JP2003155297A - 食物アレルゲン、食物アレルゲンの検出方法及び食物アレルギー誘発性食品の検出方法 - Google Patents

食物アレルゲン、食物アレルゲンの検出方法及び食物アレルギー誘発性食品の検出方法

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JP2003155297A JP2002259761A JP2002259761A JP2003155297A JP 2003155297 A JP2003155297 A JP 2003155297A JP 2002259761 A JP2002259761 A JP 2002259761A JP 2002259761 A JP2002259761 A JP 2002259761A JP 2003155297 A JP2003155297 A JP 2003155297A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 食物アレルゲンを検出する方法、それに用い
られる抗体及び当該抗体を調製するための抗原を提供す
る。 【解決手段】 本発明の抗原は、食物アレルギー患者の
IgE抗体が認識する未変性及び/又は変性物質からなる
複数の食物アレルゲンの混合物であり、また本発明の抗
体は上記の抗原を動物に免疫して得られる抗体である。
更に、本発明の食物アレルゲンの検出方法は上記の抗体
を用いるものであり、係る方法によれば、食物アレルゲ
ン及び食物アレルギー誘発性食品等を検出でき、食物ア
レルギー患者の安全性確保に資することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、食物アレルギー患
者のIgE抗体が認識する未変性及び/又は変性物質から
なる複数の食物アレルゲンの混合物、当該食物アレルゲ
ン混合物を動物に免疫して得られる抗体、及び当該抗体
を用いる食物アレルゲン並びに当該アレルゲンを含有す
る食物アレルギー誘発性食品及びそれらを含有する食品
の検出方法に関する。そして、本発明は食物アレルゲン
の発症機構の解明、食物アレルゲンの低アレルゲン化技
術の開発、低アレルゲン化技術の有用性の検証、食品及
び食品原材料中に混在する食物アレルゲンの検出、並び
に食品加工機械や製造工程等の食品製造環境中に存在す
る食物アレルゲンの検出などに活用できるので、食物ア
レルギー患者の安全性確保に資することができる。
【0002】
【従来の技術】食物アレルギーは、食品中に含まれるア
レルギー誘発物質(以下、食物アレルゲン)の摂取が引
き起こす有害な免疫反応であり、皮膚炎、喘息、消化管
障害、アナフィラキシーショック等を引き起こす。アレ
ルギー反応は作用機序の違いから、I型からIV型に分類
されているが、食物アレルギーは、主に、食物の摂取に
よって体内に侵入した食物アレルゲンとIgE抗体が反応
するI型アレルギーによって惹起される。そして、近
年、このような食物アレルギーの患者が増加しており、
医学上及び食品産業上、深刻な問題を生じている。この
ような危害を未然に防ぐために、表示を通じた消費者へ
の情報提供の必要性も高まっており、FAO/WHO合同食品
規格委員会(CODEX委員会)は、アレルギー物資として
知られている8種の原材料を含む食品にあっては、それ
を含む旨の表示について合意し、加盟国で各国の制度に
適した表示方法を検討することとした(1999年6月)。
日本では過去の健康危害などの程度、頻度を考慮して重
篤なアレルギー症状を惹起した実績のある24品目の食品
について、その表示方法が定められた(2002年4月より
施行)。このように、これらの表示制度は、アレルギー
物質または食物アレルゲン自体の表示ではなく、アレル
ギー物質または食物アレルゲンを含有する食品(本願明
細書では、食物アレルギー誘発性食品と称する)の表示
を求めていることに注目する必要がある。食物アレルギ
ー誘発性食品としては、卵類、牛乳類、肉類、魚類、甲
殻類および軟体動物類、穀類、豆類およびナッツ類、果
実類、野菜類、ビール酵母もしくはゼラチンなどが知ら
れている。また、食物アレルギー誘発性食品には、オボ
アルブミン、オボムコイド、リゾチーム、カゼイン、β
-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミン、グルテン、
α-アミラーゼインヒビターなどの食物アレルギーを誘
発する食品成分も含まれる。さらに、(1)現時点では物
質名は特定されていないが、食物アレルギーを誘発する
食品や食品成分(食物アレルゲン)が多数存在するもの
と考えられる;(2)食物アレルギーを誘発する食品や食
品成分(食物アレルゲン)は、食物アレルギー患者毎に
異なり、多様である;そして(3)後記の実施例が示すよ
うに、食物アレルギーを誘発する1種類の食品中にさえ
も、既知及び未知の食物アレルゲンが多数存在する。し
かし従来は、これらの食物アレルギーを誘発する多数の
食品や多数の食物アレルゲンを簡便に検出することが出
来なかった。
【0003】食品は、食品の消化性、保存性、嗜好性、
物性等の改善や殺菌の目的で加熱、凍結、乾燥、塩蔵、
発酵、酵素処理等の処理(以下、食品加工処理)がなさ
れて調製される。これらの食品加工処理は蛋白質等の食
品成分に作用して、食品成分の分子構造を変化させるが
(例:蛋白質の変性)、これらの食品加工処理が新たな
食物アレルゲンを生じるか否かについては従来あまり検
討されていなかった。しかし、後記の実施例が示すよう
に、本発明は次ぎのことを明らかにした:(1)加熱処理
された食品成分もアレルゲン性を有する、(2)同一食品
