JP2003153875A - 核磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

核磁気共鳴イメージング装置

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JP2003153875A JP2001355683A JP2001355683A JP2003153875A JP 2003153875 A JP2003153875 A JP 2003153875A JP 2001355683 A JP2001355683 A JP 2001355683A JP 2001355683 A JP2001355683 A JP 2001355683A JP 2003153875 A JP2003153875 A JP 2003153875A
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充志 阿部
Hiroyuki Watanabe
洋之 渡邊
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Abstract

(57)【要約】 【課題】廉価で、高画質の画像が得られるMRI装置を
提供すること。 【解決手段】本発明の非磁性良導体10は、図1に示す
様に、真空容器9と磁極突起部4の間に配置する。ボル
トなどの締結具13を用いて、真空容器とは独立に、磁
極突起部4もしくはリターンヨーク6、もしくは床から
固定する。図1には本発明による構造を用いた場合にお
ける、傾斜磁場コイル7による磁力線の概念図を示す。
本発明の構造によれば、非磁性良導体10に渦電流が流
れることにより、傾斜磁場コイル7による磁場を遮蔽
し、超電導コイル3の振動や発熱を防ぐことが出来る。
非磁性良導体10に流れる渦電流が観測領域2の磁場に
与える影響は、磁極5や磁極突起部4に比べ、傾斜磁場
コイル7から距離が離れていることから、小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は核磁気共鳴イメージ
ング装置(以下MRI装置と呼ぶ)に係り、特に傾斜磁
場コイルによる超電導コイルの振動および発熱を抑制す
る手段を有するMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】MRI装置は、NMR(核磁気共鳴)現
象を利用して計測した信号を演算処理することによって
被検者体内中の原子核スピンの密度分布、緩和時間分布
等を断層像として画像表示するものである。計測する際
には観測領域内において、強い磁場(0.2T以上)
で、高い静磁場均一度(10ppm程度)を有する磁場
分布を形成する必要がある。従来のMRI装置は、特開
平11−318858号公報に記載されている様に構成
されている。図2はその構成の断面図を表す。X、Y、
Z各方向を図2に示す如く定める。被検者は、体内の検
査領域が観測領域2内に来る様に図示しないベット等に
横たわる。その観測領域2内に均一磁場が、白抜きの矢
印1の方向(Z方向)に形成される。この様な磁場分布
はZ軸周りに巻回された超電導コイル3と、磁極突起部
4、磁極5、リターンヨーク6によって形成される。図
示するリターンヨーク6以外の構造物はZ軸周りにほぼ
軸対称に形成される。リターンヨーク6は図示する様に
リターンヨーク天板部6aとリターンヨーク床板部6b
とそれらを連結するリターンヨーク柱部6cから構成さ
れ、柱6cの数は開放性確保の観点から1本や2本の構
造が主に採用されている。リターンヨークの柱部分6c
は強磁性体ではなく非磁性体で構成される場合もある。
磁極突起部4の形状や磁極5の面の凹凸は、観測領域2
に均一な静磁場を形成するように施される。磁極突起部
4や磁極5はリターンヨーク6に、ボルト等の締結具も
しくは溶接などの締結手段によって固定される。これら
磁極突起部4や磁極5は、強磁性体で構成される。この
