JP3774141B2 - 核磁気共鳴イメージング装置 - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は核磁気共鳴イメージング装置(以下MRI装置と呼ぶ)に係り、特に傾斜磁場コイルによる超電導コイルの振動および発熱を抑制する手段を有するMRI装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
MRI装置は、NMR(核磁気共鳴)現象を利用して計測した信号を演算処理することによって被検者体内中の原子核スピンの密度分布、緩和時間分布等を断層像として画像表示するものである。計測する際には観測領域内において、強い磁場(0.2T以上)で、高い静磁場均一度(10ppm程度)を有する磁場分布を形成する必要がある。従来のMRI装置は、特開平11−318858号公報に記載されている様に構成されている。図2はその構成の断面図を表す。X、Y、Z各方向を図2に示す如く定める。被検者は、体内の検査領域が観測領域2内に来る様に図示しないベット等に横たわる。その観測領域2内に均一磁場が、白抜きの矢印1の方向(Z方向)に形成される。この様な磁場分布はZ軸周りに巻回された超電導コイル3と、磁極突起部4、磁極5、リターンヨーク6によって形成される。図示するリターンヨーク6以外の構造物はZ軸周りにほぼ軸対称に形成される。リターンヨーク6は図示する様にリターンヨーク天板部6aとリターンヨーク床板部6bとそれらを連結するリターンヨーク柱部6cから構成され、柱6cの数は開放性確保の観点から1本や2本の構造が主に採用されている。リターンヨークの柱部分6cは強磁性体ではなく非磁性体で構成される場合もある。磁極突起部4の形状や磁極5の面の凹凸は、観測領域2に均一な静磁場を形成するように施される。磁極突起部4や磁極5はリターンヨーク6に、ボルト等の締結具もしくは溶接などの締結手段によって固定される。これら磁極突起部4や磁極5は、強磁性体で構成される。この図2では、その締結手段の図示は省略した。
【0003】
さらに、撮像する際には、生体内に位置情報を付与する目的で、上記均一磁場に重畳する形で、磁場を空間的に変化(傾斜磁場)させる。図2にはZ方向の傾斜磁場を付与する傾斜磁場コイル7のみを図示しているが、通常、三種類の傾斜磁場コイルが設置される。即ち、X、Y方向に傾斜磁場を発生する傾斜磁場コイルである。傾斜磁場コイル7はZ方向軸周りに巻回され、XY面に対称に設置され、赤道面に対して逆向きに電流が流される。この傾斜磁場コイル7により、上記均一磁場にZ方向の傾斜磁場が重畳され、観測領域内には、Z方向を向き、その強度がZ方向の位置にのみ比例するような磁場分布が形成される。通常の撮影では、この傾斜磁場コイル7には、台形波状に電流を通電し、しかもその極性を高速に変化させる。例えばその周期は10Hz〜1kHz程度である。この磁場変化はまわりの構造物に渦電流を誘起し、対策を施さなければ、観測領域2内に所定の傾斜磁場を形成できなくなる。特に強磁性体には、非磁性体に比べ、長い時定数の渦電流が流れるため、高速に極性を変える操作に支障を来たす。磁極5に流れる渦電流を低減するために、傾斜磁場コイル7と逆向きで大きさが同程度の電流を流すシールドコイル8aを設置する対策などが施されている。また、磁極突起部4に流れる渦電流を低減するために、特開平6−254065で記載されている様に、磁極突起部4の部材に珪素鋼板などを採用する対策や、同じく特開平6−254065で記載されている様に、磁極突起部4の傾斜磁場コイル7側の側面にシールドコイル8bを設置する対策が施されている。また、装置の構成として、図示しないが、特開平11−9572に記載されている様に、NMR現象を引起すための共鳴周波数の電磁波を印加する送信用高周波アンテナや、NMR現象の結果、被検者の体内から発せられる電磁波を受ける受信用高周波アンテナも、傾斜磁場コイル7の観測領域2側もしくは磁極5側に配置される。
【0004】
