JP2003155231A - 医薬及び抗アレルギー剤 - Google Patents

医薬及び抗アレルギー剤

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JP2003155231A
JP2003155231A JP2001354205A JP2001354205A JP2003155231A JP 2003155231 A JP2003155231 A JP 2003155231A JP 2001354205 A JP2001354205 A JP 2001354205A JP 2001354205 A JP2001354205 A JP 2001354205A JP 2003155231 A JP2003155231 A JP 2003155231A
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antiallergic
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Hitomi Aota
仁美 青田
Susumu Masuda
進 増田
Yoko Shimaoka
洋子 嶋岡
Mineka Yoshimura
峰花 芳村
Riichiro Uchida
理一郎 内田
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Kikkoman Corp
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Abstract

(57)【要約】 【解決手段】スフィンゴ脂質又はその誘導体からなる医
薬、スフィンゴ脂質又はその誘導体を有効成分とする抗
アレルギー剤、セラミド又はその誘導体を有効成分とす
る抗アレルギー剤及びセレブロシド又はその誘導体を有
効成分とする抗アレルギー剤。 【効果】本発明の抗アレルギー剤は、肥満細胞からのヒ
スタミン遊離抑制活性を示す。従って、本発明の抗アレ
ルギー剤は、種々のアレルギー性疾患の予防剤若しくは
治療剤、抗炎症剤又はヒスタミン遊離抑制剤として有用
である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、医薬及び抗アレル
ギー剤に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、気管支喘息、花粉症又はアトピー
性皮膚炎等のアレルギー性疾患の患者が増大し、大きな
社会問題になっている。何らかのアレルギーを持つ人
は、今や5人に1人までになっており、国民病とまで言
われている。アレルギー疾患の発症のメカニズムは、肥
満細胞に結合したIgE抗体がアレルゲン(抗原)と結合
すると、ヒスタミン等のケミカルメディエーターが放出
され、くしゃみ、鼻水、目のかゆみといったアレルギー
症状を引き起こすと考えられている。このため、肥満細
胞からのヒスタミン遊離抑制活性を有する成分は、抗ア
レルギー剤としての効果が期待できる。そして、医療の
現場では、種々のアレルギー性疾患の予防・治療に有用
な抗アレルギー剤の開発が強く求められている。従来、
抗アレルギー剤としては、クロモグリク酸ナトリウム、
フマル酸ケトチフェン、トシル酸スプラタスト等の化学
合成品、ヨモギ抽出物あるいは甜茶抽出物(特開平06
−192114号公報)等が知られているに過ぎない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、抗医薬及び
アレルギー剤を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】そこで、本発明者等は、
肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制活性を指標とし、抗
アレルギー物資を鋭意探索した結果、スフィンゴ脂質が
抗アレルギー活性を有することを見出し、本発明を完成
した。すなわち、本発明は、 1.スフィンゴ脂質又はその誘導体からなる医薬。 2.スフィンゴ脂質又はその誘導体を有効成分とする抗
アレルギー剤。 3.セラミド又はその誘導体を有効成分とする抗アレル
