバーへの通電状態を電気回路によって調整し、連続
電着塗装を自動車ボディが全没された状態で行うことに
より、塗膜の仕上がり性を改良できる発明がある。この
発明の従来技術に、全没して静止状態で電着塗装を行い
生産性が劣るバッチ式の方法(「タクト方式」と呼ぶ場
合がある)がある(特開平11−350194号公報参
照)。
【0015】本発明においては、電着槽へ被塗物の上下
動により入出槽を行うタクト方式であるが、電着槽内に
は自動車ボディが2台浸漬できる設備を有しており、以
下のような塗装パターン「入槽時に半没状態での電着塗
装−静止状態による電着塗装−電着槽内の移動状態での
電着塗装−静止状態による電着塗装−出槽時に半没状態
までの電着塗装」により、連続電着塗装が可能なタクト
方式の電着塗装設備である。
【0016】ここで本発明の特徴として、2台の自動車
ボディが並行に隣接した状態で電着塗装されるタクト方
式の連続電着装置で、自動車ボディの電着槽内の移動時
に電圧を印加して電着塗装を行うこと、かつ入槽時には
自動車ボディが半没状態(例えば、ピラーやルーフが液
面から出た状態)で通電を開始し、出槽時には自動車ボ
ディが半没状態(例えば、ピラーやルーフが液面から出
た状態)まで可能し、かつ車種検知とリミッターにより
印加タイミングを調整することによって仕上がり性が良
好な塗膜をタクト方式の電着塗装設備で得る。
【0017】即ち、上記塗装設備によりタクトアップ時
(例えば270秒/台→180秒/台)に従来と同等
か、またはそれ以上のバランスのとれた仕上がり性を確
保した上での生産性を得ることは、従来からの技術では
容易に至らなかったことである。
【0018】本発明に用いた電着塗装設備であるが、ま
ず図1のように、冷延鋼板やGA材などの鋼板をプレス
成形した自動車ボディ(11)が、脱脂、りん酸亜鉛な
どの化成処理を施した後、電着塗装を行うためにハンガ
ー(17)に載せられて搬送される。
【0019】さらにハンガー(17)には、集電子(1
5)及び集電子(16)の2箇所の集電子を有し、集電
子を通じてバスバー装置から電圧(V)が印加され、電
着槽(18)に浸漬した自動車ボディ(11)に電着塗
装され、析出した塗膜を焼き付け乾燥することによって
塗膜が形成される。
【0020】バスバー装置は3つに分割されており、自
動車ボディ(11)の入槽時にはハンガーに取り付けた
集電子(16)が入槽用バスバー(12)を通じて集電
し、電着槽内の移動には集電子(15)が移動用バスバ
ー(13)から集電し、出槽時には集電子(16)が出
槽用バスバー(14)から集電するように設置されてい
る。
【0021】即ち、搬送装置(50)が、電着槽(1
8)内に入槽せるために、ハンガー(17)に吊るされ
た自動車ボテイ(11)を降下せしめる入槽装置(5
1)と、電着槽(18)内においてハンガー(17)に
吊るされた自動車ボテイを移動せしめるための移動装置
(52)と、電着槽(18)内から出槽せるために、該
ハンガー(17)に吊るされた自動車ボテイ(11)を
上昇せしめる出槽装置(52)とを備えており、バスバ
ー装置(12、13、14)が、入槽装置(51)に設
けられた入槽用バスバー(12)と、移動装置(52)
に設けられた移動用バスバー(13)と、出槽装置(5
3)に設けられた出槽用バスバーと(14)を備えてい
る。
【0022】従来では、タクト方式の電着槽において複
数のバスバーを隣接して設置し、電気を集電する集電子
をハンガーに2箇所につけ、かつ浸漬時の自動車ボディ
の揺動(泡抜きのためにボディを揺らすこと)や移動時
にはハンガーが揺れることから集電するタイミングや集
電状態が困難であることから、集電子を2箇所つけるな
どは容易には思い付かなかったことである。かかること
を可能にしたのは、車種検知器とリミッターによる印加
タイミングの調整によるところと考える。
【0023】ここで車種の異なる自動車ボディを同一の
ラインで塗装する混載ラインにおいて、自動車ボディの
車種を検知するセンサーをつけ、何枚かある極板への通
電を調整して自動車ボディの車種に応じた膜厚を調整す
る発明として特開平4−32157号公報がある。
【0024】しかし、本発明は、図2で示されるように
自動車ボディの車種を検知する光電管(21)、車種を
検知する光電管に対応した判別装置(22)、自動車ボ
ディの入槽時に位置を把握して電圧(V)を印加するリ
ミットスィッチ(23)、自動車ボディの槽内移動時に
