JP2003154653A - インクジェットヘッドおよびその製造方法 - Google Patents

インクジェットヘッドおよびその製造方法

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JP2003154653A
JP2003154653A JP2002113721A JP2002113721A JP2003154653A JP 2003154653 A JP2003154653 A JP 2003154653A JP 2002113721 A JP2002113721 A JP 2002113721A JP 2002113721 A JP2002113721 A JP 2002113721A JP 2003154653 A JP2003154653 A JP 2003154653A
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inkjet head
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Haruhiko Deguchi
治彦 出口
Narimitsu Kakiwaki
成光 垣脇
Atsushi Tanaka
篤史 田中
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  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 絶縁に係る信頼性の低下、構造的信頼性の低
下およびインクジェットヘッドの信頼性の低下を伴うこ
となく、ノズル板との接着強度の高い有機絶縁膜を備え
たインクジェットヘッドを提供する。 【解決手段】 有機絶縁膜200に用いるポリパラキシ
リレン膜の表面近傍に、水などに可溶な粒子201を分
散させ、酸素ラジカルを有するプラズマ処理によって、
粒子201の一部を露出させる。この後、粒子201を
エッチングによって溶出させ、有機絶縁膜200の表面
に凹凸202を形成する。これによって、ノズル板9を
接着する際のアンカー効果を高め、ノズル板9の接着強
度を増大することで、インクジェットヘッドの信頼性向
上を図る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一般にインクジェ
ットヘッドおよびその製造方法に関するものであり、よ
り特定的には、インク流路に充填されたインクにエネル
ギを印加することによってノズル孔からインクを吐出す
るインクジェットへッドおよびその製造方法における接
着性または親水性に関するものである。
【0002】
【従来の技術】今日、インパクト印字装置に代わり、カ
ラー化、多階調化に適したインクジェット方式等のノン
インパクト印字装置が急速に普及している。中でも、印
字時のみに必要なインクを吐出させるドロップ・オン・
デマンド型が、印字効率のよさ、低コスト化、低ランニ
ングコスト化に有利であるなどの点から注目されてお
り、圧電素子を用いたカイザー方式や、サーマルジェッ
ト方式が主流となっている。
【0003】しかしながら、カイザー方式は、小型化が
難しく、高密度化には適さないという欠点を有してい
た。また、サーマルジェット方式は、高密度には適して
いるものの、ヒータを加熱することで、インク内にバブ
ル(泡)を生じさせて、そのバブルのエネルギを吐出に
使用するため、インクの耐久性に対する要求が厳しく、
また、ヒータの寿命を長くすることが困難であり、さら
に、消費電力も大きくなるという問題を有していた。こ
のような欠点を解決するものとして、圧電材料のせん断
モードを利用したインクジェット方式が提案されてい
る。この方式は、圧電材料からなるインクチャンネル壁
に形成した電極により、圧電材料の分極方向と直交する
方向に電界を加え、チャンネル壁をせん断モードで変形
させて、その際に生じる圧力波変動を利用してインク滴
を吐出させるものであり、ノズルの高密度化、低消費電
力化、高駆動周波数化に適している。
【0004】このような、せん断モードを利用したイン
クジェットヘッドの構造を図19を用いて説明する。
【0005】インクジェットヘッドでは、図19の上下
方向に分極処理を施した圧電体に複数の溝4が形成され
たベース部材1と、インク供給口21と共通インク室2
2が形成されたカバー部材2と、ノズル孔10が開けら
れたノズル板9とを貼り合わせることで、インクチャン
ネル16が形成されている。チャンネル壁3には、電界
を印加するための電極5が上方半分に形成されている。
【0006】インクチャンネル16内には、電極5とイ
ンクとの接触を避けるために、図示しない絶縁膜が形成
されている。インクチャンネル16の後端部は、溝加工
時に使用されるダイシングブレードの直径に対応したR
形状に加工されており、その延長には外部との通電のた
めの電極引出部としての浅溝部6が同じくダイシングブ
レードにより加工されている。浅溝部6に形成された電
極は、浅溝部6の後端部にて、たとえばフレキシブル基
板上の外部電極8とワイヤボンディング7により接続さ
れている。
【0007】図20は、ベース部材1またはカバー部材
2とノズル板9との接着部の拡大断面図である。
【0008】図20を参照して、ベース部材1またはカ
バー部材2の表面には絶縁有機膜200が形成されてい
る。これにより、ベース部材1またはカバー部材2とノ
ズル板9との接着部においては、ノズル板9は絶縁有機
膜200と接着剤17を介して接着される。
【0009】ところで、絶縁有機膜200には、複雑な
表面形状に対して均一な膜厚で成膜することのできるポ
リパラキシリレン(以下、パリレンと略する)膜が用い
られる。ところが、このパリレン膜は接着剤等の密着性
が悪く、良好な接着性を確保するためには、適切な処理
を行なう必要がある。
【0010】従来、有機樹脂層の接着強度を向上するた
めの技術として、以下のような技術が開示されている。
【0011】特開平2−252292号公報、特開平2
−252293号公報(以下、従来技術1、2という)
には、多層板の接着強度の向上方法についての技術が開
示されている。この技術は、予め被接着物に水溶性粒子
あるいは酸溶解性粒子を含有する樹脂を塗布し、表面に
露出した粒子を水で溶解することで樹脂表面に凹凸を形
成し、然る後に、一方の板を接着することで、上記凹凸
によるアンカー効果で接着強度の向上を図るものであ
る。
【0012】また、特開平11−74642号公報、特
開平11−74643号公報、特開平11−87913
号公報(以下、従来技術3〜5という)には、感光性絶
縁樹脂層と金属めっき膜との接着性を向上するための技
術が開示されている。この技術は、感光性絶縁樹脂層
に、表面に微粒子を有する水溶性樹脂層をラミネート
し、然る後に水溶性樹脂層を溶解し、感光性絶縁樹脂層
の表面に凹凸を形成し、この凹凸によるアンカー効果で
この上に形成する金属めっき膜の密着性を向上させるも
のである。
【0013】また、パリレン膜表面をプラズマ処理する
方法がある。これは、パリレン膜の表面を酸素ラジカル
を含有するプラズマによってごく表面をエッチングする
ことで、パリレン膜表面を親水化処理し、接着剤とパリ
レン膜との濡れ性を向上することによって、パリレン膜
とノズル板との接着性を向上しようとするものである。
【0014】また、図19および図20の構成において
は、電極5とインクとの接触を避けるための絶縁膜にパ
リレン膜が用いられる。ところが、このパリレン膜は水
性インクとの濡れ性が悪く、水性インクをはじくため、
狭いインク流路内にインクを注入することが困難である
とともに、インク流路内に気泡が発生する可能性が高
い。このため、インク注入前に上記パリレン膜の表面に
