JP3888133B2 - 直流モータの回転状態検出装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ブラシを有する直流モータにおいて、モータ電流に含まれるリップル成分に基づき該直流モータの回転状態を検出する直流モータの回転状態検出装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、例えば車両のメモリシートや、パワーウィンドレギュレータ、サンルーフといった装置(車載機能部品)における可動部材の駆動用に直流モータが使用されている。こうした装置においては、直流モータの回転状態を検出して、可動部材の位置制御やその挟み込み制御といった各種制御を行っている。具体的には、モータの回転角度(位置)に基づき可動部材の位置制御を行ったり、モータの回転速度の変化に基づき可動部材の挟み込み検出・制御を行ったりしている。
【0003】
こうした直流モータの回転状態の検出方法としては種々のものが提案されており、例えば特開2000−333485号公報に記載されたものが本出願人により提案されている。同公報に記載の方法では、ブラシを有する直流モータの電流(モータ電流)に含まれる回転に応じたリップル成分に基づきパルス信号(リップルパルス)を生成し、このパルス信号に基づき直流モータの回転状態を検出している。なお、このリップル成分は、直流モータの回転に伴いコンミテータ(整流子)の複数あるセグメント(整流子片)がブラシを通過する際に接続されるコイル数の変化に起因して発生するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、こうしたモータ電流に含まれるリップル成分は、当該モータの使用回数の増加に伴うコンミテータの目詰まり、界磁である永久磁石の減磁等により半永久的に減少することがある。このとき、上記リップル成分の減少によってリップルパルスの確実な生成が困難となり、パルス飛びが発生してしまう。そして、このようなリップルパルスに基づき直流モータの回転状態が検出されることで、例えばモータロックと誤判定されてモータが停止することがある。
【0005】
本発明の目的は、ブラシを有する直流モータのモータ電流に含まれるリップル成分の減少時において、誤った回転状態の検出を回避することができる直流モータの回転状態検出装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するために、請求項1に記載の発明は、直流モータの駆動電圧を検出する駆動電圧検出手段と、前記直流モータを流れる電流を検出するモータ電流検出手段と、前記検出されたモータ電流に基づきリップル成分を検出するリップル検出手段と、前記検出されたリップル成分に基づき前記直流モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、前記検出された回転速度が所定回転速度を超えたか否かを判断する第1判断手段と、前記第1判断手段により前記検出された回転速度が前記所定回転速度を超えないと判断されたとき、前記検出されたモータ電流及び駆動電圧が該所定回転速度を超えるべき領域内にあるか否かを判断する第2判断手段と、前記第2判断手段により前記検出されたモータ電流及び駆動電圧が前記所定回転速度を超えるべき領域内にあると判断されたとき、前記リップル検出手段によるリップル成分の検出を異常判定する判定手段とを備えたことを要旨とする。
【0007】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の直流モータの回転状態検出装置において、前記第2判断手段により判断される領域は、前記検出された駆動電圧が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域であることを要旨とする。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の直流モータの回転状態検出装置において、前記第2判断手段により判断される領域は、前記検出された駆動電圧が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域であり、且つ、前記検出されたモータ電流が該動作保証範囲内の最低電圧にて前記直流モータを駆動したときの前記所定回転速度におけるモータ電流未満の領域であることを要旨とする。
【0009】
(作用)
一般に、直流モータの回転速度Nは下式のように表される。
N=(V−IR)/kΦ
ただし、Vは直流モータの駆動電圧、Iはモータ電流、Rは電機子コイルの抵抗、Φは界磁である永久磁石の主磁束量である。なお、kは当該モータの設計に応じた固有の定数である。
【0010】
従って、直流モータの駆動電圧V及びモータ電流Iが検出されれば、これに対応して検出されるべき直流モータの回転速度が概ね推測される。
図8は、上式に基づき直流モータが所定回転速度Noで回転するときの駆動電圧V及びモータ電流Iの関係を示すグラフである。同図から明らかなように、直流モータの回転速度が一定(No)であるときの駆動電圧V及びモータ電流Iは比例関係を有する。そして、この駆動電圧V及びモータ電流Iの関係を示す直線に区画された下側の領域は上記所定回転速度Noを超えるべき領域であり、同上側の領域は上記所定回転速度Noを下回るべき領域である。従って、検出された直流モータの駆動電圧V及びモータ電流Iが上記直線に区画された下側の領域にあってそのときの回転速度が上記所定回転速度Noを超えるべきとき、同回転速度Noと実際に検出された回転速度とを比較することで、回転速度の検出が正常に行われているか否かを判断しうる。
【0011】