であっても、加熱処理されていない場合と加熱処理され
た場合では、アレルギーを誘発する成分又はエピトープ
が変化する。即ち、a)非加熱の卵抗原、b)前記a)を
加熱して調製した加熱卵抗原、c)複数の食物アレルギ
ー患者から採取しプールした血清(以下、患者プール血
清)とa)を混合した後の血清(非加熱卵抗原除去血
清)、d)患者プール血清とb)を混合した後の血清(加
熱卵抗原除去血清)を調製し、a)とc)又はd)を反応
させた試験結果、並びに、b)とc)又はd)を反応させ
た試験結果から、非加熱卵抗原除去血清は、非加熱卵抗
原と抗原抗体反応しなくなったが、加熱卵抗原とは依然
として抗原抗体反応した:一方、加熱卵抗原除去血清
は、加熱卵抗原と抗原抗体反応しなくなったが、非加熱
卵抗原とは依然として抗原抗体反応した。要約すれば、
食物アレルギー患者は、加熱等の食品加工処理を受けた
食品に対して特異的なIgE抗体、及び、食品加工処理を
受けていない食品に対して特異的なIgE抗体を夫々持っ
ており、これらが食物アレルギーの惹起に関係している
と考えられる。しかし、従来は、食品加工処理の施され
た食品や食品成分のアレルゲン性を簡便に検査すること
は出来なかった。
【0004】鶏卵蛋白質、ピーナッツ蛋白質、カゼイ
ン、β-ラクトグロブリン、グルテンを対象とする食物
アレルゲン検査用の製品が市販されている(食品と開
発,Vol.35,p10-11)。しかし、これら製品の一部又は全
てには次ぎのような問題点があった:(1)必ずしもアレ
ルギー患者が認識するアレルゲンを検出する訳ではなか
った、言換えれば、食物アレルギー患者のIgE抗体が認
識する物質を検出している訳ではなかった;(2)既知か
つ単一のアレルゲンしか検出できなかった(単一抗
体);(3)単一のアレルゲンを検出する単一抗体を用い
る検出方法の場合には、当該アレルゲンの検出を妨害す
る物質を含有する食品には適用できなかった;(4)後記
の実施例が示すように、単一抗体を用いる検査方法を用
いて食物アレルギー誘発性食品を定量しようとする場合
には、必ずしも正確な定量値が得られなかった;(5)後
記の実施例が示すように、単一抗体を用いる検出方法の
場合には、当該アレルゲンを含まない食物アレルギー誘
発性食品の検査に適用できなかった(例:卵白部分に局
在するオボアルブミン等を抗原として得られる単一抗体
を用いる検出法の場合には、卵黄や卵黄マヨネーズ等の
検査に適用できなかった。なお、卵黄成分が食物アレル
ギーを発症する事例も知られている。);(6)食品の加
工処理によって変性又は分子修飾されたアレルゲンを検
出できなかったので、加工食品の検査には適用できなか
った、(7)未変性及び変性β-ラクトグロブリン、オボア
ルブミン、α-カゼインを認識するモノクローナル抗体
が報告されたが(アレルギー、Vol. 50, p309)、モノ
クローナル抗体は食物アレルゲン分子中の特定のエピト
ープしか認識しないから(厳密には、1クローン化ハイ
ブリドーマから作られるモノクローナル抗体は1エピト
ープのみを認識する)、食品の製造工程で当該エピトー
プが除去又は分子修飾された場合には、モノクローナル
抗体を用いたアレルゲン性判定法の有用性は低減した。
【0005】食物アレルギー患者の血清を用いる方法と
して、米アレルギー患者の血清を用いるアレルゲン分析
法(特開平2000-65820公報)、卵、牛乳アレルギー患者
のプール血清を用いるアレルゲン分析法(食肉の科学,V
ol.39,p166-169)が報告されたが、大量の患者のヒト血
清を必要とするので、病院等の限られた施設では利用で
きたが、多くの検査機関や食品製造工場等では利用でき
なかった。マウスのアナフィラキシー反応を利用した食
物アレルゲンを検査する方法(FFI J.,No.180,p77-82)
も報告されたが、煩雑な操作を要すると共に実験動物を
維持管理しなければならないので、大多数の食品製造工
場では利用できなかった。フローシステムと酵素標識抗
体を組み合わせたシステムやマイクロ電極を利用したア
レルゲンセンサーも開発されたが(食品工業,Vol.42,p5
3-56)、実用化までには多くの解決すべき課題が残され
ていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術に存
在する上記課題を解決するためになされたものであり、
本発明の目的は、(1)食物アレルギー患者のIgE抗体が認
識する既知及び/又は未知、並びに、未変性及び/又は
変性物質からなる複数の食物アレルゲンの混合物(便宜
上、本発明の第1の発明という)、(2)当該食物アレル
ゲンの混合物を動物に免疫して得られる抗体(便宜上、
本発明の第2の発明という)、及び当該抗体を用いる食
物アレルゲン並びに食物アレルギー誘発性食品の検出方
法(便宜上、本発明の第3の発明という)を提供するこ
とである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の発明は、
(1-i)食物アレルギー患者プール血清からIgE抗体画分を
分離し、(1-ii)食品加工処理と同程度の処理された、及
び/又は処理されていない食品又は食品成分(以下、食
品という)の中から、前記IgE抗体画分と反応する複数
の成分(換言すれば、食物アレルギー患者のIgE抗体が
認識する複数の食物アレルゲン)をアフィニティークロ
マトグラフィー又は免疫沈降等の慣用の免疫学的な方法
を用いて採取する。又は、本発明の第1の発明は、(2-
i)慣用の方法に従って、食品成分をSDS-PAGEし、メンブ
ランに転写し、(2-ii)当該メンブラン、患者プール血
清、標識化抗ヒトIgE抗体及び染色試薬を用いてウエス
