JP2003153571A - 直流モータの回転状態検出装置 - Google Patents

直流モータの回転状態検出装置

Info

Publication number
JP2003153571A
JP2003153571A JP2001347480A JP2001347480A JP2003153571A JP 2003153571 A JP2003153571 A JP 2003153571A JP 2001347480 A JP2001347480 A JP 2001347480A JP 2001347480 A JP2001347480 A JP 2001347480A JP 2003153571 A JP2003153571 A JP 2003153571A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
motor
detected
rotation speed
cpu
motors
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2001347480A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3888133B2 (ja
Inventor
Tomoaki Imaizumi
智章 今泉
Hideyuki Kanie
英之 蟹江
Hidetoshi Kadotani
秀俊 門谷
Kohei Noda
耕平 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Aisin Corp
Original Assignee
Aisin Seiki Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Aisin Seiki Co Ltd filed Critical Aisin Seiki Co Ltd
Priority to JP2001347480A priority Critical patent/JP3888133B2/ja
Publication of JP2003153571A publication Critical patent/JP2003153571A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3888133B2 publication Critical patent/JP3888133B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブラシを有する直流モータのモータ電流に含
まれるリップル成分の減少時において、誤った回転状態
の検出を回避することができる直流モータの回転状態検
出装置を提供する。 【解決手段】 CPU31は、モータ26〜29の駆動
電圧Vを、リップルパルス検出回路34を介してリップ
ル成分を、モータ電流検出回路35を介してモータ電流
Iをそれぞれ検出する。また、CPU31は、検出され
たリップル成分に基づきモータ26〜29の回転速度を
検出する。CPU31は、検出された回転速度が所定回
転速度Noを超えないと判断されたとき、検出されたモ
ータ電流I及び駆動電圧Vが所定回転速度Noを超える
べき領域内にあると判断されると、リップルパルス検出
回路34によるリップル成分の検出を異常判定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ブラシを有する直
流モータにおいて、モータ電流に含まれるリップル成分
に基づき該直流モータの回転状態を検出する直流モータ
の回転状態検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、例えば車両のメモリシート
や、パワーウィンドレギュレータ、サンルーフといった
装置(車載機能部品)における可動部材の駆動用に直流
モータが使用されている。こうした装置においては、直
流モータの回転状態を検出して、可動部材の位置制御や
その挟み込み制御といった各種制御を行っている。具体
的には、モータの回転角度(位置)に基づき可動部材の
位置制御を行ったり、モータの回転速度の変化に基づき
可動部材の挟み込み検出・制御を行ったりしている。
【0003】こうした直流モータの回転状態の検出方法
としては種々のものが提案されており、例えば特開20
00−333485号公報に記載されたものが本出願人
により提案されている。同公報に記載の方法では、ブラ
シを有する直流モータの電流(モータ電流)に含まれる
回転に応じたリップル成分に基づきパルス信号(リップ
ルパルス)を生成し、このパルス信号に基づき直流モー
タの回転状態を検出している。なお、このリップル成分
は、直流モータの回転に伴いコンミテータ(整流子)の
複数あるセグメント(整流子片)がブラシを通過する際
に接続されるコイル数の変化に起因して発生するもので
ある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、こうしたモ
ータ電流に含まれるリップル成分は、当該モータの使用
回数の増加に伴うコンミテータの目詰まり、界磁である
永久磁石の減磁等により半永久的に減少することがあ
る。このとき、上記リップル成分の減少によってリップ
ルパルスの確実な生成が困難となり、パルス飛びが発生
してしまう。そして、このようなリップルパルスに基づ
き直流モータの回転状態が検出されることで、例えばモ
ータロックと誤判定されてモータが停止することがあ
る。
【0005】本発明の目的は、ブラシを有する直流モー
タのモータ電流に含まれるリップル成分の減少時におい
て、誤った回転状態の検出を回避することができる直流
モータの回転状態検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決するた
めに、請求項1に記載の発明は、直流モータの駆動電圧
を検出する駆動電圧検出手段と、前記直流モータを流れ
る電流を検出するモータ電流検出手段と、前記検出され
たモータ電流に基づきリップル成分を検出するリップル
検出手段と、前記検出されたリップル成分に基づき前記
直流モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記検出された回転速度が所定回転速度を超えたか否か
を判断する第1判断手段と、前記第1判断手段により前
記検出された回転速度が前記所定回転速度を超えないと
判断されたとき、前記検出されたモータ電流及び駆動電
圧が該所定回転速度を超えるべき領域内にあるか否かを
判断する第2判断手段と、前記第2判断手段により前記
検出されたモータ電流及び駆動電圧が前記所定回転速度
を超えるべき領域内にあると判断されたとき、前記リッ
プル検出手段によるリップル成分の検出を異常判定する
判定手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】請求項2に記載の発明は、請求項1に記載
の直流モータの回転状態検出装置において、前記第2判
断手段により判断される領域は、前記検出された駆動電
圧が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域であることを
要旨とする。
【0008】請求項3に記載の発明は、請求項1に記載
の直流モータの回転状態検出装置において、前記第2判
断手段により判断される領域は、前記検出された駆動電
圧が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域であり、且
つ、前記検出されたモータ電流が該動作保証範囲内の最
低電圧にて前記直流モータを駆動したときの前記所定回
転速度におけるモータ電流未満の領域であることを要旨
とする。
【0009】(作用)一般に、直流モータの回転速度N
は下式のように表される。 N=(V−IR)/kΦ ただし、Vは直流モータの駆動電圧、Iはモータ電流、
Rは電機子コイルの抵抗、Φは界磁である永久磁石の主
磁束量である。なお、kは当該モータの設計に応じた固
有の定数である。
【0010】従って、直流モータの駆動電圧V及びモー
タ電流Iが検出されれば、これに対応して検出されるべ
き直流モータの回転速度が概ね推測される。図8は、上
