JP4421847B2 - 脂肪分解促進剤 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ハス胚芽の抽出物、あるいはハス胚芽の抽出物およびカフェインを含有することを特徴とする脂肪分解促進剤およびその脂肪分解促進剤を含有する食品または皮膚外用剤に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
痩身のためには脂肪分解促進剤が有効であることが一般的に知られており、ハス果実の抽出物(蓮肉)に脂肪分解促進作用が知られている(特許文献1)。また、カフェインには脂肪代謝促進作用が知られている(特許文献2)。しかしながら、ハス胚芽の抽出物に脂肪分解促進作用があることは報告がなく、また、カフェインとの相乗効果についても知られていない。
【0003】
【特許文献1】
特開平9−241127
【特許文献2】
特開2001−258506
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来のものでは効果が弱く、さらに効果の高いものが望まれている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この様な事情により、本発明者らは鋭意研究検討した結果、ハス胚芽の抽出物に非常に強い脂肪分解促進作用を見出し、また、カフェインとの併用により相乗的に脂肪分解促進作用が増強されることを発見した。さらに、安全性が高く、製剤化も可能なことから、本発明を完成するに至った。
【0006】
本発明に用いるハス胚芽は、スイレン科植物の胚芽で、例えば、ハス属のハス(Nelumbo nucifera Gaertn.)やキバナハス(N. lutea Pers.)、オニバス属のオニバス(Euyale feroxSalisb.)そしてオオオニバス属のオオオニバス(Victoria regiaLindl.)等の胚芽を使用することができる。生薬として流通するものとしては、蓮芯、蓮子芯、荷梗等が挙げられ、購入して使用することもできる。ハスは、様々な部分が薬用として使われており、それぞれが異なった薬効を有している。例えば、ハス属のハス葉(荷葉)は下痢止め、止血に、果実(蓮肉)と雄しべ(蓮シュ)は強壮に、胚芽(蓮芯、蓮子芯、荷梗)は解熱にと異なった薬効が知られている。また、果実の成分としては多量のデンプンと糖類のラフィノースが知られているのに対し、葉にはロエメリン、ヌシフェリン等のアルカロイドが、そして、胚芽にはメチルコリパリンやロツシン等の異なるアルカロイドが含まれていることが知られている(原色日本薬用植物図鑑、木村康一、木村孟淳共著、保育社)。
【0007】
本発明に用いるハス胚芽の抽出物とは、ハス胚芽から溶媒で抽出することができる。その抽出方法は特に限定されず、例えば、加熱抽出したものであっても良いし、常温抽出したものであっても良い。
【0008】
抽出する溶媒としては、例えば、水、低級アルコール類(メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等)、液状多価アルコール(1,3−ブチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)、アセトニトリル、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル等)、炭化水素類(ヘキサン、ヘプタン等)、エーテル類(エチルエーテル、テトラヒドロフラン、プロピルエーテル等)が挙げられる。好ましくは、水、低級アルコール等の極性溶媒が良く、特に好ましくは、水およびエタノールが良い。これらの溶媒は一種でも二種以上を混合して用いても良い。
【0009】
上記抽出物は、抽出した溶液のまま用いても良く、必要に応じて、濃縮、希釈、濾過、活性炭等による脱色、脱臭、エタノール沈殿等の処理をして用いても良い。さらには、抽出した溶液を濃縮乾固、噴霧乾燥、凍結乾燥等の処理を行い、乾燥物として用いても良い。
【0010】
カフェインは、化粧品用あるいは食品用として市販されているものを用いることができる。
【0011】
本発明の脂肪分解促進剤には、上記抽出物をそのまま使用しても良く、抽出物の効果を損なわない範囲内で、希釈剤を用いることもできる。ハス胚芽の抽出物とカフェインを脂肪分解促進剤に配合した際の比率は特に限定されない。希釈剤としては固体、液体、半固体でも良く、例えば、次のものが挙げられる。すなわち、賦形剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、表面活性剤、滑沢剤、分散剤、緩衝剤、香料、保存料、溶解補助剤、溶剤等である。具体的には、乳糖、ショ糖、ソルビット、マンニット、澱粉、沈降性炭酸カルシウム、重質酸化マグネシウム、タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、セルロースまたはその誘導体、アミロペクチン、ポリビニルアルコール、ゼラチン、界面活性剤、水、生理食塩水、エタノール、グリセリン、プロピレングリコール、カカオ脂、ラウリン脂、ワセリン、パラフィン、高級アルコール等である。