請求項1に記載の発明によれば、第1判断手段により検出された回転速度が上記所定回転速度を超えたか否かが判断される。そして、検出された回転速度が上記所定回転速度を超えないと判断されると、第2判断手段により検出されたモータ電流及び駆動電圧が、上記所定回転速度を超えるべき領域内にあるか否かが判断される。このとき、検出されたモータ電流及び駆動電圧が上記所定回転速度を超えるべき領域内にあると判断されると、上記リップル検出手段によるリップル成分の検出が異常判定される。
【0012】
モータ電流に含まれるリップル成分は、例えば当該モータの使用回数の増加に伴うコンミテータ(整流子)の目詰まり、界磁である永久磁石の減磁等により半永久的に減少することがある。このとき、モータ電流からのリップル成分の検出が困難となり、同成分の検出不足のためにこれに基づく回転速度が実際の回転速度よりも小さく検出されることになる。このような現象を鑑みて、検出されたモータ電流及び駆動電圧が上記所定回転速度を超えるべき領域内にあるにも関わらず、検出された回転速度が上記所定回転速度を超えない場合には上記リップル検出手段によるリップル成分の検出が異常判定される。このため、これに基づく直流モータの誤った回転状態(回転位置及び回転速度)の検出も回避される。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、上記第2判断手段により判断される領域は、検出された駆動電圧が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域とされる。従って、動作保証外の不安定な状態での上記異常判定が回避される。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、上記第2判断手段により判断される領域は、検出された駆動電圧が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域であり、且つ、前記検出されたモータ電流が動作保証範囲内の最低電圧にて直流モータを駆動したときの上記所定回転速度におけるモータ電流未満の領域とされる。この領域は、直流モータの回転速度が上記所定回転速度を超えるべき領域の一部に含まれている。換言すると、検出された駆動電圧及びモータ電流が上記領域内にあれば、直流モータの回転速度が上記所定回転速度を超えるべき領域内にあると判断しうる。従って、上記第2判断手段による領域判断は、検出された駆動電圧及びモータ電流と特定の電圧(動作保証範囲内の最低電圧)及びこれに対応する特定のモータ電流とを大小比較するのみであることから、領域判断のための演算負荷が軽減される。また、上記第2判断手段により判断される領域は、検出された駆動電圧が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域とされ、動作保証外の不安定な状態での上記異常判定が回避される。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態が適用される車両のメモリシートについて図1〜図8に従って説明する。なお、このメモリシートは、図示しない車両用シートのシートクッション、シートバック、ヘッドレスト等の対応する可動部材をモータ駆動してシート状態(位置)を着座者の体型に合わせるとともに、その状態をメモリに記憶するものである。そして、別の着座者が着座して当該シートのシート状態が変更されても、その後の簡単なスイッチ操作によって上記各可動部材を順次モータ駆動し、記憶された当初のシート状態を容易に再生するものである。
【0016】
図1は、本実施形態が適用されるメモリシートの電気的構成を示すブロック図である。同図に示されるように、このメモリシートはバッテリ11により給電されており、スライド前進スイッチ12、スライド後退スイッチ13、リクライニング前進スイッチ14、リクライニング後退スイッチ15、バーチカルフロント上昇スイッチ16、バーチカルフロント下降スイッチ17、リフタ上昇スイッチ18、リフタ下降スイッチ19、メモリ再生1スイッチ21、メモリ再生2スイッチ22、記憶スイッチ23、これらスイッチ等に基づき駆動(回転)制御されるブラシ付のスライドモータ26、リクライニングモータ27、バーチカルフロントモータ28、リフトモータ29及び制御態様等に応じてこれらモータの制御を行うコントローラ30を備えている。
【0017】
上記スライド前進スイッチ12及びスライド後退スイッチ13は、着座者の操作により上記スライドモータ26を対応する方向に回転駆動して、それぞれシートクッションを前進又は後退させるためのスイッチである。また、上記リクライニング前進スイッチ14及びリクライニング後退スイッチ15は、着座者の操作により上記リクライニングモータ27を対応する方向に回転駆動して、それぞれシートバックを前方又は後方に倒すためのスイッチである。バーチカルフロント上昇スイッチ16及びバーチカルフロント下降スイッチ17は、着座者の操作により上記バーチカルフロントモータ28を対応する方向に回転駆動して、それぞれシートクッションの前部を上昇又は下降させるためのスイッチである。リフタ上昇スイッチ18及びリフタ下降スイッチ19は、着座者の操作により上記リフトモータ29を対応する方向に回転駆動して、それぞれシートクッション全体を上昇又は下降させるためのスイッチである。メモリ再生1スイッチ21及びメモリ再生2スイッチ22は、着座者の操作により上記モータ26〜29を順次回転駆動して、それぞれコントローラ30内に予め記憶されたシート状態を再生するためのスイッチである。記憶スイッチ23は、所定のシート状態(モータ26〜29の位置)において上記メモリ再生1スイッチ21若しくはメモリ再生2スイッチ22とともに操作されることで当該シート状態を対応するメモリに記憶させるためのスイッチである。
【0018】
