JP2003154670A - インクジェット記録装置 - Google Patents

インクジェット記録装置

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JP2003154670A
JP2003154670A JP2001357973A JP2001357973A JP2003154670A JP 2003154670 A JP2003154670 A JP 2003154670A JP 2001357973 A JP2001357973 A JP 2001357973A JP 2001357973 A JP2001357973 A JP 2001357973A JP 2003154670 A JP2003154670 A JP 2003154670A
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ink jet
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JP2001357973A
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Yuko Suga
祐子 菅
Takeshi Mikoshiba
剛 御子柴
Azusa Sakaguchi
梓 坂口
Hiroshi Sugitani
博志 杉谷
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Canon Finetech Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、インクジェット記録装置に
おいて長期間にわたって良好な画像を得ることを可能と
する清掃部材及び前記清掃部材を用いるインクジェット
記録装置を提供することにある。 【解決手段】 液体を吐出して記録を行う記録ヘッドを
用いたインクジェット記録装置において、前記記録ヘッ
ドの液体吐出口部を清掃するための清掃手段を含み、該
清掃手段の先端部が、該記録ヘッドのノズル面に倣って
湾曲し、該記録ヘッドの吐出部周辺に付着したインクを
払拭する該清掃手段において、少なくとも清掃部材の一
部が払拭されたインクを所定の方向に導くことが可能な
部材で形成されていることを特徴とする清掃部材及び、
この清掃部材を用いたインクジェット記録装置が提供さ
れる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクジェット記
録装置に用いられる記録ヘッドに付着したインクミス
ト、紙粉、ゴミなどの付着物を清掃する清掃部材及び前
記清掃部材を用いるインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インクジエツト記録方法は、記録時の騒
音が少なく、また、カラー化が容易でさらには、高集積
ヘツドを使用することにより、高解像の記録画像が高速
で得られるという利点を有しており、近年急速に普及し
ている。
【0003】従来、インクジェット記録方法では、イン
クとして各種の水溶性染料を水、有機溶剤、添加剤等の
混合液に溶解させたものが主流であったが、水溶性染料
を用いた場合には、記録画像の耐光性、耐水性が必ずし
も充分とはいえないため、近年では記録物の保存性・耐
候性の点で優れている顔料インクが注目されている。顔
料は水に不溶であるため分散樹脂などを用いて微粒子状
に水に分散させた顔料インクが知られている。
【0004】一方、インクジェット記録ヘッドを用いて
微小なインク液滴を吐出するインクジェット記録装置で
印刷を長期間つづけると記録ヘッドのインク吐出面にゴ
ミ、紙粉、あるいはインク滴等が付着し、吐出したイン
ク液滴の飛翔軌道が歪められたり、さらにインク滴と紙
粉などが吐出口近傍で固まることにより記録物の印字品
位が著しく低下したり、最悪の場合はインクが吐出でき
なくなるという不具合があった。
【0005】こうした問題点を解決する方法の1つとし
て、弾性のある清掃部材からなるワイパーブレードを用
い、定期的に記録ヘッドの吐出口のある面(フェイス面)
