JP2003151761A - 有機el素子を含む発光素子およびそれを用いた光インターコネクション装置 - Google Patents

有機el素子を含む発光素子およびそれを用いた光インターコネクション装置

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JP2003151761A
JP2003151761A JP2001349094A JP2001349094A JP2003151761A JP 2003151761 A JP2003151761 A JP 2003151761A JP 2001349094 A JP2001349094 A JP 2001349094A JP 2001349094 A JP2001349094 A JP 2001349094A JP 2003151761 A JP2003151761 A JP 2003151761A
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organic
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Yutaka Omori
裕 大森
Hiromu Kajii
博武 梶井
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Osaka Industrial Promotion Organization
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    • H10SEMICONDUCTOR DEVICES; ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • H10KORGANIC ELECTRIC SOLID-STATE DEVICES
    • H10K50/00Organic light-emitting devices
    • H10K50/80Constructional details
    • H10K50/85Arrangements for extracting light from the devices
    • H10K50/856Arrangements for extracting light from the devices comprising reflective means

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  • Optics & Photonics (AREA)
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  • Electroluminescent Light Sources (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 単色性および指向性がよい光を発光し、素子
寿命が長い発光素子、およびそれを用いた光インターコ
ネクション装置を提供する。 【解決手段】 有機EL素子110を含み、波長λをピ
ークとする光を発する発光素子であって、有機EL素子
110を挟むように配置された第1および第2の反射膜
120および130を備え、第1および第2の反射膜1
20および130から選ばれる少なくとも1つの反射膜
が多層膜であり、第1および第2の反射膜120および
130が、発光のスペクトルを制御する機能と、有機E
L素子110を外気から保護する機能とを有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、有機EL素子を用
いた発光素子およびそれを用いた光インターコネクショ
ン装置に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、IT(Information
Technology)革命が急速に進展する中で、情
報処理を高速に行うことが可能な光情報処理回路の開発
が進められている。光情報処理回路を用いた製品のさら
なる小型・軽量化、および取り扱い易さの向上のために
は、可撓性を有する光情報処理回路を実現することが有
効である。
【0003】このような可撓性を有する光情報処理回路
を実現するため、ポリマー光導波路フィルムが提案され
ている(疋田:「有機光導波路素子」、電子情報通信学
会誌,Vol.81, No.1, pp.37-40, 1998)。しかし、発光
素子や受光素子などの能動素子が無機の半導体からなる
場合には、能動素子を形成する際に基板を高温に加熱す
る必要があるため、ポリマー光導波路フィルム上にこれ
らの能動素子を直接形成することが困難であった。
【0004】このような問題を解決するため、可撓性を
有するポリマー光導波路上に、低温で形成が可能な有機
EL素子を光源とする光集積回路を作製する試みがなさ
れている(Y. Ohmori, M. Hikita, H. Kajii, T. Tsuka
gawa, K. Yoshino, M. Ozaki, A. Fujii, S. Tomaru, "
Organic EL diode with waveguide devices"、S. Imamu
ra, H. Takenaka, J. Kobayashi, and F. Yamamoto, "O
rganic electroluminescent diodes as a light source
for polymeric waveguides: toward organicintegrate
d optical devices, Thin Solid Films, vol. 393, pp.