親水化処理を行なう必要がある。
【0015】特開2000−168082号公報(以
下、従来技術6という)には、上記パリレン膜の親水化
処理方法についての技術が開示されている。この技術
は、平行平板型のプラズマ処理装置において、原料ガス
に酸素を用い、10Paの圧力下で200Wのパワーを
投入し、2分間処理することによって、パリレン膜を約
0.5μエッチングし、パリレン膜と水との接触角を8
5°〜10°に低下させて、親水性を向上させるもので
ある。
【0016】ところが、このようにプラズマ処理によっ
て親水性を付与した場合、プラズマ処理面が空気に触れ
ることによって、親水性が徐々に劣化する。たとえばイ
ンクジェットヘッドを搭載したプリンターを動作する場
合、インク切れなどの状態でパリレン膜が長時間空気に
触れると、親水性が劣化し、次にインクを注入する場
合、気泡を巻き込むおそれがある。
【0017】上記公報では、この対策として、プラズマ
処理面にSiO2・Si34などの親水性薄膜を形成す
るか、水溶性高分子、ポリエチレンイミン、ポリアクリ
ル酸などをパリレン膜表面にグラフト重合することによ
り、経時的変化による親水性の劣化が防止されている。
【0018】
【発明が解決しようとする課題】まず、従来の有機膜の
接着性向上方法には、以下の問題点がある。
【0019】すなわち、従来技術1、2では、水溶性あ
るいは酸溶解性の粒子を含有する樹脂を基材上に塗布す
る構成が採られている。本発明が対象としているインク
ジェットヘッドでは、この基材はパリレン膜となるた
め、上記樹脂とその上に接着するノズル板のような被接
着物との接着性が向上しても、上記樹脂とパリレンとの
密着性が向上しない限り、ノズル板の接着強度が向上す
ることにはならない。一方、インクジェットヘッドの絶
縁膜において、パリレンの代わりに上記のような塗布型
の絶縁膜を用いた場合、上記樹脂は、水溶性あるいは酸
溶解性粒子を内部に均一に含有する。このため、樹脂が
粒子を多量に含有すると、粒子が溶解した後に絶縁膜に
ピンホールが生じる危険性が高く、絶縁信頼性が低くな
る。
【0020】一方、従来技術3〜5では、表面に粒子を
有する水溶性樹脂層を、接着性向上を図る樹脂層に圧着
する構成が採られている。このような構成では、硬度の
高い粒子で樹脂層表面に圧痕を形成することになるの
で、樹脂層に不必要な応力が残留することになり、これ
によってクラックが発生するなど、樹脂層の構造的な信
頼性が低下するという問題がある。また、上記従来技術
では粒子を圧着するので、樹脂層を形成する際、残留応
力の低減や粒子による樹脂層貫通を防止するために、余
裕を持った厚さに設定する必要がある。しかし、本発明
に係るインクジェットヘッドでは、ノズル板を接着する
絶縁層はインク流路内の絶縁層で形成されているため、
インク流路の閉塞などの危険性を低減するために、絶縁
層の厚さはできるだけ薄い方が望ましい。
【0021】また、パリレン膜表面をプラズマ処理する
方法では、パリレン膜表面に極性が出現し、接着剤との
濡れ性は向上するが、パリレン膜表面の面粗度は粗くな
らないため、上記先行技術に比べてアンカー効果が小さ
い。このため、十分な接着強度が得られないという問題
があった。
【0022】また、従来の親水性劣化防止の方法には、
以下の問題点がある。 (1)親水性を維持するためにSiO2・Si34膜を
形成する場合 従来技術6では、ヘッド基板は、通常の半導体装置とは
異なり、インク流路などの非常に複雑な表面形状を有し
ている。このような複雑な形状の表面にSiO 2、Si3
4などの薄膜を形成する場合、蒸着、スパッタなどの
方法ではSiO2、Si34などの段差被覆性が悪いた
め、インク流路内部に上記薄膜を均一に形成することは
不可能である。また、比較的段差被覆性の良好なCVD
法を用いても、均一に薄膜を形成することは困難であ
る。さらに、CVD法によって上記薄膜を形成する場
合、良好な膜質を得るためには、基板を200℃以上に
加熱する必要がある。ところが、インクジェットヘッド
に用いる圧電材料は加熱によって圧電特性が劣化すると
いう問題があり、良好な膜質のSiO2、Si34膜を
形成することは困難である。また、一般にパリレン膜表
面に対する薄膜を形成する場合、良好な密着性を確保し
にくいという問題がある。このため、インクジェットヘ
ッドの動作中に上記薄膜が剥離する可能性があるととも
に、剥離した破片がノズル孔を閉塞する危険性があり、
構造的な信頼性が低い。
【0023】(2)親水性を維持するために水溶性高分
子、ポリエチレンイミン、ポリアクリル酸などを形成す
る場合 この場合、従来技術6では、インクジェットヘッドを上
記薬液に浸漬し、電磁波や放射線を印加する必要がある
ため、プロセスが煩雑になるとともに、グラフト重合処
理を行なうための設備によって製造コストが増大すると
いう問題がある。
【0024】本発明は、上記のような問題点を解決する
ためになされたもので、絶縁に係る信頼性の低下、構造
的信頼性の低下およびインクジェットヘッドの信頼性の
低下を伴うことなく、ノズル板との接着強度の高い有機
絶縁膜を備えたインクジェットヘッドを提供することを
目的とする。
【0025】また本発明の他の目的は、そのようなイン
クジェットヘッドの製造方法を提供することを目的とす
る。
【0026】
【課題を解決するための手段】本発明のインクジェット
ヘッドは、インク流路に充填されたインクにエネルギを
印加することによってノズル孔からインクを吐出するイ
ンクジェットヘッドにおいて、インク流路が形成された
基材と、その基材上に形成された有機膜とを備え、その
有機膜の基材と反対側の表面に凹凸が形成されている。
【0027】本発明のインクジェットヘッドによれば、
表面に凹凸を有する有機膜が基材上に形成されているた
め、ノズル板を接着する際の接着剤が上記凹凸に浸入し
て硬化することによって、良好なアンカー効果が生じ、
これによってノズルと有機膜との接着強度が向上する。
また、表面に凹凸を有する有機膜は親水性に優れ、かつ
親水性の経時的な劣化も抑制することができる。
【0028】上記のインクジェットヘッドにおいて好ま
しくは、インク流路に接続されてインクを吐出するノズ
ル孔を有するノズル板と、有機膜を介在させて基材とノ
ズル板とを接着する接着部材とがさらに備えられてい
る。その有機膜は、基材の少なくともノズル板を接着す
る部位に設けられている。
【0029】これにより、ノズル板を接着する際の接着
剤が上記凹凸に浸入して硬化することによって、良好な
アンカー効果が生じ、これによってノズルと有機膜との
接着強度が向上する。
【0030】上記のインクジェットヘッドにおいて好ま
しくは、基材は溝状のインク流路を挟む1対の隔壁を有
している。その1対の隔壁の各側面に形成された駆動用
電極がさらに備えられている。有機膜は、絶縁物であ
り、かつ駆動用電極の表面を覆うように形成されてい
る。
【0031】この有機膜により、駆動用電極とインクと
の接触を防止できる。また、表面に凹凸を有する有機膜
は親水性に優れ、かつ親水性の経時的な劣化も抑制する
ことができる。このように有機膜の親水性が経時変化に
より大幅に劣化することがないため、たとえばインク切
れや輸送途中の乾燥によってインク流路内が疎水化する
ことが抑制される。これによって、インクを再度充填す
る際に、インク充填不良や気泡の巻き込みといったトラ
ブルを招来することがなく、インクの吐出特性が安定し
たインクジェットヘッドを得ることができる。
【0032】上記のインクジェットヘッドにおいて好ま
しくは、上記有機膜は、第1の有機膜と第2の有機膜と
を含む積層構造からなっている。第1の有機膜は粒子を
含有しない。第2の有機膜は、第1の有機膜に接触する
