JP2002128663A - ソヤサポゲノールbを有効成分とする抗アレルギー剤 - Google Patents

ソヤサポゲノールbを有効成分とする抗アレルギー剤

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JP2002128663A
JP2002128663A JP2000318735A JP2000318735A JP2002128663A JP 2002128663 A JP2002128663 A JP 2002128663A JP 2000318735 A JP2000318735 A JP 2000318735A JP 2000318735 A JP2000318735 A JP 2000318735A JP 2002128663 A JP2002128663 A JP 2002128663A
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antiallergic
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仁美 山口
Yoshihiro Ogawa
善弘 小川
Tomoko Kanamori
智子 金森
Mineka Yoshimura
峰花 芳村
Minoru Saito
實 斉藤
Riichiro Uchida
理一郎 内田
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】新規な抗アレルギー剤、それを含有する医薬
品、飲食品又は化粧品の提供する。 【解決手段】ソヤサポゲノールB(式1)又はその誘導
体を有効成分とする抗アレルギー剤、及び該抗アレルギ
ー剤を含有することを特徴とする、医薬品、飲食品又は
化粧品。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
【0001】本発明は、ソヤサポゲノールBを有効成分
とする新規な抗アレルギー剤、それを含有する医薬品、
飲食品または化粧品に関する。また、本発明は効率的な
ソヤサポゲノールBの精製法に関する。
【0002】
【従来の技術】最近、花粉症やアトピー性皮膚炎などの
アレルギー性疾患の患者が増大し、大きな社会問題にな
っている。一般的にアレルギー反応には、アナフィラキ
シー(I型)、細胞障害型(II型)、アルサス型(III
型)および細胞介在型(遅延型)(IV型)の4つの型が
あるが、最近特に問題になっている花粉症はI型アレル
ギーに分類される。また、アトピー性皮膚炎もI型アレ
ルギー反応が主体といわれている。
【0003】このI型アレルギーにおいては、抗原の侵
入により産生されたIgE抗体が肥満細胞上のFcレセプタ
ーに結合し、再び侵入した抗原がこのIgE抗体と結合す
ると肥満細胞内顆粒中のヒスタミンなどの化学物質が遊
離され、直接的あるいは間接的に喘息や鼻炎などの症状
を伴う急性炎症反応を引き起こす。従って、I型アレル
ギー反応を防ぐためには、上記経路のいずれかを切断す
ればよいことになる。
【0004】従来より、抗アレルギー作用を有する医薬
成分の研究は数多く行われており、当作用を有する数多
くの合成化合物が報告されている。しかし、抗アレルギ
ー活性を有する天然物質はあまりしられていない。さら
に十分な抗アレルギー活性を有する安全な天然物質はほ
とんど得られていなかった。このため、特に医療の現場
では、十分な抗アレルギー活性を有する化合物の探索お
よび抗アレルギー剤の開発が求められている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、主として新
規な抗アレルギー剤、それを含有する医薬品、飲食品ま
たは化粧品を提供することを課題とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、アレルギ
ー性疾患の治療に有効となる指標を、ヒスタミン遊離抑
制活性とし、新規な抗アレルギー剤を探索するべく鋭意
