JP3946032B2 - ジョイントシート形成用組成物及びジョイントシート - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ジョイントシート形成用組成物およびジョイントシートに関し、さらに詳しくは、化学プラント、自動車、船舶、各種機器装置などの広範囲な分野において、ガスケットの基材として好適に用いられる、耐熱性、耐蒸気性等に優れたジョイントシートを得ることができるジョイントシート形成用組成物および該組成物からなるジョイントシートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来ジョイントシートとしては、石綿製ジョイントシートが広く用いられてきた。この石綿ジョイントシートは、石綿を基材繊維とし、これに溶剤で膨潤させた結合剤としてのNBR、SBR等のゴム、ゴム薬品、充填剤をミキサー等にて充分に混練してジョイントシート形成用組成物(混練材料とも言う。)を調製し、この組成物(混練材料)を、熱ロール(約140℃)と冷却ロール(約20℃)とからなる一対のカレンダーロール間に挿入して加熱圧延し、ジョイントシート形成用組成物を熱ロール側に積層させながら、溶剤の蒸発及び加硫を行い、最後に熱ロールに積層されたシート状物を剥離することによって製造されてきた。
【0003】
このような石綿ジョイントシートは、基材繊維として、高度にフィブリル化され、細く表面積の大きな無機物の石綿(繊維)を50〜85重量%の割合で含んでいるが、該繊維は、無機物でありながら非常に柔軟性に富み、ジョイントシート中にあって、充分に分散しながら互いに絡み合った状態となっており強度特に引張強度に優れ、柔軟で圧縮性が良好でありシール性に優れ、耐熱性、耐薬品性にも優れ、水、油、空気、蒸気等の輸送管用、各種機器用のガスケットとして使用されてきた。
【0004】
しかしながら、石綿は天然鉱物であり、近年に至って石綿資源の枯渇およびそれに伴なう採掘費及び輸送費の高騰などもあり入手難の問題が生ずるとともに、石綿の人体に対する悪影響も指摘され、石綿の使用は再検討され始めている。このため石綿に代わる基材繊維(非石綿系基材繊維)を用いてジョイントシートを製造しようとする研究が盛んに行なわれている。
【0005】
例えば、石綿の代替繊維として、ガラス繊維、カーボン繊維、セラミック繊維などの無機繊維あるいは芳香族ポリアミド繊維、ポリエチレン繊維などの有機繊維を用いることによって、ジョイントシートを製造しようとする試みがなされている。
【0006】
例えば、本願出願人は、特公平4-4356号公報において、石綿以外の無機 繊維および/または有機繊維からなる基材繊維10〜80重量%と、ゴム材10〜40重量%と、ゴム薬品および充填剤20〜80重量%と、120℃以下の融点を有する高級脂肪酸エステル0.5〜10重量%とを混練し、得られたジョイントシート形成用組成物を熱ロールと冷却ロールとからなる一対のロール間に挿入して加熱圧延し、熱ロール側にシート状物を積層し、このシート状物を熱ロールから剥離させるジョイントシートの製造方法を提案している。
【0007】
また、特公平4-5053号公報において、芳香族ポリアミド繊維またはフィ ブリル化した芳香族ポリアミド繊維あるいはこの両者からなる基材繊維、ゴム材、ゴム薬品、充填材およびポリオレフィン系重合体を含んでなるジョイントシートを提案している。
【0008】
これらのジョイントシート(ガスケット)は、シール特性等に優れているが、用いられた基材繊維が石綿以外の無機繊維や有機繊維であり、石綿と比較して繊維径が太く剛直であり、繊維同士の絡み合いが充分でなく、その添加量も石綿のように50〜85重量%の多量で添加することは、その用途等にも依るが、必ずしも好適ではなく、引張強度の点では、従来の石綿ジョイントシートに比べて劣るという問題点がある。
【0009】
これらのジョイントシートを、例えば、管体内部は高温蒸気と接し、管体外部は乾熱あるいは大気などと接するような高温蒸気配管用として用いる場合、該ジョイントシートは、その取付初期の段階ではフランジの伸縮変化に追随して伸縮する。
【0010】
しかしながら、長期間、配管ラインの運転と停止とが繰り返され、例えば、配管内を通過する水蒸気の影響や、水蒸気から鉄フランジを介して与えられる高熱の影響などを受けた状態でフランジや配管が熱膨張と収縮とを繰り返すうちに、ジョイントシート内のゴム材が次第に劣化(硬化)し、ジョイントシートが柔軟性を失って硬化し脆化すると共に、特に該シートが基材繊維として有機繊維、特にフィブリル化した芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)を含有する場合には、該繊維が加水分解して補強材料としての機能の低下なども起こり、脆化し、強度低下が生ずる。
【0011】
そして結果的には、フランジや配管の伸縮変化に追随してジョイントシートが伸縮することができずに、応力がジョイントシート外周部などに集中し、ガスケット強度を上回る引裂力を受けることにより応力集中の大きなジョイントシートの外周部から内周側に向かって亀裂(ガスケット割れ)が発生し、シール性も低下するとの問題点があった。
よって上記の如く従来の非石綿系ジョイントシートは、極めて短時間に硬化してしまい、その形状を保持できないなど、上記使用条件を必ずしも充分には満たしていない。
【0012】
このため、より耐熱性、耐蒸気性に優れた非石綿系ジョイントシートの開発が望まれていた。
本発明者らは、このような非石綿系ジョイントシートの耐熱性、耐蒸気特性等を向上させるべく鋭意研究し、非石綿系基材繊維として強度、耐熱性、耐蒸気性に優れたポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(以下PBOという)繊維に注目したところ、驚くべきことに非石綿系基材繊維として、PBO繊維をそのまま用いるのではなくフィブリル化し、このようにフィブリル化されたPBO繊維を単独で、あるいは該フィブリル化されたPBO繊維と必要により無機繊維と組み合わせて用い、あるいはこのフィブリル化されたPBO繊維と、他のフィブリル化された有機繊維と、必要により無機繊維とを組み合わせて用いると、得られるジョイントシート(ガスケット)は、温度−50℃〜+180℃程度の低温から高温でも使用でき、湿熱下での縦方向引張強さ、引張伸びは勿論のこと、湿熱下での“横方向”の引張強さや引張伸びにも極めてバランス良く優れ、耐熱性、耐蒸気性に優れ、高温蒸気配管用として使用した場合にも柔軟性を失わず、割れが発生せず、ジョイントシート(ガスケット)等として極めて好適であることなどを見出して、本発明を完成するに至った。
【0013】
なお、このPBO繊維自体については、例えば、特開平8−41728号公報などにも記載されているように、現在市販されているスーパー繊維の代表であるポリパラフェニレンテレフタルアミド繊維(芳香族ポリアミド繊維)の2倍以上の強度と弾性率を持ち、次世代のスーパー繊維として期待されており、また、該繊維は、ポリベンザゾール重合体のポリリン酸溶液から製造しうることも公知であり、その紡糸方法については、例えば、米国特許5296185号、米国特許5294390号があり、水洗乾燥方法についてはWO94/04726号、熱処理方法については米国特許5296185号に提案されている。