ように設けられ、酸、アルカリ、水および有機溶剤のい
ずれかに可溶な粒子を内部に含有し、かつ基材の反対側
の表面が凹凸を有している。
【0033】このように第2の有機膜のみに粒子が存在
するため、凹凸を形成するために粒子を侵食除去しても
下層に第1の有機膜が存在する。このため、第1および
第2の有機膜の双方を貫通するピンホールが生じる危険
性がなく、これによって有機膜の信頼性が向上する。
【0034】上記のインクジェットヘッドにおいて好ま
しくは、上記有機膜はポリパラキシリレンを主成分とす
る。
【0035】このように有機膜がポリパラキシリレンを
主成分としているため、化学的に安定であり、有機膜が
暴露される環境によって損傷を受けにくいため、安定し
て絶縁特性を維持することができる。また、上記ポリパ
ラキシリレンは室温において気相成長によって形成され
るため、熱によって特性が劣化する基材や表面形状が複
雑に入り組んだ基材に、熱的なダメージを与えることな
く均一に有機膜を形成することができる。
【0036】本発明のインクジェットヘッドの製造方法
は、インク流路に充填されたインクにエネルギを印加す
ることによってノズル孔からインクを吐出するインクジ
ェットヘッドの製造方法において、以下の工程を備えて
いる。
【0037】まずインク流路が形成された基材の上に第
1の有機膜が形成される。その第1の有機膜の上に粒子
が分散される。その粒子を巻き込むように第1の有機膜
の上に第2の有機膜が形成される。その第2の有機膜の
表面が除去され、粒子の一部が露出される。露出した粒
子が侵食除去され、第2の有機膜の表面に凹凸が形成さ
れる。
【0038】本発明のインクジェットヘッドの製造方法
によれば、第2の有機膜のみに上記粒子が存在し、さら
に第2の有機膜表面には上記粒子が溶出した痕による凹
凸が形成され、この凹凸によるアンカー効果によってノ
ズル板の接着強度を飛躍的に向上させることができる。
また、この凹凸により、親水性を付与した際における第
1および第2の有機膜全体の親水性が高くなるととも
に、経時変化により劣化することを抑制することがで
き、第1および第2の有機膜全体の親水性が安定する。
【0039】上記のインクジェットヘッドの製造方法に
おいて好ましくは、インク流路に接続されてインクを吐
出するノズル孔を有するノズル板を接着部材で第2の有
機膜上に接着する工程がさらに備えられている。
【0040】これにより、ノズル板を接着する際の接着
剤が上記凹凸に浸入して硬化することによって、良好な
アンカー効果が生じ、これによってノズルと有機膜との
接着強度が向上する。
【0041】上記のインクジェットヘッドの製造方法に
おいて好ましくは、基材は、溝状のインク流路を挟む1
対の隔壁を有するように形成されいる。1対の隔壁の各
側面に駆動用電極を形成する工程がさらに備えられてい
る。第1および第2の有機膜は、駆動用電極の表面を覆
うように形成される。
【0042】この第1および第2の有機膜により、駆動
用電極とインクとの接触を防止できる。また、表面に凹
凸を有する有機膜は親水性に優れ、かつ親水性の経時的
な劣化も抑制することができる。これによって、大幅な
製造コストの増加を伴うことなく、経時変化によるイン
ク吐出特性の劣化を防止することができる。
【0043】上記のインクジェットヘッドの製造方法に
おいて好ましくは、上記粒子は、酸、アルカリ溶液、水
および有機溶剤のいずれかに可溶な粒子である。
【0044】これにより、第2の有機膜表面に凹凸を形
成する際の、粒子の侵食を簡便に行なうことができるた
め、インクジェットヘッドの製造プロセスのスループッ
トが向上するとともに、製造コストの増大を抑制するこ
とができる。
【0045】上記のインクジェットヘッドの製造方法に
おいて好ましくは、第1の有機膜上に上記粒子を分散す
る工程は、静電気力によって上記粒子を第1の有機膜上
に吸着させることを含む。
【0046】これにより、上記粒子を第1の有機膜上に
吸着させる際に接着剤あるいは粘着剤を用いる必要がな
く、非常に簡便にかつ均一に分散させることができる。
このため、インクジェットヘッドの製造プロセスのスル
ープットが向上するとともに、上記凹凸の密度を均一に
することができ安定して接着性の向上が図れる。
【0047】上記のインクジェットヘッドの製造方法に
おいて好ましくは、第1の有機膜の形成は有機膜成膜装
置内で行われ、さらに粒子の分散が該有機膜成膜装置内
で行われ、その後、該有機膜成膜装置内で第2の有機膜
が形成される。
【0048】これにより、上記粒子を上記第1の有機膜
上に吸着させる際、試料を有機膜成膜装置外に取出す必
要がない。このため、第1の有機膜表面に大気中の汚染
物質が吸着することがないので、第1の有機膜と第2の
有機膜の密着性が向上する。さらに、本有機膜の製造工
程のスループットが向上し、製造コストを低減すること
ができる。
【0049】上記のインクジェットヘッドの製造方法に
おいて好ましくは、上記第2の有機膜の表面を除去し、
上記粒子の一部を露出させる工程は、酸素ラジカルを有
するプラズマによって行なわれる。
【0050】これにより、上記第2の有機膜が化学的に
エッチングされるため、第1あるいは第2の有機膜に加
工によるダメージを残さずに加工することができる。こ
れによって、上記第1または第2の有機膜の構造的な信
頼性低下を抑制することができる。さらに、酸素ラジカ
ルを有するプラズマによって上記第2の有機膜をエッチ
ングするため、エッチング後、上記第2の有機膜表面の
親水性が大幅に向上する。これによって、ノズル板を接
着する際の接着剤の塗布均一性が向上し、ノズル板の接
着強度をさらに向上させることができる。
【0051】上記のインクジェットヘッドの製造方法に
おいて好ましくは、露出した上記粒子を侵食除去した
後、酸素ラジカルを含むプラズマによって、上記第2の
有機膜の表面をエッチングする工程がさらに備えられて
いる。
【0052】これにより、上記粒子侵食後に形成された
凹部の内部が酸素ラジカルを含むプラズマに暴露するた
め、上記凹部の内部の親水性が向上し、上記凹部内部の
接着剤の濡れ性が向上する。これによって、上記凹部に
接着剤が浸入しやすくなるとともに、凹部内部での第2
の有機膜と接着剤の接着強度が向上し、上記ノズル板の
接着強度が向上する。
【0053】上記のインクジェットヘッドの製造方法に
おいて好ましくは、上記第2の有機膜の表面を除去して
上記粒子の一部を露出させる工程と、酸素ラジカルを含
むプラズマによって第2の有機膜の表面をエッチングす
る工程とは、円筒型プラズマ装置を用いて行なわれる。
【0054】これにより、平行平板型のプラズマ装置に
比べ、単位チャンバ体積当りの試料の処理能力が高いた
め、スループットが向上する。
【0055】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図に
ついて説明する。
【0056】実施の形態1 図1は本発明の実施の形態1に係るインクジェットヘッ
ドの斜視図であり、図2は図1のII−II線に沿う断
面図である。また図3は図2の領域Aを拡大して示す図
であり、図4は図1の領域Bを拡大して示す図である。
【0057】図1および図2に示すように、インクジェ
ットプリンタヘッド100は、ベース部材(基材)1
と、カバー部材2と、ノズル板9と、基板41とから構
成されている。ベース部材1は、強誘電性を有するチタ
ン酸ジルコン酸鉛(PZT)系のセラミックス材料で形
成されている。ベース部材1は、分極処理が施された厚
さ約1mm程度の板である。また、ベース部材1には、
ダイヤモンドカッティング円盤の回転による切削加工に
よって、インク流路となる溝4が複数形成されている。
それら溝4は互いに平行かつ同じ深さで形成されてい