式に基づき直流モータが所定回転速度Noで回転すると
きの駆動電圧V及びモータ電流Iの関係を示すグラフで
ある。同図から明らかなように、直流モータの回転速度
が一定(No)であるときの駆動電圧V及びモータ電流
Iは比例関係を有する。そして、この駆動電圧V及びモ
ータ電流Iの関係を示す直線に区画された下側の領域は
上記所定回転速度Noを超えるべき領域であり、同上側
の領域は上記所定回転速度Noを下回るべき領域であ
る。従って、検出された直流モータの駆動電圧V及びモ
ータ電流Iが上記直線に区画された下側の領域にあって
そのときの回転速度が上記所定回転速度Noを超えるべ
きとき、同回転速度Noと実際に検出された回転速度と
を比較することで、回転速度の検出が正常に行われてい
るか否かを判断しうる。
【0011】請求項1に記載の発明によれば、第1判断
手段により検出された回転速度が上記所定回転速度を超
えたか否かが判断される。そして、検出された回転速度
が上記所定回転速度を超えないと判断されると、第2判
断手段により検出されたモータ電流及び駆動電圧が、上
記所定回転速度を超えるべき領域内にあるか否かが判断
される。このとき、検出されたモータ電流及び駆動電圧
が上記所定回転速度を超えるべき領域内にあると判断さ
れると、上記リップル検出手段によるリップル成分の検
出が異常判定される。
【0012】モータ電流に含まれるリップル成分は、例
えば当該モータの使用回数の増加に伴うコンミテータ
(整流子)の目詰まり、界磁である永久磁石の減磁等に
より半永久的に減少することがある。このとき、モータ
電流からのリップル成分の検出が困難となり、同成分の
検出不足のためにこれに基づく回転速度が実際の回転速
度よりも小さく検出されることになる。このような現象
を鑑みて、検出されたモータ電流及び駆動電圧が上記所
定回転速度を超えるべき領域内にあるにも関わらず、検
出された回転速度が上記所定回転速度を超えない場合に
は上記リップル検出手段によるリップル成分の検出が異
常判定される。このため、これに基づく直流モータの誤
った回転状態(回転位置及び回転速度)の検出も回避さ
れる。
【0013】請求項2に記載の発明によれば、上記第2
判断手段により判断される領域は、検出された駆動電圧
が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域とされる。従っ
て、動作保証外の不安定な状態での上記異常判定が回避
される。
【0014】請求項3に記載の発明によれば、上記第2
判断手段により判断される領域は、検出された駆動電圧
が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域であり、且つ、
前記検出されたモータ電流が動作保証範囲内の最低電圧
にて直流モータを駆動したときの上記所定回転速度にお
けるモータ電流未満の領域とされる。この領域は、直流
モータの回転速度が上記所定回転速度を超えるべき領域
の一部に含まれている。換言すると、検出された駆動電
圧及びモータ電流が上記領域内にあれば、直流モータの
回転速度が上記所定回転速度を超えるべき領域内にある
と判断しうる。従って、上記第2判断手段による領域判
断は、検出された駆動電圧及びモータ電流と特定の電圧
(動作保証範囲内の最低電圧)及びこれに対応する特定
のモータ電流とを大小比較するのみであることから、領
域判断のための演算負荷が軽減される。また、上記第2
判断手段により判断される領域は、検出された駆動電圧
が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域とされ、動作保
証外の不安定な状態での上記異常判定が回避される。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施形態が適用
される車両のメモリシートについて図1〜図8に従って
説明する。なお、このメモリシートは、図示しない車両
用シートのシートクッション、シートバック、ヘッドレ
スト等の対応する可動部材をモータ駆動してシート状態
(位置)を着座者の体型に合わせるとともに、その状態
をメモリに記憶するものである。そして、別の着座者が
着座して当該シートのシート状態が変更されても、その
後の簡単なスイッチ操作によって上記各可動部材を順次
モータ駆動し、記憶された当初のシート状態を容易に再
生するものである。
【0016】図1は、本実施形態が適用されるメモリシ
ートの電気的構成を示すブロック図である。同図に示さ
れるように、このメモリシートはバッテリ11により給
電されており、スライド前進スイッチ12、スライド後
退スイッチ13、リクライニング前進スイッチ14、リ
クライニング後退スイッチ15、バーチカルフロント上
昇スイッチ16、バーチカルフロント下降スイッチ1
7、リフタ上昇スイッチ18、リフタ下降スイッチ1
9、メモリ再生1スイッチ21、メモリ再生2スイッチ
22、記憶スイッチ23、これらスイッチ等に基づき駆
動(回転)制御されるブラシ付のスライドモータ26、
リクライニングモータ27、バーチカルフロントモータ
28、リフトモータ29及び制御態様等に応じてこれら
モータの制御を行うコントローラ30を備えている。
【0017】上記スライド前進スイッチ12及びスライ
ド後退スイッチ13は、着座者の操作により上記スライ
ドモータ26を対応する方向に回転駆動して、それぞれ
シートクッションを前進又は後退させるためのスイッチ
である。また、上記リクライニング前進スイッチ14及
びリクライニング後退スイッチ15は、着座者の操作に
より上記リクライニングモータ27を対応する方向に回
転駆動して、それぞれシートバックを前方又は後方に倒
すためのスイッチである。バーチカルフロント上昇スイ
ッチ16及びバーチカルフロント下降スイッチ17は、
着座者の操作により上記バーチカルフロントモータ28
を対応する方向に回転駆動して、それぞれシートクッシ
ョンの前部を上昇又は下降させるためのスイッチであ
る。リフタ上昇スイッチ18及びリフタ下降スイッチ1
9は、着座者の操作により上記リフトモータ29を対応
する方向に回転駆動して、それぞれシートクッション全
体を上昇又は下降させるためのスイッチである。メモリ
再生1スイッチ21及びメモリ再生2スイッチ22は、
着座者の操作により上記モータ26〜29を順次回転駆
動して、それぞれコントローラ30内に予め記憶された
シート状態を再生するためのスイッチである。記憶スイ
ッチ23は、所定のシート状態(モータ26〜29の位
置)において上記メモリ再生1スイッチ21若しくはメ
モリ再生2スイッチ22とともに操作されることで当該
シート状態を対応するメモリに記憶させるためのスイッ
チである。
【0018】上記コントローラ30は、CPU(中央演
算処理装置)31、入力インターフェース32、リレー
スイッチ33a〜33h、リップルパルス検出回路34
及びモータ電流検出回路35等により構成されている。
また、コントローラ30は、各種プログラム及びマップ
等を記憶したROM、各種データ等の読み書き可能なR
AM、バックアップ電源なしてデータの保持が可能なE
EPROM等を備えている(図示略)。なお、メモリ再
生1スイッチ21若しくはメモリ再生2スイッチ22に
対応して各シート状態を記憶するメモリは、EEPRO
M又はRAM等に設けられている。
【0019】CPU31には上記入力インターフェース
32を介して前記バッテリ11のプラス端子及びスイッ
チ12〜19,21〜23が接続されている。CPU3
1は、バッテリ11からの検出信号に基づきその電源電
圧を駆動電圧Vとして検出するとともに、これらスイッ
チ12〜19,21〜23からの検出信号に基づきその
操作状態を検出する。
【0020】CPU31には上記リレースイッチ33a
〜33hが接続されている。これらリレースイッチ33
a〜33hは、通常は抵抗Rfを介してグランド側に接
続されており、CPU31から駆動信号が出力されるこ
とで前記バッテリ11のプラス端子側に接続されるよう
になっている。
【0021】前記スライドモータ26の一側及び他側端
子はそれぞれリレースイッチ33a,33bに接続され
ており、CPU31からの駆動信号に応じて選択的にバ
ッテリ11のプラス端子に接続され、若しくは抵抗Rf