研究を重ねた。その結果、ソヤサポゲノールBが、ヒス
タミン遊離抑制活性を有すること、および抗アレルギー
剤として有用であることを見出し、本発明を完成するに
至った。また、本発明者等は、研究の過程においてソヤ
サポゲノールBを効率よく精製する方法も見出した。即
ち、本発明は、ソヤサポゲノールBまたはその誘導体を
有効成分とする抗アレルギー剤、および該抗アレルギー
剤を含有することを特徴とする、医薬品、飲食品または
化粧品、を提供するものである。また本発明は、有機溶
媒を用いてソヤサポゲノールBを析出させる工程を含む
ソヤサポゲノールBの精製法において、有機溶剤として
ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘプタン、イソ
オクタン、オクタン、ノナン、デカンまたはこれらの1
種以上の混合物を使用することを特徴とする精製法、を
提供するものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に本発明の抗アレルギー剤,
その製造法およびその用途について説明する。
【0008】本発明の抗アレルギー剤は、ソヤサポゲノ
ールBまたはその誘導体を有効成分とする。ソヤサポゲ
ノールB(12-Oleanene-3,22,24-triol)は、下記構造
式(1)で示される物質である。 構造式(1):
【0009】
【化1】
【0010】実施例に示す通り、ソヤサポゲノールB
は、優れたヒスタミン遊離抑制活性を示す。したがっ
て、ソヤサポゲノールBを有効成分とする抗アレルギー
剤は、種々のアレルギー性疾患の予防剤または治療剤、
抗炎症剤あるいはヒスタミン遊離抑制剤として有用であ
る。アレルギー性疾患とは、例えば、アトピー性皮膚
炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、アレルギー性喘息、食
物アレルギー、炎症等である。
【0011】本発明の抗アレルギー剤は、I型アレルギ
ー反応における、肥満細胞からのヒスタミン遊離を阻害
することから、これに起因するアトピー性皮膚炎、アレ
ルギー性鼻炎、花粉症またはアレルギー性喘息等の予
防、治療に、特に有用である。
【0012】なお、抗アレルギー剤としての活性を有す
る限り、ソヤサポゲノールBは、その構造の一部が改変
あるいは修飾されていている誘導体であってもよい。ソ
ヤサポゲノールBの誘導体としては、例えば、薬理上許
容される塩、エステルあるいはプロドラック等が挙げら
れる。
【0013】薬理上許容される塩としては、特に限定さ
れないが、例えば、アルカリ金属(ナトリウム、カリウ
ム等)、アルカリ土類金属(マグネシウム、カルシウム
等)。これらの水酸化物または炭酸塩、アルカリ金属ア
ルコキサイド(ナトリウムメトキサイド、カリウムt-プ
トキサイド等)との塩が挙げられる。また、塩として
は、無機酸(塩酸、硫酸、リン酸)や有機酸(マレイン
酸、クエン酸、フマル酸等)を付加した酸付加塩、更に
はアミンの付加塩、アミノ酸の付加塩等が挙げられる。
なお、上記の塩の水和物もここでいう塩に含まれる。
【0014】エステルは、アルコールまたはカルボン酸
とのエステル化反応で生じるエステルであれば特に限定
されない。アルコールとしてはメタノール、エタノー
ル、1−プロパノール、2−プロパノール等が挙げら
れ、またはカルボン酸としてはギ酸、酢酸、乳酸等が挙
げられる。
【0015】プロドラックとは、生体に投与された後に
ソヤサポゲノールBに変化して、抗アレルギー剤として
の作用を発現する化合物を意味する。安定性や吸収性の
改善、副作用の低減等を目的としてプロドラック化され
たソヤサポゲノールBも本発明でいう誘導体に含まれ
る。なお、本発明の抗アレルギー剤は、精製されたソヤ
サポゲノールBのみを含むものに限定されず、ソヤサポ
ゲノールBを含む粗精製物であってもよい。
【0016】2.抗アレルギー剤の製造法 本発明の抗アレルギー剤の有効成分であるソヤサポゲノ
ールBは、どのような方法で製造されたものであっても