る。溝4の深さは、約300μmであり、幅は約80μ
m、ピッチは170μmである。
【0058】溝4の両側にはチャンネル壁(隔壁)3が
位置しており、チャンネル壁3の両側壁の各々には図中
下半分に金属電極(駆動電極)5が形成されている。金
属電極5の材質には、アルミニウム、ニッケル、銅、金
等が用いられる。
【0059】溝4の両側に位置する金属電極5の双方に
電気的に接続するように溝4内に導電性部材26が形成
されている。この導電性部材26が形成された端面に
は、基板41が取り付けられている。この基板41は導
電層パターンを有しており、その導電性パターンは導電
性部材26を介して金属電極5に電気的に接続されてい
る。
【0060】カバー部材2は、複数のチャンネル壁3の
端面にエポキシ系の樹脂により接着されている。ノズル
板9は、各インク流路に対応した位置にノズル孔10を
有している。このノズル板9は、ベース部材1およびカ
バー部材2のインク吐出側端面に接着されており、それ
により複数のノズル孔10の各々が複数のインク流路の
それぞれに接続されている。これにより、インク流路に
充填されたインクにエネルギを印加することで、各ノズ
ル孔10からインクを吐出することができる。
【0061】ベース部材1およびカバー部材2のノズル
板9が接着される側とは逆側の端面には、マニホールド
27が接合されている。
【0062】図2を参照して、ベース部材(基材)1
と、カバー部材2と、基板41との表面上には、絶縁有
機膜200が形成されている。
【0063】図3および図4を参照して、この有機膜2
00は、第1の有機膜212と第2の有機膜222との
積層構造からなっており、第1の有機膜212および第
2の有機膜222の各々はパリレンを主成分とする絶縁
物よりなっている。第1の有機膜212は粒子を含有し
ておらず、第2の有機膜222は、酸、アルカリ、水お
よび有機溶剤のいずれかに可溶な粒子を内部に含有して
いる。第2の有機膜のベース部材1側とは反対側の表面
には凹凸が形成されている。
【0064】図3を参照して、この有機膜200表面の
凹凸に接着剤17によってノズル板9が接着されてい
る。ノズル板9を接着する際の接着剤17が上記凹凸の
凹部202内に浸入して硬化することによって良好なア
ンカー効果が生じるため、ノズル板9と有機膜200と
の接着強度が向上する。
【0065】図4を参照して、この有機膜200は金属
電極5の表面を覆っており、溝4内に満たされるインク
と金属電極5との接触を防止することで双方を絶縁する
役割をなす。また、有機膜200は表面に凹凸を有して
いるため親水性に優れ、かつ親水性の経時的な劣化も抑
制することができる。このように有機膜の親水性が経時
変化により大幅に劣化することがないため、たとえばイ
ンク切れや輸送途中の乾燥によってインク流路内が疎水
化することが抑制される。これによって、インクを再度
充填する際に、インク充填不良や気泡の巻き込みといっ
たトラブルを招来することがなく、インクの吐出特性が
安定したインクジェットヘッドを得ることができる。
【0066】次に、本実施の形態のインクジェットヘッ
ドの製造方法について説明する。図5〜図11は、本発
明の実施の形態1におけるインクジェットヘッドの製造
方法を工程順に示す図である。図5を参照して、ベース
部材1が、強誘電性を有するチタン酸ジルコン酸鉛(P
ZT)系のセラミックス材料に分極処理を施して厚さ約
1mm程度の板として準備される。このベース部材1に
は、ダイヤモンドカッティング円盤の回転による切削加
工によって、インク流路となる溝4が複数形成される。
それら溝4は互いに平行かつ同じ深さで形成される。溝
4の深さは、約300μmであり、幅は約80μm、ピ
ッチは170μmとされる。
【0067】溝4を挟むチャンネル壁(隔壁)3の両側
面および図中上面とに金属膜(図示せず)が形成され
る。この金属膜には、アルミニウム、ニッケル、銅、金
等が用いられる。上記金属膜のうちチャンネル壁3の上
面に位置する金属膜のみが、ラッピングもしくは溝4の
切削加工前にベース部材1の切削加工面に予め貼り付け
ておいたレジスト膜をリフトオフすることにより除去さ
れる。これにより、チャンネル壁3の両側壁にのみ金属
膜が残り、金属電極5(図6)が形成される。
【0068】この後、ベース部材1には、インク流路方
向と垂直方向にダイヤモンドカッティング円盤30の回
転による切削加工によって、深さ約350μm、幅50
0μmの塗布溝68が形成される。このときのインク流
路の断面図を図6に示す。
【0069】図7を参照して、ベース部材1上の塗布溝
68に導電性部材26が図示しないディスペンサにより
深さ180μmの高さまで塗布される。
【0070】ここで、導電性部材26は、まず塗布溝6
8内に塗布され、その後、溝4による毛細管現象により
溝4の内部に入り込むため、チャンネル壁3の上面には
導電性部材26が形成されない。このため、導電性部材
26を固化する場合、導電性部材26によるベース部材
1の撓みを抑えるために塗布面から平板等で押さえ付け
ることが可能となるとともに、チャンネル壁3上面のラ
ッピングによる不良導電性部材の除去が不要になる。な
お、実際の製造上ではディスペンサは複数設けられてお
り、それらディスペンサは各塗布溝68の上方に配置さ
れている。
【0071】その後、ベース部材1の導電性部材26の
塗布面から平板等で押さえ付けるとともに、図示しない
装置により熱が加えられ、その熱により導電性部材26
は固化する。なお、導電性部材26としては、エポキシ
系の樹脂成分を含有した金ペースト、銀ペースト、銅ペ
ーストもしくはめっき液をベースとした金めっき、ニッ
ケルめっきなどが用いられる。
【0072】図8を参照して、ベース部材1の溝4加工
側の面とカバー部材2とがエポキシ系等の接着剤によっ
て接着される。その後、塗布溝68部分において、塗布
溝68の幅より広い幅で、カバー部材2とベース部材1
とが切断される。
【0073】図9を参照して、上記の切断により、溝4
ごとに導電性部材26は分離される。また複数の溝4が
互いに分離し、かつカバー部材2で上方を覆われること
により、横方向(紙面に垂直な方向)に互いに間隔を有
する複数のインク流路が構成される。インク充填時に
は、すべてのインク流路内に導電性部材26の上部空間
を通りインクが充填される。
【0074】図10を参照して、ベース部材1の端部に
基板41が取り付けられる。この基板41は、各インク
流路の位置に対応した位置に導電層のパターンを有して
いる。基板41をベース部材1に取り付けることによ
り、複数の導電層パターンの各々が、対応する導電性部
材26のそれぞれと電気的に接続される。その導電層パ
ターンと導電性部材26とは、異方導電性接着剤もしく
はパターン上にバンプ(図示せず)を形成し、該バンプ
を導電性部材26に挿入することによって電気的に接続
される。
【0075】次に、ベース部材1、カバー部材2および
基板41からなるインクジェットプリンタヘッド100
の表面全面に、パリレンからなる第1の有機膜212が
2μmの厚さで形成される。ここで、上記第1の有機膜
212はCVD(Chemical Vapor Deposition)法によ
って形されるが、パリレン膜はサンプルを加熱すること
なく室温で成膜することができるため、上記圧電体の分
極特性を低下する危険性がない。また、上記パリレン膜
は段差被覆性が良好であるため、インク流路のような複
雑な形状を有する部材表面に比較的均一な厚みで形成す
ることができる。このため、上記パリレン膜は、金属電
極5とインクとの絶縁性を確保するために非常に有用で
ある。本実施の形態に係るインクジェットヘッドでは、
インク流路内における第1の有機膜212の膜厚は1.