タンブロッティングする(換言すれば、食物アレルギー
患者のIgE抗体が認識する複数の食物アレルゲンのプロ
ファイルを作成する)と共に、(2-iii)当該メンブラ
ン、食品成分を慣用の方法で動物に免疫して調製した動
物血清、標識化抗当該動物IgG抗体及び染色試薬を用い
てウエスタンブロッティングする、そして、(2-iv)両ウ
エスタンブロッティング像を比較して、前者では染色さ
れないが、後者で染色される染色バンド(換言すれば、
食物アレルギー患者のIgE抗体が認識しない複数の非食
品アレルゲン成分)の分子量を測定し、(2-v)前記測定
結果に基づいて、分子篩担体を用いるゲル濾過クロマト
グラフィー等の慣用の方法で、食品成分から、食物アレ
ルギー患者のIgE抗体が認識する複数の食物アレルゲン
を採取する。本発明の第2の発明は、前記第1の発明に
よって得られた、食物アレルギー患者のIgE抗体が認識
する複数の食物アレルゲン(含む、食品加工処理され
た、及び/又は、同処理をされていない食物アレルゲ
ン)を動物に免疫して調製した抗食物アレルゲン動物抗
体である(以下、複合抗原を認識する抗体と称する場合
もある)。また、本発明の第3の発明は、当該複合抗原
を認識する抗体を用いることを特徴とする食物アレルゲ
ンおよび食物アレルギー誘発性食品の検出方法である。
【0008】前記の食品加工処理と同等の処理のうち、
加熱温度は、40℃から250℃、好ましくは60℃から120℃
である。そして、無処理を含め2から6段階の異なる温度
帯により処理したものを混合し、その混合物から、上記
本発明の第1の発明によって、食物アレルギー患者のIg
E抗体が認識する食物アレルゲン画分を採取し、動物に
免疫する。なお、食物アレルゲンの検出対象が加熱処理
された食品に限定される場合には、加熱処理した食品の
みから本発明の第1の発明によって、食物アレルギー患
者のIgE抗体が認識する食物アレルゲン画分を採取し、
動物に免疫することもできる。免疫する動物としては、
ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ラット、マウス、モルモット、
ウマ、ブタ、又はニワトリ等を例示することができる。
免疫期間中は部分採血して抗食物アレルゲン抗体の産生
されていることを確認するのが望ましい。本発明の抗体
はモノクローナル抗体又はポリクローナル抗体の何れで
も良い。後記の実施例が示すように、食物アレルギーを
誘発する1種類の食品中には、食物アレルギー患者のIgE
抗体が認識する既知及び未知の複数の食物アレルゲンが
含まれるから、これらの複数の食物アレルゲンを動物に
免疫することによって、複数の食物アレルゲンを認識す
る多価抗体、即ち複合抗原を認識する抗体を容易に調製
することができる。食物アレルギー患者のIgE抗体が認
識する食物アレルゲンに対する動物抗体として、当該動
物の抗血清をそのまま使用することもできる。また、食
物アレルギー患者のIgE抗体が認識しない非食物アレル
ゲン画分を用いて吸収操作を施すか、動物血清のIgG画
分を慣用の方法で精製して使用することもできる。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明の食物アレルゲン及び食物
アレルギー誘発性食品の検出方法は、食物アレルゲンを
含有する食品及びこれを含有する食品であれば、特に限
定されることなく適用でき、例えば、食物アレルギー誘
発性の食品としては、卵類、牛乳類、肉類、魚類、甲殻
類および軟体動物類、穀類、豆類およびナッツ類、果実
類、野菜類、ビール酵母もしくはゼラチン、より詳細に
は、卵類としての卵白、卵黄、牛乳類としてのミルク、
チーズ、肉類としての豚肉、牛肉、鶏肉、羊肉、魚類と
してのサバ、アジ、イワシ、マグロ、サケ、タラ、カレ
イ、イクラ、甲殻類および軟体動物類としてのカニ、エ
ビ、ムラサキガイ、イカ、タコ、ロブスター、アワビ、
穀類としてのコムギ、コメ、ソバ、ライムギ、オオム
ギ、オートムギ、トウモロコシ、キビ、アワ、ヒエ、豆
類およびナッツ類としてのダイズ、ピーナッツ、カカ
オ、エンドウ、インゲン、ヘーゼルナッツ、ブラジルナ
ッツ、アーモンド、ココナッツ、クルミ、果実類として
のリンゴ、バナナ、オレンジ、モモ、キウイ、イチゴ、
メロン、アボガド、グレープフルーツ、マンゴ、洋ナ
シ、ゴマ、マスタード、野菜類としてのトマト、ニンジ
ン、ジャガイモ、ホウレンソウ、タマネギ、ニンニク、
タケノコ、カボチャ、サツマイモ、セロリ、パセリ、ヤ
マイモ、マツタケ、又はそれらを含有する食品、並びに
前記食品の構成成分(例えば、オボアルブミン、オボム
コイド、リゾチーム、カゼイン、β−ラクトグロブリ
ン、α−ラクトアルブミン、グルテン、α−アミラーゼ
インヒビター)を挙げることができる。また、これら食
品が、加熱、凍結、乾燥、塩蔵、発酵、酵素処理等の食
品加工処理が施されているか否かの別は問わない。一般
に、50%以上の確率で食物アレルギー患者のIgE抗体が
認識するアレルゲンをメジャーアレルゲン、それ以外は
マイナーアレルゲンと呼んでいる。食物アレルギーはメ
ジャーアレルゲンのみによって惹起される訳ではなく、
マイナーアレルゲンによっても惹起される。また、患者
によっては、メジャーアレルゲンに感作していないが、
マイナーアレルゲンにのみ感作している場合もある。従
って、食物アレルゲンの検出方法は、メジャーアレルゲ
ン及びマイナーアレルゲンの両方を検出し得ることが必
要である。また、本発明の検出方法は、食物アレルギー
患者が認識する複数のアレルゲンについて未変性及び変
性したものの両方を検出し得ることが必要である。