を介して接地されるようになっている。そして、スライ
ドモータ26は、この接続状態に応じて正転又は逆転
し、シートクッションを前進又は後退させる。
【0022】また、前記リクライニングモータ27の一
側及び他側端子はそれぞれリレースイッチ33c,33
dに接続されており、CPU31からの駆動信号に応じ
て選択的にバッテリ11のプラス端子に接続され、若し
くは抵抗Rfを介して接地されるようになっている。そ
して、リクライニングモータ27は、この接続状態に応
じて正転又は逆転し、シートバックを前方又は後方に倒
す。
【0023】さらに、前記バーチカルフロントモータ2
8の一側及び他側端子はそれぞれリレースイッチ33
e,33fに接続されており、CPU31からの駆動信
号に応じて選択的にバッテリ11のプラス端子に接続さ
れ、若しくは抵抗Rfを介して接地されるようになって
いる。そして、バーチカルフロントモータ28は、この
接続状態に応じて正転又は逆転し、シートクッションの
前部を上昇又は下降させる。
【0024】さらにまた、前記リフトモータ29の一側
及び他側端子はそれぞれリレースイッチ33g,33h
に接続されており、CPU31からの駆動信号に応じて
選択的にバッテリ11のプラス端子に接続され、若しく
は抵抗Rfを介して接地されるようになっている。そし
て、リフトモータ29は、この接続状態に応じて正転又
は逆転し、シートクッション全体を上昇又は下降させ
る。
【0025】また、CPU31には上記リップルパルス
検出回路34が接続されて、後述の態様で生成されるリ
ップルパルスが入力されている。CPU31は、このリ
ップルパルスに基づき前記モータ26〜29の回転状態
を個別に検出する。例えば、CPU31はいずれかのモ
ータ26〜29からのリップルパルスのエッジ入力によ
り同リップルパルスをカウントして当該モータ26〜2
9の回転角度(位置)を検出する。併せて、CPU31
は前回のリップルパルスのエッジ入力から次のリップル
パルスのエッジ入力までの演算周期数をカウントしてそ
の回転速度を検出する。
【0026】さらに、CPU31には上記モータ電流検
出回路35が接続されている。このモータ電流検出回路
35には上記抵抗Rfの入力端が接続されており、同モ
ータ電流検出回路35は回転駆動されたいずれかのモー
タ26〜29を流れる電流(モータ電流)に略比例する
同抵抗Rfの入力端の電位を増幅して電流検出信号を生
成する。CPU31には上記電流検出信号が入力されて
おり、CPU31はこの電流検出信号に基づき当該モー
タ26〜29を流れる電流をモータ電流Iとして検出す
る。
【0027】図2は、上記リップルパルス検出回路34
の電気的構成を示すブロック図である。同図に示される
ように、このリップルパルス検出回路34は、スイッチ
ト・キャパシタ・フィルタ41と、リップルパルス成形
回路42と、クロック発生回路43とを備えている。
【0028】上記スイッチト・キャパシタ・フィルタ4
1には前記抵抗Rfの入力端が接続されて、回転駆動さ
れたいずれかのモータ26〜29を流れる電流に略比例
する同抵抗Rfの入力端の電位が電圧信号であるモータ
回転信号として入力されている。このモータ回転信号に
は、ブラシの有する直流モータ(モータ26〜29)に
固有のリップル成分及びノイズが重畳されている。スイ
ッチト・キャパシタ・フィルタ41は、上記クロック発
生回路43からのクロック信号に基づきフィルタ定数が
変化してフィルタ遮断周波数fcが変化するフィルタで
あって、上記モータ回転信号を通すことでノイズを除去
するとともに、同クロック信号に載る信号を出力する。
スイッチト・キャパシタ・フィルタ41は、上記クロッ
ク発生回路43によりクロック信号が後述の態様で生成
されることで、リップル成分を含む信号を出力する。
【0029】上記リップルパルス成形回路42は、スイ
ッチト・キャパシタ・フィルタ41からの信号が入力さ
れて、そのリップル成分に基づきリップルパルスを生成
する。このリップルパルスがCPU31に入力されて、
前記モータ26〜29の回転状態の検出に供されること
は既述のとおりである。
【0030】上記クロック発生回路43には前記バッテ
リ11と直列に接続された抵抗R1,R2の接続端が接
続されて、同バッテリ11の電源電圧に略比例する同接
続端の電位が電圧信号であるモータ駆動電圧信号として
入力されている。また、このクロック発生回路43には
上記モータ回転信号及びリップルパルス成形回路42か
らのリップルパルスも併せ入力されている。クロック発
生回路43は、上記モータ回転信号、モータ駆動電圧信
号及びリップルパルスを反映してクロック信号を生成す
る。
【0031】従って、このクロック信号に基づきスイッ
チト・キャパシタ・フィルタ41のフィルタ遮断周波数
fcが変化することで、リップルパルス成形回路42に
おいて当該モータ26〜29の回転状態の変化に追従し
た好適なリップルパルスが生成されるようになってい
る。
【0032】次に、CPU31が実行するメモリシート
の制御態様について、図3〜図8を参照して説明する。
なお、図3〜図7は、コントローラ30の起動中にCP
U31により繰り返される処理ルーチンを示すフローチ
ャートである。このルーチンは、検出されたバッテリ1
1の駆動電圧Vが図8に示す動作保証範囲内の最低電圧
Vmin以上であることを条件に実行される。
【0033】処理がこのルーチンに移行すると、各種デ
ータの入力処理を行った後、まずステップ101におい
てCPU31は、マニュアル操作に係るいずれかのスイ
ッチ12〜19がオンか否かを判断する。ここで、いず
れかのスイッチ12〜19がオンと判断されると、CP
U31はステップ200に移行して、図4及び図5に示
すマニュアル作動処理のサブルーチンに移行する。
【0034】そして、ステップ201においてCPU3
1は、オンされたスイッチ12〜19に基づき当該スイ
ッチ12〜19に係るモータ26〜29を正転させるか
逆転させるかを判断する。
【0035】ここで、当該モータ26〜29を正転させ
ると判断されると、CPU31はステップ202に移行
して同モータ26〜29を正転させる。具体的には、C
PU31は当該モータ26〜29に係るリレースイッチ
33a〜33hに駆動信号を出力して同モータ26〜2
9を正転させる。
【0036】次に、CPU31はステップ203に移行
して、現在、メモリ記憶があるか、すなわちいずれかの
メモリ再生スイッチ21,22に対応するEEPROM
又はRAM等の指定アドレスにシート状態が記憶されて
いるか否かを判断する。そして、現在、メモリ記憶があ
ると判断されると、CPU31はステップ204に移行
してリップルパルスのエッジ入力があるか否かを判断す
る。
【0037】ステップ204においてリップルパルスの
エッジ入力があると判断されると、CPU31は当該モ
ータ26〜29の正転によりその現在位置(回転角度)
が移動したと判断してステップ205に移行する。そし
て、CPU31は、当該モータ26〜29のモータ現在
位置カウンタ値を「1」インクリメントしてステップ2
06に移行する。このモータ現在位置カウンタ値は、各
モータ26〜29ごとその回転に応じて個別にカウント
されてそれぞれ記憶されるもので、当該モータ26〜2
9が正転するほど大きくなり、同逆転するほど小さくな
る。
【0038】一方、ステップ201において当該モータ
26〜29を逆転させると判断されると、CPU31は
ステップ207に移行して同モータ26〜29を逆転さ
せる。具体的には、CPU31は当該モータ26〜29
に係るリレースイッチ33a〜33hに駆動信号を出力
して同モータ26〜29を逆転させる。
【0039】次に、CPU31はステップ208に移行
して、現在、メモリ記憶があるか、すなわちいずれかの
メモリ再生スイッチ21,22に対応するEEPROM
又はRAM等の指定アドレスにシート状態が記憶されて
いるか否かを判断する。そして、現在、メモリ記憶があ
ると判断されると、CPU31はステップ209に移行
してリップルパルスのエッジ入力があるか否かを判断す
る。
【0040】ステップ209においてリップルパルスの
エッジ入力があると判断されると、CPU31は当該モ
ータ26〜29の逆転によりその現在位置(回転角度)