5μm以上である。
【0076】図11を参照して、上記第1の有機膜21
2上に第2の有機膜222が形成されることにより第1
および第2の有機膜212、222の積層構造よりなる
有機膜200が形成され、さらにノズル板9が接着され
る。以下、第2の有機膜222を形成する工程と、ノズ
ル板9を接着する工程とを詳述する。
【0077】図12〜図14および図15〜図17は、
第2の有機膜を形成する工程を示す図であり、図2の領
域Aに対応する領域の拡大図および図1の領域Bに対応
する領域の拡大図である。
【0078】図12および図15を参照して、ノズル板
接着部(図12)や金属電極5上(図15)に形成した
第1の有機膜212上に、ポリビニルアルコール(PV
A)を主成分とする水溶性粒子(可溶性粒子)201を
吸着させる。このとき、粒子201を正あるいは負に帯
電させた後に、上記インクジェットヘッドに散布するこ
とで吸着させた。この後、パリレンを主成分とする第2
の有機膜222を成膜する。第2の有機膜222の膜厚
はたとえば2μmである。
【0079】本実施の形態に係るインクジェットヘッド
では、インク流路内に成膜された第2の有機膜222の
膜厚は1.5μm以上である。このように膜厚を制御す
ることによって、ノズル板接着部や金属電極5上の第1
の有機膜212に吸着した水溶性粒子201を、第2の
有機膜222内に巻き込むことができる。また、インク
流路内において第1ならびに第2の有機膜212、22
2の膜厚は合計で3μm程度となり、良好な絶縁性を示
す。
【0080】本実施の形態では、パリレン成膜装置のチ
ャンバ内部において第1の有機膜212を成膜した後、
チャンバ内を大気に開放することなく、そのチャンバ内
に上記粒子201を散布することにより上記粒子201
の吸着が行なわれる。さらに、そのチャンバ内を大気に
開放することなく、第2の有機膜222が同じチャンバ
内で成膜される。
【0081】これにより、第1の有機膜212表面に大
気中の汚染物質が吸着することがないので、第1の有機
膜212と第2の有機膜222の密着性が向上する。さ
らに、チャンバ内に大気中の水分が吸着することがない
ため、後述する第2の有機膜222を成膜する際に行な
うチャンバの排気時間が短くなり、プロセスのスループ
ットが向上する。
【0082】一方、チャンバ内において粒子201を散
布すると、チャンバ内壁などの成膜装置の構造物にも粒
子201は吸着するが、第2の有機膜222によって粒
子201が膜中に巻き込まれるため、発塵のおそれがな
い。もちろん、第1の有機膜212の成膜後、試料を一
旦大気中に取出し、大気中で上記粒子201を吸着さ
せ、然る後に第2の有機膜222を形成することも可能
である。
【0083】図13および図16を参照して、第2の有
機膜222の表面が所定量だけエッチングされ、それに
より粒子201の一部が露出する。本実施の形態では、
上記のエッチング処理は、たとえば、円筒型プラズマ処
理装置を用いて、導入ガス:空気、ガス圧:40Pa、
投入パワー:500W、処理時間:25分の条件下でプ
ラズマ処理を施すことにより行なわれる。ここで、本処
理では酸素ラジカルの作用で化学的にエッチングを行な
うため、有機膜212、222に残留加工歪みなどのダ
メージをほとんど残すことなくエッチングを行なうこと
ができる。また、酸素ラジカルを含むプラズマでエッチ
ングするため、第2の有機膜222表面の親水性が向上
する。また、親水性が向上することにより、接着剤の塗
布むらがなくなり、平坦な第2の有機膜222上での接
着強度が向上する。
【0084】円筒型プラズマ処理装置は、平行平板型の
プラズマ処理装置に比べ、単位チャンバ体積当りの処理
サンプル数が多いため、効率よく親水化処理を行なうこ
とができる。また、ここでは導入ガスとして空気を用い
たが、本プラズマ処理はパリレン膜と酸素ラジカルとの
反応であるため、空気以外にも酸素を含有するガスを用
いることができる。
【0085】次に、第2の有機膜222の表面に露出し
た粒子201が、水などの溶媒によって溶解される。
【0086】図14および図17を参照して、この粒子
201の溶解によって、第2の有機膜222表面に凹部
202が形成される。
【0087】さらにインク流路内の第2の有機膜222
が、酸素ラジカルを有するプラズマによってエッチング
処理される。本実施の形態では、上記のエッチング処理
は、たとえば、円筒型プラズマ処理装置を用いて、導入
ガス:空気、ガス圧:40Pa、投入パワー:100
W、処理時間:1分の条件下でプラズマ処理を施すこと
により行なわれる。これにより、粒子201溶出後の第
2の有機膜222表面に形成された凹部202の内側表
面がエッチングされ、凹部202表面の親水性が向上す
る。なお、このエッチング処理は、凹部202の親水性
について考慮する必要がない場合には、省略されてもよ
い。
【0088】図2〜4を参照して、ベース部材1および
カバー部材2の端面に、ノズル板9が接着剤17により
接着される。このノズル板9は、各インク流路の位置に
対応した位置にノズル孔10を有している。この接着に
おいては、ノズル板9を接着するための接着剤17が第
2の有機膜222の凹部202に浸入し硬化する。この
ため、凹部202と硬化した接着剤17とが機械的に噛
み合い、ノズル板9の接着強度が飛躍的に向上する。
【0089】ベース部材1およびカバー部材2の端面で
あって、ノズル板9が接着された端面とは反対側の端面
に、マニホールド27が接合される。このとき、その接
合部分からインクが漏れないように、その接合部分を樹
脂で封止すると信頼性が向上する。
【0090】このようにして図1〜図4に示す本実施の
形態のインクジェットヘッドが完成する。
【0091】上記構成により、溝4の1方側の金属電極
5と他方側の金属電極5とが導電性部材26によって電
気的に接続される。このため、導電性部材26に電圧が
印加されると、導電性部材26を通して溝4の両側の金
属電極5に電圧が同時に印加される。これにより、溝4
の両側のチャンネル壁3が同時に溝4の内部方向に変形
し、それにより溝4内のインクに圧力が加えられて、イ
ンク滴がノズル板9のノズル孔10から吐出される。
【0092】本願発明者らは、上記の構成を有する本実
施の形態のインクジェットヘッドにおけるノズル板9の
接着強度と、有機膜の親水性とについて調べた。
【0093】本実施の形態に係るノズル板接着面に凹凸
を持つパリレン膜を形成したインクジェットヘッド(♯
1)と、凹凸のないパリレン膜を形成したインクジェッ
トヘッド(♯2)とを作製し、ポリイミドシートからな
るノズル板とそのパリレン膜との接着強度を調べた。ノ
ズル板の接着はエイブルスティック社製エイブルボンド