を清掃しインク、ゴミなどの付着物を取り除く清掃方法
が提案されている。
【0006】このような清掃方法の一例を第1図に示
す。清掃部材はゴム等の弾性材料からなる板状のワイパ
ーブレード1からなり、記録ヘッド2の吐出口(フェイス
面)2に弾発的に当接可能な位置に突出させた状態で構
成されている。 清掃動作としては、記録ヘッド2を搭
載したキャリッジ3がシャフト4に沿って矢印の方向に移
動すると、ワイパーブレード1が記録ヘッド2の吐出口
(フェイス面)に一定の侵入量をもって当接し、記録ヘッ
ド2を払拭しフェイス面のゴミ、インク、およびインク
の増粘物をワイパーブレードの先端部で掻き取るように
設置されている。
【0007】特開平05-008403号公報にはこうしたワイ
パーブレードの材料として長期間の使用でもワイパーの
劣化が少ないポリエーテルウレタンを用いたワイパーブ
レードが提案されている。しかし、前述のような水性顔
料インクを用いたインクジェット記録装置では記録ヘッ
ドから掻き取ったインクが比較的短時間で増粘し、ワイ
パーブレードの先端に残ってしまい。次にワイピング動
作が入る際に増粘物が記録ヘッドを汚染し、印字品位が
ひどく乱れてしまうという不具合が生じる。
【0008】さらに、ワイピング動作終了後、記録ヘッ
ドからワイパーブレードが離れる際、弾性のある板状ワ
イパーでは弾性が一気に解放されるため、ブレードに付
着したインクが飛散し、隣接する他の記録ヘッドや電気
基板などに付着してしまうという問題がある。
【0009】特に長尺の固定式ヘッドを用いて1パスで
記録を行うインクジェット記録装置では記録領域の中に
清掃機構を設置しなくてはならないため、インクの飛散
は印字領域をも汚染することにもなり重要な問題であ
る。そこで、顔料インクを適用したインクジェット記録
装置では、ワイピング動作によってワイパーブレードに
付着したインクを記録ヘッドが当接しないところに瞬時
に移動させ、ワイパーブレードの当接面を常に清浄に維
持する必要がある。
【0010】特開平6-00965号公報には親水性スポンジ
を使用したワイパーブレードを用い、こうした増粘イン
クを効果的に除去する清掃方法を提案している。しか
し、実使用環境においてはスポンジ内に保持されている
顔料インクが固着しスポンジが目詰まりを起こすためス
ポンジのインク吸収能力が著しく劣化し、ワイピングに
より清掃効果が損なわれてしまう。
【0011】また、特開平6-00965号公報のようにワイ
ピング部材に吸収されたインクを吸引排出する排出装置
を設けることにより、上記問題はある程度解決できるも
ののあらたな機構を設けなければならず装置の小型化、
低価格化を妨げるものであった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、イン
クジェット記録装置において良好な画像を得ることを可
能とする清掃部材及び前記清掃部材を用いるインクジェ
ット記録装置を提供することにある。
【0013】本発明の他の目的は、顔料インクを用いた
インクジェット記録装置において長期間にわたって良好
な画像を得ることを可能とする清掃部材及び前記清掃部
材を用いるインクジェット記録装置を提供することにあ
る。
【0014】本発明の他の目的は、長尺記録ヘッドを用
いて1パスでインクジェット記録装置に好適な清掃部
材、及び前記清掃部材を用いるインクジェット記録装置
を提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の本発明では、液体を吐出して記録を行う記録ヘッドを
用いたインクジェット記録装置において、前記記録ヘッ
ドの液体吐出口部を清掃するための清掃手段を含み、該
清掃手段の先端部が、該記録ヘッドのノズル面に倣って
湾曲し、該記録ヘッドの吐出部周辺に付着したインクを
払拭する該清掃手段において、少なくとも清掃部材の一
部が払拭されたインクを所定の方向に導くことが可能な
部材で形成されていることを特徴とする清掃部材及び、
この清掃部材を用いたインクジェット記録装置が提供さ
れる。
【0016】また、前記清掃部材は、ポリオレフィン系
繊維体から形成されていることが好ましい。
