JP2003152248A - 光デバイス - Google Patents

光デバイス

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JP2003152248A
JP2003152248A JP2001343967A JP2001343967A JP2003152248A JP 2003152248 A JP2003152248 A JP 2003152248A JP 2001343967 A JP2001343967 A JP 2001343967A JP 2001343967 A JP2001343967 A JP 2001343967A JP 2003152248 A JP2003152248 A JP 2003152248A
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chemical
optical device
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Application number
JP2001343967A
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English (en)
Inventor
Shunichi Hosaka
俊一 保坂
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光源、レンズ、ミラー等の光学部品を1つ以
上有する光デバイスにおいて、光学部材の接着強度を向
上して光デバイス全体として所望の光学特性および耐久
性を改良し、また、温度が変化しても安定な出力を有
し、温度変化に対する耐久性も優れたレーザー光源を提
供すること。 【解決手段】 脂環式エポキシ基を有する化合物、オキ
セタニル基を有する化合物、重合非収縮性モノマー、及
び触媒量のオニウム塩光反応開始剤を含有する接着性組
成物を、複数の光学部品からなる被着体の間に接着厚さ
が0.05μm以上5μm以下となるように挿入した
後、活性エネルギー線により硬化させたことを特徴とす
る光デバイス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光デバイスに関
し、更に詳しくはレーザー光源に関する。特に、固体レ
ーザー結晶を半導体レーザー(レーザーダイオード)に
よって励起するレーザーダイオード励起固体レーザーに
おけるUV不透過性又はUV(紫外線)透過性光学部品
を接着固定する活性エネルギー硬化型接着剤に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】特開平8−186308号公報では、レ
ーザーダイオード励起固体レーザーにおいてレーザー発
振を安定に維持する(共振器長変化を抑える)ため、共
振器ミラーをホルダーに固定する接着剤の層厚を5μm
以下にすることが開示されており、これに用いる好まし
い接着剤組成物として、特開2001−177166号
公報には、UV硬化型の接着性組成物が開示されてい
る。これらの接着剤の体積収縮率は、5〜6%であった
が、これをさらに小さくできれば、共振器長変化がさら
に抑えられ、安定性が増すことが考えられる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明が解決しようと
する課題は、光源、レンズ、ミラー等の光学部品を1つ
以上有する光デバイスにおいて、光学部材の接着強度を
向上して光デバイス全体として所望の光学特性および耐
久性を改良することである。本発明の課題はまた、温度
が変化しても安定な出力を有し、温度変化に対する耐久
性も優れたレーザー光源を提供することである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の上記の課題は、
UV(紫外線)及び可視光を含む活性エネルギ線により
硬化する接着性組成物の接着特性を維持しつつ、硬化収
縮率を体積収縮率として4%以下に小さくすることによ
り解決された。具体的には、接着性組成物硬化収縮率を
小さくする方法として、重合非収縮性モノマーを併用し
たものである。
【0005】すなわち、本発明の上記課題は、具体的に
は以下の手段により解決された。 項1)脂環式エポキシ基を有する化合物、オキセタニル
基を有する化合物、重合非収縮性モノマー、及び触媒量
のオニウム塩光反応開始剤を含有する接着性組成物を、
複数の光学部品からなる被着体の間に接着厚さが0.0
5μm以上5μm以下となるように挿入した後、活性エ
ネルギー線により硬化させたことを特徴とする光デバイ
ス、 項2)重合非収縮性モノマーが、BOE(ビシクロオル
ソエルテル)、SOE(オルソスピロエステル)、及び
SOC(オルソスピロカーボネート))よりなる群より
選ばれた環状構造を少なくとも1つ有する化合物である
項1)記載の光デバイス、
【化3】 式中、R及びR’はいずれも置換基を有しても良いアル
キル基を示し、nは2〜10の整数を示し、R及びR
はいずれも置換基を有しても良い2価のアルキレン基
を示す。上記の環状構造をn個(nは2〜4の整数を示
す。)有する化合物においては、上記(a)ないし(c)の化
学構造中の水素原子1つを除いた構造である環状官能基
をn価の有機連結基により連結した化学構造を有する。 項3)オキセタニル基を有する化合物が、下記一般式
(1)で表される項1)又は項2)記載の光デバイス、
【化4】 式(1)中、R1はメチル基又はエチル基を示す。R
2は、水素原子又は炭素数1ないし12の炭化水素基を
示す。 項4)少なくとも1種の光増感剤を含有する接着性組成
物を、紫外線又は波長390nm〜500nmの可視光