が移動したと判断してステップ210に移行する。そし
て、CPU31は、当該モータ26〜29のモータ現在
位置カウンタ値を「1」デクリメントしてステップ20
6に移行する。
【0041】ステップ206においてCPU31は、当
該モータ26〜29のリップルパルスエッジ間カウンタ
値をクリアする。このリップルパルスエッジ間カウンタ
値は、各モータ26〜29ごとに個別にカウントされて
それぞれ記憶されるもので、当該モータ26〜29に関
してリップルパルスのエッジ入力がある都度にクリアさ
れるとともに、次のエッジ入力があるまで、演算周期の
都度に「1」インクリメントされる。従って、このリッ
プルパルスエッジ間カウンタ値は、当該モータ26〜2
9に係る前回のリップルパルスのエッジ入力からの経過
時間に相当するもので、同カウンタ値が大きいほど同経
過時間が長いことを示し、反対に同カウンタ値が小さい
ほど同経過時間が短いことを示す。特に、このリップル
パルスエッジ間カウンタ値がクリアされる直前のカウン
タ値は、リップルパルスの連続するエッジ入力間の時間
に相当する。そして、このときのカウンタ値が大きいほ
ど同時間が長く当該モータ26〜29の回転速度が遅い
ことを示し、反対に同カウンタ値が小さいほど同時間が
短く当該モータ26〜29の回転速度が速いことを示
す。
【0042】ステップ203若しくはステップ208に
おいて、現在、メモリ記憶がないと判断し、又は、ステ
ップ206において当該モータ26〜29のリップルパ
ルスエッジ間カウンタ値をクリアすると、CPU31は
図5のステップ217に移行する。そして、ステップ2
17においてCPU31は、当該スイッチ12〜19が
未だオンか否かを判断する。ここで、当該スイッチ12
〜19がオンと判断されるとCPU31は図4のステッ
プ201に戻り、オフと判断されるとCPU31は図3
のメインルーチンに戻ってステップ101以降の処理を
繰り返す。
【0043】ステップ204若しくはステップ209に
おいてエッジ入力がないと判断されると、CPU31は
ステップ211に移行して当該モータ26〜29のリッ
プルパルスエッジ間カウンタ値を「1」インクリメント
してステップ212に移行する。そして、このときのリ
ップルパルスエッジ間カウンタ値が図8に示す所定回転
速度No相当の所定カウンタ値CNo以上か否かを判断
する。なお、上記所定回転速度Noは、モータ26〜2
9に許容された使用条件においてモータ電流に含まれる
リップル成分(リップルパルス)を検出可能な回転速度
に基づき設定されている。これは、モータ26〜29の
回転速度が小さく、これに伴ってモータ電流が大きくな
ると、相対的にリップル成分の割合が小さくなってノイ
ズとの区別が困難になることによる。換言すると、モー
タ26〜29の回転速度が上記所定回転速度Noよりも
大きく、リップルパルスエッジ間カウンタ値が所定カウ
ンタ値CNoよりも小さければ、通常の使用条件におい
てモータ電流に含まれるリップル成分(リップルパル
ス)は検出可能である。
【0044】ここで、当該モータ26〜29のリップル
パルスエッジ間カウンタ値が所定カウンタ値CNoより
小さいと判断されると、CPU31はモータ26〜29
の回転速度が上記所定回転速度Noよりも大きいと判定
して図5のステップ217に移行する。そして、ステッ
プ217においてCPU31は、当該スイッチ12〜1
9が未だオンか否かを判断する。ここで、当該スイッチ
12〜19がオンと判断されるとCPU31は図4のス
テップ201に戻り、オフと判断されるとCPU31は
図3のメインルーチンに戻ってステップ101以降の処
理を繰り返す。
【0045】一方、ステップ212において当該モータ
26〜29のリップルパルスエッジ間カウンタ値が所定
カウンタ値CNo以上と判断されると、CPU31はモ
ータ26〜29の回転速度が上記所定回転速度No以下
と判定して図5のステップ213に移行する。
【0046】ステップ213においてCPU31は、前
記モータ電流検出回路35を介して検出した当該モータ
26〜29のモータ電流Iが所定モータ電流I1以上か
否かを判断する。図8に示すように、この所定モータ電
流I1は、前記動作保証範囲内の最低電圧Vminにて
駆動したときの上記所定回転速度Noにおけるモータ電
流に相当する。従って、バッテリ11の駆動電圧Vが上
記最低電圧Vmin以上であることを条件にこの制御が
実行されることから、CPU31は実質的に検出された
モータ電流I及び駆動電圧Vが、図8にハッチングして
示す領域内にあるか否かを判断している。このハッチン
グして示す領域は、当該モータ26〜29が所定回転速
度Noで回転するときの駆動電圧V及びモータ電流Iの
関係を示す直線に区画された下側の領域に含まれる。従
って、CPU31は、リップルパルス検出回路34を介
して検出した当該モータ26〜29の回転速度が上記所
定回転速度Noを超えるべき領域内にあるか否かを判断
している。
【0047】ここで、上記モータ電流Iが所定モータ電
流I1以上と判断されると、CPU31は当該モータ2
6〜29の回転速度が小さく、これに伴ってモータ電流
が大きく、リップル成分の検出が困難な状態と判定して
ステップ214に移行する。そして、ステップ214に
おいて、CPU31は当該モータ26〜29を停止す
る。次いで、CPU31はステップ216に移行して、
当該スイッチ12〜19がオフされたか否かを判断す
る。ここで、当該スイッチ12〜19がオンと判断され
ると、CPU31は同スイッチ12〜19がオフされる
までステップ216の処理を繰り返し、オフと判断され
るとCPU31は図3のメインルーチンに戻ってステッ
プ101以降の処理を繰り返す。
【0048】一方、ステップ213において上記モータ
電流Iが所定モータ電流I1未満と判断されると、CP
U31は当該モータ26〜29の回転速度が十分に大き
く、これに伴ってモータ電流が小さく、本来は当該モー
タ26〜29のリップル成分が検出可能な状態と判定す
る。換言すると、CPU31は当該モータ26〜29の
リップル成分が検出可能な状態にあり、検出した回転速
度が上記所定回転速度Noを超えるべき領域内にあるに
も関わらずステップ212において十分な回転速度が検
出されていないと判定する。そして、例えば当該モータ
26〜29の使用回数の増加に伴うコンミテータ(整流
子)の目詰まり、界磁である永久磁石の減磁等により当
該モータ26〜29のモータ電流に含まれるリップル成
分が半永久的に減少したものとして、CPU31はステ
ップ215に移行する。ここで、CPU31はEEPR
OMに記憶されたメモリ再生スイッチ21,22に対応
するシート状態(モータ26〜29の再生位置)をクリ
アする。これは、モータ26〜29のリップル成分の半
永久的な減少に伴い同成分に基づくその位置及び回転速
度検出が困難になったことで、メモリ再生の機能(リッ
プルパルスに基づく位置検出、位置決め等)を作動不能
にするためである。これにより、不要なメモリ再生の繰
り返しが排除される。ちなみに、この状態ではマニュア
ル操作に係るスイッチ12〜19のみによりモータ26
〜29の駆動が許容されるようになっている。
【0049】次いで、CPU31はステップ217に移
行して、当該スイッチ12〜19が未だオンか否かを判
断する。ここで、当該スイッチ12〜19がオンと判断
されるとCPU31は図4のステップ201に戻り、オ
フと判断されるとCPU31は図3のメインルーチンに
戻ってステップ101以降の処理を繰り返す。
【0050】ステップ101において、マニュアル操作
に係る全てのスイッチ12〜19がオフと判断される
と、CPU31はステップ102に移行して前記記憶ス
イッチ23がオンか否かを判断する。ここで、記憶スイ
ッチ23がオンと判断されると、CPU31はステップ
103に移行してメモリ再生に係るいずれかのスイッチ
21,22がオンか否かを判断する。
【0051】そして、いずれかのスイッチ21,22が
オンと判断されると、CPU31はステップ104に移
行して、各モータ26〜29の現在位置(シート状態)
に相当する現在位置カウンタ値を再生位置カウンタ値と
してEEPROM又はRAM等の対応する指定アドレス
に記憶する。すなわち、メモリ再生に係るいずれかのス