【0014】
しかしながら上記何れの公報等を如何に精査してみても、該繊維を非石綿系ジョイントシートの製造にフィブリル化(開繊)して用いるとの技術的思想は、何等記載も示唆もされていない。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、化学プラント、自動車、船舶、各種機器などの広範囲な分野においてガスケットの基材として好適に用いられ、耐熱性、耐蒸気性に優れ、高温蒸気配管用として使用した場合にも柔軟性を失わず、割れが発生しないような非石綿系ジョイントシートを製造することができるジョイントシート形成用組成物、及び該組成物からなり上記性能を有するジョイントシートを提供することを目的としている。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る第1のジョイントシート形成用組成物は、(i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含む組成物であって、上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS P 8121に準拠して測定)が400〜650mlにフィブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維(イ-1)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を3〜30重量%(但し、(i)、(ii)、(iii)、(iv)の合計を100重量%とする。)の量で含むことを特徴としている。
【0017】
本発明に係る第2のジョイントシート形成用組成物は、(i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含む組成物であって、上記非石綿系基材繊維(i)として、上記ろ水度(JIS P 8121に準拠して測定)が400〜650mlにフィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリル化されていることが好ましい有機繊維(イ-2)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、上記フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を10〜100重量部(但し、上記有機繊維(イ-1)と(イ-2)の合計を100重量部とする。)の量で含むことを特徴としている。
【0018】
このようなジョイントシート形成用組成物には、通常有機溶剤が含まれている。本発明に係る第1のジョイントシートは、(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および(iv)充填材を含むジョイントシートであって、該ジョイントシート中に非石綿系基材繊維(i)として、上記ろ水度(JISP 8121に準拠して測定)が400〜650mlにフィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を3〜30重量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計を100重量%とする。)の量で含むことを特徴としている。
【0019】
本発明に係る第2のジョイントシートは、(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および(iv)充填材を含むジョイントシートであって、上記非石綿系基材繊維(i)として、上記ろ水度(JIS P 8121に準拠して測定)が400〜650mlにフィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリル化されていることが好ましい有機繊維(イ-2)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、上記フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を10〜100重量部(但し、(イ-1)と(イ-2)の合計を100重量部とする。)の量で含むことを特徴としている。
【0020】
本発明に係る第3のジョイントシートは、(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および(iv)充填材を含む層を有する多層ジョイントシートであって、上記非石綿系基材繊維(i)として、上記ろ水度(JIS P 8121に準拠して測定)が400〜650mlにフィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を3〜30重量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計を100重量%とする。)の量で含む層を有することを特徴としている。
【0021】
本発明に係る第4のジョイントシートは、(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および(iv)充填材を含む層を有する多層ジョイントシートであって、上記非石綿系基材繊維(i)として、上記ろ水度(JIS P 8121に準拠して測定)が400〜650mlにフィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリル化されていることが好ましい有機繊維(イ-2)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、上記フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を10〜100重量部(但し、上記有機繊維(イ-1)と(イ-2)の合計を100重量部とする。)の量で含むことを特徴としている。
【0022】
本発明に係るジョイントシートの製造方法は、ジョイントシート形成用組成物を、熱ロールと冷却ロールとから成るロール間で加熱圧延して1層または多層構造のジョイントシートを製造するに際して、少なくとも何れか1層のジョイントシート形成用組成物として、上記第1または第2のジョイントシート形成用組成物を用いることを特徴としている。
【0023】
本発明によれば、耐熱性、耐蒸気性に優れ、高温蒸気配管用として使用した場合にも柔軟性を失わず、割れが発生しない非石綿系ジョイントシートを製造しうるジョイントシート形成用組成物、該組成物からなる上記性能のジョイントシートが提供される。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るジョイントシート形成用組成物、ジョイントシートの製造方法、並びに得られたジョイントシートについて具体的に順次説明する。