【0010】このような要件を満たす抗体を調製するた
めに、本発明者らは鋭意検討した結果、以下のことを見
出した。即ち、食品成分を慣用の方法に従ってSDS-PAGE
し、メンブランに転写し、(i)当該メンブランを、患者
プール血清、標識化抗ヒトIgE抗体及び染色試薬を用い
てウエスタンブロッティングする(換言すれば、食物ア
レルギー患者のIgE抗体が認識する複数の食物アレルゲ
ンのプロファイルを作成する)と共に、(ii)当該メンブ
ランを、食品成分を慣用の方法で動物に免疫して調製し
た動物血清、標識化抗当該動物IgG抗体及び染色試薬を
用いてウエスタンブロッティングし、(iii)両ウエスタ
ンブロッティング像を比較すると、(1)両者共通して染
色される染色バンドと、(2)前者では染色されないが、
後者でのみ染色される染色バンド(換言すれば、食物ア
レルギー患者のIgE抗体が認識しない複数の非食品アレ
ルゲン成分)の存在することが確認され、さらに、(3)
前者で染色される染色バンドの分子量分布と後者でのみ
染色される染色バンドの分子量分布を比較すると、後者
でのみ染色される染色バンドは前者で染色される染色バ
ンドよりも高分子側及び/又は低分子側にも存在してい
ることが分かった、そこで、(iv)前記試験結果に基づい
て、分子篩担体を用いるゲル濾過クロマトグラフィー等
の慣用の方法を用いて、食品成分から、食物アレルギー
患者のIgE抗体が認識する複数の食物アレルゲン画分を
採取し、これを免疫原として動物に免疫して、食物アレ
ルギー患者のIgE抗体が認識する複数の食物アレルゲン
に対する動物抗体を調製した。動物抗体の調製に供する
動物は、ウサギ、ヤギ、ヒツジ、ラット、マウス、モル
モット、ウマ、ブタ、又はニワトリ等の恒温動物であ
り、これらの動物を免疫する方法は、当業者の公知の方
法でよい。
【0011】本発明の食物アレルゲンの検出方法は、上
記のようにして得た抗体を用いるが、マイクロタイター
プレート、PVDF膜、ニトロセルロース膜、クロマトスト
リップ、試験管、ビーズ、ナイロン膜等に固相化して用
いることもできる。また、エンザイムイムノアッセイ
法、イムノブロッティング法、ドットブロット法又はイ
ムノクロマトグラフィー法、及び抗体チップ法等の免疫
学的手法に適用することができる。
【0012】本発明の食物アレルゲンの検出方法は、前
述のように、食品並びに食品加工機械や製造工程等の食
品製造環境中に存在する複数のアレルゲンを検出するこ
とを目的としている。測定に際しては、食品の抽出液が
好適に用いられ、抽出溶液は水、リン酸緩衝生理食塩
水、トリス塩酸緩衝液又はアルコール等が望ましいが、
アレルゲンが含まれるものであれば、これらに限定され
るものではない。また、供試食品からのアレルゲンの抽
出効率を改善する目的で、必要に応じて、アレルゲン抽
出溶液に蛋白質変性剤(例えば、SDS又は尿素)、SH基
含有酸化防止剤(例えば、2-メルカプトエタノール)等
を添加することもできる。食品加工機械や製造工程等の
食品製造環境のふき取り(swab)液、食品製造環境の空
気をインピージャー瓶にトラップした検液を供試すれ
ば、食品加工機械や製造工程等の食品製造環境中に存在
する複数のアレルゲンを検出することができる。
【0013】本発明の検出方法における被験物質の検出
原理は、エンザイムイムノアッセイ法、イムノブロッテ
ィング法、ドットブロット法、イムノクロマト法、マル
チ蛍光マイクロビーズ法等の免疫学的手法であれば特定
のものに限定されない。例えば、エンザイムイムノアッ
セイ法としては、サンドイッチELISA法、競合法及び直
接法等を例示できる。供試抗体を標識する場合には、酵
素(例えば、ペルオキシダーゼ、アルカリフォスファタ
ーゼ又はβ-ガラクシダーゼ)、蛍光物質(例えば、フ
ルオレセインニソチアネート)、生物発光物質(例え
ば、ルシフェリン-ルシフェラーゼ)、化学発光物質
(例えば、ルミノール、アクリジン誘導体又はアダマン
タン誘導体)、ビオチン、アビジン、金コロイド又は放
射性物質(例えば、32P)等を用いることができる。
【0014】以下に本発明の検出方法の好適な例とし
て、サンドイッチELISA法、競合法及び直接法の手順の
概略を順次説明する。サンドイッチELISA法ではまず、
本発明の複数のアレルゲンを認識する抗体(複合抗原を
認識する抗体)の標識物(標識化抗体)を準備する。一
方、ELISAプレートに本発明の複合抗原を認識する抗体
の非標識化抗体を吸着させるか又は化学的結合法で固相
化させておく。次に固相の抗体非吸着面を、その反応系
に影響しない蛋白質、例えば、ゼラチンやウサギ血清ア
ルブミン等でブロッキング処理する。検査を行う食品及
び原料の抽出物または食品の製造環境から採取した抽出
物(以下、検体という)もしくは標準抗原を固相に添加
し、第1回目の抗原抗体反応を行う。反応後、洗浄し、
上述の標識化抗体を添加して固相化しておいた抗体に補
足されたアレルゲンと2回目の抗原抗体反応を行う。次
に、未反応の標識化抗体を洗浄、除去し、標識に応じた
検出試薬(例えば、ペルオキシダーゼを標識として用い
た場合には、1,2-フェニルジアミンとH2O2:アルカリフ
ォスファターゼを標識として用いた場合には、P-ニトロ
フェニルリン酸)を加え、標識と検出試薬の反応生成物
の量を測定し、アレルゲンを検出または定量する。ELIS
Aプレートに添加する標準抗原または食物アレルギー誘
発性食品(例えば、卵、牛乳)の量を変化させることに
よって、標準曲線が得られる。また、この標準曲線から
供試試料中の食物アレルゲンまたは食物アレルギー誘発
性食品の量を測定することができる。なお、その測定値
が1ppm以上の場合には、当該供試試料は食物アレル