イッチ21,22及び記憶スイッチ23をともにオンす
る操作は、各モータ26〜29の現在位置カウンタ値を
再生位置カウンタ値としてEEPROMの対応する指定
アドレスに記憶する操作となっている。
【0052】ステップ103においてメモリ再生に係る
全てのスイッチ21,22がオフと判断されると、CP
U31はそのままステップ101以降の処理を繰り返
す。一方、ステップ102において記憶スイッチ23が
オフと判断されると、CPU31はステップ105に移
行してメモリ再生に係るいずれかのスイッチ21,22
がオンか否かを判断する。ここで、メモリ再生に係る全
てのスイッチ21,22がオフと判断されると、CPU
31はステップ106に移行してモータ26〜29を停
止する(或いは、停止させたままとする)。また、メモ
リ再生に係るいずれかのスイッチ21,22がオンと判
断されると、CPU31はステップ300に移行して、
図6及び図7に示すメモリ再生作動処理のサブルーチン
に移行する。
【0053】そして、ステップ301においてCPU3
1は、オンされたスイッチ21,22に対応して記憶さ
れた各モータ26〜29の再生位置カウンタ値をEEP
ROM又はRAM等の指定アドレスから読み込み、これ
に各モータ26〜29の現在位置カウンタ値が一致する
か否かを順次判断する。ここで、全てのモータ26〜2
9の現在位置カウンタ値が、同再生位置カウンタ値に一
致すると判断されると、CPU31は図7のステップ3
14に移行してモータ26〜29を停止する(或いは、
停止させたままとする)。そして、CPU31は図3の
メインルーチンに戻ってステップ101以降の処理を繰
り返す。
【0054】また、いずれかのモータ26〜29の現在
位置カウンタ値が、同再生位置カウンタ値に一致しない
と判断されると、CPU31はステップ302に移行し
て当該モータ26〜29の再生位置カウンタ値と同現在
位置カウンタ値との差が正か負かを判断する。
【0055】ここで、当該モータ26〜29の再生位置
カウンタ値と同現在位置カウンタ値との差が正であると
判断されると、CPU31はステップ303に移行して
当該モータ26〜29を正転させる。具体的には、CP
U31は当該モータ26〜29に係るリレースイッチ3
3a〜33hに駆動信号を出力して同モータ26〜29
を正転させる。次いで、CPU31はステップ304に
移行して当該モータ26〜29のリップルパルスのエッ
ジ入力があるか否かを判断する。
【0056】ステップ304において当該モータ26〜
29のリップルパルスのエッジ入力があると判断される
と、CPU31は当該モータ26〜29の正転によりモ
ータの現在位置(回転角度)が移動したと判断してステ
ップ305に移行する。そして、CPU31は、当該モ
ータ26〜29の前記モータ現在位置カウンタ値を
「1」インクリメントしてステップ306に移行する。
そして、CPU31は当該モータ26〜29の前記リッ
プルパルスエッジ間カウンタ値をクリアする。
【0057】一方、ステップ302において当該モータ
26〜29の再生位置カウンタ値と同現在位置カウンタ
値との差が負であると判断されると、CPU31はステ
ップ307に移行して同モータ26〜29を逆転させ
る。具体的には、CPU31は当該モータ26〜29に
係るリレースイッチ33a〜33hに駆動信号を出力し
て同モータ26〜29を逆転させる。
【0058】次に、CPU31はステップ308に移行
して当該モータ26〜29のリップルパルスのエッジ入
力があるか否かを判断する。ステップ308において当
該モータ26〜29のリップルパルスのエッジ入力があ
ると判断されると、CPU31は当該モータ26〜29
の逆転によりモータの現在位置(回転角度)が移動した
と判断してステップ309に移行する。そして、CPU
31は、当該モータ26〜29の上記モータ現在位置カ
ウンタ値を「1」デクリメントしてステップ306に移
行する。そして、CPU31は当該モータ26〜29の
前記リップルパルスエッジ間カウンタ値をクリアする。
【0059】ステップ306において当該モータ26〜
29のリップルパルスエッジ間カウンタ値をクリアする
と、CPU31はステップ301に戻って全てのモータ
26〜29の現在位置カウンタ値が、同再生位置カウン
タ値に一致するまで同様の処理を繰り返す。
【0060】ステップ304若しくはステップ308に
おいて当該モータ26〜29のエッジ入力がないと判断
されると、CPU31はステップ310に移行して当該
モータ26〜29の上記リップルパルスエッジ間カウン
タ値を「1」インクリメントしてステップ311に移行
する。そして、このときのリップルパルスエッジ間カウ
ンタ値が前記所定カウンタ値CNo以上か否かを判断す
る。
【0061】ここで、リップルパルスエッジ間カウンタ
値が所定カウンタ値CNoより小さいと判断されると、
CPU31は当該モータ26〜29の回転速度が上記所
定回転速度Noよりも大きいと判定し、ステップ301
に戻って同様の処理を繰り返す。
【0062】一方、ステップ311においてリップルパ
ルスエッジ間カウンタ値が所定カウンタ値CNo以上と
判断されると、CPU31は当該モータ26〜29の回
転速度が上記所定回転速度No以下と判定して図7のス
テップ312に移行する。
【0063】ステップ312においてCPU31は、前
記モータ電流検出回路35を介して検出した当該モータ
26〜29のモータ電流Iが前記所定モータ電流I1以
上か否かを判断する。
【0064】ここで、上記モータ電流Iが所定モータ電
流I1以上と判断されると、CPU31は当該モータ2
6〜29の回転速度が小さく、これに伴ってモータ電流
が大きく、リップル成分の検出が困難な状態と判定して
ステップ314に移行する。そして、ステップ314に
おいてCPU31は、メモリ再生を中断して当該モータ
26〜29を停止する。そして、CPU31は図3のメ
インルーチンに戻ってステップ101以降の処理を繰り
返す。
【0065】一方、ステップ312において上記モータ
電流Iが所定モータ電流I1未満と判断されると、CP
U31は当該モータ26〜29の回転速度が十分に大き
く、これに伴ってモータ電流が小さく、本来は当該モー
タ26〜29のリップル成分が検出可能な状態と判定す
る。換言すると、CPU31は当該モータ26〜29の
リップル成分が検出可能な状態にあり、検出されたモー
タ電流I(及び駆動電圧V)が上記所定回転速度Noを
超えるべき領域内にあるにも関わらずステップ311に
おいて十分な回転速度が検出されていないと判定する。
そして、例えば当該モータ26〜29の使用回数の増加
に伴うコンミテータ(整流子)の目詰まり、界磁である
永久磁石の減磁等によりモータ電流に含まれるリップル
成分が半永久的に減少したものとして、CPU31はス
テップ313に移行する。ここで、CPU31はEEP
ROM又はRAM等に記憶されたメモリ再生スイッチ2
1,22に対応するシート状態(モータ26〜29の再
生位置カウンタ値)をクリアする。
【0066】次いで、CPU31はステップ314に移
行して、当該モータ26〜29を停止する。そして、C
PU31は図3のメインルーチンに戻ってステップ10
1以降の処理を繰り返す。
【0067】以上詳述したように、本実施形態によれ
ば、以下に示す効果が得られるようになる。 (1)本実施形態では、CPU31により、検出された
モータ26〜29の回転速度が上記所定回転速度Noを
超えたか否かが判断される。そして、検出されたモータ
26〜29の回転速度が上記所定回転速度Noを超えな
いと判断されると、CPU31により、検出されたモー
タ電流I及び駆動電圧Vが上記所定回転速度Noを超え
るべき領域内にあるか否かが判断される。このとき、検
出されたモータ電流I及び駆動電圧Vが上記所定回転速
度Noを超えるべき領域内にあると判断されると、CP
U31は上記リップルパルス検出回路34によるリップ
ル成分(リップルパルス)の検出を異常と判定する。具
体的には、例えば当該モータ26〜29の使用回数の増
加に伴うコンミテータ(整流子)の目詰まり、界磁であ
る永久磁石の減磁等により半永久的にモータ電流に含ま
れるリップル成分が減少したものと判定する。従って、
上記リップル成分(リップルパルス)に基づくモータ2
