JPH08302334A - ジョイントシートおよびその製造法 - Google Patents

ジョイントシートおよびその製造法

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JPH08302334A
JPH08302334A JP13592395A JP13592395A JPH08302334A JP H08302334 A JPH08302334 A JP H08302334A JP 13592395 A JP13592395 A JP 13592395A JP 13592395 A JP13592395 A JP 13592395A JP H08302334 A JPH08302334 A JP H08302334A
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JP
Japan
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joint sheet
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asbestos
strength
roll
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JP13592395A
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English (en)
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Shuji Ito
修二 伊藤
Shoichi Shigetome
祥一 重留
Mitsuyuki Nakano
光行 中野
Toru Segawa
透 瀬川
Michio Machii
道男 町井
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Nichias Corp
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Nichias Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 良好なシール性が得られ、しかも製造時のロ
ール回転方向に対して直角方向の引張強さを大幅に改善
できるアスベストフリージョイントシートおよびその製
造法を提供する。 【構成】 基材繊維、ゴム材料、ゴム薬品、充填材を主
材とするアスベストフリージョイントシート形成用組成
物を熱ロールと冷ロールからなる一対のロール間に投入
し、熱ロール側に柔軟層を積層させている途中に、熱硬
化性樹脂を含む組成物を積層させて高強度層となし、両
層を組み合わせる。 【効果】 従来のアスベストフリージョイントシート組
成物より成る柔軟層と、熱硬化性樹脂を含ませた組成物
よりなる高強度層とを組み合わせることにより、シート
全体の引張強度は高められる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、石油化学プラント、各
種工業用機械装置、自動車、家電など広範囲な分野で使
用されるガスケットの基材として用いられるジョイント
シートおよびその製造法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、この種のジョイントシートは、ま
ず基材繊維、充填材、ゴム薬品に溶剤に膨潤させたゴム
(あるいは粉末ゴムまたはラテックスに溶剤を加えたも
の)をヘンシェルミキサー等で充分混練し、ジョイント
シート形成用組成物(以下混練材料と略す)を調整し、
次いで、この混練材料を熱ロール(約150℃)と冷ロ
ール(約20℃)とからなる一対のカレンダロール間に
投入し、熱ロール側に加熱・圧延をしながら積層し、溶
剤の蒸発・加硫を行ない、最後に積層させたシートを剥
離することによって製造されている。製品によっては、
加硫を進めるために、得られたシートをさらにオートク
レーブ等の中で二次加硫を行なう場合もある。なお、構
成材料としては、用途に応じ、上記のもののほか軟化
剤、可塑剤、水膨潤剤、油膨潤剤が少量添加され、保管
・識別の点から顔料が配合されることもある。
【0003】そして従来、前記ジョイントシートとして
は、石綿ジョイントシートが汎用され、石綿繊維の独特
の形状や優れた耐熱性を利用して、水、油、空気、水蒸
気等の配管や機器用のガスケットとして打ち抜き加工さ
れ、使用されてきた。ところが、石綿繊維は天然鉱物で
あり、資源の枯渇が心配されることや、石綿繊維が原因
と推測されている健康障害が社会的問題となって世界的
に石綿の使用が制限される傾向となっている現状に鑑
み、最近では石綿繊維を全く使用せず、石綿繊維以外の
無機繊維と有機繊維の両方またはいずれか一方を使用し
たジョイントシート(アスベストフリージョイントシー
