JP2003155470A - ジョイントシート形成用組成物及びジョイントシート - Google Patents

ジョイントシート形成用組成物及びジョイントシート

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JP2003155470A JP2001356332A JP2001356332A JP2003155470A JP 2003155470 A JP2003155470 A JP 2003155470A JP 2001356332 A JP2001356332 A JP 2001356332A JP 2001356332 A JP2001356332 A JP 2001356332A JP 2003155470 A JP2003155470 A JP 2003155470A
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田 統 津
Katsuhiro Okugawa
川 克 弘 奥
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木 孝 典 鈴
Kazuya Nishimura
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野 倫 司 佐
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】耐熱性、耐蒸気性等に優れ、高温蒸気配管用と
して使用した場合にも柔軟性を失わず、割れが発生しな
いような非石綿系ジョイントシートを製造することがで
きるジョイントシート形成用組成物、該組成物からなる
上記性能を有するジョイントシートを提供する。 【解決手段】(i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)
ゴム薬品および(iv)充填材を含む組成物であって、上記
非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度150mlから8
00mlにフィブリル化されたポリパラフェニレンベン
ゾビスオキサゾール(PBO)繊維(イ-1)と必要によ
り無機繊維(ロ)とを含み、該フィブリル化PBO繊維
(イ-1)を3〜30重量%(但し、(i)、(ii)、(iii)、
(iv)の合計を100重量%)の量で含むジョイントシー
ト形成用組成物及び該組成物から成るジョイントシー
ト。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ジョイントシート
形成用組成物およびジョイントシートに関し、さらに詳
しくは、化学プラント、自動車、船舶、各種機器装置な
どの広範囲な分野において、ガスケットの基材として好
適に用いられる、耐熱性、耐蒸気性等に優れたジョイン
トシートを得ることができるジョイントシート形成用組
成物および該組成物からなるジョイントシートに関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来ジョイントシートとしては、石綿製
ジョイントシートが広く用いられてきた。この石綿ジョ
イントシートは、石綿を基材繊維とし、これに溶剤で膨
潤させた結合剤としてのNBR、SBR等のゴム、ゴム
薬品、充填剤をミキサー等にて充分に混練してジョイン
トシート形成用組成物(混練材料とも言う。)を調製
し、この組成物(混練材料)を、熱ロール(約140
℃)と冷却ロール(約20℃)とからなる一対のカレン
ダーロール間に挿入して加熱圧延し、ジョイントシート
形成用組成物を熱ロール側に積層させながら、溶剤の蒸
発及び加硫を行い、最後に熱ロールに積層されたシート
状物を剥離することによって製造されてきた。
【0003】このような石綿ジョイントシートは、基材
繊維として、高度にフィブリル化され、細く表面積の大
きな無機物の石綿(繊維)を50〜85重量%の割合で
含んでいるが、該繊維は、無機物でありながら非常に柔
軟性に富み、ジョイントシート中にあって、充分に分散
しながら互いに絡み合った状態となっており強度特に引
張強度に優れ、柔軟で圧縮性が良好でありシール性に優
れ、耐熱性、耐薬品性にも優れ、水、油、空気、蒸気等
の輸送管用、各種機器用のガスケットとして使用されて
きた。
【0004】しかしながら、石綿は天然鉱物であり、近
年に至って石綿資源の枯渇およびそれに伴なう採掘費及
び輸送費の高騰などもあり入手難の問題が生ずるととも
に、石綿の人体に対する悪影響も指摘され、石綿の使用
は再検討され始めている。このため石綿に代わる基材繊
維(非石綿系基材繊維)を用いてジョイントシートを製
造しようとする研究が盛んに行なわれている。
【0005】例えば、石綿の代替繊維として、ガラス繊
維、カーボン繊維、セラミック繊維などの無機繊維ある
いは芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維などの有
機繊維を用いることによって、ジョイントシートを製造
しようとする試みがなされている。
【0006】例えば、本願出願人は、特公平4-435
6号公報において、石綿以外の無機繊維および/または
有機繊維からなる基材繊維10〜80重量%と、ゴム材
10〜40重量%と、ゴム薬品および充填剤20〜80
重量%と、120℃以下の融点を有する高級脂肪酸エス
テル0.5〜10重量%とを混練し、得られたジョイン
トシート形成用組成物を熱ロールと冷却ロールとからな
る一対のロール間に挿入して加熱圧延し、熱ロール側に
シート状物を積層し、このシート状物を熱ロールから剥
離させるジョイントシートの製造方法を提案している。
【0007】また、特公平4-5053号公報におい
て、芳香族ポリアミド繊維またはフィブリル化した芳香
族ポリアミド繊維あるいはこの両者からなる基材繊維、
ゴム材、ゴム薬品、充填材およびポリオレフィン系重合
体を含んでなるジョイントシートを提案している。
【0008】これらのジョイントシート(ガスケット)
は、シール特性等に優れているが、用いられた基材繊維
が石綿以外の無機繊維や有機繊維であり、石綿と比較し
て繊維径が太く剛直であり、繊維同士の絡み合いが充分
でなく、その添加量も石綿のように50〜85重量%の
多量で添加することは、その用途等にも依るが、必ずし
も好適ではなく、引張強度の点では、従来の石綿ジョイ
ントシートに比べて劣るという問題点がある。
【0009】これらのジョイントシートを、例えば、管
体内部は高温蒸気と接し、管体外部は乾熱あるいは大気
などと接するような高温蒸気配管用として用いる場合、
該ジョイントシートは、その取付初期の段階ではフラン
ジの伸縮変化に追随して伸縮する。
【0010】しかしながら、長期間、配管ラインの運転
と停止とが繰り返され、例えば、配管内を通過する水蒸
気の影響や、水蒸気から鉄フランジを介して与えられる
高熱の影響などを受けた状態でフランジや配管が熱膨張
と収縮とを繰り返すうちに、ジョイントシート内のゴム
材が次第に劣化(硬化)し、ジョイントシートが柔軟性
を失って硬化し脆化すると共に、特に該シートが基材繊
維として有機繊維、特にフィブリル化した芳香族ポリア
ミド繊維(アラミド繊維)を含有する場合には、該繊維
が加水分解して補強材料としての機能の低下なども起こ
り、脆化し、強度低下が生ずる。
【0011】そして結果的には、フランジや配管の伸縮
変化に追随してジョイントシートが伸縮することができ
ずに、応力がジョイントシート外周部などに集中し、ガ
スケット強度を上回る引裂力を受けることにより応力集
中の大きなジョイントシートの外周部から内周側に向か
って亀裂(ガスケット割れ)が発生し、シール性も低下
するとの問題点があった。よって上記の如く従来の非石
綿系ジョイントシートは、極めて短時間に硬化してしま
い、その形状を保持できないなど、上記使用条件を必ず
しも充分には満たしていない。