【0012】
本発明の脂肪分解促進剤は、食品に用いることができ、その剤形としては、例えば、散剤、顆粒剤、錠剤、糖衣錠剤、カプセル剤、シロップ剤、丸剤、懸濁剤、液剤、乳剤等が挙げられる。また、皮膚外用剤の剤形としては、ローション、乳液、クリーム、パック、ファンデーション、浴剤、ゲル剤、軟膏等が挙げられる。
【0013】
本発明に用いる上記脂肪分解促進剤の配合量は、本発明の食品あるいは皮膚外用剤全量に対し、固形物に換算して0.0001重量%以上、好ましくは0.001〜90重量%の配合が良い。また、添加の方法については、予め加えておいても、製造途中で添加しても良く、作業性を考えて適宜選択すれば良い。一日の投与量は、抽出物として、1mg〜1000mg好ましくは10mg〜500mg投与することができ、2〜3回に分けて投与することが望ましい。また、カフェインの一日の投与量は1mg〜500mg好ましくは10mg〜50mg投与することができる。
【0014】
【実施例】
次に本発明を詳細に説明するため、実施例として本発明に用いる抽出物の製造例、本発明の処方例および実験例を挙げるが、本発明はこれに限定されるものではない。実施例に示す配合量の部とは重量部を示す。
【0015】
製造例1 ハス胚芽の熱水抽出物
ハス胚芽の乾燥物(蓮芯)10gに精製水100mLを加え、95〜100℃で2時間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して熱水抽出物を2.6g得た。
【0016】
製造例2 ハス胚芽の25%エタノール抽出物
ハス胚芽の乾燥物(蓮芯)10gに精製水75mLおよびエタノール25mLを加え、常温で3日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して25%エタノール抽出物を2.5g得た。
【0017】
製造例3 ハス胚芽の50%エタノール抽出物
ハス胚芽の乾燥物(蓮芯)10gに精製水50mLおよびエタノール50mLを加え、常温で3日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して50%エタノール抽出物を2.1g得た。
【0018】
製造例4 ハス胚芽の75%エタノール抽出物
ハス胚芽の乾燥物(蓮芯)10gに精製水25mLおよびエタノール75mLを加え、常温で3日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して75%エタノール抽出物を1.5g得た。
【0019】
製造例5 ハス胚芽のエタノール抽出物
ハス胚芽の乾燥物(蓮芯)10gにエタノール100mLを加え、常温で3日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥してエタノール抽出物を0.4g得た。
【0020】
製造例6 ハス胚芽の50%1,3−BG抽出物
ハス胚芽の乾燥物(蓮芯)10gに精製水50gおよび1,3−ブチレングリコール(1,3−BG)50gを加え、常温で7日間抽出した後、濾過し、50%1,3−BG抽出物を90g得た。
【0021】
比較製造例1 ハス雄しべの50%エタノール抽出物
ハス雄しべの乾燥物(蓮シュ)10gに精製水50mLおよびエタノール50mLを加え、常温で3日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して50%エタノール抽出物を2.4g得た。
【0022】
比較製造例2 ハス果実の50%エタノール抽出物
ハス果実の乾燥物(蓮肉)10gに精製水50mLおよびエタノール50mLを加え、常温で3日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して50%エタノール抽出物を2.0g得た。
【0023】
比較製造例3 ハス葉の50%エタノール抽出物
ハス葉の乾燥物(荷葉)10gに精製水50mLおよびエタノール50mLを加え、常温で3日間抽出した後、濾過し、その濾液を濃縮し、凍結乾燥して50%エタノール抽出物を2.5g得た。
【0024】
実施例1 散剤
処方 配合量
1.ハス胚芽の熱水抽出物(製造例1) 20部
2.乾燥コーンスターチ 30
3.微結晶セルロース 50
[製法]成分1〜3を混合し、散剤とする。
【0025】
実施例2 錠剤
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%エタノール抽出物(製造例3) 5部
2.乾燥コーンスターチ 25
3.カルボキシメチルセルロースカルシウム 20
4.微結晶セルロース 40
5.ポリビニルピロリドン 7
6.タルク 3
[製法]成分1〜5を混合し、次いで10%の水を結合剤として加えて、押出し造粒後乾燥する。成形した顆粒に成分6を加えて混合し打錠する。1錠0.52gとする。
【0026】
実施例3 錠菓