【0017】さらに、前記清掃部材に使用されるポリオ
レフィン系繊維体の繊維の直径は5〜150μmの範囲
にあることが好ましい。
【0018】また、前記清掃部材に使用されるポリオレ
フィン系繊維体の繊維の方向と清掃部材がインクを導く
方向とは略同一であることが好ましい。
【0019】さらに本発明の清掃部材は、少なくとも液
体吐出ヘッドの吐出口部を含む面に当接する面のうち吐
出口に当たる部分の一部は、平滑であることが好まし
い。
【0020】また、本発明の清掃部材は、少なくとも液
体吐出ヘッドの吐出口部を含む面に当接する面のうち吐
出口に当たる部分の一部は、撥水性であることが好適で
ある。
【0021】さらに本発明は、液体を吐出して記録を行
う記録ヘッドを用いたインクジェット記録装置におい
て、前記記録ヘッドの液体吐出口部を清掃するための清
掃手段を含み、該清掃手段の先端部が、該記録ヘッドの
ノズル面に倣って湾曲し、該記録ヘッドの吐出部周辺に
付着したインクを払拭する該清掃手段において、清掃部
材は、少なくとも記録ヘッドの吐出口部を含む面に当接
する面の一部に5〜150μm以下の溝が複数形成され
ているインクジェット記録装置である。
【0022】本発明の提供する清掃部材及び清掃部材を
用いたインクジェット記録装置においては、記録ヘッド
から払拭されたインクを所定の場所に瞬時に移動するこ
とができるためワイパーブレード上でインクが増粘し記
録ヘッドフェイス面へ再付着することにより引き起こさ
れる問題を解決し、ワイパーブレード上のインク滴の装
置内への飛翔を防止することが可能になる。
【0023】
【発明の実施の形態】そこで以下に本発明を実施例に基
づいて説明する。
【0024】本発明に係る実施例を適用したインクジェ
ット記録装置は、図1,図2および図3に示すように、複数
のインクジェット記録ヘッド11、各記録ヘッドに個別
の回復ユニット12、インクタンク17、搬送部、オペ
レーションパネル部18、給紙部20などから構成され
る。
【0025】記録用紙は給紙部20から搬送部へ給紙さ
れ、各記録ヘッド11が不図示の駆動手段により記録位
置に移動し印刷を行う。記録ヘッド11はヘッドホルダ
ー19に一体的に装着され、ヘッドホルダー19を図2
に示された駆動機構によって上下に移動することによっ
て記録ヘッド11を記録位置、ワイピング位置、待機位
置などに移動する。また、ヘッドホルダー19の下部に
設置される回復ユニット12は別の駆動機構によって左
右に移動し、ワイパーブレード23を用いて記録ヘッド
11の清掃を行う。 図3は本発明に使用される記録ヘ
ッドの一例である。記録ヘッド11は、インク供給部2
2によってインクタンク17につながるチューブと結合
され、フレキシブルケーブル21によって電気的に接続
される。回復ユニット12を図4を参照して詳細に説明
する。回復ユニット12はワイパーブレード23、ワイ
パーブレード保持部材24、キャップ25、記録ヘッド
から回復操作によって流出するインクを確実にキャップ
内に導くためのインクガイド26などから構成されてい
る。キャップ部25は不図示のポンプとチューブで接続
されており、回復動作でキャップ内に回収されたインク
を廃液タンクあるいは、再利用するためのサブタンクへ
と導く。ワイパーブレード保持部部材にはワイパーブレ
ードから移動されたインクを保持しておくために吸収
体、吸水性ポリマーなどを装着することも可能である。
これらの回復ユニット12は、各記録ヘッドに個別に設
けられており、同一の回復動作を実施する。
【0026】次にワイピング動作を図5により説明す
る。ワイパーブレードは記録ヘッドのフェイス面に倣っ
て清掃を行うようにフェイス面に対して0.5mm〜4mm程
度の侵入量を有するように記録ヘッドが不図示の駆動手
段により待機位置からワイピング位置に移動する。
【0027】次に回復ユニット12が不図示の駆動手段
により(A)から(B)に移動し、ブレードワイパ−23
が記録ヘッド11に当接して清掃を行う。このときのワ
イピング速度は5mm/秒から50mm/秒が好ましい。前
記ワイピング動作は、記録ヘッド11から吐出されたイ
ンク滴の数が所定値に達したことが検出された時、ある