【0012】このため、より耐熱性、耐蒸気性に優れた
非石綿系ジョイントシートの開発が望まれていた。本発
明者らは、このような非石綿系ジョイントシートの耐熱
性、耐蒸気特性等を向上させるべく鋭意研究し、非石綿
系基材繊維として強度、耐熱性、耐蒸気性に優れたポリ
パラフェニレンベンゾビスオキサゾール(以下PBOと
いう)繊維に注目したところ、驚くべきことに非石綿系
基材繊維として、PBO繊維をそのまま用いるのではな
くフィブリル化し、このようにフィブリル化されたPB
O繊維を単独で、あるいは該フィブリル化されたPBO
繊維と必要により無機繊維と組み合わせて用い、あるい
はこのフィブリル化されたPBO繊維と、他のフィブリ
ル化された有機繊維と、必要により無機繊維とを組み合
わせて用いると、得られるジョイントシート(ガスケッ
ト)は、温度−50℃〜+180℃程度の低温から高温
でも使用でき、湿熱下での縦方向引張強さ、引張伸びは
勿論のこと、湿熱下での“横方向”の引張強さや引張伸
びにも極めてバランス良く優れ、耐熱性、耐蒸気性に優
れ、高温蒸気配管用として使用した場合にも柔軟性を失
わず、割れが発生せず、ジョイントシート(ガスケッ
ト)等として極めて好適であることなどを見出して、本
発明を完成するに至った。
【0013】なお、このPBO繊維自体については、例
えば、特開平8−41728号公報などにも記載されて
いるように、現在市販されているスーパー繊維の代表で
あるポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(芳香族
ポリアミド繊維)の2倍以上の強度と弾性率を持ち、次
世代のスーパー繊維として期待されており、また、該繊
維は、ポリベンザゾール重合体のポリリン酸溶液から製
造しうることも公知であり、その紡糸方法については、
例えば、米国特許5296185号、米国特許5294
390号があり、水洗乾燥方法についてはWO94/04726
号、熱処理方法については米国特許5296185号に
提案されている。
【0014】しかしながら上記何れの公報等を如何に精
査してみても、該繊維を非石綿系ジョイントシートの製
造にフィブリル化(開繊)して用いるとの技術的思想
は、何等記載も示唆もされていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、化学プラン
ト、自動車、船舶、各種機器などの広範囲な分野におい
てガスケットの基材として好適に用いられ、耐熱性、耐
蒸気性に優れ、高温蒸気配管用として使用した場合にも
柔軟性を失わず、割れが発生しないような非石綿系ジョ
イントシートを製造することができるジョイントシート
形成用組成物、及び該組成物からなり上記性能を有する
ジョイントシートを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明に係る第1のジョ
イントシート形成用組成物は、(i)非石綿系基材繊維、
(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含む組
成物であって、上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水
度(JIS P 8121に準拠して測定)が150〜
800mlにフィブリル化されたポリパラフェニレンベ
ンゾビスオキサゾール(PBO)繊維(イ-1)と、必要
により無機繊維(ロ)とを含み、該フィブリル化された
PBO繊維(イ-1)を3〜30重量%(但し、(i)、(i
i)、(iii)、(iv)の合計を100重量%とする。)の量
で含むことを特徴としている。
【0017】本発明に係る第2のジョイントシート形成
用組成物は、(i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)
ゴム薬品および(iv)充填材を含む組成物であって、上記
非石綿系基材繊維(i)として、上記ろ水度(JIS P
8121に準拠して測定)が150〜800mlにフ
ィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、それ以外のフ
ィブリル化されていることが好ましい有機繊維(イ-2)
と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、上記フィブリ
ル化されたPBO繊維(イ-1)を10〜100重量部
(但し、上記有機繊維(イ-1)と(イ-2)の合計を10
0重量部とする。)の量で含むことを特徴としている。
【0018】このようなジョイントシート形成用組成物
には、通常有機溶剤が含まれている。本発明に係る第1
のジョイントシートは、(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)
加硫されたゴム材および(iv)充填材を含むジョイントシ
ートであって、該ジョイントシート中に非石綿系基材繊
維(i)として、上記ろ水度(JISP 8121に準拠
して測定)が150〜800mlにフィブリル化された
PBO繊維(イ-1)と、必要により無機繊維(ロ)とを
含み、該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を3〜
30重量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計を100
重量%とする。)の量で含むことを特徴としている。
【0019】本発明に係る第2のジョイントシートは、
(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および
(iv)充填材を含むジョイントシートであって、上記非石
綿系基材繊維(i)として、上記ろ水度(JIS P 8
121に準拠して測定)が150〜800mlにフィブ
リル化されたPBO繊維(イ-1)と、それ以外のフィブ
リル化されていることが好ましい有機繊維(イ-2)と、
必要により無機繊維(ロ)とを含み、上記フィブリル化
されたPBO繊維(イ-1)を10〜100重量部(但
し、(イ-1)と(イ-2)の合計を100重量部とす
る。)の量で含むことを特徴としている。
【0020】本発明に係る第3のジョイントシートは、
(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および
(iv)充填材を含む層を有する多層ジョイントシートであ
って、上記非石綿系基材繊維(i)として、上記ろ水度
(JIS P 8121に準拠して測定)が150〜8
00mlにフィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、
必要により無機繊維(ロ)とを含み、該フィブリル化さ
れたPBO繊維(イ-1)を3〜30重量%(但し、
(i)、(ii-a)、(iv)の合計を100重量%とする。)の
量で含む層を有することを特徴としている。
【0021】本発明に係る第4のジョイントシートは、
(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および
(iv)充填材を含む層を有する多層ジョイントシートであ
って、上記非石綿系基材繊維(i)として、上記ろ水度
(JIS P 8121に準拠して測定)が150〜8
00mlにフィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、
それ以外のフィブリル化されていることが好ましい有機
繊維(イ-2)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、
上記フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を10〜1
00重量部(但し、上記有機繊維(イ-1)と(イ-2)の
合計を100重量部とする。)の量で含むことを特徴と
している。