【0025】
<ジョイントシート形成用組成物>
本発明に係るジョイントシート形成用組成物は、(i)非石綿系基材繊維、(ii) 未加硫ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含んでいる。
なお、以下の説明において、単に、「ジョイントシート形成用組成物」、「ジョイントシート」などと言うときは、特にその趣旨に反しない限り、第1および第2のジョイントシート形成用組成物、第1〜第4のジョイントシートを含む意味で用いる。
【0026】
以下の説明においては、単にゴム材というときは、加硫(架橋)されたゴム材および未加硫のゴム材の何れか一方または両者を意味する。また、本発明において、加硫されたゴム材等の加硫ゴム成分は、本発明の目的に反しない限り、未加硫ゴムの架橋可能部位の全部が加硫(架橋)されていなくてもよく、その一部が加硫されたものであってもよい。
【0027】
以下、まず初めにジョイントシート形成用組成物に含まれる上記各成分について説明する。
[非石綿系基材繊維]
非石綿系基材繊維としては、有機繊維単独で、または有機繊維と非石綿系無機繊維との両者が併用される。
【0028】
有機繊維としては、PBOからなり、かつフィブリル化されたPBO繊維(イ-1)が用いられる(以下、PBO系フィブリル化繊維とも言う。)。
このようなPBO系フィブリル化繊維としては、例えば、特開平8−41728号公報などに記載のPBO繊維を叩解によりフィブリル化(開繊)して用いることができる。
【0029】
PBO繊維のフィブリル化は、ボールミル、ランペンミル、ビーター、PFIミル、ジョクロミル、シングルディスクリファイナー(SDR)、ダブルディスクリファイナー(DDR)およびその他のリファイナーなど、ごく一般的な叩解機を用いることによって行うことができる。特に生産効率の点でSDRあるいはDDRを用いるのが好ましい。
【0030】
なお、有機系基材繊維として、耐熱性や耐蒸気性に優れている上記PBO系ポリマーからなる繊維を、そのまま用いたのでは、繊維径が太く剛直であり、また繊維をカットするために用いられる集束材の影響で該繊維の分散性が乏しく、このようなPBO繊維をジョイントシート形成用組成物に配合しても、引張強さが著しく低下したジョイントシートしか得られないが、本発明では、絡みやすいフィブリル化したPBO系繊維を基材繊維として含ませて用いているので、配合成分同士、基材繊維同士が絡み合い易くなり、シートの強度が上がり、熱や蒸気の環境下においてもジョイントシートの物性の変化が少なくなっている。特に湿熱で処理した後のジョイントシートの引っ張り強さと伸びが向上している。
【0031】
本発明では、このようなPBO系フィブリル化繊維のフィブリル化度は、ろ水度で表すことができる。ろ水度とは、パルプの水切れの程度を表す指標(数値)であり、繊維の叩解の度合いを示す。本発明のPBO系フィブリル化繊維のろ水度の試験方法は「JIS P 8121」に規定されているカナダ標準ろ水度試験方法を採用している。
【0032】
上記方法で測定した場合に、本発明で用いられるPBO系フィブリル化繊維は、通常、ろ水度150〜800mlであることが必要であり、好ましくは400〜650mlであることが望ましい。このようなフィブリル化度のPBO系フィブリル化繊維を用いると、得られるジョイントシートは、湿熱時の特性が向上する。ろ水度150ml未満のPBO系フィブリル化繊維を用いた場合は、繊維がフィブリル化しすぎて短繊維化が進み、強度が低下する。また、ろ水度800mlより大きな値のろ水度のPBO系フィブリル化繊維を用いた場合は、繊維の分散性が不十分で、均一なジョイントシートが形成できなくなる。
【0033】
また、フィブリル化されるPBO繊維の繊維径は通常、5〜50μm、好ましくは7〜15μmであり、繊維長は通常、1〜10mm、好ましくは2〜8mmであることが、引張強さ、シール特性などの点から好ましい。
本発明においては、有機繊維として、このようなPBO系フィブリル化繊維を1種単独で用いてもよいが、このPBO系フィブリル化繊維と共に、「その他の有機繊維」を必要により用いてもよく、その場合、これらの「その他の有機繊維」も、上記のような繊維径、繊維長の繊維を用いて上記のようなろ水度となるようにフィブリル化されたものを用いることが望ましい。
【0034】
なお、有機繊維として、上記PBO系フィブリル化繊維を配合することなく下記のようなその他の有機繊維のみを用いても、係る有機繊維は、熱や蒸気下で劣化するために強度が低下し、亀裂が発生したりして、あるいはシール性が低下したジョイントシートしか得られない。これに対して、本発明では、フィブリル化されていることが好ましいその他の有機繊維と上記PBO系フィブリル化繊維とを組み合わせて用いると、上記欠点が解消され、熱や蒸気下で劣化せず、強度に優れ、亀裂が発生せず、シール性が良好なジョイントシートが得られる。
【0035】
その他の有機繊維としては、例えば、芳香族ポリアミド繊維(アラミド繊維)、アクリル繊維、ポリアミド繊維、ポリイミド繊維、ポリオレフィン系繊維(例:ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維)、芳香族ポリエステル繊維、ポリアクリロニトリル系繊維、ポリフェニレンサルファイド(PPS)繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリ塩化ビニル系繊維、ポリ尿素系繊維、ポリウレタン系繊維、ポリフルオロカーボン繊維、フェノール樹脂繊維、セルロース系繊維等の従来ジョイントシート形成用基材繊維として公知の有機繊維が広く用いられる。
【0036】
これらのうち芳香族ポリアミド繊維(商品名:ケブラー,デュポン社製)ならびにフィブリル化した芳香族ポリアミド繊維(商品名:ケブラーパルプ)が特に好ましい。
【0037】
非石綿系無機繊維すなわち石綿以外の無機繊維としては、ガラス繊維、ロックウール繊維、セラミック繊維、岩綿、鉱さい綿、溶融石英繊維、化学処理高シリカ繊維、溶融珪酸アルミナ繊維、アルミナ繊維、安定化ジルコニア繊維、窒化ホウ素繊維、チタン酸カリウム繊維、ボロン繊維、炭素繊維(カーボン繊維)、金属繊維、セピオライト繊維、ワラストナイト繊維等の従来からジョイントシート形成用基材繊維として公知の無機繊維が広く用いられる。
【0038】
これらのうちでは、コストの観点からロックウール繊維が非石綿系無機繊維として好ましい。なお、本発明においては無機繊維として、石綿繊維を少量含有させることができる。
ロックウールは、本発明においては広義に解し(但し、実施例、比較例を除く。)、広義のロックウールとしては、例えば、玄武岩質、輝緑岩質の岩石を1500℃程度の高温で溶解し、その溶融物を高温の気体、高温蒸気等で飛散させるか、あるいは遠心力を利用して繊維化したもの(狭義のロックウール)(イ)と、高炉スラグ、転炉スラグなどのような、製鉄時の鉱滓(スラグ)を上記と同様にして繊維化したスラグウール(ロ)とが含まれる。