ギー誘発性食品であると考えられている。
【0015】なお、後記の実施例が示すように、単一抗
原を認識する抗体と当該抗体を用いて作製した標準曲線
から、供試試料中の食物アレルゲンを測定する場合に
は、当該抗体の認識するエピトープと未知の供試試料中
に存在する食物アレルゲン種の組み合わせによっては、
(1)食物アレルゲンを適切に定量できる場合もあるが、
(2) 食物アレルゲンを適切に検出できない場合もある、
また(3)食物アレルゲン含有量が1ppm以下であって
も、当該食物アレルゲンがあたかも1ppm以上存在す
ると定量し、不適切な判定をもたらす場合も生じる。即
ち、単一抗原を認識する抗体を用いる検出法では、単一
抗原を認識して得られた値から食品アレルギー誘発性食
品の量に換算しなければならないので、誤差が生じやす
い。単一の抗原としてオボムコイドとオボアルブミンを
例にすると、それらは、全卵中にはそれぞれ約4%と約2
%が含まれ、卵白中にはそれぞれ2倍の約8%と約4%が
含まれる。しかし、卵黄中には両者とも含まれない。こ
のことから、オボムコイドまたはオボアルブミンのみを
認識する検出系では、(1)卵黄タンパク質を検出できな
い;一方、(2)全卵を用いて作製した標準曲線を卵白の
測定に適用とする場合には、実際の含量より2倍程度多
く換算してしまう;さらに、(3)検出の定量範囲を超え
た場合には、異常に高い値が算出されてしまう。同様
に、全牛乳タンパク質中に占めるカゼインの含量は約80
%、β-ラクトグロブリンの含量は約10%であるから、
カゼインナトリウムや乳清タンパク質等が使用されてい
る加工乳を単一の抗原を認識する抗体を用いて定量しよ
うとする場合には、正確な定量値が得られないという問
題点がある。しかし、本発明の複合抗原を認識する抗体
はこのような問題は生じない、または少ない。
【0016】競合法では、使用する抗体が認識する一定
量のアレルゲンとして標準抗原を直接固相に吸着させ、
その反応に影響しない蛋白質でブロッキング処理をした
後、アレルゲンを認識する酵素標識抗体と検体を同時に
添加する。一定時間反応させた後、洗浄して固相に非結
合のものを除去し、発色基質を加えて酵素と反応させ
る。反応停止後、検体の添加による酵素標識抗体の固相
化されたアレルゲンとの反応を検出すればよい。直接法
では、検体を直接固相に吸着させ、その反応系に影響し
ない蛋白質でブロッキング処理し、次いでアレルゲンを
認識する酵素標識抗体を添加、反応させる。以降は、サ
ンドイッチ法と同様の操作を行い、検体中のアレルゲン
を検出する。
【0017】上述のサンドイッチELISA法、競合法及び
直接法の何れにおいても、標識酵素-発色基質の組み合
わせを、標識酵素-蛍光基質、標識酵素-生物発光基質及
び化学発光基質等の組み合わせに変えることができる。
これら本発明の各検出方法における他の反応条件等につ
いては、その目的、検体の種類、測定原理等に応じて、
当業者が適宜決定することができる。本発明のアレルゲ
ンの検出方法においては、食品及び原料抽出液中に含ま
れる0.1ng/ml以上ないし1.0ng/ml以上のアレルゲンが検
出可能であり、極めて高感度でアレルゲンを検出するこ
とができる。
【0018】
【発明の効果】本発明の食物アレルギー患者のIgE抗体
が認識する未変性及び/又は変性物質からなる複数の食
物アレルゲンの混合物及びその抗体は、食物アレルゲン
の発症機構の解明、食物アレルゲンの低アレルゲン化技
術の開発に供することができる。また、本発明の食物ア
レルゲンの検出方法は、低アレルゲン化技術の有用性の
検証、食品に混在する食物アレルゲンの検出、並びに食
物アレルギー誘発性食品および食品加工機械や製造工程
等の食品製造環境中に存在する食物アレルゲンの検出な
どに活用できる。従って、本発明は、食物アレルギー患
者の安全性確保に資することができると共に、近年の食
物アレルギーの患者の増加に伴う、医学上及び食品産業
上の深刻な問題の解決に資することが出来る。
【0019】
【実施例】以下に、実施例をもって本発明をより具体的
に説明するが、これらは実施例の一例として示すもので
あり、本発明はこれらにより何ら限定されるものではな
い。なお、記載に用いる略号は当該技術分野における慣
用略号によるものである。
【0020】実施例1(各種食品の標準抗原の調製)(1)鶏卵、うずら卵、あひる卵 鶏卵1kgの殻を外し、均一にホモジナイズした後に凍結
乾燥し、微粉砕し標準卵抗原を調製した。その10gに10
倍量のリン酸緩衝生理食塩水(Phosphate-buffered sal
ine;以下、PBS; pH7.0)を加えて溶解し、5本の試験管
に分注し、それぞれ無処理、60℃、80℃、100℃と120℃
で30分間加熱処理し、混合し、均一化して試料を調製し
た。同様に、うずら卵とあひる卵から試料を調製した。
【0021】(2)牛乳 牛乳1リットルを冷却しながら撹拌し、乳脂塊を凝固さ
せ脱脂綿で濾過した。この操作を3回繰り返し脂肪を除
去した後、濾液を凍結乾燥し、微粉砕し、標準牛乳抗原
を調製した。そして、上記(1)と同様にして試料を調製
した。
【0022】(3)小麦、米 小麦粉1kgに5倍量の4M尿素加0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH
8.6)を加え、室温で2時間撹拌しながら抽出し、遠心分
離後の上清を透析し、凍結乾燥し、微粉砕し、標準小麦
抗原を調製した。そして、上記(1)と同様にして試料を
調製した。同様に、米粉から試料を調製した。
【0023】(4)そば そば1kgに5倍量の1%NaCl加0.1Mトリス塩酸緩衝液(pH8.