により硬化させた項1)ないし項3)いずれか1つに記
載の光デバイス、
【0006】重合非収縮性モノマー及びその製造方法は
公知である。しかし、本発明が解決しようとする課題の
解決に、重合非収縮性モノマーを含む接着性組成物を使
用することは新規であるばかりか、当業者が容易に思い
つくものではない。特に重合非収縮性モノマーを用いて
所望の特性を有する接着性組成物にするために広範囲の
検討を行ったことは後述の通りである。
【0007】
【発明の実施の態様】以下に本発明の好ましい実施態様
を列挙する。 項5)接着組成物がシランカップリング剤を含有する項
1)ないし項4)いずれか1つに記載の光デバイス、 項6)接着性組成物が0.1μm以上1.0μm以下の
平均直径を有する球状シリカ粒子を含有する項1)ない
し項5)いずれか1つに記載の光デバイス、 項7)被着体が金属性部材と無機透明部材または紫外線
を実質的に透過せず波長390〜500nmの可視光線
を透過する無機部材である項4)ないし項6)いずれか
1つに記載の光デバイス、 項8)光源が、2つの共振器ミラーからなるファブリー
・ペロー型共振器を有するレーザーダイオード励起固体
レーザーである項1)ないし項7)いずれか1つに記載
の光デバイス、 項9)脂環式エポキシ基を有する化合物、オキセタニル
基を有する化合物、重合非収縮性モノマー、触媒量のオ
ニウム塩光反応開始剤、及び光増感剤を含有し、室温か
ら40℃における粘度が10mPa・s以上、1000
mPa・s以下であって、被着体との接触角が40度以
下である接着性組成物を、複数の光学部品からなる被着
体間の間に接着厚さが0.05μm以上5μm以下とな
るように挿入した後、紫外線または390〜500nm
の可視光線により硬化させることを特徴とする光デバイ
スの製造方法、 項10)390〜500nmの可視光線により硬化させ
る、項9)に記載の光デバイスの製造方法。
【0008】以下本発明をさらに詳細に説明する。本発
明において、光デバイスとは、光源、レンズ、平面反射
ミラー、凹面鏡、凸面鏡、回折格子等の光学部品よりな
る群から選ばれた少なくとも1つの光学部品を有する装
置をいう。なお、光学部品には、これらの光学部品を接
着固定するホルダー等の被着体部品(銅、銅合金、アル
ミニウム等の金属製部材の他に、シリコン単結晶等より
構成されることが多い。)も含まれるので、本発明の光
デバイスは、複数の光学部品から構成されることにな
る。本発明の光デバイスの具体例としては、レーザー光
源、光学的読みとり装置、光ピックアップ等の部品、及
びこれらの部品を使用した最終製品が含まれる。この最
終製品には、写真フイルムや電子スチールカメラの記録
媒体からカラープリントを作製するデジタルプリンター
が含まれる。
【0009】本発明に用いる接着性組成物は、脂環式エ
ポキシ基を有する化合物、オキセタニル基を有する化合
物、重合非収縮性モノマー、及び触媒量のオニウム塩光
反応開始剤を必須成分として含有する。また、活性エネ
ルギー線としては、放射線、ガンマー線、アルファ線、
電子線、紫外線・可視光線などの活性光線が挙げられ
る。更に本発明に使用する接着性組成物に任意成分とし
て硬化反応波長を長波長側に延長するための光増感剤を
含有せしめても良い。この場合には、硬化反応波長を紫
外線領域から390〜500nm又はそれ以上の可視光
線の領域に広げることができる。これらの脂環式エポキ
シ基を有する化合物(本発明において、単に「脂環式エ
ポキシ化合物」ともいう。)、オキセタニル基を有する
化合物(本発明において、単に「オキセタン化合物」と
もいう。)、重合非収縮性モノマー、光反応開始剤、及
び光増感剤は、いずれも1種類でも、2種以上の混合物
でも良い。
【0010】本発明には、1分子内に2個以上のエポキ
シ基を有する化合物が使用できるが、このエポキシ基を
有する化合物としては、1分子内に脂環式エポキシ基を
全く有しないグリシジル化合物よりも、1分子内に少な
くとも1つの、好ましくは2個以上の脂環式エポキシ基
を有する化合物が用いられる。「脂環式エポキシ基を有
する化合物」とは、シクロペンテン基、シクロヘキセン
基等のシクロアルケン環の二重結合を過酸化水素、過酸
等の適当な酸化剤でエポキシ化した部分構造を1分子内
に1個以上有する化合物を言う。脂環式エポキシ化合物
としては、シクロヘキセンオキシド基又はシクロペンテ
ンオキシド基を1分子内に1個以上有する化合物が好ま
しい。このような脂環式エポキシ化合物の具体例として
は、4−ビニルシクロヘキセンジオキサイド、(3,4
−エポキシシクロヘキシル)メチル−3,4−エポキシ
シクロヘキシルカルボキシレート、ジ(3,4−エポキ
シシクロヘキシル)アジペート、ジ(3,4−エポキシ
シクロヘキシルメチル)アジペート、ビス(2,3−エ
ポキシシクロペンチル)エーテル、ジ(2,3−エポキ
シ−6−メチルシクロヘキシルメチル)アジペート、ジ
シクロペンタジエンジオキサイド、が挙げられる。脂環
式エポキシ化合物は1種類を使用しても、2種以上の混
合物を使用しても良い。種々の脂環式エポキシ化合物が
市販されており、ユニオンカーバイド日本(株)、ダイ
セル化学工業(株)等から入手できる。
【0011】又、本発明において、1分子内に脂環式エ
ポキシ基を全く有しないグリシジル化合物を脂環式エポ
キシ化合物とほぼ等重量以下併用することもできる。こ
のようなグリシジル化合物としては、グリシジルエーテ
ル化合物やグリシジルエステル化合物を挙げることがで
きるが、グリシジルエーテル化合物を併用することが好
ましい。グリシジルエーテル化合物の具体例を挙げる
と、1,3−ビス(2,3−エポキシプロピロキシ)ベ
ンゼン、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノ
ールF型エポキシ樹脂、フェノール・ノボラック型エポ
キシ樹脂、クレゾール・ノボラック型エポキシ樹脂、ト
リスフェノールメタン型エポキシ樹脂等の芳香族グリシ
ジルエーテル化合物、1,4−ブタンジオールグリシジ
ルエーテル、グリセロールトリグリシジルエーテル、プ
ロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロ
ールプロパントリグリシジルエーテル等の脂肪族グリシ
ジルエーテル化合物が挙げられる。グリシジルエステル
としては、リノレン酸ダイマーのグリシジルエステルを
挙げることができる。脂環式エポキシ化合物に併用する
グリシジル化合物は、1種類でも良く、又は2種以上を
混合使用しても良い。グリシジルエーテル類は油化シェ
ルエポキシ(株)等から市販品を入手できる。
【0012】本発明に用いるオキセタニル基を有する化
合物は、1分子中にオキセタニル基を1個以上有する化
合物である。このオキセタニル基含有化合物は、1分子
中に1個のオキセタニル基を有する化合物と、1分子中
に2個以上のオキセタニル基を有する化合物に大別され
る。
【0013】1分子中に1個のオキセタニル基を有する
単官能オキセタン化合物としては、以下の一般式(1)
で表される化合物が好ましい。
【化5】 式(1)中、R1はメチル基又はエチル基を示す。R2
水素原子または炭素数1ないし12の炭化水素基を示
す。R2としては、水素原子が好ましい。また。R
炭化水素基としては、フェニル基やベンジル基も採りう
るが、炭素数6ないし8のアルキル基が好ましく、2−
エチルへキシル基等の分岐アルキル基が特に好ましい。
2がフェニル基であるオキセタン化合物の例は、特開
平11−140279号公報に記載されている。R2
置換されていても良い、ベンジル基であるオキセタン化
合物の例は、特開平6−16804号公報に記載されて
いる。R1がエチル基であり、R2が水素原子であるオキ
セタン化合物は、優れた希釈剤、硬化促進剤、柔軟性付
与剤、及び表面張力低下剤として本発明に好ましく使用
される。
【0014】本発明においては、1分子中に2個以上の
オキセタニル基を有する多官能オキセタン化合物が使用
できるが、好ましい化合物群は、下記の一般式(2)で
表される。
【化6】 式(2)中、mは2、3又は4の自然数を示し、Zは酸
素原子、硫黄原子、又はセレン原子を表す。R3は水素
原子、フッ素原子、炭素数が1ないし6の直鎖もしくは
分岐状のアルキル基、炭素数が1ないし6のフルオロア
ルキル、アリル基、フェニル基又はフリル基である。R
4は、m価の連結基であり、炭素数が1ないし20の基
であることが好ましく、1個以上の酸素原子、硫黄原子
を含んでいても良い。Zは酸素原子が好ましく、R3
エチル基が好ましく、mは2が好ましく、R4として
は、炭素数が1ないし16の線形又は分岐アルキレン
基、線形又は分岐ポリ(アルキレンオキシ)基が好まし
く、R3、R4、Z、及びmに対する好ましい例の内から
任意の2つ以上を組み合わせた化合物は更に好ましい。
【0015】本発明に使用する重合非収縮性モノマーに
ついて説明する。また、重合非収縮性モノマーは、モノ
マーの重合に伴う体積変化が無いか、又は膨張性を示す
モノマーをいい、開環重合性の環状モノマーであること
が好ましく、開環が二重に進行する環状モノマーがより
好ましい。環状モノマーの具体例としては、BOE、S
OE、SOCなどが挙げられ、カチオン二重開環重合の
場合には、最大10%程度の体積膨張性を示す。上記の
重合非収縮性モノマーは、ラジカル重合性、カチオン重
合性、またはアニオン重合性であり、特にカチオン重合
性であることが好ましい。本発明に用いる重合非収縮性
モノマーは、分子量が200〜1,000であることが
より好ましく、分子量が400〜800であることが特
に好ましい。重合非収縮性モノマーは公知であり、遠藤
剛・三田文雄共著、「ラジカル開環重合性モノマー(-
重合非収縮性材料への応用の可能性-)」(No.32 日本
接着学会年次大会講演要旨集36−49頁(1994);遠藤
剛,三田文雄著「重合時に非収縮性を示す新規材料の設
計」(色材, 67[4], 250-257(1994);遠藤剛、有賀利郎
共著、「環状カーボナート類の開環重合と機能」(色
材、68[5]、286-293ページ(1995年)等に記載されてい
る。また、重合非収縮性モノマー及びその製造方法は、
特開昭61−22086、特開昭57−42724、特
開昭59−6211、特開平2−32130、特開平6
−321951、特開平7−64282、特開平7−6
4281、特開平7−33960、特開平8−2726
7、特開2000−256362に記載されている。
【0016】本発明に用いる重合非収縮性モノマーの具
体例として、下記一般式(3)で表されるオルソスピロ
エステル基を2個有するオルソスピロエステル化合物が
挙げられる。下記一般式(3)の具体的な化合物例は、
特開平8−27267号公報および特開昭57−427
24号公報に記載されている。
【0017】
【化7】 但し、式中Aは、
【0018】
【化8】 (但し、式中Rは水素又は低級アルキル基を示す)を示
し、mは0〜10の整数を示し、また、qは2〜10の
整数を示す。
【0019】また、下記一般式(5)で表されるオルソ
スピロエステル残基を少なくとも2個有するオルソスピ
ロエステル系化合物も本発明で使用できる。下記一般式
(5)に該当する化合物例は、特開昭61−22086
に記載されている。
【0020】
【化9】 但し、上式において、Rは水素原子でRは以下の
(a)または(b)で表される基であるか、またはR
とRは両者が一体をなして形成する以下の(c)で表
される二価の基である。
【0021】