図2では、その締結手段の図示は省略した。
【0003】さらに、撮像する際には、生体内に位置情
報を付与する目的で、上記均一磁場に重畳する形で、磁
場を空間的に変化(傾斜磁場)させる。図2にはZ方向
の傾斜磁場を付与する傾斜磁場コイル7のみを図示して
いるが、通常、三種類の傾斜磁場コイルが設置される。
即ち、X、Y方向に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイル
である。傾斜磁場コイル7はZ方向軸周りに巻回され、
XY面に対称に設置され、赤道面に対して逆向きに電流
が流される。この傾斜磁場コイル7により、上記均一磁
場にZ方向の傾斜磁場が重畳され、観測領域内には、Z
方向を向き、その強度がZ方向の位置にのみ比例するよ
うな磁場分布が形成される。通常の撮影では、この傾斜
磁場コイル7には、台形波状に電流を通電し、しかもそ
の極性を高速に変化させる。例えばその周期は10Hz
〜1kHz程度である。この磁場変化はまわりの構造物
に渦電流を誘起し、対策を施さなければ、観測領域2内
に所定の傾斜磁場を形成できなくなる。特に強磁性体に
は、非磁性体に比べ、長い時定数の渦電流が流れるた
め、高速に極性を変える操作に支障を来たす。磁極5に
流れる渦電流を低減するために、傾斜磁場コイル7と逆
向きで大きさが同程度の電流を流すシールドコイル8a
を設置する対策などが施されている。また、磁極突起部
4に流れる渦電流を低減するために、特開平6−254
065で記載されている様に、磁極突起部4の部材に珪
素鋼板などを採用する対策や、同じく特開平6−254
065で記載されている様に、磁極突起部4の傾斜磁場
コイル7側の側面にシールドコイル8bを設置する対策
が施されている。また、装置の構成として、図示しない
が、特開平11−9572に記載されている様に、NM
R現象を引起すための共鳴周波数の電磁波を印加する送
信用高周波アンテナや、NMR現象の結果、被検者の体
内から発せられる電磁波を受ける受信用高周波アンテナ
も、傾斜磁場コイル7の観測領域2側もしくは磁極5側
に配置される。
【0004】一方、超電導コイル3は、真空容器7に格
納され、図示しない冷凍機器で超電導状態を維持できる
温度以下に保たれる。この真空容器7は室温状態にある
リターンヨーク6もしくは床面から支持する必要があ
り、室温側からの熱侵入を避けることは不可能である。
そこで、その熱侵入量をできるだけ低減するため、熱伝
導率の低いFRPなどの材料で構成された棒状の構造物
12で真空容器とリターンヨークもしくは磁極突起部や
床面と接続する。従って、長い梁の自由端に錘がぶら下
った状態となるため、リターンヨーク6に対してコイル
が変位しやすい構造となっている。また、振動だけでな
く、変動磁場による渦電流による発熱は、クエンチを引
起す可能性があり、クエンチは装置の信頼性を低下させ
るため、必ず避ける様設計しなければならない。従っ
て、傾斜磁場コイル7の変動磁場が超電導コイルを含む
支持構造物に達しない様な対策が必要である。
【0005】従来装置では、均一磁場調整に使われる磁
極突起部4あるいは上述したシールドコイル8bによっ
て傾斜磁場コイル7による磁場が超電導コイルを含む支
持構造物に達するのを防いできた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術では、エ
コープラナー法などの高速撮像法を採用しようとした際
には、超電導コイルの僅かな振動で実用に堪える撮像が
出来なくなることが分かってきた。数値計算によれば、
超電導コイル位置で1ガウス程度に相当する変動磁場で
も、超電導コイルが振動し、高速撮影法が適用できない
程観測領域の磁場が乱れる結果が得られている。この時
の磁力線の様子を図3を使って説明する。図3は図2の
Z>0、Y>0の領域を取り出した図に、シールドコイ
ル8bを追記した図である。傾斜磁場コイルの作る磁力
線の概念図示11もあわせて示す。シールドコイル8b
によって−Z方向に押さえられた磁力線は、Y方向に進