よく、ソヤサポゲノールBを含有する生物、例えば豆
類、ペニシリウム属の微生物等から精製する方法、化学
合成法、半合成法等が広く採用できる。
【0017】ソヤサポゲノールBは、大豆やその他の豆
類等からソヤサポゲノールB配糖体を採取し、次いでこ
れを加水分解したのち、カラムクロマトグラフィー等に
より精製できる。また、ソヤサポゲノールBは、大豆や
その他の豆類等を発酵したもの、あるいはこれらの副産
物等から製造することができる。醤油粕油からのソヤサ
ポゲノールBの製造法は特開昭57−163331号に
開示されている。
【0018】ソヤサポゲノールBの製造法においては、
ソヤサポゲノールBを含む粗精製物からソヤサポゲノー
ルBを効率よく精製することが重要となる。有機溶媒を
用いてソヤサポゲノールBを析出させる工程は、効率的
な精製方法としては有用であり、有機溶剤としては低極
性溶媒、例えば、ヘキサン、シクロヘキサン、ペンタ
ン、ヘプタン、イソオクタン、オクタン、ノナン、デカ
ンまたはこれらの1種以上の混合物を用いることがで
き、特にヘキサンが好ましい。この場合、ソヤサポゲノ
ールBを含む粗精製物に、前述の溶媒を加え、沈殿を析
出させ、沈殿を遠心分離や濾過等で分取し、必要があれ
ばさらに洗浄し乾燥することによりソヤサポゲノールB
が得られる。また、ソヤサポゲノールBの薬理上許容さ
れる塩は、ソヤサポゲノールBに、アルカリ金属、アル
カリ土類金属、アルカリ金属アルコキサイド、無機酸あ
るいは有機酸を作用させることにより製造できる。さら
に、エステルは、酸触媒の存在下で、ソヤサポゲノール
Bにアルコールまたはカルボン酸を作用させることによ
り製造できる。
【0019】〔本発明の抗アレルギー剤の用途〕本発明
の抗アレルギー剤は、実施例に示す通り、ヒスタミン遊
離抑制活性を示す。したがって、該抗アレルギー剤は、
種々のアレルギー性疾患の予防剤または治療剤、抗炎症
剤あるいはヒスタミン遊離抑制剤として有用である。本
発明の抗アレルギー剤は、特にI型アレルギー反応に起
因するアレルギー性疾患の予防、治療に有用である。該
抗アレルギー剤は、抗アレルギー活性・抗炎症活性、あ
るいはヒスタミン遊離抑制活性を有する医薬品、飲食品
または化粧品として、そのままであるいはこれらの製品
に添加して使用できる。本発明の抗アレルギー剤は、単
独で医薬品、飲食品または化粧品として使用してもよ
く、また、他の抗アレルギー剤と併用してもよい。
【0020】1.医薬品 本発明の抗アレルギー剤は、そのまま、若しくはこれを
公知の医薬用担体と共に製剤化することにより医薬品と
して使用できる。本発明の抗アレルギー剤は、例えば、
錠剤、顆粒剤、粉剤、シロップ剤等の経口剤や、坐剤、
外用剤等の非経口剤として製剤化できる。医薬用担体と
しては、特に制限はなく、例えば、固形担体(デンプ
ン、乳糖、カルボキシメチルセルロース等)、液体担体
(蒸留水、生理食塩水、ブドウ糖水溶液、エタノール、
プロピレングリコール等)、油性担体(各種の動植物
油、白色ワセリン、パラフィン等)が挙げられる。
【0021】上記医薬品は、人および人以外の動物(ペ
ット、家畜)用として使用できる。上記医薬の服用量
は、それを使用する患者等の症状、性別、年齢に応じて
適宜設定すればよいが、例えば、成人一人あたり一日に
0.1〜1000 mg 程度摂取できるよう服用すればよい。
【0022】2.飲食品 本発明の抗アレルギー剤を飲食品に添加することによ
り、その飲食品に、抗アレルギー活性・抗炎症活性、あ
るいはヒスタミン遊離抑制活性を付与することができ
る。添加されるべき飲食品は特に限定されないが、肉製
品、加工野菜、惣菜類、乳製品、菓子、パン、清涼飲
料、果実飲料、酒類等が挙げられる。食品に対する本発
明の抗アレルギー剤の配合率も特に限定されない。
【0023】また、本発明の抗アレルギー剤とその他の
食品素材を混合して、顆粒状・粉末状・錠剤状あるいは
ブロック状などに成形し、食品素材や健康食品等として
もよい。その他の食品素材とは、例えば、糖類、食用た