【化10】
【0022】
【化11】 式(b)においてnは、1以上の整数である。
【0023】
【化12】
【0024】本発明に用いるオニウム塩光反応開始剤
は、単独で紫外線により、又は好ましくは光増感剤の存
在下で可視光線により、接着性組成物が照射されること
により、活性な化学種を生成すると考えられるオニウム
塩を言う。オニウム塩光反応開始剤としては、芳香族ヨ
ードニウム塩、芳香族スルフォニウム塩等が、熱的に比
較的安定であるために好ましい。ここで、活性光線と
は、オニウム塩に作用して化学反応を開始しうる化学的
活性種(ルイス酸、ブレンステッド酸等のカチオン種)
を生成しうる光であり、波長が300nmないし390
nm未満の紫外線、及び波長が390nmないし500
nmの可視光線が好ましく用いられる。
【0025】芳香族スルフォニウム塩及び芳香族ヨード
ニウム塩をオニウム塩光反応開始剤として使用する場
合、その対アニオンとしては、BF4 -、AsF6 -、Sb
6 -、PF6 -、PF6 -、B(C654 -などが挙げられ
る。開始剤としては、芳香族スルフォニウムのPF6
又はSbF6塩が、溶解性と適度の重合活性を有するた
めに好ましく使用できる。又、溶解性を改良するため
に、芳香族基ヨードニウム塩又は芳香族スルフォニウム
塩の芳香族基、通常はフェニル基に、1ないし10の炭
素を有する、アルキル基又はアルコキシ基を1つ以上導
入した化学構造が好ましい。芳香族スルフォニウム塩の
PF6塩又はSbF6塩は、ユニオンカーバイド日本
(株)等から市販されている。旭電化工業(株)から
も、アデカオプトマーSPシリーズの商品名で芳香族ス
ルフォニウムのPF6塩が市販されている。日本曹達
(株)からも、カチオン重合開始剤「CIシリーズ」の
商品名で芳香族スルフォニウムのPF6塩が市販されて
いる。芳香族スルフォニウム塩は約360nmまでに吸
収を有し、芳香族ヨードニウム塩は約320nmまでに
吸収を有する。
【0026】以下に示す化学構造式の中でもスルフォニ
ウム塩PI-3及びPI-4は、本発明で好ましく使用される。
【0027】
【化13】
【0028】
【化14】
【0029】光増感剤は、オニウム塩光反応開始剤を含
む接着性組成物が可視光線、好ましくは390〜500
nmの領域の可視光線に対して本組成物を硬化性にする
ための化合物である。この光増感剤により吸収された光
エネルギーは、共存する光反応開始剤にエネルギー移動
され、光反応開始剤に硬化反応を開始するカチオン種及
び/又はラジカルカチオン種を生成せしめると考えられ
る。別の開始機構としては、光増感剤が励起状態から活
性化学種を生成し光反応開始剤の反応開始種を生成する
とも考えられる。本発明で好ましく使用される光増感剤
は、390〜500nmに吸収を有するチオキサントン
類、アセトフェノン類、ベンゾフェノン類、及び9,1
0−ジアルコキシアントラセン類であり、中でも9,1
0−ジアルコキシアントラセン類が特に好ましい。この
化合物の具体例は特開平11−322952に記載され
ている。以下に本発明の光増感剤の具体例を示す。
【0030】
【化15】
【0031】本発明に用いる接着性組成物において、脂
環式エポキシ化合物、オキセタン化合物及び重合非収縮
性モノマーの重量比は、(95ないし20)重量部対
(5ないし80)重量部であり、好ましくは、(80な
いし40)重量部対(20ないし60)重量部である。
単官能オキセタン化合物が少なすぎると接着性組成物の
粘度、表面張力等の液物性が良好でなく、逆に単官能オ
キセタン化合物の添加量が多すぎると、硬化物が柔軟に
なりすぎ、接着強度が低下する。重合非収縮性モノマー
が少なすぎると接着性組成物の硬化収縮率の低減効果が
良好でなく、多すぎると接着性組成物の粘度が高くなり
すぎて良好でない。又、オニウム塩光反応開始剤は触媒
量使用すれば良く、光増感剤を使用する場合には、39
0〜500nmの可視光を吸収して組成物の硬化反応を
開始させるに充分な量であれば良く、オニウム塩光反応
開始剤、光増感剤ともに、その添加量は脂環式エポキシ
化合物及びオキセタン化合物の合計100重量部に対し
て、0.1ないし10重量部であり、0.1ないし7重
量部が好ましい範囲である。
【0032】本発明の光デバイスにおいては、複数の光
学部品からなる被着体の間に接着厚さが0.05μm以
上5μm以下となるように接着性組成物を挿入する。こ
の接着厚さ以下では、接着強度が不足し、この厚さ以上
では、接着剤の硬化収縮の悪影響が生じやすい。0.0
5μm以上2μm以下の接着厚さが好ましく、0.2μ
m以上1μm以下の接着厚さが特に好ましい。
【0033】本発明に用いる接着性組成物に、さらにシ
ランカップリング剤を添加することが好ましい。シラン
カップリング剤は、光学部品及びその被着体である無機
の部材や金属製部材と接着性組成物とを化学的に結合す
る性質を有していると考えられる。このシランカップリ
ング剤の併用により、接着強度及び接着耐久性を改良す
ることができる。本発明に併用するシランカップリング
剤としては、1分子中にエポキシ基及びトリメトキシシ
リル基を有するエポキシシラン類が好ましく用いられ
る。このようなカップリング剤は、信越化学工業(株)
からKBM303、KBM403、KBE402等の商
品名で入手できる。シランカップリング剤の好ましい使
用範囲は、脂環式エポキシ化合物及びオキセタン化合物
の合計100重量部に対して、0.5ないし5重量部と
すれば良く、1ないし3重量部が好ましい。
【0034】本発明に用いる接着性組成物に球状シリカ
粒子を含有せしめることが好ましい。シリカ粒子は、
0.1μmないし2μmの直径を有し、粒度分布ができ
るだけ均一であると良い。平均粒度が0.2μm以上