342−37(R)を用い、接着剤硬化後、テンション
ゲージを用いて、90°方向に引き剥がす剥離試験を行
ない、ノズル板が剥離する際の荷重をノズル板の幅で規
格化して接着強度を比較した。それぞれ10個のサンプ
ルを試験したところ、平均の接着強度は♯1で20gf
/mm、♯2で7.5gf/mmとなり、本実施の形態
は比較例に対し約3倍の接着強度を示した。
【0094】また、本実施の形態に係るノズル板接着面
に凹凸を持つパリレン膜を形成したインクジェットヘッ
ド(♯3)と、凹凸のないパリレン膜を形成したインク
ジェットヘッド(♯4)とを作製し、それぞれに親水化
処理を施した後、時間経過に伴う親水性の変化を調べ
た。その結果、図18に示す結果が得られた。
【0095】図18を参照して、親水化処理直後に表面
を水で濡らし、水の接触角を測定したところ♯3で約5
度、♯4で約10度であった。また、同サンプルを10
000時間放置し、同様に水の接触角を測定したところ
♯3で約30度、♯4で約60度という結果を示した。
【0096】また、従来の保護膜を用いたインクジェッ
トヘッドと、本実施の形態に係る複合有機膜を保護膜に
用いたインクジェットヘッドとについて、製造後、10
00時間大気中に放置し、インクを充填した後にインク
吐出を行なった。その結果、従来の保護膜を用いたイン
クジェットヘッドでは、200チャンネルのうちインク
を吐出しないチャンネルが5チャンネルあったのに対
し、本実施の形態に係るインクジェットヘッドでは、2
00チャンネル全てが良好に吐出し、またインク吐出に
必要な吐出電圧のバラツキも、既定値に対して±3%以
内で安定してインクを吐出することができた。
【0097】実施の形態2 以下に、本実施の形態2について説明する。
【0098】本実施の形態では、インクジェットヘッド
の構成ならびに、粒子201を溶解する工程までは、実
施の形態1と同様であるので、簡略化のため説明を省略
する。
【0099】本実施の形態に係るインクジェットの製造
方法では、図12〜図17に示すように、粒子201を
溶解することによって凹部202を形成した後であっ
て、接着剤を塗布する前にノズル板接着面を酸素ラジカ
ルを有するプラズマによってエッチング処理を行なっ
た。
【0100】本実施の形態では上記エッチング処理を円
筒型プラズマ処理装置を用いて、導入ガス:空気、ガス
圧:40Pa、投入パワー:100W、処理時間:1分
の条件で行なった。これにより、粒子201溶出後の第
2の有機膜222表面に形成された凹部202の内側表
面をエッチングし、凹部202内側表面の親水性が向上
する。このため、ノズル板9を接着する際の接着剤が容
易に凹部202に浸入し、これによってさらにノズル板
9の接着強度が向上する。
【0101】本実施の形態に係るノズル板接着面に凹凸
を持つパリレン膜を形成した後にエッチング処理を行な
ったインクジェットヘッド(♯5)に実施の形態1と同
様の方法でノズル板を接着し、さらに実施の形態1と同
様の方法で剥離試験を行なった。10個のサンプルの平
均の接着強度は24gf/mmとなり、実施の形態1に
比べさらに接着強度が向上した。
【0102】本実施の形態では、第1の有機膜212上
に吸着させる粒子201としてポリビニルアルコールを
用いたが、これ以外に酢酸ビニル、でんぷん、ブドウ糖
などの水溶性高分子材料、NaCl、KClなどの水溶
性無機材料を用いることができる。
【0103】さらに、本実施の形態で用いたパリレン膜
は、塩酸、硫酸、硝酸、クロム酸、NaOH溶液、NH
3OH溶液など酸やアルカリ溶液に対して耐性が高いた
め、Al、Cuなどの金属材料やSiなどを含む粒子
を、粒子201として用いることができる。
【0104】さらに、本実施の形態で用いたパリレン膜
はイソプロピルアルコール、アセトンなどの有機溶剤に
対しても耐性が高いため、スチロールなどの水にほとん
ど溶解せず、有機溶剤に可溶な材料を、粒子201とし
て用いることができる。
【0105】また、本実施の形態では、第1の有機膜2
12を形成した後、一旦成膜を中止し粒子を吸着させた
後、第2の有機膜222の成膜を行なったが、これ以外
に、有機膜成膜中に、成膜雰囲気に粒子を散布し、有機
膜中に巻き込むことで連続的に本発明に係るノズル板接
着強度の高い有機膜を形成することも可能である。
【0106】また、本実施の形態では、せん断モードを
利用したインクジェットヘッドを用いて説明したが、本
発明はインクジェットヘッドの駆動方法に依存しないの
で、たとえば、カイザー方式やサーマルジェット方式の
インクジェットヘッドにおいても適用することができ
る。
【0107】今回開示された実施の形態はすべての点で
例示であって制限的なものではないと考えられるべきで
ある。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求
の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味お
よび範囲内でのすべての変更が含まれることが意図され
る。
【0108】
【発明の効果】以上説明したとおり、本発明のインクジ
ェットヘッドによれば、表面に凹凸を有する有機膜が基
材上に形成されているため、ノズル板を接着する際の接
着剤が上記凹凸に浸入して硬化することによって、良好
なアンカー効果が生じ、これによってノズルと有機膜と
の接着強度が向上する。また、表面に凹凸を有する有機
膜は親水性に優れ、かつ親水性の経時的な劣化も抑制す
ることができる。また、有機膜の表面に凹凸があるだけ
なので、有機膜を貫通するピンホールが生じる危険性が
なく、有機膜の信頼性が向上する。
【0109】また、上記有機膜が、基材の少なくともノ
ズル板を接着する部位に設けられているため、ノズル板
を接着する際の接着剤が上記有機膜表面の凹凸に浸入し
て硬化することによって、良好なアンカー効果が生じ、
これによってノズルと有機膜との接着強度が向上する。
【0110】また、絶縁性の有機膜が駆動用電極の表面
を覆うように形成されているため、この有機膜により駆
動用電極とインクとの接触を防止できる。また、表面に
凹凸を有する有機膜は親水性に優れ、かつ親水性の経時
的な劣化も抑制することができる。このように有機膜の
親水性が経時変化により大幅に劣化することがないた
め、たとえばインク切れや輸送途中の乾燥によってイン
ク流路内が疎水化することが抑制される。これによっ
て、インクを再度充填する際に、インク充填不良や気泡
の巻き込みといったトラブルを招来することがなく、イ
ンクの吐出特性が安定したインクジェットヘッドを得る
ことができる。
【0111】また、上記有機膜は、第1の有機膜と第2
の有機膜とを含む積層構造からなっており、第2の有機