いはポンプによる回復動作後などに実行される。
【0028】次に本発明の清掃部材について図8を用い
て詳細に説明する。本発明の清掃部材はワイピング動作
でワイパーブレードに付着したインクをワイパーブレー
ド上で乾燥増粘する前に瞬時に所望の位置に移動し常に
ワイパーブレードを清浄に維持する必要がある。そこで
ワイパーブレードの部材として図6aに示されるような
ポリオレフィン系繊維を図6bに示すようにポリオレフ
ィン系の繊維を多数収束させて薄い板状に加工した繊維
体を使用することにより、上記目的を達成することが可
能である。さらに図8に示されているように清掃部のヘ
ッド面と当接する上端部31を平滑にすることにより、
吐出口部分の拭き残しを減少させることが可能になるた
め濡れ性が高くノズルから払拭しにくいインクを使用し
た場合には有効である。
【0029】こうした繊維体が、インクを所望の位置に
移動させる機能を有するのは、原料として用いられる繊
維の繊維間の隙間が流路となりそれに沿ってインクが移
動することが可能であるからである。
【0030】一方、通常のゴムブレード表面は撥水性で
あるために掻き取ったインクはブレード表面に残ってし
まい、上述のような問題を引き起こしてしまう。使用で
きるポリオレフィン系繊維としてはポリプロピレン、ポ
リエチレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、ポリアミ
ド、ポリアセタール、ポリエチレンテレフタレート、ポ
リイミド、ポリアクリロニトリル、ポリカーボネート、
ポリフェニレンオキサイド、ポリフェニレンスルフィ
ド、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルケトン、ポリ
エーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリスルホン、ナ
イロンなどがあるが、インクに接しても変化が少ないこ
と、記録ヘッドのフェイス面への影響が少ないことなど
から、ポリプロピレン繊維を使用することが好ましい。
こうしたポリオレフィン系繊維を板状に加工するために
は図6に示すように芯部にポリプロピレン28、その周
囲に接着剤として機能するポリエチレン27からなる2
軸繊維材料などを使用することができる。このような繊
維体を繊維方向がほぼ一定になるように型に巻き取った
あと加熱加工によりたとえば図6bに示すように平板の
所望の形状に加工したり、繊維方向を揃えたあと2平板
に挟んで加熱加工することによって所望の板状清掃部材
が得られる。
【0031】さらにインクを所定の位置へ導くようにす
るために、特開平11-061637号公報に開示されている方
法でエチレンオキサイド付加グリコールなどに接触処理
することが好適である。加熱温度は使用するポリオレフ
ィン系繊維によって異なるが60℃〜300℃程度が好適で
ある。さらに、本発明の清掃部材の化学的安定性を得る
ために酸化防止剤等を添加してもよい。
【0032】さらに本発明に使用される繊維体の繊維の
直径は5〜150μmより好ましくは、10〜50μm
である。繊維の直径が150μより太いと繊維体の剛性
が強くなり、長期の使用によってヘッドのフェイス面に
損傷を引き起こす可能性があり、また、直径が5μmよ
り小さいとインクを導く速度が遅くなるため繊維体のな
かでインクが増粘してしまい、インクを導くという所望
の効果が得られなくなってしまう。上述のような清掃部
材がインクを所定の方向へ導くことができる理由として
は繊維体によって発生する毛細管現象が挙げられる。
【0033】また、インクを導く方向を下方とすること
により毛細管力に加えて重力を利用することによってイ
ンクを下方に導くことが可能になるのでより好適であ
る。所定の方向に導かれたインクは回復ユニット12内
に収納されている廃インク吸収体などに吸収させたり、
キャップ25内に直接インクを導くように回復ユニット
12を構成することにより、速やかに処理できる。
【0034】上述のワイパーブレードに弾性力を持た
せ、フェイス面をより効果的に清掃するため、清掃面で
ない側にポリウレタンゴム、HNBRゴム、EPDMゴ