0.8μm以下である粒子が本発明に好ましく使用さ
れ、形状が真球状に近く、イオン性の不純物が少ないシ
リカ粒子が特に好ましく使用される。このシリカ粒子を
添加することにより硬化させた接着性組成物の熱耐久性
を改良することができる。球状シリカ粒子の添加量は接
着性組成物100重量部に対して、1ないし20重量部
の範囲で適宜選択できる。合成石英球状シリカは(株)
龍森等から市販されている。
【0035】本発明に用いる接着性組成物は、光源、レ
ンズ、ミラー、ハーフミラー、凹面鏡、凸面鏡、回折格
子、等の光学部品を有する光デバイスにおいて、これら
を固定するホルダー等の部品取り付け面に接着固定する
際に適用できる。本発明に用いる接着性組成物を使用す
ることにより、接着剤層を薄くして、その硬化率変化、
応力による接着層厚さ変化を少なく抑えることにより、
耐久性を向上する効果を奏するものである。また、固体
撮像素子(CCD)のような電子デバイス及びその製造
にも本発明の接着性組成物を適用し硬化させることによ
り接着耐久性を向上することができる。また、光硬化型
の塗料、接着剤、インキ及びフォトレジスト、光造形用
の感光性樹脂等へも用いられる。
【0036】本発明者は鋭意検討の結果、接着性組成物
の室温(25℃)から40℃における粘度を10mPa
・s以上、1,000mPa・s以下に調節することが
好ましく、粘度を80mPa・s以上、400mPa・
s以下に調節することが更に好ましく、更に加えて、こ
の接着性組成物と被着体との接触角を40度以下するこ
と、より好ましくは30度以下とすることが良好な接着
固定を与えることを見いだした。組成物粘度を調節する
するためには、低粘度のオキセタン化合物の添加が有効
である。接着性組成物の温度を室温から40℃に昇温す
ることも又有効である。必要に応じて、フッ素系界面活
性剤を添加することにより接触角の調節を行うことがで
きる。フッ素系界面活性剤は、疎水基としてフッ化炭素
を有する界面活性剤であり、アニオン、カチオン及びノ
ニオンの3種があるが、本発明にはフッ素化アルキルエ
ステル系のノニオン界面活性剤の使用が好ましい。この
ノニオン界面活性剤の添加量は、接着性組成物の100
重量部に対して0.1ないし1重量部である。このノニ
オン界面活性剤は住友スリーエム(株)等からフロラー
ド(FC170C、同171、同430、同431等)
の商品名で市販されている。
【0037】本発明に用いる接着性組成物には、上記の
添加剤の他に、染料、顔料等の不活性成分を適宜添加す
ることができる。又、光硬化性を向上させる目的で、ピ
レン、ペリレン、アクリジンオレンジ、チオキサント
ン、2−クロロチオキサントン、ベンゾピラン等の光増
感剤を添加しても良い。本発明に用いる接着性組成物を
硬化させるために短波長可視光源として種々の光源を使
用することができ、例えば、メタルハライド光源、超高
圧水銀灯、水銀アークランプ、キセノンアークランプ、
炭素アークランプ、タングステン−ハロゲン複写ランプ
が挙げられる。
【0038】本発明による光デバイスの製造方法を、以
下にレーザーダイオード励起固体レーザーの製造方法を
例に挙げて説明する。本発明の光デバイスを製造する一
実施方法によると、レーザーダイオード励起固体レーザ
ーの共振器長を決定する光学部品を、ホルダーの共振器
軸と交わる部品取付面に接着固定する際に、この部品取
付面に光学部品を密着させた後、これら両者の隙間から
接着剤を浸透させた後に、これに紫外線または波長39
0nmないし500nmの短波長可視光線成分を含む活
性光線を照射して硬化する。本発明の光デバイスの製造
方法においては、エポキシ基を有する脂環式エポキシ化
合物、オキセタニル基を有する化合物、重合非収縮性モ
ノマー、及び触媒量のオニウム塩光反応開始剤を必須成
分とし、必要に応じて光増感剤を含有する接着性組成物
を使用する。この接着性組成物を、室温から40℃にお
ける粘度が10mPa・s以上1,000mPa・s以
下であって、被着体との接触角が30度以下である接着
性組成物を、複数の光学部品からなる被着体の間に接着
厚さが0.05μm以上5μm以下となるように挿入し
た後、活性エネルギー線、好ましくは活性光線により硬
化する。接着厚さが0.05μm以上2μm以下となる
ように挿入した後、硬化することが好ましい。
【0039】共振器ミラーの接着に本発明の接着性組成
物を使用すると、接着剤の硬化時の硬化収縮率(体積収
縮率)は4%以下である。したがって、ミラー取付面に
おける接着剤の層厚が5μm以下に調整されていれば、
この接着剤層の未硬化部分の硬化収縮が進行しても収縮
は5×0.016=0.08μm以下となる。そこで、
2つのミラー取付面の合計で考えても、接着剤層の硬化
収縮(すなわち共振器長の経時変化)は上記の2倍の
0.16μm以下となり、重合非収縮性モノマーを使用
しない場合の0.2μmに比較して小さくなる。
【0040】このようにして、共振器長の経時変化は発
振波長(1μm近辺)の1/4以下となり、レーザー出
力や縦モードが変動したり、あるいはノイズが発生する
ことを防止できる。更に本発明の接着性組成物は、光学
部品と金属性の被着体等との間が1μm程度に狭くなっ
ても、均一に浸透して、紫外線または短波長可視光線等
により硬化した後も強力かつ柔軟性のある硬化物を生成
するために、低温(−25℃)から高温(80℃)にわ
たる広い温度範囲ではがれの発生の無い接着が実現でき
る。
【0041】ミラー取付面の表面粗さを発振波長以下の
程度とすることにより、接着剤が均一に広く延びやすく
なるので、接着剤層を0.3ないし0.6μm程度に薄
くすることにより、共振器長の変化量をさらに少なく抑
えることができる。
【0042】
【実施例】以下、図面を参照して本発明の実施例を詳細