トまたはノンアスベストジョイントシートまたはNAジ
ョイントシートと呼ばれている)が使用されるようにな
っている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】前記アスベストフリー
ジョイントシートに用いられる基材繊維としては、有機
繊維と無機繊維(石綿繊維以外)があるが、石綿繊維に
比べると繊維径が太くて剛直なものが多く、用途に応じ
て各種繊維を組み合わせて使用しているが、引張強さの
点で完全に石綿ジョイントシートに匹敵するまでには至
っていない。というのは、ジョイントシートは、混練材
料を熱ロールと冷ロールからなるカレンダロールに投入
し、熱ロール側に所定の厚さまで積層させるという方法
で製造されているために、ロールの回転方向に繊維が配
向してしまい、配向方向に対し直角方向の引張強さが著
しく低いという問題がある。石綿ジョイントシートにお
いては、高度にフィブリル化した繊維が40〜80%程
度含まれているため、シート強度そのものが大きいため
に、配向方向に直角方向の引張強さも充分大きい。一
方、アスベストフリージョイントシートでは、石綿繊維
に匹敵する補強性を有する繊維として、フィブリル化し
た芳香族ポリアミド繊維があるが、石綿繊維に比べてフ
ィブリル化の程度が小さく剛直であるために配向の影響
を受けやすく、繊維を増量すれば引張強さをある程度向
上させることができるが、繊維量が増えすぎると混練材
料が硬くなりすぎてしまい、シートの製造性が悪化し、
製造したシートも表面状態が悪くなるためにシール性が
低下してしまうという欠点がある。また、芳香族ポリア
ミド繊維は価格が高いために、増量して使用する場合は
シートのコストアップ要因となる問題もある。
【0005】ジョイントシートの引張強さの改善の別の
方法としては、ジョイントシート中に比較的目の粗い金
網等を、混練材料を積層させている途中で投入する方法
があるが、混練材料と金属という異なる組成のものを密
着させるために、界面での剥がれが生じやすくシール性
が悪くなり、製造時においても金網の大きさに制約を受
けるし、金網端部の部分は使用できないため歩留りも悪
い。
【0006】さらにまた、ジョイントシートの引張強さ
の改善の別の方法としては、ジョイントシートを鋼板の
両面に接着剤で張り合わせる方法もあるが、ジョイント
シートを製造後に接着を行なわなければならず、作業工
程が増えて繁雑になってしまう上に、均一な接着面を得
ることも難しいという不具合がある。
【0007】
【発明の目的】本発明は、良好なシール性が得られ、し
かも製造時のロール回転方向に対して直角方向の引張強
さを大幅に改善できるアスベストフリージョイントシー
トおよびその製造法を提供することを主たる目的として
いる。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明によるジョイント
シートは、無機繊維および/または有機繊維からなる基
材繊維、ゴム材料、充填材および加硫剤、加硫促進剤、
加工助剤、可塑剤等のゴム薬品からなる組成物を溶剤と
ともに混練して得たジョイントシート形成用組成物を、
熱ロールと冷ロールからなる一対のロール間に投入し、
熱ロール側に所定の厚さまで積層させながら加熱圧延し
た後、熱ロールから剥離して製造するアスベストフリー
ジョイントシートであって、上記ジョイントシート形成
用組成物からなる柔軟層と、前記組成物に熱硬化性樹脂
を含む組成物からなる高強度層とが組み合わされている
ことを特徴としている。
【0009】さらに本発明によるジョイントシートの製
造法は、前記ジョイントシート形成用組成物を柔軟層用
組成物とし、その組成物に熱硬化性樹脂を含む組成物を
高強度層用組成物とし、前記一方の組成物を熱ロールと
冷ロールからなる一対のロール間に投入し、熱ロール側
に積層させている途中に、他方の組成物を積層させるこ
とを特徴としている。
【0010】ここで、前記高強度層および柔軟層に用い
られる基材繊維としては、芳香族ポリアミド繊維、ポリ
エチレン繊維、竹パルプ、針葉樹パルプなどのセルロー
ス繊維、フェノール繊維、アクリル繊維、ナイロン繊維
等の有機繊維、ロックウール、カーボン繊維、ガラス繊
維、セピオライト繊維等の無機繊維を用いることができ
る。これら基材繊維は、単独あるいは2種類以上を併用
して使用してもよい。
【0011】ゴム材としては、アクリロニトリルブタジ
エンゴム、水素化アクリロニトリルブタジエンゴム、ア
クリルゴム、エチレンプロピレンゴム、スチレンブタジ
エンゴム、クロロプレンゴム、天然ゴム、イソプレンゴ
ム等を用いることができる。充填材としては、クレー、
タルク、硫酸バリウム、重炭酸ナトリウム、グラファイ
ト、カオリナイト、セリサイト、焼成クレー、カーボン
ブラック、微細なケイ酸・ケイ酸塩化合物、ウォラスト
ナイト等を単独または2種類以上を複合して用いること
ができる。