ム、スチレンゴム等のゴム部材、また、薄いステンレス
板等からなる板状弾性体を張り合わせることも有効であ
る。
【0035】また、ワイパーブレードホルダー24を深
くし、複数のワイパーブレードを支えることにより、貼
りあわせずに使用することも可能である。
【0036】さらに本発明のワイパーブレードは記録ヘ
ッドを接する面の一部を平滑に形成することにより、フ
ェイス面にスジ状の拭き残りが発生することなく均一に
清掃することができる。平滑にするためには上述の繊維
体の加熱加工の際に加熱時間、圧力を調整することによ
り一部のみを平滑にすることが可能である。
【0037】さらにワイパーブレードを繊維体/撥水性
の板/繊維体の3層構造にすることにより記録ヘッドに
接する面を複数設けて(図10、図11参照)、回復ユニ
ットの往復動作のそれぞれで記録ヘッドの回復を行うこ
とが可能である。
【0038】さらにワイパーブレードの記録ヘッドとの
当接面の一部に撥水性を持たせることにより板状ワイパ
ーブレード上面にインクが溜まってしまうことを防止す
ることが可能である。ゴム部材、ブラスチック部材など
に含フッ素シラン化合物溶液を熱分解により蒸着し結合
固着させることにより、撥水性の板を得ることができ
る。
【0039】ここで、前記フッ素シラン化合物として
は、CF3(CH2)2Si(OMe)3、CF3(CH2)
5Si(OMe)3、CF3(CH2)7Si(OMe)3、
CF3(CH2)7SiMe(OMe)2、CF3(CH2)
7SiCl3、CF3(CH2)7Si(NH4)3等、希釈
溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピル
アルコール等低級アルコールが好ましい。フッ素シラン
化合物の濃度を1.0wt%以上にすることすると顔料
インクに対しても十分な撥水性をえることが可能であ
る。
【0040】一方、図7にあるように記録ヘッドに清掃
部材の押さえ部材29を設け、ワイピング動作終了後、
所定の時間、記録ヘッドからワイパーブレードが離れな
いようにすることにより、ワイパーブレードから完全に
インクを所定の場所に移動することが可能になるため、
インクの記録装置内への飛散をより効果的に防止するこ
とが可能である。
【他の実施の態様】次に本発明による他の実施例を示
す。
【0041】本実施例では板状の清掃部材の記録ヘッド
との当接する面に5μm〜150μmの溝を形成するこ
とによってインクを所定の方向に導き所望の効果を得る
ものである。
【0042】また、清掃部材を親水化処理することでイ
ンクをより速やかにワイパーブレードの先端から所望の
位置に移動させることが可能である。こうした親水化処
理としては、エチレンオキサイド付加グリコールなどに
接触処理、高分子表面に他の高分子をグラフト化反応、
主にシラン系化合物を表面にコーティングし吸着させる
シランカップリング法、親水性ポリマーの塗布する方
法、ゴム表面にあらかじめ酸素プラズマ処理等によって
官能基を形成後、モノマー水溶液中に浸漬し表面にポリ
マーを成長させる方法等が挙げられる。本清掃部材とし
てはポリウレタンゴム、HNBRゴム、EPDMゴム、
スチレン系ゴム等の材質が好適であるがこれらに限定さ
れるものではない。
【0043】さらにワイパーブレードとして所望の当接
力を持たせるためには上述のゴム部材と張り合わせるこ
とも好ましい。前記清掃部材にゴム部材を使用する場合
のゴム硬度はフェイス面の清掃機能、及び耐久性を維持
するためにはJISA35度〜80度の範囲であること
が好適である。
【0044】溝を形成する方法としてはインジェクショ
ン法などによりゴムを型に注入し所望の溝を形成したの
ち、ワイパーブレードとして装着可能な形状にカッティ
ングする。1本の溝の幅は毛細管力を発現し、ワイパー
ブレードが記録ヘッドから離れる前にインクを所望の場
所まで移動させるため、清掃部材に形成される溝は5μ
m〜150μm、より好ましくは10μm〜50μmm
の範囲にあることが好適である。これよりも溝が大きい
と十分な毛管力が発現されずにインクの速やかな移動が
できずインクの飛散、増粘インクによる弊害を解決する