位置を把握して電圧(V)を印加するリミットスィッチ
(24)を有し、自動車ボディの車種と位置に応じて、
1段目の整流器(25)、2段目の整流器(26)、の
印加タイミングと電圧(V)の電圧値を調整できるもの
である。
【0025】本発明の電着塗装設備は、自動車ボディ
(11)の車種を検知し、車種に応じた車種信号を生成
する車種検知器(30)と、自動車ボディ(11)の位
置を検知し、自動車ボディ(11)の位置に応じた位置
信号を生成する位置検知器(23、24)と、該車種検
知器(30)と該位置検知器(23、24)と該電源
(25、26)とに電気的に接続されており、上記車種
信号及び上記位置信号に従って、該電源(25、26)
から供給される電圧を制御する制御装置(27、28)
とを具備する。上記光電管(21)及び判別装置(2
2)が、車種検知器(30)を構成し、リミットスイッ
チ(23、24)が、位置検知器を構成する。
【0026】詳しくは、リミットスィッチ(24)は、
自動車ボディ(11)が移動用のバスバー(13)に乗
り移るタイミングを感知するものであり、陰極側として
3つのバスバーを有すること、自動車ボディの搬送用ハ
ンガーは2つの集電子と併せて、タクトアップ時の通電
方法の改良に寄与するものである。
【0027】図3は、上記内容の電着塗装設備による自
動車ボディの電着塗装におけるモデル図を示す。
【0028】3A図は自動車ボディの状態を示し、3B
図は通電状態図である。自動車ボディは、3A図に示さ
れるように車種検知器(30)を通過することによって
車種毎に電圧値を調整することができる。
【0029】ここで、3A図(31)の状態が、3B図
の(31)に対応する。以下、3A図の番号(32)〜
(36)が、3B図の(32)〜(36)に対応する。
【0030】ここで(31)から(32)が第1段目の
整流器によって通電され、(33)〜(36)までの間
が第2段目の整流器によって印加される。従来は、この
整流器の乗り継ぎ時間に要する、即ち、電圧が0ボルト
になる時間が35秒であったが、本発明により10秒以
下に短縮することができた。
【0031】工程において説明する。 (31)の状態
(入槽時)であるが、ここは図2の(23)のリミッタ
ーによ自動車ボディの位置を把握しており、1/2Aボ
ルトまで昇圧する。(32)の状態(槽内下部に静止)
した状態で、さらに1/2Aボルトを昇圧してAボルト
を維持する。
【0032】次に10秒間の印加する電圧(V)が0ボ
ルトの状態がある、ここで自動車ボディ(11)は図1
のバスバー(13)に乗り移り、図2のリミッター(2
4)を通過した時に第2段目の整流器が印加し、(3
3)、(34)の状態で自動車ボディ(11)の上昇
時、及び槽内移動時にBボルトまで昇圧する。(35)
の状態(槽内下部に静止)した状態でBボルトを維持し
たまま電着塗装を行い、(36)の状態(出槽による上
昇)でBボルトを維持したまま、自動車ボディ(11)
のルーフかピラーの一部が出槽したときに電圧(V)の
印加を終了する。
【0033】図3の各工程は下記のとおりである。
【0034】30.車種検知器(E)において車種を検
知する光電管に対応した判別装置 31.40秒間 0ボルトを維持した後 → 15秒間で
1/2Aボルトに上昇 32.15秒間で1/2Aボルト → Aボルトに上昇
し、75秒間 Aボルトを維持する 33.34.10秒間 0ボルトを維持した後 → Bボ
ルトに上昇し、12秒間 Bボルトを維持する 35.61秒間 Bボルトを維持 36.22秒間 Bボルト → 72秒間 0ボルト 図4の各工程は下記のとおりである。
【0035】41.0ボルト 42.30秒間で0ボルト → Aボルト に上昇し、9
0秒間 Aボルトを維持 43.44.45.電圧の印加が35秒間 0ボルトで
ある。
【0036】46.10秒間で0ボルト → Bボルト
に上昇し、80秒間 Bボルトを維持出槽時の状態を示
す。
【0037】
【発明の効果】2台の自動車ボディが並行に隣接した状
態で電着塗装されるタクト方式の連続電着装置におい
て、1.自動車ボディの車種を感知する車種検知を有す
ること。2.電圧の印加タイミングを調整するリミッタ
ーを2箇所以上有すること。3.入槽用バスバーと移動
用バスバーと出槽用バスバーの複数のバスバーを有し、
それに対応する集電子を2箇所以上搬送用ハンガーに設
置する。以上の組み合わせによって、入槽時には自動車