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%エタノール抽出物(製造例3) 1.5部
2.乾燥コーンスターチ 50.0
3.エリスリトール 40.0
4.クエン酸 5.0
5.ショ糖脂肪酸エステル 3.4
6.香料 0.1
[製法]成分1〜4を混合し、10%の水を結合剤として加え流動層造粒する。成形した顆粒に成分5および6を加えて混合し打錠する。1粒1.0gとする。
【0027】
実施例4 飲料
処方 配合量
1.ハス胚芽の25%エタノール抽出物(製造例2) 4.0部
2.ステビア 0.05
3.リンゴ酸 5.0
4.香料 0.1
5.水 90.85
[製法]成分1〜4を成分5の一部の水に撹拌溶解する。次いで、成分5の残りの水を加えて混合する。
【0028】
実施例5 ローション
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%1,3−BG抽出物(製造例6) 0.1部
2.1,3−ブチレングリコール 8.0
3.グリセリン 2.0
4.キサンタンガム 0.02
5.クエン酸 0.01
6.クエン酸ナトリウム 0.1
7.エタノール 5.0
8.パントテン酸エチルアルコール 0.1
9・パラオキシ安息香酸メチル 0.1
10.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
11.香料 0.1
12.精製水 84.37
[製造方法]成分1〜6および12と、成分7〜11をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
【0029】
比較例1 従来のローション1
実施例5において、ハス胚芽の50%1,3−BG抽出物を精製水に置き換えたものを従来のローション1とした。
【0030】
実施例6 クリーム
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%エタノール抽出物(製造例3) 0.1部
2.スクワラン 5.5
3.オリーブ油 3.0
4.ステアリン酸 2.0
5.ミツロウ 2.0
6.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
7.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
8.ベヘニルアルコール 1.5
9.モノステアリン酸グリセリン 2.5
10.香料 0.1
11.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
12.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
13.1,3−ブチレングリコール 8.5
14.精製水 68.05
[製造方法]成分2〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および成分11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
【0031】
比較例2 従来のクリーム1
実施例6において、ハス胚芽の50%エタノール抽出物を精製水に置き換えたものを従来のクリーム1とした。
【0032】
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および10〜13を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分9を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
【0033】
実施例8 ゲル剤
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%1,3−BG抽出物(製造例6) 1.0部
2.エタノール 5.0
3.ビタミンE 0.1
4.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
5.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
6.香料 0.1
7.1,3−ブチレングリコール 5.0
8.グリセリン 5.0
9.キサンタンガム 0.1
10.カルボキシビニルポリマー 0.2
11.水酸化カリウム 0.2
12.精製水 83.1
[製造方法]成分2〜6と、成分1および7〜12をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
【0034】
実施例9 パック
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%エタノ−ル抽出物(製造例3) 0.2
2.ポリビニルアルコール 12.0
3.エタノール 5.0
4.1,3−ブチレングリコール 8.0
5.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