に説明する。図1は、本発明の一実施例によるレーザー
ダイオード励起固体レーザーを示すものである。このレ
ーザーダイオード励起固体レーザーは、励起光としての
レーザービーム10を発するチップ状態の半導体レーザ
ー11と、発散光である上記レーザービーム10を集光
する集光レンズ12と、ネオジウム(Nd)がドーピン
グされた固体レーザー媒質であるYAG結晶(以下、N
d:YAG結晶と称する)13と、このNd:YAG結
晶13の前方側(図中右方側)に配された共振器ミラー
14とを有している。
【0043】そしてこの共振器ミラー14とNd:YA
G結晶13との間には、Nd:YAG結晶13側から順
に、非線形光学材料であるKNbO 結晶(以下、K
N結晶と称する)15、および石英板からなるエタロン
16が配置されている。
【0044】半導体レーザー11としては、波長809
nmのレーザービーム10を発するものが用いられてい
る。Nd:YAG結晶13は入射したレーザービーム1
0によってネオジウムイオンが励起されて、波長946
nmの光を発する。Nd:YAG結晶13の励起光入射
側の端面13aには、波長946nmの光は良好に反射
させ(反射率99.9%以上)、波長809nmの励起
用レーザービーム10は良好に透過させる(透過率99
%以上)コーティングが施されている。一方石英からな
る共振器ミラー14のミラー面14aには、波長946
nmの光は良好に反射させ下記の波長473nmの光は
透過させるコーティングが施されている。
【0045】したがって、波長946nmの光は上記各
面13a、14a間に閉じ込められてレーザー発振を引
き起こし、こうして発生したレーザービーム18はKN
結晶15により波長が1/2すなわち473nmの第2
高調波19に変換され、この第2高調波19が共振器ミ
ラー14から出射する。
【0046】半導体レーザー11および集光レンズ12
はホルダー20に固定され、一方Nd:YAG結晶1
3、KN結晶15、エタロン16および共振器ミラー1
4は別のホルダー21に固定され、これらのホルダー2
0および21が基準板22に固定されている。そしてこ
の基準板22は、ヒートシンク23に接合されたペルチ
ェ素子24の上に固定されている。
【0047】上に述べた通り本実施例においては、N
d:YAG結晶13と共振器ミラー14とによってファ
ブリー・ペロー型共振器が構成され、この共振器の部分
と半導体レーザー11および集光レンズ12は、上記ペ
ルチェ素子24が図示しない温調回路によって駆動制御
されることにより、所定温度に保たれる。
【0048】次に、ホルダー21に対するレーザー構成
部品の取付け構造について説明する。このホルダー21
は例えば銅からなり、概略角筒状に形成され、その両端
面は共振器軸に対して垂直となるように研磨されてミラ
ー取付面21a、21bとされている。共振器ミラーと
しても作用するNd:YAG結晶13は、その1つの光
通過端面13bをミラー取付面21aに接着することに
より、ホルダー21に固定されている。一方共振器ミラ
ー14は、そのミラー面14aの周外方側に続く面14
bをミラー取付面21bに接着することにより、ホルダ
ー21に固定されている。またKN結晶15およびエタ
ロン16は、ホルダー21内を共振器軸方向に延びる貫
通孔の周壁に接着して、ホルダー21に固定されてい
る。共振器ミラー14の接着面14bをホルダーの接着
面21bに密着して、その隙間に以下に詳述する本発明
の接着性組成物を挿入した後、活性エネルギー線照射に
より硬化させた。
【0049】硬化収縮率測定用サンプルは、硬化前の液
体を2枚の透明PET(75μm厚)間に約0.4mm
の厚さではさみ、一方の透明PET面から、光源にUV
スポット光源(L5662−01:浜松ホトニクス
(株)製)を使用して、UV硬化させて作製した。照射
条件は、L5662−01のシングルライトガイド端と
透明PET間の距離を75mmとし、10分間照射し
た。硬化収縮率の値は、硬化前の液体の密度と硬化後の
固体の密度を、密度勾配管式比重測定装置A型(勾配
液:よう化ナトリウム水溶液):(株)柴山科学器械製
作所製、を使用して測定し、体積収縮率を計算によって
求めた。接着強度測定用サンプルは、被着体にテルル銅
と石英ガラスを使用し、テルル銅と石英ガラス間の接着
剤厚みを約2μmに調整し、光源にUVスポット光源
(L5662−01:浜松ホトニクス(株)製)を使用
して、石英ガラス側から光を当てて接着サンプルを作製
した。接着面積は5mm×5mmとした。接着強度は、
接着後、30℃−1日経時し、それから、温度サイクル
テスト:−25℃⇔80℃(昇降温=1℃/分で−25
℃と80℃では1時間保持)×6回繰り返した後、引張
り試験機でテルル銅と石英ガラスを垂直に引張り、それ
らが剥がれたときの強度を測定した。液体粘度は、回転
・落球式粘度計のAMVn自動マイクロ粘度計(日本シ
イベルヘグナー(株)製)で測定した。 (1)比較例及び実施例1〜4の接着性組成物 比較例は、脂環エポキシ化合物としてユニオンカーバイ
ト日本(株)製のUVR6128:35部、及び、ビス
フェノールF型エポキシ樹脂として油化シェルエポキシ
(株)製のエピコート806:35部を使用し、単官能
オキセタン化合物として東亜合成(株)のアロンオキセ
タンOXT−212(EHOX):30部使用し、ま
た、光反応開始剤としてユニオンカーバイト日本(株)
製のUVI6990:4部使用し、シランカップリング
剤として信越化学工業(株)のKBM303:2部を使
用し、これらの諸成分を配合して調製した。実施例1〜
4は比較例をベースにして、新日鐵化学(株)製の重合
非収縮性モノマーγ−OSEを添加した接着性組成物の
詳細なテストを行った。「UVR6128/エピコート