【0022】本発明に係るジョイントシートの製造方法
は、ジョイントシート形成用組成物を、熱ロールと冷却
ロールとから成るロール間で加熱圧延して1層または多
層構造のジョイントシートを製造するに際して、少なく
とも何れか1層のジョイントシート形成用組成物とし
て、上記第1または第2のジョイントシート形成用組成
物を用いることを特徴としている。
【0023】本発明によれば、耐熱性、耐蒸気性に優
れ、高温蒸気配管用として使用した場合にも柔軟性を失
わず、割れが発生しない非石綿系ジョイントシートを製
造しうるジョイントシート形成用組成物、該組成物から
なる上記性能のジョイントシートが提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るジョイントシ
ート形成用組成物、ジョイントシートの製造方法、並び
に得られたジョイントシートについて具体的に順次説明
する。
【0025】<ジョイントシート形成用組成物>本発明
に係るジョイントシート形成用組成物は、(i)非石綿系
基材繊維、(ii)未加硫ゴム材、(iii)ゴム薬品および(i
v)充填材を含んでいる。なお、以下の説明において、単
に、「ジョイントシート形成用組成物」、「ジョイント
シート」などと言うときは、特にその趣旨に反しない限
り、第1および第2のジョイントシート形成用組成物、
第1〜第4のジョイントシートを含む意味で用いる。
【0026】以下の説明においては、単にゴム材という
ときは、加硫(架橋)されたゴム材および未加硫のゴム
材の何れか一方または両者を意味する。また、本発明に
おいて、加硫されたゴム材等の加硫ゴム成分は、本発明
の目的に反しない限り、未加硫ゴムの架橋可能部位の全
部が加硫(架橋)されていなくてもよく、その一部が加
硫されたものであってもよい。
【0027】以下、まず初めにジョイントシート形成用
組成物に含まれる上記各成分について説明する。 [非石綿系基材繊維]非石綿系基材繊維としては、有機
繊維単独で、または有機繊維と非石綿系無機繊維との両
者が併用される。
【0028】有機繊維としては、PBOからなり、かつ
フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)が用いられる
(以下、PBO系フィブリル化繊維とも言う。)。この
ようなPBO系フィブリル化繊維としては、例えば、特
開平8−41728号公報などに記載のPBO繊維を叩
解によりフィブリル化(開繊)して用いることができ
る。
【0029】PBO繊維のフィブリル化は、ボールミ
ル、ランペンミル、ビーター、PFIミル、ジョクロミ
ル、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブル
ディスクリファイナー(DDR)およびその他のリファ
イナーなど、ごく一般的な叩解機を用いることによって
行うことができる。特に生産効率の点でSDRあるいは
DDRを用いるのが好ましい。
【0030】なお、有機系基材繊維として、耐熱性や耐
蒸気性に優れている上記PBO系ポリマーからなる繊維
を、そのまま用いたのでは、繊維径が太く剛直であり、
また繊維をカットするために用いられる集束材の影響で
該繊維の分散性が乏しく、このようなPBO繊維をジョ
イントシート形成用組成物に配合しても、引張強さが著
しく低下したジョイントシートしか得られないが、本発
明では、絡みやすいフィブリル化したPBO系繊維を基材
繊維として含ませて用いているので、配合成分同士、基
材繊維同士が絡み合い易くなり、シートの強度が上が
り、熱や蒸気の環境下においてもジョイントシートの物
性の変化が少なくなっている。特に湿熱で処理した後の
ジョイントシートの引っ張り強さと伸びが向上してい
る。
【0031】本発明では、このようなPBO系フィブリ
ル化繊維のフィブリル化度は、ろ水度で表すことができ
る。ろ水度とは、パルプの水切れの程度を表す指標(数
値)であり、繊維の叩解の度合いを示す。本発明のPB
O系フィブリル化繊維のろ水度の試験方法は「JIS
P 8121」に規定されているカナダ標準ろ水度試験
方法を採用している。
【0032】上記方法で測定した場合に、本発明で用い
られるPBO系フィブリル化繊維は、通常、ろ水度15
0〜800mlであることが必要であり、好ましくは4
00〜650mlであることが望ましい。このようなフ
ィブリル化度のPBO系フィブリル化繊維を用いると、
得られるジョイントシートは、湿熱時の特性が向上す
る。ろ水度150ml未満のPBO系フィブリル化繊維
を用いた場合は、繊維がフィブリル化しすぎて短繊維化
が進み、強度が低下する。また、ろ水度800mlより
大きな値のろ水度のPBO系フィブリル化繊維を用いた
場合は、繊維の分散性が不十分で、均一なジョイントシ
ートが形成できなくなる。
【0033】また、フィブリル化されるPBO繊維の繊
維径は通常、5〜50μm、好ましくは7〜15μmで
あり、繊維長は通常、1〜10mm、好ましくは2〜8
mmであることが、引張強さ、シール特性などの点から
好ましい。本発明においては、有機繊維として、このよ
うなPBO系フィブリル化繊維を1種単独で用いてもよ
いが、このPBO系フィブリル化繊維と共に、「その他
の有機繊維」を必要により用いてもよく、その場合、こ
れらの「その他の有機繊維」も、上記のような繊維径、
繊維長の繊維を用いて上記のようなろ水度となるように
フィブリル化されたものを用いることが望ましい。
【0034】なお、有機繊維として、上記PBO系フィ
ブリル化繊維を配合することなく下記のようなその他の
有機繊維のみを用いても、係る有機繊維は、熱や蒸気下
で劣化するために強度が低下し、亀裂が発生したりし
て、あるいはシール性が低下したジョイントシートしか
得られない。これに対して、本発明では、フィブリル化
されていることが好ましいその他の有機繊維と上記PB
O系フィブリル化繊維とを組み合わせて用いると、上記
欠点が解消され、熱や蒸気下で劣化せず、強度に優れ、
亀裂が発生せず、シール性が良好なジョイントシートが
得られる。
【0035】その他の有機繊維としては、例えば、芳香
族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、アクリル繊維、ポ
リアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリオレフィン系繊維
(例:ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維)、芳香
族ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポ
リフェニレンサルファイド(PPS)繊維、ポリビニル
アルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ尿素系
繊維、ポリウレタン系繊維、ポリフルオロカーボン繊
維、フェノール樹脂繊維、セルロース系繊維等の従来ジ
ョイントシート形成用基材繊維として公知の有機繊維が
広く用いられる。
【0036】これらのうち芳香族ポリアミド繊維(商品
名:ケブラー,デュポン社製)ならびにフィブリル化し
た芳香族ポリアミド繊維(商品名:ケブラーパルプ)が
特に好ましい。
【0037】非石綿系無機繊維すなわち石綿以外の無機
繊維としては、ガラス繊維、ロックウール繊維、セラミ
ック繊維、岩綿、鉱さい綿、溶融石英繊維、化学処理高
シリカ繊維、溶融珪酸アルミナ繊維、アルミナ繊維、安
定化ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、チタン酸カリウ
ム繊維、ボロン繊維、炭素繊維(カーボン繊維)、金属
繊維、セピオライト繊維、ワラストナイト繊維等の従来
からジョイントシート形成用基材繊維として公知の無機
繊維が広く用いられる。
【0038】これらのうちでは、コストの観点からロッ
クウール繊維が非石綿系無機繊維として好ましい。な