膜のみに粒子が存在するため、凹凸を形成するために粒
子を侵食除去しても下層に第1の有機膜が存在する。こ
のため、第1および第2の有機膜の双方を貫通するピン
ホールが生じる危険性がなく、これによって有機膜の信
頼性が向上する。
【0112】また、上記有機膜はポリパラキシリレンを
主成分としているため、化学的に安定であり、有機膜が
暴露される環境によって損傷を受けにくいため、安定し
て絶縁特性を維持することができる。また、上記ポリパ
ラキシリレンは室温において気相成長によって形成され
るため、熱によって特性が劣化する基材や表面形状が複
雑に入り組んだ基材に、熱的なダメージを与えることな
く均一に有機膜を形成することができる。
【0113】また、本発明のインクジェットヘッドの製
造方法によれば、第2の有機膜のみに上記粒子が存在
し、さらに第2の有機膜表面には上記粒子が溶出した痕
による凹凸が形成され、この凹凸によるアンカー効果に
よってノズル板の接着強度を飛躍的に向上させることが
できる。また、この凹凸により、親水性を付与した際に
おける第1および第2の有機膜全体の親水性が高くなる
とともに、経時変化により劣化することを抑制すること
ができ、第1および第2の有機膜全体の親水性が安定す
る。
【0114】また、ノズル板を接着部材で第2の有機膜
上に接着する工程をさらに備えるため、ノズル板を接着
する際の接着剤が上記有機膜表面の凹凸に浸入して硬化
することによって、良好なアンカー効果が生じ、これに
よってノズルと有機膜との接着強度が向上する。
【0115】また、第1および第2の有機膜が駆動用電
極の表面を覆うように形成されるため、この第1および
第2の有機膜により駆動用電極とインクとの接触を防止
できる。また、表面に凹凸を有する有機膜は親水性に優
れ、かつ親水性の経時的な劣化も抑制することができ
る。これによって、大幅な製造コストの増加を伴うこと
なく、経時変化によるインク吐出特性の劣化を防止する
ことができる。
【0116】また、上記粒子は、酸、アルカリ溶液、水
および有機溶剤のいずれかに可溶な粒子であるため、第
2の有機膜表面に凹凸を形成する際の、粒子の侵食を簡
便に行なうことができる。このため、インクジェットヘ
ッドの製造プロセスのスループットが向上するととも
に、製造コストの増大を抑制することができる。
【0117】また、第1の有機膜上に上記粒子を分散す
る工程は、静電気力によって上記粒子を第1の有機膜上
に吸着させることを含むため、上記粒子を第1の有機膜
上に吸着させる際に接着剤あるいは粘着剤を用いる必要
がなく、非常に簡便にかつ均一に分散させることができ
る。このため、インクジェットヘッドの製造プロセスの
スループットが向上するとともに、上記凹凸の密度を均
一にすることができ安定して接着性の向上が図れる。
【0118】また、共通の有機膜成膜装置内で第1の有
機膜の形成と粒子の分散と第2の有機膜の形成とが順次
行なわれるため、上記粒子を上記第1の有機膜上に吸着
させる際、試料を有機膜成膜装置外に取出す必要がな
い。このため、第1の有機膜表面に大気中の汚染物質が
吸着することがないので、第1の有機膜と第2の有機膜
の密着性が向上する。さらに、本有機膜の製造工程のス
ループットが向上し、製造コストを低減することができ
る。
【0119】また、上記第2の有機膜の表面を除去し、
上記粒子の一部を露出させる工程は、酸素ラジカルを有
するプラズマによって行なわれるため、上記第2の有機
膜が化学的にエッチングされる。このため、第1あるい
は第2の有機膜に加工によるダメージを残さずに加工す
ることができる。これによって、上記第1または第2の
有機膜の構造的な信頼性低下を抑制することができる。
さらに、酸素ラジカルを有するプラズマによって上記第
2の有機膜をエッチングするため、エッチング後、上記
第2の有機膜表面の親水性が大幅に向上する。これによ
って、ノズル板を接着する際の接着剤の塗布均一性が向
上し、ノズル板の接着強度をさらに向上させることがで
きる。
【0120】また、露出した上記粒子を侵食除去した
後、酸素ラジカルを含むプラズマによって、上記第2の
有機膜の表面をエッチングする工程をさらに備えるた
め、上記粒子侵食後に形成された凹部の内部が酸素ラジ
カルを含むプラズマに暴露する。このため、上記凹部の
内部の親水性が向上し、上記凹部内部の接着剤の濡れ性
が向上する。これによって、上記凹部に接着剤が浸入し
やすくなるとともに、凹部内部での第2の有機膜と接着
剤の接着強度が向上し、上記ノズル板の接着強度が向上
する。
【0121】また、上記第2の有機膜の表面を除去して
上記粒子の一部を露出させる工程と、酸素ラジカルを含
むプラズマによって第2の有機膜の表面をエッチングす
る工程とは、円筒型プラズマ装置を用いて行なわれる。
これにより、平行平板型のプラズマ装置に比べ、単位チ
ャンバ体積当りの試料の処理能力が高いため、スループ
ットが向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1に係るインクジェット
ヘッドの構成を概略的に示す斜視図である。
【図2】 図1のII−II線に沿う断面図である。
【図3】 図2の領域Aを拡大して示す図である。
【図4】 図1の領域Bを拡大して示す図である。
【図5】 本発明の実施の形態1に係るインクジェット
ヘッドの製造方法の第1工程を示す概略斜視図である。
【図6】 本発明の実施の形態1に係るインクジェット
ヘッドの製造方法の第2工程を示す概略断面図である。
【図7】 本発明の実施の形態1に係るインクジェット
ヘッドの製造方法の第3工程を示す概略断面図である。
【図8】 本発明の実施の形態1に係るインクジェット
ヘッドの製造方法の第4工程を示す概略断面図である。
【図9】 本発明の実施の形態1に係るインクジェット
ヘッドの製造方法の第5工程を示す概略断面図である。
【図10】 本発明の実施の形態1に係るインクジェッ
トヘッドの製造方法の第6工程を示す概略断面図であ
る。
【図11】 本発明の実施の形態1に係るインクジェッ
トヘッドの製造方法の第7工程を示す概略断面図であ
る。
【図12】 第2の有機膜を形成する第1工程を示す、
図2の領域Aに対応する領域の拡大図である。
【図13】 第2の有機膜を形成する第2工程を示す、
図2の領域Aに対応する領域の拡大図である。
【図14】 第2の有機膜を形成する第3工程を示す、
図2の領域Aに対応する領域の拡大図である。
【図15】 第2の有機膜を形成する第1工程を示す、
図1の領域Bに対応する領域の拡大図である。
【図16】 第2の有機膜を形成する第2工程を示す、
図1の領域Bに対応する領域の拡大図である。
【図17】 第2の有機膜を形成する第3工程を示す、
図1の領域Bに対応する領域の拡大図である。