806/OXT−212」の比率はそのまま保ち、「U
VR6128/エピコート806/OXT−212」と
γ−OSE添加量を変化させてテストした。使用した素
材の化学構造を化16〜化19に示す。実施例1〜13
に使用した配合素材の内容を表1にまとめた。
【0050】
【表1】
【0051】
【化16】
【0052】
【化17】
【0053】
【化18】
【0054】
【化19】
【0055】比較例及び実施例1〜4の結果を表2に示
したが、γ−OSEの添加量を増すと硬化収縮率が減少
し、40%添加で約2%減少させることができた。接着
強度は実施例のγ−OSE添加率=20%の場合を除い
てUV接着強度も比較例と同じかやや低めの値が得られ
た。配合粘度は、γ−OSEの添加量を増すと増加し、
室温ではγ−OSE添加率30%以上で1000mPa
・s以上となったが、温度を40℃とするとγ−OSE
添加率40%以下で1000mPa・s以下とすること
ができた。
【0056】
【表2】
【0057】(2)実施例2,5,6の接着性組成物 実施例5は、実施例2へ光増感剤として旭電化工業
(株)製のSP100:1部を添加し調製した。また、
実施例6は、実施例2へ光反応開始剤UVI6990:
4部の替わりに、日本曹達(株)製のCI5102:4
部を添加し、光増感剤として日本曹達(株)製のCS7
102:1部を添加し調製した。その他の成分は実施例
2のままとした。表3に実施例2,5,6のテスト結果
を示した。硬化収縮率は実施例2,5,6とも同じであ
ったが、実施例2で低かったUV接着強度は実施例5,
6ともに高くなることが見出された。また、実施例6の
方が実施例5よりもUV接着強度が高く、粘度も25℃
と40℃の何れも低くなることが見出された。
【0058】
【表3】
【0059】(3)実施例7〜13の接着性組成物 実施例7は、重合非収縮性モノマーとして新日鐵化学
(株)製のγ−OSE:40部、脂環エポキシ化合物と
してダイセル化学工業(株)製のCelloxide2
081:20部、及び、2官能オキセタン化合物として
東亜合成(株)のアロンオキセタンOXT−121(X
DO):10部を使用し、単官能オキセタン化合物とし
て東亜合成(株)のアロンオキセタンOXT−212
(EHOX):20部、OXT−101(OXA):1
0部を使用し、また、光反応開始剤として日本曹達
(株)製のCI5102:6部、光増感剤として日本曹
達(株)製のCS7102:1部を使用し、シランカッ
プリング剤として信越化学工業(株)のKBM303:
2部を使用し、これらの諸成分を配合して調製した。実
施例8は、重合非収縮性モノマーとして新日鐵化学
(株)製のγ−OSE:40部、脂環エポキシ化合物と
してダイセル化学工業(株)製のCelloxide2
081:20部、及び、2官能オキセタン化合物として
東亜合成(株)のアロンオキセタンOXT−121(X
DO):10部を使用し、単官能オキセタン化合物とし
て東亜合成(株)のアロンオキセタンOXT−212
(EHOX):20部を使用し、2官能エポキシ化合物
としてCellocide3000:10部を使用し、
また、光反応開始剤として日本曹達(株)製のCI51
02:6部、光増感剤として日本曹達(株)製のCS7
102:1部を使用し、シランカップリング剤として信
越化学工業(株)のKBM303:2部を使用し、これ
らの諸成分を配合して調製した。実施例9は、重合非収
縮性モノマーとして新日鐵化学(株)製のγ−OSE:
40部、脂環エポキシ化合物としてダイセル化学工業
(株)製のCelloxide2021P:20部、及
び、単官能オキセタン化合物として東亜合成(株)のア
ロンオキセタンOXT−212(EHOX):20部を
使用し、2官能エポキシ化合物としてCellocid
e3000:20部を使用し、また、光反応開始剤とし
て日本曹達(株)製のCI5102:6部、光増感剤と
して日本曹達(株)製のCS7102:1部を使用し、
シランカップリング剤として信越化学工業(株)のKB
M303:2部を使用し、これらの諸成分を配合して調
製した。実施例10は、重合非収縮性モノマーとして新
日鐵化学(株)製のγ−OSE:40部、脂環エポキシ
化合物としてダイセル化学工業(株)製のCellox
ide2021P:20部、及び、2官能オキセタン化
合物として東亜合成(株)のアロンオキセタンOXT−
121(XDO):10部を使用し、単官能オキセタン
化合物として東亜合成(株)のアロンオキセタンOXT
−212(EHOX):20部を使用し、2官能エポキ
シ化合物としてCellocide3000:10部を
使用し、また、光反応開始剤として日本曹達(株)製の
CI5102:6部、光増感剤として日本曹達(株)製
のCS7102:1部を使用し、シランカップリング剤
として信越化学工業(株)のKBM303:2部を使用
し、これらの諸成分を配合して調製した。実施例11
は、重合非収縮性モノマーとして新日鐵化学(株)製の
γ−OSE:40部、脂環エポキシ化合物としてダイセ
ル化学工業(株)製のCelloxide2081:1
0部、及び、2官能オキセタン化合物として東亜合成
(株)のアロンオキセタンOXT−121(XDO):
10部を使用し、単官能オキセタン化合物として東亜合
成(株)のアロンオキセタンOXT−212(EHO
X):20部、OXT−101(OXA):20部を使
用し、また、光反応開始剤として日本曹達(株)製のC
I5102:6部、光増感剤として日本曹達(株)製の
CS7102:1部を使用し、シランカップリング剤と
して信越化学工業(株)のKBM303:2部を使用
し、これらの諸成分を配合して調製した。実施例12
は、重合非収縮性モノマーとして新日鐵化学(株)製の
γ−OSE:40部、脂環エポキシ化合物としてダイセ