ことができない。5μmより小さいと溝の壁に微小に残
存しているインクが固着し溝を詰めてしまいインクが速
やかに所定の位置に移動しなくなるという不具合が生じ
る。さらに溝の形成ピッチは0.2mm〜1mm間隔であること
が、特に長尺の記録ヘッドを長期間にわたって均一に清
掃するために必要である。
【0045】図9は本発明の清掃部材の第2の実施例を
示すもので清掃部材の表面に溝を設けたワイパーブレー
ドである。清掃部材はスチレンブタジエンゴムの材質か
らなり、記録ヘッドのフェイス面と当接面には幅200
μm、深さ200μmの溝が400μmピッチで形成さ
れている。特に記録ヘッドのフェース面に濡れやすいイ
ンクを使用する場合、実施例のように上端部に所定の幅
で平滑面をもたせ、より拭き性能を上げることも可能で
ある。
【0046】本発明はこれらの形状に限定されるもので
はない。
【0047】本発明による清掃部材は、説明してきたよ
うな長尺の固定ヘッドを具備したインクジェット記録装
置において顔料インクのような増粘しやすいインクを使
用した場合に特に有効であるが、図12にあるようなシ
リアルスキャン型のインクジェット記録装置に使用する
ことも可能であり、また、通常の染料インクやエマルジ
ョンを添加したインクなどを使用したインクジェット記
録装置などにも好適である。
【本発明の効果】以上説明してきたように、本発明の提
供する清掃部材及び清掃部材を用いたインクジェット記
録装置においては、ワイピング動作によって記録ヘッド
から払拭されたインクを清掃部材の所定の方向に瞬時に
移動することができるため、清掃部材上でインクが増粘
し、記録ヘッドフェイス面へ再付着することにより引き
起こされる印字の乱れや記録ヘッドの故障、及びインク
滴の装置内への飛翔による電気部品などへの弊害および
印字物への汚染を防止することが可能になった。
【0048】本発明によれば、上述の効果は清掃部材に
スポンジ等を使用した場合に比較して長期間にわたって
清掃機能を維持することが可能になり、部品の交換によ
って発生するコストの増加、ユーザーの不便を解決でき
るのもである。
【0049】本発明は特に、固定型の長尺記録ヘッドを
用いて1パスで記録を行うインクジェット記録装置にお
いて、限られたスペースで簡易な清掃部材を使用するこ
とにより顔料インクを使用した際に引き起こされる前述
の問題点を解決することが可能になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の正
面断面図
【図2】本発明を適用したインクジェット記録装置の内
部の斜視図
【図3】本発明を適用したインクジェット記録装置使用
される記録ヘッドの斜視図
【図4】本発明を適用した回復ユニットの分解斜視図
【図5】本発明を適用したワイピングシーケンス
【図6】本発明の使用するポリオレフィン繊維体の断面
【図7】本発明が使用する記録ヘッドおよび本ヘッドを
使用したワイピング動作
【図8】ワイパーブレード
【図9】ワイパーブレード
【図10】ワイパーブレード
【図11】ワイパーブレード断面図
【図12】従来のシリアルスキャン型インクジェット記
録装置に用いられている清掃方法
【符号の説明】
1 ワイパーブレード 2 記録ヘッド 3 キャリッジ 4 シャフト 5 ワイパーブレード保持部 6 拍車 7 センサー 8 ピンチローラ 9 従動ローラ 10 センサー 11 記録ヘッド 12 回復ユニット 13 排紙拍車 14 駆動ローラ 15 センサー 16 センサー 17 インクタンク 18 操作パネル 19 記録ヘッドホルダー 20 給紙部 21 フレキシブルケーブル 22 インク供給部 23 ワイパーブレード 24 ワイパーブレードホルダー 25 キャップ 26 インクガイド 27 ポリエチレン被膜層 28 ポリプロピレン芯材 29 清掃部材押さえ部材 30 ポリプロピレン繊維体ワイパーブレード 31 平滑面 32 溝付きワイパーブレード 33 撥水性板 34 ワイパーブレード取付け孔 35 インク吸収体
フロントページの続き (72)発明者 杉谷 博志 茨城県水海道市坂手町5540−11 キヤノン アプテックス株式会社内 Fターム(参考) 2C056 EA16 EC23 FA13 JA03 JB02 JB04 JB09 JC10