267-272, 2001参照)。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
有機EL素子はディスプレーの光源などに用いるために
開発されていたため、発光のスペクトルが広く単色性に
欠けていた。このため、ある特定の波長を得るためには
フィルターを用いる必要があった。また、有機EL素子
は、空気中の水蒸気や酸素などのガスを吸着すると発光
輝度などの特性が低下するという問題があり、素子の寿
命を長くするためには、有機EL素子を外気から遮断す
る必要があった。
【0006】このような状況に鑑み、本発明は、単色性
がよい光を発光し素子寿命が長く製造が容易な有機EL
素子、およびそれを用いた光インターコネクション装置
を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の発光素子は、有機EL素子を含み、波長λ
をピークとする光を発する発光素子であって、前記有機
EL素子を挟むように配置された第1および第2の反射
膜を備え、前記第1および第2の反射膜から選ばれる少
なくとも1つの反射膜が多層膜であり、前記第1および
第2の反射膜が、前記光のスペクトルを制御する機能
と、前記有機EL素子を外気から保護する機能とを有す
ることを特徴とする。
【0008】上記発光素子では、前記多層膜が、同じ数
だけ交互に積層された第1および第2の層からなり、前
記第1の層の屈折率と前記第2の層の屈折率とが異な
り、前記第1の層の光路長および前記第2の層の光路長
は、それぞれ、前記波長λの4分の1であることが好ま
しい。この構成によれば、波長λの光の発光強度、単色
性および指向性が特に高い発光素子が得られる。
【0009】上記発光素子では、前記第1および第2の
反射膜に挟まれた前記有機EL素子の光路長が、λ・m
/2(mは1以上の整数)であることが好ましい。この
構成によれば、第1および第2の反射膜間で生じる干渉
によって選択波長の光が減衰することを抑制できる。
【0010】上記発光素子では、前記第1および第2の
層から選ばれる少なくとも1つの層が、前記有機EL素
子の特性を劣化させるガスを遮断する材料からなること
が好ましい。この構成によれば、寿命が特に長い発光素
子が得られる。
【0011】また、本発明の光インターコネクション装
置は、ポリマーからなる光導波路基板と前記光導波路基
板上に形成された発光素子とを備える光インターコネク
ション装置であって、前記発光素子が、上記本発明の発
光素子であることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら説明する。
【0013】(実施形態1)実施形態1では、本発明の
発光素子について説明する。実施形態1の発光素子10
0について、断面図を図1に示す。
【0014】図1を参照して、発光素子100は基板2
00上に形成されている。そして、発光素子100は、
有機EL素子110と、有機EL素子110を挟むよう
に有機EL素子110の両側に配置された第1の反射膜
120と第2の反射膜130とを備える。発光素子10
0は、特定の波長λをピークとする光を選択的に出射す
る。以下、発光素子100が出射するように選択された
光のピーク波長を「選択波長」という場合がある。
【0015】基板200は、ポリマー製の光導波路基板
である。基板200は、屈折率が大きなコア層と、屈折
率が小さなクラッド層とを含むポリマーを用いて形成で
きる。
【0016】有機EL素子110には、従来の一般的な
有機EL素子を用いることができる。図1には、一例と
して、陰極111、電子注入層112、電子輸送層11
3、発光層114、正孔輸送層115、正孔注入層11
6および陽極117が積層された有機EL素子110を
示している。有機EL素子110の各層の厚さは、第1
の反射膜120と第2の反射膜130との間の光路長
(有機EL素子110の光路長)が、選択波長λ(共振
波長)に対して、λ・m/2(mは1以上の整数)とな
るように調整することが好ましい。有機EL素子110
は、有機分子線蒸着法によって形成できる。なお、図1
に示した有機EL素子の構造は一例であり、他の構造の
有機EL素子を用いてもよい。
【0017】第1の反射膜120と第2の反射膜130
は、ともに多層構造を有する多層反射膜である。第1お
よび第2の反射膜120および130によって構成され
るミラー構造は、発光素子から出射される光のスペクト