むに従って+Z方向に広がり、真空容器9に達し、真空
容器9等に渦電流を誘起し、磁場との相互作用で電磁力
が働くのである。
【0007】さらに傾斜磁場コイル7の近傍でシールド
コイル8a、8bに逆向きの電流を流すことから、観測
領域2に所望の磁場強度の傾斜磁場を印加するために
は、シールドコイル8a、8bが無い場合よりも高い性
能の電源が必要となり、コスト高の原因となっていた。
また、シールドコイル8による磁場の遮蔽性能を落とし
てしまうと、渦電流が流れにくい磁極突起部を採用して
いる場合には、傾斜磁場コイル7による変動磁場が、超
電導コイル3を格納する真空容器9に達し、超電導コイ
ルの振動や渦電流発熱を引起してしまう。従って、この
状態を防ぐためにはより多くのシールドコイル8bを設
置する必要があり、電源の増強、引いてはコスト高の原
因となっていた。
【0008】本発明の目的は、廉価で、高画質の画像が
得られるMRI装置を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、観測領域を間にして対向するように配置
される一対の磁極と、磁極の外周側に設けられる環状の
磁極突起部と、磁極突起部の外周を囲う環状の静磁場発
生手段と、磁極の対向面側に配置される傾斜磁場発生用
の傾斜磁場コイルとを有する核磁気共鳴イメージング装
置において、傾斜磁場コイルと静磁場発生手段との間に
非磁性良導体部材を配置したことを特徴とする。
【0010】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施例を図
1を用いて説明する。
【0011】図1は本発明を採用した核磁気共鳴イメー
ジング装置(MRI装置)の断面図であり、図2のY>
0、Z>0の領域を抜き出した部分に本発明の構造を追
加した図である。
【0012】図1では、シールドコイル8を用いて磁極
突起部4に流れる渦電流を低減する構造を採用した場合
を示しているが、シールドコイル8を外し、磁極突起部
4に渦電流を流しにくい珪素鋼板等の材質を採用した場
合でも、本実施例の構造では同様の結果が得られる。
【0013】被検者は、観測領域2に被検者体内の検査
領域が一致する様にベット等に配置される。超電導コイ
ル3、磁極5、磁極突起部4およびリターンヨーク6に
より、観測領域2に強磁場でかつ高均一な静磁場領域を
形成する。リターンヨーク6は図示する様にリターンヨ
ーク天板部6aとリターンヨーク床板部6bとそれらを
連結するリターンヨーク柱部6cから構成される。
【0014】静磁場を形成する超電導コイル3は、真空
容器9内に置かれる。静磁場発生手段は、超電導コイル
3や真空容器9等で構成される。
【0015】ここで、MRI装置の構成について更に詳
しく述べる。
【0016】リターンヨーク天板部6aおよびリターン
ヨーク床板部6bの横幅は約1m、リターンヨーク柱部
6cの丈は、約2mである。上側に配置された真空容器
9の下端と下側に配置された真空容器9の上端との間隔
は、30〜40cm程度である。上下方向に対向するよ
うに配置された両磁極5は、上下の高さ間隔が70〜8
0cmである。
【0017】中央に位置する観測領域2を間にして上下
方向に対向するように配置された一対の磁極5は、上下
に通るZ方向軸を軸心とする円盤状の形状をしている。
磁極5の外周に設けられる磁極突起部4は環状の形状を
している。これにより、磁極5の上下対向面が磁極突起
部4の上下対向面から奥側に後退したように置かれ、観
測領域2内の静磁場が均一化されるのである。
【0018】磁極突起部4は磁極5と別体に形成されて
いるが、一体に形成することも可能である。磁極突起部
4および磁極5は、大きな鋼材の塊になるので、機械加
工を含めた製作性の面から別体が望ましい。
【0019】超電導コイル3は、磁極突起部4の外周側
に間隔をとって配置される。この超電導コイル3も磁極
突起部4と同様にZ方向軸を軸心として環状になるよう