7.クエン酸 0.1
8.クエン酸ナトリウム 0.3
9.香料 0.1
10.精製水 73.6
[製造方法]成分1〜10を均一に溶解し製品とする。
【0035】
[製造方法]成分2〜8を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分19に成分9をよく膨潤させ、続いて、成分1および10〜13を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分14〜17を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この水相に油相をかき混ぜながら加え、冷却し、45℃で成分18を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0036】
実施例11 浴用剤
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%エタノール抽出物(製造例3) 5.0部
2.炭酸水素ナトリウム 50.0
3.メントール 0.1
4.黄色202号(1) 0.01
5.香料 0.1
6.硫酸ナトリウム 44.79
[製造方法]成分1〜6を均一に混合し製品とする。
【0037】
実施例12 軟膏
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%1,3−BG抽出物(製造例6) 0.51
2.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
3.モノステアリン酸グリセリン 10.0
4.流動パラフィン 5.0
5.セタノール 6.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
7.プロピレングリコール 10.0
8.精製水 66.39
[製造方法]成分2〜5を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1および6〜8を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0038】
実施例13 散剤
処方 配合量
1.ハス胚芽の熱水抽出物(製造例1) 19部
2.カフェイン 1
3.乾燥コーンスターチ 30
4.微結晶セルロース 50
[製法]成分1〜4を混合し、散剤とする。
【0039】
実施例14 錠剤
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%エタノール抽出物(製造例3) 4部
2.カフェイン 1
3.乾燥コーンスターチ 25
4.カルボキシメチルセルロースカルシウム 20
5.微結晶セルロース 40
6.ポリビニルピロリドン 7
7.タルク 3
[製法]成分1〜6を混合し、次いで10%の水を結合剤として加えて、押出し造粒後乾燥する。成形した顆粒に成分7を加えて混合し打錠する。1錠0.52gとする。
【0040】
実施例15 錠菓
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%エタノール抽出物(製造例3) 1.0部
2.カフェイン 0.5
3.乾燥コーンスターチ 50.0
4.エリスリトール 40.0
5.クエン酸 5.0
6.ショ糖脂肪酸エステル 3.4
7.香料 0.1
[製法]成分1〜5を混合し、10%の水を結合剤として加え流動層造粒する。成形した顆粒に成分6および7を加えて混合し打錠する。1粒1.0gとする。
【0041】
実施例16 飲料
処方 配合量
1.ハス胚芽の25%エタノール抽出物(製造例2) 3.95部
2.カフェイン 0.05
3.ステビア 0.05
4.リンゴ酸 5.0
5.香料 0.1
6.水 90.85
[製法]成分1〜5を成分6の一部の水に撹拌溶解する。次いで、成分6の残りの水を加えて混合する。
【0042】
実施例17 ローション
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%1,3−BG抽出物(製造例6) 0.05部
2.カフェイン 0.05
3.1,3−ブチレングリコール 8.0
4.グリセリン 2.0
5.キサンタンガム 0.02
6.クエン酸 0.01
7.クエン酸ナトリウム 0.1
8.エタノール 5.0
9.パントテン酸エチルアルコール 0.1
10・パラオキシ安息香酸メチル 0.1
11.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(40E.O.) 0.1
12.香料 0.1
13.精製水 84.37
[製造方法]成分1〜7および13と、成分8〜12をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合し濾過して製品とする。
【0043】
比較例3 従来のローション2
実施例17において、カフェインを精製水に置き換えたものを従来のローション2とした。