ルを制御する機能と、有機EL素子を外気から保護する
機能とを有する。以下、反射膜の具体的な構成について
説明する。
【0018】第1の反射膜120は、同じ数だけ交互に
積層された第1の層121と第2の層122とからな
る。同様に、第2の反射膜130は、同じ数だけ交互に
積層された第1の層131と第2の層132とからな
る。第1および第2の層121および122、ならびに
第1および第2の層131および132は、それぞれ、
たとえば2層〜100層(1ペア〜50ペア)積層され
る。理論的には、これらの層の積層数が多いほどミラー
構造の波長選択性は向上するが、光の散乱、吸収がある
ために最適な積層数が存在する。酸化シリコンからなる
第1の層121と窒化シリコンからなる第2の層122
とを用い、選択波長を520nmとした場合には、最適
な積層数は10層〜12層(5ペア〜6ペア)であっ
た。第1および第2の反射膜120および130の厚さ
は、それぞれ、基板200の可撓性を損なわない厚さで
あることが好ましく、たとえば1μm〜50μmの範囲
内である。
【0019】第1および第2の層121および122、
ならびに第1および第2の層131および132は、と
もに選択波長λに対して透明な材料、すなわち、選択波
長λにおける光吸収係数が小さい材料からなる。また、
第1の層121の屈折率と第2の層122の屈折率は異
なり、第1の層131の屈折率と第2の層132の屈折
率とは異なる。第1の反射膜120を構成する2つの層
は異なる材料によって形成され、第2の反射膜130を
構成する2つの層は異なる材料によって形成される。な
お、第1の反射膜120を構成する層と第2の反射膜1
30を構成する層とは同じ材料で形成しても異なる材料
で形成してもよい。第1および第2の層121および1
22、ならびに第1および第2の層131および132
は、それぞれ、光路長が選択波長の4分の1倍となるよ
うに屈折率(材料)および厚さが選ばれる。
【0020】第1および第2の層121および122、
ならびに第1および第2の層131および132は、そ
れぞれ、シリコン、チタン、マグネシウム、リチウム、
アルミニウムおよびガリウムといった金属または半導体
の、酸化物、窒化物またはフッ化物で形成できる。具体
的には、たとえば、SiO2、SiN、TiO2、Ti
N、MgF2、Al23、CeO2、SnO2、Si
34、Ta25、PbO、SrO、CaF2、ITO、
ZnOなどを用いて形成できる。ここで、第1および第
2の層から選ばれる少なくとも1つの層は、有機EL素
子110の寿命を長く保つために、外気中の水分、酸
素、窒素化合物、硫化化合物などを遮断する材料によっ
て形成されることが好ましい。特に、有機EL素子11
0の特性を劣化させるガス(たとえば水蒸気や酸素ガ
ス)を遮断する材料で各層を形成することが好ましく、
窒化シリコン層と酸化シリコン層の積層膜が好ましい。
保護膜としての機能は、単一の材料では効果が少ない
が、異なる材料からなる層を積層することによって高い
効果が得られる。たとえば、酸化シリコン層のみで保護
膜を形成した場合と比較して、酸化シリコン層と窒化シ
リコン層の積層膜を用いることによって、保護膜として
の効果が約3倍に増加する。
【0021】なお、本発明の発光素子では、有機EL素
子の透明導電膜(電極)が、多層反射膜の1つの層を兼
ねてもよい。ここで、本明細書では有機EL素子の外側
に反射膜が形成されていると説明しているが、透明導電
膜のうち注入層と接触している面が電極として機能し、
それ以外の部分が反射膜の一部として機能すると考える
ことができる。
【0022】以上のように説明した本発明の発光素子1
00では、有機EL素子110の発光層114から出射
された光は、第1および第2の反射膜120および13
0によって構成されるミラー構造で選択波長の光が増強
され、ポリマー光導波路基板である基板200に導かれ
る。この発光素子100では、ミラー構造によって、選
択波長λをピークとする発光の単色性を高くでき(すな
わち、発光スペクトルをシャープにでき)、選択波長λ
における発光強度を高くできる。また、本発明の発光素
子100では、ミラー構造によって、指向性が高い光を
出射することができる。さらに、発光素子100では、
第1および第2の反射膜120および130をスパッタ
リング法などの低温プロセスで形成できるため、ポリマ
ー製の基板上に形成でき、光情報処理回路の光源として
好適である。
【0023】さらに、本発明の発光素子では、発光波長