【0039】
本発明においては、上記玄武岩および/または輝緑岩を原料として得られる繊維状物(イ)と、製鉄時の鉱滓を原料として得られるスラグウール(ロ)のうちの何れか一方、好ましくは前者(イ)を単独で用いてもよく、両者((イ)+(ロ))を併用してもよい。
【0040】
このようなロックウールのサイズは、ゴム含有溶液中へのロックウールの分散性、すなわちジョイントシート中での分散性と、ロックウールを含有することによるジョイントシートの補強効果を考慮すると、その平均繊維径は約5μm以下であることが望ましく、またその平均繊維長は、100〜1000μm、好ましくは200〜400μmであることが望ましい。
【0041】
なお、上記した「狭義のロックウール(イ)」としては、例えば、「ロックシールラピナスRS440」なる商品名でオランダLapinus Fibres B.V.社より上市されているものを用いることができる。ロックウールとして、特に、狭義のロックウール(イ)である、玄武岩および/または輝緑岩を溶融しこれに空気または空気と水蒸気とを吹き付けて該溶融物を飛散してなる繊維状物(イ)を原料として用いると、スラグウール(ロ)を原料として用いるよりも強度に優れ、耐熱性に優れたジョイントシートが得られる。
【0042】
また、「ロックシールラピナスRS440」は、ロックウールの繊維表面がシランカップリング剤等にて表面処理されていると、ジョイントシート形成用組成物中のゴムとの接着性が向上し、成形品であるジョイントシートの気密性が向上し、高温配管フランジ部に装着され長期間使用されても、熱劣化の進行が防止され、ゴム劣化時の補強効果により優れる。
【0043】
[ゴム材]
ゴム材(未加硫ゴム)は、上記の基材繊維類を結合する役割等を果たしており、ニトリルゴム(NBR)、水素化ニトリルゴム(HNBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、アクリルゴム(ANM、ACM)、イソプレンゴム(IR)、クロロプレンゴム(CR)、ブタジエンゴム(BR)、ブチルゴム(IIR)、エチレン―プロピレンゴム(EPM、EPDM)、フッ素ゴム(FKM)、シリコーンゴム(VMQ、PMQ、FVMQ)、クロロスルフォン化ポリエチレン(CSM)、エチレン酢ビゴム(EVA)、塩化ポリエチレン(CPE)、塩化ブチルゴム(CIR)、エピクロルヒドリンゴム(CD、ECO)、ニトリルイソプレンゴム(NIR)、天然ゴム(NR)などが挙げられる。これらのうちでは、加工性の点からNBRが好適である。
【0044】
またこれらのゴム材、例えばSBRにナフテン系のプロセス油が配合された油展ゴムを用いることもできる。さらにまた、このような油展ゴムと上記のようなゴム材とを組合せて用いることもできる。アクリルゴムおよびニトリルゴム以外のこれらのゴム材の内では、得られるジョイントシートの耐熱性等の観点から、熱硬化性のゴム材が好ましい。
【0045】
[ゴム薬品]
ゴム薬品(iii)は、上記未加硫(未架橋)のゴム材などと共にジョイントシー ト形成用組成物中に含まれるが、このようなゴム薬品としては、
(a) イソシアネート系化合物の他、硫黄、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、金属石鹸、過酸化物、ジニトロソベンゼンなどの加硫剤(架橋剤)、その他
(b)チアゾール系化合物、ポリアミン系化合物、スルフェンアミド系化合物、 ジチオカルバメート系化合物(例:ジチオカルバミン酸亜鉛)、アルデヒドアミン系化合物、グアニジン系化合物、チオ尿素系化合物、キサンテート系化合物などの加硫促進剤、その他、
(c)加硫助剤、(d)分散剤、(e)老化防止剤、(f)スコーチ防止剤、(g)可塑剤、(h)顔料等が挙げられる。
【0046】
これらのゴム薬品(iii)は、求められるジョイントシートの耐熱性、耐油性、耐酸性、耐候性、色調など、その目的に応じて、1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0047】
[充填材]
充填材(iv)としては、通常、ジョイントシート形成用組成物や、ジョイントシートに配合されるようなものを広く使用でき、具体的には、例えば、リザルダイト、カオリン、クレー、タルク、シリカ、マイカ、硫酸バリウム、重炭酸ナトリウム、グラファイト(黒鉛)、硫酸鉛、トリポリ石、ウォラストナイト、炭酸カルシウム、重炭酸カルシウム、酸化マグネシウム、カーボンブラック、アルカリ土類金属、含水ケイ酸類、各種水酸化物類などが挙げられる。
【0048】
これらの充填材のうちでも特に、下記のリザルダイトが好ましい。
[リザルダイト]
リザルダイト(lizardite)は、蛇紋岩(serpentine) 中に、中空繊維状(環状)のクリソタイル(石綿)、鱗片状(板状)のアンチゴライト、中実繊維状のブルーサイト等と共に含まれている。このリザルダイトは板状(鱗片状、塊状)であり、中空繊維状のクリソタイル(石綿)とは、その結晶構造は異なっているが、クリソタイルと同様に、「Mg3Si2O5(OH)4」で表され、しかもクリソタイルと同様にプラス電荷を帯びている。なお、一般的に市場に出回っている材料はマイナス電荷を帯びているものが圧倒的に多い。
【0049】
また、リザルダイトはマイナスに帯電しやすいゴム材に対する混合・分散性に非常に優れていることが本発明者等により確認された。つまり、リザルダイトはゴム材との接着性が良いと考えられ、多量に配合した場合でもしなやかで、平滑なシートの製造が可能である。このため、リザルダイトを所定量で含有するジョイントシートは、従来の非石綿系ジョイントシートに比べて熱や蒸気に対する劣化の進行が少なく、また熱処理後の引張試験において従来品に比して伸びの改善が見られるのであろうと考えられる。
【0050】
リザルダイトとクリソタイルとの分別は、両者の比表面積の差を利用して行われ、またリザルダイト以外の成分であるクリソタイル等が含まれているか否かの判別は、X線回折法、偏光顕微鏡、電子顕微鏡、赤外線分光法、電子線回折法などを利用して行われる。また、リザルダイト、クリソタイル、アンチゴライト等を含むような種々の混合物、あるいは該混合物からなる成形品、例えば、ジョイントシート中におけるリザルダイトの定量は、例えば、粉末X線回折法を利用して行われる。
【0051】
このリザルダイトとしては、例えば、「エンバイロフィル(ENVIROFIL)」なる商品名で愛知産業(株)より上市されているものを用いることができる。
本発明では、リザルダイトを含めて、上記の充填材は、1種または2種以上組み合わせて用いてもよい。
【0052】
本発明のジョイントシート形成用組成物には、上記成分以外に、有機溶剤、カップリング剤、有機帯電防止剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、クロマン樹脂等の熱可塑性樹脂等が含まれていてもよい。
【0053】