お、本発明においては無機繊維として、石綿繊維を少量
含有させることができる。ロックウールは、本発明にお
いては広義に解し(但し、実施例、比較例を除く。)、
広義のロックウールとしては、例えば、玄武岩質、輝緑
岩質の岩石を1500℃程度の高温で溶解し、その溶融
物を高温の気体、高温蒸気等で飛散させるか、あるいは
遠心力を利用して繊維化したもの(狭義のロックウー
ル)(イ)と、高炉スラグ、転炉スラグなどのような、製
鉄時の鉱滓(スラグ)を上記と同様にして繊維化したス
ラグウール(ロ)とが含まれる。
【0039】本発明においては、上記玄武岩および/ま
たは輝緑岩を原料として得られる繊維状物(イ)と、製鉄
時の鉱滓を原料として得られるスラグウール(ロ)のうち
の何れか一方、好ましくは前者(イ)を単独で用いてもよ
く、両者((イ)+(ロ))を併用してもよい。
【0040】このようなロックウールのサイズは、ゴム
含有溶液中へのロックウールの分散性、すなわちジョイ
ントシート中での分散性と、ロックウールを含有するこ
とによるジョイントシートの補強効果を考慮すると、そ
の平均繊維径は約5μm以下であることが望ましく、ま
たその平均繊維長は、100〜1000μm、好ましく
は200〜400μmであることが望ましい。
【0041】なお、上記した「狭義のロックウール
(イ)」としては、例えば、「ロックシールラピナスRS
440」なる商品名でオランダLapinus Fibres B.V.社
より上市されているものを用いることができる。ロック
ウールとして、特に、狭義のロックウール(イ)である、
玄武岩および/または輝緑岩を溶融しこれに空気または
空気と水蒸気とを吹き付けて該溶融物を飛散してなる繊
維状物(イ)を原料として用いると、スラグウール(ロ)を原
料として用いるよりも強度に優れ、耐熱性に優れたジョ
イントシートが得られる。
【0042】また、「ロックシールラピナスRS44
0」は、ロックウールの繊維表面がシランカップリング
剤等にて表面処理されていると、ジョイントシート形成
用組成物中のゴムとの接着性が向上し、成形品であるジ
ョイントシートの気密性が向上し、高温配管フランジ部
に装着され長期間使用されても、熱劣化の進行が防止さ
れ、ゴム劣化時の補強効果により優れる。
【0043】[ゴム材]ゴム材(未加硫ゴム)は、上記
の基材繊維類を結合する役割等を果たしており、ニトリ
ルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、
スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム(A
NM、ACM)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレ
ンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム
(IIR)、エチレン―プロピレンゴム(EPM、EP
DM)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(VM
Q、PMQ、FVMQ)、クロロスルフォン化ポリエチ
レン(CSM)、エチレン酢ビゴム(EVA)、塩化ポ
リエチレン(CPE)、塩化ブチルゴム(CIR)、エ
ピクロルヒドリンゴム(CD、ECO)、ニトリルイソ
プレンゴム(NIR)、天然ゴム(NR)などが挙げら
れる。これらのうちでは、加工性の点からNBRが好適
である。
【0044】またこれらのゴム材、例えばSBRにナフ
テン系のプロセス油が配合された油展ゴムを用いること
もできる。さらにまた、このような油展ゴムと上記のよ
うなゴム材とを組合せて用いることもできる。アクリル
ゴムおよびニトリルゴム以外のこれらのゴム材の内で
は、得られるジョイントシートの耐熱性等の観点から、
熱硬化性のゴム材が好ましい。
【0045】[ゴム薬品]ゴム薬品(iii)は、上記未加
硫(未架橋)のゴム材などと共にジョイントシート形成
用組成物中に含まれるが、このようなゴム薬品として
は、(a) イソシアネート系化合物の他、硫黄、酸化亜
鉛、酸化マグネシウム、金属石鹸、過酸化物、ジニトロ
ソベンゼンなどの加硫剤(架橋剤)、その他 (b)チアゾール系化合物、ポリアミン系化合物、スルフ
ェンアミド系化合物、ジチオカルバメート系化合物
(例:ジチオカルバミン酸亜鉛)、アルデヒドアミン系
化合物、グアニジン系化合物、チオ尿素系化合物、キサ
ンテート系化合物などの加硫促進剤、その他、(c)加硫
助剤、(d)分散剤、(e)老化防止剤、(f)スコーチ防止
剤、(g)可塑剤、(h)顔料等が挙げられる。
【0046】これらのゴム薬品(iii)は、求められるジ
ョイントシートの耐熱性、耐油性、耐酸性、耐候性、色
調など、その目的に応じて、1種または2種以上組み合
わせて用いてもよい。
【0047】[充填材]充填材(iv)としては、通常、ジョ
イントシート形成用組成物や、ジョイントシートに配合
されるようなものを広く使用でき、具体的には、例え
ば、リザルダイト、カオリン、クレー、タルク、シリ
カ、マイカ、硫酸バリウム、重炭酸ナトリウム、グラフ
ァイト(黒鉛)、硫酸鉛、トリポリ石、ウォラストナイ
ト、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、酸化マグネシ
ウム、カーボンブラック、アルカリ土類金属、含水ケイ
酸類、各種水酸化物類などが挙げられる。
【0048】これらの充填材のうちでも特に、下記のリ
ザルダイトが好ましい。 [リザルダイト]リザルダイト(lizardite)は、蛇紋
岩(serpentine) 中に、中空繊維状(環状)のクリソ
タイル(石綿)、鱗片状(板状)のアンチゴライト、中
実繊維状のブルーサイト等と共に含まれている。このリ
ザルダイトは板状(鱗片状、塊状)であり、中空繊維状
のクリソタイル(石綿)とは、その結晶構造は異なって
いるが、クリソタイルと同様に、「Mg3Si25(O
H)4」で表され、しかもクリソタイルと同様にプラス
電荷を帯びている。なお、一般的に市場に出回っている
材料はマイナス電荷を帯びているものが圧倒的に多い。
【0049】また、リザルダイトはマイナスに帯電しや
すいゴム材に対する混合・分散性に非常に優れているこ
とが本発明者等により確認された。つまり、リザルダイ
トはゴム材との接着性が良いと考えられ、多量に配合し
た場合でもしなやかで、平滑なシートの製造が可能であ
る。このため、リザルダイトを所定量で含有するジョイ
ントシートは、従来の非石綿系ジョイントシートに比べ
て熱や蒸気に対する劣化の進行が少なく、また熱処理後
の引張試験において従来品に比して伸びの改善が見られ
るのであろうと考えられる。
【0050】リザルダイトとクリソタイルとの分別は、
両者の比表面積の差を利用して行われ、またリザルダイ
ト以外の成分であるクリソタイル等が含まれているか否
かの判別は、X線回折法、偏光顕微鏡、電子顕微鏡、赤
外線分光法、電子線回折法などを利用して行われる。ま
た、リザルダイト、クリソタイル、アンチゴライト等を
含むような種々の混合物、あるいは該混合物からなる成
形品、例えば、ジョイントシート中におけるリザルダイ
トの定量は、例えば、粉末X線回折法を利用して行われ
る。
【0051】このリザルダイトとしては、例えば、「エ
ンバイロフィル(ENVIROFIL)」なる商品名で愛知産業
(株)より上市されているものを用いることができる。
本発明では、リザルダイトを含めて、上記の充填材は、
1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0052】本発明のジョイントシート形成用組成物に
は、上記成分以外に、有機溶剤、カップリング剤、有機
帯電防止剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化
性樹脂、クロマン樹脂等の熱可塑性樹脂等が含まれてい
てもよい。