【0044】
実施例18 クリーム
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%エタノール抽出物(製造例3) 0.01部
2.カフェイン 0.09
3.スクワラン 5.5
4.オリーブ油 3.0
5.ステアリン酸 2.0
6.ミツロウ 2.0
7.ミリスチン酸オクチルドデシル 3.5
8.ポリオキシエチレンセチルエーテル(20E.O.) 3.0
9.ベヘニルアルコール 1.5
10.モノステアリン酸グリセリン 2.5
11.香料 0.1
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
13.パラオキシ安息香酸エチル 0.05
14.1,3−ブチレングリコール 8.5
15.精製水 68.05
[製造方法]成分3〜10を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、2および成分12〜15を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分11を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
【0045】
比較例4 従来のクリーム2
実施例18において、カフェインを精製水に置き換えたものを従来のクリーム2とした。
【0046】
[製造方法]成分3〜9を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、2および11〜14を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら冷却し、45℃で成分10を加え、さらに30℃まで冷却して製品とする。
【0047】
実施例20 ゲル剤
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%1,3−BG抽出物(製造例6) 0.1部
2.カフェイン 0.9
3.エタノール 5.0
4.ビタミンE 0.1
5.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
6.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(60E.O.) 0.1
7.香料 0.1
8.1,3−ブチレングリコール 5.0
9.グリセリン 5.0
10.キサンタンガム 0.1
11.カルボキシビニルポリマー 0.2
12.水酸化カリウム 0.2
13.精製水 83.1
[製造方法]成分3〜7と、成分1、2および8〜13をそれぞれ均一に溶解し、両者を混合して製品とする。
【0048】
実施例21 パック
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%エタノ−ル抽出物(製造例3) 0.1
2.カフェイン 0.1
3.ポリビニルアルコール 12.0
4.エタノール 5.0
5.1,3−ブチレングリコール 8.0
6.パラオキシ安息香酸メチル 0.2
7.ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油(20E.O.) 0.5
8.クエン酸 0.1
9.クエン酸ナトリウム 0.3
10.香料 0.1
11.精製水 73.6
[製造方法]成分1〜11を均一に溶解し製品とする。
【0049】
[製造方法]成分3〜9を加熱溶解し、80℃に保ち油相とする。成分20に成分10をよく膨潤させ、続いて、成分1、2および11〜14を加えて均一に混合する。これに粉砕機で粉砕混合した成分15〜18を加え、ホモミキサーで撹拌し75℃に保ち水相とする。この水相に油相をかき混ぜながら加え、冷却し、45℃で成分19を加え、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0050】
実施例23 浴用剤
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%エタノール抽出物(製造例3) 4.9部
2.カフェイン 0.1
3.炭酸水素ナトリウム 50.0
4.メントール 0.1
5.黄色202号(1) 0.01
6.香料 0.1
7.硫酸ナトリウム 44.79
[製造方法]成分1〜7を均一に混合し製品とする。
【0051】
実施例24 軟膏
処方 配合量
1.ハス胚芽の50%1,3−BG抽出物(製造例6) 0.5部
2.カフェイン 0.01
3.ポリオキシエチレンセチルエーテル(30E.O.) 2.0
4.モノステアリン酸グリセリン 10.0
5.流動パラフィン 5.0
6.セタノール 6.0
7.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
8.プロピレングリコール 10.0
9.精製水 66.39