ギー剤。及び 4.セレブロシド又はその誘導体を有効成分とする抗ア
レルギー剤。である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下、本発明の医薬、抗アレルギ
ー剤及びその製造法について説明する。本発明の抗アレ
ルギー剤は、スフィンゴ脂質又はその誘導体を有効成分
とする。スフィンゴ脂質とは、スフィンゴシン、ジヒド
ロスフィンゴシン、フィトスフィンゴシン、デヒドロフ
ィトスフィンゴシン等のスフィンゴイド骨格を分子中に
有する脂質であり、例えば、スフィンゴ糖脂質、スフィ
ンゴリン脂質、スフィンゴリン糖脂質、セラミド、セレ
ブロシド、リゾスフィンゴ脂質等あるいはこれらの混合
物等が挙げられる。 代表的なものは、下記構造式
(1)で示される。
【化1】 (式中、Rは、直鎖飽和、枝鎖飽和、直鎖不飽和、枝鎖
不飽和のいずれかの炭化水素基を示し、うち1つ以上の
水素原子が水酸基に置換されていてもよい。Xは、水素
原子、糖残基若しくはその誘導体又はリン酸残基若しく
はその誘導体を示す。Yは、水素原子又は直鎖飽和、枝
鎖飽和、直鎖不飽和、枝鎖不飽和のいずれかのアシル基
を示し、1つ以上の水素原子が水酸基に置換されていて
もよい。下表に置換基の例を示す。)
【0006】
【0007】実施例に示すように、本発明の抗アレルギ
ー剤は、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制活性を示す
ものである。従って、本発明の抗アレルギー剤は、種々
のアレルギー性疾患の予防剤若しくは治療剤、抗炎症剤
又はヒスタミン遊離抑制剤として有用である。アレルギ
ー性疾患とは、例えば、花粉、ダニあるいはハウスダス
ト等により発症するアレルギー性鼻炎、アレルギー性皮
膚炎、牛乳・卵等の特定の食物に対して起こる食物アレ
ルギー、アレルギー性気管支喘息、炎症等である。本発
明の抗アレルギー剤は、抗アレルギー活性、抗炎症活性
あるいは抗ヒスタミン活性を有する医薬品、飲食品又は
化粧品等として、そのままあるいはこれらの製品に添加
して使用できる。
【0008】なお、抗アレルギー剤としての活性を有す
る限り、スフィンゴ脂質は、それらの構造の一部が改変
あるいは修飾されていて誘導体であってもよい。該誘導
体としては、例えば、薬理上許容される塩、エステルあ
るいはプロドラック等が挙げられる。薬理上許容される
塩としては、特に限定されないが、例えば、アルカリ金
属(ナトリウム、カリウム等)、アルカリ土類金属(マグ
ネシウム、カルシウム等)、これらの水酸化物または炭
酸塩、アルカリ金属アルコキサイド(ナトリウムメトキ
サイド、カリウムt-プトキサイド等)との塩、無機酸
(塩酸、硫酸、リン酸)、有機酸(マレイン酸、クエン
酸、フマル酸等)を付加した酸付加塩、更には、アミン
の付加塩、アミノ酸の付加塩等が挙げられる。なお、上
記の塩の水和物もここでいう塩に含まれる。エステル
は、アルコール又はカルボン酸とのエステル化反応で生
じるエステルであれば特に限定されない。アルコールと
しては、メタノール、エタノール、1−プロパノール、
2−プロパノール等が挙げられ、またカルボン酸として
は、ギ酸、酢酸、乳酸等が挙げられる。プロドラックと
は、生体に投与されたのちにスフィンゴ脂質に変化し
て、抗アレルギー剤としての作用を発現する化合物を意
味する。安定性又は吸収性の改善、副作用の低減等を目
的としてプロドラック化された化合物も本発明でいう誘
導体に含まれる。
【0009】以下、抗アレルギー剤の製造法について説
明する。本発明の抗アレルギー剤の有効成分であるスフ
ィンゴ脂質は、如何なる方法で製造されたものでもよ
く、これらの化合物を含有するものから精製する方法、
化学合成法、半合成法等が広く採用できる。
【0010】スフィンゴ脂質は、従来主にウシ脳等の神
経組織から抽出されていた。また、有機合成、微生物生
産、植物資源からの抽出等が行なわれている。例えば、
植物資源としては、大豆、大豆胚芽、大豆油さい、大豆
レシチン、穀物の粉、ぬか、穀類の抽出脂質、ふすま、
イチョウの葉、パイナップル等が挙げられ、これらの原
料から溶剤により抽出することができる。
【0011】パイナップルよりスフィンゴ脂質を抽出精