んぱく質、アルコール、ビタミン、増粘多糖類、アミノ
酸、カルシウム塩類、色素、香料、保存剤等である。
【0024】3.化粧品 本発明の抗アレルギー剤を化粧品に添加することによ
り、その化粧品に抗アレルギー活性・抗炎症活性、ある
いはヒスタミン遊離抑制活性を付与することができる。
化粧品とは、特に限定されないが、例えば、化粧水、化
粧クリーム、乳液、ファンデーション、口紅、整髪料、
ヘアトニック、育毛料、歯磨き、洗口料、シャンプー、
リンス等である。化粧品を調製する場合には、植物油等
の油脂類、ラノリンやミツロウ等のロウ類、炭化水素
類、脂肪酸、高級アルコール類、種々の界面活性剤、色
素、香料、ビタミン類、植物・動物抽出成分、紫外線吸
収剤、抗酸化剤、保存剤等、通常の化粧品原料として使
用されているものを適宜配合して製造することができ
る。
【0025】
【実施例】以下に、本発明の抗アレルギー剤の製造方
法、ヒスタミン遊離抑制試験、並びに本発明の抗アレル
ギー剤を含有する医薬品・飲食品・化粧品の製造に関す
る実施例を示す。
【0026】[実施例1] 本発明の抗アレルギー剤の製造
方法:丸大豆を原料として醸造された醤油の製造工程で
得られた醤油油7kgにシリカゲル{Daisogel IR-60 100
2A;ダイソー(株)}1.2kgを添加混合し、シリカゲ
ル相を分離した。これを7リットルのヘキサンで3回、
次いで7リットルのヘキサン−エタノール(99:1;
v/v)で3回洗浄した。次に7リットルのヘキサン−エ
タノール(9:1;V/V)を加え攪拌、静置して上澄を
分取することを3回繰り返し、合わせた抽出液をガラス
フィルターで濾過した。濾液をエバポレーターで減圧乾
固して茶色油状の粗画分124.6gを得た。得られた
粗画分にヘキサン375mlを加え攪拌し、白色沈殿を
析出させた後沈殿を濾別し、洗浄、乾燥して、白色粉末
のヒスタミン遊離抑制成分13.75gを得た。上記の
各工程で得られた画分のヒスタミン遊離抑制活性は、実
施例2に記載の方法で測定した。得られたヒスタミン遊
離抑制成分について、TLC、HPLC、1H-NMR、13C-NMRを行
った。これらのデータと、ソヤサポゲノールB精製標品
を用いて得られたデータとを比較したところ全て一致し
たことから、該ヒスタミン遊離抑制成分がソヤサポゲノ
ールBであると判断した。なお、粗画分に対して、ヘキ
サンの代わりにイソオクタンを加えて析出操作を行なっ
た場合にも、ソヤサポゲノールBが、白色粉末として得
られた。
【0027】[実施例2]ラット肥満細胞からのヒスタミ
ン遊離抑制活性の測定:実施例1で得たソヤサポゲノー
ルBについて、下記方法でヒスタミン遊離抑制活性を測
定した。その結果を表1に示した。 (1)ラットを放血致死後直ちに腹腔よりヘパリン含有
肥満細胞用緩衝液(組成:0.150 M NaCl、3.7 mM KCl、
3.0 mM Na2HPO4、3.5 mM KH2PO4、0.9 mM CaCl2、5.6 m
M D-glucose、0.1% (w/v) gelatin、pH6.8)を用いて細
胞を採取した(生物薬科学実験講座12 炎症とアレルギ
ーII、大内和雄 編集、廣川書店、1993年、372ペー
ジ)。細胞を洗浄後、トルイジンブルーで染色される細
胞が2.0×10 5個/ ml となるよう上記肥満細胞用緩衝液
を加え、細胞浮遊液とした。一方、実施例1で得たソヤ
サポゲノールBを、DMSOに溶解し、7.5 〜30mg/mlの濃
度の試料溶液とした。
【0028】(2)試料溶液2μlに、細胞浮遊液98μl
を加えて37℃10分間インキュベートした。次いで、脱顆
粒誘発剤としてコンパウンド48/80(5 μg/ml)を20 μ
l 加えて10 分間インキュベートした(このときソヤサ
ポゲノールBの終濃度は125〜500μg/ml)。その後いっ
たん氷冷して遠心分離(1,500×g、5 分、4度)し、上
清中に遊離されたヒスタミンを蛍光検出器付き高速液体
クロマトグラフィーにより測定した。