に設けられる。超電導コイル3の上下対向面は、磁極突
起部4の上下対向面とほぼ面一になるように設けられて
いる。超電導コイル3側の上下対向面を磁極突起部4よ
りも後退させるか面一とすることで、観測領域2内の静
磁場が均一化されるのである。
【0020】リターンヨークの柱部分6cは強磁性体で
はなく非磁性体で構成された場合も本実施例の構造では
同等の効果が得られる。
【0021】また、生体内に位置情報を付与する目的
で、傾斜磁場コイル7を配置する。この図ではZ方向の
傾斜磁場コイル7のみを表示しているが、この他にX、
Y方向の傾斜磁場コイルも配置する。X、Y方向の傾斜
磁場コイルの作る磁場に対しても本実施例では同等の効
果が得られる。
【0022】本実施例の非磁性良導体部材10は、図1
に示す様に、真空容器9と磁極突起部4の間に位置し、
かつ真空容器9に向く磁極突起部4の外周面に配置され
る。ボルトや接着剤などの締結具13を用いて、超電導
コイル3とは独立に、磁極突起部4もしくはリターンヨ
ーク6、もしくは床から固定する。この非磁性良導体1
0の材質は例えばアルミニウムで構成される。
【0023】非磁性良導体10は、磁極突起部4と同様
に筒形状で、かつZ軸に平行な断面がL形状をしてい
る。そして、非磁性良導体10のL形に曲がった先端曲
部で超電導コイル3の対向面側端部を覆うような構成に
している。
【0024】ただし、Z軸に平行な断面形状はL型に限
らず、超電導コイル3の対向面側端部の1部を覆う構造
であれば良い。
【0025】図1には傾斜磁場コイル7による磁力線の
概念図示11を示す。本実施例の構造によれば、非磁性
良導体10に渦電流が流れることにより、傾斜磁場コイ
ル7による磁場を遮蔽し、超電導コイル3の振動や発熱
を防ぐことが出来る。L形に曲がった先端曲部で超電導
コイル3の対向面側端部を覆っているので、傾斜磁場コ
イル7による磁場をより良く遮蔽できるのである。
【0026】非磁性良導体10に流れる渦電流が観測領
域2の磁場に与える影響は小さい。それは次の理由によ
る。即ち、非磁性良導体10は、磁極5や磁極突起部4
に比べ、傾斜磁場コイル7から離れているので発生する
渦電流は小さく、しかも観測領域2からも離れているば
かりでなく観測領域側に強力な磁気遮蔽体である磁極突
起部4が存在するので、非磁性良導体10の渦電流が観
測領域2に生成する磁場は小さく、観測領域2の磁場へ
の影響は小さい。
【0027】図4に示される本発明の第2の実施例につ
いて説明する。
【0028】図4は本発明の別の実施例を採用したMR
I装置の断面図であり、図2のY>0、Z>0の領域を
抜き出した部分に本発明の構造を追加した図である。
【0029】図4では磁極突起部4の傾斜磁場コイル7
側のシールドコイル8bを省略し、磁極突起部4に珪素
鋼板等の渦電流が流れにくい材質を採用した場合を示し
ているが、図2の如くシールドコイル8bにより、磁極
突起部4の渦電流を遮蔽する場合でも、本実施例では同
様の効果が得られる。
【0030】また、リターンヨーク柱部6cに非磁性材
を採用した場合でも、本実施例の構造では同等の効果を
得ることが出来る。この図ではZ方向の傾斜磁場コイル
7のみを表示しているが、この他にX、Y方向の傾斜磁
場コイルも配置する。X、Y方向の傾斜磁場コイルの作
る磁場に対しても本実施例では同等の効果が得られる。
【0031】本実施例の非磁性良導体10は、図4に示
す様に、磁極突起部4のZ軸に垂直方向の幅の間(ほぼ
中間)に配置する。ボルトや接着剤などの締結具13を
用いて、超電導コイル3とは独立に、磁極突起部4もし
くはリターンヨーク6、もしくは床から固定する。この
非磁性良導体10の材質は例えばアルミニウムで構成さ
れる。
【0032】また磁極突起部4の中間に介在するように
配置された非磁性良導体10は、内側端部が磁極突起部
4の先端より内側に突出している。
【0033】図4には、本実施例の構造を用いた場合に
おける、傾斜磁場コイル7による磁力線の概念図示11