一方、超電導コイル3は、真空容器7に格納され、図示しない冷凍機器で超電導状態を維持できる温度以下に保たれる。この真空容器7は室温状態にあるリターンヨーク6もしくは床面から支持する必要があり、室温側からの熱侵入を避けることは不可能である。そこで、その熱侵入量をできるだけ低減するため、熱伝導率の低いFRPなどの材料で構成された棒状の構造物12で真空容器とリターンヨークもしくは磁極突起部や床面と接続する。従って、長い梁の自由端に錘がぶら下った状態となるため、リターンヨーク6に対してコイルが変位しやすい構造となっている。また、振動だけでなく、変動磁場による渦電流による発熱は、クエンチを引起す可能性があり、クエンチは装置の信頼性を低下させるため、必ず避ける様設計しなければならない。従って、傾斜磁場コイル7の変動磁場が超電導コイルを含む支持構造物に達しない様な対策が必要である。
【0005】
従来装置では、均一磁場調整に使われる磁極突起部4あるいは上述したシールドコイル8bによって傾斜磁場コイル7による磁場が超電導コイルを含む支持構造物に達するのを防いできた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来技術では、エコープラナー法などの高速撮像法を採用しようとした際には、超電導コイルの僅かな振動で実用に堪える撮像が出来なくなることが分かってきた。数値計算によれば、超電導コイル位置で1ガウス程度に相当する変動磁場でも、超電導コイルが振動し、高速撮影法が適用できない程観測領域の磁場が乱れる結果が得られている。この時の磁力線の様子を図3を使って説明する。図3は図2のZ>0、Y>0の領域を取り出した図に、シールドコイル8bを追記した図である。傾斜磁場コイルの作る磁力線の概念図示11もあわせて示す。シールドコイル8bによって−Z方向に押さえられた磁力線は、Y方向に進むに従って+Z方向に広がり、真空容器9に達し、真空容器9等に渦電流を誘起し、磁場との相互作用で電磁力が働くのである。
【0007】
さらに傾斜磁場コイル7の近傍でシールドコイル8a、8bに逆向きの電流を流すことから、観測領域2に所望の磁場強度の傾斜磁場を印加するためには、シールドコイル8a、8bが無い場合よりも高い性能の電源が必要となり、コスト高の原因となっていた。また、シールドコイル8による磁場の遮蔽性能を落としてしまうと、渦電流が流れにくい磁極突起部を採用している場合には、傾斜磁場コイル7による変動磁場が、超電導コイル3を格納する真空容器9に達し、超電導コイルの振動や渦電流発熱を引起してしまう。従って、この状態を防ぐためにはより多くのシールドコイル8bを設置する必要があり、電源の増強、引いてはコスト高の原因となっていた。
【0008】
本発明の目的は、廉価で、高画質の画像が得られるMRI装置を提供せんとするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
観測領域を間にして対向するように配置された一対の磁極と、磁極の外周側に設けられた環状の磁極突起部と、磁極突起部の外周を囲う環状の静磁場発生手段と、磁極の対向面側に配置された傾斜磁場発生用の傾斜磁場コイルとを有する核磁気共鳴イメージング装置であって、静磁場発生手段は超電導コイルを備え、磁極突起部と超伝導コイルとの間に非磁性良導体部材を配置する。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1の実施例を図1を用いて説明する。
【0011】
図1は本発明を採用した核磁気共鳴イメージング装置(MRI装置)の断面図であり、図2のY>0、Z>0の領域を抜き出した部分に本発明の構造を追加した図である。
【0012】
図1では、シールドコイル8を用いて磁極突起部4に流れる渦電流を低減する構造を採用した場合を示しているが、シールドコイル8を外し、磁極突起部4に渦電流を流しにくい珪素鋼板等の材質を採用した場合でも、本実施例の構造では同様の結果が得られる。
【0013】
被検者は、観測領域2に被検者体内の検査領域が一致する様にベット等に配置される。超電導コイル3、磁極5、磁極突起部4およびリターンヨーク6により、観測領域2に強磁場でかつ高均一な静磁場領域を形成する。リターンヨーク6は図示する様にリターンヨーク天板部6aとリターンヨーク床板部6bとそれらを連結するリターンヨーク柱部6cから構成される。
【0014】