をミラー構造によって選択することによって、同じ有機
EL素子からピーク波長が異なる複数の光を発生するこ
とができ、波長多重伝送の光源に使用することができ
る。これは、たとえば、有機EL素子に、選択波長が異
なる反射膜を複数形成することによって達成できる。一
例として、傾斜した膜厚分布を作り、場所によって選択
波長が異なる共振器ミラーとすることができる。
【0024】なお、本発明の発光素子では、有機EL素
子を挟むように配置された2つの反射膜のうち、少なく
とも1つの反射膜が多層膜であればよく、一方の反射膜
には金属からなる単一の反射膜を用いてもよい。たとえ
ば、図1の発光素子100において、第2の反射膜13
0を金属反射膜としてもよい。また、陰極111を金属
で形成し、陰極が反射膜を兼ねてもよい。金属からなる
陰極111は、たとえばアルミニウム合金やマグネシウ
ム合金で形成できる。このような陰極111は、真空蒸
着法によって形成できる。この場合、陰極111を除く
有機EL素子110の光路長が、選択波長λに対してλ
・m/2(mは1以上の整数)となるように有機EL素
子110の各層の材料および厚さを選択することが好ま
しい。また、この場合には、反射膜ではない保護膜をさ
らに形成するか、素子全体を外気から保護する構造とす
ることが好ましい。
【0025】(実施形態2)実施形態2では、本発明の
光インターコネクション装置について説明する。実施形
態2の光インターコネクション装置は、実施形態1の発
光素子100と、ポリマー光導波路基板である基板20
0と、受光素子とを含み、さらに必要に応じてコネクタ
ーにより外部の光ファイバーを介して、外部の装置と光
信号で情報伝達を行う装置を含む。本発明の光インター
コネクション装置は、CPUや画像処理チップなどの演
算処理回路素子、演算処理回路素子を搭載したボードな
どからの電気信号を光信号に変換し、光ファイバーを介
して外部装置と接続するための装置である。
【0026】
【実施例】以下、実施例を用いて本発明をさらに詳細に
説明する。この実施例では、本発明の発光素子を作製し
た一例について、図1を参照しながら説明する。
【0027】まず、ポリマー光導波路基板である基板2
00上の一部に、反射膜130を形成した。具体的に
は、酸化シリコン(屈折率n=1.46)からなる層
(厚さ:96nm)と、窒化シリコン(n=2.04)
からなる層(厚さ:68nm)とを10層ずつ、基板2
00側から酸化シリコン/窒化シリコンという順序で交
互に積層した。これらの層はスパッタリング法によって
形成した。
【0028】次に、反射膜130上に有機EL素子11
0を形成した。有機EL素子110の各有機分子層は有
機分子線蒸着法によって形成した。具体的には、10-5
Pa程度の高真空中で有機分子を加熱して蒸発させ、物
理的なシャッターで蒸着量を制御することによって、所
望の厚さの有機分子層を形成した。また、有機EL素子
110の無機化合物層は、一般的な蒸着法やスパッタリ
ング法によって形成した。
【0029】有機EL素子110は、反射膜130上
に、陽極117〜陰極111を順次積層することによっ
て形成した。以下、各層の具体的な構成について説明す
る。
【0030】陽極117は、選択波長の光を透過させる
導電性の材料で形成でき、たとえばITO(Indiu
m−Tin−Oxide)などの透明導電膜で形成でき
る。ITOを用いる場合には、陽極111の厚さはたと
えば100nm〜500nmの範囲内である。この実施
例では、陽極117として、膜厚が300nmのITO
膜を用いた。
【0031】正孔注入層116は、たとえば銅フタロシ
アニンで形成できる。正孔注入層116の厚さは、たと
えば10nm〜200nmの範囲内である。この実施例
では、正孔注入層116として厚さ20nmの銅フタロ
シアニン層を用いた。
【0032】正孔輸送層115は、たとえば、正孔輸送
性が高いジアミン誘導体で形成できる。具体的には、
4,4’−bis[N−(1−naphtyl)−N−
phenyl−amino]−biphenyl(α−
NPD)や、N,N’−diphenyl−N,N’−
bis(3−methylphenyl)−1,1’−
biphenyl−4,4’−diamine(TP
D)を用いることができる。正孔輸送層115の厚さ
は、たとえば10nm〜200nmの範囲内である。こ
の実施例では、正孔輸送層115として、厚さ30nm
のα−NPD層を用いた。
【0033】発光層114は、希望する選択波長に応じ