有機溶剤としては、例えば、トルエン、ゴム揮(ゴム含量が100mg/100ml以上のガソリン)、メチルエチルケトン等が挙げられる。これらの有機溶剤は、1種または2種以上組み合わせて用いることができる。
【0054】
有機帯電防止剤としては、ラウリルトリメチルアンモニウムクロリドなどのカチオン性帯電防止剤、アルキル硫酸エステルなどのアニオン性帯電防止剤、ポリオキシエチレンアルキルエーテルなどの非イオン性帯電防止剤、ベタインなどの両性帯電防止剤、水溶性ポリマー帯電防止剤、あるいはケイ素化合物系帯電防止剤、などが挙げられる。
【0055】
本発明に係るジョイントシート形成用組成物には、上記各成分は、それぞれ下記のような量で含まれていることが好ましい。
すなわち、上記基材繊維(i)は、第1〜第2のジョイントシート形成用組成物中の(i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品、(iv)充填材の合計100重量%とするとき、通常、2〜80重量%、好ましくは10〜50重量%の量で含まれていることが望ましい。
【0056】
また、基材繊維(i)は、ジョイントシート形成用組成物に含まれる固形分100重量%中に、通常、2〜80重量%、好ましくは10〜50重量%の量で含まれていることが望ましい。基材繊維(i)がこのような量で含まれていると、得られるジョイントシートは、引張強度などの機械的強度に優れる。
【0057】
特に本発明に係る第1のジョイントシート形成用組成物においては、上記非石綿系基材繊維(i)として、上記PBO系フィブリル化繊維(イ-1)と、
必要により無機繊維(ロ)とを含むが、これら基材繊維(i)は、通常3〜80重量%、好ましくは10〜50重量%の量で、また該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)は、通常、3〜30重量%含まれていることが必要である。好ましくは5〜15重量%(但し、(i)、(ii)、(iii)、(iv)の合計を100重量%とする。)の量で含まれていることが望ましい。
【0058】
また、この場合、無機繊維(ロ)は、該ジョイントシート形成用組成物中におけるPBO系フィブリル化繊維(イ-1)と無機繊維(ロ)との合計量が、通常、3〜80重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは25〜35重量%となるような量で、換言すれば、無機繊維(ロ)は、通常0〜50重量%、好ましくは10〜30重量%の量で含まれることが望ましい(但し、(i)、(ii)、(iii)、(iv)の合計を100重量%とする。)。
【0059】
このような量で、PBO系フィブリル化繊維(イ-1)と無機繊維(ロ)とを含むと、得られる第1のジョイントシートは、特に湿熱特性が優れる傾向がある。
【0060】
また、本発明に係る第2のジョイントシート形成用組成物においては、上記非石綿系基材繊維(i)として、上記PBO系フィブリル化機繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリル化されていてもよい有機繊維好ましくはフィブリル化有機繊維(イ-2)と、必要により無機繊維(ロ)とを含むが、
これら基材繊維(i)を、通常、2〜80重量%、好ましくは10〜50重量%の量で含み、また
有機繊維(イ-1)と(イ-2)との合計100重量部中に、上記PBO系フィブリル化繊維(イ-1)をより多く含むほど、引張強さ、引張伸び共に向上する傾向があり、PBO系フィブリル化繊維(イ-1)を、通常、10〜100重量部含んでいることが必要である。好ましくは15〜100重量部の量で含んでいることが望ましい。
【0061】
また、この第2のジョイントシート形成用組成物においては、該PBO系フィブリル化繊維(イ-1)を通常、0.1〜20重量%、好ましくは1〜10重量%、さらに好ましくは1〜5重量%の量で、
上記フィブリル化されてもよいその他の有機繊維(イ-2)を通常、1〜25重量%、好ましくは5〜20重量%、さらに好ましくは5〜10重量%の量で、
無機繊維(ロ)を、該ジョイントシート形成用組成物中におけるPBO系フィブリル化繊維(イ-1)とそれ以外のフィブリル化されてもよい有機繊維(イ-2)と無機繊維(ロ)との合計量((イ-1)+(イ-2)+(ロ))が、通常、2〜80重量%、好ましくは10〜50重量%、特に好ましくは25〜35重量%となるような量(但し、(i)、(ii)、(iii)、(iv)の合計を100重量%とする。)で含むことが望ましい。
【0062】
このような量で上記(イ-1)と(イ-2)と(ロ)とを用いると、得られる第2のジョイントシートは、引張強さ(特に湿熱下の横方向)、引張伸び(特に湿熱下の横方向)共に向上し、湿熱特性が向上する傾向がある。
【0063】
ゴム材(ii)は、ジョイントシート形成用組成物中の(i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品、(iv)充填材の合計100重量%とするとき、5〜50重量%、好ましくは10〜20重量%の量で含まれていることが望ましい。
【0064】
また該ゴム材(ii)は、ジョイントシート形成用組成物に含まれる固形分100重量%中に、5〜50重量%、好ましくは10〜20重量%の量で含まれていることが望ましい。ゴム材(ii)がこのような量で含まれていると、シール材料としての性能を発揮し、ジョイントシート製造時の加工性に優れる傾向がある。
ゴム薬品(iii)は、ジョイントシート形成用組成物中の有機溶剤などその他の成分を除く成分の合計、すなわち(i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材 、(iii)ゴム薬品、(iv)充填材の合計を100重量%とするとき、通常0.1〜15重量%、好ましくは3〜12重量%の量で含まれていることが望ましい。
【0065】
充填材(iv)は、通常5〜80重量%、好ましくは20〜70重量%(但し、非石綿系基材繊維(i)とゴム材(ii)とゴム薬品(iii)と充填材(iv)との合計を100重量%とする。)でジョイントシート形成用組成物中に含まれる。
【0066】
有機溶剤の使用量には、特に制限はないが、例えば、上記非石綿系基材繊維(i)、ゴム材(ii)、ゴム薬品(iii)、充填材(iv)の合計100重量%に対して、通常、10〜100重量%、好ましくは20〜70重量%の量で用いられる。また、ジョイントシート形成用組成物中に含まれる固形分を100重量%とするとき、通常10〜100重量%、好ましくは20〜70重量%の量で用いられる。
【0067】
有機帯電防止剤は、ジョイントシート形成用組成物中に0.1〜10重量%の量で添加することによって冷却ロールへのジョイントシート形成用組成物の付着防止効果を高めることができる。
<ジョイントシートの製造>
次に、本発明に係るジョイントシートの製造方法について説明する。
【0068】