6〜29の誤った回転状態(回転位置及び回転速度)の
検出を回避できる。特に、CPU31はEEPROM又
はRAM等に記憶されたメモリ再生スイッチ21,22
に対応するシート状態(モータ26〜29の再生位置)
をクリアしてメモリ再生の機能を作動不能にすること
で、不要なメモリ再生の繰り返しも排除できる。
【0068】(2)本実施形態では、CPU31により
判断される領域は、検出された駆動電圧Vが動作保証範
囲内の最低電圧Vmin以上の領域であり、且つ、検出
されたモータ電流Iが動作保証範囲内の最低電圧Vmi
nにてモータ26〜29を駆動したときの上記所定回転
速度Noにおけるモータ電流I1未満の領域とされる。
従って、CPU31による領域判断は、検出された駆動
電圧V及びモータ電流Iと特定の電圧(動作保証範囲内
の最低電圧Vmin)及びこれに対応する特定のモータ
電流I1とを大小比較するのみであることから、領域判
断のための演算負荷を軽減できる。
【0069】(3)本実施形態では、CPU31により
判断される領域は、検出された駆動電圧Vが動作保証範
囲内の最低電圧Vmin以上の領域とされる。従って、
動作保証外の不安定な状態でのリップル成分(リップル
パルス)の検出の異常判定を回避できる。
【0070】(4)本実施形態では、上記所定回転速度
Noは、正常時においてリップルパルス検出回路34が
リップル成分(リップルパルス)を検出可能な回転速度
に設定される。このことから、モータ26〜29の低速
回転時におけるノイズの影響が緩和されて、リップル成
分(リップルパルス)の検出の異常判定を好適に行うこ
とができる。
【0071】(5)本実施形態では、検出されたモータ
電流I及び駆動電圧Vが前記所定回転速度Noを超える
べき領域内にないと判断されたとき、モータ26〜29
を停止した。従って、モータ26〜29の低速回転に起
因するリップル成分の検出不可の状態での同モータ26
〜29の駆動の継続を回避できる。そして、このような
状態でのモータ26〜29の駆動の継続による誤った回
転位置及び回転速度の検出も回避できる。
【0072】なお、本発明の実施の形態は上記実施形態
に限定されるものではなく、次のように変更してもよ
い。 ・前記実施形態においては、モータ26〜29の回転速
度としてリップルパルスエッジ間カウンタ値を利用した
が、例えば連続するリップルパルスのエッジ入力間の時
間をタイマカウンタなどで別途カウントして、これをモ
ータ26〜29の回転速度として利用してもよい。
【0073】・前記実施形態において、直流モータ(モ
ータ26〜29)のモータ電流とモータトルクは略比例
関係にあることから、同モータ電流をモータトルクに代
えて実質的に同様の処理を行ったとしても、本発明を何
ら逸脱するものではない。
【0074】・前記実施形態において、検出されたモー
タ26〜29の回転速度(リップルパルスエッジ間カウ
ンタ値)の変化に基づく可動部材の挟み込み検知の機能
を付加してもよい。
【0075】・前記実施形態においては、回転駆動され
たいずれかのモータ26〜29を流れる電流(モータ電
流)に略比例する抵抗Rfの入力端の電位をモータ電流
検出回路35にて増幅して電流検出信号を生成し、この
電流検出信号をCPU31に入力することで当該モータ
26〜29を流れる電流を検出した。これに対して、上
記モータ電流に略比例する抵抗Rfの入力端の電位をク
ロック発生回路43の増幅回路にて増幅して上記電流検
出信号に準じた信号を生成し、この信号をCPU31に
入力することで当該モータ26〜29を流れる電流を検
出してもよい。このように変更することで、前記実施形
態と同様の効果に加え、部品点数(回路数)の削減が可
能となる。
【0076】・前記実施形態におけるリップルパルス検
出回路34の回路構成は一例であってその他の回路構成
を採用してもよい。要は、モータ電流に含まれるリップ
ル成分に基づきリップルパルスを生成できればよい。ま
た、直流モータの回転状態を検出しうる十分な精度を有
するのであれば、必ずしもリップルパルスを生成する必
要はなく、リップル成分から直接回転状態を検出する回
路構成としてもよい。
【0077】・前記実施形態におけるスイッチ12〜1
9及びこれに対応するモータ26〜29の組み合わせは
一例であって、適宜割愛したり追加したりしてもよい。 ・前記実施形態においては、車両のメモリシートに本発
明を適用したが、例えばパワーウィンドレギュレータ、
サンルーフといった装置に適用してもよい。また、車両
に限らず、直流モータにより回転駆動されるその他の装
置に適用してもよい。
【0078】次に、以上の実施形態から把握することが
できる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以
下に記載する。 (イ)請求項1〜3のいずれかに記載の直流モータの回
転状態検出装置において、前記所定回転速度は、正常時
において前記リップル検出手段がリップル成分を検出可
能な回転速度に設定されたことを特徴とする直流モータ
の回転状態検出装置。同構成によれば、上記所定回転速
度が、正常時においてリップル検出手段がリップル成分
を検出可能な回転速度に設定されることから、直流モー
タの低速回転時におけるノイズの影響が緩和されて判定
手段によるリップル成分の異常判定が好適になされる。
【0079】(ロ)上記(イ)に記載の直流モータの回
転状態検出装置において、前記第2判断手段により前記
検出されたモータ電流及び駆動電圧が前記所定回転速度
を超えるべき領域内にないと判断されたとき、前記直流
モータを停止することを特徴とする直流モータの回転状
態検出装置。同構成によれば、直流モータの低速回転に
起因するリップル成分の検出不可の状態での同モータの
駆動の継続が回避される。そして、このような状態での
直流モータの駆動の継続による誤った回転位置及び回転
速度の検出も回避される。
【0080】
【発明の効果】以上詳述したように、請求項1に記載の
発明によれば、直流モータのモータ電流に含まれるリッ
プル成分の減少時において、誤った回転状態の検出を回
避することができる。
【0081】請求項2に記載の発明によれば、動作保証
外の不安定な状態での上記リップル成分の異常判定を回
避できる。請求項3に記載の発明によれば、領域判断の
ための演算負荷を軽減できる。また、動作保証外の不安
定な状態での上記リップル成分の異常判定を回避でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用されるメモリシート
の電気的構成を示すブロック図。
【図2】リップルパルス検出回路の電気的構成を示すブ
ロック図。
【図3】同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
【図4】同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
【図5】同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
【図6】同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
【図7】同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
【図8】同実施形態のモータ電流及び駆動電圧との関係
を示すグラフ。
【符号の説明】
11 バッテリ 26〜29 直流モータとしてのモータ 30 コントローラ 31 CPU 34 リップル検出手段としてのリップルパルス検出回
路 35 モータ電流検出手段としてのモータ電流検出回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 門谷 秀俊 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機 株式会社内 (72)発明者 野田 耕平 愛知県刈谷市朝日町2丁目1番地 アイシ ン精機 株式会社内 Fターム(参考) 2G016 BA04 BB02 BB07 BC00 BD06 BD07 BD08 BD10 5H571 AA03 BB10 CC04 EE02 GG04 HD01 JJ03 KK05 LL14 MM01