ボディが半没状態(例えば、ピラーやルーフが液面から
出た状態)で通電を開始し、自動車ボディの電着槽内の
移動時に電圧を印加して電着塗装を行うこと、出槽時に
は自動車ボディが半没状態(例えば、ピラーやルーフが
液面から出た状態)まで電着塗装を行うことによって、
塗装ラインのタクトアップ時においても通電時間を確保
できる。ここで2台の整流器による印加を自動車ボディ
が乗り移る際の未電着時間を10秒以下にすることがで
きたことによるものと考える。
【0038】従来ではタクトアップを行った場合、通電
時間が短縮される為に自動車ボディの膜厚やつきまわり
性を確保するために塗装電圧を上げて対応を図っていた
が、そのことによってGA材のピンホール発生や塗膜破
壊により仕上がり性の低下を招くことがあった。
【0039】しかし本発明により電着塗装通電時間が確
保できたため、塗装電圧を従来と同等かそれ以下の塗装
電圧で、GA材の仕上がり性、及び一般面の仕上がり
性、つきまわり性が良好な塗面が得られ、塗装時の電気
使用量を削減できるため省エネルギーにも寄与する。
【0040】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳細に
説明する。本発明はこれによって限定されるものではな
い。尚、「部」及び「%」は「重量部」及び「重量%」
を示す。
【0041】実施例1 タクト方式の電着塗装ラインにおいてリミットスイッチ
(23)、車種検知器(30)を取り付けて、自動車ボ
ディ(11)の車種に応じて電圧(V)を調整するよう
にした。さらに入出槽時に対応する入槽用バスバー(1
2)及び出槽用バスバー(14)の他に、自動車ボディ
が槽内を移動時にも電着塗装ができるように移動用バス
バー(14)を設置し、さらに搬送用のハンガーにはバ
スバー(12、13、14)から集電できるように集電
子(15、16)を設置し、さらに自動車ボディ(1
1)が移動用バスバー(13)に移動したことを検知で
きるようにリミットスイッチ(24)を設置した。
【0042】従来からのタクト方式の塗装ラインに上記
のような設備を新たに設置し、自動車ボディをタクト1
80秒/台で塗装ラインで流した。
【0043】その時の電着条件は、浴温30℃、通電時
間210秒、第1段目の電圧は300V、第2段目の電
圧は390Vであった。第1段目の整流器と第2段目の
整流器の乗り継ぎ時に、未電着時間は10秒間であっ
た。そのときGA材適用部分においてもピンホールなど
の発生もなく、またつきまわり性も規格値を越えてい
た。
【0044】比較例1 従来からのタクト方式の電着塗装ラインにおいて、車種
検知器(30)、自動車ボディが槽内を移動時にも電着
塗装ができるように移動用バスバー(13)、搬送用の
ハンガーにはバスバー(13)から集電できるように集
電子(16)、リミッター(13)、リミッター(1
4)のない、従来からの設備において、表1に示される
塗装条件で電着塗装を行った。そのときGA材適用部分
にはピンホールなどの発生がみられ、またつきまわり性
も規格値を下回っていた。
【0045】比較例2、3 比較例1と同様に従来からのタクト方式の塗装ラインに
おいて、塗装条件、及塗装結果を表1に示す。
【0046】
【表1】
【0047】(注1)タクト時間:自動車ボディのハン
ガーが通過し、次のハンガーが通過するまでの時間。
【0048】(注2)槽内の未電着時間:電着槽内に自
動車ボディが浸漬している間に、印加している電圧が0
ボルトになる時間(秒) (注3)GA材仕上がり性:GA材を用いたドアにおい
てピンホールの発生状況をチェックした ○:ピンホールの発生がなく良好 △:ドア1枚につき、ピンホールの発生個数が1〜5個
の範囲 ×:ドア1枚につき、ピンホールの発生個数が6個以上 (注4)つきまわり性:冷延鋼板の試験板(厚さ0.8
mm×幅10mm×長さ700mm)を自動車ボディの
袋部(シル部、ロッカー部など)に挿入し、膜厚分布を
測定した。
【0049】 ○:最低膜厚が、規格値以上で良好 △:最低膜厚が、規格値より1〜3μm薄い ×:最低膜厚が、規格値より4μm以上薄い
【図面の簡単な説明】
【図1】タクト方式の通電方法におけるモデル図であ
る。
【図2】本発明における電気回路図を含めた設備であ
る。
【図3】本発明の設備を利用した、タクト180秒/台
での自動車ボディの位置(3A図)に対する、通電状態
(3B図)である。3A図、3B図ともに符号31〜3