上記コントローラ30は、CPU(中央演算処理装置)31、入力インターフェース32、リレースイッチ33a〜33h、リップルパルス検出回路34及びモータ電流検出回路35等により構成されている。また、コントローラ30は、各種プログラム及びマップ等を記憶したROM、各種データ等の読み書き可能なRAM、バックアップ電源なしてデータの保持が可能なEEPROM等を備えている(図示略)。なお、メモリ再生1スイッチ21若しくはメモリ再生2スイッチ22に対応して各シート状態を記憶するメモリは、EEPROM又はRAM等に設けられている。
【0019】
CPU31には上記入力インターフェース32を介して前記バッテリ11のプラス端子及びスイッチ12〜19,21〜23が接続されている。CPU31は、バッテリ11からの検出信号に基づきその電源電圧を駆動電圧Vとして検出するとともに、これらスイッチ12〜19,21〜23からの検出信号に基づきその操作状態を検出する。
【0020】
CPU31には上記リレースイッチ33a〜33hが接続されている。これらリレースイッチ33a〜33hは、通常は抵抗Rfを介してグランド側に接続されており、CPU31から駆動信号が出力されることで前記バッテリ11のプラス端子側に接続されるようになっている。
【0021】
前記スライドモータ26の一側及び他側端子はそれぞれリレースイッチ33a,33bに接続されており、CPU31からの駆動信号に応じて選択的にバッテリ11のプラス端子に接続され、若しくは抵抗Rfを介して接地されるようになっている。そして、スライドモータ26は、この接続状態に応じて正転又は逆転し、シートクッションを前進又は後退させる。
【0022】
また、前記リクライニングモータ27の一側及び他側端子はそれぞれリレースイッチ33c,33dに接続されており、CPU31からの駆動信号に応じて選択的にバッテリ11のプラス端子に接続され、若しくは抵抗Rfを介して接地されるようになっている。そして、リクライニングモータ27は、この接続状態に応じて正転又は逆転し、シートバックを前方又は後方に倒す。
【0023】
さらに、前記バーチカルフロントモータ28の一側及び他側端子はそれぞれリレースイッチ33e,33fに接続されており、CPU31からの駆動信号に応じて選択的にバッテリ11のプラス端子に接続され、若しくは抵抗Rfを介して接地されるようになっている。そして、バーチカルフロントモータ28は、この接続状態に応じて正転又は逆転し、シートクッションの前部を上昇又は下降させる。
【0024】
さらにまた、前記リフトモータ29の一側及び他側端子はそれぞれリレースイッチ33g,33hに接続されており、CPU31からの駆動信号に応じて選択的にバッテリ11のプラス端子に接続され、若しくは抵抗Rfを介して接地されるようになっている。そして、リフトモータ29は、この接続状態に応じて正転又は逆転し、シートクッション全体を上昇又は下降させる。
【0025】
また、CPU31には上記リップルパルス検出回路34が接続されて、後述の態様で生成されるリップルパルスが入力されている。CPU31は、このリップルパルスに基づき前記モータ26〜29の回転状態を個別に検出する。例えば、CPU31はいずれかのモータ26〜29からのリップルパルスのエッジ入力により同リップルパルスをカウントして当該モータ26〜29の回転角度(位置)を検出する。併せて、CPU31は前回のリップルパルスのエッジ入力から次のリップルパルスのエッジ入力までの演算周期数をカウントしてその回転速度を検出する。
【0026】
さらに、CPU31には上記モータ電流検出回路35が接続されている。このモータ電流検出回路35には上記抵抗Rfの入力端が接続されており、同モータ電流検出回路35は回転駆動されたいずれかのモータ26〜29を流れる電流(モータ電流)に略比例する同抵抗Rfの入力端の電位を増幅して電流検出信号を生成する。CPU31には上記電流検出信号が入力されており、CPU31はこの電流検出信号に基づき当該モータ26〜29を流れる電流をモータ電流Iとして検出する。
【0027】
図2は、上記リップルパルス検出回路34の電気的構成を示すブロック図である。同図に示されるように、このリップルパルス検出回路34は、スイッチト・キャパシタ・フィルタ41と、リップルパルス成形回路42と、クロック発生回路43とを備えている。
【0028】
上記スイッチト・キャパシタ・フィルタ41には前記抵抗Rfの入力端が接続されて、回転駆動されたいずれかのモータ26〜29を流れる電流に略比例する同抵抗Rfの入力端の電位が電圧信号であるモータ回転信号として入力されている。このモータ回転信号には、ブラシの有する直流モータ(モータ26〜29)に固有のリップル成分及びノイズが重畳されている。スイッチト・キャパシタ・フィルタ41は、上記クロック発生回路43からのクロック信号に基づきフィルタ定数が変化してフィルタ遮断周波数fcが変化するフィルタであって、上記モータ回転信号を通すことでノイズを除去するとともに、同クロック信号に載る信号を出力する。スイッチト・キャパシタ・フィルタ41は、上記クロック発生回路43によりクロック信号が後述の態様で生成されることで、リップル成分を含む信号を出力する。
【0029】
上記リップルパルス成形回路42は、スイッチト・キャパシタ・フィルタ41からの信号が入力されて、そのリップル成分に基づきリップルパルスを生成する。このリップルパルスがCPU31に入力されて、前記モータ26〜29の回転状態の検出に供されることは既述のとおりである。
【0030】
上記クロック発生回路43には前記バッテリ11と直列に接続された抵抗R1,R2の接続端が接続されて、同バッテリ11の電源電圧に略比例する同接続端の電位が電圧信号であるモータ駆動電圧信号として入力されている。また、このクロック発生回路43には上記モータ回転信号及びリップルパルス成形回路42からのリップルパルスも併せ入力されている。クロック発生回路43は、上記モータ回転信号、モータ駆動電圧信号及びリップルパルスを反映してクロック信号を生成する。