静磁場を形成する超電導コイル3は、真空容器9内に置かれる。静磁場発生手段は、超電導コイル3や真空容器9等で構成される。
【0015】
ここで、MRI装置の構成について更に詳しく述べる。
【0016】
リターンヨーク天板部6aおよびリターンヨーク床板部6bの横幅は約1m、リターンヨーク柱部6cの丈は、約2mである。上側に配置された真空容器9の下端と下側に配置された真空容器9の上端との間隔は、30〜40cm程度である。上下方向に対向するように配置された両磁極5は、上下の高さ間隔が70〜80cmである。
【0017】
中央に位置する観測領域2を間にして上下方向に対向するように配置された一対の磁極5は、上下に通るZ方向軸を軸心とする円盤状の形状をしている。磁極5の外周に設けられる磁極突起部4は環状の形状をしている。これにより、磁極5の上下対向面が磁極突起部4の上下対向面から奥側に後退したように置かれ、観測領域2内の静磁場が均一化されるのである。
【0018】
磁極突起部4は磁極5と別体に形成されているが、一体に形成することも可能である。磁極突起部4および磁極5は、大きな鋼材の塊になるので、機械加工を含めた製作性の面から別体が望ましい。
【0019】
超電導コイル3は、磁極突起部4の外周側に間隔をとって配置される。この超電導コイル3も磁極突起部4と同様にZ方向軸を軸心として環状になるように設けられる。超電導コイル3の上下対向面は、磁極突起部4の上下対向面とほぼ面一になるように設けられている。超電導コイル3側の上下対向面を磁極突起部4よりも後退させるか面一とすることで、観測領域2内の静磁場が均一化されるのである。
【0020】
リターンヨークの柱部分6cは強磁性体ではなく非磁性体で構成された場合も本実施例の構造では同等の効果が得られる。
【0021】
また、生体内に位置情報を付与する目的で、傾斜磁場コイル7を配置する。この図ではZ方向の傾斜磁場コイル7のみを表示しているが、この他にX、Y方向の傾斜磁場コイルも配置する。X、Y方向の傾斜磁場コイルの作る磁場に対しても本実施例では同等の効果が得られる。
【0022】
本実施例の非磁性良導体部材10は、図1に示す様に、真空容器9と磁極突起部4の間に位置し、かつ真空容器9に向く磁極突起部4の外周面に配置される。ボルトや接着剤などの締結具13を用いて、超電導コイル3とは独立に、磁極突起部4もしくはリターンヨーク6、もしくは床から固定する。この非磁性良導体10の材質は例えばアルミニウムで構成される。
【0023】
非磁性良導体10は、磁極突起部4と同様に筒形状で、かつZ軸に平行な断面がL形状をしている。そして、非磁性良導体10のL形に曲がった先端曲部で超電導コイル3の対向面側端部を覆うような構成にしている。
【0024】
ただし、Z軸に平行な断面形状はL型に限らず、超電導コイル3の対向面側端部の1部を覆う構造であれば良い。
【0025】
図1には傾斜磁場コイル7による磁力線の概念図示11を示す。本実施例の構造によれば、非磁性良導体10に渦電流が流れることにより、傾斜磁場コイル7による磁場を遮蔽し、超電導コイル3の振動や発熱を防ぐことが出来る。L形に曲がった先端曲部で超電導コイル3の対向面側端部を覆っているので、傾斜磁場コイル7による磁場をより良く遮蔽できるのである。
【0026】
非磁性良導体10に流れる渦電流が観測領域2の磁場に与える影響は小さい。それは次の理由による。即ち、非磁性良導体10は、磁極5や磁極突起部4に比べ、傾斜磁場コイル7から離れているので発生する渦電流は小さく、しかも観測領域2からも離れているばかりでなく観測領域側に強力な磁気遮蔽体である磁極突起部4が存在するので、非磁性良導体10の渦電流が観測領域2に生成する磁場は小さく、観測領域2の磁場への影響は小さい。
【0027】
図4に示される本発明の第2の実施例について説明する。
【0028】
図4は本発明の別の実施例を採用したMRI装置の断面図であり、図2のY>0、Z>0の領域を抜き出した部分に本発明の構造を追加した図である。
【0029】
図4では磁極突起部4の傾斜磁場コイル7側のシールドコイル8bを省略し、磁極突起部4に珪素鋼板等の渦電流が流れにくい材質を採用した場合を示しているが、図2の如くシールドコイル8bにより、磁極突起部4の渦電流を遮蔽する場合でも、本実施例では同様の効果が得られる。