製する場合は、パイナップル植物体全体の他、果実、果
皮等の任意の部位を用いることができる。また、パイナ
ップルの植物体全体の他、果実、果皮等の任意の部位を
搾汁した後に得られるパイナップル搾汁粕であってもよ
い。抽出に用いる溶剤は、抗アレルギー活性成分を抽出
可能なものであれば使用でき、例えば、エタノール又は
含水エタノール等が挙げられる。これらの原料から溶剤
によって抽出を行なうと、スフィンゴ脂質を含む抽出物
が得られるので、カラムクロマトグラフィー等で更に精
製して抗アレルギー活性を示す画分を採取し、各画分に
含まれる化合物の構造を確認することにより、スフィン
ゴ脂質を精製することができる。溶剤抽出又は樹脂によ
る精製操作の各段階で得られる画分の抗アレルギー活性
は、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制活性を指標とし
て測定すればよい。測定法を後記の実施例3に記載し
た。
【0012】なお、本発明の抗アレルギー剤は、精製さ
れた有効成分のみを含むものに限定されず、スフィンゴ
脂質を含む粗精製物であってもよい。また、薬理上許容
される塩は、スフィンゴ脂質に、アルカリ金属、アルカ
リ土類金属、アルカリ金属アルコキサイド、無機酸ある
いは有機酸を作用させることにより製造できる。更に、
エステルは、酸触媒の存在下で、スフィンゴ脂質にアル
コール又はカルボン酸を作用させることにより製造でき
る。
【0013】実施例に示すように、本発明の抗アレルギ
ー剤は、肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制活性を示
す。従って、本発明の抗アレルギー剤は、種々のアレル
ギー性疾患の予防剤若しくは治療剤、抗炎症剤又はヒス
タミン遊離抑制剤として有用である。アレルギー性疾患
とは、例えば、花粉、ダニあるいはハウスダスト等によ
り発症するアレルギー性鼻炎、アレルギー性皮膚炎、牛
乳・卵等の特定の食物に対して起こる食物アレルギー、
アレルギー性気管支喘息、炎症等である。本発明の抗ア
レルギー剤は、抗アレルギー活性、抗炎症活性あるいは
抗ヒスタミン活性を有する医薬、飲食物又は化粧品等と
して、そのままあるいはこれらの製品に添加して使用で
きる。
【0014】本発明の抗アレルギー剤は、単独で医薬、
飲食物または化粧品として使用してもよく、また、他の
抗アレルギー剤と併用してもよい。更に、例えば、セラ
ミド及びセレブロシドの混合物を本発明の抗アレルギー
剤としてもよい。
【0015】1.医薬 本発明の抗アレルギー剤は、そのまま若しくはこれを公
知の医薬用担体と共に製剤化することにより医薬として
使用できる。本発明の抗アレルギー剤は、例えば、錠
剤、顆粒剤、粉剤、シロップ剤等の経口剤又は、坐剤、
外用剤等の非経口剤として製剤化できる。医薬用担体と
しては、特に制限はなく、例えば、固形担体(デンプ
ン、乳糖、カルボキシメチルセルロース等)、液体担体
(蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、
プロピレングリコール等)、油性担体(各種の動植物
油、白色ワセリン、パラフィン等)が挙げられる。上記
医薬は、人及び人以外の動物(ペット、家畜)用として
使用できる。上記医薬の服用量は、それを使用する患者
等の症状、性別、年齢に応じて適宜設定すればよく、例
えば、成人一人あたり一日に0.1〜1000 mg 程度摂取で
きるよう服用すればよい。
【0016】2.飲食物 本発明の抗アレルギー剤を飲食物に添加することによ
り、その飲食物に、抗アレルギー活性・抗炎症活性ある
いはヒスタミン遊離抑制活性を付与することができる。
添加されるべき飲食物は特に限定されず、例えば、肉製
品、加工野菜、惣菜類、乳製品、菓子、パン、清涼飲
料、果実飲料、酒類等が挙げられる。食品に対する本発
明の抗アレルギー剤の配合率も特に限定されない。ま
た、本発明の抗アレルギー剤とその他の食品素材を混合
して、顆粒状・粉末状・錠剤状あるいはブロック状等に
成形し、食品素材あるいは健康食品等としてもよい。そ
の他の食品素材とは、例えば、糖類、食用たんぱく質、
アルコール、ビタミン、増粘多糖類、アミノ酸、カルシ