トルエン、ゴム揮などのゴム材(ii)用溶剤に、ゴム材(ii)を溶解させる。得られたゴム材溶液に、ゴム薬品(iii)および充填材(iv)を混入する。次いで、PBO系フィブリル化繊維(イ-1)、芳香族ポリアミド繊維好ましくはフィブリル化した芳香族ポリアミド繊維等の「その他の有機繊維(イ-2)」および/またはガラス繊維、ロックウール等の無機繊維(ロ)からなる非石綿系基材繊維(i)、さらに必要により吸水樹脂などを配合して均一になるように混練して粘土状のジョイントシート形成用組成物を準備する。
【0069】
次いでこの組成物を熱ロールと冷却ロールとからなる一対のロール間に挿入して加熱圧延する。この際、熱ロールは120〜160℃の温度に、また冷却ロールは50℃以下の温度に保たれていることが好ましく、このような一対のロールを含む装置は、シーター装置として公知である。
【0070】
上記のようにジョイントシート形成用組成物を一対のロール間に挿入すると、該組成物は加熱圧延されて熱ロール側にシート状に積層される。このシート状の組成物を熱ロールから剥離させると、ジョイントシートが得られる。
【0071】
なおゴム材用溶剤は、ジョイントシート形成用組成物の混練工程、加熱圧延工程でほとんど完全に蒸散してしまう。また、ジョイントシート形成用組成物はこの工程で加硫(架橋)される。
なお、ジョイントシート形成用組成物を一対のロール間に挿入してシート状に圧延する際に、冷却ロールに該組成物の一部が付着することがある。このような冷却ロールへのジョイントシート形成組成物の付着は、該組成物中に前記有機帯電防止剤を0.1〜10重量%の量で添加することによって防止することができる。
【0072】
本発明に係るジョイントシートは、上記製法に限定されず、従来公知の抄紙法で作ったシートを熱プレスして製造することもできる。
<ジョイントシート>
本発明に係るジョイントシートは上記のようにして得られるが、ジョイントシート形成用組成物は加硫(架橋)されていて、得られたジョイントシートは、上記特定の非石綿系基材繊維(i)、加硫されたゴム材(ii-a)、充填材(iv)を含んでなっている。
【0073】
このようなジョイントシートは、単層からなっていてもよく、後述するように多層構造を有していてもよい。
【0074】
例えば、単層ジョイントシートでは、上記非石綿系基材繊維(i)と加硫ゴム材(ii-a)と充填材(iv)との合計を100重量%とするとき、
上記非石綿系基材繊維(i)は、通常2〜80重量%、好ましくは10〜50重 量%の量で、
加硫ゴム材(ii-a)は、通常5〜65重量%、好ましくは10〜30重量%の量で、
充填材(iv)は、通常5〜80重量%、好ましくは20〜70重量%の量で含まれている。
【0075】
特に、本発明に係る第1のジョイントシートは、
(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および(iv)充填材を含むジョイントシートであって、
該ジョイントシート中に非石綿系基材繊維(i)として、フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、
該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を3〜30重量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計を100重量%とする。)の量で含むことが必要である。
【0076】
特に、本発明の第1のジョイントシートにおいては、上記各成分を、それぞれ下記の量で含んでいることが好ましい。
(i)非石綿系基材繊維総量:3〜80重量%、好ましくは10〜50重量%、
{ここで、非石綿系基材繊維(i)として、フィブリル化されたPBO繊維(イ-1):3〜30重量%が必要であり、好ましくは5〜15重量%、
無機繊維(ロ):0〜50重量%、好ましくは10〜30重量%。}
(ii-a)加硫ゴム材:5〜65重量%、好ましくは10〜30重量%、
(iv)充填材:5〜80重量%、好ましくは20〜70重量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計を100重量%とする)。
このような第1のジョイントシートは、湿熱特性にバランス良く優れる傾向がある。
【0077】
また、特に本発明に係る第2のジョイントシートは、
(i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および(iv)充填材を含むジョイントシートであって、
上記非石綿系基材繊維(i)として、上記フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリル化されていてもよい有機繊維(イ-2)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、
上記フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を10〜100重量部含むことが必要であり、好ましくは15〜100重量部(但し、(イ-1)と(イ-2)の合計を100重量部とする。)の量で含むことが好ましい。
【0078】
本発明の第2のジョイントシートにおいては、上記各成分を、それぞれ下記の量で含んでいることが好ましい。
【0079】
(i)非石綿系基材繊維総量:2〜80重量%、好ましくは10〜50重量%、
{ここで、非石綿系基材繊維(i)として、フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリル化されていてもよい有機繊維(イ-2)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、これらのフィブリル化有機繊維(イ-1)+(イ-2)=100重量部とするとき、フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を、10〜100重量部、好ましくは15〜100重量部の量で含有。}
(ii-a)加硫ゴム材 :5〜65重量%、好ましくは10〜30重量%、
(iv)充填材:5〜80重量%、好ましくは20〜70重量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計:100重量%)。
このような第2のジョイントシートは、湿熱特性にバランス良く優れる傾向がある。
【0080】
このジョイントシートには、その他、必要により、前記ジョイントシート形成用組成物中に配合されたような成分、例えば、カップリング剤、有機帯電防止剤、エポキシ樹脂、フェノール樹脂等の熱硬化性樹脂、クロマン樹脂等の熱可塑性樹脂等が含まれていてもよい。
【0081】
このようなジョイントシートの厚みは特に限定されないが、例えば、単層ジョイントシートの厚さは、通常、0.4〜5.0mm厚、好ましくは0.5〜3.2mm厚程度である。
このようなジョイントシートのそれぞれ常温(15〜25℃)で測定した横方向の引張強度(試験方法:JIS R 3453)は、通常7〜30MPa、好ましくは10〜20MPaであり、圧縮率(試験方法:JIS R 3453)は、通常5〜20%、好ましくは7〜13%であり、復元率(試験方法:JIS R 3453)は、通常25〜75%、好ましくは45〜60%である。