【0030】
また、リターンヨーク柱部6cに非磁性材を採用した場合でも、本実施例の構造では同等の効果を得ることが出来る。この図ではZ方向の傾斜磁場コイル7のみを表示しているが、この他にX、Y方向の傾斜磁場コイルも配置する。X、Y方向の傾斜磁場コイルの作る磁場に対しても本実施例では同等の効果が得られる。
【0031】
本実施例の非磁性良導体10は、図4に示す様に、磁極突起部4のZ軸に垂直方向の幅の間(ほぼ中間)に配置する。ボルトや接着剤などの締結具13を用いて、超電導コイル3とは独立に、磁極突起部4もしくはリターンヨーク6、もしくは床から固定する。この非磁性良導体10の材質は例えばアルミニウムで構成される。
【0032】
また磁極突起部4の中間に介在するように配置された非磁性良導体10は、内側端部が磁極突起部4の先端より内側に突出している。
【0033】
図4には、本実施例の構造を用いた場合における、傾斜磁場コイル7による磁力線の概念図示11を示す。本実施例によれば、非磁性良導体10に渦電流が流れることにより、傾斜磁場コイル7による磁場を遮蔽し、超電導コイル3の振動や発熱を防ぐことが出来る。非磁性良導体10に流れる渦電流が観測領域2の磁場に与える影響は、上述した理由と同じ理由で小さい。さらに、非磁性良導体10の観測領域2側に強磁性体が存在することにより、非磁性良導体10上の渦電流が作る磁場を遮蔽されるため、さらに影響が小さくなる。
【0034】
図5に示す本発明の第3の実施例について説明する。
【0035】
図5は本発明を採用したMRI装置の断面図であり、図2のY>0、Z>0の領域を抜き出した部分に本発明の構造を追加した図である。図5では、積層鋼板14を用いて磁極突起部4に流れる渦電流を低減する構造を採用した場合を示している。
【0036】
積層鋼板14は、天井部と外周側下がり部を有する傘型形状をしている。天井部は磁極5と傾斜磁場コイル7との間に位置し、外周側下がり部は磁極突起部4と傾斜磁場コイル7の外周側との間に位置する。
【0037】
ただし、珪素鋼板の外周側下がり部は傾斜磁場コイル7の半径を小さくできる場合には不要になる。
【0038】
積層鋼板内を傾斜磁場コイルによる磁束が通ることにより、磁極5や磁極突起部4に達しない様にしている。また図1に示すのと同様に非磁性良導体部材10を真空容器9と磁極突起部4の間に配置したため、非磁性良導体部材10に渦電流が流れることにより、傾斜磁場コイルの磁束は、超電導コイル3を格納する真空容器9に達しないので、超電導コイルの振動や渦電流発熱を抑えることができる。さらに積層鋼板には渦電流が流れにくくするために細かいブロック状に細分化されている。積層鋼板14を設けることで、シールドコイル8a、8bを省略することができる。
【0039】
積層鋼板14の磁極5側や磁極突起部4側に、図示しないアルミ板の様な導電体を配置することにより、傾斜磁場コイルの磁束は磁極5、磁極突起部4や超電導コイルにさらに達しにくくなるのである。
【0040】
被検者は、観測領域2に被検者体内の検査領域が一致する様にベット等に寝かされる。
【0041】
超電導コイル3、磁極5、磁極突起部4およびリターンヨーク6により、観測領域2に強磁場でかつ高均一な磁場領域を形成する。リターンヨーク6は図示する様にリターンヨーク天板部6aとリターンヨーク床板部6bとそれらを連結するリターンヨーク柱部6cから構成される。リターンヨークの柱部分6cは強磁性体ではなく非磁性体で構成された場合も本発明の構造は同等の効果が得られる。
【0042】
また、生体内の位置情報を付与する目的で、傾斜磁場コイル7を配置する。この図ではZ方向の傾斜磁場コイル7のみを表示しているが、この他にX、Y方向の傾斜磁場コイルも配置する。X、Y方向の傾斜磁場コイルの作る磁場に対しても、本実施例では同等の効果が得られる。本実施例の非磁性良導体部材10は、図5に示す様に、真空容器9と磁極突起部4の間に配置する。ボルトなどの締結具13を用いて、超電導コイルとは独立に、磁極突起部4もしくはリターンヨーク6、もしくは床から固定する。
【0043】