[製造方法]成分3〜6を加熱溶解して混合し、70℃に保ち油相とする。成分1、2および7〜9を加熱溶解して混合し、75℃に保ち水相とする。油相に水相を加えて乳化して、かき混ぜながら30℃まで冷却して製品とする。
【0052】
次に、本発明の効果を詳細に説明するため、実験例を挙げる。
【0053】
実験例1 脂肪分解促進作用
Wistar系雄性ラットより副睾丸脂肪組織を摘出し、細切した後に、0.1%コラゲナーゼ(和光純薬)を添加し、37℃で60分間消化した。次いで、消化液をナイロンメッシュ(200μm)にて濾過し、Krebs−Ringer−Bicarbonate(KRB)緩衝液(0.55mMグルコース、4%ウシ血清アルブミン含有)で3回洗浄することにより脂肪細胞を単離した。得られた脂肪細胞をKRB緩衝液で2×105個/mLに懸濁調整した後、その脂肪細胞懸濁液100μLに80μLのKRB緩衝液および各抽出物を1mg/mLの濃度になるように20μL添加し、37℃で60分間反応させた。反応終了後、反応液中に含まれる脂肪酸を脂肪酸定量キット(NEFA−テストワコー、和光純薬工業製)を用いて測定した。脂肪分解促進率(%)は次式により算出した。なお、抽出物中に含まれる脂肪酸はブランクとして差し引いた。
脂肪分解促進率(%)=(A−B)/B×100
A:抽出物添加の場合の脂肪酸量
B:抽出物未添加の場合の脂肪酸量
比較用として、生薬として流通するハス雄しべ(蓮シュ)、ハス果実(蓮肉)、ハス葉(荷葉)の抽出物を調製し(比較製造例1、2、3)、同様にして測定を行った。
【0054】
これらの実験結果を表1に示した。その結果、ハス雄しべ、果実、葉の抽出物に比べてハス胚芽の抽出物に非常に強い脂肪分解促進作用が見られた。
【0055】
【表1】
【0056】
実験例2 脂肪分解促進作用
実験例1と同様にして、ハス胚芽の抽出物とカフェインの相乗効果を検討した。ハス胚芽の抽出物には製造例4の75%エタノール抽出物を用いた。
【0057】
これらの実験結果を表2に示した。その結果、ハス胚芽の抽出物とカフェインを併用すると相乗的に脂肪分解促進作用が増強された。
【0058】
【表2】
【0059】
実験例3 使用試験1
実施例5のローション、実施例6のクリーム、比較例1の従来のローション1および比較例2の従来のクリーム1を用いて、女性30人(21〜46才)を対象に1ヶ月間の使用試験を行った。使用後、肌の引き締め感、肌の張り、肌の弾力感に関する痩身効果をアンケートにより判定した。また、実施例6のクリームにおいて、ハス胚芽の抽出物をハス雄しべ、果実、葉の抽出物(比較製造例3、4、5)にそれぞれ置き換えたクリーム(比較例5、6、7)についても比較検討した。
【0060】
これらの試験結果を表3に示した。その結果、ハス胚芽の抽出物を含む実施例5のローションおよび実施例6のクリームは従来のローション1および従来のクリーム1に比べて優れた痩身作用を示した。また、実施例6のハス胚芽の抽出物を含むクリームは比較例5、6、7のハスの他の部位の抽出物を含むクリームよりも痩身作用に優れていた。なお、試験期間中、皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。また、処方成分の劣化についても問題なかった。
【0061】
【表3】
【0062】
実施例7〜12についても同様に使用試験を行ったところ、優れた痩身作用を示した。
【0063】
実験例4 使用試験2
実施例2の錠剤を用いて、女性25人(25〜50才)を対象に1ヶ月間(3錠/日)の使用試験を行った。使用後、痩身効果をアンケートにより判定した。
【0064】
その結果、25人中20人の女性が痩身効果を実感し、ハス胚芽の抽出物を含む実施例2の錠剤は痩身作用に優れていた。また、実施例1、3および4の食品についても優れた痩身作用が見られた。
【0065】
実験例5 使用試験3
使用試験1と同様にして実施例17のローションおよび実施例18のクリームの使用試験を行った。
【0066】
これらの試験結果を表4に示した。その結果、ハス胚芽の抽出物とカフェインを併用することによりハス胚芽の抽出物単独(従来のローション2および従来のクリーム2)の場合よりも優れた痩身作用を示した。なお、試験期間中、皮膚トラブルは一人もなく、安全性においても問題なかった。また、処方成分の劣化についても問題なかった。
【0067】
【表4】
【0068】
【発明の効果】
以上のことから、本発明のハス胚芽の抽出物は、脂肪分解促進作用に優れていた。また、本発明の食品または皮膚外用剤は、安全で優れた痩身作用を示した。さらに、ハス胚芽の抽出物とカフェインは相乗効果を示した。
Claims (4)
- ハス胚芽の50から75%エタノール抽出物を含有することを特徴とする脂肪分解促進剤。
- ハス胚芽の50から75%エタノール抽出物およびカフェインを含有することを特徴とする脂肪分解促進剤。
- 請求項1または2記載の脂肪分解促進剤を含有する痩身用医薬組成物。
- 請求項1または2記載の脂肪分解促進剤を含有する痩身用皮膚外用剤。
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