ル化学工業(株)製のCelloxide2081:1
0部、及び、2官能オキセタン化合物として東亜合成
(株)のアロンオキセタンOXT−121(XDO):
20部を使用し、単官能オキセタン化合物として東亜合
成(株)のアロンオキセタンOXT−212(EHO
X):20部、OXT−101(OXA):10部を使
用し、また、光反応開始剤として日本曹達(株)製のC
I5102:6部、光増感剤として日本曹達(株)製の
CS7102:1部を使用し、シランカップリング剤と
して信越化学工業(株)のKBM303:2部を使用
し、これらの諸成分を配合して調製した。実施例13
は、重合非収縮性モノマーとして新日鐵化学(株)製の
γ−OSE:40部、脂環エポキシ化合物としてダイセ
ル化学工業(株)製のCelloxide2081:1
0部、及び、2官能オキセタン化合物として東亜合成
(株)のアロンオキセタンOXT−121(XDO):
10部を使用し、単官能オキセタン化合物として東亜合
成(株)のアロンオキセタンOXT−212(EHO
X):20部、OXT−101(OXA):10部、O
XT−221(DOX):10部を使用し、また、光反
応開始剤として日本曹達(株)製のCI5102:6
部、光増感剤として日本曹達(株)製のCS7102:
1部を使用し、シランカップリング剤として信越化学工
業(株)のKBM303:2部を使用し、これらの諸成
分を配合して調製した。表4に実施例7〜13のテスト
結果を示した。硬化収縮率は2.3〜3.8%と何れも
4%以下、UV接着強度も比較例とほぼ同等かそれ以上
の値、粘度は25℃測定の実施例7と12の値を除いて
1000mPa・s以下とすることができた。実施例7
と12においても40℃測定の粘度を1000mPa・
s以下とすることができた。硬化収縮率はCellox
ide2021PやCelloxide3000を使用
すると増加する傾向にあり、Celloxide208
1を減らしOXT−121を増やすと硬化収縮率は減少
する傾向にある。
【0060】
【表4】
【発明の効果】固体レーザー結晶を半導体レーザー(レ
ーザーダイオード)によって励起するレーザーダイオー
ド励起固体レーザーの光学部品を接着固定するUVまた
は可視光硬化型接着剤として、より低い硬化収縮率が得
られ、かつ、接着強度に優れた、より精度の高い接着固
定が可能となる。また、適切なアロンオキセタンを選択
し、希釈モノマーとして使用することで、硬化収縮率を
上げずに粘度を下げることができた。さらに、接着性組
成物の硬化収縮率を従来の約1/2近くにすることがで
きた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例装置を示す概略側面図であ
る。
【符号の説明】
10 レーザービーム(励起光) 11 半導体レーザー 12 集光レンズ 13 Nd:YAG結晶 13a Nd:YAG結晶のコーティング面 13b Nd:YAG結晶の接着面 14 共振器ミラー 14a 共振器ミラーのミラー面 14b 共振器ミラーの接着面 15 KN結晶 16 エタロン 18 固体レーザービーム 19 第2高調波 20、21 ホルダー 21a、21b ホルダーのミラー取付面 22 基準板 23 ヒートシンク 24 ペルチェ素子
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J040 EC261 EE022 HB46 HD18 JB07 KA13 LA06 NA17 PA28 PA32 5F072 AB02 FF09 JJ03 JJ05 JJ06 KK06 KK07 KK08 KK12 PP07 QQ02 RR01 RR03 TT05 TT12 TT15 YY20

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 脂環式エポキシ基を有する化合物、オキ
    セタニル基を有する化合物、重合非収縮性モノマー、及
    び触媒量のオニウム塩光反応開始剤を含有する接着性組
    成物を、複数の光学部品からなる被着体の間に接着厚さ
    が0.05μm以上5μm以下となるように挿入した
    後、活性エネルギー線により硬化させたことを特徴とす
    る光デバイス。
  2. 【請求項2】 重合非収縮性モノマーが、下記に示すB
    OE(ビシクロオルソエルテル)、SOE(オルソスピ
    ロエステル)、及びSOC(オルソスピロカーボネー
    ト)よりなる群より選ばれた環状構造を少なくとも1つ
    有する化合物である請求項1記載の光デバイス。 【化1】 式中、R及びR’はいずれも置換基を有しても良いアル
    キル基を示し、nは2〜10の整数を示し、R及びR
    はいずれも置換基を有しても良い2価のアルキレン基
    を示す。上記の環状構造をn個(nは2〜4の整数を示
    す。)有する化合物においては、上記(a)ないし(c)の化
    学構造中の水素原子1つを除いた構造である環状官能基
    をn価の有機連結基により連結した化学構造を有する。
  3. 【請求項3】 オキセタニル基を有する化合物が、下記
    一般式(1)で表される請求項1又は2記載の光デバイ
    ス。 【化2】 式(1)中、R1はメチル基又はエチル基を示す。R
    2は、水素原子又は炭素数1ないし12の炭化水素基を
    示す。
  4. 【請求項4】 少なくとも1種の光増感剤を含有する接
    着性組成物を、紫外線又は波長390nm〜500nm
    の可視光により硬化させた請求項1ないし3いずれか1
    つに記載の光デバイス。
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