この非磁性良導体10の材質は例えばアルミニウムで構成される。図5には本実施例による構造を用いた場合における、傾斜磁場コイル7による磁力線の概念図示11を示す。
【0044】
本実施例の構造によれば、非磁性良導体10に渦電流が流れることにより、傾斜磁場コイル7による磁場を遮蔽し、超電導コイル3の振動や発熱を防ぐことが出来る。非磁性良導体10に流れる渦電流が観測領域2の磁場に与える影響は小さい。それは次の理由による。即ち、磁極5や磁極突起部4に比べ、傾斜磁場コイル7から距離が離れていることから、発生する渦電流の大きさが小さいこと、さらに観測領域2からも距離が離れていること、さらに観測領域側に強力な磁気遮蔽体となる磁極突起部4が存在すること、から渦電流が観測領域2に生成する磁場が小さくなるためである。
【0045】
上記実施例によれば、次のような良さが期待できる。
(1).磁極や磁極突起部よりも観測領域から離れた領域で磁場を遮蔽するので、観測領域の磁場への影響は小さく、高均一磁場の必要な高速撮像法が採用でき、より質の高い画像が得られる。
(2).本発明によれば、シールドコイルの巻数を低減できるだけなく、より高い性能の電源を必要とせず、コストを低減できる。
(3).遮蔽構造物である、非磁性良導体を超電導コイルとは独立に支持するので、超電導コイルが振動するのを防ぐこと、即ち、均一磁場領域の乱れを防ぐことが出来るため、高均一磁場の必要な高速撮像法が採用でき、より質の高い画像が得られる。
(4).渦電流による超電導コイルの発熱を防ぐことが出来るので、クエンチを回避でき、MRI装置の信頼性を上げることが出来る。
【0046】
【発明の効果】
以上述べたように本発明によれば、廉価で、高画質の画像が得られるMRI装置が提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例に係るもので、MRI装置の一部断面図である。
【図2】従来例に係るもので、MRI装置の断面図である。
【図3】従来例に係るもので、MRI装置の一部断面図である。
【図4】本発明の第2実施例に係るもので、MRI装置の一部断面図である。
【図5】本発明の第3実施例に係るもので、MRI装置の一部断面図である。
【符号の説明】
1…観測領域の磁場の向き、2…観測領域、3…超電導コイル、4…磁極突起部、5…磁極、6…リターンヨーク、7…傾斜磁場コイル、8…シールドコイル遮蔽、9…超電導コイルを内包する真空容器、10…非磁性良導体、11…傾斜磁場コイルによる磁力線、12…真空容器9を固定する支持具、13…非磁性良導体を固定するボルト。

Claims (5)

  1. 観測領域を間にして対向するように配置される一対の磁極と、該磁極の外周側に設けられる環状の磁極突起部と、該磁極突起部の外周を囲う環状の静磁場発生手段と、前記磁極の対向面側に配置される傾斜磁場発生用の傾斜磁場コイルとを有する核磁気共鳴イメージング装置であって、
    前記静磁場発生手段は、超電導コイルと、前記超電導コイルを格納する真空容器とを備え、前記磁極突起部と前記真空容器との間に非磁性良導体部材を配置し、前記非磁性良導体は筒形状をしている核磁気共鳴イメージング装置。
  2. 請求項1記載の核磁気共鳴イメージング装置において、
    前記非磁性良導体部材が、前記超電導コイルに向く前記磁極突起部の外周面に設けた核磁気共鳴イメージング装置。
  3. 請求項1または2記載の核磁気共鳴イメージング装置において、
    前記非磁性良導体部材の観測領域側端部が前記磁極突起部の観測領域側先端部よりも観測領域側に突出している核磁気共鳴イメージング装置。
  4. 請求項1乃至3の何れかに記載された核磁気共鳴イメージング装置において、
    前記超電導コイルの観測領域側端部の少なくとも一部を覆うように前記非磁性良導体部材が備えられる核磁気共鳴イメージング装置。
  5. 請求項1乃至4の何れかに記載された核磁気共鳴イメージング装置において、
    前記非磁性良導体部材はアルミニウムから構成される核磁気共鳴イメージング装置。
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