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 直流モータの駆動電圧を検出する駆動
    電圧検出手段と、 前記直流モータを流れる電流を検出するモータ電流検出
    手段と、 前記検出されたモータ電流に基づきリップル成分を検出
    するリップル検出手段と、 前記検出されたリップル成分に基づき前記直流モータの
    回転速度を検出する回転速度検出手段と、 前記検出された回転速度が所定回転速度を超えたか否か
    を判断する第1判断手段と、 前記第1判断手段により前記検出された回転速度が前記
    所定回転速度を超えないと判断されたとき、前記検出さ
    れたモータ電流及び駆動電圧が該所定回転速度を超える
    べき領域内にあるか否かを判断する第2判断手段と、 前記第2判断手段により前記検出されたモータ電流及び
    駆動電圧が前記所定回転速度を超えるべき領域内にある
    と判断されたとき、前記リップル検出手段によるリップ
    ル成分の検出を異常判定する判定手段とを備えたことを
    特徴とする直流モータの回転状態検出装置。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の直流モータの回転状
    態検出装置において、 前記第2判断手段により判断される領域は、前記検出さ
    れた駆動電圧が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域で
    あることを特徴とする直流モータの回転状態検出装置。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の直流モータの回転状
    態検出装置において、 前記第2判断手段により判断される領域は、前記検出さ
    れた駆動電圧が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域で
    あり、且つ、前記検出されたモータ電流が該動作保証範
    囲内の最低電圧にて前記直流モータを駆動したときの前
    記所定回転速度におけるモータ電流未満の領域であるこ
    とを特徴とする直流モータの回転状態検出装置。
JP2001347480A 2001-11-13 2001-11-13 直流モータの回転状態検出装置 Expired - Fee Related JP3888133B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001347480A JP3888133B2 (ja) 2001-11-13 2001-11-13 直流モータの回転状態検出装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2001347480A JP3888133B2 (ja) 2001-11-13 2001-11-13 直流モータの回転状態検出装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2003153571A true JP2003153571A (ja) 2003-05-23
JP3888133B2 JP3888133B2 (ja) 2007-02-28