6に対応する。
【図4】従来設備での、自動車ボディの位置(4A図)
に対する、タクト270秒/台での通電状態(4B
図)、タクト180秒/台での通電状態(4C図)及び
である。4A図、4B図、4C図ともに符号41〜47
に対応する。
【符号の説明】
11 自動車ボディ 12 入槽用バスバー 13 移動用バスバー 14 出槽用バスバー 15 移動用バスバー(13)に対応する集電子 16 入槽用バスバー(12)及び出槽用バスバー(1
3)に、対応する集電子 17 ハンガー 18 電着槽 19 電極 21 光電管 22 判別装置 23 リミットスイッチ 24 リミットスイッチ 25 1段目の整流器 26 2段目の整流器 27 制御装置 28 制御装置 30 車種検知機 50 搬送装置 51 入槽装置 52 移動装置 53 出槽装置
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清水 光俊 静岡県浜松市高塚町300番地スズキ株式会 社内 (72)発明者 山口 一成 静岡県浜松市高塚町300番地スズキ株式会 社内 (72)発明者 助川 次郎 愛知県西加茂郡三好町大字莇生字平地1番 地 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 片岡 晴彦 愛知県西加茂郡三好町大字莇生字平地1番 地 関西ペイント株式会社内 (72)発明者 古川 秀範 愛知県西加茂郡三好町大字莇生字平地1番 地 関西ペイント株式会社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電源と、電着塗料を収容し、該電源に電
    気的に接続された電極を有する電着槽と、自動車ボディ
    を吊下げるハンガーと、該ハンガーを搬送する搬送装置
    と、該電源に接続され、該搬送装置に設けられたバスバ
    ー装置と、該バスバー装置に電気的に接続可能な、該ハ
    ンガーに設けられた集電子とを具備し、該バスバー装置
    と該集電子との電気的な接続によって、該ハンガーに吊
    下げられた自動車ボディと該電着槽の該電極との間に電
    圧を印加して、自動車ボテイを電着塗装する電着塗装設
    備において、 自動車ボディの車種を検知し、車種に応じた車種信号を
    生成する車種検知器と、自動車ボディの位置を検知し、
    自動車ボディの位置に応じた位置信号を生成する位置検
    知器と、該車種検知器と該位置検知器と該電源とに電気
    的に接続されており、上記車種信号及び上記位置信号に
    従って、該電源から供給される電圧を制御する制御装置
    とを具備し、 該搬送装置が、該電着槽内に入槽せるために、該ハンガ
    ーに吊るされた自動車ボテイを降下せしめる入槽装置
    と、該電着槽内において該ハンガーに吊るされた自動車
    ボテイを移動せしめるための移動装置と、該電着槽内か
    ら出槽せるために、該ハンガーに吊るされた自動車ボテ
    ィを上昇せしめる出槽装置とを備えており、 搬送装置に設けられたバスバー装置が、該入槽装置に設
    けられた入槽用バスバーと、該移動装置に設けられた移
    動用バスバーと、該出槽装置に設けられた出槽用バスバ
    ーとを備えていることを特徴とする電着塗装設備。
  2. 【請求項2】 該ハンガーに第1及び第2の集電子が設
    けられており、該第1の集電子が、該移動装置に設けら
    れた移動用バスバーに電気的に接続可能であり、該第2
    の集電子が、該入槽装置に設けられた入槽用バスバー、
    及び該出槽装置に設けられた出槽用バスバーとに電気的
    に接続可能である請求項1の電着塗装設備。
  3. 【請求項3】 該位置検知器が、自動車ボディの入槽を
    感知するリミッタースイッチと、自動車ボディの該移動
    用バスバーへの移動を感知するリミッタースイッチを備
    えている請求項1又は2項の電着塗装設備。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれか1項の電着塗
    装設備により、自動車ボディを電着槽内に浸漬している
    間、電圧が0ボルトとなる時間を10秒以下とすること
    を特徴とする通電方法。
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