【0082】
ここまでの説明においては、主に、単層のジョイントシートについて説明したが、以下、2層以上の多層構造のジョイントシートについて説明する。
多層ジョイントシートは、上記ジョイントシート形成用組成物と同様の組成物からなる層(a)(換言すれば、単層ジョイントシートと同様の素材からなる層)を少なくとも1層以上有している。このような多層ジョイントシートとしては、上記第1または第2のジョイントシートと同様の素材からなる層を1層以上有する限り、それ以外の層は、その目的等に応じて適宜決定でき、如何なる素材から構成されていてもよい。そして、このような多層ジョイントシートは、例えば、上記以外の組成物、例えば網目状芯体などからなる層を、通常、1層以上有することが多い。
【0083】
このような多層ジョイントシートとしては、例えば、図1(A)に示すように、平滑性、高圧縮性を有する表面層10と、上記ジョイントシート形成用組成物からなり、耐熱性、耐蒸気性を有する中間層12(このようなジョイントシート形成用組成物からなる加硫された層をジョイントシート形成用組成物層とも言う)と、平滑性、高圧縮性を有する裏面層14とがこの順序で積層したジョイントシート50A、あるいは
図1(B)に示すように、上記ジョイントシート形成用組成物層12の表面に、耐熱性接着剤入りジョイントシート形成用組成物層16を設け、網目状芯体18を重ね、さらに前記の耐熱性接着剤入りジョイントシート形成用組成物層16、ジョイントシート形成用組成物層12を順次設けてなる多層ジョイントシート50B、
あるいは図1(C)に示すように、上記ジョイントシート形成用組成物層12の表面に、耐熱性接着剤層20を介して、従来より公知のジョイントシート形成用組成物層30を設けた多層ジョイントシート50Cなどが挙げられる。
【0084】
【発明の効果】
本発明によれば、耐熱性、耐蒸気性に優れ、高温蒸気配管用などとして使用した場合にも柔軟性を失わず、割れが発生しないような非石綿系ジョイントシートを製造し得るような上記ジョイントシート形成用組成物が提供される。
【0085】
本発明によれば、ジョイントシート中のゴム材の劣化が進んでも、ジョイントシートの硬化が抑えられ、弾性(伸び)を有し、引裂強度に優れ、割れが生じ難く、耐熱性、耐蒸気性に優れたジョイントシートが提供される。
本発明によれば、耐熱性、耐蒸気性に優れたジョイントシートの効率的な製造方法が提供される。
【0086】
【実施例】
以下、本発明を実施例によりさらに具体的に説明するが、本発明はこれら実施例により何等限定されるものではない。
【0087】
試験方法は以下の通り。
[引張試験の方法]
ガスケット劣化後の弾性の目安として、熱処理後の試料に関して引張試験を実施し、試料が破断した時の引張強さ、及び伸び率(%)を測定する。
<試験条件>
(イ)試料:1.5mm±0.1mm(厚み)のジョイントシートの端から、1 .5mm±0.1mm(厚)×200mm(幅)×300mm(長さ) の短冊形に切り取る。
【0088】
(ロ)試料の標準状態:標準状態の試料は、100℃±2℃に保ったギヤ式老化試験機又はこれに準じた高温槽に入れ、1時間保持した後取り出し、デシケーター中で室温まで放冷したものとする。なお、試験場所の標準状態については、試験温度25±5℃とする。
【0089】
<試験の方法>
(ハ)試料形状
試験片は、繊維の配向方向(タテ方向)、及び繊維の配向方向と直角方向(ヨコ方向)から各々3個ずつとり、ダンベル(25mm×150mm)で打ち抜く。
(ニ)試料の種類
常態:標準状態の試料をいう。
乾熱:標準状態の試料を温度180℃±2℃に保ったギヤ式熱老化試験機又はこれに準じた高温槽に入れ96時間保持した後取り出し、デシケーター中で室温まで放冷したものとする。
湿熱:標準状態の試料をオートクレーブで水蒸気1.0MPa(約180℃)雰囲気下に96時間保持した後、100℃±2℃に保ったギヤ式老化試験機 又はこれに準じた高温槽に入れ、3時間保持した後取り出し、デシケータ ー中で室温まで放冷したものとする。
【0090】
<試験機>
オートグラフ万能試験機((株)島津製作所製)
【0091】
<引張試験>
短冊形試料は、試験機の試料つかみ治具間隔が垂直方向に所定距離(100mm)離して保持されるような状態で治具に固定し、試料を垂直方向に所定速度(10±0.05mm/min)で破断するまで引張り、次式により引張強さを算出し、試験片3個の平均値を以て表す。
引張強さ(MPa)=荷重(N)/(厚さ(mm)×幅(mm))
【0092】
<引張伸び試験>
上記引張試験で試料が破断するまでの試料の伸び量(a)(mm)を測定し、所定距離(100mm)(b)で割ることにより、引張伸び率を求める。試験片3個の平均値を以て表す。
引張伸び率(%)={(a)mm/(b:100mm)}×100(%)
【0093】
【実施例1】
<ジョイントシート形成用組成物の調製>
以下の組成を有するジョイントシート形成用組成物を調製した(表1参照)。
【0094】
得られた組成物を130℃に保たれた加熱ロールと30℃以下に保たれた冷却ロールとの間に挿入して加熱圧延した。この際、冷却ロール表面にトルエンを散布したところ、冷却ロール表面への該組成物の付着は防止され、シート状に積層された。
【0095】
このシート状物を熱ロールからドクターブレードにより剥離してジョイントシートを得た。
次に得られたジョイントシートの各種特性を上記のようにして測定した。
【0096】
ジョイントシートの常態での引張強さは、タテ方向で20.39MPa、ヨコ方向で5.52MPaであり、同じく引張伸び率は、タテ方向で12.65%、ヨコ方向伸び率で10.77%であり、
乾熱処理後の引張強さは、タテ方向で29.76MPa、ヨコ方向で11.66MPaであり、同じく引張伸び率は、タテ方向で1.33%であり、ヨコ方向伸び率で0.85%であり、
湿熱後の引張強さは、タテ方向で16.32MPa、ヨコ方向で6.84MPaであり、同じくその引張伸び率は、タテ方向で2.73%、ヨコ方向伸び率で2.43%であった。
【0097】
【実施例2〜7、比較例1〜3】
実施例1において、ジョイントシート形成用組成物の配合組成を表1に示すように変えた以外は、実施例1と同様にして、ジョイントシートを形成し、試験した。
配合組成を併せて表1に示し、結果を併せて表2に示す。
【0098】
なお、用いた配合成分の詳細は以下の通り。
(*1)PBO系フィブリル化有機繊維:
上記PBO系フィブリル化有機繊維は、繊維長6mmカット、繊維径12μm(1.5デニール)のPBO繊維(東洋紡績社、ザイロンAS)を実験用SDRで叩解し、ろ水度480mlに調整した。
【0099】
(*2)無機繊維:
ロックウール(狭義のロックウール)、商品名「ラピナスRS440」,製造元:オランダLapinus.FibresB.V.社,輝緑岩、玄武岩等を原料とし、これら原料を混合し溶融した後、高温で溶解し、その溶融物を高温の気体、高温蒸気等で飛散させたもの。平均繊維径:5μm、平均繊維長:300μm。