【0053】有機溶剤としては、例えば、トルエン、ゴ
ム揮(ゴム含量が100mg/100ml以上のガソリ
ン)、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらの有
機溶剤は、1種または2種以上組み合わせて用いること
ができる。
【0054】有機帯電防止剤としては、ラウリルトリメ
チルアンモニウムクロリドなどのカチオン性帯電防止
剤、アルキル硫酸エステルなどのアニオン性帯電防止
剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオ
ン性帯電防止剤、ベタインなどの両性帯電防止剤、水溶
性ポリマー帯電防止剤、あるいはケイ素化合物系帯電防
止剤、などが挙げられる。
【0055】本発明に係るジョイントシート形成用組成
物には、上記各成分は、それぞれ下記のような量で含ま
れていることが好ましい。すなわち、上記基材繊維(i)
は、第1〜第2のジョイントシート形成用組成物中の
(i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品、(i
v)充填材の合計100重量%とするとき、通常、2〜8
0重量%、好ましくは10〜50重量%の量で含まれて
いることが望ましい。
【0056】また、基材繊維(i)は、ジョイントシート
形成用組成物に含まれる固形分100重量%中に、通
常、2〜80重量%、好ましくは10〜50重量%の量
で含まれていることが望ましい。基材繊維(i)がこのよ
うな量で含まれていると、得られるジョイントシート
は、引張強度などの機械的強度に優れる。
【0057】特に本発明に係る第1のジョイントシート
形成用組成物においては、上記非石綿系基材繊維(i)と
して、上記PBO系フィブリル化繊維(イ-1)と、必要
により無機繊維(ロ)とを含むが、これら基材繊維(i)
は、通常3〜80重量%、好ましくは10〜50重量%
の量で、また該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)
は、通常、3〜30重量%含まれていることが必要であ
る。好ましくは5〜15重量%(但し、(i)、(ii)、(ii
i)、(iv)の合計を100重量%とする。)の量で含まれ
ていることが望ましい。
【0058】また、この場合、無機繊維(ロ)は、該ジ
ョイントシート形成用組成物中におけるPBO系フィブ
リル化繊維(イ-1)と無機繊維(ロ)との合計量が、通
常、3〜80重量%、好ましくは10〜50重量%、特
に好ましくは25〜35重量%となるような量で、換言
すれば、無機繊維(ロ)は、通常0〜50重量%、好ま
しくは10〜30重量%の量で含まれることが望ましい
(但し、(i)、(ii)、(iii)、(iv)の合計を100重量%
とする。)。
【0059】このような量で、PBO系フィブリル化繊
維(イ-1)と無機繊維(ロ)とを含むと、得られる第1
のジョイントシートは、特に湿熱特性が優れる傾向があ
る。
【0060】また、本発明に係る第2のジョイントシー
ト形成用組成物においては、上記非石綿系基材繊維(i)
として、上記PBO系フィブリル化機繊維(イ-1)と、
それ以外のフィブリル化されていてもよい有機繊維好ま
しくはフィブリル化有機繊維(イ-2)と、必要により無
機繊維(ロ)とを含むが、これら基材繊維(i)を、通
常、2〜80重量%、好ましくは10〜50重量%の量
で含み、また有機繊維(イ-1)と(イ-2)との合計10
0重量部中に、上記PBO系フィブリル化繊維(イ-1)
をより多く含むほど、引張強さ、引張伸び共に向上する
傾向があり、PBO系フィブリル化繊維(イ-1)を、通
常、10〜100重量部含んでいることが必要である。
好ましくは15〜100重量部の量で含んでいることが
望ましい。
【0061】また、この第2のジョイントシート形成用
組成物においては、該PBO系フィブリル化繊維(イ-
1)を通常、0.1〜20重量%、好ましくは1〜10
重量%、さらに好ましくは1〜5重量%の量で、上記フ
ィブリル化されてもよいその他の有機繊維(イ-2)を通
常、1〜25重量%、好ましくは5〜20重量%、さら
に好ましくは5〜10重量%の量で、無機繊維(ロ)
を、該ジョイントシート形成用組成物中におけるPBO
系フィブリル化繊維(イ-1)とそれ以外のフィブリル化
されてもよい有機繊維(イ-2)と無機繊維(ロ)との合
計量((イ-1)+(イ-2)+(ロ))が、通常、2〜8
0重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましく
は25〜35重量%となるような量(但し、(i)、(i
i)、(iii)、(iv)の合計を100重量%とする。)で含
むことが望ましい。
【0062】このような量で上記(イ-1)と(イ-2)と
(ロ)とを用いると、得られる第2のジョイントシート
は、引張強さ(特に湿熱下の横方向)、引張伸び(特に
湿熱下の横方向)共に向上し、湿熱特性が向上する傾向
がある。
【0063】ゴム材(ii)は、ジョイントシート形成用組
成物中の(i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム
薬品、(iv)充填材の合計100重量%とするとき、5〜
50重量%、好ましくは10〜20重量%の量で含まれ
ていることが望ましい。
【0064】また該ゴム材(ii)は、ジョイントシート形
成用組成物に含まれる固形分100重量%中に、5〜5
0重量%、好ましくは10〜20重量%の量で含まれて
いることが望ましい。ゴム材(ii)がこのような量で含ま
れていると、シール材料としての性能を発揮し、ジョイ
ントシート製造時の加工性に優れる傾向がある。ゴム薬
品(iii)は、ジョイントシート形成用組成物中の有機溶
剤などその他の成分を除く成分の合計、すなわち(i)非
石綿系基材繊維、(ii)ゴム材 、(iii)ゴム薬品、(iv)充
填材の合計を100重量%とするとき、通常0.1〜1
5重量%、好ましくは3〜12重量%の量で含まれてい
ることが望ましい。
【0065】充填材(iv)は、通常5〜80重量%、好ま
しくは20〜70重量%(但し、非石綿系基材繊維(i)
とゴム材(ii)とゴム薬品(iii)と充填材(iv)との合計を
100重量%とする。)でジョイントシート形成用組成
物中に含まれる。
【0066】有機溶剤の使用量には、特に制限はない
が、例えば、上記非石綿系基材繊維(i)、ゴム材(ii)、
ゴム薬品(iii)、充填材(iv)の合計100重量%に対し
て、通常、10〜100重量%、好ましくは20〜70
重量%の量で用いられる。また、ジョイントシート形成
用組成物中に含まれる固形分を100重量%とすると
き、通常10〜100重量%、好ましくは20〜70重
量%の量で用いられる。
【0067】有機帯電防止剤は、ジョイントシート形成
用組成物中に0.1〜10重量%の量で添加することに
よって冷却ロールへのジョイントシート形成用組成物の
付着防止効果を高めることができる。<ジョイントシートの製造> 次に、本発明に係るジョイ
ントシートの製造方法について説明する。
【0068】トルエン、ゴム揮などのゴム材(ii)用溶剤
に、ゴム材(ii)を溶解させる。得られたゴム材溶液に、
ゴム薬品(iii)および充填材(iv)を混入する。次いで、
PBO系フィブリル化繊維(イ-1)、芳香族ポリアミド
繊維好ましくはフィブリル化した芳香族ポリアミド繊維
等の「その他の有機繊維(イ-2)」および/またはガラ
ス繊維、ロックウール等の無機繊維(ロ)からなる非石
綿系基材繊維(i)、さらに必要により吸水樹脂などを配
合して均一になるように混練して粘土状のジョイントシ
ート形成用組成物を準備する。
【0069】次いでこの組成物を熱ロールと冷却ロール
とからなる一対のロール間に挿入して加熱圧延する。こ
の際、熱ロールは120〜160℃の温度に、また冷却
ロールは50℃以下の温度に保たれていることが好まし