た材料で形成される。ルブレン(Ruburene)ま
たは4−(dicyanomethylene)−2−
methyl−6−(p−dimethl amino
styryl)−4H−pyran(DCM)を体積分
率が0.1%〜10%の範囲内となるようにAlq3
に分散させた発光層114を用いることによって、中心
波長が550nm〜610nmの範囲内である黄色発光
が得られる。発光層114の厚さは、たとえば0.1n
m〜100nmの範囲内である。厚さを0.1nm以上
とすることによって高い発光効率が得られる。また、厚
さを100nm以下とすることによって高い応答速度が
得られる。さらに、厚さを10nm〜20nmの範囲内
とすることによって発光効率および応答速度をともによ
り高くできる。分散させる色素分子の体積分率は、たと
えば0.01%〜30%の範囲内であり、1%〜10%
の範囲内であることが好ましい。体積分率を0.01%
〜30%の範囲内とすることによって高い発光効率が得
られる。最適な体積分率は色素分子の種類によっても異
なるが、上記色素分子の場合には、体積分率を1%〜1
0%の範囲内とすることによって特に高い発光効率が得
られる。発光層114から出射される光のスペクトル
は、発光層114の材料を変化させることによって制御
できる。この実施例では、Alq3中に7体積%のルブ
レンを分散させた発光層(厚さ:30nm)を用いた。
【0034】電子輸送層113は、たとえばキノリノー
ル骨格を有する金属錯体(たとえば8−hydroxq
uinoline aluminium(Alq3)や
tris(4−methyl−8−quinolino
late)aluminium(III)(Almq3)な
ど)で形成できる。また、フェニレンオリゴマー(p−
sexiphenylなど)も電気伝導度が大きい輸送
層を形成する材料として用いることができる。電子輸送
層113の厚さは、たとえば10nm〜200nmの範
囲内である。この実施例では、電子輸送層113とし
て、厚さ10nmのAlq3層を用いた。
【0035】電子注入層112は、陰極111と電子輸
送層113との間の電位障壁を小さくするための層であ
る。電子注入層112を形成することによって、発光開
始電圧を低下させることできる。電子注入層112の厚
さは、たとえば0.1nm〜10nmの範囲内である。
この実施例では、電子注入層112として、厚さ1nm
のフッ化リチウム層を用いた。このフッ化リチウム層を
形成することによって、3Vの電圧で有機EL素子を発
光させることができた。
【0036】陰極111は、選択波長の光を透過させる
導電性の材料で形成でき、たとえばITO(Indiu
m−Tin−Oxide)などの透明導電膜で形成でき
る。ITOを用いる場合には、陰極111の厚さはたと
えば100nm〜500nmの範囲内である。また、陰
極111は、アルミニウムなどの金属からなる薄膜で形
成することもできる。この場合の陰極111の厚さは、
選択波長の光を透過させるために10nm〜100nm
の範囲内とする。この実施例では、陰極111として、
膜厚300nmのITO膜を用いた。なお、反射膜12
0を形成しない場合には、陰極111として、膜厚20
0nmのアルミニウム合金(1原子%のリチウムを混入
したアルミニウム)を用いることができる。
【0037】上述したようにして有機EL素子110を
形成したのち、有機EL素子110上に反射膜120を
形成した。反射膜120は、酸化シリコン(n=1.4
6)からなる層(厚さ:96nm)と、窒化シリコン
(n=2.04)からなる層(厚さ:68nm)とを1
0層ずつ、有機EL素子110側から酸化シリコン/窒
化シリコンという順序で交互に積層した。これらの層は
スパッタリング法によって形成した。
【0038】このようにして、本発明の発光素子を作製
した。反射膜からなるミラー構造を形成しない場合に
は、有機EL素子からの発光スペクトルの半値幅は15
0nm以上であった。これに対して、ミラー構造を形成
した本実施例の発光素子では、半値幅が10nm以下に
なった。また、ピーク波長である560nmにおける発
光強度は、ミラー構造がない場合に比べて10倍以上に
増加した。
【0039】以上、本発明の実施の形態について例を挙
げて説明したが、本発明は、上記実施の形態に限定され
ず本発明の技術的思想に基づき他の実施形態に適用する
ことができる。
【0040】なお、反射膜を構成する層や有機EL素子