【0031】
従って、このクロック信号に基づきスイッチト・キャパシタ・フィルタ41のフィルタ遮断周波数fcが変化することで、リップルパルス成形回路42において当該モータ26〜29の回転状態の変化に追従した好適なリップルパルスが生成されるようになっている。
【0032】
次に、CPU31が実行するメモリシートの制御態様について、図3〜図8を参照して説明する。なお、図3〜図7は、コントローラ30の起動中にCPU31により繰り返される処理ルーチンを示すフローチャートである。このルーチンは、検出されたバッテリ11の駆動電圧Vが図8に示す動作保証範囲内の最低電圧Vmin以上であることを条件に実行される。
【0033】
処理がこのルーチンに移行すると、各種データの入力処理を行った後、まずステップ101においてCPU31は、マニュアル操作に係るいずれかのスイッチ12〜19がオンか否かを判断する。ここで、いずれかのスイッチ12〜19がオンと判断されると、CPU31はステップ200に移行して、図4及び図5に示すマニュアル作動処理のサブルーチンに移行する。
【0034】
そして、ステップ201においてCPU31は、オンされたスイッチ12〜19に基づき当該スイッチ12〜19に係るモータ26〜29を正転させるか逆転させるかを判断する。
【0035】
ここで、当該モータ26〜29を正転させると判断されると、CPU31はステップ202に移行して同モータ26〜29を正転させる。具体的には、CPU31は当該モータ26〜29に係るリレースイッチ33a〜33hに駆動信号を出力して同モータ26〜29を正転させる。
【0036】
次に、CPU31はステップ203に移行して、現在、メモリ記憶があるか、すなわちいずれかのメモリ再生スイッチ21,22に対応するEEPROM又はRAM等の指定アドレスにシート状態が記憶されているか否かを判断する。そして、現在、メモリ記憶があると判断されると、CPU31はステップ204に移行してリップルパルスのエッジ入力があるか否かを判断する。
【0037】
ステップ204においてリップルパルスのエッジ入力があると判断されると、CPU31は当該モータ26〜29の正転によりその現在位置(回転角度)が移動したと判断してステップ205に移行する。そして、CPU31は、当該モータ26〜29のモータ現在位置カウンタ値を「1」インクリメントしてステップ206に移行する。このモータ現在位置カウンタ値は、各モータ26〜29ごとその回転に応じて個別にカウントされてそれぞれ記憶されるもので、当該モータ26〜29が正転するほど大きくなり、同逆転するほど小さくなる。
【0038】
一方、ステップ201において当該モータ26〜29を逆転させると判断されると、CPU31はステップ207に移行して同モータ26〜29を逆転させる。具体的には、CPU31は当該モータ26〜29に係るリレースイッチ33a〜33hに駆動信号を出力して同モータ26〜29を逆転させる。
【0039】
次に、CPU31はステップ208に移行して、現在、メモリ記憶があるか、すなわちいずれかのメモリ再生スイッチ21,22に対応するEEPROM又はRAM等の指定アドレスにシート状態が記憶されているか否かを判断する。そして、現在、メモリ記憶があると判断されると、CPU31はステップ209に移行してリップルパルスのエッジ入力があるか否かを判断する。
【0040】
ステップ209においてリップルパルスのエッジ入力があると判断されると、CPU31は当該モータ26〜29の逆転によりその現在位置(回転角度)が移動したと判断してステップ210に移行する。そして、CPU31は、当該モータ26〜29のモータ現在位置カウンタ値を「1」デクリメントしてステップ206に移行する。
【0041】
ステップ206においてCPU31は、当該モータ26〜29のリップルパルスエッジ間カウンタ値をクリアする。このリップルパルスエッジ間カウンタ値は、各モータ26〜29ごとに個別にカウントされてそれぞれ記憶されるもので、当該モータ26〜29に関してリップルパルスのエッジ入力がある都度にクリアされるとともに、次のエッジ入力があるまで、演算周期の都度に「1」インクリメントされる。従って、このリップルパルスエッジ間カウンタ値は、当該モータ26〜29に係る前回のリップルパルスのエッジ入力からの経過時間に相当するもので、同カウンタ値が大きいほど同経過時間が長いことを示し、反対に同カウンタ値が小さいほど同経過時間が短いことを示す。特に、このリップルパルスエッジ間カウンタ値がクリアされる直前のカウンタ値は、リップルパルスの連続するエッジ入力間の時間に相当する。そして、このときのカウンタ値が大きいほど同時間が長く当該モータ26〜29の回転速度が遅いことを示し、反対に同カウンタ値が小さいほど同時間が短く当該モータ26〜29の回転速度が速いことを示す。
【0042】
ステップ203若しくはステップ208において、現在、メモリ記憶がないと判断し、又は、ステップ206において当該モータ26〜29のリップルパルスエッジ間カウンタ値をクリアすると、CPU31は図5のステップ217に移行する。そして、ステップ217においてCPU31は、当該スイッチ12〜19が未だオンか否かを判断する。ここで、当該スイッチ12〜19がオンと判断されるとCPU31は図4のステップ201に戻り、オフと判断されるとCPU31は図3のメインルーチンに戻ってステップ101以降の処理を繰り返す。
【0043】
ステップ204若しくはステップ209においてエッジ入力がないと判断されると、CPU31はステップ211に移行して当該モータ26〜29のリップルパルスエッジ間カウンタ値を「1」インクリメントしてステップ212に移行する。そして、このときのリップルパルスエッジ間カウンタ値が図8に示す所定回転速度No相当の所定カウンタ値CNo以上か否かを判断する。なお、上記所定回転速度Noは、モータ26〜29に許容された使用条件においてモータ電流に含まれるリップル成分(リップルパルス)を検出可能な回転速度に基づき設定されている。これは、モータ26〜29の回転速度が小さく、これに伴ってモータ電流が大きくなると、相対的にリップル成分の割合が小さくなってノイズとの区別が困難になることによる。換言すると、モータ26〜29の回転速度が上記所定回転速度Noよりも大きく、リップルパルスエッジ間カウンタ値が所定カウンタ値CNoよりも小さければ、通常の使用条件においてモータ電流に含まれるリップル成分(リップルパルス)は検出可能である。
【0044】
ここで、当該モータ26〜29のリップルパルスエッジ間カウンタ値が所定カウンタ値CNoより小さいと判断されると、CPU31はモータ26〜29の回転速度が上記所定回転速度Noよりも大きいと判定して図5のステップ217に移行する。そして、ステップ217においてCPU31は、当該スイッチ12〜19が未だオンか否かを判断する。ここで、当該スイッチ12〜19がオンと判断されるとCPU31は図4のステップ201に戻り、オフと判断されるとCPU31は図3のメインルーチンに戻ってステップ101以降の処理を繰り返す。
【0045】
一方、ステップ212において当該モータ26〜29のリップルパルスエッジ間カウンタ値が所定カウンタ値CNo以上と判断されると、CPU31はモータ26〜29の回転速度が上記所定回転速度No以下と判定して図5のステップ213に移行する。
【0046】
ステップ213においてCPU31は、前記モータ電流検出回路35を介して検出した当該モータ26〜29のモータ電流Iが所定モータ電流I1以上か否かを判断する。図8に示すように、この所定モータ電流I1は、前記動作保証範囲内の最低電圧Vminにて駆動したときの上記所定回転速度Noにおけるモータ電流に相当する。従って、バッテリ11の駆動電圧Vが上記最低電圧Vmin以上であることを条件にこの制御が実行されることから、CPU31は実質的に検出されたモータ電流I及び駆動電圧Vが、図8にハッチングして示す領域内にあるか否かを判断している。このハッチングして示す領域は、当該モータ26〜29が所定回転速度Noで回転するときの駆動電圧V及びモータ電流Iの関係を示す直線に区画された下側の領域に含まれる。従って、CPU31は、リップルパルス検出回路34を介して検出した当該モータ26〜29の回転速度が上記所定回転速度Noを超えるべき領域内にあるか否かを判断している。
【0047】
ここで、上記モータ電流Iが所定モータ電流I1以上と判断されると、CPU31は当該モータ26〜29の回転速度が小さく、これに伴ってモータ電流が大きく、リップル成分の検出が困難な状態と判定してステップ214に移行する。そして、ステップ214において、CPU31は当該モータ26〜29を停止する。次いで、CPU31はステップ216に移行して、当該スイッチ12〜19がオフされたか否かを判断する。ここで、当該スイッチ12〜19がオンと判断されると、CPU31は同スイッチ12〜19がオフされるまでステップ216の処理を繰り返し、オフと判断されるとCPU31は図3のメインルーチンに戻ってステップ101以降の処理を繰り返す。
【0048】
一方、ステップ213において上記モータ電流Iが所定モータ電流I1未満と判断されると、CPU31は当該モータ26〜29の回転速度が十分に大きく、これに伴ってモータ電流が小さく、本来は当該モータ26〜29のリップル成分が検出可能な状態と判定する。換言すると、CPU31は当該モータ26〜29のリップル成分が検出可能な状態にあり、検出した回転速度が上記所定回転速度Noを超えるべき領域内にあるにも関わらずステップ212において十分な回転速度が検出されていないと判定する。そして、例えば当該モータ26〜29の使用回数の増加に伴うコンミテータ(整流子)の目詰まり、界磁である永久磁石の減磁等により当該モータ26〜29のモータ電流に含まれるリップル成分が半永久的に減少したものとして、CPU31はステップ215に移行する。ここで、CPU31はEEPROMに記憶されたメモリ再生スイッチ21,22に対応するシート状態(モータ26〜29の再生位置)をクリアする。これは、モータ26〜29のリップル成分の半永久的な減少に伴い同成分に基づくその位置及び回転速度検出が困難になったことで、メモリ再生の機能(リップルパルスに基づく位置検出、位置決め等)を作動不能にするためである。これにより、不要なメモリ再生の繰り返しが排除される。ちなみに、この状態ではマニュアル操作に係るスイッチ12〜19のみによりモータ26〜29の駆動が許容されるようになっている。
【0049】
次いで、CPU31はステップ217に移行して、当該スイッチ12〜19が未だオンか否かを判断する。ここで、当該スイッチ12〜19がオンと判断されるとCPU31は図4のステップ201に戻り、オフと判断されるとCPU31は図3のメインルーチンに戻ってステップ101以降の処理を繰り返す。
【0050】
ステップ101において、マニュアル操作に係る全てのスイッチ12〜19がオフと判断されると、CPU31はステップ102に移行して前記記憶スイッチ23がオンか否かを判断する。ここで、記憶スイッチ23がオンと判断されると、CPU31はステップ103に移行してメモリ再生に係るいずれかのスイッチ21,22がオンか否かを判断する。
【0051】
そして、いずれかのスイッチ21,22がオンと判断されると、CPU31はステップ104に移行して、各モータ26〜29の現在位置(シート状態)に相当する現在位置カウンタ値を再生位置カウンタ値としてEEPROM又はRAM等の対応する指定アドレスに記憶する。すなわち、メモリ再生に係るいずれかのスイッチ21,22及び記憶スイッチ23をともにオンする操作は、各モータ26〜29の現在位置カウンタ値を再生位置カウンタ値としてEEPROMの対応する指定アドレスに記憶する操作となっている。
【0052】
ステップ103においてメモリ再生に係る全てのスイッチ21,22がオフと判断されると、CPU31はそのままステップ101以降の処理を繰り返す。
一方、ステップ102において記憶スイッチ23がオフと判断されると、CPU31はステップ105に移行してメモリ再生に係るいずれかのスイッチ21,22がオンか否かを判断する。ここで、メモリ再生に係る全てのスイッチ21,22がオフと判断されると、CPU31はステップ106に移行してモータ26〜29を停止する(或いは、停止させたままとする)。また、メモリ再生に係るいずれかのスイッチ21,22がオンと判断されると、CPU31はステップ300に移行して、図6及び図7に示すメモリ再生作動処理のサブルーチンに移行する。
【0053】
そして、ステップ301においてCPU31は、オンされたスイッチ21,22に対応して記憶された各モータ26〜29の再生位置カウンタ値をEEPROM又はRAM等の指定アドレスから読み込み、これに各モータ26〜29の現在位置カウンタ値が一致するか否かを順次判断する。ここで、全てのモータ26〜29の現在位置カウンタ値が、同再生位置カウンタ値に一致すると判断されると、CPU31は図7のステップ314に移行してモータ26〜29を停止する(或いは、停止させたままとする)。そして、CPU31は図3のメインルーチンに戻ってステップ101以降の処理を繰り返す。
【0054】
また、いずれかのモータ26〜29の現在位置カウンタ値が、同再生位置カウンタ値に一致しないと判断されると、CPU31はステップ302に移行して当該モータ26〜29の再生位置カウンタ値と同現在位置カウンタ値との差が正か負かを判断する。
【0055】
ここで、当該モータ26〜29の再生位置カウンタ値と同現在位置カウンタ値との差が正であると判断されると、CPU31はステップ303に移行して当該モータ26〜29を正転させる。具体的には、CPU31は当該モータ26〜29に係るリレースイッチ33a〜33hに駆動信号を出力して同モータ26〜29を正転させる。次いで、CPU31はステップ304に移行して当該モータ26〜29のリップルパルスのエッジ入力があるか否かを判断する。
【0056】
ステップ304において当該モータ26〜29のリップルパルスのエッジ入力があると判断されると、CPU31は当該モータ26〜29の正転によりモータの現在位置(回転角度)が移動したと判断してステップ305に移行する。そして、CPU31は、当該モータ26〜29の前記モータ現在位置カウンタ値を「1」インクリメントしてステップ306に移行する。そして、CPU31は当該モータ26〜29の前記リップルパルスエッジ間カウンタ値をクリアする。
【0057】
一方、ステップ302において当該モータ26〜29の再生位置カウンタ値と同現在位置カウンタ値との差が負であると判断されると、CPU31はステップ307に移行して同モータ26〜29を逆転させる。具体的には、CPU31は当該モータ26〜29に係るリレースイッチ33a〜33hに駆動信号を出力して同モータ26〜29を逆転させる。
【0058】
次に、CPU31はステップ308に移行して当該モータ26〜29のリップルパルスのエッジ入力があるか否かを判断する。
ステップ308において当該モータ26〜29のリップルパルスのエッジ入力があると判断されると、CPU31は当該モータ26〜29の逆転によりモータの現在位置(回転角度)が移動したと判断してステップ309に移行する。そして、CPU31は、当該モータ26〜29の上記モータ現在位置カウンタ値を「1」デクリメントしてステップ306に移行する。そして、CPU31は当該モータ26〜29の前記リップルパルスエッジ間カウンタ値をクリアする。
【0059】
ステップ306において当該モータ26〜29のリップルパルスエッジ間カウンタ値をクリアすると、CPU31はステップ301に戻って全てのモータ26〜29の現在位置カウンタ値が、同再生位置カウンタ値に一致するまで同様の処理を繰り返す。
【0060】
ステップ304若しくはステップ308において当該モータ26〜29のエッジ入力がないと判断されると、CPU31はステップ310に移行して当該モータ26〜29の上記リップルパルスエッジ間カウンタ値を「1」インクリメントしてステップ311に移行する。そして、このときのリップルパルスエッジ間カウンタ値が前記所定カウンタ値CNo以上か否かを判断する。
【0061】
ここで、リップルパルスエッジ間カウンタ値が所定カウンタ値CNoより小さいと判断されると、CPU31は当該モータ26〜29の回転速度が上記所定回転速度Noよりも大きいと判定し、ステップ301に戻って同様の処理を繰り返す。
【0062】
一方、ステップ311においてリップルパルスエッジ間カウンタ値が所定カウンタ値CNo以上と判断されると、CPU31は当該モータ26〜29の回転速度が上記所定回転速度No以下と判定して図7のステップ312に移行する。
【0063】
ステップ312においてCPU31は、前記モータ電流検出回路35を介して検出した当該モータ26〜29のモータ電流Iが前記所定モータ電流I1以上か否かを判断する。
【0064】
ここで、上記モータ電流Iが所定モータ電流I1以上と判断されると、CPU31は当該モータ26〜29の回転速度が小さく、これに伴ってモータ電流が大きく、リップル成分の検出が困難な状態と判定してステップ314に移行する。そして、ステップ314においてCPU31は、メモリ再生を中断して当該モータ26〜29を停止する。そして、CPU31は図3のメインルーチンに戻ってステップ101以降の処理を繰り返す。
【0065】
一方、ステップ312において上記モータ電流Iが所定モータ電流I1未満と判断されると、CPU31は当該モータ26〜29の回転速度が十分に大きく、これに伴ってモータ電流が小さく、本来は当該モータ26〜29のリップル成分が検出可能な状態と判定する。換言すると、CPU31は当該モータ26〜29のリップル成分が検出可能な状態にあり、検出されたモータ電流I(及び駆動電圧V)が上記所定回転速度Noを超えるべき領域内にあるにも関わらずステップ311において十分な回転速度が検出されていないと判定する。そして、例えば当該モータ26〜29の使用回数の増加に伴うコンミテータ(整流子)の目詰まり、界磁である永久磁石の減磁等によりモータ電流に含まれるリップル成分が半永久的に減少したものとして、CPU31はステップ313に移行する。ここで、CPU31はEEPROM又はRAM等に記憶されたメモリ再生スイッチ21,22に対応するシート状態(モータ26〜29の再生位置カウンタ値)をクリアする。
【0066】
次いで、CPU31はステップ314に移行して、当該モータ26〜29を停止する。そして、CPU31は図3のメインルーチンに戻ってステップ101以降の処理を繰り返す。
【0067】
以上詳述したように、本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)本実施形態では、CPU31により、検出されたモータ26〜29の回転速度が上記所定回転速度Noを超えたか否かが判断される。そして、検出されたモータ26〜29の回転速度が上記所定回転速度Noを超えないと判断されると、CPU31により、検出されたモータ電流I及び駆動電圧Vが上記所定回転速度Noを超えるべき領域内にあるか否かが判断される。このとき、検出されたモータ電流I及び駆動電圧Vが上記所定回転速度Noを超えるべき領域内にあると判断されると、CPU31は上記リップルパルス検出回路34によるリップル成分(リップルパルス)の検出を異常と判定する。具体的には、例えば当該モータ26〜29の使用回数の増加に伴うコンミテータ(整流子)の目詰まり、界磁である永久磁石の減磁等により半永久的にモータ電流に含まれるリップル成分が減少したものと判定する。従って、上記リップル成分(リップルパルス)に基づくモータ26〜29の誤った回転状態(回転位置及び回転速度)の検出を回避できる。特に、CPU31はEEPROM又はRAM等に記憶されたメモリ再生スイッチ21,22に対応するシート状態(モータ26〜29の再生位置)をクリアしてメモリ再生の機能を作動不能にすることで、不要なメモリ再生の繰り返しも排除できる。
【0068】
(2)本実施形態では、CPU31により判断される領域は、検出された駆動電圧Vが動作保証範囲内の最低電圧Vmin以上の領域であり、且つ、検出されたモータ電流Iが動作保証範囲内の最低電圧Vminにてモータ26〜29を駆動したときの上記所定回転速度Noにおけるモータ電流I1未満の領域とされる。従って、CPU31による領域判断は、検出された駆動電圧V及びモータ電流Iと特定の電圧(動作保証範囲内の最低電圧Vmin)及びこれに対応する特定のモータ電流I1とを大小比較するのみであることから、領域判断のための演算負荷を軽減できる。
【0069】
(3)本実施形態では、CPU31により判断される領域は、検出された駆動電圧Vが動作保証範囲内の最低電圧Vmin以上の領域とされる。従って、動作保証外の不安定な状態でのリップル成分(リップルパルス)の検出の異常判定を回避できる。
【0070】
(4)本実施形態では、上記所定回転速度Noは、正常時においてリップルパルス検出回路34がリップル成分(リップルパルス)を検出可能な回転速度に設定される。このことから、モータ26〜29の低速回転時におけるノイズの影響が緩和されて、リップル成分(リップルパルス)の検出の異常判定を好適に行うことができる。
【0071】
(5)本実施形態では、検出されたモータ電流I及び駆動電圧Vが前記所定回転速度Noを超えるべき領域内にないと判断されたとき、モータ26〜29を停止した。従って、モータ26〜29の低速回転に起因するリップル成分の検出不可の状態での同モータ26〜29の駆動の継続を回避できる。そして、このような状態でのモータ26〜29の駆動の継続による誤った回転位置及び回転速度の検出も回避できる。
【0072】
なお、本発明の実施の形態は上記実施形態に限定されるものではなく、次のように変更してもよい。
・前記実施形態においては、モータ26〜29の回転速度としてリップルパルスエッジ間カウンタ値を利用したが、例えば連続するリップルパルスのエッジ入力間の時間をタイマカウンタなどで別途カウントして、これをモータ26〜29の回転速度として利用してもよい。
【0073】
・前記実施形態において、直流モータ(モータ26〜29)のモータ電流とモータトルクは略比例関係にあることから、同モータ電流をモータトルクに代えて実質的に同様の処理を行ったとしても、本発明を何ら逸脱するものではない。
【0074】
・前記実施形態において、検出されたモータ26〜29の回転速度(リップルパルスエッジ間カウンタ値)の変化に基づく可動部材の挟み込み検知の機能を付加してもよい。
【0075】
・前記実施形態においては、回転駆動されたいずれかのモータ26〜29を流れる電流(モータ電流)に略比例する抵抗Rfの入力端の電位をモータ電流検出回路35にて増幅して電流検出信号を生成し、この電流検出信号をCPU31に入力することで当該モータ26〜29を流れる電流を検出した。これに対して、上記モータ電流に略比例する抵抗Rfの入力端の電位をクロック発生回路43の増幅回路にて増幅して上記電流検出信号に準じた信号を生成し、この信号をCPU31に入力することで当該モータ26〜29を流れる電流を検出してもよい。このように変更することで、前記実施形態と同様の効果に加え、部品点数(回路数)の削減が可能となる。
【0076】
・前記実施形態におけるリップルパルス検出回路34の回路構成は一例であってその他の回路構成を採用してもよい。要は、モータ電流に含まれるリップル成分に基づきリップルパルスを生成できればよい。また、直流モータの回転状態を検出しうる十分な精度を有するのであれば、必ずしもリップルパルスを生成する必要はなく、リップル成分から直接回転状態を検出する回路構成としてもよい。
【0077】
・前記実施形態におけるスイッチ12〜19及びこれに対応するモータ26〜29の組み合わせは一例であって、適宜割愛したり追加したりしてもよい。
・前記実施形態においては、車両のメモリシートに本発明を適用したが、例えばパワーウィンドレギュレータ、サンルーフといった装置に適用してもよい。また、車両に限らず、直流モータにより回転駆動されるその他の装置に適用してもよい。
【0078】
次に、以上の実施形態から把握することができる請求項以外の技術的思想を、その効果とともに以下に記載する。
(イ)請求項1〜3のいずれかに記載の直流モータの回転状態検出装置において、前記所定回転速度は、正常時において前記リップル検出手段がリップル成分を検出可能な回転速度に設定されたことを特徴とする直流モータの回転状態検出装置。同構成によれば、上記所定回転速度が、正常時においてリップル検出手段がリップル成分を検出可能な回転速度に設定されることから、直流モータの低速回転時におけるノイズの影響が緩和されて判定手段によるリップル成分の異常判定が好適になされる。
【0079】
(ロ)上記(イ)に記載の直流モータの回転状態検出装置において、前記第2判断手段により前記検出されたモータ電流及び駆動電圧が前記所定回転速度を超えるべき領域内にないと判断されたとき、前記直流モータを停止することを特徴とする直流モータの回転状態検出装置。同構成によれば、直流モータの低速回転に起因するリップル成分の検出不可の状態での同モータの駆動の継続が回避される。そして、このような状態での直流モータの駆動の継続による誤った回転位置及び回転速度の検出も回避される。
【0080】
【発明の効果】
以上詳述したように、請求項1に記載の発明によれば、直流モータのモータ電流に含まれるリップル成分の減少時において、誤った回転状態の検出を回避することができる。
【0081】
請求項2に記載の発明によれば、動作保証外の不安定な状態での上記リップル成分の異常判定を回避できる。
請求項3に記載の発明によれば、領域判断のための演算負荷を軽減できる。また、動作保証外の不安定な状態での上記リップル成分の異常判定を回避できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態が適用されるメモリシートの電気的構成を示すブロック図。
【図2】リップルパルス検出回路の電気的構成を示すブロック図。
【図3】同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
【図4】同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
【図5】同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
【図6】同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
【図7】同実施形態の制御態様を示すフローチャート。
【図8】同実施形態のモータ電流及び駆動電圧との関係を示すグラフ。
【符号の説明】
11 バッテリ
26〜29 直流モータとしてのモータ
30 コントローラ
31 CPU
34 リップル検出手段としてのリップルパルス検出回路
35 モータ電流検出手段としてのモータ電流検出回路
Claims (3)
- 直流モータの駆動電圧を検出する駆動電圧検出手段と、
前記直流モータを流れる電流を検出するモータ電流検出手段と、
前記検出されたモータ電流に基づきリップル成分を検出するリップル検出手段と、
前記検出されたリップル成分に基づき前記直流モータの回転速度を検出する回転速度検出手段と、
前記検出された回転速度が所定回転速度を超えたか否かを判断する第1判断手段と、
前記第1判断手段により前記検出された回転速度が前記所定回転速度を超えないと判断されたとき、前記検出されたモータ電流及び駆動電圧が該所定回転速度を超えるべき領域内にあるか否かを判断する第2判断手段と、
前記第2判断手段により前記検出されたモータ電流及び駆動電圧が前記所定回転速度を超えるべき領域内にあると判断されたとき、前記リップル検出手段によるリップル成分の検出を異常判定する判定手段とを備えたことを特徴とする直流モータの回転状態検出装置。 - 請求項1に記載の直流モータの回転状態検出装置において、
前記第2判断手段により判断される領域は、前記検出された駆動電圧が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域であることを特徴とする直流モータの回転状態検出装置。 - 請求項1に記載の直流モータの回転状態検出装置において、
前記第2判断手段により判断される領域は、前記検出された駆動電圧が動作保証範囲内の最低電圧以上の領域であり、且つ、前記検出されたモータ電流が該動作保証範囲内の最低電圧にて前記直流モータを駆動したときの前記所定回転速度におけるモータ電流未満の領域であることを特徴とする直流モータの回転状態検出装置。
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