く、このような一対のロールを含む装置は、シーター装
置として公知である。
【0070】上記のようにジョイントシート形成用組成
物を一対のロール間に挿入すると、該組成物は加熱圧延
されて熱ロール側にシート状に積層される。このシート
状の組成物を熱ロールから剥離させると、ジョイントシ
ートが得られる。
【0071】なおゴム材用溶剤は、ジョイントシート形
成用組成物の混練工程、加熱圧延工程でほとんど完全に
蒸散してしまう。また、ジョイントシート形成用組成物
はこの工程で加硫(架橋)される。なお、ジョイントシ
ート形成用組成物を一対のロール間に挿入してシート状
に圧延する際に、冷却ロールに該組成物の一部が付着す
ることがある。このような冷却ロールへのジョイントシ
ート形成組成物の付着は、該組成物中に前記有機帯電防
止剤を0.1〜10重量%の量で添加することによって
防止することができる。
【0072】本発明に係るジョイントシートは、上記製
法に限定されず、従来公知の抄紙法で作ったシートを熱
プレスして製造することもできる。<ジョイントシート> 本発明に係るジョイントシートは
上記のようにして得られるが、ジョイントシート形成用
組成物は加硫(架橋)されていて、得られたジョイント
シートは、上記特定の非石綿系基材繊維(i)、加硫され
たゴム材(ii-a)、充填材(iv)を含んでなっている。
【0073】このようなジョイントシートは、単層から
なっていてもよく、後述するように多層構造を有してい
てもよい。
【0074】例えば、単層ジョイントシートでは、上記
非石綿系基材繊維(i)と加硫ゴム材(ii-a)と充填材(iv)
との合計を100重量%とするとき、上記非石綿系基材
繊維(i)は、通常2〜80重量%、好ましくは10〜5
0重量%の量で、加硫ゴム材(ii-a)は、通常5〜65重
量%、好ましくは10〜30重量%の量で、充填材(iv)
は、通常5〜80重量%、好ましくは20〜70重量%
の量で含まれている。
【0075】特に、本発明に係る第1のジョイントシー
トは、(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材
および(iv)充填材を含むジョイントシートであって、該
ジョイントシート中に非石綿系基材繊維(i)として、フ
ィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、必要により無
機繊維(ロ)とを含み、該フィブリル化されたPBO繊
維(イ-1)を3〜30重量%(但し、(i)、(ii-a)、(i
v)の合計を100重量%とする。)の量で含むことが必
要である。
【0076】特に、本発明の第1のジョイントシートに
おいては、上記各成分を、それぞれ下記の量で含んでい
ることが好ましい。 (i)非石綿系基材繊維総量:3〜80重量%、好ましく
は10〜50重量%、{ここで、非石綿系基材繊維(i)
として、フィブリル化されたPBO繊維(イ-1):3〜
30重量%が必要であり、好ましくは5〜15重量%、
無機繊維(ロ):0〜50重量%、好ましくは10〜3
0重量%。} (ii-a)加硫ゴム材:5〜65重量%、好ましくは10〜
30重量%、 (iv)充填材:5〜80重量%、好ましくは20〜70重
量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計を100重量%
とする)。 このような第1のジョイントシートは、湿熱特性にバラ
ンス良く優れる傾向がある。
【0077】また、特に本発明に係る第2のジョイント
シートは、(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴ
ム材および(iv)充填材を含むジョイントシートであっ
て、上記非石綿系基材繊維(i)として、上記フィブリル
化されたPBO繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリル
化されていてもよい有機繊維(イ-2)と、必要により無
機繊維(ロ)とを含み、上記フィブリル化されたPBO
繊維(イ-1)を10〜100重量部含むことが必要であ
り、好ましくは15〜100重量部(但し、(イ-1)と
(イ-2)の合計を100重量部とする。)の量で含むこ
とが好ましい。
【0078】本発明の第2のジョイントシートにおいて
は、上記各成分を、それぞれ下記の量で含んでいること
が好ましい。
【0079】(i)非石綿系基材繊維総量:2〜80重量
%、好ましくは10〜50重量%、{ここで、非石綿系
基材繊維(i)として、フィブリル化されたPBO繊維
(イ-1)と、それ以外のフィブリル化されていてもよい
有機繊維(イ-2)と、必要により無機繊維(ロ)とを含
み、これらのフィブリル化有機繊維(イ-1)+(イ-2)
=100重量部とするとき、フィブリル化されたPBO
繊維(イ-1)を、10〜100重量部、好ましくは15
〜100重量部の量で含有。} (ii-a)加硫ゴム材 :5〜65重量%、好ましくは10
〜30重量%、 (iv)充填材:5〜80重量%、好ましくは20〜70重
量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計:100重量
%)。 このような第2のジョイントシートは、湿熱特性にバラ
ンス良く優れる傾向がある。
【0080】このジョイントシートには、その他、必要
により、前記ジョイントシート形成用組成物中に配合さ
れたような成分、例えば、カップリング剤、有機帯電防
止剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹
脂、クロマン樹脂等の熱可塑性樹脂等が含まれていても
よい。
【0081】このようなジョイントシートの厚みは特に
限定されないが、例えば、単層ジョイントシートの厚さ
は、通常、0.4〜5.0mm厚、好ましくは0.5〜
3.2mm厚程度である。このようなジョイントシート
のそれぞれ常温(15〜25℃)で測定した横方向の引
張強度(試験方法:JIS R 3453)は、通常7〜
30MPa、好ましくは10〜20MPaであり、圧縮
率(試験方法:JIS R 3453)は、通常5〜20
%、好ましくは7〜13%であり、復元率(試験方法:
JIS R3453)は、通常25〜75%、好ましく
は45〜60%である。
【0082】ここまでの説明においては、主に、単層の
ジョイントシートについて説明したが、以下、2層以上
の多層構造のジョイントシートについて説明する。多層
ジョイントシートは、上記ジョイントシート形成用組成
物と同様の組成物からなる層(a)(換言すれば、単層ジ
ョイントシートと同様の素材からなる層)を少なくとも
1層以上有している。このような多層ジョイントシート
としては、上記第1または第2のジョイントシートと同
様の素材からなる層を1層以上有する限り、それ以外の
層は、その目的等に応じて適宜決定でき、如何なる素材
から構成されていてもよい。そして、このような多層ジ
ョイントシートは、例えば、上記以外の組成物、例えば
網目状芯体などからなる層を、通常、1層以上有するこ
とが多い。
【0083】このような多層ジョイントシートとして
は、例えば、図1(A)に示すように、平滑性、高圧縮
性を有する表面層10と、上記ジョイントシート形成用
組成物からなり、耐熱性、耐蒸気性を有する中間層12
(このようなジョイントシート形成用組成物からなる加
硫された層をジョイントシート形成用組成物層とも言
う)と、平滑性、高圧縮性を有する裏面層14とがこの
順序で積層したジョイントシート50A、あるいは図1
(B)に示すように、上記ジョイントシート形成用組成
物層12の表面に、耐熱性接着剤入りジョイントシート
形成用組成物層16を設け、網目状芯体18を重ね、さ
らに前記の耐熱性接着剤入りジョイントシート形成用組
成物層16、ジョイントシート形成用組成物層12を順
次設けてなる多層ジョイントシート50B、あるいは図