【図18】 時間経過に伴う親水性の変化を示す図であ
る。
【図19】 一般的なせん断モードを利用した従来のイ
ンクジェットヘッドの構造を示す斜視図である。
【図20】 ノズル接着面に有機膜を有する従来のイン
クジェットヘッドのノズル接着部の拡大図である。
【符号の説明】
1 ベース部材、2 カバー部材、3 チャンネル壁、
4 溝、5 金属電極、9 ノズル板、10 ノズル
孔、17 接着剤、26 導電性部材、27 マニホー
ルド、41 基板、100 インクジェットプリンタヘ
ッド、200 絶縁有機膜、201 可溶性粒子、20
2 凹部、212 第1の有機膜、222第2の有機
膜。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 篤史 大阪府大阪市阿倍野区長池町22番22号 シ ャープ株式会社内 Fターム(参考) 2C057 AF65 AG45 AG46 AP13 AP22 AP25 AP53 AP55 AP59 AP61 BA03 BA14

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インク流路に充填されたインクにエネル
    ギを印加することによってノズル孔からインクを吐出す
    るインクジェットへッドにおいて、 前記インク流路が形成された基材と、 前記基材上に形成された有機膜とを備え、 前記有機膜の前記基材と反対側の表面に凹凸が形成され
    ていることを特徴とする、インクジェットへッド。
  2. 【請求項2】 前記インク流路に接続されてインクを吐
    出する前記ノズル孔を有するノズル板と、 前記有機膜を介在させて、前記基材と前記ノズル板とを
    接着する接着部材とをさらに備え、 前記有機膜は、前記基材の少なくとも前記ノズル板を接
    着する部位に設けられたことを特徴とする、請求項1に
    記載のインクジェットへッド。
  3. 【請求項3】 前記基材は、溝状の前記インク流路を挟
    む1対の隔壁を有し、 前記1対の隔壁の各側面に形成された駆動用電極をさら
    に備え、 前記有機膜は、絶縁物であり、かつ前記駆動用電極の表
    面を覆うように形成されていることを特徴とする、請求
    項1または2に記載のインクジェットへッド。
  4. 【請求項4】 前記有機膜は、 粒子を含有しない第1の有機膜と、 前記第1の有機膜に接触するように設けられ、酸、アル
    カリ、水および有機溶剤のいずれかに可溶な粒子を内部
    に含有し、かつ前記基材の反対側の表面が前記凹凸を有
    している第2の有機膜と、 を含む積層構造からなることを特徴とする、請求項1〜
    3のいずれかに記載のインクジェットへッド。
  5. 【請求項5】 前記有機膜はポリパラキシリレンを主成
    分とする、請求項1〜4のいずれかに記載のインクジェ
    ットへッド。
  6. 【請求項6】 インク流路に充填されたインクにエネル
    ギを印加することによってノズル孔からインクを吐出す
    るインクジェットへッドの製造方法において、 前記インク流路が形成された基材の上に第1の有機膜を
    形成する工程と、 前記第1の有機膜の上に粒子を分散する工程と、 前記粒子を巻き込むように、前記第1の有機膜の上に第
    2の有機膜を形成する工程と、 前記第2の有機膜の表面を除去し、前記粒子の一部を露
    出させる工程と、 露出した前記粒子を侵食除去し、前記第2の有機膜の表
    面に凹凸を形成する工程と、を備えたインクジェットへ
    ッドの製造方法。
  7. 【請求項7】 前記インク流路に接続されてインクを吐
    出する前記ノズル孔を有するノズル板を接着部材で前記
    第2の有機膜上に接着する工程をさらに備えたことを特
    徴とする、請求項6に記載のインクジェットへッドの製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記基材は、溝状の前記インク流路を挟
    む1対の隔壁を有するように形成されており、 前記1対の隔壁の各側面に駆動用電極を形成する工程を
    さらに備え、 前記第1および第2の有機膜は、前記駆動用電極の表面
    を覆うように形成されることを特徴とする、請求項6ま
    たは7に記載のインクジェットへッドの製造方法。
  9. 【請求項9】 前記粒子は、酸、アルカリ、水および有
    機溶剤のいずれかに可溶な粒子である、請求項6〜8の
    いずれかに記載のインクジェットへッドの製造方法。
  10. 【請求項10】 前記第1の有機膜の上に粒子を分散す
    る工程は、静電気力によって前記粒子を前記第1の有機
    膜上に吸着させることを含む、請求項6〜9のいずれか
    に記載のインクジェットへッドの製造方法。
  11. 【請求項11】 前記第1の有機膜の形成を有機膜成膜
    装置内で行い、 さらに前記粒子の分散を該有機膜成膜装置内で行い、 その後、該有機膜成膜装置内で前記第2の有機膜を形成
    する、請求項6〜10のいずれかに記載のインクジェッ
    トへッドの製造方法。
  12. 【請求項12】 前記第2の有機膜の表面を除去し、前
    記粒子の一部を露出させる工程は、酸素ラジカルを有す
    るプラズマによって行う、請求項6〜11のいずれかに
    記載のインクジェットへッドの製造方法。
  13. 【請求項13】 露出した前記粒子を侵食除去した後
    に、酸素ラジカルを含むプラズマによって、前記第2の
    有機膜の表面をエッチングする工程をさらに備える、請
    求項6〜12のいずれかに記載のインクジェットへッド
    の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記第2の有機膜の表面を除去して前
    記粒子の一部を露出させる工程と、酸素ラジカルを含む
    プラズマによって前記第2の有機膜の表面をエッチング
    する工程とは、円筒型プラズマ装置を用いて行なうこと
    を特徴とする、請求項13に記載のインクジェットへッ
    ドの製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015160309A (ja) * 2014-02-25 2015-09-07 株式会社リコー 液滴吐出ヘッド及びその製造方法、並びに液体カートリッジ及び液滴吐出記録装置
CN105914175A (zh) * 2010-12-16 2016-08-31 应用材料公司 用于半导体晶圆处理的高效率静电夹盘组件

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