4)を加え、室温で2時間撹拌しながら抽出し、遠心分離
後の上清を透析し、凍結乾燥し、微粉砕し、標準そば抗
原を調製した。そして、上記(1)と同様にして試料を調
製した。
【0024】(5)ピーナッツ ピーナッツ1kgを粉砕し、5倍量のヘキサンを加え、室温
で2時間撹拌しながら脱脂した。この操作を3回繰り返し
た後、ヘキサンを除去し、5倍量の1%NaClを含む0.1Mト
リス塩酸緩衝液(pH8.4)を加え、室温で2時間撹拌しな
がら抽出した。次に、遠心分離後の上清を透析し、凍結
乾燥し、微粉砕し、標準ピーナッツ抗原を調製した。そ
して、上記(1)と同様にして試料を調製した。
【0025】(6)大豆 上記(5)と同様の方法で大豆から標準大豆抗原を調製し
た。そして、上記(1)と同様にして試料を調製した。
【0026】実施例2(各種の精製食物アレルゲン)(1)精製鶏卵アレルゲン 鶏卵のメジャーアレルゲンであるオボアルブミンに10倍
量のPBS(pH7.0)を加えて溶解し、5本の試験管に分注
し、それぞれ無処理、60℃、80℃、100℃と120℃で30分
間加熱処理し混合し均一化して試料を調製した。また、
オボムコイドについても同様に試料を調製した。なお、
オボアルブミン及びオボムコイドは卵白部分に局在する
タンパク質として知られている。
【0027】(2)精製牛乳アレルゲン 実施例2(1)と同様に、カゼイン、β-ラクトグロブリ
ンおよびα-ラクトアルブミンについて試料を調製し
た。なお、β-ラクトグロブリンおよびα-ラクトアルブ
ミンは牛乳ホエイ中に局在するタンパク質として知られ
ている。
【0028】実施例3(抗体の調製)(1)各種標準抗原に対するウサギ抗体の調製 実施例1で調製した各試料をフロイント完全アジュバン
ド(第1回目の免疫原として使用)またはフロイント不
完全アジュバンド(第2回目以降の免疫原として使用)
と乳化し、日本白色種ウサギに4から6回免疫した。この
間、部分採血を行い供試抗原に対する抗体の産生を確認
し、全採血を行い、抗体を調製した。
【0029】(2)各種精製食物アレルゲンに対する抗
体の調製 上記と同様にして、各種精製食物アレルゲンに対する抗
体を調製した。
【0030】実施例4(イムノブロッティング法による
各種食物アレルゲンの検出)(1)患者プール血清及びウサギ抗体 卵、牛乳及び小麦に対するRAST(Radioallergosorbent
test)スコア2以上(特異的IgE 抗体>0.7UA/ml)の食物
アレルギー患者20例の血清を等量ずつ混合して患者プー
ル血清を調製した。一方、卵、牛乳及び小麦に対するウ
サギ抗体は、実施例3(1)で調製した抗体を使用した。
【0031】(2)ドデシル硫酸ナトリウム-ポリアクリ
ルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE) 上記の卵、牛乳及び小麦の標準抗原を2-メルカプトエタ
ノール存在下で3分間加熱し、ゲル濃度10%のミニスラブ
ゲルを用いて電気泳動し、その後にPVDF(ポリビニリデ
ンジフルオリド)膜上に電気的に転写した。膜の一部
は,金コロイド染色キット(BIO-RAD社製)による全蛋
白質バンドの検出に使用した。
【0032】(3)イムノステイニング 上記のPVDF膜を1%ヒト血清アルブミン(HSA)でブロッ
キングした。次いで、転写膜を0.05%Tween20を含むPBS
(PBST)で洗浄し、患者プール血清(100倍希釈)又は
ウサギ抗体(1000倍希釈)と室温で2時間反応させ、洗
浄し、アルカリフォスファターゼ標識ヤギ抗ヒトIgE-ε
鎖抗体(2500倍希釈)又はアルカリフォスファターゼ標
識抗ウサギIgG抗体(4000倍希釈)を二次抗体として室
温で1時間反応させた。その後、転写膜をPBSTで洗浄
し、化学発光基質4-Methoxy-4(3-phosphatephenyl)spir
o[1,2-dioxetane-3,2-adamantane]disodium salt(Lumi
-Phos 530,和光純薬工業社製)と室温で30分間反応さ
せ、アルカリフォスファターゼの脱リン酸化反応により
生じる発光を感光フィルム上に検出した。これらの結果
を図1に示した。図1が示す通り、患者プール血清と反
応するバンド(図1、レーン1、4、7)が複数存在
し、各種食品には患者IgEが認識する複数の食物アレル
ゲンが存在することが示された。一方、ウサギ抗体もこ
れらの患者IgEが認識する食物アレルゲンを認識した
(図1、レーン2、5、8)。両血清が共通して認識し
た物質は次の通りであった。卵のオボアルブミン、オボ
ムコイド、リゾチーム、オボトランスフェリン;牛乳の
カゼイン、β-ラクトグロブリン、α-ラクトアルブミ
ン;小麦のグリアジン、α-アミラーゼインヒビター;
ソバの132kDa、84kDa、27kDa、11kDa成分;そしてピー
ナッツの107kDa、72kDa、35kDa、28kDa成分。なお、ウ
サギ抗体は、患者IgEが認識しない非食物アレルゲンも
認識した。
【0033】(4)アレルゲンの濃縮・分画 アレルゲン以外の物質を認識しない抗体を次ぎの要領で
調製した。患者血清で染色される染色バンドの分子量分
布と動物抗体で染色される染色バンドの分子量分布を比
較すると、後者でのみ染色される染色バンドは前者で染
色される染色バンドよりも高分子側及び/又は低分子側
にも存在していることが分かった(図1)。そこで、ゲ
ル濾過クロマトグラフィーにより、食物アレルギー患者
のIgE抗体が認識する複数の食物アレルゲン画分の分子
量に相当する画分を標準抗原から採取し(以下、アレル
ゲン画分)、実施例1と同様に試料を調製し、これを免
疫原として動物に免疫して、抗アレルゲン分画抗体を得
た。そして、この抗体を用いて上記と同様にウエスタン
ブロッティングしたところ、この抗体は、概ね、患者プ
ール血清が認識する食物アレルゲンを認識していること
が確認された(図1、レーン3、6、9)。なお、この
ようなアレルゲンの濃縮・分画は、イオン交換クロマト
グラフィー、患者IgE抗体を利用した免疫沈降やアフィ
ニティークロマトグラフィーによっても行うことができ
る。
【0034】実施例5(ドットブロット法によるメジャ
ーアレルゲン及び同加熱済み物の検出) PBSに平衡化したPVDF膜をドットブロット装置にセット
し、メジャーアレルゲンとして知られている精製アレル
ゲン(オボアルブミン、オボムコイド、オボトランスフ
ェリン、リゾチーム、カゼイン、β-ラクトグロブリ
ン、α-ラクトアルブミン、α-アミラーゼインヒビタ
ー、グリアジン)及びそれらの加熱済み物を吸着させ
た。その後、3%RSA加TBSでブロッキングし、TBSTで洗浄
し、実施例4(4)で調製した抗卵アレルゲン分画抗
体、抗牛乳アレルゲン分画抗体または抗小麦アレルゲン
分画抗体(2000倍希釈)を加え、室温で1時間反応させ
た。次いで、ビオチン標識ヤギ抗ウサギIgG抗体を反応
させ、HRP標識アビジン(4000倍)を反応させ、洗浄
し、化学発光基質を加えて反応により生じる光を感光フ
ィルム上に検出した。上記の抗体は、メジャーアレルゲ
ンであるオボアルブミン、オボムコイド、オボトランス
フェリン、リゾチーム、カゼイン、β-ラクトグロブリ
ン、α-ラクトアルブミン、α-アミラーゼインヒビタ
ー、グリアジンを認識した。また、上記の抗体は上記の
精製アレルゲンの加熱済み物も認識した。
【0035】実施例6(サンドイッチELISA法による
卵、牛乳及び小麦アレルゲンの検出)(1)抗体 実施例4(4)で調製した抗卵アレルゲン分画抗体、抗
牛乳アレルゲン分画抗体または抗小麦アレルゲン分画抗
体、並びにそれらから常法に従って調製したビオチン標
識抗体を以下の試験に供した。
【0036】(2)マイクロタイタープレートへの抗体
のコーティングとブロッキング 上記の抗体(10μg/ml)の100μlをELISAプレート(Nun
c社)に分注し、4℃で一晩コーティングし、洗浄し(15
0mM NaClと0.05% Tween20加20mMトリス塩酸緩衝液、pH
7.4)、0.1% RSA(Sigma社)加トリス塩酸緩衝液(pH7.