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 液体を吐出して記録を行う記録ヘッドを
    用いたインクジェット記録装置において、前記記録ヘッ
    ドの液体吐出口部を清掃するための清掃手段を含み、該
    清掃手段の先端部が、該記録ヘッドのノズル面に倣って
    湾曲し、該記録ヘッドの吐出部周辺に付着したインクを
    払拭する該清掃手段において、少なくとも清掃部材の一
    部が払拭されたインクを所定の方向に導くことが可能な
    部材で形成されていることを特徴とするインクジェット
    記録装置。
  2. 【請求項2】 前記清掃部材は、ポリオレフィン系繊維
    体から形成されていることを特徴とする請求項1項に記
    載のインクジェット記録装置。
  3. 【請求項3】 前記清掃部材に使用されるポリオレフィ
    ン系繊維体の繊維の直径が5〜150μmの範囲にある
    ことを特徴とする請求項2項に記載のインクジェット記
    録装置。
  4. 【請求項4】 前記清掃部材に使用されるポリオレフィ
    ン系繊維体の繊維の方向と清掃部材がインクを導く方向
    とは略同一であることを特徴とする請求項2乃至3項に記
    載のインクジェット記録装置。
  5. 【請求項5】 前記の清掃部材は、少なくとも記録ヘッ
    ドの吐出口部を含む面に当接する面の一部に50μm〜
    150μm幅の溝が複数形成されていることを特徴とす
    る請求項1の項に記載のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記の清掃部材は、少なくとも液体吐出
    ヘッドの吐出口部を含む面に当接する面のうち吐出口に
    当たる部分の一部は、平滑であることを特徴とする請求
    項2あるいは請求項5に記載のインクジェット記録装置
  7. 【請求項7】 前記の清掃部材は、少なくとも液体吐出
    ヘッドの吐出口部を含む面に当接する面のうち吐出口に
    当たる部分の一部は、撥水性であることを特徴とする請
    求項2あるいは請求項5に記載のインクジェット記録装
  8. 【請求項8】 前記記録ヘッドは清掃終了位置において
    清掃部材を押さえる押さえ部材を有していることを特徴
    とする請求項1に記載のインクジェット記録装置。
  9. 【請求項9】 清掃終了位置において前記押さえ部材に
    より前記清掃部材を所定の時間停止し清掃部材に付着し
    たインクを所望の位置に移動させることを特徴とする請
    求項8に記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記清掃手段は前記各記録ヘッドにそ
    れぞれ個別対応可能であることを特徴とする請求項1か
    ら9いずれかの項に記載のインクジェット記録装置。
  11. 【請求項11】 前記記録ヘッドは、インクジェット記
    録装置に固定であることを特徴とする請求項1〜10い
    ずれかの項に記載のインクジェット記録装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US7722154B2 (en) 2005-10-05 2010-05-25 Fujifilm Corporation Inkjet recording apparatus
JP2012020494A (ja) * 2010-07-15 2012-02-02 Ricoh Co Ltd ヘッド回復装置及び画像形成装置

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US7722154B2 (en) 2005-10-05 2010-05-25 Fujifilm Corporation Inkjet recording apparatus
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