【0100】
(*3)無機充填材:
リザルダイト、商品名「エンバイロフィル」,製造元:Hedman Resources Limited社、40μm以下の粒子が10%以下の塊状の粉体。
【0101】
[参考例1〜3、実施例8〜9]
実施例1において、配合組成およびフィブリル化したPBO繊維のろ水度を表3に示すように代えた以外は、実施例1と同様にしてジョイントシートを製造し、その特性を評価した。
結果を、表4に示す。
【0102】
【比較例4】
実施例1において、配合組成を表3に示すように代え、またフィブリル化したPBO繊維に代えて、表3に示すようなろ水度190mlのフィブリル化アラミド繊維を用いた以外は、実施例1と同様にしてジョイントシートを製造し、その特性を評価した。
結果を、表4に示す。
【0103】
【表1】
【0104】
【表2】
【0105】
【表3】
【0106】
【表4】
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明の多層ジョイントシートの一例を示す。
【符号の説明】
10・・・・・平滑性、高圧縮性を有する表面層、
12・・・・・耐熱性、耐蒸気性を有する本発明のジョイントシート形成用組成物からなる中間層、ジョイントシート形成用組成物層、
14・・・・・平滑性、高圧縮性を有する裏面層、
16・・・・・耐熱性接着剤入りジョイントシート形成用組成物層、
18・・・・・網目状芯体
20・・・・・耐熱性接着剤層、
30・・・・・従来のジョイントシート形成用組成物層、
50A、50B、50C・・・・・本発明の多層ジョイントシート。
Claims (6)
- (i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含む組成物であって、
上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS P 8121に準拠し測定)が400〜650mlにフィブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維(イ-1)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を3〜30重量%(但し、(i)、(ii)、(iii)、(iv)の合計を100重量%とする。)の量で含むことを特徴とするジョイントシート形成用組成物。 - (i)非石綿系基材繊維、(ii)ゴム材、(iii)ゴム薬品および(iv)充填材を含む組成物であって、
上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS P 8121に準拠して測定)が400〜650mlにフィブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリル化されていてもよい有機繊維(イ-2)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、上記フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を10〜100重量部(但し、上記有機繊維(イ-1)と(イ-2)の合計を100重量部とする。)の量で含むことを特徴とするジョイントシート形成用組成物。 - (i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および(iv)充填材を含むジョイントシートであって、
上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS P8121に準拠して測定)が400〜650mlにフィブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維(イ-1)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を3〜30重量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計を100重量%とする。)の量で含むことを特徴とするジョイントシート。 - (i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および(iv)充填材を含むジョイントシートであって、
上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS P 8121に準拠して測定)が400〜650mlにフィブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリル化されていてもよい有機繊維(イ-2)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、上記フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を10〜100重量部(但し、上記有機繊維(イ-1)と(イ-2)の合計を100重量部とする。)の量で含むことを特徴とするジョイントシート。 - (i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および(iv)充填材を含む層を有する多層ジョイントシートであって、
上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS P 8121に準拠して測定)が400〜650mlにフィブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維(イ-1)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、該フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を3〜30重量%(但し、(i)、(ii-a)、(iv)の合計を100重量%とする。)の量で含む層を有することを特徴とする多層ジョイントシート。 - (i)非石綿系基材繊維、(ii-a)加硫されたゴム材および(iv)充填材を含む層を有する多層ジョイントシートであって、
上記非石綿系基材繊維(i)として、ろ水度(JIS P 8121に準拠して測定)が400〜650mlにフィブリル化されたポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール(PBO)繊維(イ-1)と、それ以外のフィブリル化されていてもよい有機繊維(イ-2)と、必要により無機繊維(ロ)とを含み、上記フィブリル化されたPBO繊維(イ-1)を10〜100重量部(但し、上記有機繊維(イ-1)と(イ-2)の合計を100重量部とする。)の量で含む層を有することを特徴とする多層ジョイントシート。
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