1(C)に示すように、上記ジョイントシート形成用組
成物層12の表面に、耐熱性接着剤層20を介して、従
来より公知のジョイントシート形成用組成物層30を設
けた多層ジョイントシート50Cなどが挙げられる。
【0084】
【発明の効果】本発明によれば、耐熱性、耐蒸気性に優
れ、高温蒸気配管用などとして使用した場合にも柔軟性
を失わず、割れが発生しないような非石綿系ジョイント
シートを製造し得るような上記ジョイントシート形成用
組成物が提供される。
【0085】本発明によれば、ジョイントシート中のゴ
ム材の劣化が進んでも、ジョイントシートの硬化が抑え
られ、弾性(伸び)を有し、引裂強度に優れ、割れが生
じ難く、耐熱性、耐蒸気性に優れたジョイントシートが
提供される。本発明によれば、耐熱性、耐蒸気性に優れ
たジョイントシートの効率的な製造方法が提供される。
【0086】
【実施例】以下、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定され
るものではない。
【0087】試験方法は以下の通り。 [引張試験の方法]ガスケット劣化後の弾性の目安とし
て、熱処理後の試料に関して引張試験を実施し、試料が
破断した時の引張強さ、及び伸び率(%)を測定する。 <試験条件> (イ)試料:1.5mm±0.1mm(厚み)のジョイン
トシートの端から、1.5mm±0.1mm(厚)×2
00mm(幅)×300mm(長さ)の短冊形に切り取
る。
【0088】(ロ)試料の標準状態:標準状態の試料は、
100℃±2℃に保ったギヤ式老化試験機又はこれに準
じた高温槽に入れ、1時間保持した後取り出し、デシケ
ーター中で室温まで放冷したものとする。なお、試験場
所の標準状態については、試験温度25±5℃とする。
【0089】<試験の方法> (ハ)試料形状 試験片は、繊維の配向方向(タテ方向)、及び繊維の配
向方向と直角方向(ヨコ方向)から各々3個ずつとり、
ダンベル(25mm×150mm)で打ち抜く。 (ニ)試料の種類 常態:標準状態の試料をいう。 乾熱:標準状態の試料を温度180℃±2℃に保ったギ
ヤ式熱老化試験機又はこれに準じた高温槽に入れ96時間
保持した後取り出し、デシケーター中で室温まで放冷し
たものとする。 湿熱:標準状態の試料をオートクレーブで水蒸気1.0
MPa(約180℃)雰囲気下に96時間保持した後、
100℃±2℃に保ったギヤ式老化試験機又はこれに準
じた高温槽に入れ、3時間保持した後取り出し、デシケ
ーター中で室温まで放冷したものとする。
【0090】<試験機>オートグラフ万能試験機
((株)島津製作所製)
【0091】<引張試験>短冊形試料は、試験機の試料
つかみ治具間隔が垂直方向に所定距離(100mm)離
して保持されるような状態で治具に固定し、試料を垂直
方向に所定速度(10±0.05mm/min)で破断
するまで引張り、次式により引張強さを算出し、試験片
3個の平均値を以て表す。 引張強さ(MPa)=荷重(N)/(厚さ(mm)×幅
(mm))
【0092】<引張伸び試験>上記引張試験で試料が破
断するまでの試料の伸び量(a)(mm)を測定し、所定
距離(100mm)(b)で割ることにより、引張伸び
率を求める。試験片3個の平均値を以て表す。 引張伸び率(%)={(a)mm/(b:100m
m)}×100(%)
【0093】
【実施例1】<ジョイントシート形成用組成物の調製>
以下の組成を有するジョイントシート形成用組成物を調
製した(表1参照)。 (イ)PBO系フィブリル化繊維(*1) ・・・・・・3重量% (ロ)フィブリル化したアラミド繊維(商品名:ケブラー(種類:パルプ),デュ ポン社製) ・・・・・・0重量% (ハ)無機繊維(商品名:ラピナスRS440、製造販売元:オランダLapinus.Fi bresB.V.社製(*2)) ・・・・・・27重量% (ニ)無機充填材(リザルダイト(*3)) ・・・・・・45重量% (ホ)合成ゴム[NBR、アクリロニトリル含有量:40重量%,日本ゼオン(株 )製] ・・・・・・15重量% (ヘ)ゴム薬品(加硫剤、加硫促進剤) ・・・・・・10重量% [合計100重量%] (ト)溶剤(トルエン等) ・・・・・・適宜量
【0094】得られた組成物を130℃に保たれた加熱
ロールと30℃以下に保たれた冷却ロールとの間に挿入
して加熱圧延した。この際、冷却ロール表面にトルエン
を散布したところ、冷却ロール表面への該組成物の付着
は防止され、シート状に積層された。
【0095】このシート状物を熱ロールからドクターブ
レードにより剥離してジョイントシートを得た。次に得
られたジョイントシートの各種特性を上記のようにして
測定した。
【0096】ジョイントシートの常態での引張強さは、
タテ方向で20.39MPa、ヨコ方向で5.52MP
aであり、同じく引張伸び率は、タテ方向で12.65
%、ヨコ方向伸び率で10.77%であり、乾熱処理後
の引張強さは、タテ方向で29.76MPa、ヨコ方向
で11.66MPaであり、同じく引張伸び率は、タテ
方向で1.33%であり、ヨコ方向伸び率で0.85%
であり、湿熱後の引張強さは、タテ方向で16.32M
Pa、ヨコ方向で6.84MPaであり、同じくその引
張伸び率は、タテ方向で2.73%、ヨコ方向伸び率で
2.43%であった。
【0097】
【実施例2〜7、比較例1〜3】実施例1において、ジ
ョイントシート形成用組成物の配合組成を表1に示すよ
うに変えた以外は、実施例1と同様にして、ジョイント
シートを形成し、試験した。配合組成を併せて表1に示
し、結果を併せて表2に示す。
【0098】なお、用いた配合成分の詳細は以下の通
り。 (*1)PBO系フィブリル化有機繊維:上記PBO系
フィブリル化有機繊維は、繊維長6mmカット、繊維径
12μm(1.5デニール)のPBO繊維(東洋紡績
社、ザイロンAS)を実験用SDRで叩解し、ろ水度4
80mlに調整した。
【0099】(*2)無機繊維:ロックウール(狭義の
ロックウール)、商品名「ラピナスRS440」,製造
元:オランダLapinus.FibresB.V.社,輝緑岩、玄武岩等
を原料とし、これら原料を混合し溶融した後、高温で溶
解し、その溶融物を高温の気体、高温蒸気等で飛散させ
たもの。平均繊維径:5μm、平均繊維長:300μ
m。
【0100】(*3)無機充填材:リザルダイト、商品
名「エンバイロフィル」,製造元:Hedman Resources L
imited社、40μm以下の粒子が10%以下の塊状の粉
体。
【0101】
【実施例8〜12】実施例1において、配合組成および
フィブリル化したPBO繊維のろ水度を表3に示すよう
に代えた以外は、実施例1と同様にしてジョイントシー
トを製造し、その特性を評価した。結果を、表4に示
す。
【0102】
【比較例4】実施例1において、配合組成を表3に示す
ように代え、またフィブリル化したPBO繊維に代え
て、表3に示すようなろ水度190mlのフィブリル化
アラミド繊維を用いた以外は、実施例1と同様にしてジ
ョイントシートを製造し、その特性を評価した。結果
を、表4に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の多層ジョイントシートの一例
を示す。
【符号の説明】
10・・・・・平滑性、高圧縮性を有する表面層、 12・・・・・耐熱性、耐蒸気性を有する本発明のジョイン
トシート形成用組成物からなる中間層、ジョイントシー
ト形成用組成物層、 14・・・・・平滑性、高圧縮性を有する裏面層、 16・・・・・耐熱性接着剤入りジョイントシート形成用組
成物層、 18・・・・・網目状芯体 20・・・・・耐熱性接着剤層、 30・・・・・従来のジョイントシート形成用組成物層、 50A、50B、50C・・・・・本発明の多層ジョイント