【0029】(3)ヒスタミン遊離抑制活性は、測定さ
れたヒスタミン値から下記の計算式(A)を用いて算出
した。 ヒスタミン遊離抑制率(%)=(1-(S-B)/(C-B))×100 ・・・(A) B:誘発剤を加えない対照の細胞から遊離されるヒスタ
ミン量 C:誘発剤を加えたときに細胞から遊離されるヒスタミ
ン量 S:被験試料を共存させて誘発剤を加えたときに細胞か
ら遊離されるヒスタミン量
【0030】
【表1】
【0031】表1の結果から明らかなように、ソヤサポ
ゲノールBはヒスタミン遊離抑制活性を示した。
【0032】[実施例3]マウス耳介浮腫モデルにおける
アナフィラキシー抑制作用の評価:実施例1で得たソヤ
サポゲノールBについて、下記方法でアナフィラキシー
抑制作用を測定した。その結果を表2に示した。マウス
は日本チャールズリバー社製15〜20gの体重の C3H/Hecr
j、5週齢、雌を一群当り5匹用いた。1%の抗塩化ピク
リルIgE抗体溶液を眼底静脈から0.2ml投与し、30
分後にソヤサポゲノールBを経口投与した。さらに30
分後に左右の耳の厚さを測定し、この直後に塩化ピクリ
ルの0.8%アセトン・オリーブオイル(1:1)溶液
を各耳10μlずつ塗布した。塗布2時間後にマウスの
左右の耳の厚さを測定し、塗布前後の耳の厚さの差をア
ナフィラキシーによる浮腫とした。有意差検定はStuden
tのT検定によった。
【表2】 *:p<0.05(塩化ピクリル感作対照群との有意差)
【0033】表2の結果から明らかなように、ソヤサポ
ゲノールBは、アナフィラキシー抑制作用を示した。ア
ナフィラキシーは、アレルギー症状の一種であることか
ら、ソヤサポゲノールBが抗アレルギー剤として有用で
あることがさらに示された。
【0034】[実施例4] 1.細胞毒性試験 実施例1で得たソヤサポゲノールBについて、下記方法
で細胞毒性試験を行った。まず、実施例1(1)と同様
に調製した細胞浮遊液(全細胞数3〜6×106個/ml )9
8μlに、試料溶液2μlを加え、37℃で培養した。培養
開始から、0,10,20分後に各10μlずつ取り出し、予
め用意しておいた20μlの0.4%トリパンブルー液に加
えた。青色色素で染まる細胞を死細胞と判定し、血球計
算盤を用いて、顕微鏡下で細胞数を測定し、各時間にお
ける全細胞数および生存細胞数を測定した。その結果、
細胞毒性は見られなかった。
【0035】2.単回投与毒性試験:実施例1で得たソ
ヤサポゲノールBについて、下記方法で単回投与毒性試
験を行った。 <使用動物>:体重70〜90gのF344/DuCrj雌雄ラット
(5週齢)。 <実験方法>:医薬品のための毒性試験法ガイドライン
(昭和59年2月15日薬審第118号、都道府県衛生
主管部局長宛厚生省薬務局審査第2課長通知)に準じ、
単回投与毒性試験を行った。0.5%カルボキシメチルセ
ルロースナトリウム溶液20mlに、ソヤサポゲノールBを
2.4g懸濁し、この懸濁液を、5匹のラットに、体重100
gあたり1.7ml(2g/体重kg)の割合で経口投与
し、14日間観察した。その結果、全例とも死亡動物は
なく、また副作用も認められず、14日目の剖検におい
ても、組織、臓器の顕微鏡的異常はなんら観察されなか
ったことから、本発明に用いられるソヤサポゲノールB
は、きわめて毒性が低いことが判明した。
【0036】[実施例5]本発明の抗アレルギー剤を含有
する医薬品:実施例1で得たソヤサポゲノールBを、以
下の方法で製剤化し、医薬品とした。 (1)ソヤサポゲノールB100gに同量の乳糖及びス
テアリン酸マグネシウム5gと混合し、この混合物を単
発式打錠機にて打錠し、直径10mm、重量300mg
の錠剤を製造した。 (2)上記(1)で得た錠剤を粉砕、整粒し、篩別して
20〜50メッシュの顆粒剤を得た。
【0037】[実施例6]本発明の抗アレルギー剤を含有
する飲食品:本発明の抗アレルギー剤を含有する食品と
して、以下の組成(重量部)のキャンデーを製造した。 砂糖(47.0)、水飴(49.76)、香料(1.