4)で25℃1時間ブロッキングした。
【0037】(3)卵、牛乳及び小麦アレルゲンの検出 各ウエル中のブロッキング溶液を除去し、希釈溶液(0.
1%RSA,150mM NaClと0.05%Tween20加20mMトリス塩酸緩衝
液、pH7.4)95μlと各種食品のPBS抽出液を5μlを加
え、25℃で2時間放置した。また、実施例1に記載の卵、
牛乳又は小麦の標準抗原も同様に各ウェルに5μl加え、
25℃で1時間放置した。各ウエルを洗浄液300μlで5回
洗浄した後、ビオチン標識化抗体(10000倍希釈)100μ
lを加え、25℃で1時間放置した。洗浄後、ペルオキシ
ダーゼ標識アビジン(2500倍希釈)100μlを加え、25℃
で30分間放置した。次に、各ウエルを洗浄し、3,3',5,
5'テトラメチルベンジジン溶液100μlを加え、25℃30分
間遮光下で反応させた。その後、1N硫酸100μlを加
え反応を停止させた。各ウエルの吸光度をマイクロプレ
ートリーダー(主波長450nm、副波長630nm)で測定し
た。これらの測定結果を表1に示す。表1の示す通り、各
種食品抽出液中の卵、牛乳又は小麦アレルゲンを検出す
ることができた。
【0038】
【0039】実施例7(サンドイッチELISA法による食
物アレルゲン検査キットの基礎性能試験)(1)標準抗原の希釈試験 実施例6の試験法に従って、実施例1で調製した卵、牛
乳及び小麦の標準抗原を定量した。これらの結果をグラ
フ用紙にプロットする時、ほぼ原点を通る良好な標準曲
線の得られることが確認された。
【0040】(2)同時再現性試験 上記の試験法に従い、標準卵抗原について検出レンジ内
の5つの濃度で検体AからEを調製し、各5回ずつの同
時再現性試験を行った。これらの結果は、表2に示した
通り、CV値は5%以下で良好な同時再現性を示した。
【0041】
【0042】(3)日差再現性試験 上記の試験法に従い、標準牛乳抗原について検出レンジ
内の5つの濃度で検体AからEを調製し、連続5日間の
日差再現性試験を行った。これらの結果は、表3に示し
た通り、CV値は5%以下で良好な日差再現性を示した。
【0043】
【0044】これらの結果から、本検査法は食品及びそ
の原材料中に含まれる複数の未変性及び変性した食物ア
レルゲンを迅速かつ安定的に検出できる系であることが
確認された。なお、本検出方法は0.5ng/ml以上の食物ア
レルゲンまたは食物アレルゲンを含有する食品を検出す
ることが出来た。
【0045】実施例8(食物アレルギー患者は食物アレ
ルゲンの未加熱物および加熱済み物に対するIgE抗体を
保有している。) 卵アレルギーを例にして、食物アレルギー患者は未加熱
の食物アレルゲンのみならず同加熱処理済み物に対して
もIgE抗体を保有していることを確認した。即ち、全卵
液(非加熱卵抗原)をPBSに溶解し(1.0%、w/v)、そ
の半量を120℃30分間加熱処理し(加熱卵抗原)、夫々
の10倍希釈液100μlをELISAプレート(Nunc社製)に分
注し、コーティングし、洗浄し、1%HAS加PBSでブロッ
キングし、洗浄し、未加熱卵抗原プレートと加熱卵抗原
プレートを調製した。一方、実施例4(1)に記載の患
者プール血清(1000倍希釈)に非加熱卵抗原または加熱
卵抗原を添加し(1、5、50、100、500と1000ng/ml)、
37℃2時間反応させ、遠心分離上清を得て2種類の血清
を調製した。以下、前者を非加熱卵抗原除去血清、後者
を加熱卵抗原除去血清と呼ぶ。そして、上記の非加熱卵
抗原プレートまたは加熱卵抗原プレートに非加熱卵抗原
除去血清または加熱卵抗原除去血清の夫々100μlを分
注し、37℃2時間反応させ、PBSTで洗浄し、ビオチン標
識ヤギ抗ヒトIgE-ε鎖抗体(2500倍希釈)100μlを分
注し、37℃1時間反応させ、PBSTで洗浄し、アルカリフ
ォスファターゼ標識アビジンを加え(37℃30分間)、発
光基質を加え、発光の程度を測定した(ルミノメーター
CT-9000D、ダイアヤトロン社製)。その結果を図2に示
す。図2が示すように、加熱卵抗原除去血清(図2の○
印)は非加熱卵抗原と特異的に反応したが(図2左)、
加熱卵抗原とは反応しなくなった(図2右)。一方、非
加熱卵抗原除去血清(図2の●印)は加熱卵抗原と特異
的に反応したが(図2右)、非加熱卵抗原とは反応しな
くなった(図2左)。これらの事から、食物アレルギー
患者は非加熱の卵を特異的に認識するIgE抗体を保有し
ていると同時に、加熱済みの卵を特異的に認識するIgE
抗体を保有していることが証明された。従って、食物ア
レルゲンの検出方法は、非加熱のアレルゲンのみなら
ず、加熱済みアレルゲンの両方の検出が可能な方法でな
ければならないと言える。
【0046】実施例9(加熱処理抗原を免疫して得た抗
体によるELISA強度の増強) 実施例4に記載の抗アレルゲン分画抗体を用いて食物ア
レルゲンを測定する場合でも、同抗体と加熱処理済みの
供試検体を反応させた時のELISA強度(Opticaldensit
y、OD値)は、同抗体と未加熱の供試検体を反応させた
時のそれよりも低いという問題点がある。これには、