を示す。本実施例によれば、非磁性良導体10に渦電流
が流れることにより、傾斜磁場コイル7による磁場を遮
蔽し、超電導コイル3の振動や発熱を防ぐことが出来
る。非磁性良導体10に流れる渦電流が観測領域2の磁
場に与える影響は、上述した理由と同じ理由で小さい。
さらに、非磁性良導体10の観測領域2側に強磁性体が
存在することにより、非磁性良導体10上の渦電流が作
る磁場を遮蔽されるため、さらに影響が小さくなる。
【0034】図5に示す本発明の第3の実施例について
説明する。
【0035】図5は本発明を採用したMRI装置の断面
図であり、図2のY>0、Z>0の領域を抜き出した部
分に本発明の構造を追加した図である。図5では、積層
鋼板14を用いて磁極突起部4に流れる渦電流を低減す
る構造を採用した場合を示している。
【0036】積層鋼板14は、天井部と外周側下がり部
を有する傘型形状をしている。天井部は磁極5と傾斜磁
場コイル7との間に位置し、外周側下がり部は磁極突起
部4と傾斜磁場コイル7の外周側との間に位置する。
【0037】ただし、珪素鋼板の外周側下がり部は傾斜
磁場コイル7の半径を小さくできる場合には不要にな
る。
【0038】積層鋼板内を傾斜磁場コイルによる磁束が
通ることにより、磁極5や磁極突起部4に達しない様に
している。また図1に示すのと同様に非磁性良導体部材
10を真空容器9と磁極突起部4の間に配置したため、
非磁性良導体部材10に渦電流が流れることにより、傾
斜磁場コイルの磁束は、超電導コイル3を格納する真空
容器9に達しないので、超電導コイルの振動や渦電流発
熱を抑えることができる。さらに積層鋼板には渦電流が
流れにくくするために細かいブロック状に細分化されて
いる。積層鋼板14を設けることで、シールドコイル8
a、8bを省略することができる。
【0039】積層鋼板14の磁極5側や磁極突起部4側
に、図示しないアルミ板の様な導電体を配置することに
より、傾斜磁場コイルの磁束は磁極5、磁極突起部4や
超電導コイルにさらに達しにくくなるのである。
【0040】被検者は、観測領域2に被検者体内の検査
領域が一致する様にベット等に寝かされる。
【0041】超電導コイル3、磁極5、磁極突起部4お
よびリターンヨーク6により、観測領域2に強磁場でか
つ高均一な磁場領域を形成する。リターンヨーク6は図
示する様にリターンヨーク天板部6aとリターンヨーク
床板部6bとそれらを連結するリターンヨーク柱部6c
から構成される。リターンヨークの柱部分6cは強磁性
体ではなく非磁性体で構成された場合も本発明の構造は
同等の効果が得られる。
【0042】また、生体内の位置情報を付与する目的
で、傾斜磁場コイル7を配置する。この図ではZ方向の
傾斜磁場コイル7のみを表示しているが、この他にX、
Y方向の傾斜磁場コイルも配置する。X、Y方向の傾斜
磁場コイルの作る磁場に対しても、本実施例では同等の
効果が得られる。本実施例の非磁性良導体部材10は、
図5に示す様に、真空容器9と磁極突起部4の間に配置
する。ボルトなどの締結具13を用いて、超電導コイル
とは独立に、磁極突起部4もしくはリターンヨーク6、
もしくは床から固定する。
【0043】この非磁性良導体10の材質は例えばアル
ミニウムで構成される。図5には本実施例による構造を
用いた場合における、傾斜磁場コイル7による磁力線の
概念図示11を示す。
【0044】本実施例の構造によれば、非磁性良導体1
0に渦電流が流れることにより、傾斜磁場コイル7によ
る磁場を遮蔽し、超電導コイル3の振動や発熱を防ぐこ
とが出来る。非磁性良導体10に流れる渦電流が観測領
域2の磁場に与える影響は小さい。それは次の理由によ
る。即ち、磁極5や磁極突起部4に比べ、傾斜磁場コイ
ル7から距離が離れていることから、発生する渦電流の
大きさが小さいこと、さらに観測領域2からも距離が離
れていること、さらに観測領域側に強力な磁気遮蔽体と
なる磁極突起部4が存在すること、から渦電流が観測領
域2に生成する磁場が小さくなるためである。