【0012】加硫剤・加硫促進剤としては、硫黄、酸化
亜鉛、酸化マグネシウム、過酸化物、ジニトロソベンゼ
ン等の加硫剤、アルデヒドアンモニア系、チウラム系、
ジチオカルバミン酸塩系、スルフェンアミド系、チアゾ
ール系、グアニジン系、チオウレア系、キサントゲン酸
塩系、アルデヒドアミン系等の加硫促進剤を用いること
ができる。また、加硫剤・加硫促進剤以外のゴム薬品と
しては、老化防止剤、スコーチ防止剤、可塑剤、着色剤
等を用いることができる。
【0013】前記高強度層に用いられる熱硬化性樹脂と
しては、フェノール樹脂、エポキシ樹脂、ポリイミド樹
脂、尿素樹脂、メラミン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリ
スチレン樹脂、ウレタン樹脂等を用いることができる。
また、これら熱硬化性樹脂の架橋密度を上げたり、架橋
速度を調整する目的で架橋剤を使用してもかまわない。
【0014】
【作用】本発明者らは、まずアスベストフリージョイン
トシートの強度を高める方法として、通常の繊維の絡み
を利用することに加えて、強固な架橋反応によりそれ自
身が引張強さの強い成形体を作る熱硬化性樹脂を使用す
ることを検討した。すなわち、カレンダロールにてシー
トを成形する場合、熱硬化性樹脂を一定量以上、例えば
熱硬化性フェノール樹脂の場合は3%以上望ましくは5
%以上添加すると、ロールの回転方向に対し直角方向の
引張強さを大幅に改善できることが判った。
【0015】ここで図1に、フェノール樹脂の添加量と
引張強さの関係を示す。ただし、熱硬化性樹脂の添加量
を増やすにしたがい、シートが硬くなり、圧縮率や柔軟
性が小さくなるために、シール性が大幅に低下してしま
うことが判った。そこで、さらに鋭意研究をかさねた結
果、前記ジョイントシート形成用組成物からなる柔軟層
と、引張強さを改善する熱硬化性樹脂を添加した高強度
層とを同一のジョイントシート中に組み合わせることを
見い出した。
【0016】具体的には、前記柔軟層として、基材繊
維、充填材、ゴム薬品に溶剤に膨潤させたゴム(あるい
は粉末ゴムまたはラテックスに溶剤を加えたもの)をヘ
ンシェルミキサー等で充分混練して得られた柔軟層用混
練材料を熱ロール(約150℃)と冷ロール(約20
℃)とからなる一対のカレンダロール間に投入し、加熱
圧延して熱ロール側に積層させながら溶剤の蒸発・加硫
を行なっている途中で、前記柔軟層と同組成あるいは、
多少異なる組成の配合に熱硬化性樹脂を5重量%望まし
くは10重量%以上添加した高強度層の混練材料を所定
の厚さだけ積層させ、その後に先の柔軟層の混練材料を
目的のシートの厚さまで積層する方法により、ロールの
回転方向に対し直角方向の引張強さが大幅に改善され、
しかも圧縮率が大きく、表裏両面のなじみが良く、シー
ル性の良好なジョイントシートが得られることを知り、
その知見に基づいて本発明を完成したものである。上記
方法にあっては、高強度混練材料を先に熱ロール側に積
層させ、次に柔軟層混練材料を積層するようにしてもよ
い。
【0017】前記熱硬化性樹脂の添加量は、高強度層の
積層厚さとジョイントシートの全厚さの比率により異な
るが、一般に高強度層に対して5重量%以上望ましくは
10重量%以上がよい。高強度層の熱硬化性樹脂の添加
量が少ないと、ロール回転方向に対し直角方向の引張強
さの改善が充分に望めない。
【0018】前記ジョイントシートの製造法によれば、
熱硬化性樹脂を添加した高強度層の混練材料は熱硬化性
樹脂が硬化前の状態であり、材料の硬さは熱硬化性樹脂
を添加していない柔軟層の混練材料とほぼ同一の硬さ、
形状をしているために、製造方法を大きく変える必要が
なく、製造性も何ら問題ない。また、このとき高強度層
と柔軟層の密着性は、積層物の組成が一度に変わるので
はなく、両方の混ざった状態を経て変わっていき、積層
と同時にゴムの加硫・熱硬化性樹脂の架橋が行われるた
め良好となる。
【0019】特に、熱硬化性フェノール樹脂とアクリロ
ニトリルブタジエンゴムのように、相溶性のよい熱硬化
性樹脂とゴムの組み合わせが好ましい。なお、さらに引
張強さを改善するためには、オートクレーブ、オーブン
等で後加硫を行なうことにより、熱硬化性樹脂を充分架
橋させてもよい。また、ジョイントシートの引張強さ、
圧縮率、柔軟性等の物性のバランスをとるためには、高
強度層と柔軟層の比率を変えることで対応できるが、高
強度層を一層ではなく、一層の厚さを薄くして二層以上
積層させることにより、柔軟性を確保しながら引張強さ
を改善させることができる。なお、このような高強度層
と柔軟層の多層構造のものは、柔軟層が高強度層にサン
ドイッチされた拘束構造となるために制振効果もあるこ
とが確認されている。
【0020】さらに、熱硬化性樹脂を添加した高強度層
を厚くすることにより断熱性を付与することも可能であ
る。また本発明のジョイントシートでは、熱硬化性樹脂
が完全に架橋する温度以下でシートを製造し、打ち抜き