(1)加熱処理済み検体から抽出される蛋白質濃度が未加
熱の検体から抽出される蛋白質濃度より低いこと;及び
(2)検液中の蛋白質濃度を同一に調整しても、加熱処理
済み検体と抗体との反応性は未加熱検体と抗体との反応
性より低いことが関係していると思われる。そこで、加
熱処理済み検体との反応性を増強した抗体の調製法を検
討した。実施例4(4)に記載の卵のアレルゲン分画を120
℃30分間オートクレーブ加熱し、冷却し、4M尿素加PBS
を加えてホモジナイズし、その遠心分離上清を取り、凍
結乾燥し、微粉砕し、これを免疫源として、実施例3
(1)と同様にウサギ抗体を調製し(以下、抗オートクレ
ーブ加熱卵抗原抗体)、実施例6の記載に準じて、実施
例8に記載の未加熱卵抗原プレートと加熱卵抗原プレー
トを反応させた。また、実施例4(4)に記載の抗アレル
ゲン分画抗体についても同様の操作を行った。これらの
測定結果を表4に示めす。表4に示す通り、オートクレ
ーブ加熱した食物アレルゲンの抽出物を免疫源として得
られた抗体を用いることによって、未加熱卵抗原と加熱
卵抗原をほぼ同等のELISA強度で検出することが可能と
なり、上記の問題点を克服することができた。
【0047】
【0048】実施例10(食物アレルゲンおよび食物ア
レルギー誘発性食品の測定−1) 本発明の複合抗原を認識する抗体(実施例3に記載の抗
体)を用いると共に実施例7の記載に準じて、食物アレ
ルゲンを含む食品の検出の可否を調べた。また、実施例
7の記載に準じて作製した標準曲線から、定量し、その
定量指数(測定値/供試量x100)を比較した。卵黄、卵
白、卵黄マヨネーズと全卵マヨネーズについて調べた結
果を表5に示す。表5に示すように、卵白に局在する物
質を免疫原として得た単一抗原のみを認識する抗体の場
合には、1)卵白を検出することは出来たが、卵黄を検
出することはできなかった、また、2)標準曲線から求
めた標準卵抗原量の定量値は、実際に供試した量の2倍
から60倍超であった。一方、本発明の複合抗原を認識す
る抗標準卵抗原抗体の場合には、3)卵黄および卵白の
両方を検出することができた、また、4)標準曲線から
求めた標準卵抗原量の測定値は、実際に供試した量とほ
ぼ同様であった。これらのことから、本発明の複合抗原
を認識する抗標準卵抗原抗体は食物アレルギー誘発性食
品である卵及びその加工食品中の卵成分の検出または定
量に適用可能であることが分かった。
【0049】
【0050】実施例11(食物アレルゲンおよび食物ア
レルギー誘発性食品の測定−2) 実施例10と同様にして、牛乳ホエイ、カゼイン、ラク
トフェリンとカゼイン加水分解ペプチドについて調べた
結果を表6に示す。表6に示すように、(1)本発明の複
合抗原を認識する抗標準牛乳抗原抗体は食物アレルギー
誘発性食品である牛乳及びその成分の検出または定量が
可能であった;しかし(2) 牛乳のホエイ部分等に局在す
る物質を免疫原として得た単一抗原のみを認識する抗体
を使用する場合には、定量できなかった。なお、表6に
おいて、△は検出されたが定量指数が5以下であったこ
とを示す。
【0051】
【図面の簡単な説明】
【図1】標準抗原と患者IgE抗体および標準抗原と本発
明の抗標準抗原抗体の反応性を比較した図である。
【図2】患者血清中には未変性及び変性卵蛋白質に特異
的なIgEの存在することを示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 貴之 茨城県つくば市緑ヶ原3丁目3番地 日本 ハム株式会社中央研究所内 (72)発明者 宮澤 いづみ 茨城県つくば市緑ヶ原3丁目3番地 日本 ハム株式会社中央研究所内 (72)発明者 清水 宗茂 茨城県つくば市緑ヶ原3丁目3番地 日本 ハム株式会社中央研究所内 Fターム(参考) 4H045 AA10 AA11 AA30 CA15 CA30 CA40 CA50 DA75 DA86 EA50 FA71

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 食物アレルギー患者のIgE抗体が認識
    する未変性及び/又は変性物質からなる複数の食物アレ
    ルゲンの混合物。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の食物アレルゲンの混合
    物を動物に免疫して得られる抗体。
  3. 【請求項3】 請求項2記載の抗体を用いることを特
    徴とする食物アレルゲンの検出方法。
  4. 【請求項4】 請求項2記載の抗体を用いることを特
    徴とする食物アレルギー誘発性食品の検出方法。
  5. 【請求項5】 食物アレルギー誘発性食品が、卵類、
    牛乳類、肉類、魚類、甲殻類および軟体動物類、穀類、
    豆類およびナッツ類、果実類、野菜類、ビール酵母もし
    くはゼラチン又はそれらを含有する食品である請求項4
    に記載の食物アレルギー誘発性食品の検出方法。
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