0)、水(2.0)、ソヤサポゲノールB(0.24)。
【0038】[実施例7]本発明の抗アレルギー剤を含有
する化粧品 (1)以下の組成(重量部)の歯磨き粉を製造した。 第二リン酸カルシウム(42)、グリセリン(18)、
カラギーナン(0.9)、ラウリル硫酸ナトリウム(1.
2)、サッカリンナトリウム(0.09)、パラオキシ
安息香酸ブチル(0.005)、ソヤサポゲノールB
(0.05)、香料(1)、水を加え100とした。
【0039】(2)以下の組成(重量部)の化粧水を製
造した。 リセリン(5.0)、プロピレングリコール(4.0)、
ソヤサポゲノールB(0.15)、ポリオキシエチレン
ソルビタン モノラウリン酸エステル(2.0)、エタ
ノール(10.0)、香料(0.1)、精製水を加え10
0とした。
【0040】(3)以下の組成(重量部)のヘアーリン
スを製造した。 化ステアリルジメチル(1.4)、ベンジルアンモニウ
ムステアリルアルコール(0.6)、グリセリンモノス
テアレート(1.5)、食塩(0.1)、ソヤサポゲノー
ルB(0.1)、精製水を加え100とした。
【0041】
【発明の効果】本発明により、ソヤサポゲノールBまた
はその誘導体を有効成分とする抗アレルギー剤が提供さ
れた。また、本発明により、該抗アレルギー剤を含有す
ることを特徴とする、医薬品、飲食品または化粧品が提
供された。本発明の抗アレルギー剤は、種々のアレルギ
ー性疾患の予防・治療剤、抗炎症剤、あるいはヒスタミ
ン遊離抑制剤として有用である。また、本発明の抗アレ
ルギー剤は、I型アレルギー反応における、肥満細胞か
らのヒスタミン遊離を阻害することから、これに起因す
るアトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎、花粉症、アレ
ルギー性喘息等の予防、治療に、特に有用である。
【0042】本発明の抗アレルギー剤は、医薬品のほ
か、飲食品、化粧品に添加することにより、これらの製
品に抗アレルギー活性、抗炎症活性、あるいはヒスタミ
ン遊離抑制活性を付与することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) A61P 11/06 A61P 11/06 17/00 17/00 29/00 29/00 37/08 37/08 43/00 113 43/00 113 C07C 29/78 C07C 29/78 35/44 35/44 (72)発明者 芳村 峰花 千葉県野田市野田250番地キッコ−マン株 式会社内 (72)発明者 斉藤 實 千葉県野田市野田250番地キッコ−マン株 式会社内 (72)発明者 内田 理一郎 千葉県野田市野田250番地キッコ−マン株 式会社内 Fターム(参考) 4B014 GB06 GB07 GK12 GL03 4B018 LB01 MD08 MD91 ME07 4C083 AB052 AB272 AB292 AC102 AC112 AC122 AC392 AC442 AC482 AC532 AC792 AC862 AD352 CC04 CC39 CC41 DD22 DD27 EE11 4C206 AA01 AA02 AA04 CA09 KA04 MA01 MA04 NA14 ZA59 ZA89 ZB11 ZB13 ZC13 4H006 AA02 AD15 BB11 FC36 FE11 FE12

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ソヤサポゲノールBまたはその誘導体を有
    効成分とする抗アレルギー剤。
  2. 【請求項2】請求項1記載の抗アレルギー剤を含有する
    ことを特徴とする、医薬品、飲食品または化粧品。
  3. 【請求項3】有機溶媒を用いてソヤサポゲノールBを析
    出させる工程を含むソヤサポゲノールBの精製法におい
    て、有機溶剤としてヘキサン、シクロヘキサン、ペンタ
    ン、ヘプタン、イソオクタン、オクタン、ノナン、デカ
    ンまたはこれらの1種以上の混合物を使用することを特
    徴とする精製法。
JP2000318735A 2000-10-19 2000-10-19 ソヤサポゲノールbを有効成分とする抗アレルギー剤 Pending JP2002128663A (ja)

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