またはカッター加工等で所定のガスケット形状に加工後
に、加熱処理を行ない熱硬化性樹脂を完全に架橋させる
ことにより、加工性を損なわずにガスケットの加工を行
なうことができる。
【0021】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
る。
【0022】[実施例1]ゴム素練りロールにより1mm
の厚さに薄出し処理したアクリロニトリルブタジエンゴ
ムを所定量計量した後、300重量部のトルエン中に膨
潤させ、下記表1に示す柔軟層用配合の繊維材料、充填
材、加硫剤、加硫促進剤、その他ゴム薬品とともにヘン
シェルミキサーにて80分間混練して柔軟層用の混練材
料を調整した。
【0023】次にゴム素練りロールにより1mmの厚さに
薄出し処理したアクリロニトリルブタジエンゴムを所定
量計量した後、300重量部のトルエン中に膨潤させ、
表1に示す高強度層用a配合の熱硬化性樹脂、繊維材
料、充填材、加硫剤、加硫促進剤、その他ゴム薬品とと
もにヘンシェルミキサーにて80分間混練して高強度層
用混練材料を調整した。
【0024】そして、150℃の熱ロール、20℃の冷
ロールのカレンダロールによりまず柔軟層用の混練材料
を厚さ0.5mmまで加熱圧延しながら積層し、次いで高
強度層用混練材料を厚さ0.5mmまで加熱圧延しながら
積層、次に柔軟層用の混練材料を厚さ0.5mmまで加熱
圧延しながら積層することにより厚さ1.5mmのジョイ
ントシートを得た。そしてこのジョイントシートをオー
トクレーブにより150℃×30分二次加硫を行なっ
た。
【0025】
【表1】
【0026】[実施例2]表1に示す柔軟層用配合、高
強度層用a配合のものを実施例1と同様の方法で混練
し、混練材料を調整する。そして、150℃の熱ロー
ル、20℃の冷ロールのカレンダロールによりまず柔軟
層用の混練材料を厚さ0.4mmまで加熱圧延しながら積
層し、次いで高強度層用混練材料を厚さ0.25mm、柔
軟層用混練材料を厚さ0.2mm、高強度層用混練材料を
厚さ0.25mm、柔軟層用の混練材料を厚さ0.4mmの
順に加熱圧延しながら積層することにより厚さ1.5mm
のジョイントシートを得た。そしてこのジョイントシー
トをオートクレーブにより150℃×30分二次加硫を
行なった。
【0027】[実施例3]表1に示す柔軟層用配合、高
強度層用a配合のものを実施例1と同様の方法で混練
し、混練材料を調整する。そして、150℃の熱ロー
ル、20℃の冷ロールのカレンダロールによりまず柔軟
層用の混練材料を厚さ0.2mmまで加熱圧延しながら積
層し、次いで高強度層用混練材料を厚さ0.1mm、次に
柔軟層用の混練材料を厚さ0.2mmまで加熱圧延しなが
ら積層することにより厚さ0.5mmのジョイントシート
を得た。そしてこのジョイントシートをオートクレーブ
により150℃×30分二次加硫を行なった。
【0028】[実施例4]表1に示す柔軟層用配合、高
強度層用b配合のものを実施例1と同様の方法で混練
し、混練材料を調整する。そして、150℃の熱ロー
ル、20℃の冷ロールのカレンダロールによりまず柔軟
層用の混練材料を厚さ0.65mmまで加熱圧延しながら
積層し、次いで高強度層用混練材料を厚さ0.2mm、次
に柔軟層用の混練材料を厚さ0.65mmまで加熱圧延し
ながら積層することにより厚さ1.5mmのジョイントシ
ートを得た。そしてこのジョイントシートをオートクレ
ーブにより150℃×30分二次加硫を行なった。
【0029】[比較例1]表1に示す柔軟層用配合のも
のを実施例1と同様の方法で混練し、混練材料を調整す
る。そして、150℃の熱ロール、20℃の冷ロールの
カレンダロールにより柔軟層用の混練材料を厚さ1.5
mmまで加熱圧延しながら積層することにより厚さ1.5
mmのジョイントシートを得た。そしてこのジョイントシ
ートをオートクレーブにより150℃×30分二次加硫
を行なった。
【0030】[比較例2]表1に示す高強度層用c配合
のものを実施例1と同様の方法で混練し、混練材料を調
整する。そして、150℃の熱ロール、20℃の冷ロー
ルのカレンダロールにより高強度層用の混練材料を厚さ
1.5mmまで加熱圧延しながら積層することにより厚さ
1.5mmのジョイントシートを得た。そしてこのジョイ
ントシートをオートクレーブにより150℃×30分二
次加硫を行なった。
【0031】前記実施例1〜4および比較例1〜2によ
るジョイントシート試料の物性値を下記表2に示す。
【0032】
【表2】
【0033】表2中、ジョイントシートの引張強さ、圧
縮率、応力緩和率は、JIS R3453に準じて測定
した。なお引張強さは、ロールの回転方向および回転方
向に対して直角方向について測定した。また、シール性
は、リング状に打ち抜いたジョイントシートガスケット
をフランジ間に挾み、N2ガス圧15kgf/cm2を負荷した
ときの1時間の漏れ量を水中置換法により求めた。
【0034】前述した物性測定の結果、本発明による実
施例1〜4のジョイントシートでは、良好なシール性を
保ちつつ、ロール回転方向に対し直角方向の引張強さを
大幅に改善できることが認められた。これに対し、比較
例1では熱硬化性樹脂を添加した高強度層を積層してい
ないために、熱硬化性樹脂同士の強固な架橋をいかせ
ず、繊維の配向の影響が大きく出てしまい、ロールの回
転方向に対し直角方向の引張強さを強くすることができ
なかった。比較例2は、ジョイントシート全体に対する
熱硬化性樹脂の添加量は実施例1の高強度層を積層した
ジョイントシートと同一であるが、シート全体に熱硬化
性樹脂が添加されているために、シートの表裏面が硬く
なってしまい、圧縮率、シール性が悪くなった。
【0035】次に、実施例2および比較例1のジョイン
トシートについて制振性能を測定した結果を、図2のグ
ラフに示す。制振性能の測定は、厚さ3mmの鉄板から長
方形のベース板を作り(この板を振動源として使用す
る)、そこに同寸法の実施例2または比較例1で作製し
たジョイントシートをエポキシ系接着剤で張り合わせ、
ベース板の中心部を動電加振器で加振し、その間に挿入
してあるインピーダンスヘッドにより力と振動加速度を
計測しながら、加振周波数を変化させ、加振点の機械イ
ンピーダンスを計算し、共振曲線から損失係数η(振動
がどの程度速く減衰するかを示す値)を算出する装置
(機械インピーダンス法)を使用して行なった。測定し
た損失係数は、値が大きいほど制振性能が良好であるこ
とを示し、一般には0.05以上あれば制振効果がある
といわれる。
【0036】図2のグラフに示す制振性能測定結果から
明らかなように、本発明による実施例2のジョイントシ
ートは、良好な制振性能を有していることが認められ
た。
【0037】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
良好なシール性を保持しつつ、これまで引張強さが低
く、バースト(張り裂け)の危険のあったロール回転方
向に対して直角方向の引張強さを大幅に改善したアスベ
ストフリージョイントシートを得ることができる。ま
た、本発明によれば、前記引張強さの改善と共に制振性
能および断熱性能に優れた物性を備えたアスベストフリ
ージョイントシートを提供することができる。加えて、
本発明のジョイントシートの製造法によれば、前述した
物性を備えたアスベストフリージョイントシートを、常
法により容易に、かつ安価に得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱硬化性樹脂の添加量と引張強さの関係を示す
グラフである。
【図2】ジョイントシートの制振性能を示すグラフであ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 瀬川 透 神奈川県横浜市神奈川区松見町4−1000− 4G (72)発明者 町井 道男 奈良県生駒郡斑鳩町竜田西7−4−40 竜 田寮402

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 基材繊維、ゴム材料、ゴム薬品、充填材
    を主材とする組成物から成るアスベストフリージョイン
    トシートであって、前記組成物からなる柔軟層と、前記
    組成物に熱硬化性樹脂を含む組成物からなる高強度層と
    が組み合わされていることを特徴とするジョイントシー
    ト。
  2. 【請求項2】 前記柔軟層−高強度層−柔軟層の順に組
    み合わされている請求項1に記載のジョイントシート。
  3. 【請求項3】 基材繊維、ゴム材料、ゴム薬品、充填材
    を主材とする組成物を柔軟層用組成物とし、前記組成物
    に熱硬化性樹脂を含む組成物を高強度層用組成物とし、
    前記一方の組成物を熱ロールと冷ロールからなる一対の
    ロール間に投入し、熱ロール側に積層させている途中
    に、他方の組成物を積層させることを特徴とするジョイ
    ントシートの製造法。
JP13592395A 1995-05-09 1995-05-09 ジョイントシートおよびその製造法 Pending JPH08302334A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013100420A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Ask Technica Corp ジョイントシート

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013100420A (ja) * 2011-11-09 2013-05-23 Ask Technica Corp ジョイントシート

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