Family

ID=19160476

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2001347480A Expired - Fee Related JP3888133B2 (ja) 2001-11-13 2001-11-13 直流モータの回転状態検出装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3888133B2 (ja)

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006187193A (ja) * 2004-12-24 2006-07-13 Siminor Technologies Castres Sarl ローラーブラインド用の駆動電動機のシャフトの位置を判定する方法
JP2007236032A (ja) * 2006-02-27 2007-09-13 Toyota Motor Corp モータのリップル検出装置および回転数検出装置
JP2010045953A (ja) * 2008-08-18 2010-02-25 Aisin Seiki Co Ltd 直流モータの回転状態検出装置及び直流モータの制御装置
WO2010033460A2 (en) * 2008-09-16 2010-03-25 Kelsey-Hayes Company Method and apparatus for controlling the position of an electric motor
KR100978508B1 (ko) 2008-04-03 2010-08-27 주식회사 티에스에이 자동차의 연료 펌프용 브러쉬 타입의 직류 모터의 구동장치 및 그 제어 방법
US11283380B2 (en) 2019-08-06 2022-03-22 Conti Temic Microelectronic Gmbh Method and device for determining the rotational speed and the angle of rotation of a motor shaft of a mechanically commutated DC motor

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006187193A (ja) * 2004-12-24 2006-07-13 Siminor Technologies Castres Sarl ローラーブラインド用の駆動電動機のシャフトの位置を判定する方法
JP2007236032A (ja) * 2006-02-27 2007-09-13 Toyota Motor Corp モータのリップル検出装置および回転数検出装置
KR100978508B1 (ko) 2008-04-03 2010-08-27 주식회사 티에스에이 자동차의 연료 펌프용 브러쉬 타입의 직류 모터의 구동장치 및 그 제어 방법
JP2010045953A (ja) * 2008-08-18 2010-02-25 Aisin Seiki Co Ltd 直流モータの回転状態検出装置及び直流モータの制御装置
WO2010033460A2 (en) * 2008-09-16 2010-03-25 Kelsey-Hayes Company Method and apparatus for controlling the position of an electric motor
WO2010033460A3 (en) * 2008-09-16 2010-06-10 Kelsey-Hayes Company Method and apparatus for controlling the position of an electric motor
US8571394B2 (en) 2008-09-16 2013-10-29 Kelsey-Hayes Company Method and apparatus for controlling the position of an electric motor
US11283380B2 (en) 2019-08-06 2022-03-22 Conti Temic Microelectronic Gmbh Method and device for determining the rotational speed and the angle of rotation of a motor shaft of a mechanically commutated DC motor

Also Published As

Publication number Publication date
JP3888133B2 (ja) 2007-02-28

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3547523B2 (ja) 自動車付属品に用いられる直流電動機を制御するためのインテリジェントコミュテーションパルス検出システム
US7474068B2 (en) Position detection and external driver multiplexing system for DC motors
JP3931732B2 (ja) 開閉体の挟み込み検知装置
US7589487B2 (en) Method of selectable simultaneous/sequential motor drive in a multiple drive circuit including failure detection
JP2837528B2 (ja) 電動機巻線電流の制御方法および制御装置並びに制御信号発生装置
JP3917803B2 (ja) パワーウインド装置
CN109856537B (zh) 一种单比较器的bldc控制电路的堵转检测方法及系统
JP2003153571A (ja) 直流モータの回転状態検出装置
US7352145B2 (en) Voltage-sensitive oscillator frequency for rotor position detection scheme
US7180257B1 (en) Method of brake pulse rejection in commutation pulse detection circuits
JP5348460B2 (ja) 状態記憶制御装置
JP4510409B2 (ja) ウインドウガラスの挟持有無検出装置
JP3722675B2 (ja) パワーウインド装置及びその制御方法
KR101905954B1 (ko) 리플 전류 센싱형 모터 제어 장치 및 방법
JP2002325475A (ja) モータの制御装置
JP2000166275A (ja) 電流リプル検出によるサーボ制御装置
JP5261070B2 (ja) 直流モータの回転状態検出装置及び直流モータの制御装置
US20070138987A1 (en) Apparatus and method for driving motor
JP2000087645A (ja) パワーウインド装置
JP4200921B2 (ja) 車両用ミラー装置
KR20000039648A (ko) 협착 사고 방지 기능을 갖는 차량 파워 윈도우 제어 장치
JP2008220087A (ja) モータ駆動装置および方法
JP2005020812A (ja) モータの回転量検出装置及び位置制御装置
JP2023013137A (ja) 車両用挟み込み検知装置
JP5470889B2 (ja) モータの制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20040902

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20061026

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20061107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20061120

R151 Written notification of patent or utility model registration

Ref document number: 3888133

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101208

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111208

Year of fee payment: 5

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121208

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121208

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20131208

Year of fee payment: 7

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees