JP2003152251A - 巻線機器、巻線機器を用いた高電圧パルス発生回路、およびこの高電圧パルス発生回路を設けた放電励起ガスレーザ装置 - Google Patents

巻線機器、巻線機器を用いた高電圧パルス発生回路、およびこの高電圧パルス発生回路を設けた放電励起ガスレーザ装置

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JP2003152251A JP2001343602A JP2001343602A JP2003152251A JP 2003152251 A JP2003152251 A JP 2003152251A JP 2001343602 A JP2001343602 A JP 2001343602A JP 2001343602 A JP2001343602 A JP 2001343602A JP 2003152251 A JP2003152251 A JP 2003152251A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高繰返し周波数条件下においても、コアの冷
却が効率よく行えるようにし、巻線機器を長寿命化する
とともに、巻線機器を安価に構成すること。 【解決手段】 磁性合金薄帯が巻芯に巻回されてなるコ
ア1を有し、絶縁性の冷媒中で使用される巻線機器にお
いて、コア1の角部で発生する電界集中を緩和するた
め、断面円形状の環状物であるコロナリング3a〜3d
を設ける。コア1の内輪側に設けられるコロナリング3
c,3dは、巻芯1aの面取り部分上に設置され、コア
1の外輪側に設けられるコロナリング3a,3bは、コ
ア1の側面に設けられたロッド7により支えられる。上
記の構成とすることにより、コロナリング3a〜3dと
コア1が接触することがなく、コア1の上下面や角部を
充分に冷却することができる。なお、上記コロナリング
をレーストラック形状のコアや薄板状の複数枚のコアか
ら構成される巻線機器に適用することもできる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁心に巻線が巻か
れ、絶縁性の冷煤中で使用されるトランス、リアクトル
等の巻線機器に関し、さらに詳細には、このような巻線
機器の電界緩和部材に関する。本発明は、放電励起型レ
ーザ装置、放電により化合物を分解したり、殺菌を行う
装置等に用いられる高電圧パルス発生用の磁気パルス圧
縮回路の可飽和リアクトルや昇圧トランス等に適用する
ことができる。
【0002】
【従来の技術】放電励起型レーザ装置、パルスコロナ放
電を行いダイオキシン等の化合物を分解する装置、放電
により食品等の殺菌を行う殺菌装置等においては放電セ
ル(チェンバ)内に放電電極を設け、放電電極に高電圧
パルスを印加して放電を発生させている。上記高電圧を
発生させる回路として、一般に磁気圧縮回路もしくは磁
気圧縮回路と昇圧トランス回路を用いた高電圧パルス発
生回路が知られている。例えば、半導体集積回路の微細
化、高集積化につれて、解像力の向上が要請されている
露光装置の露光用光源としては、上記した放電励起型レ
ーザ装置である波長248nmのKrFエキシマレーザ
装置、波長193nmのArFエキシマレーザ装置及び
波長157nmのフッ素(F2 )レーザ装置が用いられ
る。
【0003】このような露光用レーザ装置は、レーザ媒
質であるレーザガスが充填されたレーザチェンバ内に設
けた放電電極間において、短時間に放電を繰り返してレ
ーザガスを励起しパルスレーザを発振する。放電を発生
させるには、放電電極間に高電圧パルスを供給する必要
があり、そのために高電圧パルス発生装置が設けられ
る。放電励起型レーザ装置に設けられる高電圧パルス発
生装置は、上記したように、通常、磁気圧縮回路もしく
は磁気圧縮回路と昇圧トランス回路を用いた高電圧パル
ス発生回路構成を有する。
【0004】上記した露光用ガスレーザ装置において、
上記したようにレーザチェンバ内で放電を発生させレー
ザガスを励起させるために設けられる高電圧パルス発生
回路の例を図8に示す。図8の高電圧パルス発生回路
は、可飽和リアクトルからなる3個の磁気スイッチSR
1、SR2、SR3を用いた2段の磁気パルス圧縮回路
からなる。磁気スイッチSR1はIGBT等の半導体ス
イッチング素子である固体スイッチSWでのスイッチン
グロスの低減用のものであり、磁気アシストとも呼ばれ
る。第1の磁気スイッチSR2と第2の磁気スイッチS
R3により2段の磁気パルス圧縮回路を構成している。
ここで、図8(a)は磁気圧縮回路に加え昇圧トランス
Tr1を含む回路、図8(b)は昇圧トランスを含ま
ず、昇圧トランスの代わりにコンデンサC0の充電用の
リアクトルL1を含む例である。
【0005】以下に、図8(a)にしたがって、回路の
構成と動作を説明する。なお、図8(b)の回路は昇圧
トランスにより昇圧される動作が無いだけで、他の動作
は図8(a)と同様なので、説明を省略する。まず、高
電圧電源CHの電圧が所定の値Vinに調整され、主コン
デンサC0が充電される。このとき、固体スイッチSW
はオフになっている。主コンデンサC0の充電が完了
し、固体スイッチSWがオンとなったとき、固体スイッ
チSW両端にかかる電圧は主に磁気スイッチSR1の両
端にかかる。磁気スイッチSR1の両端にかかる主コン
デンサC0の充電電圧V0の時間積分値が磁気スイッチ
SR1の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチ
SR1が飽和して磁気スイッチが入り、主コンデンサC
0、磁気スイッチSR1、昇圧トランスTr1の1次
側、固体スイッチSWのループに電流が流れる。同時
に、昇圧トランスTr1の2次側、コンデンサC1のル
ープに電流が流れ、主コンデンサC0に蓄えられた電荷
が移行してコンデンサC1に充電される。この後、コン
デンサC1における電圧V1の時間積分値が磁気スイッ
チSR2の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッ
チSR2が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC
1、コンデンサC2、磁気スイッチSR3のループに電
流が流れ、コンデンサC1に蓄えられた電荷が移行して
コンデンサC2に充電される。さらにこの後、コンデン
サC2における電圧V2の時間積分値が磁気スイッチS
R3の特性で決まる限界値に達すると、磁気スイッチS
R3が飽和して磁気スイッチが入り、コンデンサC2、
ピーキングコンデンサCp、磁気スイッチSR3のルー
プに電流が流れ、コンデンサC2に蓄えられた電荷が移
行してピーキングコンデンサCpが充電される。
【0006】予備電離のためのコロナ放電は、第1電極
101が挿入されている誘電体チューブ102と第2電
極103とが接触している個所を基点として誘電体チュ
ーブ102の外周面に発生するが、ピーキングコンデン
サCpの充電が進むにつれてその電圧Vpが上昇し、V
pが所定の電圧になるとコロナ予備電離部の誘電体チュ
ーブ102表面にコロナ放電が発生する。このコロナ放
電によって誘電体チューブ102の表面に紫外線6が発
生し、主放電電極E、E間のレーザ媒質であるレーザガ
ス2が予備電離される。ピーキングコンデンサCpの充
電がさらに進むにつれて、ピーキングコンデンサCpの
電圧Vpが上昇し、この電圧Vpがある値(ブレークダ
ウン電圧)Vbに達すると、主放電電極E、E間のレー
ザガスが絶縁破壊されて主放電が開始し、この主放電に
よりレーザ媒質が励起され、レーザ光が発生する。この
後、主放電によりピーキングコンデンサCpの電圧が急
速に低下し、やがて充電開始前の状態に戻る。このよう
な放電動作が固体スイッチSWのスイッチング動作によ
って繰り返し行なわれることにより、所定の繰り返し周
波数でのパルスレーザ発振が行われる。ここで、磁気ス
イッチSR2、SR3及びコンデンサC1、C2で構成
される各段の容量移行型回路のインダクタンスを後段に
行くにつれて小さくなるように設定することにより、各
段を流れる電流パルスのパルス幅が順次狭くなるような
パルス圧縮動作が行われ、主放電電極E、E間に短パル
スの強い放電が実現される。
【0007】磁気スイッチの構成例を図9に示す。図8
に示した回路における磁気スイッチSR2,SR3のパ
ルス幅を圧縮する性能(圧縮性能)は、磁気スイッチ飽
和後のインダクタンスが小さいほど良くなることが知ら
れている。この構成例では、コンデンサ、コアの巻線を
複数並列に設けており、コンデンサの寄生インダクタン
ス、磁気スイッチのコイルのインダクタンスを小さくし
て、上記磁気スイッチ飽和後のインダクタンスを小さく
している。図9が例えば、図8における磁気スイッチS
R3を表している場合(SRnがSR3の場合)、コン
デンサCn1 〜Cnn は、C21 〜C2n であり、C2
1〜C2n を合成したものが図8(a)、図8(b)の
C2である。このとき、コンデンサC21 〜C2n の一
端はアース側に接続される。他端の一方は、磁気スイッ
チSR1を所定回数巻き回されたC11 〜C1n (合成
すると図8(a)、図8(b)のC1)の高圧側(CH
側)に接続され、他端の他方はSR3を所定回数巻き回
された後、ピーキングコンデンサCp1 〜Cpn (合成
すると図8(a)、図8(b)のCp)の高圧側(CH
側)に接続される。ここで各磁気スイッチやコンデンサ
は、冷却のため絶縁性冷媒、例えば、絶縁オイルによっ
て満たされた不図示のタンクの中に設置される。絶縁性
冷媒は自然対流やファン等を用いた強制対流により、コ
ア表面上を流れ、その際に熱交換を行う。
【0008】図10(a)は、磁気スイッチを構成する
可飽和リアクトルの、コア1に巻線2が巻かれた様子を
示す斜視図である。コア1は磁性合金薄帯1bが巻芯1
aに年輪状に巻回されたものであり、同図では、円環状
に形成されたコアを示しているが、レーストラック状
(長円形状)に形成される場合もある。巻線2と巻線2
の間、巻線2とコア1との間は絶縁しておく必要があ
る。また、高電圧が印可される可飽和リアクトルは、絶
縁と冷却のため、上記したように絶縁オイル中に浸され
る。そのため、図10(b)に示すように芯線2aに親
油性の良いクレープ紙2bが絶縁被覆として巻かれる。
昇圧トランスTrも、コアに一次巻線および二次巻線が
巻かれている点を除き同様な構造である。図11は上記
リアクトルの断面構造を概念的に示す図である。同図に
示すように断面が略矩形状のコア1に巻かれた巻線2に
電圧が印可されると、コア1の角部で電界集中が発生す
る。この電界集中により、図11(b)に示すように該
角部と巻線2の絶縁被覆との間でコロナ放電が発生する
場合がある。コロナ放電が発生すると、絶縁被覆が徐々
に損傷し、やがて短絡が生じる。
【0009】上記コロナ放電を防止するため、コア1の
角部と巻線2との間には、通常、電界緩和部材(以下で
はコロナリングという)が設けられる。図12に、リア
クトルのコア1に取りつけられる、従来のコロナリング
3の取付け構造を断面図として示す。コロナリング3の
材質は、例えばステンレスであり、コア1の四隅の角部
に、全周にわたって設けられる。断面形状は、図示した
ように、角の形状に合わせたL字形であるが、表面に鋭
利な角があると電界が集中し、コロナ放電が発生するの
で、全体がなめらかな曲線になるよう構成し、電界を緩
和する。図12において、巻線2に電圧が印可された
時、コア1の上面Aと下面A’の図中左右方向に電位差
が生じる。すなわち、コア1は、表面にシリカ等の絶縁
被覆が施された磁性合金薄帯を巻芯に年輪状に巻回した
ものであり、上記薄帯の巻径方向は、巻径方向に直交す
る面に比べ電気抵抗が大きい。このため、巻線2に電圧
が印加されたとき、上記薄帯の巻径方向に平行なコアの
上面Aと下面A’には巻径方向に電位差が生ずる。一
方、上記巻き径方向に直交する左右の面Bは、略同電位
に保たれる。このため、コア1の上面Aと下面A’に、
導電性のコロナリング3が直接接触すると、上記電位差
によりコロナリングに電流が流れて、これにより磁束が
打ち消されコア1の実効断面積が小さくなる。そこで、
コア1とコロナリング3との絶縁を取るために、コア1
の上面Aと下面A’側には、コア1とコロナリング3と
の間にプレスボード4’を挟みこむ。プレスボードと
は、親油性の紙を多層に重ねてプレスしたものであり、
一般に、絶縁オイル中での絶縁材料として用いられる。
厚さは、例えば0.75mmである。さらに、コロナリ
ング3の上に、コロナリング3を囲むように、厚いプレ
スボード4が設けられ、その上からクレープ紙を巻いた
巻線2が巻かれる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】一般に、リアクトルや
昇圧トランス等の巻線機器は電力の損失にともないコア
が発熱する。発熱量は、損失が大きいほど高い。コアの
温度上昇は、巻線の巻き数、巻線に流れる電流(電圧)
のパルス幅、繰り返し周波数に依存するが、一般に、こ
れらの数値が大きくなるほど大きくなる。例えば、上記
した放電型ガスレーザ装置の昇圧回路における昇圧トラ
ンスや磁気パルス圧縮回路の磁気スイッチにおいては、
前記したように、4kHz以上の高繰り返し化が要求さ
れていること、小型化のために、昇圧トランスと複数の
可飽和リアクトルを積み重ねるなど、狭い範囲に配置し
なければならないこと、などの理由により、コアが高温
になりやすい条件下で使用する。そのような場合、絶縁
オイル中で冷却していても、使用中のコア角部の温度は
定格値を越えてしまう場合がある。図12に示した従来
例の構造では、コア1とプレスボード4’とコロナリン
グ3とが密着している。したがって、リアクトルが浸さ
れている冷却冷媒(絶縁オイル)が、それらの間にとど
かず、コア1の角部を十分に冷却することができない。
特に、コア1は、表面にシリカ等の絶縁被覆が施された
磁性合金薄帯を巻芯に年輪状に巻回したものであるた
め、上記薄板の巻径方向は熱伝導が悪い。このため、プ
レスボード4’が上下面に設けられたコア部分は他の部
分に比べ温度が上昇する。この加熱により、特にコロナ
リング3とコア1に挟まれたプレスボード4’の寿命が
激減する。また、コア1からの熱伝導により、コロナリ
ング3が加熱され、コロナリング3を囲むプレスボード
7も加熱される。したがって、コロナリング3の上に設
けたプレスボード4も短寿命になる。以上のように、高
圧パルス発生回路において使用される従来のリアクト
ル、昇圧トランス等の巻線機器は、加熱によりプレスボ
ードが劣化し短寿命化するといった問題があった。
【0011】上記したような問題を解決するために、本
発明の発明者らは、先に図13に示すようなコロナリン
グ構造を提案した。図13(a)は、コアとコロナリン
グとの関係を示す斜視図であり、同図では見やすいよう
に、コアの半円部分のみを示しており、その他、巻線、
コロナリングを囲むプレスボード(前記図12のプレス
ボード4)は省略されている。また、図13(b)は、
コアの断面図を示している。先に提案した例において
は、図13に示すように、コロナリング3a〜3dをコ
ア1の四隅に全周にわたって設け、該コロナリング3a
〜3dの断面形状を円弧状にし、コア1の角部との接触
を、コア1の角の頂部のみで線接触させる。そして、図
13(b)に示すように、コロナリング3a〜3dを囲
うようにプレスボード4を設けて、その上に巻線2を巻
き、全体を前記したように絶縁オイル中に浸す。上記の
ように構成することにより、コロナリング3a〜3d
は、コア1の角の頂部以外では接触せず、コア1とコロ
ナリング3a〜3dとの間に、絶縁のためのプレスボー
ド(前記図12に示したプレスボード4’)を設ける必
要はない。したがって、前記したコア1とコロナリング
3a〜3dとの間のプレスボード4の寿命の問題がなく
なる。また、図13(c)に示すように、コロナリング
3a〜3dとコア1との間には、絶縁オイルが介在する
ことになり、コア1の角部とコロナリング3a〜3dと
を十分に冷却することができる。さらに、コア1とコロ
ナリング3a〜3dとは線接触であるので、コア1の温
度がコロナリング3a〜3dに伝わりにくい。このた
め、コロナリング3a〜3dの加熱を防ぐことができ、
コロナリング3a〜3dを囲って設けたプレスボード4
a〜4dの温度を低くすることができ、プレスボードの
長寿命化を図ることができる。
【0012】先に提案したコロナリング部の構造によれ
ば、以下の効果を得ることができる。 (1)コアと電界緩和部材(コロナリング)を線接触と
したり、コアと電界緩和部材(コロナリング)との間に
間隙を設けることにより、コアと電界緩和部材(コロナ
リング)間のプレスボードを省略することができる。こ
のため、コアと電界緩和部材(コロナリング)との間プ
レスボードを設ける必要がなくなり、該プレスボードの
劣化による巻線機器の短寿命化を防止することができ
る。 (2)コアとコロナリングとの間に間隙を設けることに
より、コアとコロナリングとの間に冷媒を介在させるこ
とができ、コロナリングの加熱を抑制できる。このた
め、コアを囲むプレスボードの熱伝導による加熱を抑制
でき、コロナリング上に設けるプレスボードの短寿命化
を防ぐことができる。
【0013】上記したようにコアの温度上昇は、巻線の
巻き数、巻線に流れる電流(電圧)のパルス幅、繰り返
し周波数に依存するが、近年、高繰返し周波数条件下で
巻線機器が使用されることが多くなってきた。例えば、
現状、露光用の放電励起型レーザ装置のレーザパルスの
繰返し周波数は2kHz程度であるが、近年、スループ
ットの増大、露光量のバラツキの減少のため、繰返し周
波数4kHz以上が要請されている。そのためコアの温
度上昇も大きくなる傾向にある。よって、発明者等が提
案したコロナリング部の構造においても、場合によって
は、使用中のコア角部の温度は定格値を越えてしまう場
合がある。また、発明者等が提案したコロナリングは、
コアと線接触としたり、コアとの間に間隙を設ける形状
であるため、コロナリングの加工コストが比較的高価と
なる。本発明は以上の事情に鑑みなされたものであっ
て、本発明の目的は、例えば、放電励起型レーザ装置の
繰返し周波数が4kHz以上といった高繰返し周波数条
件下においても、コアの冷却が効率よく行えるようにし
巻線機器を長寿命化するとともに、巻線機器を安価に構
成することである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を次
のようにして解決する。 (1)磁性合金薄帯が巻芯に巻回されてなる磁心と、こ
の磁心に巻線が巻かれ、絶縁性の冷媒中で使用される巻
線機器において、上記磁心と巻線との間に、磁心の角部
で発生する電界集中を緩和する電界緩和部材を設ける。
上記電界緩和部材は断面円形状の環状物であり、磁心の
内輪側に設けられた電界緩和部材は、巻芯もしくは巻芯
の内周に取り付けられた支持部材により支持され、磁心
の外輪側に設けられた電界緩和部材は、磁心の外周に取
り付けられた支持部材により支持され、磁心と離間して
あるいは磁心の角部もしくは巻径方向に直交する面と接
触して取り付けられる。 (2)上記(1)において、上記磁心の外側面にボスを
設け、該ボスを貫通するロッドを設け、また、上記巻芯
に面取り部を形成し、上記ロッドの両端部および上記巻
芯の面取り部に断面円形状の環状物である電界緩和部材
を配置する。 (3)上記(1)において、上記磁心の外側面にボスを
設け、該ボスを貫通するロッドを設け、また、該巻芯の
端部に段差部を構成するよう上記巻芯の内周部に筒状部
材を設け、上記ロッドの両端部および上記段差部に断面
円形状の環状物である電界緩和部材を配置する。上記
(1)〜(3)の構成とすることにより、電界緩和部材
が磁心と接触することがなく、また前記図12に示した
ように磁心と電界緩和部材との間にプレスボードを設け
る必要がないので、磁心の上下面や角部を充分に冷却す
ることができる。また、電界緩和部材として、断面円形
状の環状物のものを使用することができるので、加工コ
ストを低減化することができる。さらに、上記(2)
(3)のように構成することにより、電界緩和部材を容
易に取り付けることもでき、製造が容易となる。 (4)磁性合金薄帯が環状の巻芯に巻き回されたコアが
複数個、所定距離だけ離間して配置され、この複数個の
コアからなる組立体に巻線が巻かれ、絶縁性の冷媒中で
使用される上記(1)(2)(3)の巻線機器であっ
て、各コア間に支え部材をコアとは接触しないように配
置し、上記複数個のコアを所定距離離間させるように支
持する。上記(4)のようにコアを所定距離だけ離間し
て配置することにより、絶縁性の冷媒とコアとが接する
面積を増大することができ、コアの冷却効率を高くする
ことができる。 (5)磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路及び昇圧トラ
ンス回路を含む高電圧パルス発生回路において、上記磁
気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしくは上記
昇圧トランス回路の昇圧トランスとして、上記(1)
(2)(3)もしくは(4)の構造を有する巻線機器を
用いる。 (6)磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路及び昇圧トラ
ンス回路を含む高電圧パルス発生回路の出力端に接続さ
れ、レーザチェンバ内に配置された一対のレーザ放電電
極と、上記電極と並列に接続されたピーキングコンデン
サとを有する放電励起ガスレーザ装置において、上記磁
気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしくは上記
昇圧トランス回路の昇圧トランスとして、上記(1)
(2)(3)もしくは(4)の構造を有する巻線機器を
用いる。
【0015】
【発明の実施の形態】図1、図2に本発明の第1の実施
例の巻線機器の構成を示す。図1、図2に示した巻線機
器は、前記したように、例えば、放電励起型レーザ装置
における高電圧パルス発生回路の昇圧トランス、磁気ス
イッチ等に用いることができる。図1(a)は本発明の
巻線機器の断面図(図2(d)のB−B断面図)、図1
(b)は図1(a)からプレスボード押さえ5、ねじ5
a、プレスボード4、ナット8a、ロッド8を省略した
上面図、図2(c)は図1(b)のA部の詳細図、図2
(d)は上面図である。本実施例においては、図1
(a)、図1(b)に示すように、コロナリング3a〜
3dをコア1の四隅に全周にわたって設け、該コロナリ
ング3a〜3dの断面形状を円状にする。コア1の内輪
側に設けられたコロナリング3c,3dは、コア1に接
触しないように、芯材(巻芯)1aの面取り部分に設置
される。一方、コア1の外輪側に設けられたコロナリン
グ3a,3bはコア1の側面に設けられた複数のボス6
を貫通するロッド7により支えられる。図2(c)に示
すように、コロナリング3a,3bのロッド7と当接す
る部分には切り欠き部31が設けられ、ロッド7が該切
り欠き部31に係合し、コロナリング3a,3bが支え
られる。なお、コロナリング3a,3bは図1(a)に
示すようにコア1の角の頂部近傍に位置するようロッド
7により保持される。そして、図1(a)に示すよう
に、コロナリング3a〜3dを囲うようにプレスボード
4が設けられる。前記したように、コア1は、表面にシ
リカ等の絶縁被覆が施された磁性合金薄帯を巻芯に年輪
状に巻回したものであるため、上記薄板の巻径方向は熱
伝導が悪く、図1(a)においてコア1の上下面の部分
は他の部分に比べ温度が上昇する。
【0016】よって、図2(d)に示すように、プレス
ボード4はコア1の上下面を覆って熱がこもらないよう
にするために、コア1の上下面部分と対向する位置に開
口部41が設けられる。プレスボード4は複数のプレス
ボード押さえ5により挟まれ、ねじ5aにより固定され
る。プレスボード押さえ5は、プレスボード押さえ5を
貫通する雄ねじ状のロッド8、ナット8aにより固定さ
れる。そしてプレスボード4の上に巻線が巻かれ、全体
が絶縁オイル中に浸される。本実施例は上記構成とした
ので、コロナリング3a〜3dは、コア1とは接触せ
ず、コア1とコロナリング3a〜3dとの間に、絶縁の
ためのプレスボード(前記図12に示したプレスボード
4’)を設ける必要はない。したがって、前記図12に
おけるコア1とコロナリング3との間に設けたプレスボ
ード4’の寿命が短くなるといった問題がなくなる。ま
た、図1(a)に示すように、コロナリング3a〜3d
とコア1とは接触せず、特に温度上昇の激しいコア1の
上下面方向にコロナリング3a〜3dが存在しないの
で、コア1の上下面を十分に冷却することができる。さ
らに、コア1とコロナリング3a〜3dとは非接触であ
るので、コア1の温度がコロナリング3a〜3dに伝わ
らない。このため、コロナリング3a〜3dの加熱を防
ぐことができ、コロナリング3a〜3dを囲って設けた
プレスボード4の温度を低くすることができ、プレスボ
ード4の長寿命化を図ることができる。なお、図1
(a)において、コア1の側面部(巻径方向に垂直な
面)は、同電位であって、通常アースされるので、コア
1の角部もしくはコア1の側面部とコロナリング3a〜
3dとが接触していても絶縁のためのプレスボードを設
ける必要はない。そのため、上記と同様、図12におけ
るプレスボード4’の寿命が短くなるといった問題がな
くなる。また、コア1の側面部 (巻径方向に垂直な面)
は、コア1の上下面に比べ温度上昇が小さいので、コア
1の角部もしくはコア1の側面部とコロナリング3a〜
3dとが接触していても、コロナリング3a〜3dはほ
とんど加熱されず、上記と同様にプレスボード4の長超
寿命化を図ることができる。
【0017】また、上記実施例では、円環状のコアにつ
いて説明したが、図3に示すように、レーストラック形
状のコアに本実施例を適用してもよい。図3は、上記実
施例をレーストラック形状のコアに適用した場合の上面
図であり、前記図1(b)に相当し、プレスボード、巻
線等は省略されている。本実施例の構成は、コアの形状
がレーストラック形状である点を除き、前記図1〜図2
に示した実施例と同じであり、第1の実施例と同様、コ
ロナリング3a〜3dの加熱を防ぐことができ、また、
プレスボード4の長寿命化を図ることができる。
【0018】上記した実施例では、内輪側の断面が円形
状のコロナリング3c,3dを芯材の面取り部分に設置
したが、以下のような設置構造でもよい。図4(a)に
示す例においては、コア1の内輪側に設置するコロナリ
ング3c,3dに、芯材1aと嵌め合う直角の切り欠き
部分を持った金属性の固定部材32を溶接する。固定部
材32は、コロナリング3c,3dの円輪上に2〜3ヶ
所設ける。また、図4(b)に示す例においては、芯材
1aの内側に筒状部材33を設ける。筒状部材の長さ
は、芯材の長さより短く、芯材1aの上下の角部近傍に
段差部33aが形成されるようにする。筒状部材33と
芯材1aとは不図示のねじ等で固定される。この段差部
33aに断面円形状のコロナリング3c,3dを設置す
る。上記構成であれば、コロナリング3c,3dを芯材
1aの角部、もしくは、上記段差部33aに載置するこ
とで、容易にコロナリング3c,3dを設置することが
できる。
【0019】上記した図1、図2、図3に示した実施例
では、コア1の外輪側に設けられたコロナリング3a,
3bに複数の切り欠き部31を設け、コア1の側面に設
けられた複数のボス6を貫通するロッド7と切り欠き部
31を当接させることにより保持しているが、図5に示
す設置構造でもよい。すなわち、図5(a)に示すよう
に、コロナリング3a,3bにロッド34を複数設け
る。そして図5(b)に示すように、ロッド34をコア
1の側面に設けられたボス6の嵌合穴部に挿入し、止め
ねじ6a等で固定する。
【0020】前記したように、露光に用いられているレ
ーザ装置のレーザパルスの繰返し周波数は、4kHz以
上が要請され始めているので、磁気スイッチや昇圧トラ
ンスとして使用される巻線機器のコアでの発熱量が増加
する。前記図10に示したように、コアは両面に絶縁物
の薄膜(例:シリカ薄膜)が施された磁性合金薄帯を芯
材に年輪状に巻き回したものであるので、発熱量によっ
ては、磁性合金薄帯とシリカ薄膜との熱膨張係数の違い
からシリカ薄膜にクラックが生じることがある。クラッ
クが生じるとそこから漏れ電流が多くなり、さらに発熱
し、最終的には回路素子としての特性を失うことにな
る。そこで、高繰返し周波数に対応するため、巻線機器
の構造としては、コアを薄板状に分割して、各薄板状コ
アがプレスボードやガラスエポキシ等の絶縁材料からな
るスペーサによってそれぞれが一定距離だけ離間するよ
うに配置するものが採用されることが多い。このような
構造をとることにより、コアの絶縁性冷媒と接する面積
が増大してコアの冷却効率が高くなる。このため、発熱
量が増大する4kHz以上の高繰返し周波数にも対処す
ることが可能となる。
【0021】次に、上記構成のコアに、本発明のコロナ
リングを適用した本発明の第2の実施例について説明す
る。ここでは、例として、本出願の発明者等が特願20
01−231505号にて提案した巻線機器のコア構造
に対して、本発明のコロナリングを適用したものを図6
に示す。なお、図6は、本実施例の巻線機器の断面図
(図1(a)に相当)を示し、薄板状のコアを用いた点
を除き、基本的な構成は前記図1と同様であり、本実施
例の巻線機器を、上面から見た図、コロナリングの取り
付け構造等は図1で説明したものと同様である。図6に
示した巻線機器の構造は、円環状の支え部材12を、薄
板状に形成された各コア11a〜11d間に挿入するこ
とにより、各コア11a〜11dを所定距離だけ離間さ
せて保持したものである。支え部材12の外周の直径
は、コア11a〜11dの芯材1aの外周の直径と略一
致し、コア11a〜11dとは接触しない。支え部材1
2は金属製であり、例えば、ステンレス(SUS31
0)鋼よりなる。
【0022】ここで、支え部材12はその外周より径が
小さい円環状の突出部12aを上下面に有する。この支
え部材12の上下面に設けた突出部12aにより各コア
11a〜11dが略同軸状となるように位置決めされ
る。設計条件によってコア11a〜11dの厚みは変わ
るが、例えば、厚みが10mm以下だとコア11a〜1
1dの自重によるたわみが生じる。このような場合、コ
ア11a〜11dの自重によるたわみ等を防止するた
め、コア外輪側の側面にボス13を数ヶ所設けてこれら
のボス13にロッド14を貫通させ、ボス13とロッド
14を止めねじ13aで固定する。各コアを所定距離離
間させて保持するに当たり、前記したコアに対して放射
線状に密着したスペーサではなく、芯材1aにのみ密着
した支え部材12で各コア11a〜11dを保持するの
で、支え部材12とコア11a〜11dとが接触せしな
い。このため、コア表面における冷媒の流れが妨げられ
る部分が生じず、冷媒とコア表面との熱交換が阻害され
ることが無くなる。よって、4kHz以上の高繰返し周
波数条件においても、コアの発熱による劣化といった問
題を回避できる。
【0023】本実施例では、図6に示した構造の巻線機
器に、本発明を適用し、断面形状が円形状のコロナリン
グ3a〜3dを薄板状のコア11aの上側、コア11d
の下側の外輪側および内輪側に全周にわたって設ける。
コア11a,11dの内輪側に設けられたコロナリング
3c,3dは、前記図1に示したものと同様、芯材1a
の面取り部分に設置される。一方、コア11a,11d
の外輪側に設けられたコロナリング3a,3bは前記し
たようにコア11a〜11dの側面に設けられた複数の
ボス13を貫通するロッド14により支える。コロナリ
ング3a,3bの設置の仕方は前記図2(c)で説明し
たのと同様であり、図6に示すように、ロッド14と当
接する部分に切り欠き部が設けられ、この切り欠き部
に、上記ロッド14が係合する。なお、コロナリング3
a,3bはコア11a,11dの角の頂部近傍に位置す
るようロッド14により保持される。そして、コロナリ
ング3a〜3dを囲うようにプレスボード4が設けられ
る。なお、プレスボード4はコア11a〜11dの上下
面を覆って熱がこもらないようにするために、前記図2
(d)に示したようにコア11a,11dの上下面部分
と対向する位置に開口部が設けられる。プレスボード4
は複数のプレスボード押さえ5により挟まれ、プレスボ
ード押さえ5を貫通する雄ねじ状のロッド8とナット8
aにより固定される。そして、プレスボード4の上に巻
線が巻かれ、全体が絶縁オイル中に浸される。
【0024】上記構成とすることにより、コロナリング
3a〜3dは、コア11a〜11dとは接触せず、コア
11a〜11dとコロナリング3a〜3dとの間に、絶
縁のためのプレスボード(前記図12に示したプレスボ
ード4’)を設ける必要はなく、コアとコロナリングA
〜Dとの間のプレスボードの寿命の問題がなくなる。ま
た、コロナリング3a〜3dとコア11a〜11dとは
接触せず、特に温度上昇の激しいコアの上下面方向にコ
ロナリング3a〜3dが存在しないので、コアの上下面
や角部を十分に冷却することができる。さらに、コア1
1a〜11dとコロナリング3a〜3dとは非接触であ
るので、コア11a〜11dの温度がコロナリング3a
〜3dに伝わらない。このため、コロナリング3a〜3
dの加熱を防ぐことができ、コロナリング3a〜3dを
囲って設けたプレスボード4の温度を低くすることがで
き、プレスボードの長寿命化を図ることができる。
【0025】次に上記薄板状のコアを用いた他の構成の
巻線機器に本発明を適用した第3の実施例について説明
する。図7に示した巻線機器の構造は、支え部材12を
円筒状に構成して、各コア11a〜11d間に挿入する
ことにより、各コア11a〜11dを所定距離だけ離間
させて保持するように構成したものである。支え部材1
2の外周、内周の直径は、コア11a〜11dの芯材1
aの外周、内周の直径と略一致し、コア11a〜11d
とは接触しない。支え部材12は金属製であり、例え
ば、ステンレス(SUS310)鋼よりなる。また、筒
状部材15を新たに設ける。筒状部材15の外周の直径
は、コア11a〜11dの芯材1a、支え部材12の内
周の直径以下である。そして、筒状部材15にコア11
a〜11d、支え部材12を、コア11d、支え部材1
2、コア11c、支え部材12、…、支え部材12、コ
ア11aの順に嵌めこむことにより、各コア11a〜1
1dと各支え部材12が略同軸状となるように位置決め
されるとともに、各コア同士が所定距離離間されて保持
される。図7の巻線機器の構造によれば、図6のように
支え部材12に突出部12aを設けずともよいので、構
造がシンプルで、製作コストも低減される。
【0026】図7に示した構造の巻線機器に、本発明を
適用し、断面形状が円状コロナリング3a〜3dを、薄
板状のコア11aの上側、コア11dの下側の外輪側お
よび内輪側に全周にわたって設ける。ここで、筒状部材
15の長さを、最上段のコア11aおよび最下段のコア
11dの芯材1aと段差部15aが形成されるように、
コア1a〜1dおよび支持部材12の合計長より短く設
定する。筒状部材15は、最上段および最下段のコア1
1a,11dの芯材1aと不図示のねじで固定されてい
る。この段差部15aに断面円形状のコロナリング3
c,3dを設置する。一方、コア11a,11d外輪側
に設けられたコロナリング3a,3bはコアの側面に設
けられた複数のボス13を貫通するロッド14により支
えられる。すなわち、図6に示したように、コロナリン
グ3a,3bのロッド14と当接する部分には切り欠き
部が設けられており、この切り欠き部に、上記ロッド1
4が係合する。なお、コロナリング3a,3bはコア1
1a,11dの角の頂部近傍に位置するようロッド14
により保持される。そして、コロナリング3a〜3dを
囲うようにプレスボード4が設けられる。なお、プレス
ボード4はコア11a,11dの上下面を覆って熱がこ
もらないようにするために、前記図2(d)に示したよ
うに、コア11a,11dの上下面部分と対向する位置
に開口部が設けられる。プレスボード4は複数のプレス
ボード押さえ5により挟まれ、プレスボード押さえ5を
貫通する雄ねじ状のロッド8とナット8aにより固定さ
れる。そしてプレスボード4の上に巻線が巻かれ、全体
が絶縁オイル中に浸される。
【0027】上記構成とすることにより、コロナリング
3a〜3dは、コア11a、11dとは接触せず、コア
11a、11dとコロナリング3a〜3dとの間に、絶
縁のためのプレスボード(前記図12に示したプレスボ
ード4’)を設ける必要はなく、コアとコロナリングと
の間のプレスボードの寿命の問題がなくなる。また、コ
ロナリング3a〜3dとコア11a、11dとは接触せ
ず、特に温度上昇の激しいコア11a、11dの上下面
方向にコロナリング3a〜3dが存在しないので、コア
11a〜11dの上下面や角部を十分に冷却することが
できる。さらに、コア11a〜11dとコロナリング3
a〜3dとは非接触であるので、コア11a〜11dの
温度がコロナリング3a〜3dに伝わらない。このた
め、コロナリング3a〜3dの加熱を防ぐことができ、
コロナリング3a〜3dを囲って設けたプレスボード4
の温度を低くすることができ、プレスボードの長寿命化
を図ることができる。
【0028】
【発明の効果】以上説明したように本発明においては、
以下の効果を得ることができる。 (1)断面円形状の環状物である電界緩和部材を、磁心
の内輪側に、巻芯もしくは巻芯の内周に取り付けられた
支持部材により支持して取り付け、また、上記電界緩和
部材を、磁心の外輪側に、磁心の外周に取り付けられた
支持部材により磁心と離間させて取り付けたので、電界
緩和部材と磁心が接触することがなく、磁心の上下面や
角部を充分に冷却することができる。このため、繰り返
し周波数が4kHz以上の高繰り返し周波数条件下で
も、コアの冷却を充分に行うことができ、巻線機器の長
寿命化を図ることができる。また、電界緩和部材とし
て、断面円形状の環状物を使用しているので、電界緩和
部材を製造するための加工コストを低減化することがで
き、巻線機器を安価に構成することができる。 (2)磁心と電界緩和部材が接触していないので、電界
緩和部材の加熱を抑えることができる。このため、磁心
を囲むプレスボードの熱伝導による加熱を抑制でき、プ
レスボードの短寿命化を防ぐことができる。 (3)複数枚の薄板状のコアを所定距離離間して配置し
た巻線機器に、本発明を適用することにより、冷却効率
を一層向上することができ、より高い繰り返し周波数で
使用される巻線機器にも適用できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例の巻線機器の構成を示す
図(1)である。
【図2】本発明の第1の実施例の巻線機器の構成を示す
図(2)である。
【図3】本発明の第1の実施例をレーストラック形状の
コアに適用した場合を示す図である。
【図4】内輪側のコロナリングの設置構造の他の例を示
す図である。
【図5】外輪側のコロナリングの設置構造の他の例を示
す図である。
【図6】本発明の第2の実施例の巻線機器の構成を示す
図である。
【図7】本発明の第3の実施例の巻線機器の構成を示す
図である。
【図8】露光用ガスレーザ装置においてレーザガスを励
起するための高電圧パルス発生回路の例を示す図であ
る。
【図9】磁気スイッチの構成例を示す図である。
【図10】磁気スイッチを構成する可飽和リアクトルに
おいてコアに巻線が巻かれた様子を示す図である。
【図11】リアクトルの断面構造を概念的に示す図であ
る。
【図12】リアクトルのコアに取りつけられる従来のコ
ロナリングの取付け構造を示す図である。
【図13】先に提案した巻線機器のコロナリングの構造
を示す図である。
【符号の説明】
1 コア 1a 芯材 3a〜3d コロナリング 4 プレスボード 5 プレスボード押さえ 6 ボス 7 ロッド 8 ロッド 11a〜11d コア 12 支え部材 13 ボス 14 ロッド 15 筒状部材 31 切り欠き部 32 固定部材 33 筒状部材 34 ロッド部 41 開口部

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁性合金薄帯が巻芯に巻回されてなる磁
    心と、この磁心に巻線が巻かれ、絶縁性の冷媒中で使用
    される巻線機器において、 上記磁心と巻線との間に、磁心の角部で発生する電界集
    中を緩和する電界緩和部材が設けられ、 上記電界緩和部材は断面円形状の環状物であり、 磁心の内輪側に設けられた電界緩和部材は、巻芯もしく
    は巻芯の内周に取り付けられた支持部材により支持さ
    れ、 磁心の外輪側に設けられた電界緩和部材は、磁心の外周
    に取り付けられた支持部材により支持され、磁心と離間
    してあるいは磁心の角部もしくは巻線の巻径方向に直交
    する面と接触して取り付けられていることを特徴とする
    巻線機器。
  2. 【請求項2】 上記磁心の外側面にボスを設け、該ボス
    を貫通するロッドを設け、また、上記巻芯に面取り部を
    形成し、 上記ロッドの両端部および上記巻芯の面取り部に断面円
    形状の環状物である外輪側と内輪側の電界緩和部材を配
    置したことを特徴とする請求項1記載の巻線機器。
  3. 【請求項3】 上記磁心の外側面にボスを設け、該ボス
    を貫通するロッドを設け、また、該巻芯の端部に段差部
    を構成するよう上記巻芯の内周部に筒状部材を設け、 上記ロッドの両端部および上記段差部に断面円形状の環
    状物である外輪側と内輪側の電界緩和部材を配置したこ
    とを特徴とする請求項1記載の巻線機器。
  4. 【請求項4】 上記巻線機器は、磁性合金薄帯が環状の
    巻芯に巻き回されたコアが複数個、所定距離だけ離間し
    て配置され、この複数個のコアからなる組立体に巻線が
    巻かれ、絶縁性の冷媒中で使用される巻線機器であっ
    て、 各コア間に支え部材をコアとは接触しないように配置
    し、上記複数個のコアを所定距離離間させるように支持
    したことを特徴とする請求項1、2、もしくは請求項3
    に記載の巻線機器。
  5. 【請求項5】 磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路及び
    昇圧トランス回路を含む高電圧パルス発生回路であっ
    て、 上記磁気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしく
    は上記昇圧トランス回路の昇圧トランスとして、上記請
    求項1、2、3もしくは請求項4の構造を有する巻線機
    器を用いたことを特徴とする高電圧パルス発生回路。
  6. 【請求項6】 磁気圧縮回路もしくは磁気圧縮回路及び
    昇圧トランス回路を含む高電圧パルス発生回路の出力端
    に接続され、レーザチェンバ内に配置された一対のレー
    ザ放電電極と、 上記電極と並列に接続されたピーキングコンデンサとを
    有する放電励起ガスレーザ装置において、 上記磁気圧縮回路に設けられた可飽和リアクトルもしく
    は上記昇圧トランス回路の昇圧トランスとして、上記請
    求項1、2、3もしくは請求項4の構造を有する巻線機
    器を用いたことを特徴とする放電励起ガスレーザ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2008124433A (ja) * 2006-10-20 2008-05-29 Meidensha Corp パルス電源用巻線機器及びパルス電源
CN103954892A (zh) * 2014-04-29 2014-07-30 国家电网公司 一种适用于各种尺寸导电杆的变压器套管均压装置

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