ウム塩類、色素、香料、保存剤等である。
【0017】3.化粧品 本発明の抗アレルギー剤は、化粧品に添加し、その化粧
品に抗アレルギー活性・抗炎症活性あるいはヒスタミン
遊離抑制活性を付与することができる。化粧品とは、特
に限定されないが、例えば、化粧水、化粧クリーム、乳
液、ファンデーション、口紅、整髪料、ヘアトニック、
育毛料、歯磨き、洗口料、シャンプー、リンス等であ
る。化粧品を調製する場合には、植物油等の油脂類、ラ
ノリン又はミツロウ等のロウ類、炭化水素類、脂肪酸、
高級アルコール類、種々の界面活性剤、色素、香料、ビ
タミン類、植物・動物抽出成分、紫外線吸収剤、抗酸化
剤、保存剤等、通常の化粧品原料として使用されている
ものを適宜配合して製造することができる。
【0018】
【実施例】以下に、本発明を実施例を挙げて更に具体的
に説明する。
【0019】実施例1(セラミドの精製) パイン搾汁粕7.5kgを水200Lで2回洗浄したも
のを、55℃の温水70Lで2回洗浄した。遠心分離機
にて水分を除去し、得られた固形物(洗浄粕)に10倍
量のエタノールを加え、攪拌後一夜静置することによ
り、抽出を行なった。次いで、遠心分離機にて抽出液を
分離し、得られた抽出液を減圧下で濃縮することによ
り、パイナップル抽出物40.4gを得た。得られたパ
イナップル抽出物のうち13.7gをクロロホルムに溶
解したものを、シリカゲル1350g[Daisoge
l IR−60 1002A;ダイソー(株)]を詰め
た8cm×53cmのカラムに注入し、ジクロロメタン−メ
タノール混合溶媒で段階溶出を行なった。ジクロロメタ
ン−メタノール(95:5)〜(90:10)溶出画分
を、シリカゲルTLCで1スポットとなる如く集め、減
圧下で濃縮乾固し、ヒスタミン遊離抑制成分A(0.0
87g)を得た。この成分について、定法により脂肪酸
メチルエステルを調製し、GCで分析したところ、構成
脂肪酸組成は、2‐ヒドロキシエイコサン酸 1.5
%、2−ヒドロキシドコサン酸 3.3%、2−ヒドロ
キシトリコサン酸 4.4%、2−ヒドロキシテトラコ
サン酸 51.1%、2−ヒドロキシペンタコサン酸
21.2%、2−ヒドロキシヘキサコサン酸 18.6
%であった。
【0020】また、定法によりスフィンゴイドを調製
し、過ヨウ素酸酸化して得られた長鎖アルデヒドをGC
で分析したところ、構成スフィンゴイド組成は、4−ヒ
ドロキシ−8−スフィンゲニン 8.2%、4−ヒドロ
キシスフィンガニン 91.8%であった。また、定法
により分析したが、構成糖は検出されなかった。(以
上、定法は、藤野安彦著「生物化学実験法9 脂質分析
法入門」、学会出版センター、1978、p.151、
p.217に準じた。) 上記成分から、逆相HPLCで単一の化合物1を分離
し、定法により、構成脂肪酸、構成スフィンゴイドを分
析した。また、定法により分析したが、構成糖は、検出
されなかった。この化合物1について、TMS誘導体を
作成し、MSスペクトルが文献値(FUJINO等,Ag
ric.Biol.Chem.,49(9),2753
−2762,1985)と一致することを確認した。以
上より、該成分がセラミドであることを確認した。化合
物1の構造を下式及び表1に示した。なお、ヒスタミン
遊離抑制活性は、実施例3記載の方法により行なった。
【0021】実施例2(グルコセレブロシドの精製) 実施例1と同様にして調製したパイナップル抽出物をシ
リカゲルカラムに注入し、ジクロロメタン−メタノール
混合溶媒を用いて段階溶出を行なった。ジクロロメタン
−メタノール(80:20)〜(60:40)溶出画分
を、シリカゲルTLCで1スポットとなる如く集め、減
圧下で濃縮乾固し、ヒスタミン遊離抑制成分B(1.0
10g)を得た。この成分の構成脂肪酸組成は、2−ヒ
ドロキシオクタデカン酸 12.2%、2−ヒドロキシ
エイコサン酸 50.2%、2−ヒドロキシヘンエイコ
サン酸4.7%、2−ヒドロキシドコサン酸 8.4
%、2−ヒドロキシテトラコサン酸 17.3%、2−
ヒドロキシペンタコサン酸 7.1%であった。また、
構成スフィンゴイド組成は、4−ヒドロキシ−8−スフ
ィンゲニン 16.2%、8−スフィンゲニン 11.