について本発明で規定している光路長は、5%程度のず
れがあっても本発明の効果は得られる。特に、反射膜を
構成する層の膜厚が設計値から小さくなる側に多少ずれ
ても本発明の効果が得られやすい。すなわち、これらの
光路長に多少のずれがあっても、本発明の効果が得られ
る限りそれらは誤差の範囲内であって本発明に含まれ
る。
【0041】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の発光素子
は、無機の半導体ではなく有機EL素子を光源としてい
るため、ポリマー光導波路基板上に直接素子を形成する
ことができる。また、本発明の発光素子は、ピーク波長
の発光強度、単色性および指向性が高い光を出射するこ
とができる。また、本発明の発光素子では、反射膜が、
反射膜としての機能と保護膜としての機能とを兼ね備え
るため、素子の長寿命化を容易に達成することができ
る。このため、本発明の発光素子は、可撓性を有する光
集積回路の光源として好適である。また、本発明によれ
ば、簡易なプロセスで、可撓性を有し、軽量で加工性に
富む光集積回路を提供することができる。この光集積回
路は、携帯機器などに用いることができる。
【0042】さらに、本発明の発光素子では、反射膜の
構成を選択することによって、所望の波長の光を選択的
に出射させることができる。さらに、本発明の発光素子
では、発光波長をミラー構造によって選択することによ
って、同じ有機EL素子からピーク波長が異なる複数の
光を発生することができ、波長多重伝送の光源に使用す
ることができる。
【0043】また、本発明を光インターコネクション装
置に用いることによって、CPU、各種処理ボード、お
よび光ファイバーを相互に高速に接続することができる
ため、データ伝送や演算処理を高速に行うことができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の発光素子について一例を示す断面図
である。
【符号の説明】
100 発光素子 110 有機EL素子 111 陰極 112 電子注入層 113 電子輸送層 114 発光層 115 正孔輸送層 116 正孔注入層 117 陽極 120 第1の反射膜 121、131 第1の層 122、132 第2の層 130 第2の反射膜 200 基板
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H047 KA03 MA07 QA05 RA08 TA05 TA41 3K007 AB04 AB11 AB18 BA07 BB06 CA06 DB03 EA01

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機EL素子を含み、波長λをピークと
    する光を発する発光素子であって、 前記有機EL素子を挟むように配置された第1および第
    2の反射膜を備え、 前記第1および第2の反射膜から選ばれる少なくとも1
    つの反射膜が多層膜であり、 前記第1および第2の反射膜が、前記光のスペクトルを
    制御する機能と、前記有機EL素子を外気から保護する
    機能とを有することを特徴とする発光素子。
  2. 【請求項2】 前記多層膜が、同じ数だけ交互に積層さ
    れた第1および第2の層からなり、 前記第1の層の屈折率と前記第2の層の屈折率とが異な
    り、 前記第1の層の光路長および前記第2の層の光路長は、
    それぞれ、前記波長λの4分の1である請求項1に記載
    の発光素子。
  3. 【請求項3】 前記第1および第2の反射膜に挟まれた
    前記有機EL素子の光路長が、λ・m/2(mは1以上
    の整数)である請求項1または2に記載の発光素子。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の層から選ばれる少
    なくとも1つの層が、前記有機EL素子の特性を劣化さ
    せるガスを遮断する材料からなる請求項2または3に記
    載の発光素子。
  5. 【請求項5】 ポリマーからなる光導波路基板と前記光
    導波路基板上に形成された発光素子とを備える光インタ
    ーコネクション装置であって、 前記発光素子が、請求項1〜4のいずれか1項に記載の
    発光素子であることを特徴とする光インターコネクショ
    ン装置。
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