シート。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 一 柳 隆 治 大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社ザイロン事業部内 (72)発明者 奥 山 幸 成 大阪府大阪市北区堂島浜二丁目2番8号 東洋紡績株式会社ザイロン事業部内 (72)発明者 津 田 統 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所技術研究所内 (72)発明者 奥 川 克 弘 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所技術研究所内 (72)発明者 鈴 木 孝 典 静岡県静岡市用宗巴町3番1号 株式会社 巴川製紙所技術研究所内 (72)発明者 西 村 和 也 愛知県新城市川田字本宮道150 日本バル カー工業株式会社新城工場内 (72)発明者 佐 野 倫 司 愛知県新城市川田字本宮道150 日本バル カー工業株式会社新城工場内 (72)発明者 北 原 哲 愛知県新城市川田字本宮道150 日本バル カー工業株式会社新城工場内 Fターム(参考) 3J040 EA15 EA27 EA45 FA05 FA06 FA11 FA13 HA02 HA06 HA07 4H017 AA04 AA15 AA17 AA39 AB17 AC04 AD01 AD04

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】(i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)
    ゴム薬品および(iv)充填材を含む組成物であって、 上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS P
    8121に準拠し測定)が150〜800mlにフィ
    ブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾ
    ール(PBO)繊維(イ-1)と、必要により無機繊維
    (ロ)とを含み、該フィブリル化されたPBO繊維(イ
    -1)を3〜30重量%(但し、(i)、(ii)、(iii)、(iv)
    の合計を100重量%とする。)の量で含むことを特徴
    とするジョイントシート形成用組成物。
  2. 【請求項2】(i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)
    ゴム薬品および(iv)充填材を含む組成物であって、 上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS P
    8121に準拠して測定)が150〜800mlにフ
    ィブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキサ
    ゾール(PBO)繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリ
    ル化されていてもよい有機繊維(イ-2)と、必要により
    無機繊維(ロ)とを含み、上記フィブリル化されたPB
    O繊維(イ-1)を10〜100重量部(但し、上記有機
    繊維(イ-1)と(イ-2)の合計を100重量部とす
    る。)の量で含むことを特徴とするジョイントシート形
    成用組成物。
  3. 【請求項3】(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫された
    ゴム材および(iv)充填材を含むジョイントシートであっ
    て、上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS
    P8121に準拠して測定)が150〜800mlに
    フィブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキ
    サゾール(PBO)繊維(イ-1)と、必要により無機繊
    維(ロ)とを含み、 該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を3〜30重
    量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計を100重量%
    とする。)の量で含むことを特徴とするジョイントシー
    ト。
  4. 【請求項4】(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫された
    ゴム材および(iv)充填材を含むジョイントシートであっ
    て、 上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS P
    8121に準拠して測定)が150〜800mlにフ
    ィブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキサ
    ゾール(PBO)繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリ
    ル化されていてもよい有機繊維(イ-2)と、必要により
    無機繊維(ロ)とを含み、 上記フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を10〜1
    00重量部(但し、上記有機繊維(イ-1)と(イ-2)の
    合計を100重量部とする。)の量で含むことを特徴と
    するジョイントシート。
  5. 【請求項5】(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫された
    ゴム材および(iv)充填材を含む層を有する多層ジョイン
    トシートであって、上記非石綿系基材繊維(i)として、
    ろ水度(JIS P 8121に準拠して測定)が15
    0〜800mlにフィブリル化されたポリパラフェニレ
    ンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維(イ-1)と、
    必要により無機繊維(ロ)とを含み、 該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を3〜30重
    量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計を100重量%
    とする。)の量で含む層を有することを特徴とする多層
    ジョイントシート。
  6. 【請求項6】(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫された
    ゴム材および(iv)充填材を含む層を有する多層ジョイン
    トシートであって、 上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS P
    8121に準拠して測定)が150〜800mlにフ
    ィブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキサ
    ゾール(PBO)繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリ
    ル化されていてもよい有機繊維(イ-2)と、必要により
    無機繊維(ロ)とを含み、 上記フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を10〜1
    00重量部(但し、上記有機繊維(イ-1)と(イ-2)の
    合計を100重量部とする。)の量で含む層を有するこ
    とを特徴とする多層ジョイントシート。
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