9%、4,8−スフィンガジエニン 71.9%であっ
た。更に、定法によりメチルグリコシドを調製し、TM
S化してGCで分析したところ、構成糖は、グルコース
であった。
【0022】上記成分から、実施例1と同様にして単一
の化合物2を分離し、定法により構成脂肪酸、構成スフ
ィンゴイド、構成糖を分析した。この化合物2につい
て、TMS誘導体を作成し、MSスペクトルが文献値
(実施例1の文献)と一致することを確認した。以上に
より、該成分がグルコセレブロシドであることを確認し
た。化合物2の構造を下式及び表2に示した。
【化2】
【0023】実施例3(抗アレルギー活性の測定) 実施例1で得た成分A及び化合物1、実施例2で得た成
分B及び化合物2について、抗アレルギー活性を確認す
るため、ラット肥満細胞からのヒスタミン遊離抑制活性
の測定を、以下の方法により行ない、その測定結果を表
3に示した。 測定法:ラットを放血致死後直ちに腹腔よりヘパリン含
有肥満細胞用緩衝液(組成:0.150 M NaCl、3.7 mM KC
l、3.0 mM Na2HPO4、3.5 mM KH2PO4、0.9 mM CaCl2、5.
6 mM D-glucose、0.1% (w/v) gelatin、pH6.8)を用い
て細胞を採取した(大内和雄 編集:生物薬科学実験講
座12 炎症とアレルギーII、廣川書店、1993、p.372)。
細胞を洗浄後、トルイジンブルーで染色される細胞が
2.0×105個/mlとなる如く上記肥満細胞用緩衝
液を加え、細胞浮遊液とした。一方、活性を測定する試
料を、1%ジメチルスルホキシドに溶解し、1〜10m
g/mlの濃度の試料溶液とした。次いで、試料溶液2
0μlに細胞溶液80μlを加えて37℃で10分間イン
キュベートした。ヒスタミンの脱顆粒誘発剤としてコン
パウンド48/80(5μg/ml)を20μl 加え、
10分インキュベートした(このとき試料の終濃度は
0.167〜1.67mg/ml)。
【0024】その後いったん氷冷して遠心分離(4,5
00×g、5分、4℃)し、上清中に遊離されたヒスタ
ミンを、重炭酸塩存在下4-N,N-dimethylamino-azobenze
ne-4'-isothiocyanateにより色素標識後、高速液体クロ
マトグラフィーにより測定した(Kinoshita, E. and Sai
to, M の方法; Biosci. Biotechnol. Biochem., 62(8),
1488-1491, 1998)。ヒスタミン遊離抑制活性は、測定
されたヒスタミン値から下記の計算式(1)を用いて算
出した。 ヒスタミン遊離抑制率(%)=(1−(S −B)/(C −B))×100 ・・・( 1) B:誘発剤を加えない対照の細胞から遊離されるヒスタ
ミン量 C:誘発剤を加えたときに細胞から遊離されるヒスタミ
ン量 S:被験試料を共存させて誘発剤を加えたときに細胞か
ら遊離されるヒスタミン量 表3の結果から明らかなように、セラミド及びグルコセ
レブロシドは、ヒスタミン遊離抑制活性を示した。
【0025】実施例4(マウス耳介浮腫モデルにおける
アナフィラキシー抑制作用の評価) 実施例1で得た成分A及び化合物1について、下記方法
でアナフィラキシー抑制作用を測定した。その結果を表
4に示した。 測定法:マウスは、日本チャールスリバー社製15〜20g
の体重の C3H/Hecrj、5週齢、雌を一群当り5匹用いた。
1%の抗塩化ピクリルIgE抗体溶液を眼底静脈から0.