【0045】上記実施例によれば、次のような良さが期
待できる。 (1).磁極や磁極突起部よりも観測領域から離れた領
域で磁場を遮蔽するので、観測領域の磁場への影響は小
さく、高均一磁場の必要な高速撮像法が採用でき、より
質の高い画像が得られる。 (2).本発明によれば、シールドコイルの巻数を低減
できるだけなく、より高い性能の電源を必要とせず、コ
ストを低減できる。 (3).遮蔽構造物である、非磁性良導体を超電導コイ
ルとは独立に支持するので、超電導コイルが振動するの
を防ぐこと、即ち、均一磁場領域の乱れを防ぐことが出
来るため、高均一磁場の必要な高速撮像法が採用でき、
より質の高い画像が得られる。 (4).渦電流による超電導コイルの発熱を防ぐことが
出来るので、クエンチを回避でき、MRI装置の信頼性
を上げることが出来る。
【0046】
【発明の効果】以上述べたように本発明によれば、廉価
で、高画質の画像が得られるMRI装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るもので、MRI装置
の一部断面図である。
【図2】従来例に係るもので、MRI装置の断面図であ
る。
【図3】従来例に係るもので、MRI装置の一部断面図
である。
【図4】本発明の第2実施例に係るもので、MRI装置
の一部断面図である。
【図5】本発明の第3実施例に係るもので、MRI装置
の一部断面図である。
【符号の説明】
1…観測領域の磁場の向き、2…観測領域、3…超電導
コイル、4…磁極突起部、5…磁極、6…リターンヨー
ク、7…傾斜磁場コイル、8…シールドコイル遮蔽、9
…超電導コイルを内包する真空容器、10…非磁性良導
体、11…傾斜磁場コイルによる磁力線、12…真空容
器9を固定する支持具、13…非磁性良導体を固定する
ボルト。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 阿部 充志 茨城県日立市大みか町七丁目2番1号 株 式会社日立製作所電力・電機開発研究所内 (72)発明者 渡邊 洋之 茨城県日立市幸町三丁目1番1号 株式会 社日立製作所原子力事業部内 (72)発明者 竹島 弘隆 東京都千代田区内神田一丁目1番14号 株 式会社日立メディコ内 Fターム(参考) 4C096 AA20 AB32 AD02 AD09 AD23 BA42 CA02 CA09 CA16 CA18 CA43 CB16 CB20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】観測領域を間にして対向するように配置さ
    れる一対の磁極と、該磁極の外周側に設けられる環状の
    磁極突起部と、該磁極突起部の外周を囲う環状の静磁場
    発生手段と、前記磁極の対向面側に配置される傾斜磁場
    発生用の傾斜磁場コイルとを有する核磁気共鳴イメージ
    ング装置において、 前記静磁場発生手段は、超電導コイルと、該超電導コイ
    ルを格納する真空容器とを有し、 前記傾斜磁場コイルと真空容器との間に非磁性良導体部
    材を配置したことを特徴とする核磁気共鳴イメージング
    装置。
  2. 【請求項2】請求項1に記載された核磁気共鳴イメージ
    ング装置において、 前記非磁性良導体部材を前記真空容器に向く前記磁極突
    起部の外周面に設けたことを特徴とする核磁気共鳴イメ
    ージング装置。
  3. 【請求項3】請求項1に記載された核磁気共鳴イメージ
    ング装置において、 前記非磁性良導体部材を前記磁極突起部の中間に介在す
    るように設けたことを特徴とする核磁気共鳴イメージン
    グ装置。
  4. 【請求項4】請求項2または3に記載された核磁気共鳴
    イメージング装置において、 前記非磁性良導体部材を前記磁極突起部に締結具で取り
    付けたことを特徴とする核磁気共鳴イメージング装置。
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