2ml投与し、30分後に試料を腹腔内投与した。更に、
30分後に左右の耳の厚さを測定し、この直後に塩化ピ
クリルの0.8%アセトン・オリーブオイル(1:1)
溶液を各耳10μlずつ塗布した。塗布2時間後にマウ
スの左右の耳の厚さを測定し、塗布前後の耳の厚さの差
をアナフィラキシーによる浮腫とした。有意差検定は、
StudentのT検定によった。 表4の結果から明らかなように、セラミドは、アナフィ
ラキシー抑制作用を示した。このモデルにおけるアナフ
ィラキシー反応は、アレルギー症状モデルの一種である
ことから、パイナップル抽出物が抗アレルギー剤として
有用であることが更に示された。
【0026】実施例5:毒性試験 実施例1で得た成分A及び化合物1、実施例2で得た成
分B及び化合物2について、引用文献(大内和雄 編
集:生物薬科学実験講座12 炎症とアレルギーII、廣川
書店、1993、p.372)に記載の方法で細胞毒性試験を行
なった。即ち、先ず、実施例2と同様に調製した細胞浮
遊液(全細胞数3〜6×106個/ml)80μlに、
試料溶液20μlを加え、37℃で培養した。培養開始
から、0及び20分後に各10μlずつ取り出し、予め
用意しておいた10μlの0.4%トリパンブルー液に
加えた。青色色素で染まる細胞を死細胞と判定し、血球
計算盤を用いて、顕微鏡下で細胞数を測定し、各時間に
おける全細胞数及び生存細胞数を測定した。その結果、
細胞毒性は見られなかった。
【0027】実施例6(医薬品への使用) 実施例1で得られた成分A50gに、乳糖50g及びス
テアリン酸マグネシウム2.5gを加え混合し、この混
合物を、常法により、単発式打錠機にて打錠し、直径1
0mm、重量300mgの錠剤タイプの医薬95g製造
した。また、実施例1で得られた化合物1、実施例2で
得られた成分B及び化合物2を用いて、同様に錠剤を製
造した。
【0028】実施例7(食品への使用) 実施例1で得られた成分A(2.4g)に、砂糖(47
0g)、水飴(497.6g)、香料(10g)、水
(20g)を加え、混合し、常法により、キャンデー
(一粒5g)を1,000g製造した。また、実施例1で
得られた化合物1、実施例2で得られた成分B及び化合
物2を用いて、同様にキャンデーを製造した。
【0029】実施例8(飲料への使用) 実施例1で得られた成分A(5g)に、濃縮パイナップ
ル果汁(50g)、果糖ブドウ糖液糖(110g)、ク
エン酸(2g)、L−アスコルビン酸(0.2g)、水
を加え、常法により処理し、パイナップルジュースを1
000g製造した。また、実施例1で得られた化合物
1、実施例2で得られた成分B及び化合物2を用いて、
同様にジュースを製造した。
【0030】実施例9(化粧品への使用) 実施例1で得られた成分A(0.5g)に、グリセリン
(5.0g)、プロピレングリコール(4.0g)、ポリ
オキシエチレンソルビタンモノラウリン酸エステル
(2.0g)、エタノール(10.0g)、香料(0.1
g)、精製水を加え、常法により処理し、化粧水を10
0g製造した。また、実施例1で得られた化合物1、実
施例2で得られた成分B及び化合物2を用いて、同様に
化粧水を製造した。
【0031】
【発明の効果】本発明の抗アレルギー剤は、肥満細胞か
らのヒスタミン遊離抑制活性を示す。従って、本発明の
抗アレルギー剤は、種々のアレルギー性疾患の予防剤若
しくは治療剤、抗炎症剤又はヒスタミン遊離抑制剤とし
て有用である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 芳村 峰花 千葉県野田市野田250番地 キッコーマン 株式会社内 (72)発明者 内田 理一郎 千葉県野田市野田250番地 キッコーマン 株式会社内 Fターム(参考) 4C084 AA02 BA48 NA14 ZB131 4C086 AA01 AA02 EA06 MA01 MA04 NA14 ZB13 4C206 AA01 AA02 FA03 GA03 MA01 MA04 NA14 ZB13

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スフィンゴ脂質又はその誘導体からなる医
    薬。
  2. 【請求項2】スフィンゴ脂質又はその誘導体を有効成分
    とする抗アレルギー剤。
  3. 【請求項3】セラミド又はその誘導体を有効成分とする
    抗アレルギー剤。
  4. 【請求項4】セレブロシド又はその誘導体を有効成分と
    する抗アレルギー剤。
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